無名なヒーローの一日 (11)
●会話は特にありません
●ただし地の文がひたすら連なっているので読み辛いです
●さらに言うと>>1は文章力が無いので尚読みにくいです。
●中二成分多目
それでもいいならどうぞニア
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朝。小鳥の囀りとともに彼は起床する。
今日の朝食はトースト二枚に牛乳(ココアのミルメーク入り)だ。彼はそれをさっさと平らげ、会社へ行く為スーツに着替えた。
彼はパンパンに詰まったゴミ袋を片手に、アパート『デストロイ』から出ていった。何故なら、今日はゴミ出しの日だったからだ。
街を歩く、彼の素性を簡単に説明しよう。
彼は、俗に言うスーパーマンだ。しかし、それほど特別秀でた能力がある訳で無し、頭がいいのかと言われれば別段そういうわけではない。確かに、彼は常人よりも力はあるし頭もよい。しかし、ただそれだけという事でもある。
空を飛ぶ事は出来ないし、崩れる建物を支える何ていうことも出来ない。あくまでも、ほんのちょっと常人より強いだけのスーパーマン(異常)なのである。
そんな事を言っていれば、まさか事件が起きてしまった。
遠くでサイレンが鳴っている。ふと、ビルの電光掲示板を見ると、『銀行強盗』の文字が見えた。無論、この街の話だ。
――――すぐさま、彼はコンビニのトイレを借りて個室に入る。そして、常備していた変身スーツを身に纏った。
この変身スーツは、昔やっていた特撮ヒーローをイメージして彼が作ったものだ。別に顔は虫っぽくはない。ただ、全体的に仮面のヒーローを思い出させる様なスーツだ。
千度の熱なら簡単に無効に出来る耐熱性と、落下するビルの瓦礫直径一メートルちょっとの威力にも耐える強度を誇る。……ただし、冷気・電流には対応していない点と、少し見た目がダサいという点が弱点である。
彼はスーツを身につけ、トイレの窓から脱出する。そして、その銀行強盗がいると言う銀行へ走った。
ちなみに、このスーツの付属としてダッシュシューズというものがある。これは、簡単に言えば某少年探偵の知り合いの発明品である靴の原理を使っている。足つぼを押す事で、常人より早く走れるのだ。計測したところ、何時もなら彼は五十メートル四秒弱だったが、これを履くことで三秒にまであがったのだ。
……ただし、彼は足つぼに慣れていない為、これを履いて走ると言うのは一種の拷問に近かった。
けれど彼は走った。何故かと言う理由も何もない。ただ正義を執行したいから、彼は彼の地へ走るのだ。
彼の過去には、複雑な関係も酷い浮世との直面等も無い。本当にごく普通に生まれ、少し異常な身体能力と思考能力で秀才ともてはやされただけの少年時代だった。
……だから、つまり彼は本当に、限りない善意だけでその身を削っていた。
走って、走って、走った。そして、彼は銀行の真裏にたどり着いた。何故正面から行かないかというと、その格好では完全に変質者だからだ。それは、彼自身深く理解していた。
彼は、どこから入ろうかと思いながら辺りを見回す。すると、通気口の出口を見つけた。自身を無理やり通気口に押し込め、芋虫の様に犯罪者がいるエントランスへとくねりながら行った。
襤褸雑巾のようになりながら、彼はエントランスにまで辿り着いた。見れば、既にシャッターは閉まっていた。
犯人は複数のグループだった様で、一人は人質を警官隊の前で見せる為に外にいた。一人は、真ん中でうろうろとうろついている。最後の一人は、女の銀行員と話をしていた。
彼は通気口のふたを蹴り破ってエントランスに舞い降りて、まずうろついていた一人をラリアットで気絶させた。
それに驚いたもう一人が、銃を構えてこちらに向けて発砲する。しかし、弾丸は彼のスーツを掠るだけで、致命傷を負わすことは出来なかった。
疾風の如く彼はそいつに近寄り、銃を叩き落とし、眉間を強打させると言う荒っぽい方法で気絶させた。
それで安心、と思ったのも束の間だった。
ダン、と乾いた音がした。
瞬間、彼の腹部から血が垂れていた。
音源の方向を見てみれば、銃を持った犯人の一人が支店長と一緒にいた。
……つまりは、犯人は三人でなく四人いたのだ。
一瞬にして意識が遠のいていく様に感じた。確かに、彼は常人離れした身体能力は持つが、体の作りは常人と同じだ。弾丸が腹に埋まっているとなると、かなり状況は深刻である。
……だが、彼は諦めなかった。
遠退きそうな意識に喝を入れるかのように、彼は傷口を抉って弾丸を取り出した。そして、先程よりか遅いラリアットでその犯人を気絶させた。
そして、彼は何も言わず、聞かず、入ってきた通気口から戻っていった。
彼は、出て行ったトイレの窓から個室に戻り、傷の手当もそこそこにスーツ姿に戻り、何事も無かったかのように出勤した。
当然、遅刻であった。
今日は終わり。続きは明日やる。
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