上条「俺なんかが人を救おうだなんて、おこがましかったんだ」 (63)

あいつは、最後の最後で救いを拒み、そして消えた。

そもそもあいつにとっての救いって何なんだろう?

俺はあいつの心を誰より理解した気になっていたけど、違っていた。

…いや、そもそもあいつを生かそうと思いついたのは俺一人だけ。
あいつは俺が来なければあのまま「笑顔の殺人」を受け容れていただろう。
あいつが死を望んだことは、俺が誰より知っていた。
生かしたいなんて、俺の独りよがりでしかないのは、初めからわかっていた。

あいつがそれでいいなら、俺が口出しする義理なんて、なかった。

俺なんかに、他人を幸せにする資格なんてなかった。



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俺なんかが人を救おうだなんて、おこがましかったんだ。

短いですが、今日はここまでにします。

もしオティヌスが妖精として復活しなかった場合、上条さんがどうなるかをを書いてみたいなと思いました。
ssは初めてですが、生暖かい目で見ていただけると、幸いです。

アンジェレネ「あの人がイギリスに!?」

神裂「三日前に非公認の魔術結社によるテロがおきたでしょう?禁書目録が召集されることになりましてね」

アニェーゼ「保護者同伴ってわけですか。しかしあの少年、デンマークの一件以来、魔術的な事件に一切関わってやがらねえらしいですが」

アンジェレネ「シスターアニェーゼったらずっと会いたがってましたもんね」

アニェーゼ「だまりやがれってんです。べ、べつに寂しかったとかじゃなくて、あの少年にしては随分大人しくなりやがったなって言いたいんですよ」

ルチア「あれから今や7月の下旬…。あの少年、耳にした情報によれば1月の終わりまで入院してたそうですね」

ルチア「学業に励んでいるのでしょうか?」

アニェーゼ「ないないw」

アンジェレネ「ちゃんと進級できたんでしょうか?」

アニェーゼ「あの少年のIQじゃ絶望的ですよ」

ピンポーン

アンジェレネ「?はーい!」

ガチャ…

?「…」

アンジェレネ「…えーっと?」

ルチア「シスターアンジェレネ!来客の際はドアを開ける前にどなたかの確認…を…?」

?「…」ニコ

ルチア「(英語)あの、どちらさまでしょうか?」

?「久しぶりだな、アンジェレネにルチア。神裂とあにぇーぜはいるか?」

ルチア「えっ?」

アンジェレネ「その声…」


上条「俺の顔、忘れちまったか?まあ半年以上会ってないから仕方ないか」

上条「お邪魔します…」

神裂「…」

アニェーゼ「…」ソワソワ

アンジェレネ「…緊張してるんですか?」

アニェーゼ「なっ!?違いますよ」

アンジェレネ「さっきからずっと落ち着きがないですけど」

アニェーゼ「落ち着いてます!」

ルチア「落ち着いてくださいシスターアニェーゼ」

アニェーゼ「だってアンジェレネが…」

上条「元気そうだな」

アニェーゼ「…う…」カアア


アニェーゼ(そんなことよりほんとにあの少年なんですか!?)ひそひそ

アンジェレネ(声聞いたでしょう?たしかにちょっと雰囲気変わってますけど)ひそひそ

アニェーゼ(だってウニ頭じゃなくてショートヘアですよ!?)

神裂(髪型で彼を判別してたんですか!?)

ルチア(まあウニ頭以外にこれといった特徴はありませんでしたが)

アニェーゼ(なんですかあの細い体!?もうちょっと筋肉ついてやがりませんでしたっけ?肌だってめっちゃ白いから女に見えます)

神裂(今でも定期的に通院してるそうで…もしかしたら病気じゃ…)


上条「…インデックスのことなんだけどさ」

女子「「「「ビクッ!!」」」」

上条「四人で顔くっつけて何はなしてんだ?」

神裂「だ、大丈夫、なんでもありません。…インデックスが?」

上条「すでに宮殿に行ってるんだって。夜はあいつ一人でここに泊まるらしいから、部屋を用意してくれないか?」

神裂「あ、はい」

アニェーゼ「つうか禁書目録が宮殿に到着しているなら、もうすぐ会議が始まるんじゃ…」

神裂「そうですね…。すぐには始まらないでしょうが、そろそろわたしも」

上条「それと…」

アンジェレネ「?」

神裂「まだ言伝があるのですか?」

上条「言伝はもうないよ。アニェーゼ、それに神裂」


上条「ありがとう」


アニェーゼ「えっ」

神裂「っ!」ドキッ

上条「デンマークでのことは、本当に感謝してる。ふたりの力添えがなきゃ、今俺は呼吸をしていない」

アンジェレネ「…」

上条「その力添えも、俺は無駄にしちまった。あいつを、俺は死なせちまったから。
…もし俺に協力したことでイギリス清教に冷遇されてたり、仲間から孤立しているなら」

上条「本当に申し訳なか「インデックスに謝りましたか?」

神裂「あなたのことを誰より心配していたであろうインデックスの気持ちは分かっているのですか?」

上条「…昨日、飛行機に乗る前日に謝った」

神裂「彼女を含めて、あなたの周りの人間たちは本当にあなたのことを心配しています。あなたに危ない目にあってほしくない。あなたに傷ついてほしくないと」

上条「…」

神裂「12月に見舞いに行ったとき、『幸せな世界』の話をしてくださいましたよね?
インデックスが『禁書目録』ではない、私とステイルの思い出を失っていない平凡な女の子である世界の話を」

アニェーゼ「またその話ですか?私ゃぶっちゃけ記憶のないこと謝られても」

アンジェレネ「わたしとシスタールチアはその世界でも一緒だったんですよねっ!」

ルチア「二人ともお静かに」

神裂「私は己の無知とあきらめゆえに彼女を苦しめ、彼女との思い出を放棄しました。いまさらそれをなかったことにするつもりはありません」

上条「…インデックスはお前とステイルとアウレオルスが是が非でも救うべきだった。
俺の出る幕なんてそもそもなかった」

神裂「…貴方には申し訳ないが、貴方でなくてもインデックスを守れるものは清教に多くいます。ですが」





神裂「あなたには、インデックスがいなきゃだめです」



上条「…」

神裂「そろそろいきます」

上条「…あのさ」

神裂「?」





上条「記憶失う前のインデックスに同じこと言えんの?」



今日はここまで

>>16訂正
神裂「貴方を生贄に幸せになりたいとは思いません。

たとえ貴方に私たちを救う権利も義務も本来無かったとしても、現実に助けてくれた貴方には感謝しているのです。
みんな貴方のことを気にかけている。みんな貴方を生贄に過去を取り戻そうなんて思っていない。
貴方が危ない目に遭っているなら、私は冷遇されようが孤立しようが貴方を助けに行きます。…少なくとも、

私は、貴方には無茶をしてほしくない。死んでほしくない。貴方の心を全否定してほしくないのです」

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上条「…」ムスッ

アンジェレネ「…」

ルチア「…」

アニェーゼ「…どうすんですか」

上条「何が」

アニェーゼ「神裂さんのことに決まってんでしょうが」

アンジェレネ「そっそうですよ、あんな意地悪な質問なんてして」オロオロ

上条「そんなつもりは無かった」

アニェーゼ「神裂さん涙目で出かけやがりましたよ?せっかく謝りやがってもこれじゃ無駄じゃねえですか。
大人びても馬鹿は相変わらずですね」ハアー

上条「…否定はしn「開き直んな」


アニェーゼ「貴方の謝罪を神裂さんから聞いたとき、みんな困惑していましたよ?そりゃあ理論上はあり得るんでしょうが」

上条「…」

アニェーゼ「あなたにとっちゃ満足できねえ回答だったとしても、彼女なりに悩みやがった結果たどりついた答えですよ?貴方に死んでほしくないつってんですよ?
喜ぶべき事態なのに、どうして穿り返しちまうんですか」

上条「…俺は」

ピルルルルルルルッ

上条「悪い」ピッ

上条「もしもし…建宮か…ウン…すぐ行く」ピッ

上条「そろそろ行くわ」

アニェーゼ「何処に?」

上条「天草式が日本人街に住んでるだろ?あそこに泊まるんだよ。
…神裂には改めて謝っておく…じゃあな」スタスタ

ギィ・・・バタンッ

アンジェレネ「…あんなに無愛想でしたっけ?」

アニェーゼ「もう知るかってんですよあんなやつ…はあっ」


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ー日本人街

上条「…このアパートでいいんだよな」

ピンポーン

ガチャ『hello?』

上条「俺だよ、上条当麻だ」

香焼『上条さん!?おひさしぶりっす。今開けに行きますね』

『ちょ、香y』ガチャ


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上条「…いつまで待たす気だ?」

ガチャ

対馬「いやごめんねまたs…せて…」

上条「お久しぶりです。…もう入っていいすか」

対馬「あ、ああちょっと廊下で待っててくれない?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「…………!」

「…………!?」


上条「なにをもめてんだあいつら」

上条(ちょっとのぞいてみるか)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ガチャ

上条「なあいつまで待たすk「きゃああああああああああああああああああああああああ!?」

ゴッシャああああああああああああああああああああああ・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上条「……痛…んん?」

香焼「あ、起きましたよ」ホッ

諫早「すまなかったな。待たせた上に怪我までさせて」

上条「…お久しぶりです」


建宮「準備はできたか?」ヒソヒソ…

対馬「もう部屋の中よ…はあ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上条「準備が済んだから呼んだんじゃないのか?」スタスタ

建宮「いやあ玄関で待たせちまって悪い悪い。五和がごねたもんだから」スタスタ…ぴたっ

上条「?…まあいいや、お邪魔しまーす」ガチャ








大妖精チラメイド「お、オカ、…お帰、リな、サイまセ、ご主j「間違えました」

バタン!!


上条「…何未成年をイメクラに入れようとしてんだ」

建宮「疲れただろう?メイドさんに膝枕でもしてもらうといい。初回は無料なのよな」

上条「メイド喫茶で遊ぶ金なんて無えよ。つうかイギリスでも需y」

バタン!!!!

ガシ

上条「ちょっt」グイ

バタン!!!!!!!!


シーン…

建宮「夕飯までごゆっくり」にやり

明日からサークルの合宿が一週間あるのでしばらく空きます。

更新遅れて申し訳ありませんが、今日はここまでです。


ーバッキンガム宮殿ー


神裂「…」

ステイル「神裂」

神裂「…」

禁書「…かおり?」

神裂「」ハッ

禁書「会議の前から元気が無いみたいだけど」

神裂「何でもありませんよ…心配をかけましたね」

禁書「…ひょっとしてとうまと揉めたの?」

神裂「ッ…」



五和「…」

上条「…」カリカリ

五和「…上条さん」

上条「何」

五和「なにをやってらっしゃるんですか?」

上条「宿題。早いうちに少しずつやっとこうと思って」


ステイル「まだあの男の御伽噺に惑わされているのかい?」

神裂「ステイル…っ」

ステイル「僕たちにはあの男のほら話を確かめる手がかりも義理も無いんだ。仮に真実だとしてあの男の話す「世界」が戻ってくるわけでもない。所詮は思春期の妄想にすぎないよ。何が違う?」


五和「あ…あの…お手伝いしましょうか?(ここでアピールしなきゃ)」

上条「…」じっ

五和「…///」ドキドキ

上条「…ここの英文なんだけどさ」

五和「!…あ、はい」ずいっ



プルン



上条「…」


神裂「…インデックス」

禁書「なあにかおり」

神裂「彼の最近の様子を知りたいのです。…随分と痩せたようですが」


五和「…Bの文を入れると前後の文章の意味のつながりがおかしくなりますね。Aが正解だと思います」

むぎゅ…

上条「…そうか」ぱたん

五和「上条さん」

ごろん

五和「えーっと宿題は…?」

上条「今日はもういいや。ありがとう」

五和「え…あの…?」

上条(んな格好で密着されたんじゃ集中できやしねえ。あのクワガタぜってえこの部屋覗いてるだろ)


禁書「かおりにあの話をするまではかなり荒れてたけど、少ししたら人が変わったように穏やかになったんだよ、とうまは。
3月までは補習や通院で帰りが遅かったけど、最近は揉め事には関わってないみたいだし、一緒にいる時間は増えたかも。
…正直、安心してる」

禁書「…とうまは今回は危険な目に遭う必要は無いんだよね?大丈夫だよね?
とうまと「あの人たち」は、何が起きても、絶対に関わらせちゃいけないんだよ」


五和(ね…寝ちゃったのかな…起きませんよね…?)

上条(…アニェーゼの言うとおりだ)

五和「わ…わたしも寝ようかな~…////」むぎゅ

上条「神裂にあんな態度とるべきじゃなかった。今はインデックスを俺に託しているとはいえ、女王様や神裂たちの上司の考え次第で引き離され、「首輪」を再装着されないとも限らない。それを防ぐためにどんな状況でも動いてくれそうなのは…あの二人ぐらいなもんだぞ…)

五和「~~///」すりすり

上条(…おれってやつは…)

ステイル「さすがに相手が特殊だからね。その心配は無いと思うよ。個人的にもあの男の間抜け面をみれなくて大いに幸いだ」

神裂「滞在中の彼の衣食住と安全は天草式が責任を持ちます。なにも心配はありませんよ」

禁書「かおり…どうか…とうまをよろしくね」


上条「浅はかだな…」



五和(………)ぞっ







 2014年11月某日


上条「…」

禁書「とうま」

上条「なんだよ」

禁書「病院食たべないの?」

上条「お前が食えばいいだろ」

禁書「ずっと同じこと言ってるじゃん。おなかすかないの?」

上条「すかない」

禁書「…おなかすかないなら「せんぱい」の言うように出かければよかったのに」

上条「さむいからやだ」

禁書「せめて中庭に出たら?」

上条「さむいからやだ」



禁書「…」

上条「心配しなくてもあと数日で通院に切り替えるよ。学校行かなきゃだし、入院費使いたくないし」

禁書「…オティヌスはとうまを洗脳したんだよ」


上条「お前魔導図書館のクセに先輩と同じこと言うのか」

禁書「世界の改変を何度も数億年規模で行ってとうまを念入りに洗脳したのかも。
でなかったら魔神としての力を放棄しようとは思わないんだよ」

上条「違う!あいつは俺という理解者を得たからこそ、あいつの世界を復活させることを放棄したんだ。でなければこの世界をあいつの命と引き換えに修復したはずが無いんだ!」

禁書「素人のとうまにどうして魔神の心が理解できるって言うの?そんなこといって直前までオティヌスが死を望んでいたことに気づかなかったのはとうまなんだよ。
きっととうまのことだから知らないうちにあの女をひっかk「もういい」…っ」

上条「図書館様のご高説なんてなんの慰めにもならない。もう夕方なんだからお前は小萌先生のところへもどれ。帰り道で連れ去られてもしらねえぞ」






禁書「…とうまの分からず屋っ!」









禁書「…とうまの分からず屋っ!」












禁書「…とうまの分からず屋っ!」













上条「…っ」



チュンチュン



上条(チラメイドがいなくなってる…今何時だ?)モゾモゾ



スマホ{7:12 7月25日} 



上条「…めしも食わずに寝ちまったのか」




上条「…おはようございます」

対馬「あ、おはよう上条君。昨日は熟睡してたわね?」

上条「建宮や五和は?」

諫早「仕事で人数率いて言ったよ。今残っているのは私と対馬だけだ」

上条「…ほんとに俺は今回何もしなくていいんだよな?」

対馬「あのシスターは宮殿から最大主教や女王様と一緒に現場の建宮たちを指揮するだけだから、かなり安全だと思うよ?」

上条「…ならいいんだけどさ」

諫早「しばらくゆっくりしていってくれ」


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