アスカ「キスよ、キス」

カヲル「そんな事をしてどうするんだい？」

アスカ「あんたバカ？ この私がさせてやろうって言ってんのよ？喜びなさいよ。
ただし代わりに、シンジにベタベタすんのやめることが条件」

カヲル「……」

アスカ「条件を呑むならキスさせてやってもいいわ」

カヲル「……」ﾁｭｯ

アスカ「あ……っ、あああああああああああヒィぃぃぃぃぃぃっぃぃ！！」ﾋﾞｸﾋﾞｸｯ

アスカ「な…に、今の…私……」

カヲル「いいよ。もうキスしてしまったし、条件を呑もう」

アスカ「え。きゃっ」

ぎゅっ

カヲル「ところで、キスが一回だけとは言っていなかったよね？」

アスカ「ちょ……ちょっと待って。だめ、もう」

ﾁｭｯ

アスカ「んぃひぃぃぃぃぃ～～～～～～～～～～～～！！！！」

ﾁｭｯﾁｭｯﾁｭｯ

アスカ「やめへぇっああああ！ またイっひゃあ、ンぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！！！！」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

………

アスカ「ぁ……」

カヲル「やあ。目が覚めたかい？」

アスカ「あれ…？ 私、どうして……」

カヲル「気絶してたんだよ。ほんの少しの時間だけどね」

アスカ「渚……？ あっ」ﾌﾞﾙｯ

カヲル「……」

アスカ「あ、ああ……ﾊｧ、ん…っ、ああ……」

カヲル「大丈夫かい？ そんなに震えて」

アスカ「キ……スぅ。キス、して、もっと！ いっぱいキスしてぇっおねがぁい！」

カヲル「してもいいけど、条件がある。
さっき君が出した条件を取り消し、僕がシンジ君とどれだけ仲良くしていても今後邪魔をしないこと」

カヲル「呑むなら、またキスしてあげる。再び気を失うまでね」

アスカ「ﾊｧ、わ、分かった……分かったわ、言うとおりするからぁ、ﾊｧ、キスして、キスでイカせて、ねえっねえ！」

カヲル「……」ﾁｭｯ

アスカ「はひっンあああァァァァァァァァァ………♥♥！！！」

………

アスカ「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

カヲル（なるほど。リリンの女性に僕の望みを聞いてもらうには、こういう風にすればいいのか）

カヲル「勉強になったよ。ありがとう」

アスカ「ｶ…ｦﾙｻﾏ……ﾊﾍ♥」

アスカ「はあ……」

シンジ「どうしたのアスカ。溜息ばっかりついて」

アスカ「うっさい！ はあ……この私が……屈辱よ、屈辱……」

シンジ「なに言ってんの？」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

シンジ「はーい」ﾄﾀﾄﾀ

アスカ「……」

シンジ「あっ。カヲル君！」

アスカ「ひっ」ﾋﾞｸｯ

カヲル「お邪魔します」

シンジ「う、うん。どうぞ……」ﾁﾗﾘ

カヲル「心配しないで。彼女とは約束してあるんだ。僕がシンジ君と一緒にいても怒ったりしないようにね」

シンジ「そうなの？」

アスカ「ぐ……」

カヲル「だから遊びに来てみたのさ。シンジ君の部屋に行ってもいいかな？」

シンジ「あ、うん！ どうぞ」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ､ﾊﾟﾀﾝ

アスカ「くそ…っ、くそぉ…っ」

ｶﾞﾗﾗ

アスカ「ん？」

カヲル「あ、いた。アスカ」

アスカ「気…気安く呼ぶな！ このホモっ」

カヲル「アイスを食べようと思ったんだけど、置いてないそうなんだ。お金は僕が出すから買ってきて」

アスカ「……はああ！？」

アスカ「あんたバカ！？ なんで私がっっ」

カヲル「僕はシンジ君といたいからね。君は今、これといってなにもしていないだろう？」

アスカ「だからってあんた達のために買い物行ってやる理由もないわよ！
女の子におつかいさせて自分たちは部屋で遊ぼうって、何考えてんのよサイテー！！」

カヲル「もちろん、頼み事の分、君にも見返りをあげるさ」

アスカ「……！」ﾋﾞｸｯ

カヲル「……どうして欲しい？ アスカ」

アスカ「……気安く呼ぶな、っての……」

アスカ「あ、あんたなんかに、して欲しいことなんて……な、なにも無いわよ……」

カヲル「つい昨日の出来事を忘れたの？」

アスカ「あああああれはっ、流れで、気の迷いで、とにかく忘れなさい！！」

カヲル「……」

アスカ「そうよ。私が、渚なんかに……欲しい、なんて……」

ﾄﾞｸｯﾄﾞｸﾄﾞｸｯ

アスカ「う、うう……」

カヲル「分かった。頼むのは諦めて自分で行ってこよう。その方が早そうだ」

アスカ「あ…っ」

カヲル「……」ﾄﾀﾄﾀ

アスカ「ま…………ﾏｯﾃ」

ｶﾞﾗﾗ､ﾊﾞﾀﾝ

シンジ「あ。ど、どうだった？」

カヲル「行ってくれたよ」

シンジ「ホントに……！？ あのアスカが……大丈夫かな。後でなんかあるんじゃ」

カヲル「……」



ﾃｸﾃｸ

アスカ（ああ、何やってんだろ、私……）

………

アスカ「ほら、これでいいんでしょ」

シンジ「ごめんね、アスカ。女の子にこんなことさせちゃって」

アスカ「謝らるより礼を言いなさいよ」

カヲル「ありがとう」

アスカ「……シンジに言ったのよ」

シンジ「結構いっぱい買ったんだね。余ったのしまってくるね」

アスカ「……」

カヲル「君はそれを食べるの？ なら、とりあえずしまっておいた方がいい」

アスカ「は？ なんでよ。私が買ってきたんだから好きな時に食べるわ」

カヲル「後で……僕が食べさせてあげる」ﾋｿﾋｿ

アスカ「……っ ///」

アスカ「はぁ……」ﾄﾞｻ

アスカ（結局あいつ、夕食まで一緒に食べてくなんて。邪魔しないって約束させたからって調子に乗ってんだわ）

アスカ（……なんであんな約束、しちゃったんだろ……）

アスカ（キス、くらいで……渚の……あのキス……）

アスカ「……んっ」

アスカ「ん、ぁ……ﾊｧ……」ｸﾁｭｸﾁｭ

アスカ「ぁぁ……ダメ、こんな…ぁ、ぁンっ」ｸﾁｭｸﾁｭ

ｺﾝｺﾝ

アスカ「！？」

ｺﾝｺﾝ

アスカ「な……なによ、シンジ」

『悪いね。シンジ君ではないよ』

アスカ「渚……！」

カヲル「シンジ君は今、食器を洗っていてね。その間くらい、君と話をしてくると言って来たんだ」

アスカ「……私は暇つぶしの道具ってわけ？」

カヲル「妬いてるのかい？」

アスカ「バカにしてんの！？」

カヲル「はは、冗談だよ。それより、君のカップアイスを持ってきたんだ」

アスカ「！！」ﾄﾞｸﾝｯ

カヲル「部屋に入れてくれるかな」

アスカ「……」

ﾊﾞﾀﾝ

シンジ（あ。入れてもらえたんだ。大丈夫かなあの二人……早速、アスカ何か怒ってたみたいだけど）

カヲル「はい、あーん」

アスカ「……」

カヲル「どうかした？」

アスカ「……本気でやるわけ？それ」

カヲル「食べさせる約束だったじゃないか。さ、どうぞ」

アスカ「うう……」

カヲル「あーん」

アスカ「ん……あむ ///」

カヲル「ふふっ」

アスカ「///」

カヲル「あーん」

アスカ「あ…あーん。あむ」

アスカ（はっ恥ずかしいぃぃぃ……でも。ちょ、ちょっと悪くない、かも）

アスカ（バカシンジじゃ絶対、冗談でもこんなことできないだろうし……）

カヲル「美味しそうだね。一口もらうよ」ﾊﾟｸ

アスカ「あっ。勝手につまみ食いしてんじゃないわよ、人のアイス！」

カヲル「……」

アスカ「な……なによ、文句あん」

ﾁｭｩｩ

アスカ「んむぅ…っ！？」

アスカ「ふっンぅ……ンん……」

アスカ（あ、あ、あ、きた、キス、やっと……っ！ あああ、やっぱり、イっちゃぅ）

アスカ「ンんんっ、ぅん～～～～～～～～～～！！」ﾋﾞｸﾝｯﾋﾞｸﾝｯ

ﾄﾛ…

アスカ（…！？ アイス……渚から、口移しされちゃってる……ふぁ♥）

アスカ「……っ、……っ、……っ」ﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯﾋﾞｸｯ

アスカ（甘い……甘い……♥ アイスも、唇も、舌も、甘い……の♥♥）

ﾁｭﾊﾟｯ

アスカ「……はへ……♥」

カヲル「ごめんね、勝手に食べしまって。だから返しておくよ」

カヲル「もう取ったりしないから安心して。はい、あーん」

アスカ「ぁ…い、いいわよ。ちょっとくらい……だったら」

カヲル「そう？ ありがとう」ﾊﾟｸ

アスカ「やっやっぱりダメ！ 返してよ……わっ私のなんだからぁ」

カヲル「……」

ﾁｭｯ
ﾄﾛ…

アスカ「ンぁ、ん～～～……っっ♥」ﾋﾞｸﾋﾞｸｯ

アスカ「ぷはっﾊﾋ……ぁ♥」

カヲル「……垂れてしまったね。もったいないよ」ﾚﾛｯ

アスカ「ヒぅんっ！」

カヲル「口を押さえて。シンジ君に聞こえてしまう」

アスカ「ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｱ」

ﾚﾛｯ ﾚﾛｯ ﾁｭﾊﾟｯ

アスカ「むぐぅぅぅぅぅン♥ んっンぅぅ゛！ ふうう゛う゛っっ！」ｶﾞｸｶﾞｸｯ

カヲル「こんなもんかな。さあ、残りのアイスを食べてしまおうか。もうだいぶ溶けてしまった」

アスカ「ｧ……ｧﾊ……♥♥」

………

ﾊﾞﾀﾝ

シンジ「あ、出てきた。良かった、無事だったんだね」

カヲル「無事？」

シンジ「ケンカにでもなってないかって、心配しちゃって。あ、カヲル君は怒ったりしないだろうけど……アスカは」

カヲル「アイスのおかげで助かったよ。ご機嫌取りになった」

シンジ「はは。洗い物終わったよ」

カヲル「ならちょうど良かった。手が空いたなら、またシンジ君の話を聞かせて欲しいな」

シンジ「僕も、カヲル君のことが聞きたい。部屋に行こう」

カヲル「うん」



アスカ「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

ヒカリ「アスカ、お休みなの？」

シンジ「うん。朝から体調悪いみたいで」

ヒカリ「そう……」

シンジ（ごめん委員長、ホントは体調じゃないのに。行く気にならないって、下向いてぶつぶつ言ってて。置いてきちゃったけど、大丈夫かな……）

カヲル「シンジ君！ おはよう。昨日は楽しかったよ」

シンジ「おはようカヲル君。僕の方こそ……またいつでも遊びに来てね」

………

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

トウジ「おっしゃ！ 終わりや終わり、ゲーセン行こうやケンスケ！」

ケンスケ「ああ」

ヒカリ「渚君。今日の当番、私と渚君だから、後かたづけとプリントの整理手伝ってね」

カヲル「プリントの整理？」

ヒカリ「うん。先生に頼まれちゃったの」

カヲル「……」

カヲル（今日はゼーレとの交信がある。遅れるわけには……学校に長居はできない。
ネルフの訓練が無いことは、シンジ君達との会話で昼間に聞かれてしまっているし……）

ヒカリ「これと……これがこっちで……」

カヲル「もう、皆帰ってしまったね」

ヒカリ「え？ そうね」

カヲル「君と僕の、二人きりだ」

ヒカリ「な、渚君？」ﾄﾞｷｯ

カヲル「……実は今日、どうしても外せない用があって、僕は帰らないといけない。
だから洞木さんに『お願い』をする必要があってね。人目が去るのを待ってたんだ」