僕の知らない僕(7)
川は流れて海を成した。
ではその川はどうなる?
海と名前を変えて生き続けているのか……
はたまた川は死に海として生まれ変わるのか……
それは誰もわからない。
誰も知るはずがない。
では、この僕は?
昨日の僕はどうした?
もしかしたら、昨日の僕と今日の僕は別人かもしれない。
では明日は?明後日は?明々後日は?
それも誰にもわからないし気づくはずもない。
もしかしたら、昨日の僕は死に、今日の僕は生まれ変わっているのかもしれない
と彼女は僕に言った。
僕はその時なにも言い返せなかった。
僕はこの時どうやって返せばよかったのだろう?
それは今になっても全くわからない。
彼女はそんな僕には目もくれずこう続けた
「たとえそうだとしても私は気づけないんだよね」
と笑いながら言い
「それはちょっと寂しいかも……」
と気づけないことが悔しいかのように言った。
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