美希「にゃーん」(14)


p「ふぅ…今日も疲れたなぁ。風呂入ったら寝るかな」テクテク


p「ん? …家の前に誰かいる?」




美希「にゃーん」カリカリ


p「美希?」


美希「にゃ」


p「美希、何で俺の家の玄関引っ掻いてるんだ?」


美希「にゃーん♪」スリスリ


p「…美希?」


美希「にゃん♪」スリスリ


p(取り合えず家に入れたが、何かおかしいような…)


美希「にゃん…にゃーん」トコトコ


p「いちいち付いて回るなって」


美希「にゃーん!」


p「なぜか話しが通じないし」


p「おにぎり作ってみた」

美希「♪」ハムハム


p「ちゃんと手は使えるんだな」


p(しっかし何だ、この状況。美希もふざけてる訳じゃないみたいだし)


p(あれ、ふざけてないならヤバくないか?)


美希「!」スクッ


p「美希?」


美希「にゃーん、にゃーん」カリカリカリカリ


p「外に出たいのか?」


美希「にゃーん、にゃーん!」カリカリ


p「なぁ、それより病院に行こう。診てもらうんだ」

美希「にゃー!」


p「美希…」


美希「にゃー…にゃーん」カリカリ


p「はぁ…分かったよ。ただし俺も着いていくからな? こんな夜に一人歩きはさせられない」ガチャ


美希「んにゃ」タッ


p「あっ、こら! 靴を、美希!」タッ

―道路沿い―


美希「……」


p「はぁ…はぁ…追い付いた…」


美希「……んにゃぁ」


p「ん? それは…」


仔猫「にぃ…にぃ」プルプル

p「仔猫と、もう一匹猫の死体」


p「…轢かれたんだな。たぶん親猫」


美希「…ごはん、有り難うございました」


p「え…」


美希「この子を…どうかよろしくお願いします」


p「………そうか。わかったよ」


美希「……ぁ」フラッ


p「美希!」ガシッ


美希「ぁ…ハニーだ…」


p「大丈夫か?」


美希「今日ね…お出掛けしてたら、この子達に会ったの…」


美希「それでね…このお母さん猫見て、『ハニーなら仔猫さんを助けられるんじゃないかな』って…思って…そこから、あまり憶えてないの」


p「母猫が美希の思念を頼ったのか…」


美希「ねぇ、ハニー…お願いなの」


p「ああ、わかってるから。お前はもう休んどけ」


美希「あは…ありがと…ハ、ニー…」スゥ


p「よく頑張ったな。美希も、猫も」


意識を解放された美希は、深い眠りに落ちていった


あの後、仔猫は引き取り手が見つかって元気に暮らしているらしい
母猫の死体も家の庭に埋葬してあげた


美希「ハニー、仔猫元気かな?」


p「みたいだぞ」


美希「よかったね」


p「ああ。よかった」


美希「…ミキもいつかお母さんになったら、子どもをいーっぱい愛したいの」


p「ん、良いことだ」


美希「あのお母さん猫の分まで、ミキは幸せになるの」


p「…母猫もきっと幸せさ」


美希「それじゃ、ミキは出掛けてくるの」


p「ああ、気を付けろよ」

美希「はーい」バタン



p「…きっと。きっと幸せだよ」




『にゃーん』


おわり

よくわかんないけどおわりでーす

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