食蜂「シリアスとギャグが交差するときぃ」上条「上食SSが」食蜂「始まるわよぉ」 (265)

禁書の上食SSです。
新約11巻の内容が発表されたので、それに便乗して書きだめしてたやつを書きます。
不定期更新ですができれば11巻発売までに終われたらいいなぁという願望の元始めます。
カップリングとか設定の付けたしとかが苦手な方は戻る推奨します。

では、あたたかい目で完成まで見守ってください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407503037

「な、なんで…なんでよぉ……」
食蜂操祈は、カエル顔の医者の前で1人俯きながらさめざめと泣いていた。
「彼、上条当麻君は困っている人間をみたら助けずにはいられない人間だ。それを最も知っているのは君じゃないかな?」
「そ、そうだけどぉ…でも、『記憶喪失』だなんて…ひどいわよぉ……」
机の上には脳のCT画像とカルテルがあった。彼、上条当麻という男はなんらかの事件に巻き込まれ、記憶喪失となったらしい。
「もっと私に改竄力があれば…彼の記憶を戻せたかもしれないのにぃ…」
「いや、彼のエピソード記憶は完全に焼ききれていてだねぇ。たとえ君の能力がもっと強力だったとところで、記憶を『植え付ける』ことはできても『復元させる』ことは不可能だ。君が気に病む必要はないんだよ?」

食蜂はその話はさっきから何度もきいているのでわかってはいた。しかし、それでも自分の能力の性質上自分の非力さを悔やまずにはいられなかった。
彼女の能力は心理掌握。記憶の改竄や消去、復元は普通ならお手の物のはずだからだ。
その後さまざまな話を聞いて医者の前を去った食蜂は、歩きながら今までのことを1人、思い返していた。
「まったく…1人記憶のある残された私はどうすればいいのよぉ…当麻さぁん……」
待合室にフラフラと辿り着き、椅子に腰を掛ける。そうすると今までのことが一気に脳内を駆け巡った。これは1人の少女が1人の少年との出会い、そして別れの話である。

~約三ヶ月前~

「はぁ…はぁ…まったく、しつこさ力がありすぎるわよぉ…」
食蜂操祈はこのとき怪しげな男四人組に路地裏で追われていた。危機を察知したのがはやかったおかげでだいぶ距離をあけた状態で逃げ始めたので今は逃げれているが、女の子一人相手に大の男四人、その距離はすぐに縮まり追いつかれるのにあと10秒かかるかどうかといったところか。
「前までは私の改竄力で即お帰り願えたのに、今回はまったく効かないわねぇ」
食蜂は心理掌握の超能力者だ。普通ならすぐに追跡者の脳を改竄して終わりなのだが、今回はなぜか通用しない。はやめに追跡者を察知できたのもそのためだ。
(脳に私の能力が効かないようにナノデバイスでも埋め込まれているのかしらぁ、それとも…)

食蜂は懐から拳銃を取り出す。学園都市製の反動が極めて少ない護身用の拳銃、それを敵の一人に撃つ。
だが……
(やっぱり弾の軌道力がずれた…磁力を利用して軌道力をずらしているみたいねぇ、つまり彼らは電撃使いということかしらぁ…)
そのまま一気に接近され、食蜂はそのまま腕を掴まれる。それなのに食蜂はなぜか余裕の表情だった。
(私の改竄力は便利だけど不便ねぇ…電撃使いみたいに能力に干渉されちゃう相手だと私はただの可憐な少女…まぁそんなときのための対策力はバッチリなんだけどぉ)
しかし次の瞬間食蜂から余裕の表情が消えた。その理由は追跡者ではない。それは…
「てめぇら、なにやってんだよ…」
(……!?まさか追われる私をみてついてきたっていうの…!?)

そこにはツンツン頭の一人の少年が立っていた。

「おいクソガキ、今ならまだお前を見逃してやる。だから今みている光景すべて忘れて戻れ」

追跡者の一人が声にドスを効かせて少年を威圧する。その言葉に従えば少なくとも今は少年は助かると思われるが、

「俺はなにをやっていると訊いているんだ、わかったらはやく答えてその子から手を離せ!」

「言葉じゃ自分の置かれた状況がわかんねぇみたいだな」

ため息をつきながら追跡者の一人が電撃を飛ばす。その電撃は少年に当たり…

「……ッ!!??き、消えた!?」

正確には少年が右手をかざしてその右手に当たり、消えた。

(な、なんなのかしらぁあのツンツン頭…そしてあの右手…)

少年はそのまま走りだしその追跡者に近づく。追跡者は電撃を何発を飛ばすがすべて右手に打ち消される。

「なんだよその右手は!クソっ!」

今までで一番大きな電撃を放つがそれも右手に消される。そのまま少年は右手を握りしめ、勢いよくその追跡者を殴り飛ばした。

「あと三人、お前らも覚悟はできてるんだろうな?」

「くっ…!だがこっちは三人もいるんだ!一発でも電撃を当てれば!」

「じゃあこっちも本気を出すぞ?」

そう言いながら少年は右手を前にかざしそのまま気をためるような仕草を始めた。

「さっきまでは電撃を消すためにこの能力を使ったが、これを攻撃に使ったらどうなる?」

「……!?や、やめろ、よせ!わかったから!!」

慌てふためき、追跡者の二人が逃げ出そうとする。しかし

「ずいぶんハッタリが得意なようだな、ガキが」

残りの一人が少年に殴りかかる。そして……

食蜂(あーあ、ツンツン頭のヒーローくんがせっかく忠告してあげてたのに無視して攻撃しちゃうなんて…なーむぅ)

少年「あぶなっ!?あ……」

追跡者D「そうだよな、お前は避けるしかできないよな。大人相手にハッタリ通用するとか思ってんじゃねぇぞ」

食蜂(え…?あれ、ちょっとこれどーゆうことなのかしらぁ…)

追跡者D「どんな原理かは知らねぇがその能力は能力相手にしか意味がない。まあざっとそんなとこか?」

少年「あ、あのう…なんでわかったのでせうか…?」

追跡者D「こっちは精神系能力者を追ってんだ、敵の表情の変化とかから考えてることなんざ簡単に想像できる」

少年「………。」

食蜂「え!ちょ!なんか言い返しなさいよぉ!」

少年「つ、次しゃべったらこの能力でてめぇを消すぞ…?」

食蜂「そのタイミングでそれ言うかしらぁ!?しかも声ものすごく震えてるしぃ!」

追跡者B.C「そ、そうだぞ!大人なめてんじゃねぇぞ!」

食蜂「あなたたちはビビって逃げようとしてたわよねぇ!?ていうかなんで私がツッコミやってるのよぉ!」

追跡者D「さぁどうする?投降すれば命は助けてやる」

少年「くっ、かくなる上は…!」

少年「あ!学園都市七不思議の白い翼の生えたエセホストみたいなイケメン(爆笑)がカブトムシとバレーボールしてる!!」

追跡者B「え、なんだと!?」

追跡者D「いるわけないだろ!ハッタリだバカが!」

少年「いまだ!必殺!戦略的撤退!!」ピューン

追跡者B「やば!抜けられた!」

追跡者D「くそ!待ちやがれ!!」

少年「待てと言われて待つやつはいませんことよーだ!」

食蜂「最後のセリフそれ悪役!もうツッコミどこありすぎてなんも言えないわぁ……」

まずはここまでです。

書き換え途中とかあるので残りはそのうち書きます。

思いのほか行間あけないと文字がビッシリしてたので途中からあけました。

本当は全部書きおわってから貼りたかったのですが、まさか11巻で食蜂回が来ると思ってなかったので……。

タイミング悪いかなと思いつつも書くことにしました。立てた以上は最後まで書く予定です。

では……。

続き投下します。

と言っても少ない&相変わらずの語彙力の低さですが寛大な心で読んでくれると幸いです。

ちょいグロっていうか、暗部編で書かれる描写ぐらいのものはあります。あらかじめご了承ください。


あと、記憶破壊です。語彙力低くてその言葉が出てきませんでした…、以降もこんなことがあると思うので見つけ次第指摘してくれると助かります。


では……

上条「はぁ…はぁ…なんとか逃げ切れたみたいだな…。走らせてごめんな、怪我はない?」

食蜂「ぜぇ…ぜぇ…こ、こんなに走ったのは生まれて初めてよぉ…ちょっと休ませて……」

上条「じゃあそこらへんの公園で休むか…」

食蜂(て、ていうかさりげなく手握って走ってたわねぇ…いや男性に対する免疫力がないってわけじゃないのになんかドキドキするわぁ…)

食蜂(いや、こんなバカにドキドキするなんてことはよく考えたらあり得ないわよねぇ…走り過ぎに間違いないわぁ…あんなに走らせたんだからあとで私にジュース買わせるように操作しようかしらねぇ)

上条「ふぅ、ベンチに座ると一気に落ち着きますなあ」

食蜂「ぜぇ…ぜぇ…あなた…回復力ありすぎよぉ…まったく息が整わないわよぉ…」

上条「まあ上条さんは不幸なのであんなのに追われ慣れてますのですぐ回復できちゃうんですよ、悲しいことに」

食蜂「あなたからすごく哀愁力漂うわねぇ…」

食蜂「それにしてもびっくりしたわぁ、登場はかっこよかったのに最後なんてガッカリ力すごかったゾ…」

上条「あ、あれはちょっと昨日かっこいいドラマやってたからそれみたいにやったら上手くいくかなーって思いまして…」

食蜂「やっぱバカでさらに軽い中二まで混ざっているわねぇ…重症よぉ」

上条「……返す言葉もありません」ショボーン

食蜂(本当、ちょっとでもときめいた私がすごくバカじゃない…もういいわぁそろそろジュースでも買ってきてもらって帰ろうかしらぁ、リモコンリモコン…)

上条「あ、ジュース飲む?さっき買った冷たいやつだから飲んだらちょっとは回復すると思うけど」

食蜂(!?まだ操作してないのにぃ?き、気遣い力は、まぁある方なのかしらぁ…)ドキッ

食蜂(いや、あんな走らせておいて気遣い力があるってことはないわぁ!平常心力取り戻しなさい!)ブンブン

食蜂「あ、ありがたくもらうわぁ…ありがとうねぇ」

上条「じゃあ上条さんはそろそろ帰るから、また変なのに捕まるんじゃありませんよー?」

食蜂(え、もう帰っちゃうのかしらぁ…てっきりあんなことしたんだからなにか目的力でもあると思ってたけど…)

食蜂「あ!ちょっと待ってぇ!」

上条「え?な、なんでせうか??」

食蜂(思わず呼び止めちゃったけど、どうしようかしらぁ…とりあえず場を繋いで心読ませてもらおうかしらねぇ)

食蜂「あ、あなたの名前は…えっとたしか上条さんとか自分で言ってたけど…」

上条「あ、名前か!上条当麻だ、えっと…君は?」

食蜂「食蜂操祈よぉ、上条さんね、今日はほんといろいろありがとうねぇ?」リモコンピッ

上条「ん?こんな時期に蚊かな」アタマペシッ

食蜂「」

上条「礼には及びませんことよ?じゃあサヨナラですよ食蜂さん」フリフリ

食蜂(もう!あの右手邪魔!)

食蜂「あ、上条さぁん!あともう一つだけ!」アタフタ


食蜂「…行っちゃったわぁ」ショボーン

縦ロール「おかえりなさいませ、女王」

取り巻き達「「「おかえりなさいませ」」」

食蜂「ありがとねぇ」

縦ロール「これからどうなさいますか、女王」

食蜂「うーん、ちょっと1人にさせてくださるかしら?」ピッ

縦ロール「わかりました、では」

食蜂「だ、誰ももういないわよね、大丈夫よね…よし」キョロキョロ

食蜂「はぁ、まったくなんなのよあのバカな人はぁ…」

食蜂「やってきたとき一瞬でもかっこいいって思った私がアホらしいわぁ」

食蜂「いや、まあ実際勇敢力は認めるしぃ、実際かっこよかったけどぉ…。」

食蜂「ってなに考えてるのかしらぁ!これじゃあ私があんなバカに惚れてるみたいじゃないのぉ。私らしくないわぁ、寝ましょ寝ましょ」


食蜂「……明日、どこかで会えないかしらねぇ」

ところ変わってとある研究所の一室。

「んで、お前らも『心理掌握』の捕獲に失敗したわけかー」

そこには軽薄そうな金髪の男、そしてその前に跪く四人の男がいた。

「あと少しのとこまで行ったのですが邪魔者が入りまして…」

「ふーん、まーおめーの言うあと少しのレベルがどれくらいかは知らねえが失敗は失敗なんだよなー。科学ってのは結果がすべてなんだよ、わかるかなー?」

そう言いながらその男はポケットから二つの物を取り出す。

「おめーたちがちゃんと仕事してくれればなー、今から実験で忙しかったはずなんだけどなー。」

男は取り出した物の一つ、スプレーのような物で粉末状の何かを男の一人の顔にかける。

「だからさー、暇になったんだよ。んなワケでちょっと『体験』してきてくんね?」

取り出した物のもう一つ、『リモコン』を一人に向けながらボタンを押し、そして言った。



「そんじゃー始めますか暇潰し!!ちょいと変則的になりますが、リアルRPGのお時間でーっす!!」


(な、なにも起こらない…?)

スプレーをかけられた男はてっきり睡眠ガス、あるいは毒ガスをかけられたのだと思っていた。しかし体には特に異変はなさそうだった。さっきと違う点と言えば、

「まだあの女の子に手を出すってなら、俺はお前を本気で潰す」

さっきのツンツン頭が目の前にいることだった。

(あの野郎…!!さっきは軽く痛み付けてやるだけで済まそうと思ったが…ブチ殺してやる)

しかしなぜかその異変を自然に受け入れていた。しかも殺意まで湧いてくる。むしろ殺すことを『決められている』気がした。

(ヤツには能力が効かない…なら!)

懐から刃渡りの長いナイフを取り出し思いっきり切りつける。軽く躱されるがそれは計算済みだ。

(反射神経はいいようだがしょせんは素人レベル。それに対して俺は鍛えられたプロ、何回も避けれるものじゃねぇ)

しかし何回切りつけても目の前の少年は避け続けていた。

(!!??おいおい、さすがにこれは反射神経の良さでどうにかなるもんじゃねぇぞ…まるで『俺の仲間ぐらい鍛えられてる』みたいじゃねぇか…)

少年はプロの攻撃を避け続けていたが段々呼吸が乱れてきているのがわかった。

(まぁ、どっちにしろ俺の仲間ぐらい鍛えられていようが俺はその中でも一番経験もトレーニングも積んでいる。負けることは…ない!!)

少年の足が縺れた瞬間、大きく踏み込んで喉元を一突きする。少年はうめき声をあげ悶えながら地に伏す。

「さっきの威勢はどうしたんだ、え!?女を救いたいのならもう一度立って見せろ!まあ無理だろうが……あん?」

喉を突かれたにも関わらず少年は立っている。さらに疑問点はいくつもあった。

(なんで平然と立っている…しかも無傷…いや、そんなことはどうでもよくねぇが一番気になるのは倒れたとこから立ち上がったんじゃなくて、『倒れた少年が消えてまったく違うとこに急に現れた』……!!??)

だが彼には考えることが許されず、勝手に頭が敵を殺すことにのみに集中してしまう。

殺すこと自体はさきほどと同様に一般人とは思えない強さを持つ少年だが、難しくはなかった。だがまた少年は現れる。そして殺す。


(もうさすがに大丈夫みたいだな…しかしなんだったんだ…)

一息つこうとしたそのとき、今度は自分の体に異変が起き始めた。

(手が…勝手に!?やめろ!やめてくれ!止まれ!)

男の意思とは反対に手が勝手に動き、ナイフを口に含む。そして勢いよく飲み込んだ。声にならない声を出しながら、男は倒れた。



「暇潰ししゅーりょー、なかなか面白いモンがみれたなー」

その場にはツンツン頭の少年はいない。

いるのは金髪の研究員と、地に伏す血まみれの四人の男だった。

「やっぱこりゃすげーなー、見事に第五位の『操作力』にくわえて『改竄力』まで再現できてやがる」

男は目の前の惨状にはなに一つ動揺せず、むしろ実験に成功した学生のように嬉しさを隠せないでいた。

「残念なのは対象を一人にしか絞れないから、一人芝居みたいになっちまうことだなー。まーそーいうのはそのうちまた改善してきゃいっかなー」

そしてリモコンを手の中で弄びながら研究室を去って行った。

白衣の名札には『木原乱数』と書いてあったのだった。

今日はここまでです。

ちょっと敵さん紹介が長くなっちゃったのでしばらくは上食をゆるめにやっていきます。

あ、この乱数は新約四巻のときとは違った原理で戦って(?)います。

とはいえまだ2人の距離感は付かず離れずなので場のつなぎにネタパートにちょっと濃いキャラの人をいれます。

次回は来週ぐらいに少し投稿するか、今月末にある程度まとまって投稿するか迷い中です。

では……


P.S.

助けてもらってもえらそうなみさきち可愛い

一週間立ちましたけどまだ半端なので間をとって来週に中ぐらいの量か再来週にある程度の量を出します。

小萌先生と雲川先輩は一応出る予定ですがシリアスには出さない(予定)、ドリーはこのSSよりもっと昔の設定で書いてるので今のところ出る予定はないです、すいません

11巻の内容予想というよりは独自設定がだいぶどころかものすごく強いと思います……。


長くあけてすいません。

投下開始します。


前にも書きましたがしばらくはネタというかゆっくりパートでシリアスはないのでご了承ください。

あとネタパートなのでいろんなキャラが出てキャラ崩壊もあるキャラはあるので、そこはネタとわりきって読んでいただけると幸いです。


食蜂「結局昨晩はほとんど寝れなかったわぁ…」

縦ロール「おはようございます、女王」

取り巻き達「「「おはようございます」」」

食蜂「あーうん、おはよう」

食蜂(あ、いいこと思いついちゃったゾ☆)ピコーン

取り巻きA「女王、今日は休日ですがどうなさいますか?」

食蜂「あなた達、ちょっとお願いできるかしらぁ?」ピッピッピッ

全員「わかりました」ピューン

食蜂「ふふふ、楽しみだわぁ…」


食蜂「えーっと、縦ロールちゃんが言うにはこの辺かしらぁ」

上条「上条さんの財布はどこなのでせうか~~?」

食蜂「上条さぁん!」フリフリ

上条「ん、食蜂さん!?これまたとんだ偶然……」

食蜂「そうねぇ、これも私と上条さんの運命力かしらぁ」

上条「運命っていうとなんか変な関係がありそうだよな」ハハハハ

食蜂(そういうつもりで言ったのに気づかないって…なかなか攻略は大変そうだわぁ。ま、まぁ攻略する気なんてないケドぉ)

食蜂「ところでなにをしてるのかしらぁ」

上条「それが…昨日の帰る途中に財布を落としてしまったんですよ…いつもの不幸だけど今回は食費をおろしたばっかで…みつからないと今月のご飯が塩と水……」ハァ

食蜂「そ、それは大惨事だわねぇ……」

食蜂(あらぁ?もしかしてこれって……)


~~~~~

食蜂『私の探索力で上条さんの財布をみつけてあげたわぁ』ドヤァ

上条『お!ありがとうな!食蜂!』

食蜂『こんなのどうってことないわよぉ』

上条『食蜂は命の恩人だ…食蜂、いや操祈…俺と結婚してくれ……////』

食蜂『上条さぁん……////』

~~~~~


食蜂(にへっにへへへへ…)

上条(急に食蜂さんが笑い出してなんかこわい、かわいいけどこわい)

食蜂「私も協力させてもらうゾ☆」

上条「!?い、いや、そんな上条さんなんかに協力しなくても大丈夫ですよ?なんか用事でもあるんじゃ…」

食蜂「男はそんなとこで遠慮しちゃダメだわぁ、人の厚意力を踏みにじることと同じよぉ?」

上条「あ…じゃ、じゃあ頼んでいいか?」

食蜂「まかせてぇ」


食蜂「とりあえず派閥の仲間に電話で手伝うようお願いしてみたわぁ」ピッ

上条「ありがとうな!ところで派閥?」

食蜂「そうよぉ」

上条「制服を見る限り常盤台…女子校ってほんとにそんなものがあるのか…」

食蜂「しかも私は派閥のリーダーで女王って呼ばれてるんだゾ☆」ドヤァ

縦ロール「女王、財布をみつけて参りました…って女王が殿方と!?」

食蜂「噂をすれば、かしらぁ?ありがとねぇ。あらぁ?ダメかしら」

上条「いや!そんな変な関係ではないの大丈夫ですよ!?」アタフタ

縦ロール「女王と話すのにそんなふさわしい殿方にはみえまs…ピッ…素晴らしい殿方ですわ!女王をよろしくお願いします」ペコリ

上条「あ、え?あ、はい…」

縦ロール「ではこれにて」テクテク

上条「本当に女王って……今の…なんだったんだ…?」

食蜂「上条さんのこと誤解してるみたいだったから、昨日のことを私の精神感応-テレパシー-で伝えたのよぉ」

食蜂(ほんとは心理掌握で引き下がるように操作したんだけどぉ…その能力のことは黙っておいた方がよさそうねぇ)


上条「なるほど…すごく便利な能力だな!」

食蜂「まだLevel3なんだけどねぇ…伝心力のはやさはLevel4相当あるらしいんだけど、その分ちょっとの妨害でできなくなっちゃうし、リモコンで演算の補助をしないと上手く使えないのよぉ」

食蜂「そういえば上条さん、昨日能力を打ち消したりしてたけど、あれはなにかしらぁ」

上条「あぁ、上条さんの右手に幻想殺しってのがあって、異能の力を消してしまうんですよ」

食蜂「幻想殺しぁ…?聞いたことないわねぇ…でも目の前でみたのも事実だし、信じるわぁ」

上条「まあ効果は右手だけだったり、能力じゃなければ消せないからなにも意味なかったりとなにかと不便だけどな」

食蜂「なるほどねぇ…でもそんなすごい力があるのに無能力者って…世の中わからないわねぇ」

上条「Levelとかは気にしないけど、奨学金ぐらいは上げてほしいものですよ」ハハハハ

食蜂「じゃあちょっと試しに私の精神感応で脳に話しかけるから消してみてぇ」

上条「ものは試しってやつだな、じゃあやってみてくれ」

食蜂「わかったわぁ」


食蜂『グレートブリテン及び北アイルランド連合王k』パキン

上条「なんだ今の文字の羅列……」

食蜂「とりあえず長い単語を言ってみたわぁ」

上条「ちなみに今のはどういう意味だ?」

食蜂「あらぁ、上条さん高校生なのにこれがなにかわからないのかしらぁ?まさか中学生に負けることはないわよねぇ」

上条「あんまり年上を馬鹿にするんじゃない…と言いたいところだけど、実際馬鹿だから言い返せないんだよなぁ」

食蜂「ちょ、ちょっとは否定した方がいいわよ…プライドとかないのかしらぁ」

上条「なんとなく国名ぽいなってのはわかったんだけど上条さん、外国とかわかるのアメリカとかイギリスとかぐらいしかわからないのですよ…」

食蜂「イギリスよぉ」

上条「えっ」

食蜂「さっきの、イギリスよぉ」

上条「えぇ!?イギリスってあんな長い名前だったの!?」

食蜂「正式名称はねぇ」


上条「し、知らなかった…。あ、でも俺でもイギリスの略称はU.S.A.ってのは知ってるぞ!」

食蜂「それはアメリカよぉ…」

上条「あ、え、じゃ、じゃあNASA?」

食蜂「それはアメリカ航空宇宙局」

上条「うっ…じゃあSAO…」

食蜂「それはソードアート○ンラインよぉ。もはや国際関係でもなくなったわぁ。ちなみにU.K.よぉ」ハァ

上条「そ、それが言いたかった!って食蜂ってサブカルみたいなのも知ってるんだな、意外」

食蜂「ちょ、ちょっと話をきいただけよぉ。派閥内で流行ってて…」

食蜂(原作、寮に最新巻まであるなんて言えないわぁ)

上条「そ、そうなのか、そっちでも流行ってるんだな、そういうの」

食蜂「いろんなものが流行ってるわよぉ。噂によると超能力者第3位の御坂美琴さんって人は子供向けマスコットキャラクターのゲコ太ってのが好きらしいわよぉ」

上条「7人しかいない超能力者も人間らしいとこあるんだなぁ」

食蜂(そのうちの1人が目の前にいるなんて言ったらぎっくり腰にでもなりそうだわねぇ…)

食蜂(それよりも話が続いてることに驚きだわぁ…別に話すのが苦手ってわけじゃないけど、能力に頼ってた部分もあるから得意じゃないのよねぇ。上条さんと話が続いてるのが嬉しいわけじゃないわよぉ?)


上条「あ、コンビニがあるし、財布のお礼にジュースを奢らさせていただきますよ?」

食蜂「え?いいわよぉ、当たり前のことをしただけだしぃ」

上条「いや、ここは奢らせてくれないと上条さんの立つ瀬がなくなるから奢らせてくれ。その、なんだ?厚意力を踏みにじるのはよくないんだろ?」

食蜂「じゃあお言葉に甘えさせてもらうわぁ、ありがとねぇ上条さん」

上条「そう言ってくれると上条さんも嬉しいことですよ」

食蜂(やっぱり意外と優しいのよねぇ、意外と。ここ重要よぉ)


??「なんでこんなことになった……」

??「ハッキリ言って、学園都市に7人しかいない超能力者のうちの第2位が、なんでコンビニの店員なんてやらねぇといけねぇんだ」

垣根「いつも通り研究所に行ったらとつぜん『これ着てねぇ』とか言われて着せられてここに連れてこられて『おそらくここに第5位がくるから、どんなやつなのかその目に焼き付けておきなさい』とか言いやがって……。接触させるのにももっとなんかあっただろうが…」

垣根「まぁあくまでみるだけだから戦闘にはなんねぇだろうが、ツッコミどころ満載だよな……」


垣根「あぁ、暇だー、暇すぎてなんかテンプレかもだけど言いたくなってきた、うん言おう…」


垣根「近くのコンビニ店員がこんなにイケメンなはずがない」キリッ


上食「「」」ジーッ

垣根(!?こいつらいつの間に!?)

垣根「テメェら、いつから聞いていやがった…」

上条「この店員の発言、客にたいする態度じゃねぇ……」

垣根「テメェは黙ってろ」

上条「」

食蜂「大丈夫よぉ、来たばっかだからぜんぜん聞いてないわぁ」

垣根「どこからだ?」

食蜂「いつも通り研究所に行ったら、のとこからかしらぁ」

垣根「それ、めっちゃ序盤じゃねぇか!もしかしてそこから…」

食蜂「ずっとよぉ」

垣根「不幸だああぁっ!」

上条「それ!その言葉俺の所有物!!」

垣根「テメェは黙れ」

上条「」

垣根(まあこの様子だと俺が第2位ってことはきいてないみたいだな。それだけが救いだ)

上条「どうする?ここの店員すごくイタいよ?店変える?」

食蜂「そうしようかしらぁ」

垣根「待てテメェら!店変えるな!そして今のことは忘れろ!」

上条(な、なんかこえぇ…てかこれで出て行ったら殺されかねない目だ…こんなんで死にたくないのですよ…不幸だ…)


上条「さ、さっさとなんか買って出ましょ、食蜂さんや」

食蜂「そうねぇ、面倒力の高いことははやめに済ませたいわねぇ」

食蜂「じゃあこれ買ってほしいわぁ」

つ『いちごおでん』

上条「ず、ずいぶんと地雷そうなの持ってきたな……」

食蜂「あらぁ?おいしいわよぉ?上条さんも一つ買ってみたらどうかしらぁ」

上条「ものは試しって言いますし買ってみようかな」


上条「そういえばテレパシーってやっぱ便利そうだよなぁ、しゃべらなくても伝えられるって」

食蜂「まぁそこそこは便利よぉ、例えば話すのが億劫なときとか」

食蜂(ファミ○キください!)

垣根(こいつ…直接脳内に…ッ!!!!)

垣根「ふぁ、ファ○チキ一つで158円になりまーす」

食蜂「私の伝達力ならこんなこと簡単よぉ」

上条「上条さんにもそんな便利な能力ほしいですよ」


垣根(もしかして俺を実験台にしやがったのか、こいつら…!よほど愉快な死体になりてぇとみえる)

垣根「生卵をお付けしますか?」ゴゴゴ

食蜂(あ、やばい、なぜか怒らせたっぽいわぁ)

上条「いやいや!コーヒーに砂糖感覚で生卵!?」

垣根「生卵はもちろんあっためるよな?」ゴゴゴ

上条「ああ!もう完全にやりたいことはあれじゃないですか!どうせチンしてボンだろくそっ!この店員に常識は通用しないのか!?」

垣根「常識なんて通用しね…あ!!」

垣根(俺の未元物質に常識は通用しねぇ…これだ!なかなかかっこいい決め台詞じゃねぇか!)ニヘー


食蜂(あ、なんかものすごくくだらないこと考えて機嫌力治ったっぽいわぁ)

垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇ…俺の未元物質に常識はつうよ(ry…」ブツブツ

上条「や、やっぱこの店員こわい…」

食蜂「同感よぉ…」

上条「とりあえず買う物は買ったし、はやく出るか…」

垣根「おいテメェら!」

上条「この際客に向かってテメェって言ったことはもうツッコミませんよ、面倒ごとはお腹いっぱいなのです、でなんでせうか?」

垣根「お礼だ、これを持っていけ」ニコッ

つ『カスタード練乳』

上条「セリフと行動はイケメンなのに渡したもので台無しですよ!なにに使うのこれ!!」

垣根「そりゃあいちごおでんにいれるに決まってんだろ、この味がわかんねぇようじゃまだまだテメェらもお子ちゃまってもんだ」チッチッチッ

食蜂「そんな甘いのお子ちゃまですら食べれないわぁ!なんか腹立つしぃ!」

垣根「なんならもう一つやるよ」

上条「いらないです!!どんだけ甘党なんだこの店員!会話も成り立ってないし!」

垣根「こっから先は一方通行だ!ってことだな」ハハハハ


一方「あァ、起きたらコーヒーねェとかどンな地獄だっつゥの」
一方「コンビニはわりとはやくみつかったみてェだな、ちゃっちゃと買って帰るかァ」

上条『会話も成り立ってないし!』

一方「やけに騒がしいコンビニだな」

垣根『こっから先は一方通行だ!』

一方「………!!??」

一方「なンだよなンだよなンですかァ!?この感覚はァ!?もしかしてこれはァ!」

垣根『あんまりカスタード練乳馬鹿にすると愉快な死体にすんぞコラ』

一方(愉快+オブジェ


食蜂(近くでまた馬鹿が1人生まれたみたいねぇ…)

垣根「愉快な死体になりたくなかったらこれを持っていってたっぷりいちごおでんにかけろ」

上条「わ、わかりましたあ!じゃあ!」ピューン

食蜂「ま、待ってぇ、上条さぁん!」ピューン


prrrrr…ピッ

研究員『垣根君、コンビニの店員の調子はどうかね』

垣根『おぉ、決め台詞も決まったし練乳いちごおでんの布教もできたし俺のファンも増えたしで絶好調と言ったとこかな』

研究員『……。私の知ってるコンビニでの仕事とは少し違うようだがまあ上手くいってるならなによりだ。ところで第五位との対面はどうだったかね?』

垣根『あ、さっきのが第五位とやらか…そういや能力を使ってきやがってたな』

研究員『何!?まあ能力を使われてもなんともなさそうなのがさすが第二位かな?それでなにをされたのだね』

垣根『ファミ○キくださいってテレパス送ってきた』

研究員『』

垣根『あれ?聞こえなかったか?だからファミt』

研究員『ああ、聞こえてるよ。超能力者の能力のものすごく無駄にしてる気がしてだね』

垣根『激しく同意する。ところでテメェはさっきからまるでみているかのように話してやがるがいったいどこにいやg』ツーツーツー

垣根「チッ、喰えない野郎だ」

垣根「まあんなことよりせっかくだからさっきの台詞を着メロにしねぇとな」オレノダークマターニジョーシキハツーヨーシネー

垣根「♪」


上条「へ、変なコンビニ店員だったな…」

食蜂「そうねぇ…思考回路が飛んでるというか常識力が通用しないというか…」

上条「なぜか怒ったと思ったら急にニヤニヤしだして挙げ句の果てになんかもらったし…」

食蜂「あのお店、いつか潰れないといいわねぇ」

食蜂「とりあえずそこのベンチで買ったものでもいただこうかしらぁ」

上条「お、そうするとしますかね…あ…いちごおでん…」

食蜂「ふっ…不味いと思っていられるのも今のうちよぉ?飲んだら上条さんも虜になるわぁ」

上条「って言われてもなぁ…開けてみてもなんか色が毒々しいでございますよ?」

食蜂「見た目と味のギャップ力がまたいいのよぉ、じゃあ先にいただくわねぇ」アムッ

食蜂「やっぱりおいしいわぁ、いちごの甘さ力と酸味力のあとにおでんの出汁のさっぱり力がきてとても食べやすいのよぉ♪こういう缶物ってよく中身少ないことが多いけれど、これはいちごがたっぷり入ってて満足力もあるしぃ、最後まで飽きない味わいだわぁ♪さぁ上条さんも、私がおいしいって言うんだからおいしいわよぉ?」

上条「な、なんか食蜂さんの食リポ聞いてたらこの地雷臭プンプンのこれもおいしそうにみえてきたぞ!!上条、いっきま~す!」パクッ

上条「あっつ!!!」

食蜂「ぷっ……!上条さん1人で漫才やらないでよぉ、これはお約束ってやつかしらぁ?こういうのはこの前みかけた車盗んでた金髪のスキルアウト君だけで十分よぉ」


浜面「ぶえっくしょい!!……あ…」

黄泉川「みつけたじゃんよ…これは人の車、あとの話は向こうでするじゃん?」

浜面「うわああああああ!くっそ!誰だこのタイミングで俺の噂しやがったやつわ!」ピューン

黄泉川「あ!待つじゃんよ!」

浜面「待てと言われて待つのはジャージを着たバーニーに言われたときだけだあああ!ワイズマンじゃない方な!」ピューン

黄泉川「ミンチよりひどくしてやるじゃんよ」

浜面「警備員がそんなこと言うなああああ!」


上条「あ…熱かった……。そしてまったく味まで確かめてなかった……」

食蜂「上条さんたらぁ☆よし!こうなったら私がふぅふぅして食べさせてあげちゃうゾ☆」

上条「いや、別に大丈夫だ」

食蜂「………」ピッピピピピピピ

上条「わかった!わかったからリモコンを俺に向けて連打しない!」

食蜂「ものわかりがはやくて助かるわぁ…ふぅふぅ…じゃあはい、あーん」

上条「あ、あーんまではしなくt…わかったからリモコンしまって!はいあーん」パクッ

食蜂「どうかしらぁ?」

上条「………。」ポックリ

食蜂「うわあああああああ!帰ってきてえええええ」ユッサユサ

上条「あぁ…ナンカ俺ノ右手カラ竜ガデテキタヨ……」ブツブツ

食蜂「う、うわ言までつぶやき始めた!?」

上条「露出シマクリノ痴女ミタイナ金髪魔女ガ15センチニ……ハッ!今まで俺は何を……」

食蜂「これを食べたら急に……(いちごおでんを見せる)」

上条「………。」ポックリ

食蜂「またかあああああ!!」ユッサユサ

上条「サッキノコンビニ店員ガバレーボールニナッテ…ハッ!くそ!みただけで…!」

食蜂「そんなにまずかったかしらぁ」

上条「少なくとも俺には毒物だな…じゃあ残りは食蜂さんにあげるよ」

食蜂「ふぇっ!?あ…あ…」

食蜂(それって間接キスになるじゃない!まだ心の準備が…///)

上条「ん?なんだ?いらないのか…じゃあ捨てるしかないか」

食蜂「す、捨てるのはもったいないからもらうわぁ!?」バシッパクッ

上条「あ、そんな勢いよく食べたら……」

食蜂(本人は鈍感力で気づいてないみたいだけど、嬉しいわぁ…いつものいちごおでんがより甘k……)

食蜂「あっっつい!!!」ゲホゲホッ

上条(アカン、不覚にも萌えた…って相手は年下だぞ!?平常心だ上条当麻、負けるな上条当麻……)

上条「そんなに急いで食べるから…」セナカサスサス

食蜂「あ、ありがと、助かるわぁ」


上条「ところでさっきもらったカスタード練乳とやらはどうしようか……」

食蜂「ど、どうしようかしらねぇ…上条さん食べてみるかしらぁ?」

上条「次はもう帰ってこれないかもしれない…」

食蜂「冗談よぉ。まあせっかくもらったものだしぃ、ちょっとぐらいは入れて食べてみようかしらぁ」

上条「ゆ、勇者だな…敬礼」ビシッ

食蜂「大げさよぉ、じゃあいただくわぁ」パクッ

上条「!!??口に入れた瞬間天に召された!?」

食蜂「ドリー、ここがウミよぉ。やっと来れてよかったわねぇ」ブツブツ

上条「め、目を覚ませ!!」ソゲブッ

食蜂「はっ!私は何を……」

上条「いちごおでんに例のブツを入れたら食蜂が天に召された…」

食蜂「お、思い出しただけで寒気が……。よくあの店員はこれを食べれるわねぇ」

上条「右手で触ったら正気に戻ったしな、これもなんかの能力なんじゃねぇのかと疑うよ…」


上条「で、でさ食蜂、さっきからたくさんの人に囲まれてる気がするんだけど……」

食蜂「えっ……」

派閥の人たち「…………」ジーッ

食蜂「な、なによぉ、なんであなたたちがここに…?」

縦ロール「女王が心配で護衛に参りましたが、なにか不都合でもありましたか?ってまだあの殿方といるんですか!」

上条「あれ、さっき事情を話したって……」

食蜂(こ、これはヤバいわぁ。このままじゃ能力のことまでバレかねないわねぇ…)

縦ロール「とにかくこれはなんなのか説明してくだs……

食蜂「わーわーっ!!か、帰るわよぉ!あとでゆっくり話すからはやく帰りましょうそうしましょう!!」

縦ロール「じょ、女王がそうおっしゃるなら……」

食蜂「では上条さん、今日はありがとうねぇ。また会えたら嬉しいわぁ、じゃあねぇ」フリフリ

上条「お、おう……」


今日は以上です。

もうしばらくネタなゆっくり日常が続きます。


投稿してもなぜかこちらでみれるようになるまで一日ぐらいかかるみたいなので上手く投稿できてるか心配です。

もし順番が崩れてたり等の不具合があったら、また投稿させていただきます。


では……。


あ、半角のイコールを使ったのでもしかしたら一部途中で終わってるかもしれないですね……

まだこちらで確かめられないのですが、もし、途中で終わってたらそこだけ後日投稿します。


一方「あァ、起きたらコーヒーねェとかどンな地獄だっつゥの」

一方「コンビニはわりとはやくみつかったみてェだな、ちゃっちゃと買って帰るかァ」

上条『会話も成り立ってないし!』

一方「やけに騒がしいコンビニだな」

垣根『こっから先は一方通行だ!』

一方「………!!??」

一方「なンだよなンだよなンですかァ!?この感覚はァ!?もしかしてこれはァ!」

垣根『あんまりカスタード練乳馬鹿にすると愉快な死体にすんぞコラ』

一方(愉快+オブジェ=愉快なオブジェにしてやンよ)

一方「………くかっ、くかきけこかかきくけききこくきこきかかか----!!!!」

一方「その辺の安い名言?陳腐な名台詞??そンなモンはもォいらねェ!」

一方「決めゼリフにおいてこの一方通行を超えられるものなどこの世のどこにも存在しない!!!!」

一方「くかっ、なンか大事なモン忘れてる気がするがそれももォどォでもいい…はやく帰ってこのステキな決めゼリフの練習をしねェとなァ!?」


一方「ぎイヤはははははは……」


やはり途中で切れてたので全角になおしましたが、みれてるでしょうか…

また反映まで時間かかりそうなのでまだ確認できませんが、それでもダメならまた投稿します。

ご迷惑をおかけしてすいません。


あと乙コメありがとうございます。


今回は極めて本当に量が少ないですが、投下させてもらいます。


・食蜂side・


食蜂「で、なんの用かしらぁ?」

縦ロール「なにもこれもありません。昨日から様子がおかしいと思ったらまさか殿方との密会があったなんて…」

食蜂「あらぁ、偶然会っただけよぉ」

縦ロール「バレバレの嘘はよしてくださいまし。ハッキリ顔に嘘ですとかいてあります。能力を使わないと本当にわかりやすいお方ですね」

食蜂「じゃあ能力を使わせてもらうわぁ」


縦ロール「はいはい、リモコン回収回収」パシッ

食蜂「」

縦ロール「今日という今日はハッキリ言わさせてもらいます。まず殿方との密会だなんて派閥のトップとして、女王として、そして常盤台の学生としてもいかがなものかと思いますわ」

食蜂「た、縦ロールちゃん。今日のキャラおかしいわよぉ」

縦ロール「黙って話をきいてくださいまし」

食蜂「」

縦ロール「そもそも女王のキャラもおかしいですよ。冷静沈着な気高い女王キャラはどこにいったんですか。だいたいですね、最近の女王は派閥のトップとしての自覚が………


・上条side・


上条「今日はかなり充実した休みの日だったな。女の子と歩いたり公園でしゃべったりとかいかにも高校生らしいシチュエーションじゃないですか」

上条「って言っても昨日会ったばかりの友達かどうかもあやふやな女の子ってところが上条さんの彼女いない歴=年齢を物語っているんだが…悲しくなるから深くは考えないでおこう…」

上条「あーあ、あんな子みたいな彼女いたらなぁ。って相手は中学生だぞ…そんなこと考えるのは健全な高校生としてよろしくはない」

上条「まあスタイルとかは中学生不相応…って正気を取り戻せ上条当麻!!あ……」

上条「課題やってない…このままじゃ先生の補習…不幸だ……」


・食蜂side・


食蜂「や、やっと解放されたわぁ…」

食蜂「けっきょく3時間も説教されるなんて思ってもみてなかったわよぉ」

食蜂「だいたいあの殿方、上条さんとイチャイチャだなんてしてないし、別にしたくないわよぉ。まぁちょっとはしたいかなぁって思ってたりは…」モジモジ

食蜂「だから思ってないわよぉ!ってなに1人でボケとツッコミやってるのかしらぁ…」


食蜂「上条当麻さん…かぁ」


以上です。貼りながら改めて短いな、と感じていました。

これからは更新速度か投下量のどちらかは上がりそうです。

とりあえず今回で次回に小萌先生が少しだけ出るフラグを立てつつ、次はそこそこの長さ&前回以上のイチャラブを出す予定です。


では……


投下開始します。


~放課後~


上条「課題はおわったけど、まさか補習課題もあったとは…終わらなかった…不幸だ…」

上条「そして今わたくし上条さんは先生のありがたーい補習を無事終わらせて、帰りの特売に向かおうとしているのですが…」

青ピ「わかっているとは思うけどカミやん…裏切り者には死の鉄槌を…やで?」

土御門「あいきるゆー、ゆーきゃんふらい!!だにゃー」

クラスメートの男達「「殺すコロスころすkorosu……」」



上条「どうしてこうなった……」


~遡ること30分前~


土御門「また学校のある一週間が始まったにゃー…」

青ピ「小萌先生に会えると思うとハッピーに思えるやで?」

土御門「俺は舞夏ときゃっきゃウフフな休日を満喫した方が有意義だぜよ…」

青ピ「とりあえず小萌先生と1対1の個人レッスン(意味深)を楽しんでやがるカミやん滅ぼしたいでー…ん?なんかあんなとこに女の子がいるで?」

土御門「本当にゃー。あの制服は常盤台の学生…?こんな自分で言うのもあれだが底辺高校になんの用だ…?」

食蜂(学校がおわって私の捜査力でここまできたはいいけど、出てこないわねぇ…)

土御門「ちょっとそこの常盤台の学生ちゃん、こんなとこになんの用かにゃー?」

食蜂「ちょっと、用事力があってねぇ(こいつから情報力とっちゃおうかしらぁ)」ガサゴソ


土御門「おい、お前が第五位の心理掌握だってことはわかっているんだ。能力を使おうとしたり妙な真似をしたらそれなりの対応はとらせてもらう」カチャ

食蜂(!!?いつの間にこんな近くに…そして私にしかみえないようにしてるのは拳銃!?!?)ガタガタ

青ピ「なんかこの子震えてる…これはもしかして僕の魅力に…!!!」クネクネ

食蜂「ちょ、ちょっと上条さんにぃ…あとそこの青髪は惨たらしく死ね」

土御門「か、カミやんに!?あいつになんの用か詳しく話せ。そして青髪ピアスは惨たらしく死ね」

青ピ「なんで2人から罵倒されなきゃいけないんや!金髪の子にならまだ罵倒される趣味はあるけど、グラサンのシスコンに罵倒される趣味はないで!?」


食蜂「た、ただ会いにきただけよぉ…青髪キモい、近づかないでほしいわぁ」

土御門「その言葉を信じるとでも思うか?あとエセ関西人を罵倒して喜ばせたくもない、死ね」

青ピ「なんかシリアスっぽい空気出しつつ僕を責める手は緩めないやて…!でもなんか金髪の子に言われるとなんかこうゾクゾk…」クネクネ

食土「「消えろ」」

青ピ「」


月詠「あれー、みなさんなにをやってるんですかー?」

食蜂「あ、小萌先生!」パァ

月詠「食蜂ちゃんもいたんですかー、どうしたんですかー?」

食蜂「この人たちがこわいのよぉ…」シクシク

月詠「むっ。なにがあったかはよくわかりませんが、女の子をいじめちゃダメダメなんですよー!」

土御門「チッ、まあ先生の信用があるのなら今回は信用するしかないな」

青ピ「ぼ、僕はいじめてたんやなくて明らかにいじめられてたで!?」

月詠「わかればいいのです」エヘン

青ピ「あ、あのー、スルーはやめてスr」

月詠「ところで食蜂ちゃん、ここになにしにきたんですかー?」


食蜂「上条さんに会いにきたのよぉ。でもなかなか出てこなくて…」

月詠「むむっ。上条ちゃん女の子を待たせるとはダメダメなんですよー。あ、上条ちゃんは補習が終わったのでもうすぐ来ると思いますよー」

青ピ「そ、それってカミやんじゃなくて先生のせいで止められてんやないか…」

月詠「補習にかかる上条ちゃんが悪いのです」

土御門「んでもう一度きくが、カミやんになんの用なんだ?」

食蜂「だからほんとに会いにきただけよぉ…それで上手くいけばどこか行こうかなって」

青ピ「遊ぶって…まさかまたカミやんフラグ建てたんか!」

食蜂「そ、そういうわけじゃ…ただ会いたかっただけよぉ。あ、でも会いたいってことは…そ、それはないわ…でもぉ…」モジモジ


土御門「お前ら!まだいるかにゃー!!」

クラスメートの男達「「話はきかせてもらったーッ!」」ザッ

月詠「ど、どこにいたんですかー!」アタフタ

土御門「我らが敵、カミy…いや、上条当麻は数々のクラスメートの女子たちにフラグを建て、それに飽き足らず名門校、常盤台中学の者にもフラグを建てた!これを許してなにを許さぬ!」

土御門「今から敵、上条当麻の捜索および抹殺を行うッ!全指揮権は俺がとるにゃー!行くぞッ!裏切り者には!」

男達「「制裁をーーーーッッ!!!!」」

月詠「ま、抹殺とか不穏な言葉が聞こえたのですー!殺すとかはダメなんですよ!」アタフタ

食蜂「ダメよぉ、先生…この人たちまったく他の人の言葉が聞こえない状況力にあるわぁ」


土御門「まずは上条当麻の発見をしなければならないが、ただ闇雲に探していては逃がす恐れがある。そこでだ」

食蜂「な、なんか折り紙を出しはじめたわぁ…」

土御門「俺は占いが得意だにゃー。そこで今からこれでやつの居場所を特定するにゃー!!!」

月詠「な、なにかブツブツ言い始めてこわいのですよー。って土御門ちゃん!?なんで突然いたるところから流血してるのですかー!?」

土御門「ゼェゼェ…な、なんとかやつの居場所は突き止めたにゃー…お前ら!行くぞ!」

男達「「おーーーーーッ!!!!」ピューン

食蜂「い、行っちゃったわぁ…」

月詠「ふ、普段はいい子達なのですよー」

食蜂「小萌先生がそういうのならそういうことにしておくわぁ…ものすごく信憑力に欠けるケド…」


月詠「そういえば食蜂ちゃん、上条ちゃんとはどんな関係なんですかー?」

食蜂「た、ただ助けてもらっただけよぉ。変な奴らに追われてて、そしたら上条さんが助けてくれたの」

月詠「それは上条ちゃん偉いですねー。どうやって助けてくれたんですかー?」

食蜂「はじめは全員倒してくれそうな感じ力でやってきたんだけど…ハッタリがバレて走って逃げたってとこかしらぁ」

月詠「上条ちゃん、後先とかあまり考えなさすぎなのです」

食蜂「ほんとそう思うわぁバカで頼りなくて、考えるより先に体が動くようなアホな人よぉ。でも…」


食蜂「でも、まっすぐで正義感に溢れてて…そういうとこはかっこいいと思うわぁ」ニヘー

月詠「食蜂ちゃん上条ちゃんにメロメロですかー」

食蜂「そ、そんなことはないわよぉ!たまぁにかっこいいと思うだけで、好きとかそういうのはあり得ない、あり得ないわぁ!」アタフタ

月詠「そういうことにしておくですよー」フフフ

月詠「……って食蜂ちゃん、追われてるのですかー!?」

食蜂「…なんか会話の温度差力がすごいけど…最近変な奴らに追われてるのよねぇ。でも大丈夫よぉ、私は学園都市のLevel5第五位。追っ手なんてこちらの操作力で逆に廃人にして返り討ちにしちゃうゾ☆」

月詠「ならいいのですが…」

月詠「じゃあ先生はまだ仕事があるので戻るのですよー」フリフリ

食蜂「わかったわぁ。私はもう少しここで待つわぁ」フリフリ


仕事はかなり残っているらしく、やや急ぎ足で立ち揃うとする小萌先生。

「あ、小萌先生!一つだけお願いいいかしらぁ」

「なんですかー、食蜂ちゃん。できることなら先生になんでも言ってほしいですよー」

仕事があるはずなのに、教え子とか関係のある人のお願いと聞くと自分のことそっちのけでこっちに来てくれる先生。

生徒があれなら先生もそうなのねぇ、と頭で彼と先生を重ねつつ、私は一つお願いをする。


「もし、万が一私がやつらに捕まっても、絶対に上条さんを行かせないでほしいの。上条さんが来てもやつらには絶対に勝てない、来ても上条さんが傷つく、いや死ぬだけ。だから…」

「お願いします…もう私の大事な人が死ぬのをみたくないんです…!!」

軽くお願いするだけのつもりだったのに、今までのことが脳裏に浮かぶ。

自然と頬に涙もつたう。

「……わかりました。食蜂ちゃんがそこまで言うのならそうします。だから」

「…だから約束してください。絶対に食蜂ちゃんも帰って来てください。先生と上条ちゃんは待ちますから」

先生の目には嘘を感じられなかった。


「もちろんよぉ。絶対帰るわぁ」

これでよかったのだ。私にはわかる。やつらがどんなやつらなのか。そしてそんなやつらから自分1人で脱出できるほど甘いかどうかも。

「ありがとねぇ、お願いはそれだけよぉ」

「食蜂ちゃん、なにかあったら先生に絶対言ってくださいね。じゃあ先生は行くのですよー」

「もちろんよぉ。今度こそじゃぁねぇ、小萌先生」フリフリ


このことは小萌先生にも言えない、なぜなら彼女もまた私の大事な人の1人なのだから。


上条「んで、だから俺を捕らえたとそう仰るのでせうか?」

土御門「そういうことだにゃー。自分の置かれた状況を把握した上ではやく命乞いをしろ」

青ピ「3分間なら待ってやるで」

上条「命乞いすれば解放してくれるんだな?」

土御門「いや、必死に命乞いをしてるのを聞きながら殺すほど楽しいことはないにゃー」wktk

上条「鬼!悪魔!シスコン軍曹!!」

土御門「俺はカミやんみたいにいろんなやつと関係持ってないにゃー!せいぜい肩を揉んでもらったりとかしてるぐらいしか」


上条「おい、お前ら聞いたか?俺はあくまで女の子が来ただけ。それに対してこいつは妹なるものに肩を揉んでもらってるときた。お前らならどちらを優先して罰を与えるかは明らかじゃないか?」

土御門「気をつけろお前ら!これはカミやんの罠だ!」

男達「「両被告に判決を言い渡す!皆殺しだッ!!!」」

上条「チッ、両方か!」

土御門「よしカミやん、ここはいったん停戦協定を結んで脱出を優先するにゃー!」

上条「ここはしょうがない!策は一つ!」


上土「「戦略的撤退ッ!!」」

青ピ「あいつらを逃がしたらアカンで!追うぞぉ!」

男達「「Search&Death!!!」」


上条「す、すごい戦いだった……」

土御門「あぁ…口では言えないぐらいおぞましい光景だったにゃー…」

上条「でもまだ残ってるやつらがいる…どうするんだ、土御門」

土御門「それは問題ない、ここを通ればやつらに気づかれずに脱出はできる」

上条「お前の策略じゃないだろうな?」

土御門「いや、もうカミやんを追いかける気力は俺にはないにゃー。なんなら俺が先に行こう」

上条「ところでこんな抜け道、なんで知ってるんだ?」

土御門「あ…えっとお…あれだ!女子更衣室を上から覗ける秘境にもいける道なんだにゃー」

土御門(任務で抜け出すとき用なんて言えねー、口が裂けても言えないにゃー)

上条「お、おう…今度俺も案内してくれ(そういうのはよくないと思うぞ)」

土御門「建前と本音が逆になってるぜ、カミやん…」


上条「い、今のは忘れよう!いや忘れない!俺にその道を教えること以外忘れて!」

土御門「あーはいはいわかったわかった、今度教えてやるから落ち着くにゃー」

上条「その言葉忘れないからな」

土御門(どうせカミやんのことだからすぐ忘れるはずにゃー。まあ万が一のためにほんとに女子更衣室をみれるとこでも探しておくかにゃー)


土御門「ところでカミやん、第g…じゃなくて食蜂ってやつとはどんな関係なんだ?」

上条「あん?その子が言った通りだよ。一昨日偶然通りかかったらいたから連れて逃げただけですことよ?」

土御門「で、そのあとは?」

上条「土御門が想像してるようなラノベとかギャルゲみたいなことはないよ。ただまあ昨日も偶然会って談笑したぐらいかな」

土御門(ちょ、超ラノベ的展開まっしぐらだにゃー…それを意識できてないあたりさすがカミやん…)

土御門「ず、ずいぶんとうらやましいにゃー」

上条「なんでだ?」

土御門「なんでって言うあたりさすが…あんなスタイルもよくてかわいい子、めったにいないぜよ」

上条「なっ!?あ、相手は中学生ですことよ!?ましてやあの子レベルなら上条さんなどアウトオブ眼中だろうし」


土御門「その考え方はおかしいぜ、カミやん」

上条「!!??」

土御門「まず、相手が年下だろうがなんだろうが、かわいい子はかわいい、好きな子は好き。人を年齢だけで測るのは間違ってるぜよ」

上条「つ、土御門が言うと妙に説得力が……」

土御門「そしてお前は相手のレベルが高すぎる、自分のことなど眼中にもないだろうとかそんな理由で諦めるのか?カミやん、お前はポケ○ンで相手がチャンピオンだからって挑まないのか?違うだろ?」

上条(いや、そのときはチャンピオンの手持ちよりみんなレベルが10以上高いからとか、そんなことこの空気では言えない)

土御門「手を伸ばせば届くんだ!いい加減に始めようぜ、カミやん!!」

上条「そ、そうだよな!なんか土御門に言われたらそんな気がしてきた!」

土御門「その調子だぜ、カミやん」

上条(手を伸ばせば届くんだって台詞かっこよかったな、今度どっかで使ってみよっと)


上条「あ、でもまったく上条さんにはそもそも食蜂が好きとかそんな気持ちはないのですことよ!?」アタフタ

土御門(否定の仕方とか見る限り結構お似合いだぜ?カミやん)

土御門「とにかく、女ってのはいいものだぜい?そろそろカミやんも大人の階段を登るときがきたってものかにゃー」

上条「そ、そんな発想はよくないですよ!?……ってカミやん『も』ってまさかお前妹と……」

土御門「にゃー!そろそろ出口だにゃー!こっからは別行動ってことで健闘を祈るぜ、カミやん!」ピューン

上条「い、いや、まさかそんなはずはないよな…さすがにな…」


上条「あ、おーい、食蜂!」フリフリ

食蜂「あ!上条さん!」パァ

上条(あんな会話のあとだからなんか変に意識しちゃうな…切り替えないと…)

食蜂(小萌先生とあんな話をしたのがよくなかったわぁ…切り替え力でどうにかしなきゃ)

上条「と、ところで食蜂、なんでここに来たんだ?」

食蜂「偶然ここを通りかかっただけよぉ」

上条(あれ、土御門たちが言うのを聞く限りなんか俺に用があってっぽかったけど…まあいっか)

食蜂「上条さんはこのあと暇かしらぁ?私はそんなに暇ではないけど、少しなら時間があるからしょうがないから遊んであげてもいいゾ☆」

上条「あ!俺もちょっと用事があるんだった!じゃあな!」


食蜂「ちょ!ちょっと待って!」ガシッ

食蜂(と、とっさに手を掴んじゃったけど、これすごく恥ずかしいわぁ)アタフタ

上条「ん?なんだ?食蜂も忙しいんじゃ」

食蜂「うがーーっ!この鈍感男!!」ポカポカ

上条「ちょ!突然叩かないで!意味のない暴力が上条さんを襲う!」

食蜂「ひ、暇ではないけど、時間を潰さないといけないから上条さんの用事とやらに付き合うわぁ!」

上条「……!それだ!」

食蜂「??」

上条「食蜂、ならちょっとお願いがある!」ガシッ

食蜂(……!!??きゅ、急に手を握られてもまだ心の準備力というのが……////)


食蜂「な、なにかしらぁ?まぁ上条さんがどうしてもっていうならいいわよぉ。あ、でもまだABCならBまでじゃないと今日はその…まぁ上条さんがどうしてもって言うなら……」

上条「今日は卵と白滝がお一人様一つまでだけどめっちゃお買い得なんだ!だから食蜂もついてきてくれればもう一つずつ買えるからきてくれ!」

食蜂「………」プチッ

上条「いやぁ、助かったわ、珍しく今日は幸運な日だなー……って食蜂!?リモコンを振りかぶってってちょ!リモコンは打撃武器じゃなっうわあああああッ!!!」ズゴベキグシャッ


上条「や、やっぱり不幸だ……」

食蜂「ほんっと、期待を少しでもした私がバカすぎたわぁ!」

上条「な、なんでこんなに怒っているのか上条さんにはまったくわからないのですが…」

食蜂「もういいわよぉ!」

上条「うっ…なんか申し訳ない…。ところでさっきのABCとかなんちゃらってなんのことだ?」

食蜂「なっ!?そ、それを乙女にきくかしらぁ!?」カアァ

上条「いや、それ食蜂が言ったんじゃ…ってごめん!だからリモコン出さないで!聞いてません、上条さんはなにも聞こえてません!!」

食蜂「ならよかったわぁ。そういえば上条さん、特売ってどんな感じなのかしらぁ」


上条「と、特売の様子を知らないとはさすがお嬢様学校の生徒……。一つきこう、食蜂、運動は」

食蜂「そんな野蛮力高いことできないわぁ」

上条「なら一つ忠告しておこう、今から起こることは」



上条「戦争だ。」


上条「な、なんとか二つずつ目標のものは入手できたか…」

食蜂「な…なによぉあれは…これがほんとに平和を謳う日本なの……?」

上条「これが特売だ、地獄に落ちても忘れるな」

食蜂「なんか今すぐにでも手が閃光で焼き切れそうな台詞ね…でも実際本当に恐ろしかったわぁ」

上条「うん、今なら率直に言える。これに女の子を巻き込んで悪かった」

食蜂「そうねぇ、こんなことならもうちょっとちゃんと説明してほしかったわぁ…あ、じゃあ!」

上条「…はい?なんでせうか?」

食蜂「ちゃんとお礼とやつをしてもらおうかしらぁ」

上条「……上条さん、お金などぜんぜんないですよ…?」


食蜂「さっきの戦場に行かないといけない状況をみて上条さんからお金をとろうなんてことは、さすがに鬼畜力高すぎて私にもできないわぁ」

上条「じゃ、じゃあ…」

食蜂「そうねぇ…じゃあ今日の夕飯に付き合ってほしいわぁ」

上条「だ、だから上条さんは奢れないですことよ!?ましてやお嬢様が食べるようなもの……」

食蜂「だからぁ、上条さんはお金を払わなくても大丈夫よぉ」

上条「いや…でも…」

食蜂「男のプライド力ってのが許さないかしらぁ?でも経済力がぜんぜん違うんだし、そこは甘えるべきよぉ」

上条「うっ…たしかに上条さんは貧乏人だけど……」

食蜂「じゃあこれはさっき付き合ってあげたお礼、私の言うことを聞いて仕方なく上条さんも付き合わされる。これでどうかしらぁ」

上条「な、なんか悪いな、ごめん」

食蜂「だからぁ、これは私のわがままなんだから大丈夫よぉ」

上条「じゃあありがたく夕飯をいただかせていただきます…これは幸運なのか」

食蜂「そうねぇ。まぁ上条さんがなかなか食べられないレベルのものは食べられるだろうしぃ」

上条「じゃあ楽しみにさせてもらうぜ。ありがとな、食蜂!」


食蜂「…あ!じゃあもう一つ!」

上条「ほ、他にもあるのですか…」

食蜂「さっきのは生卵の分で、次は白滝の分よぉ」

上条「実際さっきのはノーカンどころか上条さんにとってはご褒美に近いもんな」

食蜂「命令されてご褒美ってドMなのかしらぁ」

上条「そういう意味じゃない!!むしろ俺は…いや、なんでもない」

食蜂「まぁ上条さんになら…」ボソッ

上条「…?なんか言ったか?」

食蜂「な、なにも言ってないわよぉ!話を戻して命令するわぁ」アタフタ

上条「上条さんにできることなら……」


食蜂「こ、これからは私のこと、食蜂じゃなくて…操祈って呼びなさい!」バァン

上条「うんうん、なるほどそんなことか……ってハイっ!!??」

食蜂「お、お友達になるんだったら名前で呼び合うのが普通なのよぉ。だから私もこれから当麻さんって呼ぶわぁ。これも命令よぉ」

上条「な…なんか名前で呼び合うって…食蜂「操祈!」み、操祈はそれでいいのか?」

食蜂「いいもなにも私が言ってるんだから当たり前よぉ」

上条「じゃ、じゃあそう呼ばせてもらいます…」

食蜂「そうしてちょうだい、当麻さん。これからもよろしくお願いするわぁ」

上条「ずいぶんと改まって…こちらこそよろしくな、操祈」

食蜂(ま、まさかこんなに上手く名前呼びまでいけちゃうなんて…上条さんに名前で呼ばれるのすごく恥ずかしいわぁ…でもなんか嬉しい…////)


上条「じゃあ俺はちょっと荷物置いてくるから、どこかで待ち合わせしてってことでいいか?」

食蜂「もちろんよぉ。じゃあ6時に…そうねぇ、じゃあまたあの公園で合流でいいかしらぁ」

上条「おう!じゃあまたあとでな!」

食蜂「遅刻は厳禁よぉ、またね当麻さん」フリフリ


今日はここまでです。

一日分終わりにしようと思いましたが、予想以上に長くなりそうなので、一旦きりのいいところで投下しました。

鈍感男の上条さんとちょっとお高い食蜂さんだとなかなか進展起きませんね…でも少しずつは進展してきてます。

とりあえず名前呼びまでたどり着いたところで、残りは次回にまわさせていただきます。


では……。


なかなか先に進めず遅れてしまいました。すいません。

投下開始します。



上条「遅刻だけはマズいと思ってはやく来ようと思ったけど、さすがに早すぎたかな。今5時だからあと一時間公園でなにしていようか…」

上条「とりあえず公園行って待つかなぁ…」

食蜂「あらぁ、当麻さん!」フリフリ

上条「食h…操祈!?」

食蜂「来るのずいぶん早いわねぇ」

上条「その言葉、そっくりそのままお返しします」

食蜂「私は特にやることもなかったから早く来てただけよぉ」

上食((楽しみすぎて早く来ちゃったなんて言えない)わぁ)


上条「じゃあちょっと早いけど、ゆっくり向かうとするか。どこに行くんだ?」

食蜂「学舎の園にぃ、おいしいレストr…」

上条「ちょっと待とうか」

食蜂「な、なにかしらぁ?」キョトン

上条「うん、俺の聞き間違いだ、そうに違いない。落ち着け上条当麻。いったん深呼吸スーハー……よしもう一回言ってくれ」

食蜂「だから、学舎のそn…」

上条「はいっストーップ!学舎の園、男子禁制。俺、男。どぅーゆーあんだーすたん?」

食蜂「それぐらいわかってるわよぉ。でもそこにいいお店あるから、当麻さん驚くわよぉ?」

上条「もう十分驚いてます!第一俺じゃ入れないだろ。まさか女装しろってでも言うのか?」

食蜂「もちろんだゾ☆」

上条「」


食蜂「と言うのは嘘でぇ」

上条「だ、だよなぁ…さすがに…」

食蜂「したかったかしらぁ?」

上条「いいえ!まったく!」

食蜂「まったく…照れなくてもいいのにぃ…」

上条「そんなことしたら上条さんもうお婿にいけなくなる…」

食蜂「そんなときは私が引き取るわぁ」

上条「え?」

食蜂「そ…そこは流すとこよぉ!////」ペシッ

上条「痛っ!わ、わかったから…じゃあどうやって入るんだ?」

食蜂「そんなの私の改竄r…じゃなくて私の説得力で簡単よぉ」

上条「そんなことできるのか?」

食蜂「そこそこ顔はきく方だから多少の融通力はきくのよぉ。女王の名前力は伊達じゃないわぁ」ドヤァ


上条「じゃあお言葉に甘えて行ってみようかな。学舎の園が気にならないって言ったら嘘になるし、綺麗ってきくからみてみたいし」

食蜂「本音は?」

上条「いろんな女の子をみてみたい」キリッ

食蜂「………。」サッ

上条「無言でリモコン取り出して…ってだからリモコンは打撃武器じゃない!これは男なら万人共通の願望であって…!!」

食蜂(目の前に女の子がいる状況力でそれを言うかしらぁ!?デリカシー力なさすぎよぉ)ズゴベキグシヤ

上条「ふ、不幸だぁ~~~……」


食蜂「それが、彼の最期の言葉だったわぁ……」

上条「上条さんはまだ死にませんことよ!?」

食蜂「なんか聞こえるけど聞こえないわぁ~。さあ今日は1人でのんびりおいしいレストランでディナーよぉ」

上条「なんかよくわからないけどすいませんでしたッ!」

食蜂「なんで怒ってるのかわからないところがいいのか悪いのか…。まぁもういいわぁ。とりあえずそろそろ行くわよぉ」テクテク

上条「おう…お願いします」テクテク

食蜂「………。」テクテク

上条「………。」テクテク

食蜂「……ところで当麻さぁん」テクテク

上条「……なんだ?」テクテク

食蜂「……なんでもないわぁ」テクテク

上条「……そうかー」テクテク


食蜂(い、いざ話のネタをつくろうとすると出てこないものねぇ…どうしようかしらぁ……)

上条(こういうときの無言ほどつらいものはない……なんとかして打破したい…)

上条「な、なぁ操祈」

食蜂「なにかしらぁ、当麻さん」

上条「これから行くレストランって、どんなとこなんだ?」

食蜂「そうねぇ…レパートリー力は豊富だから…味のクオリティ力の高いファミレスの高級バージョンみたいな感じかしらぁ」

上条「ほうほう、それは楽しみなことですな」

食蜂「そうねぇ…ふふっ」

上条「ど、どうしたんでせうか…?」

食蜂「いやぁ、なんか当麻さんがんばってくれてるなぁって思って」

上条「あ、うん…あんまこういうシチュエーションに慣れてなくて…」

食蜂「気にしなくていいわよぉ。私もこのシチュエーション力は不慣れどころかほとんど経験したことないからぁ」

上条「操祈もそうなのか。結構慣れてそうだったから意外かな」

食蜂「それってどういう意味かしらぁ。まぁ仮にもお嬢様学校に通ってる身としてはなかなか殿方と会う機会力も少ないし、そういう意味ではさみしいわよぉ?むしろ共学の当麻さんこそ慣れてないのが意外だわぁ」

上条「共学に通ってても非リアを体現したかのような上条さんには、女の子と一緒にどこかへ行くみたいなシチュなんてありませんですよ…」

食蜂(さっき会ったクラスメートと思われる人達の発言をみる限り、そんなことはなさそうだけどぉ…当麻さんなら気づかなくてもなぜか納得しちゃうわぁ)


食蜂「そうなのねぇ…今私は当麻さんとご飯に出かけてるんだけど、私を女の子としてみてないのかしらぁ?」

上条「いえいえ!そういう意味じゃなくて…ちゃんと操祈が女の子ってことは承知してますよ」

食蜂「私じゃ不満かしらぁ?」

上条「まったく!とても嬉しい限り、むしろ上条さんにはありえないシチュすぎて混乱してるレベル」

食蜂「私も同じ気持ちよぉ」

上条「え、それってどういう…」

食蜂「そこまで言ってもわからないかしらぁ?」

上条「わ、わかるようなわからないような…」

食蜂「たぶん当麻さんが思ってる通りよぉ」

上条「………。」

食蜂(ちょっとやりすぎたかしらぁ…でもこれぐらい言わないと当麻さんのことだからなにも起こらないだろうし…雰囲気力は悪くないんじゃないかしらぁ)


上条「なぁ、操祈」

食蜂「なにかしらぁ?(あらぁ、これはもしかしてきたんじゃないかしらぁ!)」


上条「いや、そのだな、俺みs……」

警備員「食蜂様、ここからは学舎の園の敷地内ですが、その男は?」

食蜂「なにこのタイミング力の悪さ!!」

上条「え…食蜂『様』…?」

食蜂「あ、いや、ここはお嬢様学校だからわりと様付けは多いのよぉ」オホホホホ

食蜂(まさか警備員を最適化してあるなんて言えないわぁ…学舎の園に入るにはそうするしかなかったわけだけどぉ)

上条「さ…さすがお嬢様…!!!」キラキラ

食蜂(純粋な感動の眼差しがすごくつらい!騙しているからこそなおさらつらい!!)

警備員「この男は排除しますか?」

食蜂「ちょっと待った!これは私の大事な方よぉ。とりあえず許可証を発行してほしいわぁ」

警備員「わかりました。ではそこの方はこれを絶対に落とさないように持っていてください」

上条「は、はい。ちなみにこれを落とすと…」

警備員「万が一誰かに怪しまれて許可証がなかったときは脳細胞の一部を切り取って記憶を完全に消した上で追放という、少し手荒な真似をしなくてはなりません」

上条「ぜ、絶対落とせない……」

食蜂「そんなビビんなくても大丈夫よぉ」

上条「でもその厳重さがいい!かっこいい!」キラキラ

食蜂(学舎の園のオーラ力に完全にトリコにされてるわねぇ…)


上条「許可証ももらったし、ご飯の前に少しここを見て回るとかできるか?」

食蜂「えっとぉ、ここの学生たちは男に対する免疫力みたいなのが皆無に等しいから、この時間に学生がいないとこならいいわよぉ」

上条「やった!一生の間に一回行くか行かないかわかんないとこだからみて回れてよかった!」wktk

食蜂(当麻さんもこういう面があるのねぇ…かわいいわぁ)

上条「こうしちゃいられないぞ操祈!はやく行こう!」

食蜂「そんな引っ張んなくても行くわよぉ」

食蜂(こういうの…悪くない、むしろすごくいいわぁ…これがずっと続いたら嬉しいんだケド……)


食蜂「たぶんここは学生来ないだろうからいいと思うわぁ」

上条「お土産屋さん…?学舎の園にはそんなのもあるのか」

食蜂「これだけ有名だと来訪者もいるからねぇ。もちろん女性しか来ないけど、それなりにお土産は需要力あるわよぉ。この時間は来訪者もいないし、わざわざここに来る人はいないんじゃないかしらぁ」

上条「へー、じゃあ限定グッズ的なものもあるわけか?」

食蜂「まぁお土産屋さんだし需要力もあるから、そこそこいろんなのがあるわよぉ」

上条「そしてやっぱり広い…この店だけでうちの教室10個は入るぞ……」

食蜂「そんな広いとこに私たちしかいないってのもまたシュールよねぇ」

上条「だがこんな広いとこを貸し切りみたいなそれがいい!」キラキラ

食蜂「今の当麻さんには学舎の園のものすべてが輝いてみえてそうねぇ…」

上条「みるだけじゃなくて、まだ買うこともできるのか?」

食蜂「一応営業時間内だし、欲しいものがあるなら買うこともできるわよぉ」

上条「買いたいって思ったけど、ここの高すぎるな……。あ、ごめん操祈、ちょっとトイレみつけたからここで待ってて!」ピューン

食蜂「わかったわぁ」


食蜂「………欲しいものがあったら私に言ってくれればよかったのに…」

食蜂「あれ、トイレってここ女子トイレしかなかったような…」

上条「戻ってきたぞー」

食蜂「あらぁ、はやいわねぇ。ここ女子トイレしかないけど大丈夫だったかしらぁ?」

上条「え、あ、そうだったっけ?」

食蜂「もしかして知らずに行って帰ってきたのかしらぁ…」

上条「ま、まあこの時間は誰もいないから大丈夫だよね、うん」

食蜂「見られてたらそのまま牢獄行きねぇ…」

上条「おそろしいところだぜ…ここは……」

食蜂「女子トイレに入ったらここじゃなくても捕まるわぁ」

上条「ここにあんま長居するのこわくなってきた…そろそろご飯行くか?」

食蜂「そうねぇ、そろそろそんな時間かしらぁ」

上条「じゃあ気を取り直して、ご飯だあ!」ピューン

食蜂「そんな急がなくてもご飯は逃げないわよぉ!」


上条「あれ、ご飯食べるとこに俺来たら騒ぎにならないか?」

食蜂「ちゃんと考えてあるわよぉ。今回のとこは個室です!」バァン

上条「な、ナンダッテー。じゃなくて個室か…なんか気まずくね?」

食蜂「今さら気を使うことはないわぁ。むしろ当麻さん、個室の方がなんか高級力高そうで好きだと思うしぃ」

上条「えぇ、それはもう!」キラキラ

食蜂「なんか当麻さんのツボ的なのが分かって来た気がするわぁ…」

上条「ん?あの店か?」

食蜂「あれよぉ。なかなか外見も洒落てるでしょぉ」

上条「うん…上条さん1人では一生入れなそうなとこです…」

食蜂「外見もさることながら、内装もかなりいいわよぉ」

上条「操祈はこういうとこ毎日行ってるのか…」

食蜂「さすがに毎日は行かないけど、毎週ってところかしらねぇ。じゃあ中に入るわよぉ」カランコロン

上条「お、おじゃましまーす」

店員「いらっしゃいませ。いつもありがとうございます。今日はお二人様ですね?」

食蜂「そうよぉ」

店員「ではこちらへ」

食蜂「ここの店員さんには当麻さんが来ることをさっき電話で伝えてあるから大丈夫よぉ」

上条「さすが常連って感じだな…」

店員「こちらへ…ではごゆっくりどうぞ」

食蜂「ありがとねぇ」


上条「それにしても内装もまたいいな…高級感を出しつつでも派手ではなく、またその高級感を押し付けない感じもまたいい…!」キラキラ

食蜂「気に入ってくれたかしらぁ?」

上条「とても!とても!!」キラキラ

食蜂「それはよかったわぁ。じゃあ食べるもの決めちゃいましょ」

上条「種類もたしかに豊富だな…和洋中すべてあるのか」

食蜂「学舎の園も地味に飲食店の激戦区らしいからねぇ。ここはレパートリー力の豊富さと専門店にも劣らぬ各メニューの味の良さがウリよぉ」

上条「そういえばここに来るときも結構飲食店を見かけたな」

食蜂「ここみたいな閉鎖的空間なら口コミとかも他のとこより広まりやすいからヒットしやすいし、なにより口の肥えたお嬢様のお墨付きとなれば外に出ても通用間違いなしだから、激戦区になるのも頷けるわぁ」

上条「とは言いつつもこんなにレパートリーがあると悩むな…操祈、なんかオススメ教えてくれ」

食蜂「そうねぇ…どれ食べても外れはないけど、私的には王道でハンバーグかしらぁ。いたって普通のデミグラハンバーグだけど、ナイフを入れたときの感動力は今でも忘れられないわぁ」


上条「じゃあたらスパにしようかな」

食蜂「………え?」

上条「だって前のいちごおでんの事件もあるし……って冗談冗談!デミグラ頼むから泣かないで!」

食蜂「泣いてなんか…ないわよぉ…。じゃあ私もデミグラにするわぁ」



~注文後~

上条「そういえば、今日は操祈学校あったのか?」

食蜂「あったわよぉ。でも月曜日は午前で授業は終わりよぉ」

食蜂(体育だったから先生に改竄力使って毎週サボってるなんて言えやしないわぁ…)

上条「午前で終わる日なんてあるのか…いいなぁ」

食蜂「当麻さんは毎日補習あるのかしらぁ?」

上条「それはない……と言いたいところだが、ほぼ毎日あるんだよなぁ…。このままじゃ大事な夏休みとかも『上条ちゃん、バカだから補習でーす』とか言われそうでこわいな…」


食蜂「夏休みねぇ…そうだ、当麻さん!夏休み一緒にどこか行かないかしらぁ?」

上条「あ、お、おう。いいけど、結構先だな…」

食蜂「わりとあっという間よぉ」

上条「そんなもんだな。うーん、やっぱ夏休みと言えば海かな」

食蜂「………!!!海は遠慮しとくわぁ」

上条「ん?なんでだ?」

食蜂「えっと…その…」

上条「あ、もしかして泳げないとか?」ニヤニヤ

食蜂「当たり前じゃない!陸で生活できるように人間が適応力つけたのに、わざわざ海に戻るなんて正気の沙汰とは思えないわぁ!」

上条「そこまで言わなくても…じゃあ動物園かな。牛とか豚とかみるのも悪くn「ハンバーグをお持ちしました」…やめよう、別のとこにしよう」

食蜂「水族館なんてどうかしらぁ。イカとかみてみt「付け合わせにイカリングをどうぞ」…うん他のところがいいわねぇ」


上条「とりあえず料理もきたところだし食べてみるか…うおっ!?切ったら肉汁が止まらないでござる!」

食蜂「ほらぁ、すごいでしょぉ?さあさ、はやく食べてみなさぁい」

上条「そうだな、ではいただきます……!!!!これは想像以上だ…」モグモグ

食蜂「うん、おいしいわぁ。ハンバーグ自体もさることながらこのデミグラスソースもまた深み力があっておいしいのよねぇ。本当、専門店顔負けの味よぉ」モグモグ

上条「たしかにこれは通いたくなるな…そういえばこのついてきたイカリングも…これもうめぇ…オマケとは思えない味のクオリティだ…」

食蜂「まさに外はサクッと中はフワッととはこのことねぇ。イカの味もしっかりしてすばらしいわぁ」

上条「ボリュームもあってまさしく非の打ち所がないですな」

食蜂「満足かしらぁ?」

上条「すごく満足!サンキューな、操祈」

食蜂「その言葉が聞けて私も満足よぉ」


上条「んでさっきの続きだけど、学園都市の外とか行かね?なかなか出れる機会ないし」

食蜂「そうねぇ…たしかにここ最近で出た記憶ないわぁ」

上条「手続きとか結講必要だしな…まあLevel5とかじゃなきゃそこまで長くはかかんないだろ」

食蜂「そうねぇ…半日あればなんとかなるかしらぁ?(そういえば私Level3設定だったわぁ)」

上条「逆にLevel5の人とかはすごく手続きとか必要そうだよな。学園都市に7人しかいなくて貴重だし」

食蜂「当麻さんはLevel5についてどう思う?」


上条「うーん、そうだな…操祈の話をきく限りじゃ俺たちとかとあんま変わらないただの人間っぽいけど……」




上条「……やっぱり、少しこわいかな?」





食蜂「そっか……」



食蜂「今日は楽しかったわぁ。ありがとねぇ」

上条「俺も楽しませてもらった上おごってもらってすごく申し訳ない限りですよ」

食蜂「じゃあまた今度遊んでくれるかしらぁ?」

上条「もちろん!むしろこっちがお願いしたいぐらい!」

食蜂「それはよかったわぁ」

上条「じゃあそろそろ帰る、ここの門限そろそろだろ?」

食蜂「そうねぇ、じゃあ門まで一緒に行くわぁ」


生徒A「それでー今日さー」

生徒B「へー大変ですわねーあなたも」

食蜂「珍しいわねぇ、こんな時間に…」

上条「ちょっと俺は隠れた方がいいか?」

食蜂「その方がいいわね、そこの裏にいてほしいわぁ」

上条「わかった」ササッ

生徒A「あ!あれは食蜂様!こんばんはー」

食蜂「こんばんはぁ」

生徒B「こんな時間にお一人とは珍しいですね…散歩でございますか?」

食蜂「たまにはいいものよぉ」

生徒A「そうですね。あ、でも遅いので気をつけてくださいね。って言ってもここには不審者なんて出ませんし」



「そもそも食蜂様は超能力者でいらっしゃるのでむしろ返り討ちでしょうけど」


食蜂「そ、そうねぇ」

生徒A「??」

食蜂「そろそろ帰った方がいいわよぉ?私は近いからいいけど、あなたたちはここから少し遠いんじゃないかしらぁ」

生徒B「あ、たしかにそうでございますね!では私たちはこれで」

食蜂「じゃあねぇ………。当麻さん、出てきていいわよぉ」

上条「……操祈…お前…」

食蜂「門はこのまままっすぐいけばあるわぁ。私も門限があるから帰るわぁ…さようなら、当麻さん」ダッ

上条「ちょっちょっと待ってくれ!操祈!」ダッ


「はぁ…はぁ…はぁ…」

「待てよ、操祈!どうして急に……」

学舎の園もすべてが綺麗な大通りなわけではない。

どんなに綺麗で美しい場所にも、どんなに上手くいってるように見えてても、影は必ず存在する。

「路地裏に入って撒こうとしたけど焦りすぎて行き止まりについちゃうとはねぇ…。冷静力が足りなかったわぁ」

振り返らずに私はただ答える。振り返るなんて、できない。

「なんでそんなに焦るほど逃げるんだ?」

「ここには超能力者が2人いるって前話したわよねぇ」

「……あぁ…」

「私はそのうちの超能力者の1人……」



「超能力者第5位、精神系能力者の頂点、心理掌握の食蜂操祈よぉ」


見なくてもわかる、後ろの彼は動揺している。

それはそうだ、急に目の前の人間が超能力者と聞いて驚かない人はいないだろう。

ましてや精神系能力者となれば今、この瞬間にも脳をいじられるかもしれない。


ここのもう1人の超能力者なら彼の右手の相性的にともかく、私を前にして逃げない理由は、ない。

「……だから逃げたのか?」

「………!!!!!」

彼は、逃げなかった。

「ただそれだけで、操祈は逃げたのか?」

「当麻さんだけには知られたくなかった」

「なんでだ」

「学園都市に7人しかいない超能力者、何万人の軍隊を1人で相手できるような怪物なのよぉ?」

「お前は怪物じゃない」

「でも言ったじゃない。超能力者はこわいって!」

「………!!!!!」

「精神系の能力者だけど能力なんて使わなくてもわかるわぁ。あれは本心、心の底から出た言葉。今のあなたの上っ面だけの言葉よりも信頼に値するわぁ」


差し出された救いの手を、拒む。拒否する。逃げる。

「それは……」

「表面上の言い訳はいらないわぁ。なんならこの場であなたの脳をいじってもいいのよぉ?」

バッグからリモコンを取り出し、彼に向ける。後ろだけは振り返らずに。

「今なら間に合うわぁ、はやく行きなさい」

「できないはずだ」

「私はやるわよぉ?」

「そんなことしないって俺はわかる」

「なんで言い切れるかしらぁ?」

「俺の右手のことを知ってて言ってるだろ。頭を右手で触っていれば、お前の能力は効かない」

「………」

「だがお前はそれを知っててわざわざ俺に能力による脅しをしている。気に入らないなら能力をすぐ使えばよかったのに、だ」

「…………」


「だから俺はお前の優しさを信じる。俺は右手を使わない」

「…………?」

後ろをこっそり見る。彼は後ろに手を組んでこちらをただ見ていた。精神系の能力者を相手に。対抗策も知っていながら。

「たしかに俺は超能力者がこわいと言った。でもそれは俺の知らない超能力者だ」

ハッキリと、一つ一つ言葉を確認するように彼は続ける。


「俺はお前を、常盤台中学に通う食蜂操祈を知っている。たとえそれが超能力者だろうが、精神系能力者の頂点だろうがお前は食蜂操祈だ。

俺の知ってる、お嬢様を体現したみたいで、リモコンで人を叩き、グルメだけどいちごおでんが好きで。だけどわざわざ特売についてきてくれて、うちの学校の前で待ってくれて、財布を探すのも手伝ってくれる、いつも笑ってる優しい食蜂操祈なんだ」

「その人がただ超能力者だったってだけで俺が操祈から離れる理由にはならねぇ!俺の言ってることは都合がいいかもしれない。あまりにも主観的で身勝手かもしれない。

だとしても俺は操祈を怖いとは思わない。お前が自分の能力に負い目を感じてるって言うのなら、俺は能力を含めて操祈の全てを受け入れる。俺がお前の能力を嫌っているなんて思っているんだったら…まずはその幻想をぶち殺してやる!」

「……あなたの言ってることはわかったわぁ。でも今は1人にしてほしい…」

「……わかった。でも俺は操祈の味方だ。来たくなったら来てくれ」


彼の振り返る音がする。一歩、また一歩と遠ざかろうとする足音。そして私は………。


「………来たくなったから来たわよぉ…」

彼に走って近づき、背中に額を当てただ泣いていた。

「………操祈…?」

「こんなことをするのは当麻さんにだけよぉ…?」


同じ中学の超能力者はゲスい能力と言った。

前の研究所では逆に能力しかみてもらえず、殺処分まで検討された。

頭の軽い男は体にしか興味がなく、

正体を知る者には能力を恐れ化け物のような目でみられた。


いつでも自分は能力を恐れ自分自身に恐怖し、ただただ自分から逃げ続けて孤独の暗闇に落ちていた。


「ならいつだって、どんなにだって背中を貸してやる」

そんな自分を彼は、全てを受け入れると言ってくれた。


暗い路地裏に、一筋の光が通ったのだった。


警備員「君たち!そこでなにをやってる……って男もいるのか!」

上条「うわっ!やばっ!おい操祈!」

食蜂「なによ……って、あ!私の改竄力の届いてない警備員!?」

警備員「お前らそこを動くなよ…?」

食蜂「ちょっ、まぶしっ!って懐中電灯!一筋の光ってこれぇ!?さっきのお涙頂戴シーンを返してほしいわぁ!」

上条「俺は能力を含めて操祈を受け入れる」キリッ

食蜂「言いたいことはわかったから、せっかく心に来たセリフをこんなとこで使わないでほしいわぁ!」ピッ


上条「助かった…また助けられちまったな。ありがとうな、操祈」

食蜂「違うわぁ…」

上条「??」



食蜂「いつも助けられてるのは私の方。こちらこそ感謝するわぁ」ニヘー



今回はここまでです。

はじめはカミングアウトはラストの予定だったのですが、はやめにすることにしました。

ここから段々ラストに向かっていく予定です。

ですのでもうすぐお待ちください。


では。


食蜂「〜♪」

縦ロール「女王、今日はどうなさいますか?」

食蜂「今日も少し研究所に呼ばれて用事力があるから、外に行ってくるわぁ」

縦ロール「………。そうですか、わかりました。いってらっしゃいませ」

食蜂「またねぇ」フリフリ

縦ロール「また今日も研究所ですか……」


縦ロール「何回嘘をつけば気が済むのでしょうか!」

取り巻き「え!?今まで女王は嘘をついてなさったのですか!?」

縦ロール「あなた、何回連続研究所に行くって言ってるかわかります?」

取り巻き「えーっと…3〜4回ぐらいでしょうか?」

縦ロール「42回目よ」

取り巻き「」

縦ロール「ここ一ヶ月以上!毎日!そんなことたとえ超能力者でもありえませんわ」

取り巻き「じゃあなんでこんな嘘を……」

縦ロール「……殿方ですわ」

取り巻き「!?」

縦ロール「前に一度お会いしたことがあるのですが、本人は否定していても明らかにあれは何かあるに違いありませんわ」

取り巻き「なるほど…ついに女王も乙女として大人の階段をお登りになられるのですね、よかったです」

縦ロール「まったく!よくありませんわ!」

取り巻き「そ、それはなんででございますか?」

縦ロール「私たちの女王が殿方などに現を抜かすなど…言語道断ですわ!」


取り巻き「そういうものなのでしょうか…女王も年頃の女の子ですし…」

縦ロール「女王はその辺の一般ピーポー、市民Aなんかとは違いますわ!」

取り巻き「あまりそのようなことは……」

縦ロール「100歩譲って同じ超能力者とか、企業のトップとか、前代未聞のエリートとか、ショタとかならわかりますわ」

取り巻き「(なんか一つ変なのが聞こえたような……)ではどのようなお方でしたのですか?」

縦ロール「ただのウニを頭につけた類人猿でしたわ。ネアンデルタール人みたいな殿方でした」

取り巻き「ず、ずいぶんと言いますね…」

縦ロール「そうですわね。そしたらウニにもネアンデルタール人にも失礼ですわね」

取り巻き「その殿方に同情します…」

縦ロール「同情など必要ありませんわ!このままでは女王は……」

取り巻き「どうなられるのですか?」


縦ロール「……あまりにもおぞましくて口にできませんわ」

取り巻き「いや、そこは言ってください」

縦ロール「とにかくこうならないためには止めなくてはなりません」

取り巻き「その前にどうなるのか言いましょうよ…」

縦ロール「というわけで今すぐ女王を追って妨害しましょう!名付けて、みさ狭間の戦いでどうかしら!?」キラキラ

取り巻き「縦ロール様のセンスなんてどうでもいいんでどうなるのk(ry」

縦ロール「完璧なのね!ではそのまま追いますわよ!」ガシッピューン

取り巻き「えっ、ちょっ!?髪引っ張らないdうわあああああっ」ピューン


縦ロール「……やっとみつけましたわ」

取り巻き「痛い痛い痛い痛い……」

縦ロール「右目じゃないんだから傷が疼くとか言ってはダメですわよ」

取り巻き「……で、縦ロール様。女王をみつけたのになんで草むらに隠れているのですか?」

縦ロール「ここで出ていってはそのまま女王の能力で、2人とも回れ右からの1時間エクレア耐久レースになりますわ……」

取り巻き「わたくしも巻き添えですか!?」

縦ロール「勝手についてきたなら当たり前ですわ」

取り巻き「なんて身勝手な…!わたくしは帰りますわ!」

縦ロール「ちょっと黙って!」ガシッ

取り巻き「な!あいおふふんえふか(なにをするんですか)!?」

縦ロール「うるさいから手で口おさえてるのよ!わかったらお黙りなさい!」

取り巻き「あ!あんてふしゃくしゃあ!(な!なんて無茶苦茶な!)」


食蜂「あ!当麻さぁん!」フリフリ

上条「おう操祈!また今日も会ったな!」

食蜂「ほんと偶然ねぇ」

縦ロール(時間を逆算するに一時間は待っておいてなにを偶然なのか…)

食蜂「今日も特売かしらぁ?」

上条「そうだな。今日はクドーナノカドーで食パンとネギが安いんだ!」

食蜂「なんやて工藤!じゃなくて私も手伝うわぁ」

上条「毎回悪いな…助かる」

食蜂「じゃあさっそく行こうかしらぁ」

上条「おう」


縦ロール「近くのスーパーに向かいましたわね…もうしゃべっていいですわよ」

取り巻き「呼吸できなくなるかと思いましたわ…」


縦ロール「どうやら特売に向かったようですが…これはチャンスですわね…」

取り巻き「な、なんでですか?」

縦ロール「あなた、特売をご存知で?」

取り巻き「ドラマでならありますが、それはそれは人混みのすごいこと…まさに人がゴミのy…」

縦ロール「そう、それですわ」

取り巻き(人のボケを潰した恨み…一生忘れませんわ…)

取り巻き「でもそれがなんでチャンスに…」

縦ロール「ここにたくさんのクドーナノカドーの特売チラシがあるじゃろ?」

取り巻き「は、はい…」

縦ロール「これをこうして……」

取り巻き「??」

縦ロール「こうですわ!!」

取り巻き「ば!ばら撒いた!?」

縦ロール「ふふ…私は考えたのです。ターゲットはたった2人…なら圧倒的な物量で押しつぶすまでと!!」バァン

取り巻き「に…日本語でおk?」

縦ロール「簡単に言うならば、2人を人混みの中にはぐれさせちゃおうという作戦ですわ。場慣れしたあの2人をもビビらすほどの人を集めれば負けるはずがございません!!」バァン

取り巻き「は…はぁ…」


縦ロール「やることが決まったらやりますわよ!まだ時間はあるのでどんどん宣伝するのです!」

取り巻き「わかりましたが、一つよろしいですか?」

縦ロール「いいですわよ」

取り巻き「この作戦の名前の元ネタって、桶狭間の戦いですわよね?」

縦ロール「そうですが、なにか?」

取り巻き「あれって大人数で油断した今川が少人数の織田に負けたんじゃ……」

縦ロール「………さ、さあ!やりますわよ!!」

取り巻き「今明らかに動揺しましたわよね!?」

縦ロール「うるさいですわ!動かないとあなたの寝顔写真を2ちゃんで晒して釣りの道具にしますわよ!」ピューン

取り巻き「なんて非情な!?わかりました!やりますから!」ピューン


上条「な…なんで今日に限ってこんなに混んでいるんだ……」

食蜂「まさかこれみんな特売目当てかしらぁ…」

上条「ほんとに先に行っておいてよかったな…時間ギリギリなら店に入れるかも怪しい…」


縦ロール(こ、こんなに人がきてくれるとは思いませんでした…)

取り巻き(だいぶ宣伝とばら撒きをやりましたね……)

縦ロール(でもこれだけ人がいれば紛れることも容易いですわ…近くではぐれる無様な様子でも眺めようかしらね……)


食蜂「こうなったら私の改竄力で……」

縦ロール(あ……)

上条「いや操祈待て」

食蜂「なにかしらぁ?」

上条「ここにいるに人たちもみんな俺らみたいに、大事な目標を持ってここまで来たんだ……俺はそれを踏みにじりたくない。それぞれの思いを正々堂々とぶつけあうべきなんだ!この戦いは!」

食蜂「ふふっ…当麻さんならそう言うと思ったわぁ」

上条「操祈には危険だ…戦場の外で待っててくれ」

食蜂「ここまできて引き返す?そんなことはしないわぁ。私は私の意思で戦わせてもらうわよぉ」

上条「操祈……」


縦ロール(ちょっと待った!なんでこんな特売なのにかっこいい感動シーン風になってるの!?あきらか場違いですわ!)


上条「本当にいいのか…?時間になれば引き返すこともできなくなるぞ」

食蜂「何度言っても同じよぉ。私も戦う、当麻さんと一緒に」


縦ロール(あ、阿呆らしすぎてついていけないですわ…ってあなた泣いてる!?)

取り巻き(いい話…いい話ですわ………)



ピンポーンパンポーン

店員「ご来店いただきまして誠にありがとうございます。本日のタイムセールはシックス&ジェーの食パンとネギとなっております。食パンのタイムセール開始後5分後にネギのタイムセールを開始します。お一人様一つまでとなっていますのでご了承ください」


上条「はじまるぞ」

食蜂「えぇ」


店員「では食パンのタイムセール、スタートです」


周り「「うおおおおおおおおおおっ!!!!」」

上条「行くぞ!」ダッ

食蜂「もちろんよぉ!」ダッ

縦ロール「ふふふっこんな人混みの中でそんな走り出したら間違いなくはぐれる!この勝負もらったわよ!」

取り巻き「………!!!いや、みてください、あれ!」

縦ロール「な、なんですのそんなに慌てて………!!!」


取り巻き「手を…手を繋いで危機を回避しています……!!!!」

縦ロール「なんて破廉恥な!?しかも女王が嬉しそう!?い、いやまだ!まだ終わってない!!」

店員「次にネギのタイムセール、スタートです」

周り「「うおおおおおおおおっ」」

取り巻き「人の流れが…乱れた!?」

縦ロール「そう…さっきまでは流れは一方通行。たしかにそれなら手を繋ぐ程度で危機を回避できるかもしれない…だが!」

食蜂「と、当麻さん!」

上条「くそっ!いつもより人が多いせいでこのままでは操祈が流される……!」


縦ロール「あの殿方ならともかく女王の運動能力ならそのまま流されること必至ですわ!そう、この時を……この瞬間をっ待っていたんだ!」バァン


取り巻き「い、意外と縦ロール様は策士ですわね……って縦ロール様!」

縦ロール「なんですの?この状況を女王たちは打開できるはずはないですわ……ってまさか!」


上条「操祈、しばらく辛抱しててくれ」

食蜂「わ、わかったわぁ////」

縦ロール「片腕で女王を抱きしめつつ食パンを二つ取り、そのまま流れを逆に利用してネギのところまでたどり着いた………!!?」

上条「なんとかネギも2本とれたな……操祈、大丈夫か?」

食蜂「な、なんてことないわよぉ?(当麻さん…あったかかったわぁ////)」


取り巻き「女王がものすごくニヤついてますね……」

縦ロール「これじゃあ女王たちの完全勝利ですわね……」


??「もし。あなたたち少しよろしくて?」

縦ロール「ちょっとあとにしてもらいますわ、今忙しいので…って、あ……」

白井「ジャッジメントですの。無断の宣伝と広告ばら撒きの件についてお話を聞かせてもらいます」

縦ロール「いや…これには山より深く海より高い理由がありますの」アタフタ

白井「動揺しすぎて言葉が支離滅裂ですの。とりあえずその理由とやらをお聞かせくださいまし」

縦ロール「それはですね……カクカクシカジカ……」

白井「ふぅむ…実にくだらなく浅ましいですわね。とりあえず同行して…」


縦ロール「では白井さん。あなた御坂様が変な殿方といらっしゃったらどうします?」

白井「即抹殺ですの」

縦ロール「わかってくださいましたか!」キラキラ

白井「ええ。よくわかりましたわ」キラキラ

取り巻き(ダメだこの人たち早くなんとかしないと……)

白井「でしたらこの件は私が処理しておきますわ」

取り巻き「そ、そんなんでいいんですか!?」

白井「安心してくださいまし。日頃の行いのおかげでもみ消しぐらいは容易いですの」

取り巻き「大丈夫なのか…これで…」

縦ロール「恩に着ますわ」

白井「いえ、当たり前のことをしたまでですわ」

取り巻き「あ、当たり前……」

白井「あと、よろしければこちらでも一つ手を貸しますわ」

縦ロール「よ、よろしいのですか!?」

白井「もちろんですの。困った時はお互い様ですわ」ニコッ

縦ロール「ではぜひ!!」


上条「なんとか買えてよかったですよ…」

食蜂「いろんな意味で満足だわぁ」

上条「………で、いつまで手を握っていればよろしいのでせうか?」

食蜂「私がいいって言うまでよぉ。あんな野蛮力の高いとこに行ったんだからアフターケアは大切よぉ」

上条「そ、そういうものなのか…?」

食蜂「そうよぉ」


縦ロール(ちぃっ!イチャイチャしやがってあの類人猿!!鼻の下まで伸ばして…今にみていなさい!)

取り巻き(むしろ鼻の下伸ばしてるのは女王だと思うのですが……)

縦ロール(ん?なんか路地裏に女子高生みたいな人がいますわね……)

取り巻き(たしかに…なにをしているんでしょう…)

白井(近くにあの類人猿を見つめる方がいらっしゃったので少し仕掛けてみましたわ)

縦ロール(なるほど…)

白井(あとはあの人次第ですわね…類人猿を見つめる目がだいぶすごかったのでなかなかの戦果は期待できますわ)


雲川「少し遠くで彼をみていたらまさか『心理掌握』がいるとは。まあ私の敵ではないけど」

雲川「べ、別にここにいるのは彼の写真を辿ってきたわけではないんだが」アタフタ

雲川「でもできればある程度近づけたならこのチャンスは使わせてもらおう。ここにいればいずれ……」

チンピラ達「よう、嬢ちゃん。ちょーっと俺らと遊んで行かね?」

雲川「こうなるのだからな」



〜〜〜〜〜〜〜

雲川「きゃーっ助けてぇーっ(裏声)」

上条「先輩!今助けます!」ソゲブッ

チンピラ達「やーらーれーたーー」ピューン

上条「大丈夫ですか!?」

雲川「はやく来てくれたから大丈夫と言っておこう。しばらくは危ないから守ってほしいけど」

上条「まかせてください!操祈、また明日な!」

食蜂「」


上雲「「HAHAHAHA」」


〜〜〜〜〜〜〜



雲川「こんな手を即座に思いつくとは、『統括理事会のブレイン』の力はさすがと言ったところか。ではさっそく実行に移させてもらうけど」


食蜂「!?あそこにいるのは雲川芹亜…!ブレインがこんなところでなにを企んで…」

雲川「たーすけt…(掠れ声」

食蜂(あー、助け力を求めて私から当麻さんを引き剥がそうとしてるところかしらぁ。そうはさせないわぁ)

上条「あん?なんか微妙に声が聞こえたような……」

食蜂「そうかしらぁ?」

雲川(高い声が…出ない!まあおとなしく普通の声で助けを求めればいいわけだけど)アタフタ

食蜂「今『私』が助けてあげるゾ☆リモコンをチンピラの1人に向けてっと」


食蜂『対象救済(カテゴリ071)/目の前にいる女を助けなければならない』ピッ

チンピラA「お前ら…そこでなにをやっているんだ……」

チンピラ達「はぁ?」

チンピラA「今すぐその女から離れろって言ってんだ!聞こえねぇのか三下ァっ!!!!」バァン

雲川(な…なにがって…!!?チンピラの1人の目が死んでる…謀りやがったな!!!!)

上条「ん?なんか路地裏で喧嘩かな?」

食蜂「そうみたいねぇ。たぶんあなたみたいなヒーローが現れたのかもしれないわぁ」

上条「??」

食蜂「とりあえず大丈夫そうだから先行くわよぉ、当麻さん」

上条「お、おう…」


縦ロール(なんかチンピラの1人が他のチンピラを倒してしまいましたが……)

取り巻き(あー、殿方に気づかれないようにチンピラを操作して家に送ろうとしてますね……しかも倒したチンピラも起きて神輿にして女子高生担ぎ上げてます……)

白井(作戦失敗ですの…しかもあの女子高生家まで神輿状態とは…アーメン…)

縦ロール(つ、次の作戦を……)


食蜂「そこでなにをやっているのかしらぁ?」

縦ロール「じょっ女王!?」

食蜂「あれだけ派手力に動かれたら私も気づくわぁ。とりあえず」ピッ

白井「??私はここでなにを……」

食蜂「御坂さんに大人力の高い下着を買うんじゃなかったかしらぁ?」

白井「そっそうでしたの!あんな子どもみたいな下着じゃなくて紐みたいなのとかスケスケなのとか…ぐへへへへ」

食蜂「はやく買いにいかないと門限になるわよぉ」

白井「たしかにそうですわね。ではごきげんよう」

食蜂「買った下着着せたらみせてねぇ」フリフリ

白井「もちろんですの!」フリフリ


食蜂「…….であなたたちには…」

縦ロール「ちょ、ちょっとお待ちください!これは女王を思ってのことでして!」

取り巻き「わたくしは巻き込まれただけですわ!あの殿方をのとこに戻った方がよろしいのでは!」

食蜂「あぁ、当麻さんには少しお花を摘みに行ってくると言ってあるわぁ。親切にお花畑までの地図まで渡してくれたから、本当にお花を摘んでると思ってるみたいだけどぉ」

縦ロール「さすがはネアンデルタール人……」

食蜂「よほどお仕置きが必要なようねぇ」ニヤニヤ

縦ロール「な、なにも申しておりませんわ!」アタフタ

食蜂「まぁ今日は機嫌力がいいから軽めにしておくわぁ。取り巻きちゃん、縦ロールちゃんを肩車して寮まで帰りなさぁい」ピッ

取り巻き「わかりました」

縦ロール「ちょ、ちょっと!やめて!恥ずかしい!そして高いのこわい!降ろしてええぇぇ!!!!」

取り巻き「わっしょいわっしょい」

食蜂「じゃあねぇ」フリフリ


食蜂「今戻ったわぁ」

上条「おお、操祈。いい花取れたか?」

食蜂「まさか本当にお花を取りにいったと思っているとはねぇ…」

上条「ち、違うのか…?」

食蜂「お花を摘むっていうのはトイレに行くって意味よぉ」

上条「し、知らなかった……お嬢様の言葉みたいなやつか?」

食蜂「そうよぉ。まあ実際は使わないんだけどぉ」

上条「今度使ってみようかな…」

食蜂「……はっきり言ってキモいわぁ」

上条「そ、そんな全力で引かなくても!冗談だって!」

食蜂「だよねぇ。よかったわぁ」


上条「あ、そろそろ学舎の園に行くバス停に着いたぞ。じゃあまた明日かな」

食蜂「……ちょっとだけ待ってほしいわぁ」

上条「ん?なんだ?」

食蜂「ちょっと今日は一つ一緒に行ってほしいところがあるわぁ」

上条「お、おう。わかった。門限は」

食蜂「大丈夫よぉ。じゃあついてきてほしいわぁ」


食蜂「ここよぉ」

上条「ここは……観覧車?」

食蜂「そうよぉ」

上条「なんでここに…?」

食蜂「理由力はあとで話すわぁ。とりあえず乗りましょ」


上条「観覧車か…久しぶりだな」

食蜂「私もよぉ。1年ぶりねぇ」

上条「で、乗ったが、なんでここに来たんだ?」


食蜂「昔、私に大事な友達がいたのよぉ。『ドリー』っていうんだけど、ちょっと少し…どころかかなり抜けたところあるけど、素直でいい子だったわぁ」

上条「『だった』?ってことはもしかして…」

食蜂「そう。死んだわぁ。詳しくは言えないけど、実験で死ぬ。ここでは残酷力あるけどよくあることよぉ」


上条「………」


食蜂「それで、あの子と約束したことがあったのよぉ。それがこれ。外をみてほしいわぁ」

上条「海……」

食蜂「そう、海よぉ。あの子は実験所から出られなくて来れなかったけど、いつか行こうって言ってたのよぉ」

食蜂「そして今日がその『ドリー』の命日。それからは毎年命日には海には行けない代わりにこの観覧車に乗って海をみることにしたわぁ。と言ってもまだ数回目なんだけど」


上条「そうだったのか……なんでそんな大事な日の大事なイベントに俺を連れていった?」

食蜂「今の当麻さんは『ドリー』と同じぐらい大切な人。あなたにはあの子のときみたいに約束して終わりにしたくない。だから……夏休みに絶対どこかに行くって約束してほしいわぁ…意味がわからないかも知れないけど、今の私にはそれが支えになる…だから…」

上条「……わかった。約束する。絶対だ」

食蜂「ほんとよぉ?」

上条「あぁ、もちろんだとも」

食蜂「その言葉が聞けて良かったわぁ」


『まもなく終点です。お忘れ物のないようにお降りください』


食蜂「ありがとう」フリフリ

上条「あぁ、帰り気をつけてな」フリフリ



食蜂「そして、さようなら…」




次の日から上条当麻の学校の前に食蜂操祈が現れることは、なかった。


今回の投下分は終了です。


まずは禁書新約11巻発売おめでとうございます。

そして発売までに間に合いませんでした……。

でも幸い考えていた結末と原作がまったく違っていたので、とりあえず最後まで続けます。

こちらはこちらで楽しんでくださったら幸いです。


次からはシリアス一辺倒(の予定)です。

では……。


P.S.

雲川先輩難しい……。


続き投稿できてなくてすいません。

なかなか先が上手く書けなくて……

ある程度まとまったらまた投稿するので、待っていただけたら幸いです。


久々の投稿です。

なかなか進まず、iOSのアプデでメモが消えたりユーザー辞書が使えなくなったりも相まってなかなかキリがいいとこまでいけませんでした………。

今回もそんなに長くはありません。待たせてしまった割に、すいません。


上条「あれ…おかしいな…今日もいないのか…」

土御門「どうしたんだカミやん?今日は第g…食蜂とは帰らないんかにゃー?」

上条「それだがな…一昨日からまったくみなくなったんだよ」

土御門「毎日会ってたのに突然来なくなったのか?」

上条「まあ毎回会う約束とかしてたわけじゃないからなあ」

土御門「カミや〜ん、もしかして寂しがったりしちゃって」


上条「実際寂しいっちゃ寂しい。あ、これは友達と会えなくての意味なのですことよ!?」

土御門「はいはいそういうことにしておくにゃー。メールとかは送ったのか?連絡先ぐらいは交換してるだろ」

上条「したんだがまったくの音沙汰無し……」


土御門「もしかして…フられた?」

上条「………!!?」

土御門「ってじょーだん、じょーだん〜。そんな真に受けることはないぜよ」

上条「真にうけたりなんかしてねえよ。別に付き合ってるわけじゃないし」

土御門「まったく、カミやんといい食蜂といい、2人ともそんな態度じゃ進展はあるのかないのか」

上条「あ、でも来なかった最初の日は返信が一通だけ来た」

土御門「ほう、なんてきたかにゃー?」

上条「今日は研究所で大事な実験があったから行けなかったわぁ。みたいな感じだったな…」

土御門「……?いや、それはないはずだ」


上条「つ、土御門?」

土御門「前回の『心理掌握』のメンテナンスは先週にやったばかり…」

土御門「よほど緊急がない限りはこんなにはやく次はやらないし、緊急なら間違いなくこっちまで連絡がまわるはず…なのになぜだ…」

上条「お、おーい、土御門さん?」

土御門「カミやん、そういえば前に食蜂が何者かに追われていたとか言ってたな?」

上条「あ、そうだけど…」

土御門「とりあえずその追われてたとこを教えてくれないか?」

上条「いいけど…それってもしかして…」


土御門「あぁ、そいつらに捕まった可能性がある」

上条「あいつらまだ諦めていなかったのか…!」

土御門「まだ決まったわけではないが。とにかく今は情報がほしい」

上条「わかった、今すぐ案内する」

土御門「ああ、頼む」


土御門「ここか?」

上条「あぁ、でも土御門」

土御門「なんだ?」

上条「そいつらが証拠品を落とすようなヘマをすると思うか?」

土御門「いや、俺が探すのは落とし物じゃない」ガサゴソ

上条「じゃあなにを…」

土御門「…まあ待ってろって……やはりあったか」


上条「……これは?」

土御門「何度も執拗に食蜂を狙う連中ならそれなりに準備を整えるはずだ」

上条「たしかにあのときも、精神系能力者がどうのこうの言ってたな…」

土御門「ましてや食蜂はその中でも頂点の超能力者。もしカミやんが何度も追ってる超能力者を追う立場になったらなにをする?」

上条「うーん…その能力の弱点を把握したり……罠を仕掛けたり……ってまさか…」

土御門「そうだ、カミやん。追う側からしたら相手は反則的な移動手段をもたない。なら、逃走ルートを絞って罠を仕掛けることは容易なはずだ」

土御門「むしろ相手の実力が高いなら、勝率を上げるためにやる可能性は高い。回収されてたらそれまでだったが…今回は当たりみたいだな」


上条「これは……棒?」

土御門「ただの棒みたいな形状をしているが、記憶が正しければこれは微弱な電気を流すだけでその方向に強力な電撃を返す、といったところか」

上条「そういえば電気系統の能力者だったな…」

土御門「万が一敵と肉弾戦になって密着ときに、そっちに電気を送れば相討ち、いや電撃使いにはたぶん効かないだろうから確実に捕らえられるだろうな」

上条「能力は効かず、もし操祈が裏の手を持ってて直接攻撃しても、これで勝つ…」

土御門「そういうことだ。そしておそらくこの罠を作ったやつが黒幕だと俺は踏んでいる。ここの文字を読んでみろ、カミやん」


ちょっと携帯が急に重くなって、コピー機能も使えなくなったので、今日投稿予定の残りを明日投稿します。すいません。


………iOS8にしてから本当に調子悪い…。


上条「『Made in Kihara』……木原…苗字か……?」

土御門「そうだ、木原一族は簡単に言えば研究者だが、科学の発展のためにはなんでもするような集団だ」

上条「そいつらに操祈が狙われてたのか……」

土御門「ああ、ほぼ間違いなくな」

??「惜っしいなー。採点者としてはギリ落第点なんだよなー」


上条「誰だ!?」

??「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け……みたいなセリフあったけど、続き覚えてねーか?」

土御門「答えろ、武力行使はしたくない」カチャ

??「あーあーそう簡単に怒らないの。わかったわかった」

乱数「俺は木原乱数ちゃんだ、今回のは木原一族じゃない、木原で関わってるのは『俺だけ』。いやー惜しかったねー。残念残念」

上条「てめぇ…操祈をどうした」


乱数「おーおーてめぇが心理掌握の愛しの彼くんかなー?そんな怒んないで仲良くやっt…」ダンッ

土御門「はず…した?」

乱数「ちょっとそこのサングラスくん、今話し中なんだから割って入るのはよくないなー。あとこれは幻覚みたいなもんだから、何発撃っても穴が空くのは壁だけだぜ?」

土御門「幻覚…?」

乱数「ちょーっとうちのバカな、今は亡き部下どもがブツの回収すらしてないことがわかったからきたんだが人がいたからなー。わざわざその前にいくほど早死にしてーわけじゃねーし」

上条「今は亡きって…」


乱数「あー、お膳たてまでした簡単な任務すらこなせないゴミだから、実験に使わせてもらったってとこだ。どんなゴミでも実験材料には使えるからなー」

上条「てめぇ、部下の…人の命をなんだと思ってやがる!!」

乱数「ただの実験材料だ。それともなんか感動的な返答を期待しちゃってたかなー?」

土御門「イかれてやがる」

乱数「それはどーも。それよりも残念だなー、科学に満ちたこの街にいながら幻覚のメカニズムよりもゴミの方を気にするなんて。まー教える気はないがなー」


土御門「ならここに来たのは宣戦布告だけか?研究者ってのも暇なんだな」

乱数「あん?少なくともおめーらよりは暇じゃねーよ。言っとくがこの場で、一瞬で殺す…とまでは残念だがいかねーが気絶させることぐらいならできちゃうんだぜ?」

土御門「狙撃……!?」

乱数「そんなチャチな発想しか出ないよーじゃー木原の考えなど到底わからんだろうなー、軽く体験してもらうか」

土御門「なんだt……」ガンッバタッ


上条「土御門!?自ら壁に頭を…!?」

乱数「急に自分の頭を壁にぶつけちゃうんなんてドジっ子キャラでも目指してるのかなー?とまー次はそこのウニ頭の番なわけなんだが」

上条「チッ」 ザッ

乱数「そんなに身構えるなって。決着をつけるのは簡単だがそれじゃ面白くねー」

上条「交渉か?」

乱数「んー、そんなお互い譲り合いしましたーってのもつまんねーからなー。ここはいっちょゲームでもしよーじゃねーか。高校生なら好きだろ?」


上条「てめぇと遊んでる場合じゃねぇんだが」

乱数「そうかたいこと言うなってー。高校生のオツムでもクリアできるぐらいのレベルにしとくからさー。今日は機嫌がいいから、大っ大っ大サービスで地図を置いといてやる」

上条「そんな簡単に信じられると思うか?」

乱数「信じられなくてもここには来るさ。なんてったってヒントはこれしかないんだからなー。もちろん来なくてもいいんだぜ?そしたら愛しのあの娘はどうなっちゃうのかなー?あ、もしかして放置プレイとか趣味だったり?」

上条「で、その地図はどこだ」

乱数「慌てない慌てない。ジョークぐらい付き合えって。ルール説明が終わったらあげるから」

上条「……で、ルールは」



乱数「ルールは至ってシンプルゥッ、制限時間以内に心理掌握を救えるか否か!制限時間はあと24時間ッ!白馬の王子様は果たして、お姫様を救えるのかッ!!?それとも悪ーい研究者の材料にお姫様はなってしまうのかッ!!ではゲーム開始ィッ!!!!!」ドロン


上条「お、おい!地図は!?」

土御門「いってぇ…あれ、木原乱数は…」ヨッコラセ

上条「消えちまった。24時間以内に地図をたよりに来いって言ってな」

土御門「逃げられたか……で、カミやん、地図ってのは?」

上条「置いておくと言ってたんだが……」

土御門「それか?」

上条「おおっ!あった!どれどれ……」

土御門「……?待て!!右手で触るな!」


上条「ん?なんだ?」パキン

土御門「あ………」

上条「う、嘘だろ……?」

土御門「カミやん……こんなときにネタはいらないぜよ……」ハァ

上条「ちょっ、えっ!?戻れ!」

土御門「嫌な予感はしたが、やはり幻想殺しをかどうかはともかく、能力を消す右手があることは知ってるみたいだな……」

上条「なんで右手じゃダメだってわかった?」

土御門「わかったってより、その可能性がみえたからな。言動をみる限り自分で唯一の手がかりをなくす構図を、如何にも作りたそうなクソみたいな性格してやがったからな……見事にハマったわけだが」ハァ


上条「ど、どうしよ」

土御門「悩んだって仕方ない。自力で手がかりを探すしかないぜ、カミやん。誰か手がかりになりそうな人の心当たりは」

上条「操祈のことだから身内にはあまり言わないだろうし……あるとするならば…」

土御門「小萌先生か」

上条「土御門もそう思うか」

土御門「いや、むしろ俺には小萌先生以外の繋がりしか知らないってのもあるがな」

上条「俺もそれ以外は正直思いつかない。とりあえず行ってみるしかないな……」


土御門「じゃあ俺は他のルートを探してみるぜよ」

上条「心当たりがあるのか?」

土御門「心当たりはないが、この町の警備に詳しいやつがいてな…そいつに当たってみる」

上条「わかった、ありがとな土御門」

土御門「お礼はこの件が終わったらたっぷり要求するにゃー、だから死ぬなよ」

上条「し、死ぬって…」

土御門「木原一族はハッキリ言ってそういうやつらだ。覚悟がないならやめておいた方がいい」

上条「……にするのかよ…」

上条「見殺しにするのかよ!?1人の女の子が攫われたんだ!俺は絶対に行く。覚悟はある」


土御門「それでこそカミやんだぜ。俺も協力はする、だが助けるのはカミやんだ」

上条「わかってる」

土御門「よしっ、じゃあ健闘を祈る」

上条「おう」


今回の投下分はここまでです。

小萌先生はシリアスに出さないとはじめのほうで言いましたが、結局出ることになりました。と言っても少しだけですが。

戦闘もドタバタもないので、やや退屈気味な文になってしまってますね…

ストーリーが進む上では必要なのですが……はやくクライマックスまでいきたいものです。


シリアスなとこは全部地の文の予定でしたが、そうするとここからずっと地の文になりかねないので、地の文は戦闘シーンぐらいにします。


では………。


追記

これからしばらくもかなり投稿の間隔があくと思います。すいません。

それでもついてきてくれる方がいましたら、幸いです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年10月03日 (火) 15:59:36   ID: -UOyNMZb

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