エレン（ヒストリアの奴…また黙りになっちまった。まあ、理由はどうあれ兵長からあんなこと言われたら仕方ないがな）

ヒストリア（どうしよう…どうしよう…本当におしっこ漏れそう。ここに来る前にちゃんとトイレ行ったのに）

リーブス「どうした、顔色が悪いみたいだが…まあ心配するな。兵長や皆を信じろ」ポンッ

ヒストリア（あああああ！！揺らさないで！！揺らさないでえええ！！！）ガクガク

エレン「おい、ヒストリア。なんかすげえ汗かいてないか？」

ヒストリア（ああもう。なんでこんな大事な時におしっこしたくなるの。まあ確かに私は前から運が悪いけど…さすがにこれは……キツイ！！）

ヒストリア（ああ、昨日ミカサが作った晩御飯のお芋と玉ねぎのスープを何回もおかわりして飲みすぎたせいかな……だって美味しかったんだもん！美味しかったんだもん！）

フレーゲル「ちょっと小便してくる」

リーブス「ああ？さっさと済ませてこいよ」

ヒストリア「！！！」

ヒストリア（わ、私も…おしっこ行きたい！！！）

ヒストリア（でもどうしよう…女の子なのに野外小便なんて恥ずかしい近くにトイレ無いし…）

ヒストリア（でも、贅沢は言ってられない！漏らしたらもう恥ずかしいなんてもんじゃ済まない………それこそもう社会的におしまいだし皆に迷惑かかるし諫山さんにも迷惑がかかる！！こんなところで漏らしたら…まあ一部の読者は喜ぶかも知れないけど、純粋にシリアスストーリーを楽しみたい人からしたら全てをぶち壊すまさに文字通り糞展開になってしまう！！！）

ヒストリア「あ…あの、か、会長…」

リーブス「あ？どうした？」

ヒストリア「あ、あの…その…あっちの方で……その、お、おしっ」

リーブス「あっちの方？なにかあるのか？見てくるから待ってろ」ズカズカ

ヒストリア「！！？え、いやちょっ待っ」

ヒストリア（…行ってしまった…）

ヒストリア（あっちの方でおしっこさせてって言おうとしたのに！！なんで話してる途中で行っちゃうの、もう！！！）

エレン「どうした、あっちに何かあったのか？ヒストリア」

ヒストリア「え！？いや、そ、そうじゃなくて！おしっ」

？？？「よう、久しぶりだな」

ヒストリア「！？」

ケニー「クリスタ・レンズ……覚えてるか？お前に新しい名が与えられた時にその場にいた者だ」

ヒストリア（ちょっ、なんでこんなタイミングで新キャラ登場すんのよ！！おしっこ行きたいのに！おしっこ行きたいのに！！）

ケニー「大きくなりやがって…いや、あまり変わってないな」

ヒストリア（あああもう！！トイレ行きたいよおおお！！尿意がヤバすぎてこのオッサンが何を言ってるのか聞き取れないし！！！）ブルブルブルブル

エレン（ヒストリアの奴が顔色悪くして震えてる…あいつがヒストリアの母親を殺した憲兵という事か？）

女憲兵「隊長、リーブス商会の人間が見当たりませんが」

ケニー「ああ？まあいい、さっさとこいつら連れてくぞ」

ヒストリア（はあ……はあ……ダメだ、もうダメだ！もう中央憲兵のオッサンでもいいから頼まなきゃ！！）

ヒストリア「あ…あ、の…」ブルブル

ケニー「おっと、喋るなよ」グイッ

ヒストリア「！？」

ヒストリア（口を塞がれたあああ！！？）

女憲兵「やはり二人とも複数の刃物を仕込んでいました」

ケニー「やっぱりか。リーブスが戻って来る前に連れてくぞ」

エレン（！？こいつら！？）

ヒストリア（うそ、うそ！おしっこおおお！！！）ブルブル

ケニー「この棺に閉じ込めて運ぶぞ」

女憲兵「了解」

ヒストリア（え！？うそ、いやあああああ！！？）

ガタンッ

ヒストリア（あああああ！？どうしよう！！どうしよう！！おしっこ漏れそうなのに！！おしっこ漏れそうなのにいいいいい！！！）ブルブルブルブル

ヒストリア（ヤバいヤバいヤバい、身動き取れないし声も出せないし…こんな棺の中でもし漏らしたら身体中おしっこだらけで悪臭が充満してまさに生き地獄になってしまう！！！ああああああああああ！！！）

ケニー「やっと俺達対人制圧部隊の本領が発揮されるな」

ヒストリア（あのオッサン後で覚えてろおおおおおお！！！）ブルブル

―――約二十四時間後


ヒストリア（………）

ヒストリア（もうどれだけ時間が経っただろう……）

ヒストリア（途中で尿意から逃げようと少し寝て夢の中でお漏らしした時は心底ビックリした。起きて確認したら、現実ではまだお漏らししてなかった…本当に良かった）

ヒストリア（でも…もう本当にヤバい、もう限界。なんかもう本当に漏らしちゃった方が楽なんじゃないかとさえ思えてきた。もう漏らしちゃおうか…）

ガコッ

ヒストリア（！！！）

ケニー「よう、長旅ご苦労さん」

ヒストリア（棺開けて貰ったあああっほおおおい！！！！！）

ヒストリア（やっとおしっこ出来る！！やっとおしっこ出来る！！）

ロッド「ヒストリア…久しぶりだな。いまほどいてやる…悪かったな…」

ヒストリア（くっ、現れたな糞親父め！！悪かったと思うなら早くおしっこさせ…）

ロッド「ヒストリア……今まですまなかった」ギュッ

ヒストリア「」

ヒストリア（いやあああああああ！！そんな強く抱き締めたらおしっこがあああやめてえええええ！！！）

ロッド「ヒストリア……今まで本当にすまなかった。お前の為にはこうするしかなかったんだ」ギュウウウ

ヒストリア「」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ロッド「ずっとお前をこうして抱き締める事を待ち望んでいたんだ」ギュウウウ

ヒストリア「」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


ヒストリア「…う、うう、うあああ………」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

ロッド（ヒストリア、泣くほど嬉しいのか）

ヒストリア（お、おしっこ行かせてえ……もうやめてよう…）ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

ロッド「ケニー、エレンを例の場所へ連れていけ」

ケニー「了解」

ロッド「ヒストリア、お前には色々話さなければいけない事がある」

ヒストリア「あ…あ…そ、その前に…おしっ」

ロッド「ヒストリアも言いたいことは色々あるだろうが私の話から聞いてくれ」ポンッ

ヒストリア（ああああああああああ！！！！！）

―――

エレン（…）

ヒストリア「エレン！起きたの！？」

エレン「！」

ヒストリア「もう少し辛抱してね、大丈夫だから！」

エレン（ヒストリア…少し元気になってる？）

ヒストリア「エレン、私達の間には誤解があったんだよ…」←エレンにも話を聞かせた後にトイレに行かせてあげると言われて元気になった

エレン（…？）

ロッド「待て、ヒストリア、後は私が説明しよう」

ヒストリア「！」

ロッド「エレン、この場所に見覚えがあるか？」

エレン（え？）

ヒストリア「あの…お父さん？早くエレンにも説明を…早く」

ロッド「まあ待て、私達がエレンに触れることで記憶が蘇るかもしれん」

ヒストリア「！？」

ヒストリア（ちょっと待って！エレンにも説明した後にトイレ行かせてくれるって言ったよね！？なら早く説明してよ！！そして早くトイレ行かせてよ！！漏らすぞこの野郎！！）

ロッド「さあ、ヒストリア、エレンに触れるんだ」

ヒストリア（ああああああああああ！！早くう！トイレ行きたいのに…無駄な時間を浪費させるなああああああ！！！）



ヒストリア「あああああああああああああああ！！！」

ロッド「！？」ビクッ
エレン「！？」ビクッ

ヒストリア「もう………限界だあああああ！！！！！」

ロッド「ひ、ヒストリア！？」

ヒストリア「うがあああああ！！！」がぶっ

エレン「！？」

ヒストリア「エレン！！もうここ制圧しちゃえええ！！！」

ピカアアア


エレン巨人「グオオオオッ！！！！！」ドーン


ロッド「ヒストリア…何を！？」

ヒストリア「さっさとトイレ行かせないからだこの野郎おおお！！！」

ロッド「！？」

ケニー「てめえ、こんなことしてただじゃすまねぇぞ」ガチャン

対人制圧部隊「ヒストリアを捕らえろ！！！」

ヒストリア「お前らもおしっこの邪魔をするかあああああ！！！」

対人制圧部隊「ヒストリア、おとなしくしろ…」

ヒストリア「トイレの邪魔をするなあああああ！！！」ブンッ

対人制圧部隊「あああ！！？」ズザー！

ヒストリア「対人立体機動装置は貰った！！」ガチャン

ケニー「ぐっ…凄まじい程のトイレへの執念だぜ！！」

ヒストリア「トイレエエエエエ！！！」バンッバンッバンッバンッバンッバンッ

対人制圧部隊「やべー！こえー！」

対人立体機動「とんずらやとんずらやー！」

ヒストリア「下がれえええええ！！！」バンッバンッバンッバンッバンッバンッ

ケニー「ぐっ、こいつ！！止まれ！！！」

ヒストリア「うるせえ！！！」ガチャンッ！！

ケニー「銃で殴りやがったあああ！！？」ドサッ

ヒストリア「トイレはどこだあああああ」ダダダダダダッ


ロッド「…」

ロッド「トイレ、ここにあったんだけどなぁ」←エレンのいた高台の中

リヴァイ「………」

リヴァイ「おい」



リヴァイ「これはどういう状況だ」

ケニー「」ﾁｰﾝ


アルミン「対人制圧部隊が逃げて隊長が気絶してる」

ジャン「おい、ロッドが呆然と立ち尽くしてるぞ」

ミカサ「エレンが巨人になってる」

エレン巨人「グオオオオッ」


ヒストリア「トイレエエエエエ！！！」

サシャ「あ、ヒストリアですよ！」

コニー「何やってんだよあいつ」

ヒストリア「ちょっとお父さん！トイレどこよ！？」

ロッド「だからここだってば」←高台の下

ヒストリア「何でそんなとこにあるんだあああ！！！」ズコーッ

ミカサ「ヒストリア、ズコーは古い」





そして、なんとかおトイレに間に合ったヒストリア。
この一連のおしっこ事件を話し、皆で仲良く笑い、そんなこんなで彼女は少しずつ、同期にも心を開き始めた…
いつか本当の笑顔で笑い合う日がきっと来るであろう。


ヒストリア「おしっこの我慢のし過ぎは体に悪いからダメだよ！！」ﾋﾞｯ


おしまい