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( `・ω・) ようこそID栽培スレへ!
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しー-J
ここはsageずに書き込み、出たIDの数字の回数だけ植物を植え育てるという、
硬派な環境保護スレです。
例1 ID:wwh7KM12 ID抽出 の場合 7+12=19 なので19回頑張りましょう。
例2 ID:bicycle. ID抽出 の場合 数字がないので今日は一休み。
さあ、存分に栽培するがよい
雌花「いやっ! やめてよ蜂さん! そんな……っ!」
蜂「どうした。俺は花蜜が欲しいだけだぜ」
蜂「たくさん持ってるんだろ。どこに隠してるんだよ」ヘラヘラ
雌花「み、蜜はあげるからっ。お願い、足の粉、綺麗に落として!」
蜂「粉あ? 俺は蜂だからよく分かんねえや」ニタニタ
蜂「粉ってなんだよ。教えてくれよ」
雄花「おい、蜂野郎! 雌花ちゃんから離れろ!!」
蜂「ああ? なんだお前。俺の仕事にケチつけようってか」
蜂「見ての通り、俺は蜜を集めてるだけだろ」
蜂「他になにをするように見えるって? くっくっくっ」
雄花「こ、コイツ……っ!」ユラッ
雌花「雄花さん……助けて……」
雌花「受粉するなら雄花さんのがいいってずっと思ってて……」ユラッ
蜂「相思相愛たあお熱い仲じゃねえか。いいねえ、若いやつらは」
蜂「でも残念だったねえ。自然界ってのはそう甘くないんだなあ」
雌花「ひぃっ?! いやっ! 雌しべに近付かないで!!」
蜂「それは無茶な注文だ。お嬢ちゃんの蜜はどこにある」
蜂「花の中心だよな。綺麗に咲いたお花の真ん中にたっぷり貯め込んでんだよな」
雄花「さっき俺の蜜を取って行ったばかりだろ!」
雄花「なんで戻ってくる必要があるんだよ!」
蜂「ほんとにこの季節の植物は、揃いも揃って頭がお花だから困る」
蜂「いいか、ガキんちょ。仕事には事故ってのがつき物だ」
蜂「特に種の隔たりを越えた共生の関係を築いていれば」
蜂「望まない結果なんて珍しいことじゃない」
雌花「う、うう……ぐすんっ」
雄花「だからって、嫌がってるのに無理矢理するなんて!」
蜂「俺ら(虫)がいなけりゃ満足に繁殖できないくせにグチグチうっせえなあ!!」
雄花「ぐ……っ!!」
蜂「誰がお前らの生態系を守ってやってんだ?!」
蜂「誰がお前らの世代を繋いでやってんだ?!」
蜂「言えよ、ゴラッ! おい、誰だ! 答えてみろよ!」
雄花「つ……くっ……ぐうぅっ!!」
蜂「お前ら植物に足があるか? 羽があるか?」
蜂「ないだろ。悔しかったら杉みたいに花粉を飛ばせや!」
蜂「ひゃひゃひゃっ! ほら、早く。飛ばしてみろよ、ほおら」
雌花「いやああっ! 花粉の付いた足を近づけないでええ!!」
雄花「や、やめろ! やめろおおおっ!!」
蜂「くひっ、ひひひひっ。馬鹿みたいに風に揺れてやがる」
蜂「正論ばかりで悔しいだろ。何も言えないのが口惜しいだろ」
蜂「蜜だけ溜めておけば、あとは勝手に虫が花粉を運んでくれる」
蜂「そんなことを考えてお前らの先祖がこの進化を選んだんだ」
雄花「なにが目的なんだよ! 蜜さえ集まればいいんだろ!!」
雌花「ひっく……ひっく、ぐすっ……」
蜂「俺に怒るなよ。道を誤ったのはお前らの祖先様」
蜂「ライフワークに励む勤勉な別種に憤るのはお門違いってもんよ」
雄花「くそ……くそお……っ!」
蜂「うひっ! ひ、ひひっ! あひゃひゃひゃ!」
蜂「お前、こいつのこといつから見続けてた?」
蜂「花が開いてからか? つぼみに色が付く頃か?」
雄花「雌花ちゃんが膨らみ始めたときからだ」
雌花「雄花くん……」フワッ
雄花「昨日の今日でふらりと飛んできたお前とは時間が違う」
雄花「雌花ちゃんが風に吹かれてこっちを向いてくれたときからだ」
雄花「俺のおしべに花粉がつきはじめたのは」
雌花「わ、私も。雄花くんのことを見つけたから」
雌花「私のめしべが湿ってるのは雄花くんのためなの!」
雌花「だから他の花の花粉なんて嫌! 私は雄花くんの実をつけたい!」
雄花「雌花ちゃん……」
雌花「蜂さん。私は負けない」
雌花「あなたの卑劣な戯言になんか絶対に負けない」
蜂「……ふ」
蜂「ふふ、ふふふっ、あーはっはっは!」
雌花「っ」
雄花「なにがおかしいんだよ! 雌花ちゃんは真剣に言ったんだぞ!」
雄花「お前みたいに遊び半分の言葉じゃない! だから笑うな!」
蜂「ひーひひ、くふ、うふふ……あー、面白い」
蜂「お前らみたいな奴は初めてだよ」
蜂「まったく、大真面目に告白大会を開きやがって」
蜂「聞いてる方が恥ずかしいっての。顔から蜜が出るわ」
雄花「……っ」
蜂「おいおい、そんな怖い顔すんなよ。虫が寄りつかないぞ」
蜂「知ってるだろ。俺ら虫の日々ってのは忙しいんだ」
蜂「俺らの組織は運命共同体だ。生を共にし、死を共有する」
蜂「誰かが働くのをやめたら、全員に迷惑がかかる」
蜂「だから休みなく羽を動かして飛び回るしかない」
蜂「お前らみたいに惚れた者同士で仲良くしてるのを見かけるとな」
蜂「情けなくも嫉妬しちまうんだよ。朝から晩までのん気にイチャつける」
蜂「お前らの先祖の進化は大正解だったな。情けなくも妬んでるよ」
蜂「休みを悪とした先代を、虫として生まれた俺を憎んでる」
蜂「花粉は落としてやるよ。都合上、こっちも急ぎでな」
蜂「片足だけで我慢してくれよ」スリスリパラパラ
雌花「蜂さん……」
雄花「……蜂さんも悩んでたんだ」
蜂「気にすんな。醜い嫉妬だよ。汚い八つ当たりだ」パタタタ
蜂「お前の花粉、もらうぞ」
雄花「さっきは怒鳴ってごめん」
蜂「好きなやつの危機に声を出したのはお前が初だ」
蜂「他の花はどいつもこいつもじっと見てることしかできなかった」ストッ
蜂「好きなやつを想う。当たり前を簡単に諦めるやつばかりだった」テクテク
蜂「おい、雄花。お前はちゃんと好きなやつを見守ってやれよ」ペタペタ
雄花「おう。約束する。何があっても目を離さない」
蜂「雄らしい言葉だ。俺はずっとそれを聞きたかったんだろうな」ペタペタ
蜂「じゃ、そっちに行くぞ。次はお嬢さんの番だ」テクテク
雌花「はい」
蜂「仲介役が根性のひん曲がった虫野郎で申し訳ねえな」パタタタ
雌花「いえ、私も蜂さんのこと勘違いしてました」
蜂「当たり前だ。わざとそう思わせてたんだからよ」ストッ
蜂「ほら、お好きな花の花粉だぞ」テクテク
雌花「……はい」
蜂「おっと、すぐにはつけてやらん」
蜂「その前にふたつだけ聞かせてくれ」
雌花「なんでしょうか」
蜂「ひとつめ。お前を受粉させたら蜜をわけてくれ」
蜂「断れても持て行くけどな。でも了承を取った方が気分いいだろ」
雌花「蜜は好きなだけ持っていってもらってもかまいません」
雌花「私がずっと蓄えていてもしかたなのないこのなので」
蜂「純情で心優しいお嬢さんだ。あの花が心底虜になるのも分かる」
蜂「ふたつめ。お前は本当にあの雄花が好きか?」
雌花「もちろんです。他のどの花よりも愛してます」
蜂「嘘じゃないな?」
雌花「はい。たとえ花びらをちぎられても気持ちは変わりません」
蜂「ふっ。くっせえな。無垢で一途はたまんねえ」
蜂「おい、雄花。こんなお嬢さんを捕まえたんだ」
蜂「お前は自然界一の幸せ者だな」
雄花「おう」
蜂「じゃ、受粉してもらいましょうか」
雌花「あ」ユラァ
蜂「ふふ」ニコッ
蜂「ただし」スッ
雌花「え?」
蜂「こっちの顔も知らない花の花粉の方でな!!」ペタァ
雌花「い、いやああああっ!」
雄花「雌花ちゃああああんっ!!!」
蜂「ほおら、どうだ?! 初めての雄の粉は!」ヌリヌリ
蜂「勘違いでめしべをこんなにどろどろにさせやがって!」ヌトォ…
蜂「あははははははっ!!」ヌリュヌリュ
雌花「いやっ! うそっ!! 取って! 蜂さん! 早く取ってよお!」
雌花「見ないで! 雄花くん、こっち見ないで! いやあああっ!!」
雄花「おい、蜂! ふざけんな!! なんでだよ!!」
雄花「なんで、こんなっ!! 話が違うだろ!!」
蜂「話しが、違う? うひゃひゃひゃっ! ぶわぁーか!」ペタペタ
蜂「なにが違うんだ。どこもおかしくないだろ」ヌトヌト
雌花「約束……約束したでしょ! 雄花くんの花粉で受粉させくれるって!」
蜂「はあ? 俺は『受粉したら蜜をわけてくれ』って頼んだだろ」
蜂「それと、お前があのお馬鹿な雄花のことが好きどうか聞いただけ」
蜂「ウソなんてただのひとつもついてまっしぇえーん」
蜂「ういっひっひっひっひ!」
蜂「好きな花のそばで孕めるんだ。最上級の幸せだろ?」テクテク
蜂「それじゃ、約束通りに蜜はもらっていくぜ」チウチウ
雌花「あ、あああ……こんな。こんなの……うあああああっ!!」
雄花「雌花ちゃあああんっ! そんな……くそっ!」
蜂「ぷはぁっ! うー、たらふくの大量だぜ」
蜂「いやー、残念だったな、雄花くんよ」
蜂「お前は雌花の嬢ちゃんの花が散ってから実を落とすまで」
蜂「なにもできずにじっと見守るしかない」
蜂「花で生まれたことを枯れるまで後悔することだな!」
蜂「あひゃひゃひゃっ!」
蜂「じゃあな! アデューっ!」パタタタタ
雌花「う、うう……枯れたい……生きたくない……」
雄花「……雌花ちゃん」
雌花「ごめんね、雄花くん。私、汚れちゃった」
雌花「これから雄花くんに見られながら知らない花の実をつけるの」
雌花「ごめんね。汚くてごめんね。ごめんね……」
雄花「そんなことないよ。俺はどんな雌花ちゃんでも好きでいられる」
雄花「ずっとずっと……枯れても生まれ変わって雌花ちゃんの隣で咲き続ける」
雄花「愛してるよ、雌花ちゃん」
雌花「ありがとう、雄花くん。……私も、愛してます」
蜂「お熱いねえ。ったく、ネタ晴らしをする気にもなれねえわ」
蜂「雄花の野郎の蜜を取ってからまた戻ってきたんだから気付けっての」
蜂「ま、知っても知らなくてもあいつらは幸せか。けけっ」
蜂「明日くらいに教えてやるか。あひゃひゃひゃっ」
true end
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