SATP細胞があると言い張りはや二ヶ月が立とうとしていた。
だけど実験は失敗の繰り返し……
200回以上成功したという事実さえただの妄想ではないのかと思い始める。
『僕と契約して魔法少女になってよ!』
その日、私の運命を大きく変える……
『キュウべぇ』と出会った
―――― 研究室
小保方「実験が成功しない……やはり足りないのね……」
私の実験は後一歩というところで行き詰まっていた。
理研に提出したレポートは真っ向から否定され、学位は取り消しという処分を下される。
それを嗅ぎつけたマスコミはここぞとばかりに記事にし叩く始末。
そしてネット上では佐村河内守と一緒にネタ扱いをされ過去の栄光は今や見る影もない。
私自身、佐村河内守などという存在と一緒にされたくはないのだが世間はそんな事には耳を傾けてはくれない。
勿論、佐村河内守も耳が聴こえないので耳を傾けてはくれない
……名誉回復のため、夢の実現のためにも私はSTAP細胞はありまぁす!ということを証明しなければならなかった。
小保方「高出力のエネルギーが……エントロピーを凌駕するエネルギーさえあれば……!」
SATP細胞は活性化される事によりその効能を示す。
だが未熟な私には細胞を活性化させSATP細胞へと昇華させるエネルギー源を低予算で作り出す事ができない。
わかっていたことだ。研究費のほぼ全てを私利私欲に当てていたことが運の尽きだ。
?「君のその願い……叶えてあげよう! きゅっぷい☆」
小保方「!?」
突然背後から声がしたので振り返ってみるとそこには可愛らしい容姿をした『何か』がいた。
『何か』は兎に似ていてどこぞの魔法少女アニメのマスコットキャラクターとして崇められていそうな感じがする。
そして声音は加藤英美里を連想させ、ツインテールのツンデレ少女がつい頭の中で浮かんだ。
小保方「だ、だれ!?」
キュウべぇ「僕はキュウべぇ……君の願いを叶えにきたんだよ☆」
小保方「願……い?」
キュウべぇ「君の求める『高出力のエネルギー』さ」
キュウべぇ「僕らはそれを<<グリーフシード>>と呼んでいるけどね☆」
グリーフシードという単語は初耳だ。
だがそれが高出力のエネルギーだということに変わりはない……
小保方「その……グリーフシードとやらを私にくれるの?」
キュウべぇ「そうだよ? ただし条件がある」
小保方「条件……?」
キュウべぇ「完成したSATP細胞は僕らに譲渡してもらおう」
僕らと言った……つまりは集団を前提とした発言であるということが伺える。
そして譲渡……
彼らにはSTAP細胞を求める理由があるのだろう。
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