扇風機にチンチン突っ込んだら痛かった話 (42)
そうだな。なんでこの話をしようと思ったかと言うと、その時にちょっとした事を閃いた、あるいは考えついたからなんだ。
つまりだな、この情動を皆にも体験してもらいたい。または知って欲しいのさ。くだらない事だとは思うけどね。ぼくはそう言う事に関しては熱心になるのさ。
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暑い日のことさ。僕は当然の如く部屋のベッドに横たわっていた。
横では普通の扇風機がぶんぶん風を吹かせていた。
当たり前のことだけど、暑い部屋の風を吹かせても生ぬるい風が顔に当たるだけさ。でも、ないよりはマシだったね。
なんで部屋で横たわっていたとか、他にやるべきことはないのかとか言ったつまらない話は、もう綺麗さっぱり置いておこうぜ。
なんたって、僕はそんな事が話したいんじゃなくてタイトル通りの事を話したいだけなんだからさ。
それでも聞きたいって言うなら、涼しい日に十ドルを持って僕の部屋の前にこればいいよ。
おっと、話がそれたね。
僕はこういうことに関しては、てんで駄目なんだ。だから、ひとつの事に集中するってことがね。
これは母さんの股の間から出てきた時からの事だから、見逃してくれるとありがたいね。
つまりだ。
僕はベッドに横たわって、生ぬるい扇風機の風にあたっていたってわけだ。
部屋は煙草の臭いが染み付いててね。
いや、僕はとんでもない煙草飲みなのさ。
なんたって、ちょっと走ったらすぐに息が切れちゃうもんさ。まいったね。
別に煙草が好きって訳じゃないんだ。
煙草をふかしていると、なんだかいたたまれない気持ちになるんだよ。
死んだ弟の事とか、家にいる妹の事とか。
でも普段はそんな事を考えないもんだからさ、煙草で思い出すって訳さ。
そういえば、君には弟の事を話したかな?
いや、弟は良いやつだったさ。本当に、神に誓うね。
ある日のことなんだけど。僕は弟とキャッチボールをしてたんだ。
グローブは親父が使っていたお古でね。
勿論、親父は二刀流ってわけじゃないからお古のグローブはひとつだけだよ。
だから、弟の方のグローブはつい3日前に買ったばっかりの新品だったんだ。
当然僕も新品のほうがいいさ。
でも僕は兄貴だ。だから僕はお古の方を使っていたんだ。
そして弟とキャッチボールをしてて、僕は異常に喉が乾いたんだな。
いや、なんであんなに喉が渇いたか、今でも分からないんだけどさ。
そして僕はグローブを置いて水を飲みに行ったんだ。
飲み終わってグローブの所に行くと、何とお古のグローブが新品になってるのさ。
いや、これはまいったよ。
なんたって反対側にはお古のグローブをもって「早くキャッチボールしよう!」なんて言っている弟がいたんだからさ。
本当にまいったね。
そんなこんなで、本当に弟は良いやつだった。
死んだのが残念なくらいにね。
今でもあいつのことは思い出すよ。
グローブ1つでも人柄なんて言うもんは現れるもんだ。
でも、それ以上にインチキ野朗は多いからね。まいるね。これには。
ああ、また話がそれたね。
いや、僕はタイトル以外の話をするつもりは無かったんだけど。なんでか、まぁ性ってやつだな。
ともかく、僕はベッドに横たわって温い風を受けていた。
全然涼しくないし、むしろ暑くなる様だよ。
暑くて暑くて仕方がなくて、でも外はもっと暑い。
その時の僕は全裸で北極に言っても暑いと言っていたね。これは間違いないよ。
そして僕は腹が立ってきたんだよ。いや、よく考えれば機械に腹を立てるなんてキチガイ以外の何者でもないんだけど、とにかくその時は腹が立ったんだよ。
そして僕は扇風機に拳を挙げたんだ。
ペごん。なんて馬鹿馬鹿しい音を立てて扇風機は床に倒れ込んだんだ。
それでも扇風機は健気にぶんぶんと天井に風を送り続けていたんだよ。
これは革命だったね。
その時の僕の脳内にはコカコーラでも染み込んでいるんじゃないかって言うくらいはじけてたよ。
生憎、僕の股間のものは凄まじく小さくてね。
エッフェル塔のボルトくらいの大きさだと自負してるよ。
僕は女の子と付き合って、良い所までいって、股間のものを女の子に挿れたんだ。
そしたら女の子は目をつぶりながらこう言ったよ。「まだ?」ってね。
ともかく、僕の股間のものは小さいんだ。
何を思ったか、僕はパンツから一物を取り出した。
もうギンギンでね。止まらないってのが自分でも分かるんだな。
まぁ僕がギンギンになったところで爪楊枝が一本から二本になった程度の変化しかないんだけど。
そしてそれをまだ回り続ける扇風機に狙いを定めたんだ。
扇風機は【強】でね。いれたら絶対痛いって分かってたよ。でも、分かっていてもやらなければならないことって言うのはあるだろう?
それがこれだったんだな。
ぶんぶん回り続ける扇風機の羽は、なんだか僕を誘っているような(絶対錯覚だけど)気がしたんだ。
そして一物が扇風機の網に当たったんだ。
ひんやりしていたね。
暑い部屋の中で、唯一そこだけが冷えていて優しいようなそんな気がしたんだ。
そしてぬぽんと音をたてて僕の一物は扇風機の中に入ったんだ。
もちろん、まだ羽には当たっていなかったよ。
扇風機の生ぬるい風も、ここまで来るといい具合の風だったんだ。
そのいい具合の扇風機の風を股間で感じながら三分はジッとしてたかな。
なんだか、股間の一物でぶんぶん回っている扇風機の羽に触れたくなってきたんだ。
いや、どうかしていたと思うよ。
でも、その時の僕はとても当たり前の事だったんだ。
そして僕は、股間一物を腰で押し込んだ。
ガガガガと洒落にならない音が響いたね。
その時、僕は股間の一物が扇風機の羽に触れた瞬間に、とんでもなく芸術的な、官能的な、それでいて音楽的な物を味わったんだ。
とんでもない音がしてるわけだけど、それが僕の股間から出ているんだ! いや、まいったよ。本当に!
僕が話したかったのはこれだけなんだ。
この後僕の股間の物はどうなったとか、どうして病院に入院したとか、なんで妹にビンタされたとか、そう言う話はどうでもいいんだよ。
病院ではどうしてこんなことをしたのかと言うことや、これからどうしたいとか聞かれるけど。実は僕も良くわからないんだな。
股間に扇風機を入れたことと同じように、やってみなければ分からないこともあるだろうからね。
実を言うと、僕はこの話を大勢の前でした事を後悔してるんだ。
だからこの話は誰にも話さないのが正解さ。
だって、話したら目の前の扇風機に突っ込みたくなっちゃうだろうからさ。
完
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