スロット「これが男のー!」(22)

バンッ・・・バンッ・・

シンジ「・・・リプレイかな・・・」バンッ

スロット「・・・おおあたりいいいい!!!!」

シンジ「・・・当たっちゃった」

僕は碇シンジ、サードチルドレン、人造人間エヴァンゲリオン初号機のパイロットだった。

そう、この情報はすでに過去のものであり、平和に過ごしている僕にとって憧れの存在になっていた。

おかしいと思っている。パイロットになること、元の世界に戻りたいと思うことは、

皆が望む世界を、何からも恐れず、のんびりと平和に過ごす世界を壊してしまうから。

僕の父さん、碇ゲンドウが企んだ人類補完計画は成功している。

そして、その父さんも今や別人のようだった。

スロット「ここまで来るとは結構やるじゃねぇか・・・」

平和な時間を4年過ごして、今はパチスロというものにはまっている。

4年前に真実の翼に出会い、一発でフリーズを引いてしまったのが記憶に新しい。

「また三番目とはね、変わらないなぁ、君は」

デビューとなる筐体は僕に戸惑いを与えた。

「ボーナス確定。おめでとう、碇シンジ君」

筐体からカヲル君がこう言ったのだ。

ケンスケとトウジには聞こえなかったみたいだけど、そうなると僕の脳に直接語りかけたとしか考えられない。

確かめたいだけなのに、いざ探してみるとおいている店が見つからない。

僕はただ真相が知りたいだけなのに・・・。

店員「すみませんお客様、今日はもう閉店なんで、これでゲームの終了お願いします」

シンジ「あ、はい」

シンジ「・・・今日も万枚だ・・・・・・」

なぜかパチスロで負け知らずになっている。

カヲル君のおかげ・・・なのかな・・・。

換金所「に・・・・20万2000円です・・・・・・」

シンジ「あ、ありがとうございます」

僕の貯金はもうすぐ2000万を超える。

僕がこんな世界に過ごしていいのだろうか・・・。

 

シンジ「ただいまぁ・・・」

ユイ「おかえりなさいシンジ、ご飯食べてきたの?」

シンジ「いや、まだ食べてないや」

ユイ「あら・・・どうしよう、私と父さんはもう食べちゃったし・・・食べてくると思い込んじゃって何も用意してなかったのよね・・・」

シンジ「いいよ、僕も家で食べるって言わなかったのが悪いし、何か作って食べておくよ」

ユイ「ごめんねシンジ、ありがとうね。料理もできて、シンジもモテモテじゃないの?」

シンジ「そ、そんなことないよ、まだ誰にも料理作ってないし・・・」

ユイ「そうねぇ・・・じゃ、せっかくだし私の分も作ってちょうだい」

シンジ「え?食べてきたんじゃないの?」

ユイ「大丈夫よ、息子の手料理は別腹よ?」

シンジ「アハハッ・・なるべく量抑えるからそこに座って待っててね」

ユイ「ありがとうねシンジ、父さんもお風呂上がったらびっくりするわよ」

ゲンドウ「おかえりシンジ、もう上がっている。聞いてたぞシンジ、さすが、我が息子だ。」

ユイ「何遺伝みたいにいうのよ、あなた料理なんて何もできないじゃないの」

シンジ「ただいま、確かに父さんが料理作ったところ見たことないや」

ゲンドウ「なら明日弁当でも作ってやるよ。ユイも手伝ってくれると嬉しい。」

ユイ「はいはい、心配しなくてもちゃんと手伝いますよ、あなた一人で包丁持つなんて危険すぎますから」

ゲンドウ「すまないな、ユイ」

ユイ「いつものことですよ、あなた」

シンジ「ほんとうに仲良いんだね、父さんと母さん」

ゲンドウ「当然だ、私たちは相思相愛だからな。」

ユイ「ほんと、あなたったら」

相思相愛か・・・前の世界ではこんなことなかったのに・・・

・・・これが家族・・・なんだか気持ちがいいや・・・・

ユイ「じゃ、バイトで培った腕前というものやらを見せてもらいましょ」

 

マアオイシイ! ヤルジャナイノシンジ!

サスガダナワガムスコヨ

シンジ「はぁ・・・暇だなぁ・・・」

ちなみにだが今は春休みの最中、僕は飲食店のアルバイトをしている。

そのバイト先にそのまま就職するか、料理の専門学校へ進学するかはまだ悩んでいる。

トウジとヒカリは結婚して、トウジは大手企業に入社、5年後くらいには娘を授かりたいとのこと。

きっといい娘さんになるんだろうなぁ・・・。

一方のケンスケは自衛隊に入隊する予定。日々トレーニングに勤しんでいる。

アスカというと、ドイツに留学、ドイツ語をマスターするって言ってたけど、マスターしてどうするんだろう・・・。

というかすでにドイツ語話せるし、これ以上ははもういいような気がするけど・・・

まあ僕がどうこういうことではないけど。

なんだかんだでバイトが休みの日、僕はひとりでブラブラしている。

たまにトウジとケンスケで集まったりするんだけどなかなか時間が合わない。

集まったら集まったでみんなに僕は変わってないって言われる。

まあいいことなんだろうけど、成長していないと言ってるように聞こえてしまう自分がいやだ。

実際に容姿もなにも変わっていないみたいだけど・・・どうなんだろうか・・・。

幼馴染であるアスカが恋しいと最近よく思うようになった。一番心を開こうとしていた人物だからだ。

シンジ「はあ・・・・アスカは元気かな・・・・・・今度あった時は美味しいところに連れて行かないとな・・・」

アスカ「そうね、せっかく連れて行ってくれるならいいところじゃないとイヤよ」

シンジ「やっぱりそうだよね・・・寿司屋もいいんだけどアスカだったらホテルレストランのほうがいいかなぁ」

アスカ「そんなのあんたが決めなさいよ、私はシンジに連れて行ってもらえることがすっごく嬉しいんだから」

シンジ「そうだよねアスカ・・・・・・・・・え?」

アスカ「・・・・・なにボーッとしてんのよ」

シンジ「あれ?・・・あ・・・アスカ?・・・・・・・・・アスカ?!」

アスカ「・・・あんた前に見た時より鈍くなったわね・・・それともわざとなの?」

シンジ「いつ帰ってきてたんだよアスカ!元気にしてた?わーどうしよう突然すぎて何も用意してないよ!」

アスカ「バカ、こういうのをサプライズっていうんでしょ?前から告知してても面白くもないし」

シンジ「そそそ、そう、そうだよね、いや、突然すぎて、なんか、変に緊張してる、どうしたんだろう」

アスカ「私に聞かないでよそんなこと」

アスカ「私に聞かないでよそんなこと」

アスカ「それよりも、せっかくの再開なんだから、どこかいいところ連れていきなさいよ」

シンジ「そうだよそうしようちょうどアスカに美味しいものを食べさせたかったんだ!」

アスカ「ちょっと落ち着きなさいよ」

シンジ「ご、ごめん・・・」

アスカ「ま、あんたのことだから、どーせスロットで負けて悲鳴あげてそうなんだけどね」

シンジ「残念アスカ、みんなから神の手と言われるほど勝ってるよ、今これくらい貯金が・・・・」ゴニョゴニョ

・・・・・・・・イチジュウヒャクセンマン・・・・・

アスカ「はあああああああ?!なにパチプロになってんのよ!そんなにあるなら高級なお店連れて行ってよね!」

シンジ「うん、ちょっと期待しててね」

アスカ「ま、まあホントにちょっとしか期待しないんだからね!」

シンジ「アハハッ、ホントにアスカも変わらないね!」

アスカ「う、うるさい!」

シンジ「じゃあどうしようかな・・・あそこのイタリアンレストランは人が多くて待たないといけないからなぁ・・・あ・・・」

アスカ「ん?なんかいい店思い出したの?」

シンジ「あ、いや思い出したわけじゃないけど・・・ちょっとついてきて」

アスカ「何よそれ・・・変な店だったら承知しないわよ・・・」

シンジ「大丈夫、自信あるから」

アスカ「ホントに?」

シンジ「ついたよアスカ、さ、今から案内するから」

アスカ「その前に、ここに入る前にバカシンジにひとついいたい」

シンジ「そんな遠慮せずに早く入りなよ」

アスカ「遠慮も何も!あんたについてきた先があんたの実家じゃないの!」

アスカ「おばさまに会うつもりなかったのに、心の準備なんてできてないわよ!」

シンジ「大丈夫だよ、今日は留守だから僕以外誰もいないよ」

アスカ「・・・そ、それなら最初っからそういってよ!焦っちゃったじゃないの!」

シンジ「ごめんごめん、からかうつもりはなかったんだけど・・・」

ゲンドウ「どうしたシンジ、玄関の前で騒ぐと近所に迷惑だ。」

シンジ「と・・・父さん!今日は会議じゃなかったの?」

ゲンドウ「もう会議は終わった。家でゆっくりしたいんだ、久しぶりの早上がりだからな。」

シンジ「そ、そうなんだ」

ゲンドウ「ところで、アスカと一緒だがどうしたんだ?」

アスカ「ど、どうも・・・お久しぶりですおじさま・・・」

ゲンドウ「ああ、久しぶりだな。元気にしたか?」

アスカ「は、はい!も、目的も果たしましたし、日本にない文化を体験し、とてもよい経験になりました」

ゲンドウ「そこまで堅くならなくてもいい、私だからと気を使う必要はない。」

アスカ「すみません・・・突然なんで心の準備が・・・まだ整ってなかったので」

ゲンドウ「ただの幼馴染の父親だ、それほど言葉に気にしなくていい。」

アスカ「あ、はい・・気をつけます・・・」

ゲンドウ「相変わらずだな、まあいい。シンジ、悪いが今米がないんだ、すまない。」

シンジ「大丈夫だよ、あるものでちゃんと作るから。」

シンジ「それより迷惑になるから父さんもアスカも中入ろうか」

アスカ「そ、そうよ、早く中にいれなさいよ!」ゲンドウ「すまないなシンジ。」

 

シンジ「お待たせしました、カルボナーラです」

アスカ「なに雰囲気出しちゃってるのよ」

シンジ「一応バイトしてるからね、どうぞお召しください」

アスカ「あ、ありがとう・・・いただきますっ」パクッ

シンジ「・・・・・・・・・・・いかがですか?」

アスカ「っ・・・・・し・・・シンジにしてはなかなかやるじゃない・・・」

シンジ「お褒めいただき光栄です」ニコッ

アスカ「あえて言うならまろやかさがもうちょっと欲しかったわ」

シンジ「そっか・・・ありがとう、ちょっと研究しないといけないね」

アスカ「ちゃんと私の胃袋掴みなさいよ?ものすごく美味しいんだから」

ゲンドウ「いっそのこと店でも開いたらどうだ?私が支援してやるぞ。」

シンジ「ま、まだ僕には早いよ、まだ修行中なんだから」

アスカ「自信持ちなさいよねえ、アンタならほんの1年で最強の板前よ!」

シンジ「そうかなぁ・・・なんか照れる・・・」

アスカ「・・・それよりも、あんたの部屋に連れて行きなさいよ、久しぶりに見てみたいわあんたの部屋を」

シンジ「あ・・うん、いいけどなにも変わってないよ?」

アスカ「いいの!私が見て確認するんだから!」

シンジ「うん(?)じゃあ食器片付けるから、部屋で待っててね?」

 

アスカ(シンジの部屋・・・本当に何も変わってない・・・)

アスカ(あいつ自身何も変わってないし・・・)

アスカ(私を見てくれない・・・シンジをずっと見ているのに・・・)

アスカ(・・・・・・久しぶりなのに・・・」

アスカ「抱いてくれないんだ・・・バカシンジ・・・」

アスカ「もっとわたしをみて・・・私をだいてよ・・・」

シンジ「あ・・・・アス・・・・カ・・・?」

アスカ「っ!・・・・し・・・シンジ・・・い・・・いつから・・・そこに・・・」

シンジ「いつからって・・・すぐに洗い物終わらせて、一応ノックして入ったけど・・・」

アスカ「い、いるなら言ってよ!心臓が止まるかと思ったじゃないの!」

シンジ「ご・・ごめん・・・」

アスカ「まったく・・・・本当に何も変わってないわね、ここも、あんたも」

シンジ「そっかなぁ・・・なんかごめんね、相変わらず」

アスカ「別に謝らなくてもいいじゃない、あんたらしくて」

シンジ「そうかなぁ・・・・わかんないや」

アスカ「ま、あんたのことだからずっとわからないままよね」

シンジ「なんだよそれ」

アスカ「ところでさ・・・さっきのパスタ・・・まろやかさが足りないとか言ったけど・・・充分まろやかだったわよ・・」

シンジ「そ、そうだったの?そういうちょっとした嘘は」

アスカ「ごめんなさい・・・・でも・・・・・・私・・・素直になれなかった・・・すっごく美味しかったのに」

シンジ「アスカ・・・」

アスカ「前もそうだったもん・・・私シンジに優しくできなかった・・・」

アスカ「・・・・前に言ってたでしょ?初号機パイロットの碇シンジだって」

アスカ「だから・・・・前にできなかったこと・・今ならできるかなって・・・」

シンジ「・・・今からでもできるよきっと・・・」

アスカ「だから今からするんでしょ・・・」

シンジ「え?あ、アスカ?」

アスカ「今から一緒に大人になりましょ?私は素直になりたい・・・だから・・・」

シンジ「あ、アスカ?ちょっと何を言ってるのかわかんないよ」

アスカ「嘘つき・・・もうわかってるくせに・・・」

シンジ「何のことかさっぱりだよ・・・・・・ホントに・・・」

アスカ「その顔、わかってる顔じゃないの」チュ

シンジ「んぐ?!ん、んぐぐ?!」

アスカ「ん・・・ダメじゃないの・・・キスだけでとろけちゃうなんて・・・」

シンジ「あ・・・アス・・カ・・・ぁ・・・・・ダメ・・・だよ・・・ん・・・んふっ・・・」

アスカ「ん・・・んは・・・もっとちょうだい・・・シンジ」

fly me to the moon and let me play among the stars.

シンジ「?!・・・アスカ・・・どうしたの音楽なんてならして・・・」

アスカ「え?これ私じゃないわよ・・あんたじゃないの?」

let me see what spring is like on jupiter and mars.

シンジ「僕だってこんな曲持ってないよ・・・」

アスカ「じゃあ誰が・・・・・・・・」

in other words , hold my hand...

シンジ「・・・まさか・・」

in other words , daring , kiss me ...

アスカ「・・・・ナルシスホモの仕業?・・・・」

fill my heart with song and let e sing forever more

you are all i long for all i worship and adore.

in other words , please be true

in other words , i love you....

 

シンジ「・・・・・・」

アスカ「・・・・・何今の・・・」

シンジ「・・・わかんない・・・・・・」

アスカ「・・・・・・また邪魔されるのね・・・私・・・」

シンジ「・・・なんかごめん・・・」

アスカ「なんであんたが謝るの・・・あんた何もやってないじゃないの・・・」

シンジ「そう・・・だけど・・・なんか・・・・」

アスカ「シンジは悪くないわ・・・・・・」

シンジ「ごめん・・・・それより・・・・・・もう我慢できないや・・・」

アスカ「うん・・・きて・・・私を大人に・・・めちゃくちゃにして?」

 

ユイ「あら、あの子たち、始まったのね、お盛んなこと」

ゲンドウ「ああ、始まったな。」

ユイ「ちゃんとしてるのかしら、シンジ、ああいうの自分一人で絶対買わないじゃない」

ゲンドウ「心配ない、この年でできたところで問題ないさ。」

ユイ「問題あるから言ってるんでしょ?どうすんのよ、アスカちゃんが知ったらどうするのよ」

ゲンドウ「・・・その時は・・・私がなんとかする・・・・・・」

ユイ「・・・あなたったら・・・・・・私も付き添うけど・・・変なことしないでくださいよ?」

ゲンドウ「そんなことすると思うのか?」

ユイ「私が見てないと思ってます?赤城さんとどういう関係でしたっけ?」

ゲンドウ「いや・・それは・・・・すまない・・・。」

ユイ「ほんっとにあなたったら・・・私のことになるとすぐに変なこと起こすんだから・・・・まあ」

ユイ「あなたに愛されてるだけでも充分幸せですよ。」

ゲンドウ「・・・・感謝する・・・ついてきてくれて・・。」

ユイ「ええ、これからもついて行きますよ、あなたに」

ゲンドウ「ああ、ずっと一緒だ、ユイ。そのための人類補完計画だ。」

ユイ「あなたったら」

 

ユイ「・・・・・アスカちゃんが知ったらどうなるでしょうね・・・」

ゲンドウ「引き継がれてしまった以上、精神が不安定になった時は私達が癒すべきだろう・・・。」

ユイ「・・・ハァ・・・・・エヴァの呪縛が補完に引き継がれるとは思いもしませんでしたよ・・・」

 

ユイ「こうなるんだったら、シンジを受け入れなければよかった・・・」

 

まごころと愛 fin

 

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