しえな「武智乙哉はシリアルキラー」 (87)
終盤にエロあり。
3話周辺で、武智さんがまだ予告票を出していない設定。
キャラ崩壊というか、キャラが掴めず違和感あるかもです。
しえな「お前、シリアルキラーなんだって?」
パジャマから制服に着替えながら、雑談みたいに声をかけた。
口にしてみてからずいぶんと物々しい会話だなと思う。
乙哉「知ってたんだ。」
シャツのボタンを留めながら視線だけを乙哉に向ける。
ショックを受けるわけでもなくいつもと変わらない笑顔で乙哉はしえなを見ていた。
平静を装っているのではなくて、彼女の反応は素直なものなのだと直感した。
しえな「うん。」
乙哉「怖い?」
しえな「うん…。」
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素直なタイプに嘘をついても仕方がない。
しえなは正直に答えて乙哉の反応を見ようとした。
乙哉「そりゃそうだよねー。」
思惑は全くの無駄のようで、乙哉はやはり笑って応えた。
しえな「でもお前が殺すのは好きな人なんだろ。」
乙哉「どうだろ。可愛い子は刻んでて気持ちイイよ。」
表情と口調は同年代の女子と何も変わらないことに背筋がぞっとする。
人を殺しにここへ来た自分に言えた事ではないが、それでもまともではないと思った。
なのに彼女を避けようとは思えず、さらに言葉をかけた。
しえな「…普通の恋愛は出来ないのか?」
机の上で鞄に教科書を詰める乙哉の仕草はごく普通で、見ているだけなら快活そうな可愛らしい女子高生だ。
乙哉「普通?普通ってなに?あたしはあたしが普通だと思ってるよ。」
しえな「そうだよな…。」
そうでなければ性的快楽のために人を殺し続けたりはしない。
乙哉「きっとみんなあたしを異常だって言うよね。でもあたしは何が異常かなんて分からない。分かってるけど理解はしてない。」
人が自分とは違うと思っても、何が違っていて、何が正しいかなんて乙哉には分かっていないのだ。
だから彼女はやりたい事をやりたいようにやる。
そしてしえな自身にも何が正しいかなんて事は分からなかった。
しえな「…殺される方はたまったもんじゃないよ。」
なんとか絞り出した言葉は被害者の気持ち。
それが乙哉に通じるとは思っていなかったけれど。
乙哉「可愛い子は可愛いまま死んじゃった方がいいんだよ。」
そう答える彼女に迷いはなく、目の奥には狂気の光が孕んでいた。
お前だって一ノ瀬晴を殺しに来たのに、と反論してきたら俯くことしか出来なかったかもしれないが、乙哉にとってそんなことはきっとどうでもいいのだろう。
何かを言われて言い返して、理解なんてされた事はないだろうから。
しえな「武智、友達いないだろ。」
学校へ行くための準備が整い、しえなは肩に鞄を引っ掛けた。
序盤ですが、ちょっと犬の散歩に行ってきます。
1時間程度で戻ります。
戻りました。
一応初めて出す奴なんでリメイクではないです。
どこかのSSと似ていたら申し訳ないです。
読んでくださるだけでありがたいです。
乙哉「そんな事ないよ。あたし、社交的なんだよ。」
しえな「でも独りだろ。」
教科書を詰め終わった乙哉がしえなに並ぶ。
目元が少しも笑っていないしえなに対して、乙哉は笑顔のまま困ったように眉をひそめた。
乙哉「…ねぇ、しえなちゃん。何が言いたいのか分かんないよ。」
しえな「ボクもよく分かんない。」
乙哉「なにそれ。」
自分でも乙哉を見て何を思ったのかがよく分からなくて自嘲気味に笑うと、乙哉が少し目を細めたのが見えた。
何を考えているのかはいつも全く分からないけれど、笑顔だけ見ると武智乙哉は本当に可愛らしい顔をしていると思う。
しえな「学校行かなきゃ。遅刻する。」
ベッドの脇にある目覚まし時計を見てしえなはのんびりし過ぎた事に気が付いた。
-------------
隣の席で乙哉を見ていると、いつも楽しそうだなと感じる。
誰とでも仲良くしようとしているし、本人の言う通り社交的だと思う。
時々やり過ぎて鬱陶しがられるところはあるが本人は全く意に介さない。
真昼に絡む態度なんて完全に自分の嫌悪するいじめっ子タイプだった。
乙哉「ねぇしえなちゃん。手見せて。」
しえな「なに?」
言われるままに右手を差し出すと乙哉はそれを両手でぺたぺたと触り始めた。
乙哉「小さくて可愛いよねー。」
しえな「そんなでもないと思うけど。」
乙哉「あたしより小さいよ。」
しえな「お前は身長が高いんだから、ボクの手が小さいんじゃなくて、武智の手が大きいんだろ。小さいのが良ければ走りや桐ヶ谷に見せてもらえよ。」
視線を柩に移すと、相変わらず千足と楽しそうに話す幼い姿が見えた。
乙哉「うーん…。でもやっぱりしえなちゃんの手が好きかな。」
しえな「お前に好きなんて言われても命が危うくなる気がするから全然喜べないんだが…。」
半眼で乙哉を睨みながらも、少し嬉しい気がするのは乙哉が嘘をついていないからだと思う。
きっと彼女のつく嘘は自分の中では本当の事で、人を平気で騙す。
全部自分のための嘘。
どこまでが本当で、嘘がどれなのか理解するのは他人には不可能なのだろう。
ただ、彼女が気持ちを口にする時は素直なものだと言う事はなんとなく分かっている。
好きと言えば好きだし、興味のないものには手を出さない。
段々と乙哉の事が分かってきて、彼女の事を考える時間が長くなってきた。
--------------
乙哉「しえなちゃーん。」
本校舎タワーを出た瞬間、後ろから声をかけられ、振り返ると楽しそうに笑っている乙哉の顔が見えた。
しえな「いいけど…。」
そう返事をすると乙哉ががばっと抱きついてきた。
しえな「おい、くっつくな。」
スキンシップが好きなのか、乙哉は事あるごとに抱きついてくる。
乙哉「そのおさげさぁ…。」
抱きついたついでに乙哉はしえなの髪の毛を取った。
しえな「切らせないからな。」
乙哉の手をすり抜け、彼女を置いて歩き出す。
駆け足でしえなに追いつくと、横に並んでしえなの腕に自分の腕を絡ませた。
乙哉「いいじゃん減るもんじゃなし。」
しえな「明らかに減るだろ!」
にこにこと見つめてくる乙哉にしえなは大きくため息を吐いた。
こういうやり取りも乙哉は楽しんでいるのかもしれない。
乙哉「しえなちゃんさー、なんかおかしくない?」
しえな「おかしいのはお前だ。シリアルキラー。」
乙哉「はぐらかしちゃダメだよー。」
脅されているわけではなかったが、適当に答えても解放してもらえない気がする。
元々はぐらかしたつもりはなくて、なんの話か分からなかったのだ。
きっと朝の事を言っている。
しえな「…武智には誰もいないのかなって思って。」
乙哉「あたしが独りぼっちって事?」
乙哉は意外そうな顔をした。
まさかそんな事を言われるなんて思っていなかったようで、屈託のない笑顔は消えていた。
しえな「状況は違うけどさ、ボクも独りだったから…。」
助けて欲しいと思っても誰も助けてくれなくて、そもそもなぜ自分が独りになっていたのか、独りにさせられたのかが分からなかった。
何もかもを責め立てたかった。
しかし乙哉と自分とを重ねるのは無理がありすぎる。
それでもなんでもいいから乙哉の何かを知りたかった。
乙哉「あたしは独りでも平気だよ。」
しえな「誰かいて欲しいって思わないのか?」
聞かなくても分かるような質問だった。
好意を抱いたら殺してしまうのだから、そんな人がいてもいなくても結果は同じなんだろう。
そんな風に思うのかも疑わしい。
乙哉「…なにが言いたいの。」
乙哉の声のトーンが低くなる。
乙哉「あたしが独りで可哀想って言いたいの?性的欲求を殺人でしか満たせないあたしが可哀想って。」
笑ってはいるが今までとは眼力が違った。
青く光る目にしえなはわずかにたじろく。
しえな「あ…いや、そんなことは…。」
乙哉「なに?」
口ごもったのは乙哉に怯えたからではなかった。
大浴場で乙哉の正体を聞いた時の事を思い出す。
しえな「…武智がシリアルキラーだって聞いた時に、同室のボクの方が可哀想だと思ったからさー…。」
乙哉の事なんて少しも想わなくて、自分の事しか考えていなかった。
しえな「大体、自分で選んでやってるんだろ、ド変態。」
自分勝手さを棚に上げて開き直る。
いつの間にか乙哉からは鋭い眼光が消え、しえなを面白そうに見つめていた。
乙哉「うん。好きでやってる。やりたい事を本気でやってる。」
しえな「もっと別のことなら前向きで勇気を与える発言なのにな。」
今まで彼女のやって来たやりたい事は狂気の沙汰で、どうやったってしえなには理解出来ない。
それでも快楽を得るかどうかの問題だけで、同じように人を殺せるしえなが乙哉を非難する事は出来なかった。
乙哉「しえなちゃんさー…、あたしが怖くないの?」
しえな「怖いに決まってるだろ。」
不思議そうに顔を覗いてくる乙哉にしえなは分かりやすく口元を歪めた。
しえな「でもお前、やたら構ってくるからなんか気になるんだよ。」
いじめられていた記憶が脳裏をよぎる。
人が関わる時はいつも嫌な事ばかりされて来たのに、乙哉の構い方は鬱陶しいとは思いながらも悪いものではなかった。
乙哉はなんとも思っていなくても、しえなは戸惑いながらもわずかに温かいものを感じていた。
乙哉「友達いない子ってたまに優しくされると調子に乗るよねえ。」
しえな「もう少し言葉選べよ!」
今日はここまでにしておきます。
書き溜めはあるのですが、ちまちま書き直したりしたいのでゆっくり進めていこうと思います。
おやすみなさい。
戻りましたー。
いつもお世話になっています。
今日リドル4巻届いたから「兎角の部屋」見ながらやってるんでちょっと陽気な気分です。
続けまっす。
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浴室から出て来たばかりの乙哉を、ベッドから横目に見ながら彼女のスタイルの良さに少し見惚れた。
しえな「武智は背高いし顔可愛いし、色々便利そうだな。」
半身を起こして自分の机の方に歩いていく乙哉を見る。
乙哉「うん。女の子を落としやすいよ。」
しえな「ほんと正直だよな…。世渡り的な話なんだけど。」
社交的で可愛ければ大抵の事はうまく行くんじゃないかと思っている。
あの性癖では乙哉に安泰なんて言葉は無縁なのだろうけど。
しえな「武智は女の子が好きなのか。触りたいとか思う?」
乙哉「刻みたくなるね。」
しえな「キスとかするの?」
乙哉「刺す方が楽しいよー。」
しえな「発言がいちいち怖いんだよお前!」
うっとりと頬を紅潮させる乙哉の手にはいつの間にかハサミが握られていた。
ショキショキと小気味いい音を立てるそのハサミがどれだけの血を吸って来たのかを思うと、それだけで気持ちが折れそうになる。
乙哉「えー。ガールズトークっぽくて楽しいよー。」
しえな「ボクはこんなガールズトーク知らないよ…。」
本当に楽しそうに話す乙哉の笑顔を見ていると、しえなにも笑みがこぼれた。
こんな殺人鬼と話をしていて楽しいと思うなんてどうかしていると思う。
どうかしているついでにしえなは少し踏み込んでみることにした。
しえな「試しにキスしてみる…?」
乙哉はきょとんとしてしえなを見つめた後、手に持ったハサミをシザーバッグにしまいこんだ。
乙哉「なんで?」
しえな「武智がどんな反応するかなって。」
普通に考えたらおかしな事を言っているはずなのに相手が乙哉だと感覚が麻痺してしまっているのか、おかしいとも恥ずかしいとも思わなかった。
向かい合わせにベッドに座る乙哉も不思議そうにしてはいるものの、発言自体に違和感は持っていないようだった。
そろそろ犬の散歩に行ってきます。
1時間くらいで戻ります。
戻りました。
実は伊介様と武智さんが特に好きです。
春伊も書いてみたいな。
仕事早く終わる日はもっと早めに散歩に行くことにします。
ありがとうございます。
続けます。
乙哉「切りながらでもいい?」
しえな「頼むからそれは我慢して。」
指をハサミの形にして、何かを切る動作をつける乙哉にしえなは両手の平を向ける。
乙哉「うーん…まぁしえなちゃん可愛いけど殺したいほどじゃないしいっか。」
しえな「嬉しいような嬉しくないような…。」
乙哉がしえなのベッドに踏み込み、ずいっと覆いかぶさるように体を寄せて来た。
眼鏡を奪い取られてしえなの視界がぼやける。
乙哉「いくよー。」
近付いて来る乙哉に合わせてゆっくりと目を閉じると、唇に柔らかいものが触れ、温かい吐息が鼻の辺りをくすぐった。
しえな(武智の匂いがする…。髪の毛柔らかいんだな。)
乙哉の匂いや感触を感じているうちに温もりは離れて行った。
しえな「…やっぱりなんか恥ずかしいな…。」
素に戻ってみると自分が何を思っていたのか不可解で仕方が無い。
しかしなぜか後悔はなかった。
乙哉「あー…刻みたくなってきたかも。」
しえな「ええっ!お前キスじゃ興奮しないんだろ!?」
反射的に後ずさるしえなを上から押し倒す乙哉。
乙哉「そうは言ってないよ。刺す方が楽しいってだけで。」
ここには刃物がないし、乙哉の目には殺意はこもっていない。
恐怖はなかった。
しえな「…悪くないってこと?」
乙哉「うん。もっかいしていい?」
そう言いながらも顔は目前だった。
しえな「試しにって言っ…んっ。」
無理矢理されたキスは1回目のものよりよっぽど心を掻き乱した。
顔が熱くなって、胸が苦しくなる。
乙哉「しえなちゃん可愛い。」
しえな「勝手にするな!」
満面の笑みを浮かべる乙哉に、照れ隠しで怒鳴りつける。
それでも嬉しそうに笑う乙哉が可愛らしいと思った。
乙哉「…なんか変な感じ。」
少しの間考え込むように俯くと、乙哉の声が低くなった。
しえな「変って?」
乙哉「イライラする。」
急に不機嫌そうに口を尖らせて自分のベッドに戻って行く乙哉。
しえな「ボクに対して?」
乙哉「ごめん。もう寝るね。」
しえな「あ、あぁ…。」
質問に答える事もなく乙哉はシーツを被って寝入ってしまった。
しえな(さっきまで上機嫌だったのに…。情緒不安定?)
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朝目が覚めると乙哉が先に起きていて、机に向かって何かをしていた。
どうせまた趣味のゲームでもやっているんだろうと覗き込んでみると、彼女の手元には予告票があった。
しえな「予告票を出すのか?」
乙哉「うん。」
しえな「そうか…。」
一ノ瀬晴に予告票が渡ってから決められた時間内に暗殺を実行しなくてはならない。
いつ渡すのかは分からないが、成功しても、失敗しても、乙哉と過ごせるのは長くても2日程度ということだ。
しえな「一ノ瀬は好みのタイプ?」
乙哉の望む報酬は知らないが、彼女は殺す事以前に快楽を求めているのだから少しでも楽しめる方がいいのだろうと思う。
一ノ瀬晴を気の毒に思いかけるが自分が言えたことではないとかぶりを振った。
乙哉「可愛いと思うよ。まだあんまりお話ししてないからこれからたくさん話してみる。」
しえな「…そっか。」
胸がざわつく。
一ノ瀬晴の話をする乙哉の表情はいつも通り楽しそうだった。
しかし特有の無邪気さは感じられなくて、なにか別の事に思いを巡らせているように見えた。
乙哉「また、キスしていい?」
隣に立つしえなを見上げる乙哉は、にこにことしながらも目は真剣だった。
しえな「…ダメ。」
乙哉「なんで?」
しえな「イライラするんだろ。」
乙哉「分かんないけど、たぶん…。」
しえな「不愉快ならやめとけよ。」
ふいっと後ろを向いて着替えを取りに行こうとするが、その後ろを乙哉がついてくる。
乙哉「あたし、切り刻む時やめてって言われてやめたことないんだー。」
しえな「一緒にするな!怖いだろ!」
勢いで乙哉に振り向くと両腕を掴まれて動けなくなった。
乙哉「あたしの邪魔はしえなちゃんにもさせないよ。」
強い力ではないのだから、振りほどけば逃げられそうだったがしえなはそうしなかった。
どうせ逃げたって追いかけてくる。
しえな「ほんと自分勝手だな…。」
そう乙哉のせいにしてそれ以上考えるのをやめた。
昨日と同じように目を閉じて乙哉の唇を待つ。
触れるまでは同じだったのに、唐突に唇を割ってくる舌先に肩が震えた。
歯の隙間から口内に侵入してくる乙哉の舌に反応も出来ず、ただ乙哉の腕を強く掴む事しかできなかった。
少しばかり歯列の裏をなぞると乙哉の舌はすぐに出て行った。
しえな「舌、入れるなんて聞いてない…。」
乙哉の体を両手で押し戻すと、しえなは彼女に顔が見えないよう下を向いた。
心臓がうるさく鼓動を打っていて、なんとか落ち着こうと息を深く吸う。
乙哉「…やっぱりイライラする。」
乙哉の不機嫌な声にしえなこそ苛立ちを爆発させた。
しえな「だからやめとけって言ったろ!無理矢理こんなことされて文句言われるなんてどれだけ損してるんだよボクは!」
自分はこんなにも取り乱しているのに乙哉はこの行為をなんとも思っていない。
もう一言追加してやろうか顔を上げると、乙哉はしえなの腕を引いて乱暴にベッドに突き飛ばした。
しえな「お、おい、待て武智…。」
上に覆いかぶさってくる乙哉から逃げようとするが両肩を押さえつけられて身動きが取れない。
乙哉「大丈夫。ハサミは使わないから。」
しえな「どっちにしても怖いって!」
しえなの訴えには何も反応せず、乙哉は手早く服に手をかけた。
そろそろ寝ます。
こっからエロに入りますのでご注意ください。
ちょっと見直したいですが、なんにしろあんまりラブラブした感じのが書けなさそうです。
また投下し始めたらよろしくお願いします。
おやすみなさい。
戻りました。
京まふ行ってました!OP、EDの原画見れてよかったです!
続きを投下していきますのでよろしくお願いします!
服を全て剥ぎ取られるまでに逃げようかとも思ったが、恐怖以上に乙哉に興味があった。
しえな「…お前、刻まないと気持ち良くならないんじゃないのか…。」
乙哉「分かんない…。でもしえなちゃんにはこうしたい。」
乙哉はしえなの体に触れると全身をいやらしく撫で回した。
しえな「んっ…。」
慣れない感覚に体がぴくりと反応する。
乙哉「やっぱりしえなちゃんは可愛いね…。」
乙哉はしえなの下半身に手を伸ばし、気遣う様子もなく指先を差し込んだ。
しえな「っ…!!…痛、いっ…!!」
痛みに身をよじると乙哉の目付きが変わった。
頬が上気して目に狂気が浮かぶ。
乙哉「なんだろう…すごく興奮してきちゃった…。」
しえな「まっ、待てっ!それ以上は…!うあっ!!」
さらに奥に差し込まれて鈍い痛みが下腹部に溜まって行く。
乙哉「痛みに歪んだ顔がすごくイイよ…。」
しえな「あっ…あぁっ!!痛…!…ぐ…!!」
なんとか逃げようとするが自分より体格のいい相手に上から押さえつけられて逃げられるはずもない。
両手で乙哉を押し返そうとして、思い直して代わりに自分の顔を覆った。
乙哉「しえなちゃん?」
吐息の震えを察知した乙哉が指を止めて、しえなの顔を覗き込んだ。
乙哉「泣いてるの…?」
怖くて、痛くて、驚いて、何が原因かは自分でも分からないまましえなは嗚咽を漏らした。
しえな「痛いって、言ってるだろ…!」
乙哉にとって相手をいたぶる事が目的なのだから何を言ったって無駄な事は分かっていた。
むしろこういった事が乙哉を悦ばせるという事も分かっている。
乙哉「ごめんね…。」
意外な言葉を聞いた。
驚いて乙哉を見ると、優しくキスをされた。
入り込んだ指がまた動き出したが、最初とは違って気遣うような緩慢なものだった。
しえな「ぅ…んっ…!あ….。」
始めに痛い思いをしたせいか、今の動きに痛みは全く感じない。
乙哉「ここ、痛くない?」
しえな「ん…っ。大、丈夫…っ。」
緩い快感に色付いた声が漏れる。
乙哉「どっちのしえなちゃんも可愛いなー…。」
ボソッと乙哉が呟くと、また痛みが走った。
乙哉「ここは痛いんだよね?」
しえな「武智…っ!やめ…!うっ…く…!!」
乙哉「だめ…止まんない…。」
うっとりとした表情で興奮気味にしえなを攻め立て続ける。
強いサディズムに絶望はあったが、乙哉の様子からしてそれだけではない気もしていた。
しばらく下半身だけに集中していた乙哉の行為が少しずつ変わっていく。
首筋に舌を這わせて、指先で胸の先をいじり、しえなの性感に繋がる部分を刺激し始めた。
しえな「あっ…はぁっ…。ん、んっ…!」
まだ痛みはあったが、少しずつ乙哉の指に快感を覚えているのを自覚した。
しえな「たけ…ち…っ!」
名前を呼ぶとしえなの体に密着して乙哉が深く口付けてきた。
それに返すように舌を差し出すと、何度も何度もそれに舌を絡めてくる。
乙哉「…ん…っ。ふ…。」
急に乙哉の声に吐息が混じり始めた。
しえなの体に触れていた乙哉の手が、自らの中心に向いているのが見える。
すいません。
昨日今日、連日長距離運転+5時起きだったんでめっちゃ眠い…。
明日来ますので、またお付き合い頂けますとありがたいです。
戻りました!
あとはそんなに長くないので今日中には全部できると思います。
もうしばらくよろしくお願いします。
しえなは胸の中で何かが弾けたような感覚を覚えた。
しえな「武智も脱いで…。」
乙哉は言われるままに服を脱ぎ捨てるとしえなに体を重ねた。
しえな「お前、スタイルいいよな…。」
乙哉の体はとても綺麗だった。
これで人の血に興奮する性癖だというのだから激しく勿体無いと思う。
もう一度乙哉はしえなに口付けると、続けてしえなの脚の間に割り込んで中心に指を差し込んだ。
優しく、とはいかなかったが最初の荒々しい行為がなんだったのかと思うほどに大人しいものだった。
しえな「んく…っ…。」
まだ慣れない感覚に体がこわばる。
乙哉の指の侵入が止まると、しえなは乙哉の中心に手を伸ばした。
乙哉「…しえなちゃん…?」
しえな「ボクもしたい…。」
乙哉のように強引なやり方をとるには余裕がなさすぎて、恐る恐るその中に指を進ませて行く。
乙哉のそこはすでに体液が溢れていた。
熱くて、ゆるく締め付けてくる肉感に息を呑む。
乙哉「…んっ…。ふぁ…っ。」
吐息と一緒に漏れる声がしえなの胸に強く響いた。
色気のある声に揺さぶられて、理性が飛びそうになる。
乙哉はこういう感覚を他人の血や悲鳴に感じているのかもしれない。
しえな「武智っ…。」
されている時とは違う興奮が湧き上がってきて、中に入れた指を曲げて肉壁を掻き回す。
時折びくびくと痙攣するそこが乙哉の興奮を物語っていると思うと満たされた気持ちになった。
乙哉「あっ…あぁ、しえなちゃ…んっ、気持ちイイ…よぉ…っ。」
下から見上げる乙哉の艶かしさは毒の花みたいだった。
きっと手にするだけで取り込まれてしまう。
乙哉「はぁっ…はぁ…ん…。もっとしよ…?」
しえなの肩に触れた乙哉の爪が強く食い込んだ。
興奮のせいで衝動が抑えられないのかもしれない。
しえな「いっ…。」
小さな悲鳴を上げると、こちらに向いた乙哉の目が光った気がした。
危険を感じてもう少し強めに刺激を与えようとすると、乙哉の方もしえなの中で動き出した。
しえな「あっ…!痛…ぃ…って!!」
乙哉の紅潮した顔を見ると、目の色が完全に変わっていて、色気の中に狂気が含まれていた。
殺されるんじゃないかと心配になり、とりあえず周りに刃物がない事だけは確認して多少安堵する。
乙哉「あぁっ…!…もう我慢出来ないかも…!」
恍惚の表情で見下ろしてくる乙哉には理性なんて残っていそうにはなかった。
ぞくっと背筋に悪寒が走った時にはもう中で乙哉が暴れ始めていた。
しえな「うっ…く!痛いっ…!たけっ…ち!!やっ…!!あぁっ!!」
もう乙哉に刺激を与える余裕はなかった。
乙哉の体を押し返そうとするが右腕は押さえつけられて、彼女を振りほどくほどには力が入らない。
左手で彼女の腕に爪を立てるが全く気にする様子もない。
乙哉「しえなちゃん可愛い…。」
乙哉の手と舌が身体中を這い回るのを感じる。
しえな「あっ…ぅ!んぐっ…。」
痛みが麻痺してきたのか、行為自体に慣れたのか分からないが段々と苦しさは和らいできた気がする。
その余裕を察して、乙哉がしえなの顔を遠慮がちに覗き込んできた。
こういう普段の表情はとても可愛いのにと、今の行為を思い返して残念に思う。
乙哉「もっと痛くしていい…?」
そんな可愛い顔でこんな事を言ってくるのだからどうしようもない。
しえな「…いいわけ、あるか…バカ…っ。でも聞きやしないんだろ…。」
もう覚悟は決めた。
怖くて仕方がなかったが、乙哉が悦ぶなら我慢してやろうと思う。
次の瞬間、今までにない痛みが鈍く突き抜けた。
-------------
しえな「…眠ってたのか…。」
というよりもはや気絶だったのかもしれない。
しばらく耐えていたのに結局はもたなかった。
下腹部の鈍痛を我慢して体を起こす。
しえな「もう昼過ぎじゃん…。」
気付けば服は着せられていて、食べる物も置いてあった。
あんなに自分勝手なくせに意外と細かいところには気が利くんだなと思わず笑みがこぼれる。
今頃、乙哉は予告票を出して一ノ瀬晴を殺す機会を窺っているのだろう。
もう一度会えるかどうかも分からない。
犬の散歩に行ってきます。
1時間程度で戻ります。
しえな「…なんで泣いてるんだろう…。」
きっと痛みのせいだと思いながら、乙哉の顔を思い浮かべる。
いつからか好きになっていた。
気になって、話をしても少しも理解が出来なかったのに。
しえな「学校行けば、まだ会えるかな…。」
予告票を出したとしても実行するのはきっと放課後以降だろうから今からならまだ十分間に合うはず。
ベッドから降りようとした時に部屋の扉の開く音が聞こえた。
乙哉「あ、しえなちゃん起きた?」
顔をのぞかせたのは乙哉だった。
制服を着て、身なりを整えている所を見ると学校へは行ったようだった。
しえな「武智…。」
乙哉「なんで驚いてんの?」
しえな「いや…もう戻ってこないかと思って…。」
乙哉「なにそれ?昼休みになったから様子見に来たんだよ。」
手にはビニール袋が握られていて、きっと昼食が入っているのだろう。
乙哉「まだ痛い?」
しえなのベッドに座って顔を覗き込んでくる乙哉は少し心配そうにしていて、そうした本人が何を言っているんだと思ったが別に腹は立たなかった。
しえな「当たり前だ。」
乙哉「いっぱい血が出てたしねー。それでね、その血を…。」
しえな「言うな!言わなくていい!!やめろバカ!!」
嬉々として語ろうとする不穏な空気を瞬時に察知してしえなは乙哉の声を自分の声でかき消した。
初めてを奪われて恥ずかしい事よりおぞましさが勝るなんて想像もしなかった。
乙哉「えー…。」
楽しみを邪魔されて不機嫌に口を尖らせるが怒っているわけではなさそうだった。
乙哉「またしたいなー。」
しえな「痛くてしばらくは無理だ。」
さすがにここまでされたら体に恐怖も染みついてくる。
今強引にしようとするなら叫んででも逃げようと思った。
乙哉「じゃあ治ってからならいい?」
思惑は外れて、乙哉がすんなりと引き下がった事が意外だった。
最悪の場合、体調への配慮なんて全くなく、例え相手が死のうとも自分の欲望のままを尽くすのかと思っていた。
しえな「どうしたんだ、武智。お前らしくない。」
乙哉「そうかな?人間って治るんだから、壊す直前まで追いつめて、回復したらまた同じ事が出来るんだよ?」
これは刻んで殺す事と比べてレベルが上なのか下なのかも分からなかったが、どちらにしてもやっぱり乙哉は変態だった。
しえな「十分お前らしいな…。というか、とんでもない事を本人の前で言うなよ。逃げるぞ。」
乙哉「逃げる相手を追いつめるのも楽しいよ?」
しえな「自由だな、本当に…。」
呆れてため息を吐いて乙哉を見る。
しかし乙哉との残された時間の中では次がない事は分かっていた。
しえな「いつ、一ノ瀬をやるんだ?」
残りの時間を知っておきたかった。
その間に出来る事をやろうと思う。
乙哉「…えっ。まだ未定だけど…。」
しえな「…。あれ?予告票は?」
乙哉「出してないよ?」
しえな「出すって言ってたろ!?」
乙哉「なんか気が変わっちゃって。」
今までの憂鬱な気分はなんだったのかと大きなため息が出た。
乙哉「もうちょっとしえなちゃんと一緒にいたいなーって。」
にっこりと笑顔を向けてくる乙哉に思わず見惚れる。
やはり何度見ても彼女は可愛いと思う。
しえな「でも、イライラするんじゃないのか…。」
乙哉「うん。なんか胸の辺りがもやもやっとするというか…。」
ふてくされた顔で胸をトントンと叩く乙哉。
しえな「それはイライラなのか?」
乙哉「イライラ…じゃないの?」
しえな「いやボクに聞かれても…。」
乙哉「すごく、なんか、…苦しくなる。」
同じような感覚をつい最近抱えた気がする。
しえな「それ、好きなんじゃないのか?」
冗談半分、期待半分でからかうように言ってみる。
乙哉「えー。好きっていうのはもっと感情が高ぶるというか、いたぶりたくなるやつだよね。」
しえな「お前の好きの感覚がよく分からないよ…。」
性的な話をする時は乙哉の目の輝きが尋常ではなくて、しえなは悟られないようじわじわと乙哉から距離を取った。
乙哉「しえなちゃんは?」
乙哉が正直なタイプなせいか、彼女と話していると自分の気持ちを誤魔化そうと思うことはなかった。
きっと彼女は勘ぐって来るほど他人に興味なんてないし、あったとして自分の意向以外はどうだっていいに決まっている。
だから嘘をつく事が損だとしえなは分かっていた。
しえな「ボクはお前の今言った事をそのまま感じてるよ。」
乙哉「あたしが好きって事?」
しえな「うん…。」
乙哉「あたし、いっぱい人殺してるよ?」
人を殺す事を悪い事だなんて全く思っていない乙哉から、他人をを気遣うような言葉が出てくるのが不思議だった。
しえな「ボクだって一ノ瀬を殺しに来た。」
諦めたくはなかった。
二人に未来がなくても、これからどうしたいのか分からなくてもここで終わらせたくない。
乙哉「しえなちゃんの事、可愛いと思うよ。」
しえな「そりゃどうも…。」
乙哉がしえなの手を握り、しえなも同じように返す。
冷たい手。
この手が今までなにをして来たか、知っている。
乙哉「好きかは、分かんない。」
しえな「そっか…。」
始めから期待はしていなかった。
しかし今の空気は期待以上のものだと分かっている。
乙哉「でももっと一緒にいたい。」
乙哉はしえなの手を握り直し、指の間に自分の指を絡めて深く結び付けた。
戸惑いを見せる乙哉の心境はきっと今までにはないものだと直感している。
しえな「じゃあ、一緒にいようか…。」
乙哉「うん…。そうする。」
返事をする乙哉はとても嬉しそうで、その目からは狂気は全く感じられなかった。
終わり
終わりました。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
また何か書いた時には投下させて頂きたいと思いますので気が向いたら見てやってください。
このSSまとめへのコメント
これ書いたやつ絶対低学歴だわー
1,なんでだよ?
1,低学歴だろーがなんだろーが、面白いssを描いてくれれば俺はいいと思うw
つーかお前はどうなんだよw
3,そういうお前はどうなんだよw.w
すごい面白かった!