左翔太郎「沢芽市か…あいつ元気にやってるかな」 (29)

短いです

戦いません

自己解釈です。苦手な人にはオススメしません

昭和vs平成でのエピソードが元ですので若干その映画のネタバレありです

まるまる鎧武46話のネタバレなんで未視聴の方はお気をつけください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1411324006

沢芽市がオーバーロードに占拠され、世界中にクラックが開き、そこから現れたインベスが人々に襲い掛かっていた。


ジジジ…

ギュゥゥ…


インベス『シャアア!』


その猛威は、彼…左翔太郎が住む風都にも及んでいる。


翔太郎「おいおい…こりゃ…」


フィリップ(インベス…あの森ヘルヘイムに棲む怪物だ)


翔太郎「それは知ってるけど、なんでこれがここに開いて」


フィリップ(あの土地がクラックの開きやすい土地だったというだけで、元からこういう危険は潜んでいた…ということさ)

翔太郎「こんなことになってるってことは……どうやらあいつらの戦いも終わりに近づいてるってわけだな」


フィリップ(さぁ?そこまではわからないよ)


翔太郎「まあ、何にせよ…この街に牙を剥くってなら相手するまでだ」


フィリップ(……ああ、行くよ翔太郎)カチッ

【Cyclone!】

翔太郎「行くぜフィリップ!」カチッ

【Joker!】

翔太郎/フィリップ「(変身!)」

【Cyclone!\/Joker!】

一ヶ月後


翔太郎(世界中をめちゃくちゃにしていったインベスは、ある日突然姿を消した)


翔太郎(それが、あいつらの戦いの終わりを意味するのだと俺はわかっていたから、素直に喜んだもんだ。あいつらはやり切ったんだってな…)


翔太郎(まあ、風都もボロボロにやられちまったから大変だったぜ。数の暴力とはよく言ったもんだ)


翔太郎(とはいえ、風都の方はだいぶ落ち着いて…俺もやっとこさ探偵業に戻ることができた)


翔太郎(そのしょっぱなが、照井からの依頼で、先日のゴタゴタの間で風都の外に持ち出されたガイアメモリを破壊しろって言われた時は焦ったが…まあ、無事に終わったことだ)


翔太郎(そんなわけで、沢芽市の近くまで来た俺は、ちょっとの間だったが鳴海探偵事務所の一員だったあいつに会いにこの街に足を運んだってわけさ)

翔太郎(さて…まずはあいつを探さないとな。俺が持ってる情報が名前とあいつの姿が写った写真しかねえが…まあ、なんとかなるだろ。ここいらだと有名っぽいし)ピラッ


つ【必死にカメ子を捕まえようとする青年が写った写真】


翔太郎(ふふ…いい面だ)


ブロロロロロ……


翔太郎(この街…酷ぇ有様だ。前に来た時とは比べものになんねえ)


翔太郎(っと…人の集まってるところがあるな、あそこで一回聞き込みしてみるか)


【探しています】


翔太郎「これは…そうか…そうだよな」


青年「あの…」

翔太郎「…なんだ?」


青年「こんな人…見かけませんでしたか?」スッ


翔太郎「いや…悪い、知らない顔だ」


青年「そう…ですか」


翔太郎「そいつは…友達か?」


青年「…はい」


翔太郎「そうか、なんて言ったらいいのかわかんねえけど…見つかるといいな」


青年「…ありがとうございます」


翔太郎(ここで名刺でも渡せば仕事に繋がるのかもしれねえが、見つけられる保証もないのにそれをすることが、こういう状況を食いものにしてるみたいだと思うと…手も口も動かなかった)


ビュォオ……


翔太郎(ああ、嫌な風だ)

翔太郎「この店…ここならあいつと年の近い客も多そうだし、ちょうど小腹も空いたし入るか」


ガチャッ


阪東「いらっしゃい!」


翔太郎「どうも、コーヒーと…フルーツの盛り合わせをもらおうかな」


阪東「はいよー!」


翔太郎(客…あんまりいねえな。…ん?)キョロキョロ


イヨ「…………」スマホスッスッ


翔太郎(いや態度態度!クイーンとエリザベスでももうちょっとマシだぞ)


阪東「ほい、お待ちどうさん。コーヒーはお代わり自由だからね」


翔太郎「おお、いい感じ」

翔太郎「ふぅ…うまかった」


阪東「おっ嬉しいこと言ってくれるね」


翔太郎「いや、あんまり甘ったるいのは好きじゃないだけど、ここのはパクパクいけたな」


阪東「そりゃーもう厳選に厳選したフルーツたちだからな。自信を持ってお届けしてるよー!」


翔太郎「なるほど、またこの街に来た時にも食べに来るよ。これ、代金ね」


阪東「ありがとうございました。レシートは?」


翔太郎「もらっとく…あと、悪いんだけどちょっとこれ見てくれないか?」スッ


阪東「これは…あんた、こいつの知り合いか?」


翔太郎「んー…知り合いで間違いはない。近くに寄ったんで、どうしてるのかなって気になって訪ねてきたんだ」


阪東「そうか……なら、俺より詳しいやつがいるからそいつに聞いてくれ、場所は教えるからよ」


翔太郎(…どういうことだ?詳しいも何も知ってるなら教えてくれれば済む話なのに……)

翔太郎(教えてもらった場所は…この広場か)


翔太郎(また人が集まってるな…音楽?バンドか?)


翔太郎(ああ…ダンスか)


翔太郎「うまいもんだ…」


ザック「そうだろ!」


翔太郎「おお!?びっくりした!」


ザック「ああ悪ぃ悪ぃ、あんまり見覚えのない人が見に来てくれたもんだから嬉しくてつい声かけちまった」


翔太郎「そうかい…まあ、この人数じゃ俺は目立つわな」


ザック「前はもっとたくさん人が集まって…俺たちのダンスを楽しんでくれてたんだけどな」

翔太郎「……あんたも踊ってたのか?」


ザック「おう、ケガが治ったらまた踊るつもりだ。そんときも見に来てくれると嬉しいぜ。それに見に来てくれる人だってきっと今より多勢だからさ、もっと楽しんでもらえると思う」


翔太郎「ふふ、楽しみにしてるよ。えっと…」


ザック「ザックだ。よろしくな」スッ


翔太郎「ザックか、俺は左翔太郎だ。よろしく」ギュッ

ザック「それで…俺に何の用だ?」


翔太郎「俺が行くって連絡は行ってたみたいだな。この写真の男に会いたいんだが…居場所、知ってるか?」


ザック「……そうか、あいつのこと…戒斗を覚えててくれる人がまだいたんだな」


翔太郎「おい、そりゃどういう意味だ」


ザック「戒斗は……死んだ」

翔太郎「死ん…だ?」


ザック「ああ…」


翔太郎「なんで…なんでだ?まさかあの怪物に!?」


ザック「いや、違う。あいつは…自分の正義を貫いて死んだんだ。少なくとも俺はそう思ってる」


翔太郎「なんだよそれ…」


ザック「あいつはずっと強さを欲してた。何者にも屈しない、何者にも負けない力を…そういう世界を望んでた。それを手に入れるためにずっと戦っていた」

ザック「たとえそれが……今の人類を滅ぼすことになったとしても」


翔太郎「……すまないザック、全部聞かせてくれ…時間とらせるかもしれないけどさ」


ザック「ああいいぜ。と言っても、俺が知ってることだけだ。あいつの最期がどうだったのか…知ってるやつはもういない」

ブロロロロロロロ…


翔太郎(馬鹿野郎…)


ザック『そしてあいつはヘルヘイムの実を食って…』


翔太郎(どうしてそんな道選んじまったんだ!)


ザック『だけど、あいつの死に顔はさ…』


翔太郎(馬鹿野郎馬鹿野郎!)


ザック『安らかだったよ…』


翔太郎「くっそぉおおおおお!!」


ブゥウウウウウンッ

ガチャッ


フィリップ「やあ、おかえり翔太郎。依頼の完了報告から随分帰りが遅かったね、寄り道かい?」


翔太郎「ああ…まあ、そんなところだ」


フィリップ「……ふむ」パタンッ


翔太郎「な、なんだよ」


フィリップ「いや、まあ詮索するつもりはないさ。いくら相棒でも立ち入って欲しくないことがあると言ったのは僕だしね」

フィリップ「ただ…これだけは言わせてもらう」ズイッ

フィリップ「君のせいじゃないさ」


翔太郎「~~ッ」

フィリップ「何があったのかは知らない。わからない。けど、翔太郎が悩んで苦しんでいるのはわかる。そして、たぶんそれは君じゃどうしようもないことだったんだろう」

フィリップ「だからこそというか…翔太郎はこう思ってるはずだ。何か自分に出来たんじゃないかって」


翔太郎「ははは…ったく、まいったな。本当はどこかで見てたんじゃねえか?」


フィリップ「悪いけど僕も忙しくてね。ドライブなのにライダーとはどういうことなのか気になって気になってそんな余裕なかったよ」

フィリップ「それにしても図星だとは…全く相も変わらずハーフボイルドだね君は」


翔太郎「へーへー、そうですかい。なあ、フィリップ」


フィリップ「ん、何?」


翔太郎「聞いて欲しい話があるんだ。俺の…そうだな……一番弟子の話かな」


フィリップ「ほう…それは興味深い」ニヤリ


終わり

思いっきり戒斗さんの死亡前提で話を進めてしまったので

来週普通に出てきたらごめんなさい

それではここまで読んでいただきありがとうございました

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