シャロ「せめて普通の角度で見てください」

青山「それだとインスピレーションが少し不足するかも知れませんね～」

シャロ「いい加減にしないと出入り禁止にしますよ？」

青山「そうですか・・・わかりました　以後控えめにしますね」

シャロ「完全にやめてください！」

青山「善処します～」

シャロ「全く・・・制服がいけないのかしら」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

青山「・・・」

青山「・・・可愛い」

青山（しかも今日はあんな形とはいえお話できましたし幸せです・・・さて）ｽｯ

青山（・・・）ｶﾘｶﾘ

青山（・・・）ｶﾘｶﾘ

青山（・・・やはりシャロさんとの理想の未来図しか思い浮かびません）

青山（いや、もちろん有意義ではあるのですが小説も書けないと色々問題がありますね・・・ああ、どうすれば）ｳｰﾝ

シャロ（今度は頭抱えてる！？）

シャロ「大丈夫ですか？」

青山「あ、申し訳ありません　私は大丈夫です」

シャロ「その、あまり無理しないでくださいね」

青山「！あ、ありがとうございます」ｷﾞｭｯ

シャロ「え、ちょっと何を//」

青山「すみません、喜びのあまりつい」ﾊﾟｯ

シャロ「びっくりしました・・・そんなに喜んでもらえたのならいいですけど」ｽﾀｽﾀ

青山「・・・」

青山「・・・綺麗な手でした」

青山（それに心配の言葉をかけていただけるなんて、今日は人生最良の日です）

青山（とはいえこのお店だと小説が進まない、しかしシャロさんを見たいという問題の解決法も見つけないといけませんね）

青山（・・・いっそ思いを告げられればと思いますが、シャロさんには思い人がいらっしゃるご様子）

青山（どうすれば・・・おっと、これではまたシャロさんを心配させてしまいますね　今日は帰りましょう）ｽｯ

シャロ「ありがとうございましたー」

青山（思えばカフェインファイターを書いていた時からでしょうか、意識し始めたのは）ｽﾀｽﾀ

青山（シャロさんをモデルにしてあの小説を書いて、いつしかシャロさんに引き込まれて）

青山「・・・」ﾊｱ

千夜「あれは・・・青山さん　こんにちはー」

青山「あ、こんにちは～」

千夜「何か思い悩んでいる様子でしたけれど」

青山「・・・よろしければ聞いていただけますか」

千夜「私でよければ」ﾆｺ

甘兎庵


千夜「なるほど、そういうことだったんですね」

青山「はい」

千夜「うーん・・・やっぱり告白するのが一番だと思いますよ」

青山「やっぱりそうなりますか・・・けれど、一つ思う事があるんです」

千夜「なんですか？」

青山「シャロさんは誰かに恋をしていらっしゃるご様子でした」

千夜「つまり振られるんじゃないかと」

青山「・・・」

千夜「確かにシャロちゃんには気になってる人がいるみたいです」

青山「！やはり・・・」

千夜「けど、振り向かせるための努力はやって損はないと思います」

青山「振り向かせる努力、ですか」

千夜「はい、例えばただお店で眺めているだけじゃなくてもっと積極的に声をかけてみるとか」

青山「なるほど」

千夜「そうすればシャロちゃんも青山さんを意識してくれると思いますよ」

青山「頑張ってみます」

千夜「在り来たりな事ばかりで役に立ったかどうか不安ですけど」

青山「いえいえ、参考にさせていただきます　ありがとうございました」

千夜「どういたしまして」



別の日　フルール・ド・ラパン


シャロ「いらっしゃいませー」

青山「・・・」ｼﾞｰ

シャロ「こ、こちらへどうぞ（・・・なんかいつも以上に見られてるような）」

青山（いざとなると声をかけ辛いですね・・・とりあえずいつも通り注文をしてその流れで）

シャロ「御注文は何に致しますか」

青山「ハイビスカスを　それと、あの」

シャロ「はい」

青山「・・・・・・いえ、なんでもないです」

シャロ「かしこまりました（どうしたのかしら）」

青山（あぁ、なんて意気地なしなんでしょうか）ｶﾞｸ

青山「・・・・・・」ｼﾞｰ

シャロ（なんか怖いんだけど・・・もう耐えきれない）

シャロ「あの、青山さん」

青山「はっはい！」

シャロ「わっ」ﾋﾞｸ

青山「あ、すみません」

シャロ「いえ、それはいいんですけど　私に何か御用ですか？」

青山「あ、あの、今週の土曜日って空いていらっしゃいますか」

シャロ「その日はお休みですけど」

青山「その、よろしければ、私とデートしていただけませんでしょうか」

シャロ「で、デート！？」

青山（やってしまいました、いきなりデートなんて申し込んだら驚くに決まってます）

シャロ「いいですけど」

青山「よろしいんですか？」

シャロ「はい　私も青山さんの事ちょっと気になってましたし」

青山（こ、これは脈ありと判断していいのでしょうか）

シャロ「青山さん？」

青山「はっ、すみません　では当日は朝10時に映画館の前でどうでしょうか」

シャロ「わかりました・・・あっ、他の方のオーダーが入ったので失礼します」ﾀｯ

青山「ふぅ、何とかなりました・・・やはり緊張します」ﾄﾞｷﾄﾞｷ


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当日　映画館前

青山（さて、約束の時間までまた少しありますね・・・深呼吸でもしておきましょう）

青山（今日は私が年上なんですからちゃんとリードしないと）ｽｰﾊｰ

青山（なんとしても大人の威厳を見せなければ・・・いけないいけない、また気負ってしまってます）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

シャロ「・・・・・・あのー」

青山「はっ、シャロさん　おはようございます」

シャロ「おはようございます　その、大丈夫ですか？」

青山「は、はい　大丈夫です　心配させてしまってすみません」ﾍﾟｺ

シャロ「それはいいですけど　とりあえず入りましょう」

青山「はい（早速やってしまった・・・いきなりこれで大丈夫なんでしょうか）」ｽﾞｰﾝ

シャロ「それで今日は何を見るんですか？」

青山「今日はこれを見ようかと」

シャロ「あ、これ今話題になってる恋愛ものですね」

青山「シャロさんはこれでいいですか？」

シャロ「はい、私も気になってたので」

青山「じゃあ大丈夫ですね・・・大人二枚お願いします」

シャロ「あ、お金」

青山「ここは私に払わせてください」

シャロ「でも」

青山「私が誘いましたし、年下の方に払わせるわけにはいきませんから　ここは甘えてください」

シャロ「じゃあ、お言葉に甘えて　ありがとうございます」

青山（少しは大人の余裕を見せられたでしょうか）

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青山（結局ほとんどシャロさんの鑑賞で終わってしまいました）

シャロ「話題になってるだけあって面白かったですね」

青山「そうですね（内容をまともに覚えてないとは言えません）」

シャロ「こういう映画を見て参考にしたりとかするんですか？」

青山「そうですね　けどあまり参考にしすぎると盗作になりかねないのでそのあたりは難しいです」

シャロ「なるほど」

青山「さて、次は・・・」



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公園　ベンチ


シャロ「今日はありがとうございました　色々奢っていただいちゃって」

青山「いえいえ、こちらこそ付き合っていただいてありがとうございます」

シャロ「・・・ところで気になってたんですけど」

青山「はい」

シャロ「今日はどうして私を誘ったんですか？」

青山「！」

シャロ「何で私なのかなーって少し思ってたんです」

青山「その、小説のモデルになってくださったお礼としてです」

シャロ「けどそれだったら誘うのにあんなに緊張しませんよね」

青山「そ、それは」

シャロ「本当の事を言ってください」

青山「（もう逃げられそうもありませんね・・・）わかりました、お話しましょう」

青山「単刀直入に言いますと、私はシャロさんの事が好きです」

シャロ「！」

青山「あの小説を書くためにあなたを観察しているうちにその一挙一投足が愛おしくなってしまったんです」

シャロ「・・・」

青山「だから気持ち悪がられているとわかっていてもお店に通ってはあなたを観察していました」

シャロ「・・・そうだったんですか」

青山「本当に申し訳ありません」ﾊﾞｯ

シャロ「そんな、やめてください」

青山「でも」

シャロ「・・・それに私も青山さんの事は気になってたんです」

青山「え？」

シャロ「だって自分をモデルに小説を書いた人の事が気にならない訳がないじゃないですか」

青山「なるほど」

シャロ「それでどんな人なのかなって思ってたらデートのお誘いがあっていい機会だなって思ったんです」

青山「・・・」

シャロ「で、今告白されて、正直驚いてる所です」

青山「・・・あなたに思い人がいらっしゃる事はわかってます、けど伝えずにはいられなかったんです」

シャロ「お、思い人？」

青山「はい」

シャロ「確かに憧れてる人はいますけど、恋とは少し違うかなと//」

青山「そうなんですか？」

シャロ「正直まだよくわからないです//」

青山「・・・では、私の事はどう思ってらっしゃいますか？」

シャロ「今は驚きが強くてよくわからないです・・・けど前より確実に青山さんの事がもっと気になりました」

青山「じゃあ」

シャロ「よかったらまた、誘ってくれますか？」

青山「も、もちろんです　喜んで！」ﾊﾟｱｱ

シャロ「その、気持ちに応えられるかどうかはわかりませんけど」

青山「頑張って振り向かせて見せます！」ｸﾞｯ

シャロ「あ、あの」

青山「はい♪」

シャロ「これからよ、よろしくお願いします//」ﾍﾟｺ

青山「こちらこそ」ﾁｭｯ

シャロ「！」

青山「よろしくお願いいたします」ﾍﾟｺ

シャロ「何してるんですか！///」

青山「シャロさんが可愛かったのでつい」

シャロ「・・・もう//」

青山（勢いでやったものの、やはり緊張します//　それにしてもシャロさんのほっぺた・・・）

青山（・・・柔らかい）



終わり