雪ノ下、風邪を引くの巻 (15)
八幡「さて、そろそろ帰るか」
八幡(今日の部活は珍しく俺一人だった)
八幡(由比ヶ浜は期末考査の追試、雪ノ下は風邪で欠席)
八幡(あの雪ノ下をダウンさせるとは、今年の風邪は相当たちが悪いな)
八幡(俺も気をつけねぇと)
RRRRR
八幡「もしもし」
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由依「あ・・・ヒッキー?」
八幡「ああ、どうした?」
由依「実はさ・・・」
教師「由比ヶ浜さーん、休憩は終わりですよー!」
由依「は、はーい。すぐ戻りまーす」
八幡「お前まだ追試終わってないのかよ」
由依「あははは・・・はぁ」
由依「合格点に届くまで、何回もやるとか酷過ぎるよ」
八幡「まあ、あれだ、ドンマイケル!」
由依「きもーい、ヒッキーってギャグはセンスないよね」
八幡(なんで元気づけようとした俺が、元気失ってるんですかねぇ)
八幡「で、何の用だ」
由依「そうそう!今日ゆきのん休みだったみたいでさ」
八幡「風邪引いたらしいな」
由依「あ!知ってた?」
八幡「平塚先生から聞いた」
由依「そうなんだ、じゃあ話は早い!」
由依「ゆきのんのお見舞いに行ってあげてよ」
八幡「なんでだよ、風邪ぐらいで」
由依「ひどー、だからヒッキーはヒッキーなんだよー。ゆきのん一人暮らしなんだよ!絶対心細いじゃん」
八幡(ヒッキーがヒッキーでなにが悪いんだよ!なんなの、その謎の理論)
由依「風邪引いたときくらい、ゆきのんだって誰かそばにいて欲しいはずだよ」
八幡「じゃあお前が行けばいい」
由依「だーかーら」
教師「由比ヶ浜さん!!」
由依「す、すいませーん」
由依「私も後から行くから、絶対行ってよね!」
八幡「お、おい!」
ブチッ
八幡「・・・」
八幡(一方的な要求だけ言って切りやがった)
八幡(別にお見舞いに行くのはやぶさかじゃない)
八幡(ただ・・・あの雪ノ下が俺一人だけで行って、部屋にあげるのか?)
八幡(いや絶対無理だ)
八幡(あなたを部屋に入れると負のオーラで霊道を作ってしまいそうね、とか言いそうだ)
八幡(無駄足だけ運んで、罵詈雑言言われるとか、八幡のガラスのハートが砕けちゃう)
八幡(さて、どうするか)
八幡(出ないとは思うが雪ノ下に電話してみるか)
八幡(もし断られれば、由比ヶ浜にも言い訳になるし)
八幡(俺は最善の手を尽くしたと言い張れる・・・ただ電話しただけだけど)
RRRRR
雪乃「・・・もし・・・コホッコホッ、もしもし」
八幡「その様子だとだいぶキツそうだな」
雪乃「・・・誰かと思えば、ヒキガエ、コホッコホッ」
八幡(悪口もまともに言えないとか重症だな)
八幡「大丈夫か?」
雪乃「・・・あなたが誰かを心配するなんて、明日天変地異が起こりそうね」
八幡(毒舌はまだ大丈夫そうだな)
雪乃「あなたに心配されるほど、落ちぶれてはいな、ケホッ」
八幡「それにしては、キツそうだけどな」
雪乃「用がないなら切るわよ」
八幡「何か欲しいもんとかないか?」
雪乃「え?」
八幡「いや水とか食べ物とか・・・もし外に出られないなら、買って行ってやるよ」
雪乃「あとで何十倍の対価を要求されても、払えないわよ」
八幡「しねーよ」
雪乃「・・・」
雪乃「・・・実は病院からの帰りに買い忘れてしまって、困っていたところよ」
雪乃「・・・熱が酷くて、もう一度外に出るのは無理そうなの」
八幡「そうか、じゃあ買ってく」
雪乃「・・・素直すぎて怖いわね」
八幡「俺は常日頃から素直だが」
雪乃「なんだか耳鳴りが酷くて上手く聞きとれなかったわ、ごめんなさい」
八幡(一つ貸しができるし、雪ノ下の弱った姿を見れるし、俺には得することばかりだからな)
雪乃「とても腹黒い波動を感じる」
八幡(こいつ直接脳内を!?)
八幡「風邪のときくらいは素直に甘えろよ」
雪乃「そうね、あなたは捻くれ者だけどそこまで外道ではないものね」
八幡「お、おう!当たり前じゃねえか!」
八幡(熱のせいか?雪ノ下の毒気が少し抜けてるのん)
雪乃「申し訳ないけれど、頼んだわ」
八幡「ああ、40分くらいで着くから」
雪乃「ええ」
雪乃「ねぇ、比企谷君」
八幡「ん?」
雪乃「・・・なんでもないわ」
雪乃「頼んだわよ」
八幡「ああ」
ツーツー
八幡「小町に晩御飯いらねぇってメールしとくか」
おわり
このSSまとめへのコメント
あれ?もう終わり?(´・ω・`)
もちろん続きはあるよね?(純粋な目)
え、これからだよね?
これからだよね?