男子トイレ

dqn「うし、誰も来てねーな。そんじゃ若、昨日の首尾を伝えるっす」

根暗「あ、あのさ…」

dqn「何すか？　あ、先に小便っすか！　すんませんしたっ、俺としたことが気づかなくて！」

根暗「い、いやそうじゃなくて…その若とかいうの、やっぱりやめてくれない…？」

dqn「何言ってんすか、若は若っす！」

委員長「ちょっと、dqn」ｺｿｯ

dqn「おわっ！」

根暗「わぁっ！」

委員長「失礼しました若様、ですが帰りが遅いようでしたので」

dqn「つーか何で顔だけ覗きこんでんの？」

委員長「男子トイレに入るわけに行かないでしょう。ましてや若様がいらっしゃるのに」

dqn「覗くのはokとか基準がわかんねーｗ」

委員長「あなたが若様に粗相を働かないか心配してるのよ」

根暗「あ、あの委員長……さんに、dqn……君、大丈夫だから、その……」

ｷｰﾝｺｰﾝ

dqn「やべっ」

委員長「あなたがバカな問答をするから時間がなくなってしまったじゃない」

dqn「いやおめーが仕掛けてきたんだろ？ｗ」

根暗「ああもう……」

放課後

委員長「結局今日もこの時間になってしまったわ」ﾊｧ

dqn「別に問題ねーっしょｗ　クラスの連中にコソコソする必要なくて楽だしｗ」

委員長「あなたはそうやって緊迫感ってものが…」

dqn「はぁ？　必要もねーのに監視とか言って、

　　　　若のクラスに転校するように仕込んだストーカー女に言われたくないんすけどｗ

　　　　コーシコンドウってやつじゃねーのｗ」

根暗「あ、あの…」

委員長「一度教育しなおしてあげるべきかしら？」ﾒｶﾞﾈｸｲｯ

dqn「まだ自分がつえーつもりでいんの？　マジうけるｗ」ｽﾞｨｯ

根暗「や、やめてよ二人とも…」

委員長「…若様に免じてこの場は不問にしておくわ」

dqn「うそこけｗ　びびってるべｗ」

ｶﾞﾗｯ

教師「こらーお前ら！」

教師「何をしてるんだ」

dqn「やべ…」

委員長「すみません、これは…」

根暗「あ…」

教師「申し訳ありませんな、若様。なにぶんこいつらも年が浅いので礼儀も知らんし血の気も多い。

　　　後でよく言い聞かせます」ｷﾞﾛｯ

根暗「あ、いえ…その…」

教師「理由やきっかけがどうあれ頭に血がのぼるのは未熟な証拠です。

　　　若様を差し置いていさかいを始めるなど言語道断」

委員長「申し訳ありません」

dqn「うーっす…」

教師「まあ、それは後でじっくりと…dqn、報告だ！」

dqn「う、ウスっ！　昨日の探りではそれらしい奴はひっかからなかったっす。

　　　駅からこっち側全部、下の連中も使って回ったから確かっす！」

教師「ふむ、次、委員長」

委員長「条件に該当しそうな者が昨日新たに５名見つかりました。

　　　　公式の書類には特に異常ないようですが、あちらの偽装も進化していますので」

教師「断言はできんな。５名の調査は？」

委員長「監視をつけましたが今のところ何も。今までの４３名も同様です」

教師「ふむ、さしたる動きはなしか。

　　　　若様」

根暗「はっ？　は、はい、何ですか」

教師「お聞きの通り昨日も収穫はなしです。

　　　だが連中は近いうちに必ず動く。

　　　引き続き学校内では我々が若様を警護し、奴らの動向を探る。それでよろしいですかな？」

根暗「あ、はい…お任せします…」