サトシ「あれから…20年…俺は一体何を…」 (47)

20年前

ワァァァァ…

実況「さあ!カロスリーグ
決勝戦もいよいよ大詰め!」

カルネ「サーナイト!
シャドーボール!」

サトシ「かわして、十万ボルト!」

ピカチュウ「ピーカーチュゥゥゥゥ!」

ズドーン……………………………………………………

審判「サーナイト、戦闘不能!ピカチュウの勝ち!
よって優勝!マサラタウンのサトシ選手!」

実況「長い長いバトルにたった今ピリオド!
サトシ選手の優勝だぁぁ!」

▼それから20年
俺は今、故郷のマサラタウンではなく…カロス地方にいた…

▼良い職業に就いているわけでもなく…

サトシ「はぁ…」

ピカチュウ「ピカ……」ググ…

サトシ「ごめんな…
ピカチュウ…腹減ってるんだろ?」

ムサシ「あれ?何何?
随分懐かしい顔を見かけたと思ったら…あんた砂利ボーイ??」

サトシ「えっ…?
はっ…!お前はムサシ!
ロケット団のムサシ!?」

サトシ「もしかして、まだ、ロケット団として活動を続けてるのか?」

ムサシ「えっ!?嫌ね
あたしはロケット団は辞めて女優として活躍してんのよ。聞いた事ない?
キャンディームサリーナ」

サトシ「ああ…聞いた事あるよ…お前があのキャンディームサリーナなのか…」

サトシ「で…どうして
ロケット団を辞めたんだ?」

ムサシ「ロケット団を辞めた理由…あんまり話したくないんだけどね…」

サトシ「いや…思い出させて悪かったな…」

ムサシ「いいわ…話すわ
あれから20年たつかしら」

ムサシ「あんたは知らないだろうけど…あたし達は何度も解散の危機を乗り越えてきたの…でもあの時は駄目だった…」

20年前

コジロウ「ムサシ…ニャース… 俺、ロケット団を辞めるよ」

ニャース「いきなりどうしたのニャ?」

ムサシ「そうよ!コジロウったら、冗談じょ…」

コジロウ「冗談なんかじゃない!」

コジロウ「俺の実家が金持ちだってのは知ってるだろ
?」

ニャース「前に屋敷に行ったことがあったニャ」

コジロウ「俺は…パパンの事業を継ぐ事にしたんだ」

ニャース「コジロウ…考え直してくれニャ!
ムサシもなんとか言うニャ!」

ムサシ「あー ズルいわね! 金持ちは自由で!
やっていけなくなったら
楽な道を選べるんだから!」

ニャース「ニャ!?
ムサシ!?」

コジロウ「この野郎…
今何て…!」

ムサシ「あんたが仲間を裏切るような奴だったなんて思いもしなかったわ!」

コジロウ「うるせぇ!
俺にはお前らにはわからない様な都合ってものが…」

ニャース「辞めるニャ!
二人共!また仲良く三人で…」

コジロウ「お前は黙ってろ!」

ムサシ「清々するわ!
さっさとどっかに消えなさい!」

コジロウ「ああ!消えてやるよ!」

ムサシ「ふんっ!」

ニャース「コジロウ!
待つニャ!
ムサシ!ニャーはどうするニャー?」

コジロウ「おーい!ニャース!お前一匹ぐらい屋敷で飼ってやってもいいぜ!」

ニャース「コジロウ…
ムサシ…」

ムサシ「コジロウの所へ行きたいんでしょ!?
さっさと行きなさいよ!」

コジロウ「やったぜ!
俺たちはこれから
薔薇色の人生を歩むんだ
嬉しいだろ!?ニャース!」

ニャース「…」

コジロウ「どうした…!?
ニャース…」

ニャース「どんな所へ行ってもニャーは三人が良いニャ…」

コジロウ「ただ一つお前をうちに受け入れる方法がある…
ムサシ…俺の…」

ムサシ「平気で仲間を見捨てるようなあんたの下で働くなんてお断りだわ!」

コジロウ「ムサシ…」

………………
……………
………
…………………

ムサシ「と言うわけなの」

サトシ「お前らも大変だったんだな」

ムサシ「ほら…あんたも
あれから何があったのか教えなさい
あたしだけが語ってるのもいやだわ」

サトシ「ああ…話せば長くなるけれど…」

20年前

サトシ「オーキド博士!
ただいま帰りました!」

オーキド博士「おー!サトシ!カロスリーグ…見事な戦いじゃった!
ワシは嬉しいぞ よく頑張ったのう」

サトシ「ありがとうございます!」

オーキド博士「所でサトシよ」

サトシ「はい」

オーキド博士「お前はポケモントレーナーとして数々の冒険を重ねてきた…そして念願のポケモンリーグ制覇を成し遂げた」

オーキド博士「その経験を生かし
今後、研究者としての道を共に歩んで行くのはどうじゃろう?
きっとサトシなら立派な研究し…」

サトシ「博士…すみません…」

オーキド博士「なんじゃ?」

サトシ「お誘いありがとうございます…しかし俺には夢の続きがあるんです」

オーキド博士「ほう…」

サトシ「まだまだ俺の知らない強いトレーナーがいると思うんです
だから、俺は…」

オーキド博士「そうか…
残念じゃが…サトシの意思じゃからのぉ」

ガチャ…

シゲル「じーさん、ただいま…
って…サトシじゃないか!戻って来てたのか!」

サトシ「ああ!久しぶりだな!」

シゲル「カロスリーグ見てたぜ
とりあえず、優勝おめでとう…だな」

サトシ「ありがとう!シゲル!」

シゲル「この後、サトシはどうするんだ? 研究者としての素質はバッチリだと思うんだけど」

サトシ「その話は…オーキド博士に断ったよ」

シゲル「えっ!?」

サトシ「もっと強いトレーナーと戦いたいんだ」

シゲル「……プフッ…」

サトシ「…って…何が可笑しいんだよ!」

シゲル「いやー…何だかお前らしいなって思ってさ…」

シゲル「強いトレーナーと戦いたい…か…ならば…四天王やチャンピオンを目指してみたらどうだ?」

サトシ「四天王…?チャンピオン?」

シゲル「ああそうさ、四天王やチャンピオンになれば、自然と強いトレーナーが集まってくる
唯、バトルの実力だけじゃない」

シゲル「バトルを通して、挑戦者に
何を伝える事が出来るか…それが大事なんだ…」

シゲル「まず第一歩として
ジムリーダーの資格にチャレンジしてみろよ」

シゲル「そこで認められる事が
出来れば晴れてチャンピオンとなれる」

シゲル「サトシ…お前なら
出来るさ!」

サトシ「ああ!ありがとな!
シゲル!」

カロス地方のポケモンセンター

ハナコ「サトシ?元気にしてる?」

ハナコ「今月の仕送りの件なんだけど…」

サトシ「いいよ…仕送りは
俺自身の力でジムリーダーとして
飯を食っていくつもりさ」

ハナコ「まぁ!サトシったら…」

…………………
…………………

シャラシティ

サトシ(久しぶりにやって来たぜ
シャラシティ!)

ーシャラジム

コルニ「えー…この度は…私の四天王昇格が決定いたしました…
これから、このジムの後継者を決める試験を受けていただきます!」

▼俺は自身満々だった…
しかし…

ムサシ「それで、その試験に
落選と…ざまぁないわね」

サトシ「何ぃ!」

ムサシ「何よぉ、そんなに怒らなたって…」

サトシ「確かにそうだ
ざまぁねぇぜ」

ムサシ「そうだ…結局
あの三人は、どうしたのよ」

サトシ「セレナに…シトロン…ユリーカ」

サトシ「セレナ……」

ムサシ「?」

20年前

▼畜生ォ!

▼自信はあった…なのに…

▼ママに何て言えば…

セレナ「サトシ…?」

サトシ「セレナ…?」

セレナ「どうしたのよ?
サトシ!暗い顔しちゃって…」

サトシ「俺は駄目かもしれない…」

セレナ「だーかーら!何があったの?」

▼俺は全てを話した

▼セレナはそれを聞いた途端
俺を支えると…まるで自分の事のように気遣ってくれた

▼自然に俺もセレナに恋心を抱くようになった


▼でも…セレナ一人で俺を支えられるはずもなかった

▼俺との生活に嫌気が差したのか
セレナは何処か遠い所にでも行ってしまったようだ

ムサシ「あんたは結局、砂利ガールに任せてプーを続けてたわけね」

サトシ「ああ…試験に落選してからどうにも…何にも熱意が湧かなくなってしまったんだ」

ムサシ「失踪するのも無理ないわ」

サトシ「でも俺を気遣ってか
月に一度、セレナから仕送りがくるんだ」

ムサシ「相当あんたの事が気がかりなのよ、早く目覚めて連れ戻しに行きなさいよ」

サトシ「でも…目覚めるって…」

ムサシ「20年もたっているとは
いえ、あんたがこんなにも変わっているなんてね
あんたが目覚める気がないなら
あたしが目覚めさせてあげるわ」

サトシ「…!?」

ムサシ「あんたの昔の仲間にでも会って、惨めな思いをするのよ
意地でも変わりたくなるわ」

ムサシ「この気球さえあれば
何処へでもひとっ飛びよ」

サトシ「懐かしい…ニャースの気球!」

ムサシ「あんた達になんども穴を開けられた気球よ
さあ、とっとと乗りなさいよ」

ミアレシティ

サトシ「このあたりで降ろしてくれ」

ムサシ「電気屋?」

サトシ「ここにシトロンの
パパがいるはずだ」

サトシ「おじゃまします」

シトロン「いらっしゃ…」

シトロン「サトシ!?」

シトロン「お久しぶりですね!
サトシ!」

サトシ「20年振りだよな…」

サトシ「ユリーカやリモーネさんは?」

シトロン「ユリーカは今ミアレジムでジムリーダーを務めているんですよ…何より僕は店の仕事を継がなくてはいけなかったので」

サトシ「まさか…リモーネさんは」

シトロン「一昨年…病気で
サトシは元気そうで良かったですよ」

サトシ「ああ…」

サトシ「じゃあ…俺はこれで」

シトロン「えっ!?お茶ぐらい飲んで行って下さいよ」

サトシ「ごめんな…ちょっと用事が…」

ガチャ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年02月11日 (土) 12:18:22   ID: 4wBtxDgP

つづきかいてくだい

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom