P「貴音が尻になった?」 (66)
P「んん?」
P(これは……桃……いや………………尻か?)
P(尻の部分だけしかない。不自然きわまるが現実だ)
P(しかもこの尻……もっちりとした重量感、それでいて吸い付きそうな肌……)
P「……貴音……?」
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P(胴体や腕や足はどこだ?まさか猟奇殺人?)
P(……違うな、どこにも出血の後など見られない)
P(むしろ尻だけで存在しているのが自然とでもいうような……)
P(一糸まとわぬ見る者全てを誘う完成された美……)
P(ハハッ馬鹿な、これは精巧にできたジョークグッズかなにかだろう)
P(俺を驚かせようと誰かが用意したに違いない)
P(今事務所の中には俺とやよいと……響)
P(同考えても悪戯なんてしそうにない面子だ)
P(そもそもコレは本当にジョークグッズなのか?)
P(やはり貴音そのものなのでは……)
P(間近で見てみてもわからん。…………尻が……震えている?)
P(違う……)
P(震えているのは尻じゃない…………俺だ)
P(動揺しているのか?幾多のトップアイドルを輩出する敏腕プロデューサーであるこの俺が)
P(…………まずは落ち着こう。深呼吸だ)
P(うん)
P(仮にだ)
P(仮にコレが本物の貴音だとしよう)
P(昨日までは普通の人間だったんだ。何か困っているとすればあちらからアプローチがあるはず……)
P(俺はいつものように頼れるプロデューサーであればいい)
P(大人として踏んできた場数が違うんだ)
ピクク
P(うん?貴音尻カッコカリの肛門部分がヒク付いて……)
P(かすかな風……口笛?そうじゃない……これは)
貴音「あなた様?」
P(やはり……)
P(貴音……お前か)
貴音「おはようございます」
P「ああ、おはよう」
貴音「今日は真にいいお天気です」
P「まったくだ。こんな日に仕事だなんて残念だよ」
貴音「まあ。社会人であるあなた様がそんな事をおっしゃられては、ふふっ」
P「ははは」
P(話せてる。普通に話せてるぞ!)
P(やはり俺が動揺するなんてありえんのだ)
貴音「あなた様」
P「ははは、なんだ?」
貴音「らぁめんが食べたくなりました」
P「難易度たけぇ!!!」
P「これは無理だわ、想定していた困っていた事に当てはまらねえもん!」
グギュルルルルルル
貴音「恥ずかしい」
貴音「お腹が鳴ってしまいました」
P(どっちかって言うとお腹下ってそうな音だこれー!?)
P(お腹壊してんの?出しちゃうの?出ちゃうの?大サービスなの?)
貴音「それで、あなた様がよろしければ早速向かいたいのですが」
P「あ、トイレだったよな!?」
貴音「……面妖な」
やよい「う~?プロデューサー、さっきから何やってるんです?」
P「や、やよい」
やよい「?」
P「いや、なんでもないよ。あずささんがまた迷子になったらしいと電話でな」
やよい「そうだったんですか、それは心配です」
P(そうだった。今この事務所には、やよいと響がいるんだった)
P「やよいは優しいなぁ」
やよい「そ、そんなこと」テレテレ
P「貴音の相棒ともいえる響なら尻を見ても大丈夫だろうが、やよいにこの光景は見せられん」
響「やよいー、そんなに心配だったらあずささんにメールでも送ってみたら?」
やよい「それいいですね、よ~し……」
P「ありがとうな響。助かった」
響「いいよ、自分だって今の貴音をやよいに見せたくないさー」
P「!?」
P「響、お前気付いて……!」
響「自分、完璧だからな!」
P「てっきり二人とも気付いてないものだとばかり……」
響「あ、やよいは全然気付いてないよ」
P「気付いてたならお前だけでも手伝ってくれればよかったのに」
響「だって正直関わりたくないもん」
P「だよね!」
.
響「とにかく終わったら教えてね。それまで貴音と一緒の仕事できないし」
P「あっ、おい」
響「やよいの注意を引き付ける人間も必要だよね!」
P「それなら仕方がないな!」
P「それじゃあ俺は桃尻、いや」
P「鬼尻退治と……洒落込もうか」
.
P(とにかく、だ)
P(外には絶対に出せない。出したくない、出したら765プロの社会的生命が終わる)
P(一番いいのは人目に付かないようトイレに閉じ込めておく事だが……色々出しても安心だし)
貴音「あなた様?」
P「ん?」
貴音「らぁめんは食べにゆかないのでしょうか」
P「も、もう少し待ってくれないか?」
P(くっ、こいつ……もしかして分かった上で言ってるのか?)
貴音「ふふふ」
貴音「代わりにと言っては何ですが」
P「代わり……だと?」
貴音「はい」
貴音「戸棚に備蓄してあるぽっきぃを食べさせてはいただけないでしょうか」
P「なっ!?」
貴音「小腹を満たせばお腹がなるのは止むでしょうし」
P「それならお腹がなるのは止む……」
P(どころか加速するじゃん!出ちゃうよ!ノンストップだよ!)
P「……それも駄目だ」
貴音「なんと」
貴音「……」
貴音「今日のあなた様はいけずです」
貴音「これでは今日のお仕事が出来ないではないですか」
P「え!仕事するつもりだったの!?」
貴音「マニキュアの乗りがよかったので撮影を楽しみにしていたのですが……」
P「そもそも爪なんかねーよ!」
貴音「ああ……ぽっきぃ」
貴音「おぽっきぃ様……」ヨヨヨ
P「うっ」
P「……」
P「……一本」
P「一本だけなら」
貴音「よいのですか」パアアアアア
P「!いや、沢山でも良いぞ!」
貴音「なんという男ぶり」
P(そうだ、ポッキーの束で穴に栓をすれば……もう何も怖くない)
P(まさに起死回生の策……イケる!!)
響「あー、そのポッキーだけど」
響「この前ぴよ子が一人ポッキーゲームとか言って食べてたぞ」
P「あんのトリぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
.
P「この尻どうしようマジで」
貴音「あなた様あなた様」
貴音「どうやらお困りの様子」
P(お前のせいだよ!)
貴音「お尻で困っているのですね」
貴音「あア、ナルほど。もしかして、ぢ……なのでしょうか」
P「……」
P「今なんて言った?」
貴音「なるほど……と申しただけですよ」
P「……」
貴音「……」
P「……なあ貴音。おま」
貴音「あな」
P「!」
貴音「……た様」
P(アナルという単語を連想させるようなこの不自然な間……)
P(……俺を試しているのか?)
貴音「あな」
P「!あー!あー!」
貴音「……た様」
P(向こうにいる大天使やよいにアナルなど聴かせるわけには!)
貴音「あな」
P「!わっほい!わっほい!」
貴音「……た様」
P「なんだよ、なんなんだよ」
貴音「くしゃみがでそうです」
P「くしゃみって……」
P(それおならじゃねーか!)
P「おいやめ」
貴音「はっ……」
貴音「はっ」
貴音「はっく」
P「くっ響ぃ!」
響「えっ?」
P「ちょっと早急にこの書類を確認してくれこれも次のライブのため大事な事なんだ
さっさとくるんだハリーハリーはやくしろっ!! 間にあわなくなってもしらんぞーーっ!!」
響「うぎゃああああああああああああああああああ!!!」
貴音「はっく…………………」
響「ハム蔵ブタ太イヌ美コケ麿シマ男へび香オウ助うさ江モモ次郎!
ここで死ぬ自分を許してぇー!」
貴音「…………………………ふむ」
貴音「おさまってしまいました」
P「そ、そうか」
貴音「なにやらすわりが悪いです」
P「何を言ってるんだよ、すわりごこちは満点じゃないか!」
響「みんな!自分が死んだらプロデューサーを呪うんだぞ!ううう……」
貴音「まだ多少のど元に異物感が……」
P「はっはっは、トイレでペッしたほうがいいんじゃないか、な?響」
響「自分に振られても困るさ!というかさっき盾にしようとしたでしょ!」
響「自分だって、その……おな……おなr……くしゃみは浴びたくないさ!」
P「大丈夫!においなら負けてないぞ!」
響「フォローどころかトドメの一言だよ!ばかぁ!臭くないもん!」
貴音「あ……またくしゃみ」
P「な、なにぃ!」
響「もうやだぁ!」
貴音「あなた様!」
P「おう!」
貴音「大きいのがきます!」
P「なんだとぉ!?」
貴音「私のくちをふさいでください!早く!」
P「ええ!?」
貴音「あなた様にはめいわくをおかけしてしまいますね」
P「そう思うなら素直にトイレに行けばいいんじゃ……」
貴音「イヤです!」
P「えー!?」
P「はあ……しょうがないな」
P「それで」
貴音「はい」
P「直接触っていいのか?」
貴音「ふむ?」
P「風邪の菌とか気になるかなーって」
貴音「それではそこに置いてあるますくを着けてくださいますか」
P「……パンツじゃねーか!」
貴音「はて?これはますくですが……おかしな事を申されますね」
貴音「とにかくこれでよしなに」
P「………………」
P「こ、これは……」
P「貴音にパンツを履かせながら合法的にいろんな所をモミィ!出来るプラグ……」
P「しかし…いくら魅力的な貴音尻といえこんななし崩し的に触れるなんて…………」
尻は歪んだLabyrinth
理性を失う……
P「Guilty……」キリッ
貴音「……まっこと面妖な」
.
響「ぷ、プロデューサー。キケンが危ないぞ」
P(はっ!?浮かれるな俺!)
P(一見ご褒美にも見える今の状況だが、一歩間違えれば大惨事だぞ!)
響「明日になれば戻ってるかもしれない、わざわざ自分からキケンに飛び込む事はないって」
P(一番怖いのは失敗する事じゃあない)
P(確かに失敗は怖い)
貴音「あなた様?」
P(だが、いつまでも……なんにも行動しないままで……)
P(俺を信頼してくれるアイドルの気持ちを裏切る方がもっと怖い!)
P(響!あしたっていまさッ!)
貴音「あな……」
P「いいな!触るぞ!」
貴音「え?ええ」
P「……触るぞ!」
貴音「はい」
P「触るったら触るぞ!」
貴音「よくわかりませんがやけにきあいが入っておりますね」
P「よし!おさわりOKがでたぞぉ!」
貴音「え、なんですかそれは(困惑)」
P「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!prprprprクンカクンカはいたーーーーーーーっち!!!!」
.
カチャ
律子「プロデューサー殿?」
P「うっうー!!」
律子「…………きも」
.
P「違うんだ律子」
響「この状況とあの発言でまだ言い訳するとかさすがプロデューサーだぞ」
P「これは貴音がだな……」
律子「貴音?」
P「うむ」
律子「どこですか?それらしい人影など見当たりませんけど」
P「……そこだ」
律子「えっ」
貴音「おはようございます律子嬢」
律子「えっ」
貴音「えっ」
律子「……貴音?」
P「おう」
律子「……………………誰もいないじゃないですか」
P「こいつ見たくない現実から目を逸らしてやがる!!!」
ー数分後ー
貴音「真、ご迷惑をおかけしました」
律子「結局私が来て物の数分で元に戻ったわね」
P「あの俺の葛藤はなんだったのか」
響「葛藤?ただの犯罪だよね」
.
貴音「うっ!」
P「どうした!」
貴音「吐き気が」
響「どうしてお尻押さえてるんだ?」
貴音「これは……つわりでは!?」
律子「……プロデューサー殿?」ギロ
貴音「あなたさまとの愛のけっしょうが」
P「あ、うん、トイレ行って来い」
.
響「一件落着、だぞ!」
P「原因は何一つ分かってないけどな!」
律子「全く、正気を失うかと思ったわ」
小鳥「みんな~、お茶請け無くなったんで買ってきましたよ~!」
P「おう音無、お前後でケツポッキーな」
小鳥「ピヨォ!?」
.
やよい「人間って、お尻からも物が食べられるんだなぁ」
やよい「あっ、そうだ!」
やよい「一度お尻から出したモノをまたお尻から食べれば食費がかからないよね!」
やよい「うっうー!帰ったら長介やかすみに試してもらおっと」
やよい「きっとビックリするだろうな~」
ー終ー
ー後日談ー
P「雪歩がバイb……スコップに!?」
雪歩「穴掘って埋まってますぅー!!」
P「やっ、やめろぉー!俺のほうに来るなぁー!に色々洒落にならなアッー!」
ーおはりー
とりあえず貴音のお話はこれでおしりです。
読んで夏の暑さを吹き飛ばしてくれればいいなって。
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