兄「え、何それ？耳生えてるじゃん」

妹「だから最初から言ってるじゃん、耳が生えたって」

兄「なんだコレ？うわ、もふもふしてる」サワサワ

妹「やめて、くすぐったい」

兄「くすぐったい？てことは神経通ってんのか」サワサワ

妹「みたいね。で、いつまで触ってやがる」

兄「あぁ、ごめんごめん」パッ

妹「まったく……そんなんだからいい歳して未だ童貞なんだよ」

兄「童貞関係無いだろ」

妹「で、見た感じこれ動物の耳に近いよね」

兄「俺の見たてだと猫に近いな」

妹「マジ？癒し系天然猫耳美少女妹キャラ誕生しちゃう？」

兄「随分と過大評価するじゃねえか」

妹「何と言われようが私が天然猫耳妹キャラにジョブチェンジしたのは揺るぎない事実」

兄「いや、普通に考えておかしいだろ」

妹「え？どこが？」

兄「なんかもう全部だよ」

妹「まぁ、確かに急に猫耳が生えるのはおかしいよね」

兄「いつからだ？その耳は？」

妹「今朝起きて鏡見たら生えてた」

兄「最後に生えてなかったのは？」

妹「寝る前鏡見た時は無かった」

兄「寝てる間に生えたのか？」

妹「知らないよ。それよりほら、この耳動く」ぴょこぴょこ

兄「危機感ゼロですかそうですか」

妹「で、どうする？」

兄「どうするも何も、切り落とすしかねえだろ」

妹「何故だ！？お兄ちゃんは天然猫耳妹が惜しく無いのか！？」

兄「惜しく無いけど？」

妹「うっわマジかよひくわこの童貞」

兄「やかましいわ」

妹「いいさ、そうやってお兄ちゃんは大学卒業まで彼女も出来ずに社会人になって恋愛がコンプレックスになればいいさ」

兄「酷いifだな」

妹「そんでもってそんな兄を不憫に思った私の優しさに甘えて血を分け合う実の妹とオトナな関係になればいいさ」

兄「貴様の妄想に俺を巻き込むんじゃねえ」

兄「まずお前はそんな得体の知れない物頭に生やしたいか？」

妹「よっしゃ任せろ」

兄「アホめ」

妹「でもこれ神経通ってるみたいだし、普通の方法じゃ切り落とせないよ？」

兄「あっ」

妹「実際切り落とすとしてどこで？誰が？病院？保健師？医者？獣医？無免許医？」

兄「残念だがブラックジャックによろしくする気は無い」

妹「ケチ」

兄「いや、金銭的な理由では無いからな？」

妹「とりあえず様子見ようよ。以外と明日の朝には消えてるかもよ？」

兄「だといいな」

妹「寝てる間に生えたし、寝てる間に消えてるかも」

兄「楽観的だな」

妹「よし、じゃあコンビニ行って来る」

兄「待て、外出んじゃねえ！」

妹「え？だってジャンプ買わないと」

兄「俺が買うから！とりあえず今日は外出んじゃねえ！」

妹「何故？」

兄「猫耳生やした人間なんざ問題起きる気しかしねぇわ！」

妹「ハイハイ、分かりましたよ」

兄「まったく……」

ー次の日ー

妹「おはよー」

兄「あぁ、おはよ」

妹「ところでお兄ちゃん、相談がある」

兄「ん？何？」

妹「私のお尻を見て欲しい」

兄「却下」

妹「真剣な相談なんだが」

兄「冗談じゃないなら尚更タチが悪いわ」

妹「まぁちょっと見てよ、ほら」クルッ

兄「いや、見ろと言われて……も……は？」

妹「ご覧の通り尻尾が生えました」

寝落ちしたらID変わってたようだな

兄「……えーっと、耳は生えたままだな」

妹「えぇ、生えたままです」ぴょこぴょこ

兄「で、今日は尻尾と」

妹「天然猫耳に引き続き天然猫尻尾です」

兄「で、その尻尾にも神経が」

妹「バッチリ」ふりふり

兄「…………はぁ」

妹「む？天然猫娘を前にして溜息とは失礼な童貞ですね」

兄「ダメだ、もうダメ。保健所行くぞ保健所」

妹「容赦ない童貞だこと」

兄「今すぐ貴様に捧げたろかコラ」

妹「よっしゃ任せろ」

兄「却下」

本人だよ

酉つけときゃ良かったな

妹「で、保健所行ってどうするつもりで？」

兄「それ切り落とすに決まってんだろ」

妹「無理じゃない？」

兄「は？んな訳ねえだろ」

妹「突然猫耳と尻尾が生えました、なんて真に受ける人いないでしょ」

兄「…………」

妹「お兄ちゃんも分かってるでしょ？昨日は耳、今日は尻尾。何故だか知らないけど私の身体は猫になってるって」

兄「…………だから何だよ」

妹「人が猫になるなんて前代未聞の話。こんな私を診てくれる医者なんていない。だって前例ないんだもん」

兄「……分かんねえだろ」

妹「精々どこかの研究所でしょ」

兄「分かんねえって言ってんだろ！！」

妹「私はもう、諦めてるんだよ？お兄ちゃん」

兄「…………」

妹「ほら、それよりこの尻尾気持ちいいよ？触り心地抜群」

兄「…………いだろ」

妹「え？」

兄「諦めるには早いだろ！！」

妹「ッ！？」ビクッ

兄「勝手に諦めんじゃねえよ！！まだ耳と尻尾生えただけだろ！！そんなんで諦めてんじゃねえよ！！」

妹「……お兄ちゃん？」

兄「いいか？お前は俺がなんとかしてやる！どんな犠牲を払っても、お前を助けてやる！」

妹「あのー、お兄ちゃん？」

兄「よし、まずは情報収集だな。いいか？絶対になんとかしてやる！」

バタンッ

ちょい落ち

ただいま

ここで書くのは始めてなんや

そして電源落としたからまたID変わっとるな

妹「…………あー、どうしよ」

ピッピッピッ

プルルル、プルルル

ピッ

友『はい、もしもし』

妹「あ、友さん？」

友『妹ちゃんか、どしたの？例の話？』

妹「うん、それなんだけど……」

友『ん？なんかマズった？』

妹「お兄ちゃん、信じちゃった」

友『…………は？』

妹「お兄ちゃん、猫化を信じちゃった。これ取れるのに」スッ

友『マジかwwwwwwあの馬鹿wwwwww』

妹「これ、バッテリーで動いてるだけなのに」

ウィーンウィーン

友『アイツ馬鹿だろwwwwww』

妹「それで、ドッキリのネタばらしのタイミングなくなっちゃった」

友『待ってwwwwww腹痛いwwwwww』

妹「で、今なんとかするとか言って情報収集してるの」

友『wwwwwwwww』

妹「……どうしよ？」

友『ヤバイwwwwww息出来ないwwwwww』

ーーーーー

友「あーやっべぇ、笑いすぎて腹筋いてぇwww」

プルルル、プルルル

友「あれ？着信？誰だ？」

着信 兄

友「…………っぷwww」

ピッ

友「おー兄、どうしたよ？」

兄『友、驚かずに聞いてくれ。妹が猫になるかもしれないんだ』

友「…………へー、ごめん、一回切るわ」

兄「は？友？」

ピッ

友「…………」

友「…………っぷwww」

友「アイツwwwwwwwwwwww」

友「妹が猫になる、じゃねえよwwwwww」

友「気www付wwwけwww」

プルルル、プルルル

ピッ

兄『友、俺は頭がどうかしちまったわけではない。ただ、本当に妹が猫になっちまうんだ』

友「お、おう。とりあえず落ち着けよ」

友（笑いてぇwww我慢できねえよこんなんwww）

兄『友、頼む！力を貸してくれ！』

友「わ、分かったw」

兄『ん？友、声が変だぞ？』

友「あ、いや。大丈夫、平気だから」

友（アホめwwwwww）

ーーーーー

妹『友さん。お兄ちゃんの気を引くの、手伝って』

友『は？気を引く？』

妹『お兄ちゃん最近ずっと幼馴染さんと一緒にいて、私に構ってくれなくて……』

友『あー、ハイハイ。寂しいのね』

妹『うん。私だってお兄ちゃんと一緒にいたいし……』

友『ブラコンも大概にしろよー、近親相姦は犯罪です』

妹『そ、そんな、近親相姦だなんて……まだ』

友『いや、まだ、じゃねえよ。ったく、いいよ、面白そうだし』

妹『あ、ありがとう！！』

ーーーーー

友（確か、こんな感じの話だったのに）


兄『で、どうする？妹の猫化を止めるにはどうすれざいい！？』

友「あー、どうするかねぇ」

友（効果あったのか、これ？）

兄『万が一にも妹が猫になったらどうする！？餌とかどうすれば！？』

友「いや、本当に落ち着け馬鹿」

兄『もしや、妹は何かのウイルスに！？』

友「猫化するウイルスなんざあってたまるか」

兄『あぁ、クソ！！「妹 猫耳」で検索してもなんの手掛かりもねえ！！萌え系ばっかりだ！！』

友「…………」


友（なんかめんどくなったし、俺が終わらせちまうか）


友「兄、俺に考えがある」

ーーーーー

ピーンポーン

ガチャッ

友「お、いらっしゃい。妹ちゃん」

妹「こんにちは、友さん」

友「とりあえず、中入って」

妹「あ、はい」

友「じゃ、早速だけど、アレ出して」

妹「ハイ、耳と尻尾です」ガサッ

友「ん、じゃあちょっと手直しすっから、リビングでくつろいでて」

妹「じゃあお言葉に甘えて」

パタンッ



友（さて、リビングの監視カメラでモニタリングすっかな）

妹（そう言えば友さんの家久しぶりだなぁ）

妹（お兄ちゃん達が高校生になってから来てないや）

妹（ま、いっか）


ガチャッ


兄「」

妹「」


ーーーーー

兄『』

妹『』


友「始まったwww」

兄「あーっと……妹？」

妹「あーっと……お兄ちゃん？」

兄「あれ？何でいんの？」

妹「いや、こっちのセリフですよ」

兄「いや、俺は友に呼ばれて……あ？」

妹「あれ？どうかした？」

兄「お前……耳は？」

妹「ッ！？」

兄「尻尾もねえし……え？」

妹（ヤバッ、ピンチ！？）

兄「妹……お前……」

妹「あー……えっと、お兄ちゃん、コレはあれ、えっと……」

兄「お前……まさか……」ガタッ

妹「ッ！！」ビクッ

兄「そうか……間違いない……」

ガシッ

妹（お、怒られる！）ブルッ


兄「お前、猫化治ったんだな！！」

妹「……え？」


ーーーーー

兄『お前、猫化治ったんだな！？』

妹『……え？』



友「wwwwwwwwwwww」

友「馬鹿だwwwwwwアイツやっぱり馬鹿だwwwwww」

兄「そうかそうか！いやぁ、友に呼ばれて来てみれば、アイツ、猫化を治したみたいだな！！」

妹「え？あの？お兄ちゃん？」

兄「流石は友だな！！いやぁ、アイツに相談して良かった！！」

妹「え？相談？は？ちょっと待って」

妹（まさか、友さんに仕組まれた！？）

兄「ま、これで一件落着だな！！でも、大丈夫か？妹？」

妹「……え？」

兄「いや、治療の後遺症とか、大丈夫か？」

妹「……いや、治療も何も」

兄「まさか、何か後遺症があるのか！？」

妹「いや、後遺症とか別に……」


ガチャッ


友「残ってるぜ、後遺症」

妹「ッ！？」

妹（ちょっ、友さん！？え？何？馬鹿なの？馬鹿なのこの人！？）

兄「友、後遺症って……」

友「すまんな兄、親友のお前の妹。しっかりと治療したんだが、猫化の後遺症は残ってしまった」

兄「……後遺症って、どんなだ？」

妹「あの、お二人？待って、私別に猫化とかしてないし、待って、ねえ」

友「妹に残った後遺症、それは……」

兄「それは……」

妹「待ってって、私凄い置き去りなんですけど」


友「喋り方が猫っぽくなる、だ」

兄「喋り方が猫っぽくなる！？」

妹「喋り方が猫っぽくなる！？」

友「あぁ、言葉の通り、妹ちゃんの喋り方が不規則に猫っぽくなるんだ」

兄「なっ！？それじゃいつ猫っぽくなるか分からないのか！？」

妹「いや、未来永劫猫っぽくならないって」

友「これに関しては、未来永劫治る事は無い。しかし、対策はある」

兄「対策？」

友「あぁ。兄、もしも妹ちゃんの喋り方が猫っぽくなった時は、お前が抱きしめろ」

妹「！！？」

兄「抱きしめる？それだけか？」

友「あぁ、しばらく抱きしめる。それだけで妹ちゃんの症状は収まる」

妹（それって、私が猫っぽく喋ればお兄ちゃんが抱きしめてくれるって事？）

兄「なるほど、そうなのか？妹？」

妹「ッ！？」ビクッ

妹「あー………えっと…………」チラッ

友「妹ちゃん？」ニヤニヤ

妹「…………」

兄「……？妹？」

妹「…………よ」

兄「よ？」


妹「お兄ちゃん！よろしくお願いするニャン！」


友「wwwwwwwwwwww」

妹「～～っっ」カーッ

兄「お、おう！任せろ！」



後日、二人の家に訪れた友が見たのは語尾にニャンをつけて甘える妹と、それを優しく抱きしめた兄だったという。


続かない。

終わり。

その後兄に甘えるために顔を真っ赤にしながら猫っぽく喋る妹とかは皆で妄想しよう。