関口「なあ、俺たちで城ヶ崎リンチしねえか?」
はまじ「おいおい、本気かよ」
永沢「いいね 僕はその話乗ったよ」
藤木「ええ、本当かい!? 永沢君」
永沢「ああ、あいついつも生意気だからな 藤木君はどうするんだい?」
藤木「僕は…みんながやるから、仲間に入ろうかな」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406675289
関口「はまじはどうするんだよ」
はまじ「やめとけよ 城ヶ崎がかわいそうだろ」
はまじ「それに先生に告げ口されたら厄介だぞ」
永沢「何だい 浜崎君も案外、小心者なんだね」
永沢「藤木君でさえ加わるっていうのにこれじゃ藤木君以下だ」
はまじ「何だと! いいだろう、一緒にやってやるよ」
関口「よし、決まりだ じゃあ、次の休み時間に早速な!」
休み時間
城ヶ崎「どう、笹山さん あれからピアノはうまくなった?」
笹山「ううん 全然ダメ」
城ヶ崎「私もなかなか上達しなくって」
はまじ「笹山も一緒にいるな」
永沢「くそっ 厄介だなぁ」
関口「こうなったら笹山も一緒にいじめようぜ」
藤木「ええ! それはやめようよ!」
関口「何でだよ!」
藤木「だ、だってさっきみんなは城ヶ崎さんって言ってたじゃないか」
藤木「なのに無関係な笹山さんまで巻き込むことはないよぉ!」
永沢「藤木君の言うとおりだよ 標的はあくまでも生意気な城ヶ崎さ」
永沢「笹山には用はないよ」
はまじ「なあ、関口 今回は城ヶ崎一人だけにしておこうぜ」
関口「ちぇ、つまんねえな だったら早く城ヶ崎だけを一人にしろよ」
はまじ「でも、どうするんだ?」
永沢「ここじゃ人目があるし、人気のない場所に呼び出すしかないだろうな」
藤木「どこがいいかな」
永沢「体育館の裏なんてどうだい」
関口「それじゃ、誰か城ヶ崎を呼びつけろよ 俺は嫌だぜ」
はまじ「俺も嫌だ」
永沢「藤木君、君がやれよ」
藤木「ええ、僕がかい!?」
藤木「何で僕が!?」
永沢「さっき君、笹山を巻き込みたくないって必死に庇っていただろ」
永沢「そう思うなら、行動を示せよ」
藤木「で、でも…僕が城ヶ崎さんを呼びつけるなんて」
永沢「言い訳して逃げるのかい?」
永沢「君はやっぱり卑怯だね」
関口「卑怯者は仲間に入れてやらねえぞ」
藤木「そんなぁ…」
はまじ「なっ 頼むよ、藤木~」
藤木「わ、わかったよ…仕方がないなぁ」
城ヶ崎「それでね、パパったらおかしいの」
笹山「まあ」
藤木「あ、あの、あの…」
城ヶ崎「あら、藤木 何か用?」
笹山「どうしたの、藤木君」
藤木「え、えっと、その、じ、実は…」
城ヶ崎「何よ、はっきりしないわね」
笹山「私たちに用があるのね、藤木君 なぁに?」
藤木「実は、城ヶ崎さんに用があってぇ」
城ヶ崎「藤木が私に?」
藤木「う、うん」
藤木「よかったら、今から体育館の裏まで一緒に来てくれないかな」
城ヶ崎「?」
藤木「そ、そんなに時間取らせないからさぁ!」
藤木「でも、無理なら別にいいんだ…あはは」
城ヶ崎「それくらい構わないけど」
藤木「本当かい!?」
城ヶ崎「ええ でも、その用ってここじゃいけないの?」
藤木「う、うん ここじゃちょっと」
城ヶ崎「あらそう なんだか知らないけど」
城ヶ崎「それじゃ仕方ないわね」
藤木「ごめんよ それじゃ、早速だけど着いてきてよ」
城ヶ崎「わかったわ それじゃ、笹山さんも悪いけど付き合ってもらえる」
笹山「うんっ」
藤木「えぇー、笹山さんも来るのかい!?」
城ヶ崎「いけないの?」
藤木「当然だよ! 笹山さんにだけは来られちゃ困るんだよ!!」
笹山「私だけって藤木君…そんなに私のこと嫌いだったの?」
藤木「あ、いや、決してそういう意味じゃなくて!」
城ヶ崎「ちょっと、藤木! 笹山さんに失礼じゃないの!」
藤木「ち、違うんだ! 誤解なんだよ!」
はまじ「何だらだらやってるんだよ、藤木は」
永沢「相変わらずどんくさい奴だなー」
関口「だぁー! 面倒くせえ!! もう笹山も一緒でいいじゃんか」
永沢「不本意だけどそうするしかないようだな」
永沢「あのままだと、騒ぎになりそうだし」
藤木(ど、どうしたらいいんだ 僕は)
ボトッ
藤木(ん、紙飛行機の手紙が飛んできたぞ? なになに…)
『こうなったら笹山も一緒に連れてこい 永沢』
藤木「おいおい…」
城ヶ崎「藤木! 私たちの話、ちゃんと聞いてるの!?」
藤木「あ、ごめんよ」
笹山「藤木君、どうして私が着いてきちゃいけないの…?」
藤木「さっきのは冗談なんだ」
藤木「笹山さんも是非一緒に来てくれよ」
笹山「そう、よかった」
城ヶ崎「何よ 紛らわしいわね」
藤木(ごめんよ、笹山さん… 卑怯な僕を許してください)
永沢「藤木君、うまく2人を呼びだしたようだぞ」
関口「よし あいつらより先回りして待ち伏せるぞ」
はまじ「おう」
永沢「ふんっ 見てろよ、城ヶ崎」
永沢「今日こそ生意気な君をぎゃふんと言わせてやるからな」
まる子「あの男子たちったら何やってるんだろうね?」
たまえ「どうせ、またくだらないことでしょ」
まる子「それもそうだね」
キートン「後半へ続く」
笹山「それにしても何かしら、藤木君の用事って」
城ヶ崎「さあ あまりしょうもない用事だったら承知しないわよ」
藤木「えへへ、そんなことないさ…」
藤木(はぁ どうしてこんなことになっちゃったんだろう)
藤木(元々、リンチなんて僕は気がすすまなかったんだよな)
藤木(永沢君が乗る気だったからつい僕まで引き受けちゃっただけでさ)
藤木(それに僕は笹山さんも好きだけど城ヶ崎さんだって)
藤木(クラスじゃ笹山さんの次くらいに好きなんだ その子をリンチなんて)
藤木(完全に嫌われるだろうな いっそのことこのまま逃げようかな…)
体育館裏
藤木(ああだこうだ考えているうちに目的地に着いてしまった)
藤木(ダメだな僕って)
城ヶ崎「さあ、着いたわよ 藤木」
城ヶ崎「何の用なのか話しなさいよね」
笹山「藤木君?」
藤木「え、えっと…」
関口「こういう用だぜっ!」
ガシッ
城ヶ崎「きゃっ! 何よ!?」
笹山「城ヶ崎さん!?」
はまじ「でかしたぞ、藤木」
関口「へへーんだ! ざまぁはねえな、城ヶ崎」
城ヶ崎「ちょ、ちょっと! 離しなさいよ!」
城ヶ崎「どういうことよ! 藤木!」
藤木「ご、ごめんよ ごめんよ!」
城ヶ崎「何よ あんた、騙したのね!」
永沢「ふんっ、騙される方が悪いのさ」
城ヶ崎「な、永沢まで!」
永沢「さてどうやって、いたぶってやろうか」
城ヶ崎「あ、あんたたち、こんなことしてただで済むと思ってるんじゃないわよ」
城ヶ崎「先生に言いつけてやるんだから!」
関口「へっ、できるもんならやってみろってんだぁ!」
城ヶ崎「な、何ですって!?」
永沢「状況考えろよ こんな所、先生が来るもんか」
城ヶ崎「うぅ…」
笹山「み、みんな、ひどいわ 城ヶ崎さんを離してあげて…!」
はまじ「うるさい 笹山は黙っててくれ」
関口「そうだそうだ 文句あるなら、お前が止めてみせろよ」
永沢「所詮、多勢に無勢だよ どうせ出来っこないさ」
笹山「うぅ、お願いだから…」
笹山「城ヶ崎さん…ぐすっ」
藤木(笹山さんが泣き出しちゃったぞ)
藤木(泣いてる笹山さんも可愛いなぁ…えへへ)
笹山「藤木君、まさか藤木君も男子たちとグルになって」
笹山「城ヶ崎さんをいじめるつもりだったの…」
藤木「え、あ、いや」
はまじ「そうだ 藤木も俺たち城ヶ崎いじめ隊の一員だ」
笹山「ひどいわ、藤木君…」
藤木「ち、違うんだ! 僕は無理やり永沢君たちに頼まれただけで本当は無関係なんだよ!」
笹山「本当?」
藤木「そうとも! 僕がこんな最低なことに加担してる訳ないじゃないか…」
笹山「それじゃ、お願い 今すぐ男子たちを止めて」
藤木「えぇ!」
笹山「私の言うこと全然聞いてくれないし」
笹山「このままじゃ、城ヶ崎さんがかわいそう…だからお願い藤木君」
藤木「えーっと」
藤木(どうしよう ここで笹山さんの方に寝返ったら僕は完全に卑怯者だぞ)
キートン「すでに卑怯者である」
藤木(でもここで城ヶ崎さんを助けたら、僕に対する笹山さんの株は一気に上がるよな)
藤木(それどころか、うまくいけば城ヶ崎さんにまで好かれるかもしれないぞ)
藤木(えへへ、そう考えると悪くないなー)
城ヶ崎「あ、あんたたちいい加減にしなさいってば!」
関口「だったらいい加減にいたぶってやるよー、はっは!」
城ヶ崎「何よー!」
永沢「そうだ 藤木君、笹山が先生を呼びに行かないよう捕まえておいてくれないか」
藤木「えっ!?」
永沢「僕らはこのとおり抵抗する城ヶ崎を押さえつけるので手一杯だ」
藤木「で、でも」
永沢「いいじゃないか ボサーッとしているくらいなら何か役に立てよ」
永沢「告げ口は女子の専売特許だから油断できないんだ」
はまじ「そうだな チクられでもしたらまた母ちゃんに叱られる」
はまじ「藤木、早く笹山を捕まえろ」
藤木「えーっ! 僕が笹山さんを…ど、どうしよう」
笹山「ふ、藤木君は…そんなことしないわよね」ブルブル
藤木(笹山さんを捕まえる、か…)
藤木(中々いい役かもしれないなぁ、えへ)
藤木(笹山さんはあんなに怯えてるし)
藤木(ここで捕まえれば、男子たちにも示しがつくし)
藤木(それに永沢君に命令されていやいややる様にすれば)
藤木(笹山さんもきっとわかってくれるだろう よし)
関口「早くしろよ、藤木」
藤木「わかったよ それじゃ笹山さん、痛くしないから」
笹山「ふ、藤木君、うそでしょ…」
藤木「僕だって嫌だけど、男子たちの命令に背かない方がいいよ ごめんよ」
笹山「そんな…ぐすっ」
永沢「よし、いいぞ 藤木君」
永沢「さて、城ヶ崎」
永沢「いつもお高く気取ってる君のこんな情けない姿」
永沢「クラスの皆が見たらどう思うだろうね」
城ヶ崎「くっ! 何よ、永沢 あんたなんか!」
シャキ!
永沢「いてっ! こ、こいつ、僕の顔を引っ掻いたな!」
関口「こいつめ、生意気だぞ!」
ペチッ
城ヶ崎「あぅっ!」
笹山「いや! 城ヶ崎さんに乱暴しないで!」
永沢「よくもやってくれたなぁ」
永沢「仕返しに生意気な君の面に一発お見舞いしてやる」
はまじ「よぉし、いいぞ永沢!」
永沢「えいっ」
ポカッ
城ヶ崎「いたっ、ううぅ」
関口「はっはっは、ざまぁみろ!」
笹山「やめてぇ、こんなのあんまりだわ…ぐすっ」
藤木「うん、まったくだね」
キートン「何を言うか」
笹山「もう見ていられない!」
バッ
藤木「ああ、笹山さん!」
永沢「笹山が逃げたぞ!」
はまじ「きっと先生に言いつける気だぞ!」
関口「何やってるんだ藤木、早く追いかけろ!」
藤木「で、でも、追いつくかな…」
藤木「待ってくれよー、笹山さん」
笹山「ぐすっ…」
小杉「ん? 何の騒ぎだ」
永沢「丁度いいや 小杉君、笹山を捕まえてくれ」
小杉「何で俺がそんなことしなくちゃいけないんだよ」
はまじ「今日の給食のプリンお前にやるから」
小杉「よしきた!」
ガシッ!
笹山「きゃあ! は、離してよ、小杉君!」
小杉「そうはいくか 今の俺にとっちゃお前はプリンだからな、ぐへへ」
笹山「やだー!」
はまじ「さすが、小杉 あいつ一人で笹山はどうにかなりそうだな」
永沢「まったくだね 藤木君よりよっぽど役に立ちそうだよ」
関口「その調子で抑えてろよ」
小杉「おう!」
藤木(小杉君、笹山さんを押さえつけるのは僕の役目だぞ!)
藤木(簡単に奪わないでくれ!)
藤木「小杉君、僕も手伝うよ」
小杉「いいよ 俺一人で十分さ プリンの取り分が減ったら嫌だからね」
藤木(なんてずうずうしい奴なんだ)
小杉「ぐへへ」
ベタッ
笹山「いやあ、小杉君ヨダレ垂れてる!」
小杉「へ? わりぃわりぃ」
小杉「プリンのこと考えてたら、つい」
ベタベタ
笹山「いやあ、また垂れてる、いやぁ!」
藤木(うぐぐ! 笹山さんの顔と服に小杉のヨダレが!)
藤木(もう我慢できないぞ!)
藤木「小杉君、やめろよ! 笹山さんがかわいそうだろ!」
小杉「悪かったよ でも藤木がそんなに怒ることはないだろう」
藤木「怒るよ!」
藤木「見ろ、笹山さんの服がベトベトじゃないか」
藤木「どう責任を取るつもりだ」
小杉「と言われてもなぁ」
永沢「そうだ、いいこと思いついた」
藤木「え?」
永沢「服が汚れたなら、笹山の服を脱がせばいいんじゃないか」
笹山「えっ!」
関口「おっ、そりゃいいやー」
はまじ「ついでに城ヶ崎も脱がせようぜ」
城ヶ崎「何ですって!?」
永沢「おい、コス君 そういうことだから笹山の服、脱がしてくれよ」
笹山「いや、いやぁ、やめてってば」
城ヶ崎「あんたたち本当にいい加減にしないと…しないと」
関口「なんだ、城ヶ崎 本当は怖いんだろ?」
城ヶ崎「こ、怖いわけないでしょ いいから、やめなさい…!」
はまじ「よし 脱がせるぞ」
小杉「どうでもいいけど、ちゃんとプリンくれるんだろうな」
永沢「もちろんさ」
小杉「んならいいんだ そんじゃ、笹山、行くぞ」
笹山「いやー!!」
藤木(ま、まさか、笹山さんの裸が見られるなんて!)
藤木(何が幸いするかわからないなぁー さあ、小杉君早く脱がせるんだ!)
キートン「やはり卑怯である」
はまじ「城ヶ崎と笹山のすっぽんぽん♪」
はまじ「あ、それー、すっぽんぽん♪」
関口「あはは、いいぞいいぞ!」
永沢「うんと辱められるがいいさ、城ヶ崎」
城ヶ崎「い、いや、それだけはやめて!お、お願いやめて、お願いだから!!」
永沢「ふんっ、今さらしおらしくお願いしたって手遅れさ」
笹山「いやあぁ! いやぁ! ひどい! いやぁ!!」
小杉「プリンのためだ 悪いな笹山ぁー」
藤木「いいぞー、小杉君! 早くホックを外すんだぁ!」
戸川先生「おや、皆さん こんな所でどうしたんですか」
関口・はまじ・小杉・永沢・藤木(えっ…)
キートン「偶然体育館の裏にいた戸川先生に見られてしまったこの5人の男子 幸い先生からは注意されただけで済んだがその後、両親にもこのことが連絡され、雷を落とされることをまだ知らない5人のバカ男子たちなのであった」
お し ま い
このSSまとめへのコメント
よかった。!
面白かった
良かった! 面白かった!
小学生でこんなことしたら普通停学か退学になるやろ