【咲-Saki-】咲「思い出したよ、私が一番お姉ちゃんと仲良しだった頃のことを」 (26)


咲?(花瓶に活けてある花)「というわけで、こうなりました」

和「」

まこ「いや、意味がわからん、ちゃんと説明しんさい」

優希「てゆうか、ホントに咲ちゃんなのか?」

和「はっ!そうです!咲さんを騙る別人の可能性があります」

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咲?「む、疑うの?」

京太郎「当たり前だろ」

まこ「信じる方がどうかしとるわい」

優希「さあ、どうやって証明するんだじぇ?」

和「というか、咲さんに連絡してみましょう。携帯電話の扱いもなれたようで、最近はすぐに出てくれますから」

プルルルルル

咲?「はい、もしもし」ガチャ

和「あ、咲さんですか?今どちらにおられますか?」

咲?「目の前にいるよ。信じてくれないの?」

和「」


京太郎「…今なにが起きた?」

優希「携帯にかけて…通話した、だと?」

和「ありのままに今起こったことを話します。私は咲さんの携帯に電話したはずなのになぜか携帯すら持っていないはずの目の前の謎の物体と会話していた。わけがわか(ry」

まこ「どこから突っ込めばええんじゃ…」

咲「ふふん!携帯電話を使いこなす一番の方法…それは私自身が携帯になることだよ!花になるついでに同化したんだよ!」パタパタ

京太郎「あ、葉っぱ動くんだ」

咲「ただの花と一緒にしてもらっちゃ困るよ!花びらだって閉じられるんだから!寝てる時はつぼみになるからそれで見分けてね」

和「」

優希「…これは、認めるしかないのか?」

京太郎「良くみると茎に一本だけ棘があるな。あれが例の角か」

咲「そのとおり!」


和「…麻雀を打ちましょう」ユラリ

京太郎「は?」

和「咲さんなら麻雀を打つことを拒んだりしないはずです、麻雀を打ちましょう」フラフラ

優希「のどちゃん…いくらなんでも植物に麻雀は…」

咲「うん、いいよ!打とう!」

和「」

まこ「まあ、麻雀ぐらいはつきあってもええが…どうやって打つ気なんじゃ?」

咲「え?そんなの普通に…あ」

京太郎「…あ、じゃねえよ、馬鹿」

咲「きょ、京ちゃんどうしよう…?」ウルウル

京太郎「仕方ねえな。打つのは代わりにやってやるから、指示してくれ」

咲「あ、ありがとう!」パアア


ーー

対局中

ーー


京太郎「槓、槓、槓…ツモ、嶺上開花、三暗刻、三槓子、白、中…4000、8000」

和「」

優希「…これは認めるしかないじぇ…」

まこ「この打ち回しは咲にしか出来んじゃろうな」

和「認めません認めません認めません…」ブツブツ

京太郎「おい、和がぶっ壊れたぞ、どうすんだ咲?」

咲「…エトペンでも抱かせれば落ち着くんじゃないかな?」


まこ「で、お前が咲なのは分かった。話をもどそう」

咲「えっと、なんの話してましたっけ?」

京太郎「一貫して咲かどうかの確認をしてた気がするが…」

まこ「いや、確か最初に、思い出したとかなんとか…」

咲「あ、そうそう!思い出したんだよ!私が一番お姉ちゃんと仲が良かった頃を!」


バタン


久「学生議会の仕事が長引いちゃったわ…って、咲?どうしたの、急に花になって」

まこ「」

和「」

優希「部長もそっち側だったじぇ…」

京太郎「…状況を理解出来てそうな人が来たことを喜ぶべきか、混乱が深まったことを嘆くべきか」

優希「後者だと断言するじぇ」

京太郎「だよなあ…」


久「なるほどね、みんなにはまだ早かったか…」

まこ「早い遅いの問題とは思えんが…突っ込んでたらキリがなさそうじゃから細かいとこはスルーじゃ、ええな?」

京太郎「うっす」

優希「合点だじぇ」

和「」

久「咲が人に戻れば直るだろうから、和はほっとくわね」

咲「その方が話が進みやすいですね」


久「で、どういう風の吹き回し?いきなり花になるなんて」

咲「それなんですけど、思い出したんですよ!私が一番お姉ちゃんと仲が良かった頃を!」

久「…ごめん、流石にちょっとわかんないわ。説明してくれる?」


京太郎「よかった、ここを「なるほどね」とか言ってスルーされたらどうしようかと思った…」

優希「十分あり得る話だから怖いじぇ…」

咲「その頃、こんなことがあったんですよ」


(回想)



咲(人型)「嶺上開花?」

照「麻雀の役の名前だよ。『山の上に花が咲く』って意味なんだ」

咲「咲く…おんなじだ!私の名前と!」

照「森林限界を超えた高い山の峰に、花が咲くこともある。咲、お前もそんな花のように、強く咲けばーーー」



(回想終了)



咲「というわけで、咲いてみました!」パッ

久「なるほどね」


京太郎「やべえ…全く意味がわからねえ…そして花びら全開にすんな。多分それドヤ顔だろ」

咲「これ以上ないほど分かりやすいじゃん!京ちゃんはもうすこし日本語を勉強してよ!…ドヤ顔なのは合ってる」

優希「日本語の問題なのか…?」

久「ま、文学少女の咲ぐらいの国語力をみんなに求めるのは酷よね」

まこ「え?これ、わしらの日本語が不自由ってことにされるんか?」

咲「残念ながらそうなりますね」


バタン!

透華「話は全て聞かせて頂きましたわ!」

衣「咲…そんなことがあったのか…」ウルウル

ノートPC「義を見てせざるは勇なきなり。私も協力する」

久「ありがとう、あなた達の協力が得られるなら心強いわ」



一「ともきーは、協力する前に自分自身をどうにかしてほしいんだけど…」

純「諦めろ国広くん、どうやら俺たちは少数派らしい」

京太郎「てゆうか、聞いてたんですか?部長が来る前から?」

一「うん、久は普通にボク達に挨拶して入って行ったよ」

まこ「部室の前で聞き耳立ててる集団をスルーしよったんか、あのポンコツ…」

優希「まともな人が増えたじぇ…てゆうか、人数的には多数派じゃないのか?」

純「…それがな…いや、説明したくない」



照「咲…そこまで私のことを…」

菫「まったく、姉妹喧嘩に巻き込んでくれて…あとで埋め合わせをしてもらうぞ」

タコ(照の肩に乗ってる)「サキー…なんて健気な」ウルウル

釣竿(菫が担いでる)「これは、我々もひと肌脱がないといけませんね」

お茶(ペットボトル)「いい妹さんですね、先輩」ズズ…



まこ「」

優希「…なあ、京太郎、あたしのほっぺをつねってくれないか?」

京太郎「諦めろ優希、現実だ」


照「咲!」

咲「お、おねえちゃん!?」

照「…私も思い出した、咲と一番仲良しだった頃を…」

咲「お姉ちゃん…」

照「あの頃は、楽しかった…咲も麻雀が好きで、私も、父さんも母さんも…毎日みんなで卓を囲んで笑ってた…」

咲「お姉ちゃん…」

照「…今までごめんね、咲。今更何をって思うかもしれないけど、また、家族として咲と暮らしたい」

咲「お、おねえちゃああああん!!!」

照「咲いいいいいっ!」


久「ふふ、泣けるわね」ホロリ

透華「良いことをした後は気分が良いですわ」

衣「良かったな…咲、本当に良かった…」グスン

ノートPC「任務完了、Windowsを終了する」


タコ(照の肩に乗ってる)「(ふふ、今は空気になってあげるよ。この淡ちゃんが脇役に徹するなんて100年に一度あるかどうかなんだからね)」ウネウネ

菫「」ホロリ

釣竿「…」ホロリ

ペットボトル「宮永先輩…良かった…」ホロリ


京太郎「え?この凄絶な絵面でなんでみんな泣けるの?」

優希「気にしたら負けだじぇ、京太郎」

まこ「頭が痛くなってきたわい…」


こうして、私はお姉ちゃんと仲直りをした。
インターハイが終わって間もなく、お姉ちゃんはお母さんと一緒に長野に戻ってきてくれた。
タコになったままの淡ちゃんもついて来たけど、特に問題なく、楽しい日々を過ごしている。

頂に咲く一輪の花。森林限界を超えた高みに強く咲く花。

私は、そんな花になれたのかな?


咲「その1筒、槓!」


今日も、家族みんなの笑顔が卓を囲んでいる。


咲「ツモ、嶺上開花!」


きっと、私はなれたんだ。強く咲く、花に。
あの時、お姉ちゃんは言った。強く咲けば…


ーーー幸せを、つかめるはず


そう、言ったんだ。
だから、今私が幸せなのは、私が、強く咲く花になれたから。


界「やられたな、咲は本当に強くなった」

母「もう、照以外は歯が立たないわね」

照「まだオーラスが残ってる、勝った気になるのは早いぞ、咲」

タコ「私も居るんだからね~」ウネウネ


笑顔が卓上に咲く。淡ちゃんがウネウネする。
私は、この笑顔を守るため、強く咲き続ける。


咲「ふふっ、負けないよ!」



森林限界を超えた高い山の上に、強く、強くーーーーー



乙 淡がタコのままなんですが

山を築く話と似たような構成になりました、芸風の固定化が懸念されます。
次はちょっとシリアス書いて新しい風を取り入れようと思います。

>>15
仕様です。

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