アスカ「シンジ、お願い! せめて一回だけでもいいから!」
綾波「お願いします」
シンジ「……」
アスカ「どうしても渚に抱かれたいの。ねえ、お願い」
綾波「碇君から頼んでくれたら、きっと…」
アスカ「後であんたにもサービスしてあげるから。ね、いいでしょシンジぃ」
シンジ「……」
シンジ「綾波」
綾波「何?」
シンジ「2週間くらい……ちょうど10日前かな、言ってくれたよね。僕といるとぽかぽかするって」
綾波「ええ」
シンジ「正直、ぽかぽかってなんだよとも思ったけど、嬉しかった。なのに……あれってなんだったの」
綾波「気の迷い」
シンジ「……」
シンジ「アスカ」
アスカ「なによ」
シンジ「アスカって加持さんのことが好きなんじゃなかったの?」
アスカ「あ、あれはほら、憧れっていうかそういう感じで」
シンジ「……ほんの8日前に僕とキスしたのは? 暇つぶしだって言ってたけど、本当にそれだけだったの……?」
アスカ「……惑わせるようなことして悪かったわよ。でもしょうがないじゃない」
綾波「ええ。彼が来て出会ったのが、一週間前だから」
アスカ「それまでのことはノーカンよ、ノーカン!」
シンジ「……」
シンジ「……」
シンジ「分かったよ。明日、カヲル君に直接頼んでみる」
シンジ「カヲル君」
カヲル「なんだい?シンジ君」
シンジ「ちょっと頼みたいことがあって・・・」
カヲル「もしかして悩み事かい?」
シンジ「いや、そういうのじゃないんだけど・・・」
シンジ「カヲル君はもし、もしだよ? 2人の女の子からそ、そのえっちしたいっていわれたらどうする?」
カヲル「別になんとも思わないよ」
カヲル「だけど僕はその女の子達よりも君のような人を見ていたいのさ」
シンジ「!?」
シンジ「カ、カヲル君って、やっぱりそーいう……」
カヲル「性別は関係ないさ。ただ、僕は君のことばかり考えているんだ。シンジ君」
シンジ「あ……ありがとう。でいいのかな」
カヲル「ふふ。ところで、頼み事というのはなんだい?」
シンジ「え?」
カヲル「例え話だけで、頼み事の内容まではまだ聞いてないからね」
シンジ「そう言えばそうだっけ」
シンジ「……」
シンジ「あの……だいたい察してるとは思うんだけど」
カヲル「うん」
シンジ「カヲル君と、仲良くしたいっていうか。つまり、えっと。だ、だ、抱かれたいって女の子がいて」
シンジ「僕はカヲル君と友達だから、伝えてくれって」
カヲル「なるほど。それで、シンジ君はどうしたいんだい?」
シンジ「僕?」
カヲル「そう。僕は、君が望むようにするよ。その女の子を抱いて欲しいならそうするし、断って欲しいなら断る」
シンジ「そんな……カヲル君のことなのに」
カヲル「僕のことだからさ。僕にとっては、シンジ君の願いこそが重要なんだ」
シンジ「……」
カヲル「さあ、決めてくれ」
シンジ「……」
シンジ(どうしよう、どうしたらいいんだろ)
シンジ(もしこのまま二人が、カヲル君とそういうことしたら……僕はきっと、嫌だって思う。でも……)
シンジ(カヲル君自身はどっちでもいい。二人はカヲル君としたいって思ってる)
シンジ(…………当事者同士は問題ないのに、僕が口挟んでやめてもらうなんて……)
シンジ「あ、あの」
カヲル「決まったんだね?」
シンジ「うん。さっき言った二人……アスカと、綾波のことなんだけど……二人の希望を叶えてあげて欲しい。もちろん、カヲル君が本当に嫌じゃなかったらだけど」
カヲル「僕は構わないよ。分かった、それがシンジ君の願いならそうするよ」
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