年上ぶる彼女 (93)
男(俺には彼女がいる)
男(一つ年上の大学生、付き合い始めてそろそろ一年が経つ)
男(告白は俺から。彼女の卒部式の帰りに告白し、『ボクでいいなら』と返事を貰った)
男(その顔は真っ赤に染まり、非常に良きものでした。はい)
男(そしてその彼女だが…)チラッ
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女「大学が近いからここに居候させてくれると嬉しいな」
男「…家賃は高く付くっすよ」
女「ふふん、体で払うよ…なんてね?」
男「いらないっすそんなモン」
女「そんなもん!?」
男「…はぁ、仕方ないんでいいっすけど、自分の生活費は出して下さいよ?」
女「もちろんだよ、キミに迷惑かける訳にはいかないからね」
男「じゃあ取り敢えず帰ってもらっていいですか?」
女「既に迷惑と?」
男(…やったぜ。)
男「しかし何で夏ももうすぐ終わるような中途半端な季節に引越しを?」
女「親を説得するのに時間がかかってね」
男「あー、先輩の親御さんって厳しそうですもんね」
女「いやホント、一人暮らしくらい許してくれてもいいじゃないか、キミもそう思うだろ?」
男「…親御さんには、『俺と』生活するって説明したんすよね?」
女「ん?いや同じようなものだし、『一人で』生活するって説明したよ?」
男(これは…先方にバレたら俺の命が危ないな…めちゃくちゃ子煩悩だからな、先輩の親御さん…)
女「ん、どうした男?悩まし気な顔をして、悩みがあるなら相談に乗るよ?」
男「じゃあ別の家を探してくださいお願いします」
女「!?」
女「何だ、キミもボクの引越しに反対なのか?」
男「いや、反対ってわけじゃないっすけど…」
女「キミは喜んでくれると思ってたんだけどな…」
男「………」
女「ああ、もう頼れる相手がいなくなってしまった、これでは他の男でも探して、そこに居候させてもらうしか…」グスン
男「………」
女「あぁ…ボクはこの先どうなってしまうんだろう」
男「………」
女「………」
男「………」
女「………」チラッ
男「目潰し」ザクッ
女「痛ぁっ!?」
女「何するんだよ年上の女性に向かって!」
男「何かワザとらしかったモンで、ツッコミ待ちかなと」
女「だからって目潰しはないだろ!あとわざととかでもなく真面目な話だよ!」
男「そっすね、ところで先輩」
女「…なんだよ」
男「いつまでも玄関で立ち話も何ですし、上がってください。茶菓子もあるっすよ」
女「…うん、お邪魔します」
男「『お邪魔します』じゃなくて『ただいま』でいいすよ」
女「うん…うん?」
男「それと、今日は空き部屋の掃除を手伝ってください。使う要件が出来ちゃったので」
女「……!」パァァ
男「何すかその顔」
女「いやいや、キミも素直じゃないなぁってね」
男「…そっすね」
男「…よし、やっと一段落ついたかな」
女「男ー!これ重くて持てないー!」
男「筋トレなら手伝いますよー」
女「そうじゃなくて!コレで最後だから運ぶの手伝ってってば!」
男「はぁ…了解ですよっと」
女「ほら、そっち側持って。せーので持ち上げるよ」
男「あいさ、んじゃせー…。…『せーの』の『の』ですか?『せーのっせ』ですか?」
女「キミに合わせるよ。まぁどっちか何てわざわざ言わなくてもキミの考えてることなんて分かってるけどね」
男「はいはい。…んじゃいいすか?」
女「いつでもお任せ、だよ」
男「せーのっせ」 女「せーのっ」グラッ
女「ヤバいズレた危な重い重い重い!!」
今日はここまで。不定期更新でゆったり進めていきます。
今更だけどスレタイは
男「年上ぶる彼女」
にするつもりでした。つまりミスってます。まぁ細かいミスなんでこのまま。
ではまた次回
女「お茶が入ったよ」
男「お、あざっす。…ふぃー、んでどうすか?ここで生活始めて一週間っすけど」
女「どうと言われても大した変化はないからなぁ。まぁ、家よりは肩の力を抜けて楽だよ」
男「家、嫌なんすか?」
女「嫌ってわけじゃないけどね。たまには自由気ままに羽を伸ばしたいと思うこともあるのさ」
男「羽休めが終わったら出て行ってくださいね」
女「男くんがいるから、当分はここだなぁ」
男「大学が近いからじゃなかったんすか」
女「えっ、あっいや、そう!そうだよ、大学が近いから、ね」
男「…まぁ、別になんだっていいっすけどね」
女「何ニヤけてんのさ」
男「何でもないっす。…この後買い物でも行きましょうか、必要なものもあるでしょ」
女「お、いいね。丁度欲しかったんだよ、新しい下着とか、ね」ニヤニヤ
男「胸板に布巻いてどうするんすか」
女「胸板言うな」
男「今日の晩御飯、何がいいすか?」
女「何でもいいよ」
男「そういう人に限って出されるものに『それ苦手』って言うんすよ、いいから決めてください」
女「うーん…じゃあ素麺かなぁ」
男「そんなんでいいんすか?」
女「大丈夫だよ、昔からあまり運動する方じゃないし、このスリム体型だから必要なエレルギーも少ないしね」
男「幼児体型の間違いじゃないっすか」
女「なんだと」
男「そもそも先輩は細すぎるんす。それこそ心配になるくらいに。少しくらい太ったくらいで丁度いいんす。健康が一番なんすから」
女「男…」
男「…はぁ、とにかく分かったらもっと食べてください。今夜は…唐揚げにでもしましょう」
女「あ、ごめんボクそれ苦手だわ」
男「アンタさっき何でもいいっつったろ」
女「男、荷解きしてたらこんなのが出てきたから一緒にやってあげようか」
男「やりたいならそう言えばいいんすよ?…ゲームっすか?」
女「うん、でも簡単なパーティーゲームだから初めてでも大丈夫だよ。さ、付き合ってあげよう」
男「…あざす」
女「よし、素直な子は好きだよ、ボク」
男「俺も素直な子の方が好きっすよ」
女「…男、ゲーム見つけたから一緒にやろうか、よしそうしよう」
男「先輩のそういうとこ、俺好きっすよ」ボソッ
女「…あ、ゴメン男何か言った?」
男「何も言ってないっす」
女「そうかい…よし、準備完了!やろうか」
男「あいさー。…先輩何か顔赤くないすか?」
女「ふぇっ!?いや、何でもない、何でもないよ、うん…」
男「何でもいいすけど、熱とかなら移さないようにして下さいね」
女「………」
イーシーヤァーキィーイモーヤキイモーヤキイモッ
男「石焼き芋…久々に見たっすね」
女「そうだね、石焼き芋欲しくないかい?ボクが特別に買ってあげるよ」
男「いや俺は腹減ってないですしいいっすよ」
女「気を使わなくていいって、さ、行こう」グイッ
男「ちょ、…あぁもう」
石焼き芋屋「らっしゃい、いくつだ?」
女「2つ下さい」
石「あいよ、ちょっと待ってな」
男「…2つ?」
女「キミはたくさん食べるから一つじゃ足りないだろ?まぁ多いって言うならちょっと分けてくれればそれでいいから、ね」
男「…そっすか。……そういえばお母さんも芋好きだったよね、お姉ちゃん」
女「!?」
石「お、母さんか!今家にいるのかい?」
男「ええ、『買って来ていいよ』ってお金受け取ってきました」
石「まったく仲の良い家族だ!よし、もう一個サービスしてやる!」
男「いいんですか!?ありがとうございます!」
石「いいってことよ!家族これからも仲良くな!」
男「…さて、芋三個になりましたけど、いくつ欲しいっすか?」
女「…キミ、随分と悪どいな」
男「ええ、横で物欲しそうな顔してる人がいたもので…ねぇ、『お姉ちゃん』?」
女「年上をからかうんじゃない」
男「芋いらないんすか?」
女「貰ってあげるよ、一つだけ」
男「そりゃどうも」
男「熱っあっつっ!」
女「落ち着きなよ、ガッつき過ぎだ」
男「いやまぁそうっすけど、やっぱ石焼き芋は熱いうちに食うに限るっす」
女「だからって焦って舌でも火傷したら味が分からなくなるぞ」
男「今の先輩みたいにっすか?」
女「いやこれはアレだ…うん…ヒリヒリする…」
女「そういえばこのアパート、ペットとかはダメなのかな?」
男「大家が親戚の叔母さんなんで、頼めば無理じゃないと思うっすけど…捨て猫でも拾ってきたんすか?」
女「いや、実家からペットを連れてくることは出来るのかな、と」
男「フェレットでしたっけ?」
女「そう、ほら見てくれよ、可愛いだろ?」
男「そですね、可愛いっすね」
女「ふふん、だろう?キミもこのコみたいに少しは愛嬌を見せてみたりとかしたらどうだ?」
男「可愛いっすね」
女「うん、そうなんだよ。だからキミも…
男「可愛いっすね」ジー
女「え、あ、うん…」
男「可愛いっすね」ジー
女「…うん、いやその」
男「可愛いっすね」ジー
女「ちょ、やめやめ!ストップ!ほら離れて!」
男(可愛い)
今回はここまで。
思い付きで始めたのでキャラは全く定まってないです。書いてるうちに安定するかなくらいに考えてます。
ではまた次回。
女「相変わらずキミの作る料理は美味いな」
男「こんなん誰にでも作れますよ」
女「いやいやそんなことないよ、隠し味に擦り胡麻、レモン…これはワインかな?随分と手間のかかってる料理じゃないか」
男「…なんでそこまで分かるんすか」
女「何でだろうね、昔から舌は敏感な方なんだ」
男「それは結構っすけど、俺に付き合ってジャンクフードとか食ってその自慢の舌が鈍っても知りませんよ」
女「キミが毎度手間のかかった素敵な料理を作ってくれるからそれは心配してないかな」
男「…明日からはインスタントでいいっすか」
女「さりげなく栄養バランスまで考えて料理してるキミがそんなことするとは思えないな」
男(…何でそこまで見抜かれてるんだよ)
男「たまには先輩も飯作ったらどうっすか、なんだかんだで俺、先輩の飯食ったことないっすよ」
女「作る方には自信ないからなぁ」
男「そんなんじゃ将来やってけないっすよ」
女「おや、キミが養ってくれるんじゃないのかな?」
男「…ま、先輩を拾ってあげる酔狂な奴なんてまともにいないでしょうしね」
女「いやいや、見くびってもらっては困るよ?ボクだってついこの間大学で言い寄られ
男「」バァンッ!!
女「ひっ!?」
男「…あ、すいません、蚊が、いたもんで。…それで、ソイツの名前は?」ニッゴリ
女「いや冗談!ごめん冗談だから!だから包丁しまって!」
女「寝坊したぁぁぁあああ!」
男「おはようございやす。まだ早いっすよ?」
女「今日は大事な用事があったの忘れてた!もう時間ないよ!あぁ20分で準備しなきゃ」
男「昨日言ってた何かの説明会っすか?」
女「そうそれ!あぁアレどこやったっけ!?うわぁああ」
男「それの準備ならしておいたっすよ、必要なモンはそこのカバンに入ってるっす」
女「着替えはいいとしても荷物が…って、え?」
男「テーブルにそれについての書類っぽいの置いてあったんで、必要なモンはまとめといたがいいかなと思って」
女「…ホントに準備終わってる…結構量あるのに…」
男「さ、朝飯にしましょう。サクッと食えるのにしといたんで」
女「…うん」
男「いただきます」
女「…いただきます」
女「それじゃ、もう出なきゃ」
男「うい、ポカはやらないように気をつけて下さいっす」
女「…男、ありがとうね」
男「別になんもしてないっすよ」
女「ん、行ってきます」
男「行ってらっしゃい」
男「…さて、完全に遅刻だなぁ」
友「…おい、聞いてんのか?」
男「……ん、あ、何?」
友「お前って昼飯の時いつもボーッとしてるよな」
男「今日の晩飯のメニュー考えてたんだよ…そんでなんの話だっけ?」
友「大した話でもないんだけどよ、人の心を読める奴がいるとしたら、どうよ?」
男「警察にでもなればいいんじゃないか?そういえば友も警察になるんだっけ?なら将来そういうやつに会えるかも知れないな」
友「いやそれはそうなんだけど…友人にそういうやつが紛れ込んでたらって話だよ」
男「そりゃ不気味だな。自分の考えも読まれてるわけだし」
友「…そっか、そりゃそうだよな」
男「でも多分いざ言われても大して気にしないと思うわ。別にそれでもソイツの性格とかが変わるわけじゃないし」
友「…おう」
男「てか多分信じないまま終わるな、結果的に関係はカミングアウト前と変わんないと思うわ」
友「お前はそういうやつだったな」
男「でも急にどうしたんすか」
友「お前が考えてることが存外ヤバかったからかな」
男「お、友がその心読めるやつってのなのか?じゃあさっき俺が考えてたこと当ててみてくれよ」
友「…今夜はハンバーグにしよう」
男「残念外れ。そんじゃ俺教室戻るわ、またな」
友「おう、またな」
友「………」
(あぁぁぁあああ帰りてぇ先輩に会いてぇ先輩が卒業した時点でこの学校に来る意味ないだろあぁぁぁああ俺も今すぐ大学行きてぇぇえええ先輩にセクハラしてぇええええああああ笑顔見て癒されてぇぇえええああああ)
友(…飢えてんなぁ)
男「ただいま帰りましたー」
女「おかえりー、今日は冷えるねぇ」
男「…なんすかそれ」
女「机で作業してたんだけど足が冷たくてさ、布掛けてたんだけど風が吹いたらやっぱり寒くて、で、ちゃぶ台出してきてそれに布団掛けたら温かいじゃん!って気付いてこれ凄くあったかい大発見!」
男「…テンション上がってるとこ悪いっすけど、それ要するにコタツじゃないんすか?」
女「………あ」
男(何故途中で気付かない…)
女「で、でもほら!温かいよ!キミも入ってみなよ!」
男「はいはい、失礼します…」
女「どう?」
男「…あったかいっすね」
女「だろ?ふふん」
男「………」ヌクヌク
男「コタツって言えばやっぱミカンが欲しいっすね」
女「もしくは石焼き芋とかね」
男「いいっすねぇ」
女「石焼き芋で思い出したんだけどさ、この間石焼き芋食べたじゃないか」
男「食べたっすね」
女「あの時キミ、ボクのこと何て呼んだっけ?ねぇもう一回言ってごらん」
男「…忘れたっす」
女「いやそんなことないだろう。ほら言ってごらん、さぁさぁ」
男「忘れたっす」
女「えー…そうか…」
男「………」
女「………」
男「…お姉ちゃん」
女「!」
男「………」
女「もう一回!もう一回言って!」
男「いや何も言ってないっす!もう言わないっす!」
女「もう一回!もう一回!」
今回はここまで
友とは学校で一緒に昼飯を食う程度の仲ってことで。男の心情を説明してくれるキャラが便利ってだけです。場面の切り替わりが分かりにくかったらすみません。
また次回
女「ただいまー…って、男寝てる」
男「………」
女「……ふふ」ツンツン
女「普段の小憎らしい態度はこの可愛らしい顔のどこから来るのやら…」
女「まぁ、最近は慣れてきたし…キミが素直じゃないのは知ってるし、ね」
女「…そんなところも、好きだけどね」
女「実はキミが寝たふりをしていて、こっそりこの話を聞いてくれていたりしたら楽でいいんだけどなぁ」
男「そっすね」
女「ぴょっ!?」
女「男ーリモコンとってー」
男「自分でとってください」
女「とか言って取ってくれる優しいありがとー」
男「…ほらリモコンですよっと」
女「え、ちょっ投げっ痛ぁっ!?」
男「ちゃんと取って下さいよリモコンが壊れるじゃないっすか」
女「ボクよりリモコンの方が大事か!?というかいきなり投げるなよ凄く痛いんだぞ!?」
男「じゃあ自分で取ればいいじゃないっすか」
女「むー…男のバカ」ブクー
男「………」
……………………………………………
男(何だよアレ反則だろ超可愛いんだけどウソだろ何だよアレ天使かアレだけで地球一周できうおおおおおあああああああ)
友(満たされてんなー)
女「ねぇ、ボクの携帯知らない?」
男「白いヤツっすよね、知ってます」
女「いやどんな携帯か知ってるかじゃなくて…さっきから見当たらないんだよね、どこにあるか分かる?」
男「先輩のことですしトイレに置きっぱなしとかじゃないっすか」
女「ボクだってそんなバカじゃないよ!そもそもそんな場所にあるわけないし!」
男「もしあったらどうします?」
女「もし本当にトイレにボクの携帯があったら今晩の夕食は抜きでいいよ!」
………………………………………………
男「いやー久々のジャンクフード美味いっすわ」
女「………」ギュルル
男「…何か作りましょうか?」
女「でも夕食は抜きって自分で言ったし…」
男「何でそこは頑ななんすか」
女「むむむ…」
男「どうしたんすか?」
女「それだよ」
男「はい?」
女「その敬語だ」
男「はぁ」
女「もう付き合って一年だ、なのに敬語なんて使われたら距離が遠いみたいじゃないか」
男「はぁ…つまり、タメ口でいいんすか?」
女「うん」
男「そか、個人的には敬語のが慣れてっからいいんだけど…まぁいいか」
女「…違和感あるね、やっぱり」
男「そりゃそうだろアホかよ」
女「!?」
男「今晩のメシ何にするよ?特に何もねぇならこっちで決めるけど」
女「え!?…え!?」
男「たまには外食もいいかもなぁ、オイどうする?」
女「…取り敢えず、やっぱり敬語で」
男「え?そっすか、了解っす」
女(タメ口は凄い粗雑だな…)
女「お、11時11分だ」
男「別にそんなんどうってモンでもないでしょ」
女「いや…まぁ、そうなんだけど」
男「まるで子供みたいな…お、11時11分だ」
女「おい」
女「男、何してんのさ?」
男「読書っす」
女「読書かぁ…本なんて読んでもなぁ」
男「読書の秋と言いますし、何か読んだらどうすか」
女「ボクは運動の秋かな」
男「そっすか」ペラッ
女「………」
男「………」ペラッ
女「…ねぇ男?」
男「………」ペラッ
女「ねぇ、ねぇってば」
男「………」ペラッ
女「ねぇねぇねぇねぇ!おーとーこー!」
男「…何すか?」
女「食の秋ってことで何か作って」
男「たんこぶでいいすか」ゴンッ
女「痛ぁっ!?本の角は冗談にならない!」
男「人の邪魔なんかするからっす。…そんで、何食べます?」
女「ホットケーキ!」
男「あいさー」
今回はここまで、また次回
男「………」カリカリ
女「キミのその、爪を噛むクセはあまり褒められたものじゃないな」
男「まぁ、そっすね、気を付けます」
女「うん、よろしい…とはいえ、やはりクセと言うのはつい出てしまうものだよね」
男「先輩もよく出てるっすよね」
女「えっ、本当?そんな目立つようなクセなんてあったかな…」
男「ええ、例えば今は右手の指を擦り合わせてるっすよね、そりゃ先輩が上機嫌の時によくやってるっす」
女「え?…本当だ。ボクにこんなクセがあったなんて…」
男「ちなみに機嫌が悪い時はやたら髪を弄るし、体調が悪い時はよく耳に触れてるっす」
女「ま、待ってそんなに!?」
男「ええ、正直ある程度の感情なら筒抜けっす」
女「何だよそれ、心覗かれてるみたいで複雑だな…」カリカリ
男「とかいいつつ嬉しそうっすね」
女「ばっ、別にそんなことは!」
男「はいはい」
女「もう!」
男「台風っすか、この季節にしちゃ珍しいっすね」
女「そうかな?確かに最近少しずつ涼しくなってきてはいたけど…」
男「まぁもう通過したし関係ないっすけどね」
女「いや、何でももう一個発生したらしいよ」
男「えぇ…もういいっすよ」
女「台風は嫌いなのかい?」
男「いやだって超巨大だの十年に一度だのと大袈裟に騒いだクセにいざ来た時には日和ってるし真上に来てるはずなのに何故か晴れてるし…」
女「やたらと誇張表現されてる感じはするよね」
男「もう『あわよくば学校が休みになるかも!』とか期待するのは疲れたんすよ」
女「結局キミの勝手な事情じゃないか」
女「あんたがったどーこさ」
男「…?」
女「………」
男「…肥後さ?」
女「肥後どこさ」
男「熊本どこさ」
女「下の県」
男「下の県て、下て」
女「し、下は下だろ。南の県って言うのも違和感あるし」
男「ちなみに肥後手まり唄の舞台は熊本県ではなく埼玉県じゃないかって説もあるらしいっす」
女「へー」
男「大学で自慢してもいいっすよ」
女「それを話す機会は滅多になさそうだ」
男「あんたがったどーこさ」
女「…?」
男「………」
女「…肥後さ?」
男「肥後どこさ」
女「熊本さ」
男「熊本どこさ」
女「下の県」
男「下の県て、下て」
女「し、下は下だろ。南の県って言うのも違和感あるし」
男「ちなみに肥後手まり唄の舞台は熊本県ではなく埼玉県じゃないかって説もあるらしいっす」
女「へー」
男「大学で自慢してもいいっすよ」
女「それを話す機会は滅多になさそうだ」
女「Zzz...」
男「…ん?あぁもうまたこんなとこで寝て…先輩、寝るなら自分の部屋にして下さい」
女「Zzz...」
男「…うーん、起きないな…しゃあねぇ、部屋まで運ぶか」ヒョイッ
男(軽っ、40キロねぇんじゃねぇのかコレ)
男(…今度から飯もっとたくさん作るか)
男(てかナチュラルにお姫様だっこしちゃったよ…やべぇめっちゃいい匂いする)
女「…ん…んぅ…」
男「お、起きたっすか。あんなトコで寝てたら体調崩すっすよ」
女「ん…うん…ん?」
男「どしたっすか?」←お姫様だっこ
女「な、ななななな…!こ、このヘンタイ!」バシィン!
男「いってぇ!?」
(ありがとうございます!)
女「本当ごめん!」
男「いや気にしてないっす」
(めっちゃいい匂いしたし役得すぎたし)
女「うぅ…キミのボクのことを心配してくれての行動だったっていうのに…それなのに叩いたりして…ごめん!」
男「ホント気にしてないっすって。こっちも軽率でしたし」
女「いやでも…やっぱり全面的にボクが悪いよ!許して欲しい、何でもするから!」
男「ん?」
女「えっ」
男「今何でもって言いました?」
女「え…いや、その、ボクにできることなら…」
男「何でもするって言いましたよね?」
女「お、男…何か怖いよ?」
男「何でもしてくれるんすよね?」
女「い、いやその…」
男「じゃあ、行きましょうか」
女「ど、どこに…?」
男「タノシイトコっすよ」ニヤ
女「はぁ…はぁ…男ぉ、もう入らないよぉ…」
男「何言ってんすか、まだまだこれからっすよ」
女「もう…無理、だよ…」
男「無理なんてそんな冗談を、それに俺は全然足りないっすよ、ほら次イキましょうか」
女「ひっ!?やだやだ!そんなおっきいの絶対に無理だよ!」
男「抵抗したって無駄ですよ、そんなに膨れたお腹じゃ満足に動けないでしょう?クク…さぁ、まだまだそのオクチで食べてもらわなきゃね…」
女「やっ…ヤダぁ…これ以上はオカシくなっちゃうぅ!」
男「ほら、しゃぶれよ」
男「ふぃ〜、食った食った。どうでした?久々の外食は」
女「おぇっ…もう、無理、食べ過ぎて気持ち悪い…」
男「普段が食べなさ過ぎるだけっす。しかしこの季節にしゃぶしゃぶ鍋はちょっと早かったかな?まぁいいか」
女「男のバカぁ…ぉえっ」
今回はここまで。また次回
男「淡々とした彼女」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1396108884
後輩「天文部っス!」 先輩「天文部…なんですかね?」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1405252966
URLこれでいいのかな
取り敢えず今日はこれだけ、ネタがないもんで更新はなしです。すみません
女「おぉ、男ほら、月凄いよほら!」
男「おー、赤いっすねぇ」
女「着々と欠けていってるね」
男「9時くらいには完全に覆いきるらしいですね」
女「へぇ〜」チラッ
男「………」
女「あ、あのさ、男」
男「なんすか?」
女「そ、その、月が…」
男「月が?」
女「つ、月が、その、ね?月が…えっと、き、きれ…」
男「…うーん、やっぱ俺は普通の月のが綺麗で好きっすねぇ」
女「……ああ、そう」
男「で、何て言おうとしたんすか?」
女「…もういいよ、男のバカ!」
男「?」
男「腹減ったなぁ…」
女「ボクもお腹減ったから何か作ってよ」
男「うーん…今はやる気でないんでいいっす」
女「ボクはよくないんだけど…」
男「じゃあたまには自分で作ったらどうすか?」
女「えー…だって、ボク料理苦手なんだもん」
男「人間何事も挑戦っすよ、試しにやってみたらどうすか?」
女「そこまで言うなら…」
女「男、できたよ」
男「炒飯っすか、見た目は普通っすね」
女「塩味が足りないとかだったら言ってね」
男「何だ、先輩料理出来るじゃないすか、普段からやってくださいよ」モグモグ
女「ど、どう…かな?」
男「………」
女「………」
男「…痛い」
女「痛い!?辛いとかじゃなくて!?」
男「舌がビリビリする…塩味ってレベルじゃないんすけど…何入れたんすか…?」
女「え、いや味付けは塩しか入れてないけど…ほら、このビンに入ってるやつ」コトッ
男「…それ、ハバネロっす」
女「」
女「男、デートしよう」
男「俺としちゃ家でゆっくりするのもいいんすけど…どこ行くんすか?」
女「今日はドライブしよう。親から車を借りてきたんだ」
男「…事故らないでくださいよ」
女「失礼な、華麗なハンドル捌きを見せてあげるよ」
男「…案外普通に運転できるんすね」
女「そりゃもう18歳になってすぐに免許とったからね。バンバン乗ってるよ」
男「ふーん…んで、どこに向かってるんですか?」
女「どこって特に決めてないけど…えーっと今が……あれ?」
男「………」
女「えっと、今は…あれ、んー?」
男「……ここ、どこすか?」
女「…ごめん、迷子」
男「圏外なんで携帯で地図見ることも出来んっすよ」
女「……どうしよう」
男「…今度からは目的地決めてから家出るようにしましょう」
女「男、ちょいちょい」
男「なんすか?」
女「いいからちょっとこっち来て」
男「…?はい、そんでどしたんすか?」
女「目、瞑って」
男「はぁ…」
女「……んっ」チュッ
男「……?………!?」
女「え、えっと、その、今日誕生日だったよね?プレゼントってわけじゃないんだけど、いや、その…」
男「」
女「この家に住ませてもらったりとか、色々、その、助けてもらってるからその感謝の気持ちっていうか…あぁもう、コンビニ行ってくる!」
男「」
女「本当、何でもないから!」ガチャバタン
男「」
男「」
(ふぃふfclぎえくぃくぃあじぇいごはwせdrftgyふじこlpーうふぉfyマジ天使fkyqksあいふぃびtdydyしh結婚しようstyふぎぐqwkあああああああああああああ!)
短いけど今日はここまで
また次回
女「そういえば今日、ここに人が来るんだけどいいかな?」
男「別にいいっすよ、俺は部屋でゆっくりしとくんでリビングでもなんでも自由に使って大丈夫っす」
女「いや、男にも会って欲しいんだよね」
男「はい?俺の知ってる人っすか?」
女「うん、前に一度会ったよ」
男「誰っすか?」
女「えーっと、それが言いにくいんだけど…」ピンポーン
男「ん?宅配かなんかっすかね、俺出ます」
女「んー、ありがとー」
女(…ん?もしかして…)
女「男!ちょっと待って!」
男「はい?」ガチャ
壮年「…ん?すまない部屋を間違えたようだ。…おや、君は確か…」
男「…お久し、ぶりです」
女「ちょっ、待っ…あぁ…来るの早いよ…お父さん…」
女「えー…そ、そういうことで…」
男「………」
壮年→女父「………」
女「…親が来ました」
男「…………」ダラダラ
女父(茶が出てこないな…ああいや、ここには召使がいないのか)
女父「さて、説明してもらおうか」
男「説明…ですか」
女父「ああ、何も一から十までとは言わない。大体のことは見れば分かる」
男「…そうですか、ではかいつまんで」
女父「察するに、一人暮らしの寝床を探していた娘を、君があれよこれよと甘言を弄してここに軟禁している…そうだろう?」
男「一から十まで説明させていただきますお父様」
女(あぁぁぁぁああぁあ…てっきり今日来るのはお母さんかと思ってた…最悪の状況だよ…)
女父「…なるほど、状況は分かった」
男(意外と話は分かる人…なのか?)
女父「女の処罰はこちらで決めるとして、まずは女、荷物をまとめなさい」
男「なっ!?」
女「な、なんで?」
女父「何故…?家に帰るからに決まっているだろう」
女「…え!?ちょ、ちょっと待ってよ!そんな急に」
女父「別に急げとは言っていない。今から準備を始めなさいというだけだ」
女「でもそんな…」
女父「ゴネても無駄だ。…そういうことだ。男君、うちの娘が面倒をかけたな」
男「…一つ、聞いていいですか?」
女父「何だね?」
男「何故、先輩…女さんはここにいてはダメなのですか?」
女(男…?)
女父「何故だと?そんなの決まっているだろう。うちの方が女にとって恵まれているからだ」
男「恵まれている…?」
女父「そうだとも。君もうちの家柄は知っているだろう。言い方は悪いが、このようなアパートで過ごすよりはずっといい」
男「では何故一人暮らしを許可したのですか?」
女父「娘ももうそろそろ成人する。経験を積ませておこうと思ったが…まさか男にうつつを抜かすとはな」
女「なっ、そんなんじゃ!」
女父「それに男君、前から聞きたかったのだが…君は、本当に娘のことが好きなのか?」
男「…どういう、意味ですか?」
女父「そのままの意味だ。君と娘の間の空気を見ても、感じられないのだ」
女「感じられないって…一体何が…」
女父「決まっているだろう…愛だ」
女「!?」
男「愛…」
女父「そうだ、以前に会った時も思ったが君は淡白すぎる。娘のことも大して深い情は感じていないんじゃないかね」
男「………」
女父「もし本当にそうなら、そんな男のもとにうちの大事な娘を置いておくわけにはいかない。…理由は以上だ。これで満足か?」
女「男…」
男「…お言葉っすけど、一ついいすか」
女父「行ってみたまえ」
男「女さん、最近焼き芋を急いで食おうとして舌火傷したんすよ」
女父「………」ピクッ
女「…男?」
男「それに知ってるっすか?女さんが寝る時、いつもは上品に寝るんすけど…ソファとかこたつとかで寝てる時はすごい気の抜けた顔でベットで寝るよりぐっすりなんすよ」
女父「…それがどうした。娘は昔野菜が苦手でな、それでも健気に口に運んでは『うぇぇ…これ苦いよ…』と泣きそうになっていたものだ」
男「!」
女「!?」
女父「それに昔からどこか抜けた部分があった…ガラスの扉に頭をぶつけることは日常茶飯事、犬には吠えられ石には躓き…それでも泣かないのだ。必死に涙を堪えて耐えるのだ…守らなければと思ったよ」
女「お父さん!何言って…」
男「女さんは舌が敏感なんすよ」
女「にゃっ!?」
女父「…何だと…?」
男「前に一度、ちょっとしたアクシデントがありまして…女さんから『何でもするから』っと言っていただきまして…クク」
女父「!!!」
男「お言葉に甘えて(しゃぶしゃぶを)いれさせてもらったっすよ…この可愛らしいおクチにね…」
女父「貴様ァ…」ギリ…
男「散々(鍋を)楽しんだあと、お腹を膨れさせて苦しそうにしてる女さんは…ククク…」
女父「散々楽しんだだとォ!?…女!今の話は本当か…?」
女「(え、この間の鍋の話だよね…)…うん、苦しかったけど…美味しかった、かな」
女父「美味しかっただとォ!?」
女「たまになら、また行きたいかな」
女父「またイキたいだとォ!!?」
男「そして愛が足りない、淡白だと言ってたっすけど、それは間違いっす」
女父「何だとォ!!??」
女「お父さんちょっとうるさい」
女父「はい」
休憩、多分今日中に終わらせます
男「俺は、女さんのことを誰よりも好いています」
女「ぶふっ!?」
女父「誰よりも、だと?」
男「ええ、女父さん、この気持ちは貴方にも劣っているとは思わねっす」
女父「ふん、たかが数年の付き合いで…それに「好いている」だと?愛していると胸を張って言えない時点で…」
男「ええ、俺は女さんを好いています。しかし愛しているかは分かりません」
女父「君はふざけているのか?」
男「いいえ、しかし俺は思うんす。一方的に「愛している」なんて、まるで好意の押し付けじゃないですか」
女父「…続けろ」
男「ども。…俺は誰よりも女さんのことが好きっす。でも女さんがどうかは知らないっす。俺は臆病なんで、聞いたこともないっす」
女父「ふん…(俺は『パパと結婚する』とまで言われたぞ…女が幼稚園の頃だがな)」
男「てわけで、卑怯っすけど女さんに聞きたいんす。俺のことを好いてくれるのか。俺は女さんを愛していいのかを」
女父「…そうか。……ふぅ」
女父「君が真剣なのは分かった。きっと娘もここで君に大事にされて過ごしているのだろう」ババババババババ
男「どもっす。それじゃ、今の生活を認めてくれるんすかね」ババババババババ
女父「それは娘に聞いてみろ、私は家に戻る」ババババババババ
男「…うす、ところで一ついいすか」ババババババババ
女父「何だね」ガチャ
男「あの駐車場でプロペラ回してるヘリ、心当たりないすか?」ババババババババ
女父「うちのだ」ババババババババ
男「」
女父「それでは失礼する…娘を任せたぞ」ババババババババ
男「はい?済みませんヘリの音で聞こえな…って、行っちまった」
男(…聞いてみろ、か)
男「…先輩、…先輩?」
女「」カオマッカ
男「熱でも…って、まぁ流石に理由は分かるけどさ…」ペシペシ
女「はっ!?夢!」
男「断定したい気持ちは分かるっすけど現実っす」
女「あっ、いやうん、そうだね、あは…あはは…」
男「………」
女「………」
男「………」
女「………」
男「…はぁ」
女「…その、さっきの…ほんと?」
男「さっきの…ってのは?」
女「その、さっきの、誰よりも…ゴニョゴニョ」
男「ええ、好きです。女さん」
女「」カオマッカ
男「可愛らしい顔も、意地っ張りな性格も、小柄な身体も、誰よりも好きです。誰よりも」
女「…うん、ありがとう…あはは、その、恥ずかしいね、やっぱり…」
男「返事を聞きたいです」
女「ふぇっ!?へ、返事!?」
男「ええ、女々しくて自分でも嫌になりますが、不安なのです。…自分は、貴女の側にいてもいいんでしょうか」
女「男……」
男「…例えそれがどんな答えであろうと、自分は受け止めます」
女「…じゃあまずはさ、その堅すぎる敬語やめてさ、いつもの口調でいいよ」
男「…はい」
女「それでさ、顔上げて、ね、笑って?」
男「笑う…」
女「…ふふ、やっぱりキミは笑えと言われて笑う人間じゃないね。知ってるとも」
男「…済みません」
女「ボクはさ、キミの笑顔が好きなんだ」
男「!」
女「意地悪に笑う時も、優しく微笑む時も、例えきつい時でも心配かけないように無理して笑う時のぎこちない笑顔も。…その時キミは、いつもまっすぐボクのことを見てくれていたから」
男「………」
女「だから、ね。笑ってよ。キミの笑顔が見たいんだ」
男「……ぷっ、くく…」
女「…ふふ」
男「くく…っ…ははっ…」
女「…ふふっ…ははっ…」
男「…っははは、あっははっ」
女「ふふふ…あははははっ!…ほら、笑顔だ。…やっぱり好きだなぁ、その笑顔」
男「ははっ…先輩…いや女さん」
女「…なんだい?」
「好きです。誰よりも貴女のことを愛してるっす」
「奇遇だね、ボクもだよ。ボクは、キミが大好きだ」
顔赤いっすよ
お互い様だ
…そうっすかね
そうとも
…先輩、キスしていいっすか
……女
へ?
女って呼ぶんなら…ね
…急にはちょっと…
ヘタレ…もう、しょうがないなぁ…
んっ…
この後滅茶ックス!ってわけで最後の方は駆け足になったけど本編は終わりです。
明日明後日くらいで少しだけ後日談的なのを書いてそれでこのスレは終わりにしようと思います。
ではまた次回
男「そんで先輩が料理したんだけど何故か知らないけど塩とハバネロを間違えてさ」
友「それは昨日聞いた」
男「ん?じゃあ夜にベッドから落ちて半泣きでぐずってた話だけど…」
友「それは一昨日聞いた」
男「そうっすか、じゃあとっておきを。先輩が寝坊して慌てて着替えてたら間違えて俺のYシャツ着ちゃってそれに気付いたら顔が真っ赤になったって話…」
友「それも聞いた」
男「…これは今朝の話だからまだ話してないんすけど、真面目に聞いてるんすか?」
友(…ん?ああ、この話はコイツが授業中にずっと考えてたヤツか)
男「まぁそんなら別の先輩の話を…」
友「どっちみち先輩の話か…。ってか、お前変わったよな」
男「変わった?」
友「ああ、前は何というか、表立ってそんな話しなかったろ。惚気話というかまぁその辺」
男「あぁ…自信がなかったからな」
友「自信…ねぇ。何があったかは聞かないが、それならいいんじゃねぇの」
男「友って人の話真面目に聞かないタイプっすよね」
友(聞くだけ無駄だし嘘ばっかだしな。…つってもコイツは…)
(あぁぁぁああああこんな話してるから女さんに会いたくなってきたあああああ早く大学行きてええええイチャイチャしてえええええええあああああ)
友「…やっぱ変わってねぇな、中身は」
男「?」
男「思ったんすけど」
女「ん?」
男「先輩ってめちゃくちゃ初心ってか…恥ずかしがり屋なのか、すぐ顔赤くなるっすよね。今朝なんかYシャツ一つでああなるんすから」
女「う…それが何だよ」
男「いえ、可愛らしいなと」
女「…その、まったくもうキミってやつは…」
男「ちょっと顔赤いっすよ?」
女「うるさい!」
男(可愛い)
女「それに元々ボクは別に恥ずかしがり屋とか、そんなんじゃないよ」
男「へ?そうなんすか?」
女「いや、まぁすぐに顔が熱くなるのは否定しないけど、その、誰にでもってわけじゃなくて…」
男「?」
女「いやだから…誰にでもそうってわけじゃなくて、えっとつまり…もう!キミだから、だよ!恥ずかしいからこんなこと言わせないでくれよ!」
男(天使か)
男「お…先輩、そのハサミ取って下さい」
女「これくらいの距離、横着せずに動きなよ。…ほら」
男「あざす。……おん…先輩。明日どっか出掛けます?」
女「……?しかしキミが出掛けたがるなんて珍しい。どこに行こうか」
男「おんな…いや、先輩が決めて下さい」
女「………。じゃあジャンクフードとか食べてみたいな、ボク食べたことないんだよね」
男「ないってマジすか…そういえばあれから知ったんすけど女さ……あー、先輩の家って凄い良家だったんすね」
女「…あぁうん。秘密にしてたからね、色々都合があって」
男「まぁ取り敢えずじゃあ明日は外食っすね。ジャンクフードでいいんすよね?先輩」
女「ダメだよ!」
男「えぇ!?」
女「諦めちゃダメだよ!ほら名前で呼んで!ほら、女って呼んで!」
男「え、あー…いや…先輩?」
女「あぁもう!いつになったら名前で呼んでくれるんだよ!」
男「も、もうちょい保留ってことで…」
眠いんでこれだけ
明日で終わりです
ではまた次回
男「ホラー映画一人で見れない可愛い」
女父『未だにぬいぐるみと一緒に寝る可愛い』
男「街中で俺を見かけるとパタパタ駆け寄ってくる可愛い」
女父『ちょっと驚かすと拗ねて根に持つ可愛い』
男「料理失敗しながらそれに気付かずドヤ顔可愛い」
女父『テストの日時を間違えて慌てて勉強してる可愛い』
男「…電話口じゃ足りない。今度飯屋にでも行きましょう」
女父『それがいい。今から最高級のディナーを予約しておこう』
女「何でわざわざスピーカーモードにしてボクの前で話すんだよ!やめろよ本当にもう!」
男、女父「『可愛い』」
男「先輩先輩、ちょっといいすか」
女「ん、なんだい?」
男「ちょいとこちらに」
女「?…まぁいいか」トテトテポスッ
男「…あーいや、別に膝の上に座れとは」
女「べっ、別にいいだろ、ボクがそうしたいんだよ」
男「…ういす。そんで、目瞑ってください」
女「…何する気だい?こしょぐりは効かないよ?」
男「そんなことしませんって」
女「絶対?」
男「絶対っす」
女「もしこしょぐったら今度ボクの買い物の荷物持ちしてもらうからね」
男「荷物持ちするんならまさぐってもいいんすか?」
女「いやそういうわけじゃ…まさぐるってなんだよこの変態!」
男「まぁいいから早く目瞑ってください、さぁさぁ」
女「本当に変なことはしないでくれよ…?」
男「目閉じました?こっちからじゃ顔見えないんで」
女「閉じてるよ」
男「本当に?」
女「本当だって」
男「んじゃ着けますよ」ジャラッ
女「着ける?着けるって何…ん…これは…」
男「……よし、目開けていいすよ」
女「…ん、これはやっぱり…ネックレス、だね」
男「ええ、ネックレスっす。誕生日とかじゃないっすけど、プレゼントっす」
女「どんなつもりかは知らないけど…まぁ、貰っておくよ、ありがとう」
男「安物なんで申し訳っすけどね」
女「そんなことはないよ、珍しいキミからの贈り物だ。実家に置いてあるどんな高級品より素敵だ」
男「実家…ね。先輩も随分ここに馴染みましたね」
女「ふふん。キミももはやボクがいないと不安だろう」
男「ええ。そうですね」
女「えっ、いや冗談、冗談…だよ?」
男「おれは冗談じゃないっすよ。先輩と過ごす時はいつだって幸せですし、先輩がいないと寂しくなります」
女「男…」
男「この間、好きだって正面から言ってもらって、本当に嬉しかったっす」
女「…それは、ボクもだよ」
男「好きっす。せんぱ…いや、女さん」
女「ふふ、無理に呼ばなくてもいいさ、ゆっくり慣らしていけばいい」
男「そういってもらえると助かります。…これからもよろしくお願いします」
女「こちらこそ、ボクも君のこと、大好きだよ!」
終わり
後日談の蛇足感が半端じゃないけどこれで本当に終わりです
お付き合い頂きありがとうございました
ではまたいつか
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