セルフフェラ (25)
俺がいつ最初に射精したかというと、小学2年生の冬であった。
俺はその日の事を23年たった今でも覚えている。
俺が当時住んでいたのは、東北寄りの関東で、冬は雪が降るか振らないかの瀬戸際を走るギリギリな地方だった。
子供心にもっとはっきりしてくれればいいのにと、TVに映る北海道札幌のふわふわした雪を見て思った。
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俺は小学校の授業が終わると一目散に家に帰った。
別にぼっちだったとか、周りの目がキツかったとかそういうことではない。
それは5年早い。
その頃は俺は世界の中心にいて、クラスのムードメーカーだったと記憶している。だが、大半の人はそう記憶しているので、俺の記憶に偽りがあるかないかは知らない。
話を戻そう。
俺がなぜ一目散に家に帰ったかというと、大好きなおやつがそこにあるとわかっていたからだ。
チョコパイである。
両親は俺が放課後、友達とウロウロしているのが気に食わないようで早く家に帰ってくるようにと俺に再三通告していた。
しかし俺は聞く耳を持たなかった。
そこで両親が用意したのがチョコパイであった。
実を言うと今でもチョコパイは好きなのだが、当時の俺はまるで麻薬中毒者のようにチョコパイが大好きであり、依存していたと言っても過言ではないだろう。
俺はたった2つのチョコパイに齧りついた。
それは1分と持たずに俺の胃の中へ収納されていった。
さて、どうしようかと俺は考えた。
このまま戻って友達と遊ぶか……、などと考えていると俺は尻が痒くなった。
正確に言うと尻の穴が痒くなった。
何故だろう、ケツはちゃんとふいたよな。
そう思いながらケツ穴を弄っていると、俺は勃起した。
実を言うと、それは初めての経験であった。
ちんこがかたい……!
まるでアメリカ大陸を発見したコロンブスのような目で、俺はちんこを眺めた。
このまま順調に行けば普通にちんこをいじり、初の射精を迎えたのだろうが、そうは行かなかった。
ケツが痒かった。
ケツ穴がかゆい……!
ケツ穴がかゆい……!
ケツ穴がかゆい……!
俺の思考はそれに支配された。
とにかくケツ穴が痒かった。どうにかしたかった。
どうすればいいのか。
なんなのだろう。
びょーきなのか。
かゆい。
ふと、テレビの壊れたアンテナに目がついた。
よく、電波の状態を良くしようと立てる、金属製の棒で出来ているアレだ。
それは根本からポッキリと行ってしまって、今はもう伸び縮みするただの棒と化していた。
この時、俺にまるで雷が落ちたかのように、ideaが浮かんだ。
ケツ穴にこれを挿して、かき回せばいいんじゃないか。
まるで猿が火の使い方を覚えたかのような衝撃的かつ進歩であり、そしてこれは人類にとっては小さな一歩だが、俺にとっては大きな一歩なのだ。
俺はよく小学教師に、行動が早いと褒められた。
それは別に判断が素早いとか、勇気があるとか、挑戦意欲に溢れているとか、そんな道徳的かつ創造的かつ独創性が源のものではないのだ。
つまりは、俺は低能だったのだ。
例えば、目の前にバナナがあったとしよう。
普通の人ならまず、思考するだろう。
なぜこんなところにバナナがあるのか。
食べても大丈夫だろうか。
汚れはないだろうか。
様々な思考の果て、その人は食べるか食べないかを決めるのだろう。
しかし俺は違った。
目の前にバナナがあれば、まず食べる。
もぐもぐと咀嚼し、はて、このバナナはなぜここにあるのだろうかと思考し始める、が、やめる。
そのような人間であった。
俺はそのアンテナを掴むと、まず伸ばした。
アンテナだけあって伸ばしたり縮めたりできるのは常であろう。
そして俺ゴロンと寝転がると(ちょうどM字開脚に似ている)アンテナをケツ穴に当てた。
やはり冬だけあってアンテナは冷たかった。
ひんやりとした冷気がケツ穴に刺さる。
これは正直初めての体験だったので、俺は鼻息を荒くして興奮した。
http://i.imgur.com/kOqK4WH.png
俺はいざ行かんと、アンテナをぐっと押した。
しかし、なかなかはいらない。
ケツ穴が抵抗しているのだ。
それも当然である。その時7歳。
俺は内部からうんこをはきだすことはあっても、外部から何かを入れることはしなかった。
これではまずい。いっそうと痒さがました。
俺は渾身の力でアンテナをケツ穴に押した。
それでは刺さってしまうのではないかと思うが、意外とアンテナはゆっくりと入った。
……つぷっ。と、エロ同人誌でお馴染みの挿入音はせず、ただただまっすぐと、ただただゆっくりと優雅にアンテナは俺に侵入した。
その時の気持ちを一言で表現するならば、
「きもてぃ……」
である。
ギャグでも誇張でもなく、凄まじく気持ちが良かった。
俺はさらにアンテナを推し進めようと、力を入れた。
一度はいるとスムースで、アンテナはズブズブと言う効果音をつけてよいほど順調に体の中心へ進んでいった。
俺は勃起した。
もはや痛いほどであり、おしっこが出る感覚が断続的に襲った。
ついにアンテナの全長がすっぽりと入った。
尻穴のなかはパンパンで、ひんやりとした感覚が異物感を更に増し、俺を興奮させた。
ちょうどその時の体制を文字に表すならば、それはまんぐりかえしのもっと尻を顔に近づけたバージョンだと言えばわかりやすいだろうか。
俺はしばらくその状態で悶絶していた。
何もかも初めてだったが、初めてを経験すれば、また新しい物が見えてくる事で俺の脳みそはその日を機会に急激に成長したのではあるまいか。
ふと、気がつく。
限界まで膨れた俺の陰茎。
目の前にそれはあった。
実を言うと、この描写をするにあたって俺は悩んだ。
あまりに難しすぎるのだ。
俺の今の貧相な表現力ではあの日ちんこを前にした俺の気持ちなど、到底表せない。いや、これは表してはいけないのだ。
なぜならばこれを文字に表すと、俺は世界の快楽のひとつを潰してしまうことに他ならない。
なぜ文字に表すと失われてしまうか、それを表すこともそれに同意義であるから、俺はこれを文字に起こすことはしない。
もしこの気持ちが知りたいのならば、アンテナをケツに挿してちんぽを目の前にしてみると良い。それだけで君の道は開ける。
さて、俺が何をしたかというと、ちんぽに舌を伸ばした。
小学二年生の柔軟な体、ちんぽに一番口が近いまんぐりかえしと言う体勢。
これらの奇跡がここに凝縮されていると言うことは、これを読んでいる読者の皆様なら想像がつくだろう。
奇跡である。アンビリーバボーではない。
ここに凝縮、圧縮された奇跡の結果、俺はちんぽに舌を伸ばしたのだ。
奇跡である。
その頃の俺の息子は皮を被っていた。
見事な皮かぶりであり、亀頭のひとつも見えなかった。
しかし忘れてはないだろうか、俺は初勃起だったのだ。
それに対し舌の刺激というのはあまりに強すぎる。
オーバーキルである。
俺は射精した。
射精と言っても精子が混ざった立派なものではなくて、ただの濁り汁のような少量のものだったと言うことは言うまでもあるまい。
それらは俺の舌を通り、口を通り、喉を通過しかけて俺の脳みそが働いて俺はむせた。
初射精の味は苦じょっぱかった。
むせた衝撃でケツに挿していたアンテナはスポンと尻穴から抜けて地面に転がった。
そこには茶色の物がついていた。
これが、俺が最初に射精した瞬間だ。
これはいくつもの奇跡が重なって起こった出来事であることは、俺が十分と承知である。
そしてこれが素晴らしいことであるという事も。
今でも思うのだ。23年前のあの寒空の日を。
チョコパイの味と精液の味を。
完
このSSまとめへのコメント
(ドン引き)