モバp「だからー、今月のプロデューサー料を払ってほしいかなーって」
幸子「仰っている意味がわからないんですが……」
p「つまりだな、俺はお前たちアイドルをプロデュースしてるだろ? それについての対価を欲しいと言っているんだ」
幸子「プロデューサーさんはお給料を貰ってないんですか?」
p「もちろん貰ってるとも。でもそれは事務所からであって、アイドルから払ってもらってるわけじゃあない」
幸子「はあ」
p「というわけで、プロデューサー料を徴収しようと思うんだが」
幸子「何が『というわけで』なのかわかりませんが、ボクから差し上げられるものは何もありませんよ?」
p「えっ」
幸子「えっ」
p「幸子は俺に何もくれないの?」
幸子「ボクじゃなくても、プロデューサーさんに何かをあげるってことは無いと思いますけど」
p「なんでだよ!」
幸子「なんでって、プロデューサーさんがボク達アイドルをプロデュースする対価がお給料なのであって、アイドルに何かを請求するのっておかしくないですか?」
p「えっ」
幸子「えっ」
p「こんなの絶対おかしいよ!」
幸子「おかしくないですよ!」
p「なあ幸子、俺ってプロデューサーとしてそんなに無能なのかなあ」
幸子「突然何を言い出すんですか。プロデューサーさんは……まあ、それなりに働いてくれているかと存じますけど」
p「そうだろう? じゃあプロデューサー料くれたっていいとは思わないか?」
幸子「えっ」
p「えっ」
幸子「そもそもプロデューサー料って言葉が今思いつきました感に満ち溢れてて怪しいんですけど」
p「ぐぬぬ」
幸子「お給料貰ってるんですよね?」
p「はい」
幸子「なら、アイドルからせびるような真似はしないでください」
p「せびるとか言うな!」
幸子「他にどう表現しろと……。それ以前にですね、pさんがボクからプロデューサー料なんてねだる必要はないじゃないですか」
p「どういう意味だ?」
幸子「だって、このボクをプロデュースしてるんですよ? これ以上の幸福なんてないじゃないですか!」
p「えっ」
幸子「えっ」
p「一つ聞きたいんだけど、俺って幸せなの?」
幸子「当たり前じゃないですか。未来のトップアイドルをプロデュースできてるんですから、これが幸せでなくてなんですか!」
p「受け持ったからにはトップアイドルにしてやりたいとは思ってるけど、そこまで言うか?」
幸子「フフン、すぐに証明してあげますよ。ですからプロデューサー料なんてものはもう支払ってるも同然なんです」
p「でもさ、気持ちってものが見たいわけよ。別に金払えなんて言わないから、俺にどんな対価をくれるかなって」
幸子「はあ……ご自分がどんなに恵まれているかも自覚してないだなんて、可哀想な方ですね」
p「……」
幸子「……」
p「わかった。お前の気持ちはよくわかったよ」
幸子「そうですか、ご理解頂けて何よりです」
p「俺は他のアイドルに交渉してくる。それじゃな」
幸子「ええ。それではまた」
幸子「――まったく、ボクをプロデュースできて名誉に思うならまだしも、対価をよこせだなんて」
幸子「ちょっと甘やかせ過ぎたかもしれませんね。もっとビシバシ躾けてあげないと!」
幸子(ボク以外の方々もどうせ呆れてるでしょうね。次からの応対を考え直しておこうかな?)
幸子(まずはボク達アイドルに何かをねだろうだなんて根性、矯正して差し上げましょう!)
お友達料金みたいなノリだから突っ込まれたら返す言葉もないでござる
数日後
仁奈「pも早くキグルミに着替えやがるといいですよ!」
p「俺のサイズにぴったりとは、やるな仁奈」
ありす「その前に私がこの前摘んできた苺はいかがですか? 着替えたらフォークも持てないでしょうし」
p「たしかに。この苺、仁奈にもあげていいよな?」
ありす「え? ま、まあ問題はありませんけど」
仁奈「仁奈も食べていいのでごぜーますか?」
p「よかったなー仁奈。ああでもそれじゃフォーク掴めないだろ。はい、あーん」
ありす「むー……」
p「ありすもほら、美味しいぞ?」
仁奈「ありすおねーさんの苺、とってもおいしいですよ♪」
ありす「べ、別に私は……」
p「はい、あーん」
ありす「……あ、あーん」
p「どうだ? あまくて美味しいだろ?」
ありす「それはその、そういう苺を選んで採ってきたわけですから、当然ですけど」
仁奈「ありすおねーさんのお顔が苺みたいに真っ赤でごぜーます!」
ありす「なっ!?」
p「美味いよなあ。さて、まだ残ってるけどそろそろ仁奈のキグルミも着てやらないとな。ちなみにこれって何のキグルミなんだ?」
仁奈「仁奈特製のダチョウさんキグルミですよ?」
p「飛べない鳥でもシリーズ化したのか? まあいいや、着替えてくるよ」
ありす「あ、あのっ! 残りの苺は後で私が、食べさせてあげますから、ご心配なく」
p「おっ、それなら大丈夫そうだな。急いで行ってくる」
仁奈「ありすおねーさん、仁奈にももひとついいでごぜーますか?」
ありす「えっと、はい、あーん。美味しい? ふふっ」
p「お待たせ。意外と動きやすいんだな」
仁奈「仁奈の目に狂いはないでごぜーます!」
p「でもダチョウってこんなに黄色かったっけ? たまにクエッて鳴きたくなるし」
仁奈「pもダチョウさんの気持ちになりやがればわかるですよ」
p「そういうものなのか……」
ありす「プロデューサー?」
p「ん?」
ありす「あ、あーん」
p「あーん。んー、やっぱり美味い!」
ありす「そうですか。選んだ甲斐、ありましたね」
\キャッキャウフフ/
幸子「……」
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