モバマスと恋愛怪談サヨコさんのクロスSSです
サヨコさん既読者向け&6巻までのネタバレ含みますので注意です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1409496684
P「聖靴学園Ⅱの舞台挨拶おつかれ、小梅」
小梅「お疲れ様です…」
P「喉乾いたろ?ほい、お茶」
小梅「あ、ありがと…プロデューサーさん…」
………
小梅「あ、あんなにお客さんが来てくれるなんて…驚いた…」
P「小梅がこれまで頑張ってきたからだよ」
小梅「そ、そう…だったら嬉しいな…えへへ」
P「ん?」ガサゴソ
P「あぁ~すまん小梅、資料忘れてきたみたいだからちょっと待っててくれるか?」
小梅「あ、はい」
P「すまんあ、すぐそこに公園があるから、そこで待っててくれ」
小梅「わかりました…」
P「10分で戻る!」
小梅「………」テクテク
「……………」
小梅「うん、凄かったね…」
「………?………………?」
小梅「大丈夫だよ…この後レッスンだし、まだ元気…」
「!?!?…………!!」
小梅「ど、どうしたの…?」
「…!…!」
小梅「前?」
ドン!
小梅「あうっ…」バシャッ
??「きゃっ」
―ちょっと前―
??「うぅ…迷ってしましました」
「やっぱりな~こうなるとは思ってましたよ」
「土地勘ないのに一人で出歩くから」
「いくら初デートが嬉しいからといって、わざわざ予習なんかしなくても…」
??「だ、だって!稲葉さんとの初デートで失敗したくないんですもん!」
??「失敗して変な人だって思われたくないし…」
(((それは既に思われているんじゃ…)))
??「とりあえず、交番までの道を誰かに聞きましょう!ね!」
小梅「うぅ…」
??「いたた…」
小梅「あ、服にお茶が…あの、ごめんなさい…」
小梅「怪我とか、だ、大丈夫、です……か………」
??「私は大丈夫ですよ、あなたは?」
小梅「う」
??「う?」
小梅「う、うわあぁぁ~~~~~!!!」
小梅の見た女性の後ろ側に居る人達(この中の数人)
http://i.imgur.com/V6wcnee.jpg
??「ど、どうかしましたか!?」
小梅「うわぁ、す、凄い、いっぱい…憑いてる…!」
小梅「パンダさんに…!尼さんに…!く、首なし死体も…!!」
??「!」
小梅「あ、お茶…!でも…これ、何人くらい、いるんだろ…!」
小梅「あ、あの!その、後ろの人達は…」
??(この子、もしかして見えてる?)ダラダラ
ゥメェェェェェェェ!!
小梅「あ、この声…」
P「小梅ぇぇぇぇぇぇ!」ダダダダ
P「大丈夫か、小梅!柄にもなく大声出して、何があった!」
小梅「プロデューサーさん…あの、私がよそ見してて、この人にお茶、かけちゃって…」
P「そうか、怪我は?」
小梅「だ、大丈夫です…」
P「そうか、なら良かった」
P「そちらの方も…」ティン
P「いやいや、今はそんな場合じゃない…この度は白坂が御迷惑をおかけしたようで申し訳ありません」
??「い、いえいえ」
P「そちらの着物も事務所のほうで責任をもってクリーニングしたいと思うのですが…」
??「そんな!そこまでしていただかなくても…」
P「いえ、私達の界隈だとどこにゴシップの目が光っているか分からないもので」
P「将来のためにそういう芽は潰しておきたいんです」
P「それに正式な謝罪もしたいと思っておりますので、私たちを助けると思ってどうかお願いします」
??「ゴシップ?」
P「ああ、申し訳ありません。私芸能事務所モバイルプロダクションのPと申します」
P「この子は所属アイドルの白坂小梅といいます」
小梅「白坂小梅、です」
「いいんじゃないですか、この人からは悪意を感じませんし」
「そうそう、それに着物のクリーニングなんてお金かかるんだから御厚意に甘えましょうよ」
??「う~ん…そうですね、それじゃあ御厚意に甘えさせてもらいます」
P「ありがとございます…え~とお名前をお聞きしても?」
サヨコ「あっすいません、私カシマサヨコと申します」フカブカ
カシマサヨコ(16)
http://i.imgur.com/LiArqKX.jpg
P「それでは5分ほど歩いたところに事務所がありますので着いて来ていただけますか?」
サヨコ「はい、よろしくおねがいします」
小梅「……………」
サヨコ(うっ見られてる、すっごい見られてる、気がする)
サヨコ(横に居るから確信はできないけどすごい視線を感じる)
うたかた「思いっきり見てますね」ヒソヒソ
サヨコ「やっぱり、小梅ちゃんはうたかたさん達が見えてるのでしょうか?」ヒソヒソ
うたかた「どうもそうみたいですね」ヒソヒソ
サヨコ「小梅ちゃんが他の人に言いふらさないといいけど…」ヒソヒソ
パンダ「………あ~!この子、今日見に行こうとした映画の主演の子ですよ」
うたかた「あ、パンダさん!そんな大声出したらっ」
小梅「あっ…映画、見てくれるの…?」
とりあえずここまで
続きは今夜に
再開します
うたかた「ほら、反応しちゃったじゃないですか!」ヒソヒソ
P「どうした小梅?急に独り言なんか」
小梅「プロデューサーさん、あのね、実はサヨコさんの後ろにいpp」
サヨコ「うわあぁぁぁああああ、小梅ちゃんス、ストップ!」
小梅「ど、どうしたの?」
サヨコ「できればそのことは秘密にしてくれないかな…?」ヒソヒソ
小梅「な、なんで…?」
サヨコ「ほ、ほら、プロデューサーさんに変に思われたりしちゃうかもしれないからね?」ヒソヒソ
・ ・ ・
小梅「大丈夫、だよ…プロデューサーさんも、見える人だから…」
サヨコ「え?」
P「ふむ、話の流れからしてその人の後ろに幽霊でも憑いてるのか?」
サヨコ「!?」
小梅「聞こえてたの?」
P「いやこの距離じゃ聞こえるよ」
サヨコ「」
P「ん~」ジー
サヨコ「あ、あわわわわわ」
P「あ~確かになにかいるな、相変わらずぼんやりとしか見えないけど…」
P「なんか白い服来てる人に…なんだ?直立してる痩せたパンダらしき何かがいるぞ?」
小梅「その人は、パンダ柄の服に被り物、してる…他に何人もいる」
P「あ~着ぐるみかぁ…それに何人もいるのか、凄いな」
サヨコ(他に何百人もいるなんて言えない…!!)
サヨコ「あ、あの~」
P「ん?なんですか?」
サヨコ「プロデューサーさんは!…変に、思わないんですか?」
P「変って幽霊が、ですか?」
サヨコ「はい、それにこんなに憑いてるのも…怖くはないんですか」
P「いや、全く」
サヨコ「そ、それはどうして!?」
P「プロデューサーですからね、このくらいじゃ驚きませんよ」
小梅「さ、流石プロデューサーさん…」
サヨコ・背後霊(プロデューサーってなんだ!?)
P「さぁ、そろそろ事務所に着きますよ」
サヨコ「あ、はい」
小梅「事務所に着いたら、いっぱい、お話したいな…ふふ」
………
P「ただいま戻りましたー」
小梅「ただいま…」
サヨコ「お、お邪魔します…」
ちひろ「お帰りなさい、プロデューサーさん、小梅ちゃん」
ちひろ「あら?そちらの方は?またスカウトしてきたんですか?」
P「違います違います、小梅が服にお茶をかけちゃったみたいで…」
ちひろ「あら、それは申し訳ありませんでした」
サヨコ「いえ、もう大丈夫ですから…」
P「なので着物の方はウチでクリーニングするためお預かりするので」
P「ちひろさんはこの方、サヨコさんに変わりの服をお願いできますか?」
ちひろ「はい!それではサヨコさん、ついて来て頂けますか?」
サヨコ「あ、はい」
ちひろ「ふふ、ばっちりの衣装を選んであげますよ~」
サヨコ「えぇ、い、衣装ですか!?」
P「ちひろさん、普通の服でいいですからね」
バタン
サヨコ「う、うぅ…///」
小梅「わぁ…」
P「………」
サヨコ「は、恥ずかしい…///」
パンダ「いつもと和服しか着ないから新鮮っすね~」
うたかた「似合ってますよ、サヨコさん!」
小梅「私も…似合ってると思います…き、綺麗です…」
ちひろ(私「も」?小梅ちゃんしか喋ってないのに?)
P「それではサヨコさん、こちらまでどうぞ」
P「では改めまして…」
P「この度は当事務所モバイルプロダクションのアイドル白坂小梅の不手際で」
P「カシマサヨコ様には大変ご迷惑をお掛け致しまして誠に申し訳ございませんでした」
サヨコ「はい」キリッ
P「本日お召しになっていた着物につきましては当事務所で責任を持って預かり」
P「綺麗になった状態でお返ししたいと思っております」
P「またこのようなことが二度と起きないよう、従業員一同細心の注意をはらう所存です」
P「本日は誠に申し訳ありませんでした!」
小梅「あ、あの今日は、すいませんでしたっ…!」
サヨコ「はい、謝罪お受けいたしました」キリッ
サヨコ「これで終わりですか?」キリッ
P「はい、あとはこちらに御住所のほうをお書きして頂ければと…」
サヨコ「そうですか。それでは…」キリッ
サヨコ「はふぅ~」プシュウ~
P・小梅「!?」
うたかた「あぁ…3分しか持たないまじめモードが…」
パンダ「滅多にない状況のせいか3分も持たなかった…」
P「な、何が…!?」
小梅「え、えとね…憑いてる人が言うには…」
P「はっはっは、成程、そういうことだったんですね」
小梅「あってるよね?」
うたかた「はい、あってますよ」
P「別に畏まらなくても良かったんですよ」
サヨコ「正式な謝罪という以上、こちらもきちんとした態度でいないと、と思ったので…」
うたかた「大丈夫ですよ、謝罪が終わるまでは持ったんですから」
サヨコ「ですよね!」
パンダ「そもそも、今更取り繕ったって意味ないんじゃ…」
サヨコ「はっ!!」
小梅「………だって」
P「はは、面白い人たちだなぁ…」
小梅「あ、あのサヨコさん…」
サヨコ「はい、なんですか?」
小梅「それ、書き終わったら…一緒にお話でも、しませんか…?」
サヨコ「お話ですか?」
小梅「う、うん…良かったらサヨコさん達のこと、聞かせてほしい…だめ?」
サヨコ「あ、いえ、私は良いんですけど…」
P「小梅、この後マストレさんのレッスン入ってたの忘れたのか?」
小梅「あ………」
P「小梅?」
小梅「う、うぅ…じゃあ、メール…!メール、しましょう…!」
サヨコ「すいません、私携帯電話持ってなくて…」
小梅「あぅ…」
サヨコ「う~ん…あっそうだ、小梅ちゃん」
小梅「?」
サヨコ「私これに住所書いておくので、お手紙、というのはどうでしょう?」ピラ
小梅「あ………か、書く…!絶対、書きます…!」
サヨコ「はい、楽しみにしてますね」
ここまで
続きはまた今夜
乙
P「それじゃあ小梅、そろそろ…」
小梅「うん…いってきます…」
ガチャ
P「それじゃあ私は向こうにいますので、書き終わったら声をかけてください」
サヨコ「はい、わかりました」
サヨコ「はぁ…」
パンダ「どうかしたんですか?」
サヨコ「あっいえ、なんでも…さぁ早く書いてしましましょう」
ちひろ「それにしても小梅ちゃんがあんなに懐いてるなんて、珍しいですね」
P「そうですね」
ちひろ「理由とか知ってるんですか?」
P「まぁ…なんというか、霊で繋がる絆というか…」
ちひろ「え…霊!?霊って…あの霊?」
P「はて、どうだったかな?」
ちひろ「ちょ、ちょっとプロデューサーさん!どういうことか説明してくださいよ!」
P「…さ~て仕事しよ」
ちひろ「あ、こら!」
サヨコ「………」カキカキ
うたかた「サヨコさん…」
パンダ「サヨコさんも小梅ちゃんと話したかったんじゃないですか」
サヨコ「………そうですね、少しお話したかったですね」
パンダ「だったらそうすれば良かったんじゃ」
サヨコ「私の我儘で小梅ちゃんのアイドル活動の邪魔をしてはいけませんから」
パンダ「サヨコさん…」
うたかた(相変わらず真面目なんですから)
サヨコ「ですけど、文通しあうことも約束しましたし!」
サヨコ「今日は初めてのペンフレンド記念日です!」
うたかた「サヨコさん…」ホロリ
サヨコ「長居しても御迷惑だろうし早く書きあげましょう」カキカキ
うたかた「そうですね、早くお暇しましょう」
サヨコ「はい!早く帰り…ましょ………ああああああ~~~~!!」
P「!?な、なんだ!?」
サヨコ「プ、プロデューサーさん!」
P「サヨコさん、どうかなさいましたか?」
サヨコ「あの、すいません!お電話をお貸しいただけますか!?」
サヨコ「はい、はい…ではよろしくお願いします」
サヨコ「はい、ありがとうございます、それでは…」
ガチャ
サヨコ「ふぅ…」
P「連絡はつきましたか?」
サヨコ「あ、はい!迎えに来てもらえるようお願いしましたので…」
P「それにしてもよかったのですか?こちらでタクシーを手配しますが…」
サヨコ「そんな!そこまでお世話になるわけにもいきません!」
サヨコ(それに稲葉さんが迎えに来てくれるなんて…)
サヨコ(今日は記念日!稲葉さんのお迎え記念日です!)ニヘラ
幽霊s(…なんて思ってんだろうなぁ)
P「ということは帰るまでの時間が伸びたということですか?」
サヨコ「そう、なりますね」
P「どれくらいですか?」
サヨコ「2時間もしたら来てくれると…」
P「でしたら小梅のレッスンでも見に行ってみませんか?」
サヨコ「え?」
ここまで
続きは仕事が早く終わったら今日中にでも
再開
―レッスン場―
マストレ「よし、それじゃあ始めるぞ」
小梅「はい…よろしく、お願いします…!」
ガチャ
P「お、良かった。ちょうど始まるところだ」
マストレ「おや、P殿。どうしたんだい?」
P「いや、ちょっと見学の付き添いに…」
サヨコ「失礼します…」ペコ
小梅「あ、サヨコさん…」
サヨコ「アハハ…」
小梅「どうしたの…?帰るんじゃ、なかったの?」
サヨコ「まぁちょっと色々ありまして、帰る時間が延びちゃったんです」
P「そこで俺が小梅のレッスンするところを見ないかって誘ったんだ」
小梅「か、帰る時間、伸びたの…?どれくらい…?」
サヨコ「2時間くらいです」
小梅「あ、じゃあ30分くらい、お話しできる…かも…」
サヨコ「ふふ、では楽しみにしながら見学させてもらいますね」
小梅「うん…!頑張る…!」
P「ということなんでお邪魔してもいいですか」
マストレ「まぁ私は構わんよ」
P「ありがとうございます」
マストレ「それにしても、ふむ…白坂があんなに他人に懐いてるとはな…」
P「まあ奇妙な縁がありましてね…」
マストレ「ふぅん、まあいい…白坂そろそろ始めるぞ!」
小梅「は、はい…!それじゃあサヨコさん、見ててね…」
サヨコ「はい」
―30分後―
小梅「ドキドキしちゃう この気持ちはきっと…!」
小梅「はぁっはぁっ…!ど、どうですか…?」
マストレ「まあ、気になるところはいくつかある」
小梅「はい…」
マストレ「だが、久しぶりに歌とダンスを通してした割には良くできているな」
小梅「あ、ありがとうございます…!」
P「サヨコさん、どうでしたか?」
サヨコ「す、すごいです」
サヨコ「あんなに堂々と踊ってて、さっきまで話してた子と同一人物とは思えません」
サヨコ「歌もウィスパーボイスが心地よくて…なんかすごいとしか言いようが無いです!」
P「成程…だと、小梅」
小梅「うぅ…///嬉しいけど、恥ずかしい…///」
P「良かったな」
小梅「はい…///」
マストレ「ふーむ、よし!白坂!今日のレッスンはここまでだ!」
小梅「えっ?まだ、30分しか…」
マストレ「元々、今日は映画の収録で鈍ってないかを確認するための時間だったんだが…」
マストレ「問題ないみたいだしな」
小梅「マストレさん…」
マストレ「ということで、今日は早いが終わりだ」
小梅「じゃ、じゃあ…!サヨコさん、いこ…!」クイクイ
サヨコ「行くって?」
小梅「事務所…!いっぱいサヨコさんのお話、聞きたい…!」
サヨコ「ふふふ、はい、行きましょうか」
小梅「それじゃあ、マストレさん…お先に、失礼します…」
P「気をつかわせちゃったみたいですみません」
マストレ「別に気にすることはないよ」
マストレ「ここでレッスンするよりもあの女性と話してた方が白坂のためになると思っただけさ」
P「慧眼ですね、マストレさん」
マストレ「ははっそうすごいものじゃないよ」
マストレ「それより追いかけなくていいのかい?」
P「片付け手伝ってから行きますよ」
マストレ「それはありがたい」
小梅「ただいま…戻りました」
ちひろ「あら、小梅ちゃん、随分と速いですね」
小梅「うん、今日は早く終わったの…」
ちひろ「あら、それは良かったですね」
小梅「う、うん…」
サヨコ「はぁはぁ…小梅ちゃん早いですね…」
パンダ「というかサヨコさんが体力皆無なんですよ」
サヨコ「うっ」グサ
うたかた「こらパンダさん、いくら真実でも言葉を選んでください」
サヨコ「ううぅ」グサグサ
小梅「ふふっ」
小梅「サヨコさん、こっち、こっち来て…」ポンポン
サヨコ「ふふ、はい今行きます」
小梅「あと、1時間くらいお話しできるね」
サヨコ「そうですね、何を話しますか?」
小梅「あ、じゃあサヨコさんと憑いてる人達のこと、知りたいな…」
サヨコ「皆さんのこと、ですか…その…」
パンダ「ぼくらのことは気にしなくていいですよー」
サヨコ「ありがとうございます、それじゃあパンダさんとの出会いからお話ししますね」
今日はこの辺で
また明日
再開
――――――
――――
――
サヨコ「この黒猫さんがいたおかげでエレベーターに乗らずに済んだんです」
小梅「す、すごい…!!」
サヨコ「でしたよね、黒猫さん」
黒猫「………」
サヨコ「ふふ、照れてるんでしょうか?」
小梅「ふふっ」
サヨコ「私の方からもいいですか?」
サヨコ「小梅ちゃんに憑いてるその子について聞かせてくれますか?」
小梅「この子のこと…?」
サヨコ「はい、もちろん小梅ちゃんとその子が嫌じゃなければでいいんですけど」
小梅「いい…?………うん、ありがとう」
小梅「と言っても、あんまりおもしろくない、と思うけど…」
サヨコ「面白くなくてもいいんです、小梅ちゃんたちのことが知りたいんです」
小梅「ん、じゃあ話すね…」
小梅「この子と会ったのは…私が小学校に入ったくらいの時で…」
小梅「使われてない教室の隅に居たの…」
小梅「最初は幽霊だなんて、思わなくて話しかけたら…」
小梅「クラスの友達から、『誰に話しかけてるの?』って…」
小梅「それから、クラスの友達とも…あんまり遊ばなくなって…」
小梅「家に帰って、ホラー映画、ばっかり見るようになって…」
サヨコ「そうでしたか…小梅ちゃんは、その…辛くはなかった?」
小梅「最初は、ちょっと嫌だった…」
「………」ズーン
小梅「あっご、ごめん」
「………」ケラケラ
小梅「う、嘘…?おどかさないで…もー」
サヨコ「ふふふ、仲がいいんですね」
小梅「えへへ…」
サヨコ「続きを聞いても?」
小梅「うん、最初は嫌だったんだけど…この子のお陰で、いつも楽しいの…」
小梅「それに、ホラー映画に、興味持つようになったし…」
小梅「プ、プロデューサーさんに会えて………アイドルになれて…」
小梅「幸子ちゃん、輝子ちゃん、涼さん達とも友達になれたし…」
小梅「サヨコさんとも、会えました…」
小梅「だから、もう辛いことは忘れちゃった…」
サヨコ「う、うぅぅぅぅぅぅ」ダバー
パンダ「うわ、サヨコさん、ガチ泣き…」
サヨコ「うぅ…良かったね、小梅ちゃん、うん」ギュー
小梅「サヨコさん…苦しい…」
サヨコ「あっ、ごめんね」バッ
うたかた「小梅さんはとても前向きなのですね…」
小梅「そ、そんなこと、ないです…今でも時々爆発しろとか、思う時もあるし」
サヨコ「爆発?」
小梅「ううん、何でもない…次は、サヨコさんの番…」
サヨコ「はい、それじゃあ何を話しましょうか…」
――――――
――――
――
ここまで
続きは土日にでも
再開
P「ただいま戻りましたー」
ちひろ「おかえりなさい、プロデューサーさん」
P「ただいまです」
ちひろ「小梅ちゃんたちに比べて遅いお帰りですね」
P「マストレさんの片付け手伝って、その後帰ってくる時にスカウトしてたんです」
ちひろ「はぁ~それで成果はどうでした?」
P「手ぶらの俺を見てわかりませんか?」
ちひろ「はいはい、わかってますよ、聞いてみただけです」
P「それで小梅とサヨコさんは?」
ちひろ「あの2人ならあっちのソファーで楽しく談笑中ですよ」
小梅「それで…その守護霊は、なんて言いたかったの…!?」
うたかた「箪笥の下にあるお守り刀を取ってくれ、と伝えたかったみたいですね」
サヨコ「正直、あのジェスチャーじゃわからないですけどね」
パンダ「僕なんかついつい『分かりづれーよ!』って手刀ぶちかましちゃいましたしね」
小梅「ふふ、ジェスチャーで話す幽霊もいるなんて…見たかったなぁ…」
サヨコ「ふふふ」
P「楽しそうですね」
サヨコ「あ、プロデューサーさん、挨拶もせずに申し訳ありません…」
小梅「プロデューサーさん…おかえりなさい…」
P「いや謝らなくてもいいですよ…って小梅、お前まだレッスン着じゃないか」
小梅「あ………」
P「汗かいてるんだからちゃんと着替えてきなさい」
小梅「はい…サヨコさん、すぐ帰ってくるね…」
サヨコ「はい」
P「小梅に付き合ってもらったみたいでありがとうございます」
サヨコ「いえ、私もこんなに話したの久しぶりでしたから…とても楽しかったです」
P「それなら良かったです…」
サヨコ「いえいえ」
P「………そろそろサヨコさんのお迎えも来る時間ですし単刀直入言わせてもらいます」
P「サヨコさん、アイドルやりませんか?」
サヨコ「へ?………アイ、ドル?」
P「はい、アイドル」
サヨコ「………」
サヨコ「………………」
サヨコ「………………………」
サヨコ「ええええええええええぇぇぇぇ!!!!!」
サヨコ「わた、わたたたったしが、アイドル?アイドルってアイドル?」
うたかた「サヨコさん落ち着いて!」
サヨコ「だって、私がアイドルですよ、テレビとかに出る!知ってますか!?」
うたかた「知ってます、知ってますから!」
パンダ「スゥー………てい!」ズビシ
サヨコ「あいたっ」
パンダ「落ち着きました?」
サヨコ「うぅ…はい…」
P「うーん、やっぱりいいな」
サヨコ「あの、プロデューサーさん…理由を聞いてもいいでしょうか」
P「理由ですか、そうですね…3つほどあるんですが、まず美人なところ」
サヨコ「びっ!」
うたかた「はい、落ち着いてくださいねー」
P「それと着物姿や所作が美しいところ」
P「あとはそのキャラクターですかね」
サヨコ「キャラクター?」
P「ちょっと天然というか世間とずれた感性をしてるというか…」
P「どこか浮世離れした雰囲気を持っているて思ったら」
P「コロコロと表情を変えて年相応のはしゃぎ様を見せてくれたりと…」
P「まぁ、上げればどんどん出てきますけど」
サヨコ「いえいえっ!もう、そのあたりで…///」
パンダ「ゆでダコみたいっすね」
うたかた「直球の好意に慣れてないんです、仕方ありません」
P「それで、どうでしょうか?」
サヨコ「それは…」
P「もちろん、今すぐ返事をしろというわけでもありませんので」
サヨコ「はい…」
サヨコ「私が、アイドル………」
サヨコ「………」
うたかた「サヨコさん…」
パンダ「サヨコさん…」
背後霊's「サヨコさん…」
『サヨコさん』
サヨコ「プロデューサーさん、私なんかをアイドルに誘っていただいて本当にありがとうございます」
サヨコ「ですが、ごめんなさい!私、アイドルはできません」
P「そうですか…理由を聞いてもいいですか?」
サヨコ「私、つい最近まで他人と触れ合わないように生きてきました…」
サヨコ「一緒に居た人は私の霊障にやられてしまうからです…」
サヨコ「だらら、普通の人の暮らしを諦めてました…」
サヨコ「けど最近、ある人と出会ったんです」
サヨコ「私の霊障が平気な人に…」
P「………」
サヨコ「その人と出会ってからは幸せの連続でした…」
サヨコ「初めての人のお友達、初めての旅行…」
サヨコ「初めての恋人…」
サヨコ「私、今の、彼との時間を大切にしたいんです…!」
サヨコ「ですから、ごめんなさい…」
P「…成程、サヨコさんは今が幸せで仕方ないんですね」
サヨコ「はいっ…!」
P「それなら仕方ない…大人が若人の幸せを邪魔するわけにはいきませんからね」
サヨコ「プロデューサーさん…」
P「ただ、時々でいいから遊びに来てくれませんか?」
P「きっと小梅も喜びます」
サヨコ「はい!是非!」
ガチャ
小梅「ただいま…」
P「お、おかえり、小梅」
サヨコ「小梅ちゃん、お帰りなさい」
小梅「あれ…?二人で…お話中?」
P「今終わったよ、サヨコさんにまた遊びに来てくださいって誘ってたんだ」
小梅「え…ほ、ほんと…!?」
P「本当だとも、ですよね?」
サヨコ「はい」
小梅「ぷ、プロデューサーさん…ありがと…!」
サヨコ「小梅ちゃん、すごい嬉しそうでこっちまで嬉しくなっちゃいますね」
うたかた「はい」
パンダ「あの~さっきのサヨコさんの話で気が付いたんすけど…」
サヨコ「なんですか、パンダさん」
パンダ「なんでこの事務所の人達に霊障効かないんですかね?」
サヨコ「あ………」
うたかた「あ………」
背後霊's「あ………」
「「「あああああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!!!!!!」」」
小梅「!?」
P「っ!?どうしたんですか!?」
サヨコ「あわ、あわわ、あわわわわわわわわわわ!」
うたかた「サヨコさん、落ち着いて!」
サヨコ「あ、あぁ~私は、私は何でこのことに気づいてなかったんでしょう!」
サヨコ「私のバカ!私のバカ!」ガンガン
小梅「サヨコさん…そんなに、机に頭ぶつけてたら…怪我しちゃうよ…」
P「とりあえず何があったのか教えてください」
サヨコ「はっ!そうだ、今は反省することより小梅ちゃんたちのことが先決…!!」
サヨコ「小梅ちゃん、プロデューサーさん、あと事務員の方!」
小梅「は、はい」
P「はい」
ちひろ「私もですか?」
サヨコ「急に気分が悪くなったり、熱や咳が出るたりといった症状が出てないですか!?大丈夫ですか!?」
――――――
――――
――
P「…つまり本当は背後霊は数十人じゃなくて800人ぐらいいて…」
小梅「普段は、その鏡の中に…入ってるけど…」
ちひろ「それでも収まりきらない悪い気、霊障のせいで他人に悪影響がある…ということですか?」
サヨコ「はい、こんな重要なことを伝えていなくて、本当に申し訳ありませんでしたっ!」ガバ
P「まぁまぁ頭を上げてください」
サヨコ「うぅ…最近はいつも稲葉さんと一緒だったから忘れていました…」
ちひろ「まあ、確かにそれが本当の話なら危ないんですけど…」
P「我々、別にどこも悪くなってないんですよね…」
P「小梅なんかずっと一緒にいたわけですし…な?」
小梅「う、うん…全然平気…」
サヨコ「ありがとうございます!ありがとうございます!」
P「良くはわからないんですが、もう霊障がなくなってるってことはないですか?」
サヨコ「それは…ないと思います…」
サヨコ「この鏡のお陰で以前より影響が少ないはずなんですが、完全に消えるなんてことはないと思うんです…」
P「う~ん、だとしたらなんでだろう?」
サヨコ「私もこんなこと2回目です…」
ガチャ
「ただいま戻りました~」
P「お、もう戻ってきたか」
P「お疲れさま、茄子」
茄子「もう、ナスじゃなくてカコですよ~」
P「こずえもちゃんとお仕事できたか?」
こずえ「ふわぁー…ちゃんとーできたよー」
P「そうか、えらいなー。芳乃もちゃんとできたか」
芳乃「何事も問題なくー…万事順調なのでありましてー」
P「クラリスさんも、こずえと芳乃の世話疲れたでしょう?」
クラリス「いえいえ、二人とも良い子でしたので…」
P「ん?あれ歌鈴はどうした?」
こぜえ「かりんはねー…まだしたー」
P「またこけでもしたのか?」
サヨコ「」
背後霊's「」
すいません、>>65修正
×:こぜえ「かりんはねー…まだしたー」
○:こずえ「かりんはねー…まだしたー」
P「仕方ない、ちょっと見に行くかな…ってどうしました?」
サヨコ「いえ、霊障が怒らない理由がわかってしまいました…」
小梅「??」
サヨコ「今帰ってきた方々からとてつもない清い気を感じます…」
サヨコ「つまり、この事務所には清い気を放つ人が何人もいて…」
サヨコ「他の人もその気を身に纏っていたから平気だったんだと、思います…」
クラリス「プロデューサー様、そちらの方は?」
P「名前はカシマサヨコさんといって、あ~小梅の友人です」
クラリス「あらあら…それは喜ばしいことですわね」
クラリス「サヨコさん、これからも小梅さんと仲良くしてあげてくださいね」
サヨコ「はい、もちろん」
小梅「ふふふ…」
芳乃「ジー」
サヨコ「あの、なんでしょうか…?」
芳乃「なにやら良いのやら悪いのやらわからない気が集まっているのでしてー…」
サヨコ「!?」
芳乃「浄化しといたほうが良いのではとー…思うところでしてー」
サヨコ「あ、あわわ」
小梅「や、やっちゃ…だ、だめ…」
芳乃「そなたがそこまで言うのでしたらー無理にすることもないでしょうー」
サヨコ「ほっ」
ガチャ
歌鈴「た、ただいま戻りました~」
P「お帰り歌鈴、なにかあったのか?」
歌鈴「え、えとこの方が下にいらっしゃったのであんにゃいを…(噛んだ)」
「失礼します、カシマサヨコって女性の迎えに来たんですけど…」
小梅「サヨコさん…帰っちゃうんだね…」
サヨコ「そうですね…」
小梅「うぅ…」ジワ
サヨコ「泣かないでください、小梅ちゃん」
サヨコ「今日はここでお別れですけど、きっとまた会いに来ます」
サヨコ「絶対です、約束します」
小梅「本当…?」
サヨコ「はい」、それに手紙書いてくれるんですよね?」
小梅「!…うん、書く、書くから待ってて…!」
サヨコ「はい、それでは小梅ちゃん、プロデューサーさん、このあたりで…」
P「また来てください」
小梅「じゃあね、バイバイ」
サヨコ「はい、またお会いしましょう」
P「行っちゃったな」
小梅「う、うん…」
P「寂しいか?」
小梅「うん…けど、大丈夫…」
P「そうか…」
小梅「うん…あ、あのプロデューサーさん…!」
P「どうした?」
小梅「これからはサヨコさん、私のこと見てくれるよね…?」
P「きっと応援してくれるだろうな」
小梅「私、サヨコさんに、ううんサヨコさんだけじゃない…」
小梅「ファンの皆に、元気だして貰えるように…頑張るから…」
小梅「だから…これからも、プロデュースよろしくお願いします…」
P「ああ、一緒に頑張っていこう!」
小梅「はい!」
おわり
ここで一応本編終了です
見てくださった方、ありがとうございました
明日か明後日にちょっとしたおまけ書く予定なので良かったらそっちも見てください
おまけ
ちひろ「プ、プロデューサーさん!」
P「どうしたんです、ちひろさん、そんなに慌てて?」
ちひろ「サヨコさんは!?もう行ってしまいましたか!?」
P「そうですね、もう後姿は見えないですね」
ちひろ「はぁ~どうしましょう…」
P「何か問題が?」
ちひろ「これを見てください」ペラ
P「これは…サヨコさんに書いてもらった住所じゃないですか、これがどうしたんですか?」
ちひろ「それ実は最後まで書かれてないんです…」
P「えっ!?……あー本当だ、郵便番号でわかるところまでしか書かれてないですね…」
P「どうしてこんなことに?」
ちひろ「多分ですけど…住所書いてもらったときに電話を貸したじゃないですか」
ちひろ「あの時途中まで書いて無かったんじゃないかと…」
P「あーそれで俺がレッスン場に連れて行っちゃったから…」
ちひろ「多分…」
P「参ったな…」
小梅「あの、これじゃあ…サヨコさんにお手紙、書けないの…?」
P「あーそれはだな…そのー」
??「………」
P「どうしたもんか…」
??「そこのスーツを着た男の方」
P「ん?私ですか」
??「あなた方…ずばり迷子の母親を捜索中…ですね?」
P・ちひろ「えっ!?」
??「今の時間は定時というにはまだ早い時間」
??「それなのに貴方は同僚の女性と一緒に外出をしている」
??「そして先程のあなた方の会話から聞こえてきた『住所』『書かれていない』というキーワード」
??「極めつけにその困ったという表情」
??「つまり、あなた方は会社の仕事中にそちらの迷子を見つけた」
??「しかし、その子が持っていたメモには住所が最後まで乗っていなくてどうしようかと迷っている」
??「なあに、簡単な推理ですよ」
P「な、なんて的外れな推理を…!?」
P「確かに彼女は私の同僚で困っていることは当たってますけど…」
P「この子はうちの所属アイドルでこの子の友人を一緒に見送ったから、外にいただけです」
P「困っていることも彼女が手紙を書こうとしている相手の住所が途中まで書かれていたからで」
P「別に母親を探しているわけじゃないですよ」
P「な、なんで泣いてるんですか!?」
??「いえ、その…なんでも…(いや、ここで強気にいかなくてどーする)」
??(今月は大家さんから必ず家賃を振り込めと言われている。仕事のチャンスを見逃すわけにはいかない…!)
P「なんだったんだ…とりあえず事務所に行ってから考えよう」
小梅「はい…」
??「ちょーっと待ってください!!」
P「なんですか…」
??「あのですね、私、こういうもので…」スッ
P・ちひろ・小梅「ああ探偵事務所代表・妻木?」
妻木「はい、相談無s量、調査は一日一万円」
妻木「人探しなら是非、このああ探偵事務所の妻木にお任せを!」
続かない
以上で全投下終了です
見てくれた方ありがとうございました
サヨコさんもおまけのああ探もどっちも面白いので
呼んだことない人はぜひ読んでみてください
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