ブライト「アムロ、何を藪から棒に言い出す」
アムロ「いや、よく考えたらこの宇宙空間で赤と黄と白、なんてやたら目立つ色だとどうかと思ったんです」
ブライト「まあ確かに宇宙空間だと暗めの色に塗るのは常識だが…」
アムロ「それにジムと同じカラーで敵を撹乱させれる効果もあると思うんですよ」
ブライト「確かにそれも一理あるな…しかし…」
セイラ「良いんじゃないです、その提案は」
ハヤト「僕も賛成です」
カイ「いいんじゃねえの?ついでに俺のガンキャノンもジムカラーにしといてくれよ」
ハヤト「俺のガンタンクは…意味ないな…ハァ…」
ブライト「分かりました。急の支援感謝いたします」ガチャ
セイラ「お上はなんておっしゃったんです?」
ブライト「いい提案だな、さっそく技術班をこっちに寄こすだと」
セイラ「珍しくすんなり意見が通りましたね」
ブライト「ああ、以外にな」
プシュー
ブライト「おおアムロ、いい所に来たな。お前の提案が採用されたぞ」
アムロ「ほんとですか!」
ブライト「今技術班をこっちに回したところらしい、明日辺りに来るだろう」
アムロ「報告ありがとうございます、それでは」ピシッ
プシュー
ブライト「…フフッ」
セイラ「艦長、含み笑いなんて珍しいですわね」
ブライト「いやな、あのひよっこだったアムロがここまで成長するとは…何だか感慨深いものがある」
セイラ「それも戦争がもたらした産物…なのでしょうね」
ブライト「そうだな…今は正式に軍人になったとはいえほとんどは元々民間人だった、それを半ば無理やり戦争に駆り出す」
ブライト「本来のあるべき姿ではない筈なんだがな…、戦争とは恐ろしい物だよまったく」
セイラ「このホワイトベース隊もほとんど未成年で構成されてますけどね」
コンコン
アムロ「はい、どうぞ」
カイ「アムロ、技術班が到着したってよ」
アムロ「わかった、すぐ行くよ」
カイ「しかし連邦も暇だねえ、なんか大規模な作戦を近々やるらしいってな」
アムロ「そうらしい、ジオンの一大拠点だったっけな、何にしろ補給ついでだからありがたい」
「これあっち持ってってくれー」「おい、ここのドリルどこ行った?」「早くヘッド用意しろ!」
ガヤガヤ ザワザワ
アムロ「…これはなんの騒ぎなんだ」
カイ「まあーこりゃまた団体さんのご到着で」
整備兵「アムロ少尉でありますか?私はここの技術班の指揮を取っております」
アムロ「あ、どうも。ところで聞きたいのですが、なぜ機体の色を変えるだけなのにこんな大規模な整備になるんです?」
整備兵「やるなら徹底的に偽装しろ、との命令を受けたので…全面的に改修することになりました。二日程時間をいただきます」
アムロ「大規模改修?」
整備兵「はい、詳しい事は終了してからお話します、それでは」
コツコツ
アムロ「大規模改修…ねえ」
ナレーション「連邦のルナ2技術班による大規模改修は夜通し行われた」
ナレーション「そして、ついに日の目を見るときがきたのである」
アムロ「ふう、もうこんな時間か…」コキコキ
アムロ「そういえばガンダムの改修は終わったんだろうか?少し様子を見に行くか」
プシュー
整備兵「よーし、第一コンテナ積み込んだか?あ、アムロ少尉!」
アムロ(いつのまにかジムが配備されてる…)
アムロ「いや、ガンダムの改修は終わったのかって」
整備兵「ええ、無事成功です。我々はこれからルナ2へ帰還準備の所です」
アムロ「それにしてはガンダムの姿が見えないんですが?」
整備兵「へ?あそこにきちんと配備されてるじゃないですか」
アムロ「だってハンガーにはガンキャノン、ガンタンク、コアブースターにいつの間にか配備されてたジムしか…」
整備兵「やだなあ、あれはジムに見せかけたガンダムですよ」
アムロ「!?」
アムロ「………」
カイ「な、なあアムロ…そんなに落ち込むなって!な?」
セイラ「そ、そうよアムロ。外見はどうあれ中身はガンダム…らしいんだから」
ブライト「まあ…なんだ、意見が採用されてよかったじゃないか。…少々やりすぎな気もするが」
アムロ「だって…いくら敵を撹乱とはいえ…まんまジムじゃないですか…やですよ僕…」
ブライト「まだ試運転してないだろ?とにかくブツブツ言っててもあれだし乗り心地確かめてみたらどうだ?」
アムロ「でも…僕のガンダム…」
セイラ「……」スタスタ
パチーン
アムロ「へぶっ!?」
セイラ「しっかりなさい!もう過ぎちゃった事は仕方が無いのですから!」
セイラ「今は今できる最善の方法を考えるべきでしょう?ほらさっさとハンガーへ行く!」
アムロ「は、はいぃ!」タッタッタ
カイ(おっかねえなぁ…)
モスク「はは、アムロ君がジムに乗り込む姿は見ていて滑稽だな」
アムロ「よしてくださいよ博士…これでも結構ショックなんですから…」
モスク「いやいや、しかしルナツーの技術班はいい腕を持ってるな。きちんとマグネットコーティングも施されているぞ」
アムロ「へえ…まあ物は試しってんです。ジム、出ます!」
シュゴオオオオォォォォ
アムロ「さて…とりあえず姿勢制御からかな」クイッ
グルン グルン
アムロ「ふむ、これは大丈夫だな。次は…」
ブライト『アムロ、機体の調子はどうだ?』
アムロ『ブライトさん!こいつはかなりいいですよ!』
ブライト『ほお、その様子だとご満悦のようだな』
アムロ『ええ、運動性能、反応速度、出力比、どれをとってもガンダムと一緒です!というかガンダムより若干反応速度がイイ気がします』
ブライト『ベースはガンダムだからな。しかしそれより性能がいいとは…』
アムロ『武装面もかなり革新的なんですよ、頭部バルカンとビームサーベル、シールドはそのままに…』
ピーーガガガピーザーザー
『こちら第2艦隊マゼラン3番艦!偵察中にザク3機と戦闘状態!誰でもいいからこの無線を聞いてる奴がいたら助けてくれ!』
アムロ『ブライト艦長!友軍偵察部隊より救援無線が!』
ブライト『何だと!…わかった、ただちに現場に急行、友軍を支援せよ!』
アムロ『こちら第3艦隊第13独立部隊のアムロ・レイ少尉だ。今すぐ救援に向かう。何とか持ちこたえてくれ』
連邦兵『助かる、アムロ少尉!こっちは4機の内もう2機がやられてる!急いでくれ!』
ジオン兵『レーダーに新たな敵影!連邦のmsが一機!』
ジオン兵『たった一機増えた所で変わらないだろう。まあ用心はしておk』ザーザーザー
ジオン兵『二番機?どうした、応答せよ』
ジオン兵『二番機からの通信が途絶えた…?一番機、何かレーダーに異変はあるか』
ジオン兵『こちら一番機!敵機より攻撃を受けている!支援を!支援を!』プツ ザーザー
ジオン兵「な、一番機と三番機が一瞬で!?しかし敵はもう瀕死だったはず…」
ジオン兵「まさかあのレーダーのms!?どこだ!」
ジオン兵「くそっ!そこか!」
ガガガガガガガ
ジオン兵「何故だ!何故当たらん!ちくしょーが!」
ゴオオォォォ
ジオン兵「ひっ、来た!誰か、誰か救援を…」
ドゴーーン
アムロ「…これで最後か」
連邦兵「す…すごい」
連邦兵『救援、感謝しますアムロ少尉』
アムロ『母艦まで戻れますか?』
連邦兵『大丈夫です』
アムロ『よかった、それでは自分はこれで』
ゴオオオオオ
連邦兵「…同じジムだとは思えないな、よほど腕のいい奴が乗ってるんだろう」
ジオン士官「何?偵察に出てたザク3機が撃破された?」
ジオン兵「はっ、s4-d宙域付近において連邦のジム小隊と接触、戦闘となった模様です」
ジオン士官「ふむ…もうこの辺りまで連邦が進出してるのか…」
ジオン兵「先ほどモノアイレコーダーを回収しましたが…如何なされますか」
ジオン士官「敵の兵装を確認するいい機会だ、早速写してくれ」
ジオン兵「了解です」
カシャカシャ ウィーーン
ジオン兵「映像は二番機の視点です」
ガガガガガガガ キュイーン
ジオン士官「敵は4機か」
『1番機、一機撃破!』
『こちら三番機、一機撃破』
『囲め囲め!』
ジオン士官「なんだ、優勢じゃないか。なぜ全滅したんだ?」
『レーダーに新たな敵影!連邦のmsが一機!』
ジオン兵「ここで新たなジムが一機支援にやってきています」
ジオン士官「…このジム、エース機らしいな。武装がかなり強力だ」
ジオン兵「ザッと見たところ…ビームスプレーガン一丁、シールドにビームサーベル…ただの量産型では?」
ジオン士官「よくみろ、これはスプレーガンではなくビームライフルだ。もう量産が始まっているのか?」
ジオン兵「しかし他の機体はスプレーガンとおぼしきものを装備しています。この支援に来たジムだけの装備かと」
ジオン士官「とにかく…このエースジム、動きに無駄がないな」
ジオン兵「ザク3機に狙われててもなおこの動き、余裕すら感じますね」
チューーン ドゴオオォン
ジオン士官「なんて的確な狙撃!あれだけ縦横無尽に動き回っても当ててくるとは…」
ジオン兵「ああ!1番機も!」
チュイーン ズガアアァァン
ジオン兵「さすがにモノアイ視点なだけあって緊迫感は半端じゃないですね」
ジオン士官「だな…2番機パイロットの絶望すら感じれる」
ジオン兵「うわっ!いつのまにかジムが目の前に!」
ガガガガガガ
ジオン兵「この距離でもマシンガンにかすりもしない…」
ビュイーーン スパァ
ドガアアァァン
ザーザーザー
ジオン士官「…これでおわりか」
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