女「ねえねえ！」

男「ん？」

女「見て見て！」

男「なんだ、その服？」

女「お姉ちゃんが昔着てたの！」

男「ちゃんと元のところに戻せよ？」

女「ああっ！ そこっ！」

男「ちょっ、うるさいって。今集中してるんだから」

女「ごめんなさい……」

男「お腹空いた」

女「ご飯？」

男「食べるか」

女「そっちのおかず食べてもいい？」

男「だめ」

女「えー？」

男「自分の分あるでしょ」

女「人が食べてるの見てると美味しそうに見えない？」

女「えっへへー」

男「なんだよ、乗るなよ」

女「ずしー」

男「しょうがないな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「えへー」

女「なにそれ？」

男「……」

女「なにそれ、なにそれ？」

男「……」

女「なにそれなにそれ、なにそれーっ！」

男「あーもうパソコンやってんだから後にしろよ」

女「ふんっ」ﾌﾟｲｯ

女「ちゅー」

女「ふふふー」

男「なんだよ」

女「幸せだなぁって」

男「……」

女「お日様が気持ちいいね」

男「暑くないか？」

女「大丈夫。そっちは？」

男「そうか」

女「うん！」

男「どうした？ 具合悪いか？」

女「んー、ちょっとだるいかも」

男「病院行くか」

女「えー、行かなくていいよー」

男「ったく、大人しくしてろよ」

女「なんかいつもと違う匂いがする」

男「嗅ぐなって」

女「何の匂い？」

男「酒の匂いだよ。今洗うからどけって」

女「甘い……匂い？」

今日はここまで

女「ねえ、ご飯は？」

男「腹減ったのか？ さっき食っただろ」

女「足りないよぉ」

男「太るぞ」

女「お腹空いたよ」

男「だめだ」

女「ねえー」

男「膝に頭乗せるなって」

女「膝枕ー」

男「お前いくつだよ」

女「いーじゃん」

男「足痺れんだろ」

女「このまま、時が止まってしまえばいいのに」

男「お前動かないと太るぞ」ﾌﾟﾆｯ

女「あうっ！」

男「……」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

女「ううぅ……」

友「おじゃましまーす」

女「あ、友くん」

友「女ちゃん！ 会いにきたよ！」

男「課題やりに来たんだろうが」

友「少しくらいいいじゃんかー。いいなー、女ちゃんといつも一緒で」

女「ふふ」

男「はいはい」

男「じゃ俺ら課題やるから、一階で大人しくしてろよ」

女「はーい」

友「なんなら一緒に来てもーー」

男「馬鹿野郎」

友「ちぇっ」

女「楽しそうだなー」

男「なあ、俺の言いたいこと分かるか？」

女「怒ってる……？」

男「お前って時々賢いんだか馬鹿だか分からないよな」

女「ごめんなさい」

男「もうやるなよ」

女「うん。もうあなたの服をビリビリにしたりしないよ」

今日はここまで

女性「おじゃま、しまーす」

男「上がって上がって。大したもてなしは出来ないけど」

女「？」

女性「あ、私女性って言うの。よろしくね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「誰？」

男「人見知りなんだ。悪いな」

女性「気にしないで。可愛らしい子ね」

女「誰？」

男「あ、コーヒー飲む？」

女性「ありがとう」

女「ねえ、この人誰っ！？」

男「うるさい」

女「え……」

女「…………」

男「いや、それがさ。友の奴すごい顔してさ」

女性「ふふ」

女「…………」

男「本当、見せたかったよ」

女性「いいね、仲良くて」

女「…………………………」

女性「じゃそろそろお暇するね」

男「ああ、今日は来てくれてありがとう」

女性「こちらこそありがとう」

男「送ってくよ」

女性「大丈夫だよ」

男「いいからいいから」

ｶﾞﾁｬ ﾊﾞﾀﾝ

女「……………………」

女「今日一緒にいた女の人は誰！？」

男「ん？」

女「あの人とどんな関係なの？」

男「何言ってるか分かんねえよ」

女「ばかっ！ 知らないっ！」ﾀｯﾀｯﾀ

女「あの人が私じゃなくて他の女を家に連れて来るなんて」

女「許せないよ」

女「あなたの部屋をめちゃくちゃにしたら、こっち向いてくれるかな？」

女「これもっ！ これもっ！ 全部壊してやる！」

女「あ、あの雌の写真まで……許せない」

女「ぐしゃぐしゃにしてやる……」

男「おいっ、さっきからうるさ……なんだこれ！？」

男「やめろ！ なにしてんだ！？」

女「離してっ！ あの雌の匂いがするものなんて、全部！ 全部壊さないと！」

男「落ち着けって！」

女「っはあ……はあ」

女「あああぁぁぁ」

男「ないても駄目だ。何があったか知らないけど落ち着くまで離さないぞ」

女「ううぅぅ、そのまま。そのまま抱いてて……」

男「……」

女「ごめん、ごめんなさい。ごめんなさい」

男「反省しろよ。シーツとかも買い直さなきゃな」

男「本当にどうしたんだよ」

女「ごめんなさい、ごめんなさいぃ」

男「はあ……いや、怪我がなくてよかったけどさ。何考えてんのかな」

男「ある程度お前の気持ちも理解出来てたと思ったんだけどさ」

男「不便なもんだよな」