光「桜見市のヒーロー」 (32)

P「光、車乗れー」

光「わかったー」

P「今日はちょっと遠出するぞ。桜見市だ」

光「お、一回行ったことあるぞ」

P「本当か?遊びかなんかか?」

光「ああ、遊びで行ったんだ。家族みんなで」

P「楽しかったか?」

光「いや……楽しかったといえば……楽しかった」

P「なんだそれ」

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光「迷子になっちゃって」

P「ああ、それは大変だったな」

光「あとひったくりにあってな」

P「お前よく楽しかったって言えんな」

光「いやいや!楽しいことだってちゃんとあったんだよ!」

P「何だ?聞かせてくれよ」

光「あれは数年前……アタシがまだ小学生の子頃の頃だ……」

P「それ長くなる?」

光「長くなる」

数年前 桜見市

光「うぇぇーん……お父さん……お母さん……」

「君、大丈夫カネ?」

光「ふえ?」

「ソノ涙ヲ拭キタマエ」スッ

光「うわああああああん!!おかーさーん!!」

「ナゼ!?ナゼ泣ク!!」

光「あああ悪の怪人だー!アタシは負けないぞー!」

「トンデモナイ!!私、コレデモ正義ノヒーローナノデスヨ」

光「嘘つけ!そんな真っ黒なコスチュームして!」

光「ヒーローなら名乗れ!」

「イイデショウ。私ハ12th」

光「とぅ……えるふす?覚えにくい名前」

12th「覚エニククナイッ!私ハ誇リヲ持ッテ活動シテイル正義ノヒーローナノダッ!」

12th「時ニ女子」
光「光だ」

12th「女子ヨ、ナゼコンナ所デ泣イテイル?」

光「お父さんとお母さんとはぐれてしまったのだ……」

12th「オヤオヤ!迷子トハ困リマシタネェ!私ガ探シダシテミセマショウ」

光「本当か!?」
12th「モチロンデス。ヒーローデスカラネ」

12th(決マッタッ!!!)

12th「シカシ女子ヨ」
光「光だ」

12th「君ハココラデハ見ナイ顔ダ。ヨソカラ来タノカネ?」

光「あ、ああ。遊びに来たんだ」

12th「ソレハソレハ不安ダロウ……ン?」

光「ん?」

12th「ソノプラスチックノ音……手ニモッテイル物ヲ少シ触ラセテハモラエナイカッ!」

光「これのこと?」スッ

12th「オオ……コノ手触リ、モシヤコレハ二代目仮面ライダーノ変身ベルトッ!限定品ダッタハズッ!」

光「これ、うちの近くで安売りしてたんだ。間違って二個買っちゃってたから欲しかったらあげるよ」

12th「ナニ?!コノ超ガツクレアモノヲ安売リトハッ!価値ノワカラン店主ハ悪!ダッ!」

12th「ハッ!デモ今オ金ガ……」

光「だからあげるって」

12th「ナントナントー!?」

12th「コウナッタラ何ガ何デモゴ両親ノ元ニ送リ届テミセマスッ!」

光「これの良さがわかるとは、おじさん本当にヒーローなんだな!」

12th「モチノロンロンロンデスヨ!ダカラ最初カラ言ッテルデショウ!」

光「よーし!探しにいこう!」

12th「フゥーッハッハッハァ!変身ベールートー♪」

野暮かもしれんが突っ込ませてもらうと、12thはゲーム開始後の呼称で、それ以前は名無しの正義の味方だよ
リダイヤルでも12thは警察の呼び方で本人は名乗ってなかったと思う
自信ないから俺の勘違いかもしれないけど

>>8
私も自信ないんだごめん

12th「デ、君ハドコカラキタノダ?」

光「最初に公園で……砂利で水切りして遊んでたら……こう……怖い人がおばあさんを追い回してて……」

12th(……)

光「それで怖くて……逃げてきたらこんなところに……」

12th「……ソレハ大変ダッタナ。安心シロ。一旦私ノ家ニ戻リ作戦ヲ練ルッ!」

光「おお!!作戦会議!!」

12th「ソウダ!作戦会議ダァ!」

光「よし!行こう!」

12th「早ク変身ベルトヲ安全ナ場所ニ保存シナケレバ、ナ」

黄泉宅

12th「少シ待ッテイタマエ。ヒーローデモプライベートハ必要ナモノナノダ」

光「わかった」

12th「へーん……しーん!」コ゛ソコ゛ソ

光「……」

黄泉「ふー……」

光「結局顔隠してるじゃないか。その紙袋とれ」

黄泉「ヒーローは顔を隠すものだぁ……わかるかい」

光「わからん。仮面ライダーみんな外してる」

黄泉「仮面ライダーはそうでも私は違うのだぁっ!」

黄泉「……君をヒーローを真に愛する者と認めて話そう。実は私は今強大な教団を倒さんと画策しているのだ」

光「おお……きょうだいなきょうだんを……」

黄泉「しかし、私は迷子を発見した。ならばまず迷子を救うのがヒーローだ……わかるかい」

光「わかるぞ!」

黄泉「ヒーローは大事も小事も救わなければならない!!そう!そして悪に打ち勝つことこそが正義なのだぁっ!」ヒ゛ッ

光「おおー……」ハ゜チハ゜チ

黄泉「くっくっく……ここまで同意してくれた者は君が初めてだ……涙が出そうだな」

光「アタシもヒーローを目指している!気持ちは痛いほどわかるぞ!」

黄泉「おお……」ホ゜ロ

黄泉「おっと話がズレていたな。君が迷子になっていた公園は……ここだね?地図でいうと、ここ」スッ

黄泉「そして……私の家。つまり現在地がここだ」スッ

光「案外近いんだ」

黄泉「そうだぁ!ここらの見ちは入り組んでいて広く感じるが実際は迷路のようになっているだけでそんなに距離があるというわけではないっ!」

光「これならすぐだな!」

黄泉「待ちたまえ……そういうわけでもない。近辺では変質者・犯罪の報告が多い。何度勘違いされたことか……」

光「それお前じゃ……」

黄泉「とにかく!どんな危険に巻き込まれるかもわからんのだ……しかしっ!!安心しろっ!!」

黄泉「私がっ!正義のヒーローとして君の親を探してやろうっっ!!」

光「わー……」キラキラ

光「じゃあ早く行こう!!」

黄泉「ああ、待ちたまえ。もう一度変身する」

黄泉「へーん……しんっっ!!」コ゛ソコ゛ソ

光「………」

黄泉「ヘーンしーん…ターイツ!」

黄泉「ヘーンシーン…グローブッ!」

黄泉「ヘーンシーンマースークッ!グェッ!グォォッ!」

12th「フー……変身完了ダナ……」

光「ねー早く行こうよ……」

12th「ハーッハッハァ!ソウ急カスナ……」

光「公園に戻るんだな!?」

12th「ソノ通リ。公園ニ戻
ッテイル可能性ガ高イ」

光「早く!早く行こう!」

12th「ア、アア……」

光「ヒーローと冒険だー!」

12th「全ク、チャント気ヲツケテ歩……」

光「うわっ」ト゛ンッ

光「んなっ!アタシのバッグ盗られた!!」

12th「アレハ……噂ノヒッタクリッ!!」

光「アタシのバッグー!」

12th「追ウゾ女子!!目ノ前ノ悪ニ勝ツノダァ!!」タ゛タ゛タ゛

光「よーし!!待てええええ!!」タ゛タ゛タ゛

犯人「うわっ!?なんだあの目玉!?」

12th「目玉トハナンダァ!」

犯人「くっそ……」タ゛タ゛

光「はぁっ……はぁっ……くそっ!撒かれた!」

12th「マァソウ慌テルナ女子ヨ……」スッ

光「……?なにやってるんだ」

12th「女子ヨ……少シバカリ、口ヲ閉ジテイロ」


12th(……足音ノ大キサ……ソウ遠クヘハ行ッテナイ……)

12th(……コレハ……砂利ノ音?近クニ唯一砂利ガアルノハ……公園)

12th(イヤ……コレハ……タイルノ、音?)

12th(スナワチ……公園ノトイレ!!)

光「今のは何だ!?必殺技か!?」

12th「アア、ソノ通リィィィ!!犯人ノ居場所ガコレデワカッタァ!」

光「な、なんだってー!」

12th「公園ノトイレニ奴ハ潜伏シテイルッ!急行スルゾッ!」

光「せ、せんぷ、く?うん!わかった!いくぞ!」

12th(……サッキカラ足音ハ止マッテイル……個室ニ入ッタカ)

12th「公園ハ近イ!ダッシュダッシュ!ヒタスラダッシュダァァ!!」

光「うおおおお!!」タ゛タ゛タ゛

12th「負ケル!カッ!」ス゛タ゛タ゛

光「うおおお!!」タ゛タ゛タ゛

犯人「はぁ……はぁ……なんだったんださっきの……」
カ゛タッ

犯人「ひっ!?」

カ゛タカ゛タカ゛タ

犯人「なななななんだ?!」

犯人「……止まった?」

「私ハ正義ノヒーロー……12th」

犯人「上!?」

12th「ソノバッグ、返シテモラオウカッ!」

犯人「いいいいいやあああああああああ!!!!」カ゛チャッ

光「ライダーキーック!」ト゛ス

犯人「ぐっへぁあああああ!!」ト゛サ

12th「確保ダッ!」ト゜サッ
犯人「ぐぇっ」

光「やったー!ひったくり犯人とアタシのバッグ!!」

12th「女子ヨ、オ巡リサンヲ呼ンデキナサイ」

光「うん!!」

警官「こっちかっ!警察だ動くな……」

12th「ハッハッハ。コノ通リ確保シマシタヨオ巡リサ……」

警官「まーたお前か変質者!」

12th「ダカラ!私ハ正義ノヒーローナノデスヨ!?」

警官「寝言は寝て言え!!……しかし、本物のひったくり犯を捕まえたんだ、今回は見逃してやる」

12th「横暴!実ニ横暴ダァ!!」

警官「ほら!さっさと行け!」

12th「ダカラコノ世ノ中ニハヒーローガイナクナルノダ……」

光「すごい!すごいぞ!12th!」

12th「……ヒーロー、デスカラ」

12th「決マッタァァァァ!!!ハーッハッハァ!」

12th「ヨーシ……ココデ親ヲ探スカ……」

光「うーんと……あ!いたー!おかーさーん!」

母「あら!もうどこにいたの光!」

光「あのなー!冒険してたんだ!」

母「冒険って……はぁ、あんたは……」

光「このヒーローが一緒に探してくれたんだ!」

母「あら!どんな人……」

12th「ヤァ!私コソ正義ノヒー……」

母「いやあああああ!!」カ゛スッ

12th「グヘェッ!」

母「本当に申し訳ありません……何とぞ……」

12th「ハッハッハ……時ニ光ヨ」

光「だから光だって……ん?」

12th「私ハコレカラ教団ニ乗リ込ム。危険ナ事ダガ、正義には必要ナコト、勝利スルコトニ大切ナヒーロー仕事ナノダ……」

光「……うん」

12th「モシ、マタココニ訪レル事ガアレバ、私ノ家ニ来ルトイイ。キット会エルコトダロウ」

光「……わかった」

12th「ソノ時マデニ私ガ生キテイタラ、マタ怪シイ奴ヲ共ニ捕ラエルノダ」

光「……それまでにアタシも、立派なヒーローになってくる!待っててくれ!」

12th「モチロンダ」

光「じゃあなー!またなー!」

12th「……アア!マタ会オウ!!」



光「……という話だ」

P「すごい話だな」

光「……なぁ、仕事終わったら寄りたいところがあるんだ」

P「わかってるよ」

光「よーし!ちゃっちゃと終わらそう!!」

仕事終了後

光「ここの原っぱの向こうにあるんだ!ボロ小屋!」

P「お前もひでえこと言うよな……お、あったぞ」

光「よし!行こう!」

P「……こういうとこは一人で行ったほうが楽しいだろ。行ってこい」

光「ありがとうプロデューサー!」タ゛タ゛タ゛

光「おーい!12th!」ハ゛タン

光「おーいどこだー?パトロール中かー?」

光「……手紙?古くなってるなぁ。ほこりかぶってるし」ヘ゜ラ

『光へ』

『再びこの地へ足を運んでもらえて嬉しい』

『君ほどの同志なら来てくれることだろうと思ったが』

『昔は言えなかったが、今では仕方の無いことだ』

『恐らく私は今回の任務は失敗することだろう』

『生きて帰ってきてると信じたいが、この手紙を読んでるのだとしたら、作戦は失敗していることだろう』

『我ながら無責任な約束をした。ヒーローにあるまじき行為だ。』

『こんな私を、どうか許してほしい』

『立派なヒーローになって帰ってくることを祈っている。』

『12th 平坂黄泉』

光「………」

光「……ふふっ」

光「ハーッハッハッハァ!」

光「ヒーローはこういうときにこそ笑うべきだからな!!」

光「12th!アタシは!ヒーローになって帰ってきたぞ!ハーッハッハァ!」

光「……」

光「ははっ……はーっはっはっは!!」ホ゛ロホ゛ロ

P「お、どうだ?楽しかったか?」

光「……ああ!楽しかった!」

光「さぁて!早く帰ってヒーロー修行だ!」

P「もういいのか?」

光「ああ、もういい。しかとこの胸に刻み込んだ」

P「お前そんなキャラだったか?」

光「いいから!早く!」

P「あれ?お前泣いて……」

光「ない!」

光「もっともっと立派なヒーローになって!莉なになったってみてもらうんだからな!」


光「また会おう!桜見市のヒーロー!!」

終わり

ごめんなさい……ごめんなさい。
読んでくれた人に感謝したいです。

>>28
訂正
光「もっともっと立派なヒーローになって!莉なになったってみてもらうんだからな!」

光「もっともっとすごいヒーローになって!立派になったってみてもらうんだからな!」

>>28
訂正
光「もっともっと立派なヒーローになって!莉なになったってみてもらうんだからな!」

光「もっともっとすごいヒーローになって!立派になったってみてもらうんだからな!」

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