岡崎「……」智代「……」 (43)
休憩時間
廊下
智代「……」
春原「おい岡崎…なんであいつお前の事仁王立ちで睨んでるんだよ……っ」
岡崎「知るかよっ…今日の朝からずっとああなんだ」
岡崎(いったいなんだって言うんだ、昨日は春原でコンボを繋げる仲だったというのに。しかしこうして突っ立ったままでもいられないので事情を探ってみる)
岡崎「おい春原、ちょっと怒ってる理由を聞いてこい」
春原「はぁぁあ!?なんで僕がわざわざ…っ!」
岡崎「後で早苗さんとのデートをセッティングしてやるよ」
春原「んもう!しょうがないなぁ岡崎君はぁ~」
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春原「おーい智代ちゃーん、いったいどうしたの?僕に相談してみなよ☆」
ゴンッ
【別アングル】
春原「してみなよ☆」
ゴンッ
【別アングル】
春原「してみなよ☆」
ゴンッ
春原「ぐふぉは…っ!」
1hit!
バタン
岡崎「やはりダメか…」
春原「やはりってなんだよ!」
智代「朋也…今回ばかりは私もお前を許す事は出来ない」
岡崎(目が真剣(マジ)だ。恐らく一歩近づけばさっきの春原より酷い目に遭うだろう、とりあえず今は人の目を気にしているのかそのまま自分のクラスへ帰っていった)
渚「わぁ!どうされたんですか春原さん!?」
岡崎(渚が騒ぎに駆けつけた)
春原「大丈夫、いつもの事だよ。それより僕が気になるのは岡崎の方だね」
渚「朋也君がですか?」
岡崎「……」
…
……
………
6時間前
智代「おい起きろ朋也!学校に遅刻するぞっ!」
岡崎「んん……>>9」
智代「!?」
………
……
…
↑
岡崎「ともよぉ……好きだぁ……」
智代「!?」
智代「いっ、今なんと言った!」ブンブン
岡崎「うぁ…っえ?…どうした智代?」
智代「どうしたもこうしたもお前が今…その……わっ、私に……き…って言っただろ…!」
岡崎「はぁ?」
智代「…覚えて…ないのか……?」
岡崎「もしかして俺は寝言でも言ってたのか?恥ずかしいから忘れてくれ…ってもうこんな時間じゃねーか!行くぞ智代っ!!」
智代「なっ…話はまだ終わって…!」
バタン
智代「………」プッツーン
岡崎「…ふぅ…この調子なら余裕で間に合いそうだな…そういえば智代は?」
「…てー!…」
岡崎「おっ?」
智代「…待てぇーっ!!」
岡崎「なぁ!?」
岡崎(後ろから鬼神のごとく智代が俺を追ってきた。ここで大人しく捕まったら俺は恐らく死ぬだろう、アーメン)
岡崎「どうしたいきなり!?」
智代「何故私から逃げるのだ!」
岡崎「俺に危害を加えないと誓ったら止まってやるよ!」
智代「それは分からん!」
岡崎(どうなっているんだ、あいつ昨日だって普通に俺に話しかけてきた癖に起きたら態度がまるっきり違うぞ)
岡崎「なら捕まってたまるかよぉーっ!!」
ブゥゥーン
杏「ん?」
岡崎「はぁ…はぁ!」
杏「ちょっ、危な!」
ドンッ
ちょいと休憩
杏「痛た…」
岡崎「っつ…」
杏「…あっ」
岡崎「……ん?…うおっ!」
岡崎(杏のバイクとぶつかった弾みで第三者から見ると朝っぱらから俺が杏を押し倒している構図になってしまった)
杏「この変態!私をどうしようっての!?」
岡崎「これは不可抗力だ馬鹿!というか急にバイクでぶつかってくる奴があるかっ!」
杏「そりゃあんたでしょーが!前見ずに走ってきてよく言えるわね」
岡崎「そりゃお前後ろで追っかけてくる奴がいたら誰で…も……」
岡崎(そうだった、俺には逃げるべき存在がいた事を何故今まで忘れていたんだ…)
智代「……」
岡崎「ちっ、違う智代!これはただの事故だ!誰がこんな奴と…」
杏「そ、そーよおほほ…って誰がこんな奴よ!」
智代「朋也…」
岡崎「は…はい!」
智代「私という者がありながらお前は……うっ」
岡崎(そう言って智代は校門へ走っていってしまった)
岡崎「た……助かったのか?」
杏「どうしたのかしら、なにか様子が変だったわ」
岡崎「まったく…こういう役回りは春原だけにしてくれ」
キーンコーン
杏「あ…やっば!」
放課後
岡崎「って訳だ」
春原「そんな気が立ってる時に友達をけしかけるお前はどうかしてるよ」
渚「どうしてあんなに怒ってしまったんでしょうか…」
杏「まったくねー、私と一緒にいた時は追撃を止めたんでしょ?それが何かヒントにならないかしら?」
椋「他にもお姉ちゃんが居る時以外で攻撃してこなかった事は?」
春原「近付いたら僕でさえとばっちりを受けたけど休憩時間の時は宣戦布告しかしてこなかったね」
岡崎「お前ら、さっきからあいつを殺人ロボットかなんかみたいに言ってるが……いや合ってるな」
ことみ「はい。どういう事か分かったの」
岡崎「本当か!」
ことみ「怒ってる理由は分からないけど近くに誰かがいたら坂上さんは襲ってこないの。…つまり朋也君が殺されないためには誰かがいつもそばに居れば助かるの」
岡崎「おお…確かに!」
春原「なーんだ。それなら僕と岡崎は一心同体いつでも一緒だから心配無いね」
岡崎「言い方が気持ち悪くて決して認めたくはない事実だが確かに言われてみればそうだったような気もするな」
春原「なんで頑なに認めようとしないの貴方!?」
渚「でもそれなら心配ないですね!春原さん、よろしくお願いします」
春原「任せておきなって!」
杏「ま、とにかくこれで一安心ね」
岡崎「ああ、あとはその原因を突き止めるだけだ。それについてはゆっくり考えるとしよう」
トコトコ
春原「じゃー今日は俺の部屋で適当にだべってようよ」
岡崎「んー」
智代「……ん?」
岡崎「はっ!」
岡崎(俺達から約5m離れた所に智代の姿を肉眼で確認)
春原「ふっ、そう恐るなよ。今日は俺がお前を守る番なんだからさぁ。岡崎は智代にお尻ぺんぺんでもしてなよ」
岡崎「誰がするかよ…」
岡崎(とはいえ誰か2人で行動していると攻撃してこないのも事実、一瞬驚いたがそのまま通り過ぎさせてもらう事にした)
智代「……」
春原「……おい、ちょっと待て…」
岡崎「なんだよ…」
智代「………おい」
春原「あいつ…俺達の方を向いてないか…?」
岡崎「そりゃ知り合いなんだから顔ぐらいは向…」
智代「待てお前達!」
岡崎(振り向いた先には来るはずのない人物が)
春原「岡崎ぃー!逃げろおぉーっ!!」
岡崎「うおおぉおー!?」
智代「待てと言っているだろうがぁーっ!」
春原「ひぃぃーっ!!」
岡崎「そうだ!宮沢の所へ行くぞっ!」
春原「ちくしょー!追っかけてこないはずじゃ無かったのかよ!」
資料室
ガラッ
宮沢「あら…?」
春原「し…死ぬかと思った……」
岡崎「すまん宮沢、匿ってくれ!」
宮沢「…取り敢えず中へ入って下さい」
続く
宮沢「はい、どうぞ」
春原「追われて逃げた先のコーヒーも乙だねぇ」
宮沢「所でどうして走ってこられたんです?」
岡崎「実はかくかくしかじかで…」
宮沢「なるほど。追われている原因が分からないと」
春原「有紀寧ちゃんのおまじないでなんとかならないの?」
岡崎「それでなんとかなったら世話…」
宮沢「多分ありますよ」
岡崎「なんだと!?」
岡崎(俺が驚いているのを尻目に宮沢はいつもの本を取った)
宮沢「えと……あ、ありました。相手が自分に腹が立たなくなるおまじないです」
春原「なんだよその無敵のおまじないは!」
岡崎「とっ、とにかく教えてくれ!」
宮沢「はい。まずは真っ正面の相手、これは私ですね…その相手の顔を両手で覆って下さい」
岡崎「こうか?」
岡崎(俺は宮沢の顔に触れた)
宮沢「次にお互いのおでこをくっ付けます」
春原「そのおまじない次僕もやらせて下さい!」
岡崎「こ、こうか…」
宮沢「はい」
岡崎(なんだかとても恥ずかしい行為をしているような気が…)
ガラッ
智代「突然すまない、ここに岡崎朋也という人間は……」
春原「嘘だろ…」
岡崎「ヤバイなこりゃ…」
岡崎(彼方の方から見ると俺と宮沢がキスをしている様に見えるに違いない。俺は今度こそ死を覚悟した)
智代「……っ」
ピシャッ
春原「……はぁ?」
岡崎「何もしないで出て行っただと…?」
春原「や、やっぱりおまじないが聞いたんじゃ!」
宮沢「いいえ、このまじないはまだ途中だったのですが…どういうことでしょう」
岡崎(まじないのお陰じゃないとしたらどうして……まさか)
岡崎「……もしかすると周囲に男子ではなく女子がいるとあいつは消えるんじゃないか?」
春原「なんだよそれ!いくらなんでも羨まし過ぎるだろー!」
岡崎「俺だって今思いついただけだ」
宮沢「ですがそれなら納得がいきますね。坂上さんは多分嫉妬しているんですよ」
岡崎「嫉妬?」
春原「何を言うかと思ったら…あいつに限ってこんな落ちこぼれに嫉妬する要素なんか無いでしょ」
宮沢「いえ、岡崎さん自身では無く周りの女性にヤキモチを焼いているのでは無いでしょうか」
岡崎「おいおい…そりゃ流石にあり得ないって」
宮沢「うーん…いい線いってると思っていたのですが」
校門前
春原「しかしそれじゃ誰か女の子を呼ばなくちゃねぇー」
岡崎「いいや、ちょうどいい所に現れたな」
岡崎(坂から元気良く走ってくる少女が見えた)
芽衣「お兄ちゃーん!岡崎さーん!」
春原「めめめめ芽衣!?」
岡崎(春原の妹の芽衣ちゃんだ。制服である所を見ると以前のような長期滞在では無さそうだ)
岡崎「どうしたんだ芽衣ちゃん」
芽衣「はいっ、最近また兄がダラけた生活を送っているとの事で抜き打ちで遊びに来ちゃいました!」
春原「おま…心臓に悪いから来る時は言えよ……!」
岡崎「嬉しそうだな」
芽衣「今日はもう帰りですか?」
岡崎「ああ、ただちょっと面倒臭いことになってな。今日は家まで送ってくれないか?」
芽衣「もちろん岡崎さんの頼みなら!」
岡崎(特に説明もしていないのに二つ返事で付いて来るのはそれはそれで不安だがとにかく一安心だ)
商店街
芽衣「そういえば岡崎さんこの辺りに行くと思い出しますね!」
岡崎「……?」
芽衣「分かんないかなお兄ちゃん?」
岡崎「ぶふぉっ!?」
春原「お前…」
岡崎「いやこれは違うんだ!」
芽衣「何が違うのお兄ちゃん?お兄ちゃんがそう呼んでほしいって言ったよね?」
岡崎「うぐ…っ!今すぐその呼び方を変え…いや、やっぱりそのままで…」
春原「アンタ喧嘩売ってるんですか!?」
物陰
智代「……」
岡崎部屋
岡崎「なんとか辿り着いたが明日もこんな流れじゃ身が持たんな…」
岡崎(…いや待て、肝心な事を忘れていた!奴は朝にいつも起こしにくる。その時俺の他に誰も居ない部屋でどうすればいいんだっ)
テンテレレレーレー
風子「よっと…風子参上!」
岡崎「………え?」
風子「岡崎さんがピンチだと聞いていても立ってもいられませんでした!」
岡崎「いや誰だよ本当に」
風子「今は忘れていても構いません、ただこのヒトデの恩を私は個人的に返すだけです!」
岡崎「ピンチを救ってくれるのはいいが具体的にどうする?智代を追っ払うのか?」
風子「いいえ、添い寝します」
岡崎「なん…だと…?」
風子「正直風子に出来ることと言えばそれぐらいしかありません!大丈夫です、このヒトデ枕さえあればいつでもどこでもスヤスヤですからっ」
岡崎「そういう問題じゃないだろ…」
風子「それではお休みなさい……ぐぅ」
岡崎「もう寝やがった!」
岡崎(あのあと牛乳のストローを鼻に突っ込んで飲ませてみても起きなかったので仕方が無くその晩は2人で寝た、仕方が無く)
朝
岡崎「う…」
ガサガサ
岡崎「そういえば一緒に寝てたんだったなそろそろ起きろ、というかお前の親は心……」
智代「……」
岡崎(なんという事だろう、隣で寝ていたのは制服の智代だった)
岡崎「……お休みなさい」
智代「んん…少し寝てしまったな……おや、起きていたか」
岡崎「ゆ、許してくれ…学生の内に死にたくない」
智代「何を言っている?」
岡崎「も、もしかして今までのは夢だったのか…?」
智代「ああ、そうだ。昨日お前を追いかけていたのを忘れていたな…」
岡崎(希望は消えた様だ)
岡崎(あまり怒っていないとい。少し寝ぼけているらしい)
岡崎「待て、昨日俺は誰かとここで一緒に寝て居なかったか?」
智代「悪いが知らないな…どこかへ帰って行ったんじゃないかぁ…?」
岡崎(結局役にたってないぞ)
智代「かっ勘違いするなぁ…今眠っていたのはお前を起こそうとしていたら私も少し眠気が…」
岡崎(だからって隣で寝ることは無いだろう)
岡崎「だが何故お前は昨日俺を付け回していたんだ!」
智代「お前が…」
岡崎「ん?」
智代「…お前がそれを聞くかこの浮気性が!」
岡崎(今の一言が寝ぼけていた頭が冴えてしまったのだろう、口調も元通りになった)
智代「私は昨日のこの時間に確かに聞いたぞ…『智代、好きだ』とな!」
岡崎「い、言わねえよ!」
智代「いや言った!だのに、なんだ昨日はっ!」
岡崎(俺が智代に告白だと…?そんな覚えは……ハッ!まさか朝寝ぼけてたとかいうアレか!?)
宮沢『いえ、岡崎さん自身では無く周りの女性にヤキモチを焼いているのでは無いでしょうか』
岡崎(ば、馬鹿な……)
智代「四六時中他の女とくっ付いて私に見向きもせず…これでは私は惨めじゃないか……っ」
岡崎(最初こそ憤慨していたが徐々にその勢いを無くしていく智代。寝言とは言え責任を取るべきなのか?迷った末俺は……)
>>39
好きだからのキス
岡崎「智代、俺は間違っていたんだろうな。今まで俺は散々お前から逃げる事ばかり考えていて智代の気持ちを考えようともしなかった」
智代「……いいんだ」
岡崎「良かねぇよ!」
岡崎「俺だって反対のことされちゃはらわた煮えくり返ってただろう。それをお前は…っ!」
智代「だからいいと言っているだろう、もう気にしてなど…」
岡崎「好きだ!」
智代「……今…私に言ったか?」
岡崎「ああ、お前の他に誰がいる。やっと気付いたんだ、ここまで俺の事を熱く思ってくれる奴が居たことを!」
智代「ふん…私はもう冷め…っ!」
岡崎(次の台詞を言い終わる前に物理で防いだ)
智代「んっ…ふく…っ!」
岡崎「はぁ…はぁ……」
智代「……ひ、卑怯だぞ…」
岡崎「悪かったよ」
智代「ちっとも思っていない癖に…」
岡崎(……)
岡崎「なぁ、もう一回やらないか?」
智代「なっ、何を言ってるんだ!そんな事…も、もう時間もあるし…」
岡崎「じゃあ今日は生徒会長候補初の遅刻だな」
智代「馬鹿を言うな!ほらさっさと行き……」
チュッ
智代「~~っ!」パタパタ
終わり
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