飛竜「もう最悪だな」(30)

魔女「もう最悪だわ」のアナザーストーリーになっています。

前作を知らない方でも読めるよう頑張るのでなにとぞよろしくお願いします

私は飛竜だ

名前はまだない

基本だれも入ってこない森林で暮らしている

明日、私はここで一人の少女と出会う事になる

そいつがハーフエルフという人間のなかで最下層の者であると知ったのは随分後になってからだった。

今日はよくわからない全身毛むくじゃらの怪物と戦う羽目になった

おかげで身体中傷だらけだ

今日はもう寝よう

きっと明日になれば回復するだろう

………夜………

少女「どうしよう…完全に迷っちゃった…」

少女「誰かに聞く訳にもいかないし…どうしよう…」

飛竜「zzz…」

少女「あれは…飛竜?」

飛竜「zzz…」

少女「こうなったらこの子に聞いてみようかな?飛竜は知能が高いって本に書いてあったし大丈夫だよね。」

少女「でも、言葉が通じなかったらどうしよう。」

飛竜「zzz…」

少女「とにかく起こさないと…やっぱり怒るかな?」

少女「ねえ、起きて」

飛竜「zzz…」

少女「ねえ!起きてってば!」

飛竜「…む?なんだ?」

少女「起きた!よかった!!」

飛竜「おい、なんだお前は?どこからきた?」

少女「良かった…言葉も分かる…よかった…よかった…」ウルウル

飛竜「おい、どうした?一旦落ち着け。」

少女「うわぁぁぁん!」

飛竜「落ち着けぇぇぇ!」バッサバッサ

…………………………

飛竜「どうだ?落ち着いたか?」

少女「……うん。」

飛竜「要するにアレか?迷子か?」

少女「うん」

飛竜「散々歩き回ってやっと言葉が通じるやつに出会ったから安心して泣いちゃったと」

少女「うん…帰り道とか分かる?」

飛竜「さあな。私はお前がどこからきたかも分からん」

少女「だよね…」ショボン

飛竜「だがこの森の抜け方なら分かるぞ。」

少女「本当に!?」

飛竜「ああ、ついてこい。案内しよう。」

少女「いいの?」

飛竜「また迷ってここに来られたら面倒だからな」バッサバッサ

少女「すごい!飛べるんだね!」

飛竜「飛竜だからな」バッサバッサ

………………………………

少女「」スタスタ

飛竜「」バッサバッサ

少女「」スタスタ

飛竜(しかし…)

飛竜(よく怖がらずに並んで歩けるものだな。仮にも最強のモンスターである飛竜だぞ。)

飛竜(メンタル的に大丈夫なんだろうか?)

少女「どうしたの?」

飛竜「私は飛竜だ。」

少女「うん」

飛竜「怖いだろ?」

少女「ううん」

飛竜「なんだと…」

少女「だって本で読んだもん。飛竜は賢い生き物だって。」

飛竜「ほう」

少女「それに…」

飛竜「それに?」

少女「凄く小さいし」

飛竜「」

少女「大きい飛竜は怖いよ。でもあなたはニワトリ位の大きさだもん」

少女「怖いっていうか可愛いよ」ニコッ

飛竜「…」

飛竜「帰る」プイッ

少女「え!?なんで?」

・・・・・・・・・・

飛竜「着いたぞ。この川沿いに下っていけばすぐ村につく。」

少女「ホントに!?よかった・・・拗ねて帰られそうになった時はどうなるかと思ったよ。」

飛竜「お前が小さい言うからだ。」

少女「だって小さいじゃん。」

飛竜「黙れ。発展途上なだけだ。すぐ大きくなる。」

飛竜「それに飛竜は小さくても強いんだ。大きさがどうとか関係ない。」

少女「ホントにー?」ジロジロ

飛竜「信用してないな。見てろ。」

飛竜「火球攻撃!」ゴォォォ!

飛竜「ふっ、どうだ。ここら一体を焼野原にしてやったぞ。」

少女「・・・」

飛竜「どうした?恐ろしくて声もでないか?」

飛竜「これに懲りたらもう小さいとか言わないことだな。」

少女「すごい!かっこいい!」

飛竜「あれ?」

少女「もう一回!もう一回やって!」

飛竜(あれ?あんまり怖がってない?)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


飛竜「ほら、早く行け。」

少女「えー。もうちょっとお話してようよ。」

飛竜「私はさっさと巣に帰って寝たいんだ。ほらさっさと帰れ!」バッサバッサ

飛竜「ツ・・・」

飛竜(傷口が開いたか・・・無茶して火球を撃つべきではなかったな。)

少女「どうしたの?」

飛竜「なんでもない。早く行け。」ガオー

少女「ちょっと見せて。」

飛竜「なんでもないと言っているだろう!」ガルル

少女「いいから見せて!」

少女「なんでもない事ないでしょ!どうしたのこの傷?」

少女「そうだ!レスタ!」

▼少女はレスタを唱えた。

飛竜の傷が回復していく。

飛竜「!」

飛竜(回復魔法か?だが人間の使うホイミとはベツモノのようだな・・・)

飛竜(この少女は一体何者だ?)

少女「よし!これで大丈夫!・・・なはずだけどまだ痛む?大丈夫?」

飛竜「いや問題ない。この通り元通りだ。」バッサバッサ

少女「そっか・・・よかった・・・」

飛竜「おい」

飛竜「お前まさか今初めて回復魔法を使ったのか?」

少女「え・・・いや・・・えーと・・・えへへ。」

飛竜「火球攻撃!!」ゴォォ

少女「熱っ!あつつっ!なにすんの!」

飛竜「こっちのセリフだ!失敗したらどうするつもりだ!下手すれば反動で大けがだぞ!」

少女「大丈夫だよ!ちゃんと勉強はしたもん!」

飛竜「大丈夫なわけあるか!実践で試してから使え!」

少女「ふんだ!一生治してあげないから!」

タッタッタッタッタッタ

飛竜「大けがするよりましだ!さっさと帰れ!」

飛竜「ふう・・・やっといったか」

飛竜「うるさいのが消えてやっと静かになったか」

森林「」メラメラ

飛竜「さてと」

森林「」メラメラ

飛竜「消火作業に入るか。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

飛竜「・・・」

飛竜「昨日はうるさい小娘と消火作業のせいで全く眠れなかった。」

飛竜「今日は朝寝だな。寝よう寝よう。」

飛竜「zzz・・・」

飛竜「zzz・・・」

少女「ねえ、起きて。」

飛竜「zzz・・・」

少女「ねえ!起きてってば!」

飛竜「・・・む?なんだ?」

少女「えへへ・・・」

飛竜「・・・」

少女「来ちゃった♪」

飛竜「お い ふ ざ け ん な !」ガオー

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