村娘「こここ、この人たたたたちには、ゆゆゆび一本触れれれさせません!」ガタガタ
そういいながらも女は俺の前に膝を震わして立ち塞がる。
俺が殺し損ねた奴等を庇いながら
殺人鬼「おいおい、膝が震えてんぞ。とっととどきな」
殺人鬼「俺が用があるのはガキじゃなくて、そっちの狩人だけだ。俺を殺す奴が来た時点でお前は用済みなの」
ただでさえ手元が狂って一度で殺し尽くせなかった俺の怒りは最高潮だ。
コイツはそんなに先に死にたいのか
村娘「いいいいやです。この人達はわわわ私達を……」ガタガタ
殺人鬼「へぇ。どうしても庇いたてするきかい?」ジャキ
村娘「……誰も死なせません」キッ
殺人鬼「……ほう」
さっきまで震えてたくせに。中々肝が据わった女だ。
……面白い。ちょっとゲームをしてやるか
殺人鬼「それならコイツをくれてやるよ」ヒュッ
村娘「……ナイフ?」
殺人鬼「動かないからそいつで俺を刺してみろ。殺せたらアンタは英雄だ」ニヤッ
あーこれこれ。こういう命のやり取りはたぁまんねぇ……
村娘「……出来ません」
あ"ぁ!?この娘、今なんつった!!
殺人鬼「……ならアンタが俺の代わりに死んでくれるのかい?」ピキピキ
村娘「……」バッ
殺人鬼「……」
ふざけた女だ。自らの首を差し出しに前に出やがった
殺人鬼「……」ヒュー
……どれ、ここは一つ偽善者の皮を剥いでやるか
殺人鬼「そんなに死にたいか?」ニコッ
村娘「……」ビクッ
怖じ気づいてなお、俺に食い下がるか……気に入らん。ってか殺気全開だったのにちょっとお兄さん傷つくなぁ
殺人鬼「最終警告だ。俺は今からお前を100回殺す。それでも引かないときは死ぬぞ」ニコッ
村娘「それってどういう……」
説明なんざしてやるか
殺人鬼「ヒュッ」シュッシュッシュッシュッシュッシュッシュッ!
全てが寸土めとはいえ100回。本気でコイツに切りつけた。刺す覚悟がない奴にこれは完全に決まっ……
村娘「……」キッ
殺人鬼「……」
殺人鬼「……」
殺人鬼「………………………………くっ。アヒャヒャヒャヒャ!!」
村娘「」ビクゥ
殺人鬼「いやー最高だよオマエ」
コイツは一度足りとも俺相手に引かなかった。
それもただのガキが、怯えながらなお、引かない。
恐怖心も正常。力があるわけでもない
気に入った。とてつもなく気に入った。
このバカがどういうつもりか全く理解出来ん。
コイツは俺とは別方向にぶっ飛んでやがる!!
殺人鬼「一つ聞きたい。アンタは自分の命が他人の命より軽いと思ってないか?」
村娘「……そうね。目の前で誰かに死なれる事よりかは……ね」
殺人鬼「惜しいなぁ……アンタが殺人鬼なら本気で惚れてたのになぁ……」
村娘「ひぃ!恐ろしいこと言わないで!!」
殺人鬼「アンタが要るんじゃ調子狂うなぁ……やめやめ、これ以上はここの住民は殺さないよ」
殺人鬼「やっぱ命のやり取りしないと殺しがいがねぇわ。そんじゃまアディオース!」
村娘(なんてふざけた口調で悪夢のような男は去っていった)
村娘(すぐさま手当てをして、彼が狩人といってた騎士団の方々が目を覚ました)
村娘(すぐさま国中に指名手配された彼……殺人鬼は数年間に有力者を殆ど潰し、最後に自分の血を見て笑いながらその場の者と相討ちしたそうだ)
村娘(私は彼から逃れた唯一の獲物……ということになっている)
村娘(……力を持つものが殆ど倒れ全ての国は騎士団が掌握した)
村娘(盗賊も減り、ほんと……平和になったものだ)
村娘「あー今日も平和だなぁ」
(彼は私が壊れてると言ったがそうは思わない……)
だって誰かが自分の為に死ぬなんて堪えられることじゃないでしょ?
……無理でした。
性格が倒錯した二人を描こうとして断念。
文才が無さすぎる!!
片や自分と相手の命を天秤にかけるのに嵌まった狂人
片や自分より他人の命を優先する女を描くつもりが……無理でした
お互いに自分の命の価値を無いものと思ってます。
両者の違いは他人で自分の命を測るかどうか。他人を犠牲にするか否かでした
クソスレのお詫びとして……半年romって来ます
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