ペンチ「幼なじみの、ペンチだよー!!」【俺タワー】 (22)

魔塔建築士。


突如として現れた人類の敵、モンスターに対抗するため
ケーフィン国を始めとする諸外国は古により伝わる塔、魔塔を建築する為の専門の技術者達を育成した


様々な工具や重機の力をその身に宿した女性達、建姫達を味方にし
日夜、建築と探索に励む魔塔建築士達


人々は魔塔建築士の事を、親しみと尊敬の念を込めてこう呼んだ────






オヤカタ、と。




※DMMゲームズで絶賛配信中のブラウザゲーム【俺タワー】の超短編ssです
一部ゲーム未プレイ者には判らないネタを使用してます
公式サイト  ttp://www.dmm.com/netgame_s/ole-tower/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410704118



オヤカタ「・・・・なぁ、精霊さん」


精霊「はいはい、なんでしょオヤカタ」


オヤカタ「いや、あのさ、俺この前現場入りしたじゃん?」


精霊「正確には一週間くらい前ですね。今現在の新規魔塔建設ラッシュに先がけて魔塔建設士に任命された、第一次現場入り組でしたね」


オヤカタ「そうそう、初めて現場入りしてから早二週間、二回ほどバイツァされたりとかトラブルはあったけど、今じゃ結構慣れてきたと思ってるんだよ」


精霊「二回目のバイツァのせいでデモリッションマシンが消えた時はかなり落ち込んでましたよね」


オヤカタ「・・・うん、まだ逢えないし・・・・帰ってこいよ俺のデモリッションマシン・・・・」


オヤカタ「まぁ、それは置いておくとして、最初はぎこちなかった建姫達との仲もすっかり良くなってさ」


精霊「お風呂覗いたり、つつき回したり、建姫にの素肌にかかる湯気を魔法の札で吹き飛ばしたり、仲むつまじい様子は見てて微笑ましく思いますよ」


オヤカタ「うんうん、まぁそれなりに桃源郷と地獄を見てきた俺なんだけどさ・・・」




デーン♪
カゴ <フドウノデュエルヲミセテヤロウ




オヤカタ「・・・・・・未だにあいつとの付き合い方がよく判んないんだけど、どうしたらいいかな?」



精霊「あーあーあーあー・・・・・はいはい・・・・・・」






ペンチ「ふぅ、やっと出れた!あれ?なんでオヤカタ君が此処にいるの!?」


ペンチ「私だよ、幼なじみの・・・・」







ペンチ「 ペ ン チ だ よ ー ! ! 」








オヤカタ「はいストップ!」


ペンチ「うへっ!?」



ペンチ「ちょ、どうしたのさいきなりー!?」


オヤカタ「うん、まぁね?俺としてもさ?色々と判らない事は体験してるよ?」


オヤカタ「初めてあった建姫はずっと寝てるし、悲鳴を上げさせてこようとしてくる建姫もいるし、半分死んでるような建姫も見てきたよ?」


オヤカタ「でもさ、個性豊かな部下たちに支えられて今日まで頑張ってこれた訳よ、木槌やランマーの可愛さに俺の魔塔も無限の高みへ上ったりもした訳よ」


ペンチ「ちょ、ちょっと!いくら昔から変態だったからって、女の子の前でそんな・・・」


オヤカタ「はいそこぉぉぉ!!!」


ペンチ「うひぃっ!?」


オヤカタ「そこ!そういうとこ!俺がずーっと気になって気になって仕方のない所!!」


ペンチ「へ?え、えーっと・・・」




オヤカタ「判んない?どこの事言ってるのか判んない?ほんとーに判んない!?」


オヤカタ「よーし判った、言っちゃうぞ?俺がずーっと気になってる所言っちゃうぞ?」


オヤカタ「他の建姫達の諸々はツッコまずにいれたけど、これだけははっきり言わせてもらうぞ!!」






オヤカタ「 ど ち ら 様 で す か ー ! ! ! 」





ペンチ「うぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」




ペンチ「え、だ、だから言ってるじゃん、もー忘れちゃった?ほら、昔一緒に遊んでた、幼なじみのー・・・」



オヤカタ「知るかバカー!少なくとも俺の幼なじみに明らかに女の子の名前じゃない工具の名前がついた幼なじみは居ねーよ!!」


オヤカタ「どちらかといえば俺はなぁ!幼なじみの女の子が居る奴と友達で!」


オヤカタ「俺らとそいつが遊ぶ時にいっつもついて来る女の子を見て、そいつに「やーいやーい、女の子と一緒じゃないと遊べないのかー?」って煽ったりしてなぁ!」


オヤカタ「そいつが女の子に帰れって言って口喧嘩してるのを見て小さく優越感に浸ったりしてなぁ!!」


オヤカタ「でも心の底じゃ敗北感に打ちひしがれる毎日を送ってたんだよぉ!!」


ペンチ(うわぁ・・・)



ペンチ「で、でも!私はオヤカタ君の幼なじみだし!ほら、小さい時に一緒にお風呂入ったりとか」


オヤカタ「そんな羨ましい事があったら忘れる訳ないだろぉぉぉ!!?」


ペンチ「で、でも、私、本当に」


オヤカタ「よーし判った、どうしても幼なじみと言い張るならこっちだって考えがある」


オヤカタ「正直これ言っちゃうと完全論破しちゃうからあんまり言いたくなかったけど、もういいよ!はっきりと言ってやるよ!」



オヤカタ「お前さぁ、さっきから俺の事を「オヤカタ君」って言ってるよなぁ!?」


ペンチ「う、うぅぅぅ・・・・」


オヤカタ「「オヤカタ」ってのは、魔塔建設士の別称で、尊敬や親しみを込めて呼ばれる名前だってのは知ってるよなぁ!!?」


ペンチ「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ・・・・」



オヤカタ「でも、本当にお前が幼なじみなら・・・俺の本名くらい言えるよなぁ・・・・?」



ペンチ「ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!」





オヤカタ「おい、ペンチ・・・・」








「 俺 の 名 前 を 言 っ て み ろ ! ! 」







.





ペンチ「ウワァァァァン!ごめ゙ん゙な゙ざい゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙!!」




ペンチ「嘘なんですぅ!幼なじみっての、全部嘘なんですぅ!!」




ペンチ「本当は私、幼なじみの男の子の存在に憧れるてるだけの!」








ペンチ「ただのペンチなんですぅぅぅ!!」







.




ペンチ「だって、ほら、隣の家に住んでてベランダ越しに行き来できるとか、スッゴく憧れるじゃないですか・・・」


ペンチ「で、幼なじみに憧れて、でもそんな幼なじみ居ないから諦めざるを得なくて・・・」


ペンチ「そんな時、私が建姫になれるって判って、こう、なんか、建姫の皆さんってキャラクターが濃いじゃないですか」



ペンチ「そんな皆さんを見てたら、「あれ?もしかしてその場のノリと勢いでオヤカタを幼なじみに出来るんじゃないかな?」って・・・・」



オヤカタ「いや流石にそれは無理だろ」



ペンチ「ですよねー」



オヤカタ「けどまぁ、判らなくもないけどな、幼なじみの良さ」


ペンチ「ですよね!良いですよねー幼なじみ!」


ペンチ「こう、お互いの事知り尽くしてる感とか」


オヤカタ「恥ずかしい事も知ってるから、それを言い合って喧嘩したりとか」


ペンチ「挙げ句の果てに他の人から「はいはい、夫婦喧嘩はもういいから」って言われたりとか!」


オヤカタ「そうそう、で、声を合わせて」


オヤカタ「「夫婦じゃなーい!!」」ペンチ



オヤカタ「・・・・ってなぁ」


ペンチ「エヘヘヘ・・・・」




ペンチ「ハァ、でも、これでもう幼なじみキャラは使えないですもんね・・・・うぅ、他に何か考えないと個性の差で埋もれちゃう」


オヤカタ「・・・・あー、その事だけど」



オヤカタ「別にいいぞ、幼なじみになっても」



ペンチ「・・・ふぇ?」


オヤカタ「その、最初は面食らって、俺が思い出せないだけで本当は俺にも幼なじみが居たんじゃないかとか色々と考えたりして、イマイチどう付き合っていいか判らなかったんだけど」


オヤカタ「それがキャラだって判ったし、別に幼なじみキャラが嫌いな訳じゃないし、もっとおかしな建姫たちもいるし・・・」


オヤカタ「幼なじみごっこくらいなら、付き合ってもいいかなって」
 




ペンチ「お、オヤカタ・・・・君」


オヤカタ「あ、あくまでごっこだから!どう頑張っても今からじゃ幼なじみには慣れないし!あくまでごっこな!そこ忘れないように!!」


ペンチ「エヘヘ・・・ありがと、オヤカタ君」


オヤカタ「ん・・・まぁ、オヤカタだからな。建姫達が仕事しやすい環境つくりも任務の内だからな、それだけだ」


ペンチ「もぉーっ、オヤカタ君たら、昔から素直じゃないんだから!このこのー」


オヤカタ「お、おい、やめろって、つつくのと覗くのはオヤカタの特権なんだぞ!」


ペンチ「はいはーい♪・・・・じゃ、改めて」








ペンチ「幼なじみの、ペンチだよー!!これからよろしくね、オヤカタ君♪」






.

以上
閲覧ありがとございました
もっと増えろ俺タワーSS

以下蛇足




オヤカタ「ところでさー」


ペンチ「なになにー?」


オヤカタ「ペンチは捕獲された時って、なんで動かないの?だいたいの建姫はカゴから逃げる為にもぞもぞ動いてたりするんだけど」


ペンチ「えー?そんな事聞きたいのー?そんなの決まってるよー」





ペンチ「だってほら、暗くて狭い場所に閉じこめられて、これから私どうなっちゃうんだろうって考えただけで・・・・・ふひひ」ジュルリ







オヤカタ「」


お付き合いいただきありがとうございました


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