ヒストリア「月明かりの夜」(17)

ーーとある夜

コンコンッ

ヒストリア「交代の時間だよ」

「わかった。今開ける」

カチッ...ガチャ...

「入って」

ギィ...

ヒストリア「ねぇ?...どこにいるの?」
(窓から入る月の光で余計に回りが暗い...)

ヒストリア「どう?変わりはない?」スタ...

カチャ...

「止まって。ランプを顔の見える位置まで上げて」

ヒストリア「ちょっと...待ってよ...私に決まってるでしょ」

「私には確信は無い。...ので証明して欲しい」


ヒストリア「...わかったわ」グイッ

ヒストリア「これでいい?ミカサ」

ミカサ「確認した」カチッ...スチャ ジュウオロス。

ヒストリア「!?...ちょっと...私に銃向けてたの?」

ミカサ「暗闇でも人の気配はわかる」

ヒストリア「そ、そうじゃなくて」

ミカサ「?」

ヒストリア「交代に来た仲間に銃なんか向けなくてもいいでしょう?」


ミカサ「仲間とわかっていれば私も銃を向けてなんかいない。ただ、こういう時だから注意は怠る訳にはいかない」

ヒストリア「念には念をってことだね」

ミカサ「そう」

ヒストリア「...あのさ」

ヒストリア「ミカサも少し休んだほうがいいよ?」マドノソトミル

ミカサ「どうして?」

ヒストリア「これからまたエレンのとこに行くんでしょう?」

ミカサ「そう。エレンには私がついていないと」

ヒストリア「ミカサ寝ないつもり?」

ミカサ「仮眠はとるつもりだけど」


ヒストリア「エレンはきっと大丈夫だよ。だからちゃんと休んだら?」

ミカサ「エレンが昼間の実験の後から眠ったままだから...」

ミカサ「そんなエレンには、私がついていないと心配」シュン...

ヒストリア「私はそうやって心配してるミカサが心配...かな?」

ミカサ「なぜ?」キョトン

ヒストリア「さっきあなたが言ったじゃない。こういう時だから...って」

ヒストリア「そんな状態でどうやってエレンを守るの?」

ミカサ「...」


ヒストリア「穏やかな気持ちじゃないのはわかるけどね...」

ミカサ「そんな事は!」

ヒストリア「でも気持ちを切り替えるのも含めてしっかり休んだほうがいいよ?」

ヒストリア「実験から戻って来てからずっと休みなく動いてるでしょ?」

ヒストリア「アルミンが心配してたよ...ミカサが冷静を欠いてるって」

ミカサ「そんな事は......無い」

ヒストリア「でも本当に巨人になれるんだね。エレンって」

ヒストリア「ユミルの時もそうだったけど現実離れし過ぎててどう受け止めていいのかわからないね...」


ミカサ「...」

ヒストリア「ねぇ?」

ヒストリア「ミカサはどうだったの?エレンが巨人になれるって知った時は?」

ミカサ「私は......ただ、生きていてくれてよかったと...」

ミカサ「...エレンの心臓の鼓動は今も覚えている...」

ヒストリア「...」

ヒストリア「...そうだったね。エレンがいてくれたおかげでみんな救われてるんだよね...この間もそうだったね」

ミカサ「うん」


ヒストリア「エレンを取り返せなかったらみんな生きていなかったかもしれないね...」

ヒストリア「ねぇミカサ。...あのとき本当にユミルを殺すつもりだったの?」

ミカサ「...ええ」

ミカサ「...あのときは本当に心の余裕が無かった。エレンを取り返すのに必死で...」

ミカサ「ごめんなさい」

ミカサ「クリスタとユミルは仲間なのに...でも私にはあの判断しかできなかった」

ミカサ「ごめんなさい」

ヒストリア「別に謝る必要はないと思うよ。...あんな事になって動揺してたのは私達みんな同じだったんだから」


ヒストリア「みんな生きるのに必死で...私もどうすることもできなかった」

ヒストリア「なんでだろうね...仲間とか敵とか...なんでこんなにみんないがみ合って生きてるんだろうね...」

ヒストリア「...全然わからないよ」

ミカサ「大切なものを守る事はとても大変なこと」

ミカサ「あのときユミルを殺させないようにあなたが必死だったのもそのうち」

ミカサ「だから私達は戦っている。大切なものを失わない為に」

ヒストリア「...そう。そうだったね」


ヒストリア「ミカサは強いね...それに、自分のやるべき事が見えてるんだね...羨ましいなぁ」

ミカサ「私だってこわい事はある」

ミカサ「巨人と戦っている時は忘れてしまっているけど」

ヒストリア「ミカサもコワイことがあるの?」

ミカサ「この日常が帰ってこないと思うと、とても不安になる」

ミカサ「あの日みたいに」ウツムキ

ヒストリア「...」ハッ

ヒストリア「ごめんね...」


ミカサ「謝る事はない...」

ミカサ「...」

ヒストリア「...」

ヒストリア「ミカサ。エレン...早く目が覚めるといいね」

ミカサ「...うん」

ミカサ「私にはもうエレンしか残されていない...」

ミカサ「家族はもう...失いたくない」

ヒストリア「ミカサ...」クルッ

ミカサ「エレンが巨人になろうと、人類の希望だといわれようと...私には関係ない」

ミカサ「エレンは...私の家族」

ミカサ「大切なかぞ...く...」ガクッ

ドタッ

ヒストリア「!!?」


ヒストリア「ちょっとミカサ!大丈夫!?」ダッ

ミカサ「大丈夫...ちょっとふらついただけ...」

ヒストリア「突然崩れ落ちるからびっくりしたじゃない!本当に大丈夫なの!?」

ミカサ「色々吐き出してるうちに少し気が抜けたんだと思う。体に異常はないから。大丈夫」スクッ..フラッ

ヒストリア「ちょっと大丈夫じゃないよそれ..とりあえず座って」コッチヘ

ミカサ「..ありがとう」

ミカサ「クリスタ..あなたはやさしい..だから悩みも多いんだと思う」

ヒストリア「え?」

ミカサ「あなたは私と違う。あなたにはあなたの強さがある」

ミカサ「私には無い強さが」


ヒストリア「ミカサ...」

ミカサ「誰もが戦っている。自分でも気付いていないだけ」

ミカサ「ただ、その中に何を見いだすかは人それぞれだから」

ヒストリア「そっか...私は自分の事に向き合う事からも逃げてたのね...」ジワッ...グスッ
(人の事ばかり羨ましく見えるのもそのせいだったんだ...)

ミカサ「あなたならできるはず。だって今のあなたは自分を取り返す一歩を踏み出したのだから」

ミカサ「だからきっと大丈夫」ニコッ

ヒストリア「...うん」ニコッ...グスッ


ミカサ「私の事は心配いらない。だから見張りを」モウ、ダイジョウブ

ヒストリア「そうね」スタスタ

ヒストリア「ねぇミカサ...」マドノソトミル

ミカサ「何?」スクッ

ヒストリア「またお話しましょう」

ミカサ「ええ」

ヒストリア「ありがとうミカサ」

ミカサ「?」

ミカサ「ああ...それと..今晩は休む事にする」

ヒストリア「そうだね」フフ

ミカサ「見張りがんばって」クルッ...スタスタ

ミカサ「それと万が一用心には越したことはないのでドアからの間合いは充分に...」クルッ!スタスタ

ヒストリア「もう!わかってるから大丈夫よ」クスクス


ミカサ「ご...ごめん//」

ミカサ「じゃあ。また」スタスタ...ガチャ

ヒストリア「またね」

..ギィ..バタン....タッタッタ...

.....

スタ..スタ.. ..ストッ

ヒストリア「...」ハァ..

ヒストリア「...」

ヒストリア「...」
(ミカサはああ言ってたけどね..)


ヒストリア「私はまだ自分がわからないから...」ボソ

ヒストリア「家族か...」ボソ

ヒストリア「どんな感じなんだろう...」ボソ

ヒストリア「...」

ヒストリア「...」

ヒストリア「...」
(今夜は月が明るいな...)


ーおしまいー

最後まで
お付き合いいただき
ありがとうございました。

淡々と話している
ヒストリアとミカサを書いてみました。

盛り上がる場面もなくすいません。

でわ、またどこかで


こういうの好きよ

このSSまとめへのコメント

1 :  北永野田   2016年11月28日 (月) 08:18:41   ID: jIVuNek9

ヒスミカ楽しかった。
短いながらも読み応えあった。

2 :  東川口   2016年11月28日 (月) 08:53:42   ID: jIVuNek9

神SS

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