男「男三人いい人談義」 (22)
ノッポ「なんだよ急に飲もうとか」
眼鏡「なんかあったんだろ?早く言えよ」
男「いや、まあさ、まずさ、ほら、乾杯しないと始まんないじゃん?」
ノッポ「はいはいかんぱーい、で?」
男「いやほら楽しい飲み会だよ?テンションあげようよ?ほら?」
眼鏡「一番テンション低いやつに言われたくないな」
ノッポ「何々?別れた??別れたんだろ???ほら早く言えよ!!」
男「わかったよ……実は、うちのサークル潰れかけてたの」
ノッポ・眼鏡「wwwwwwwwwwwwww」
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ノッポ「でも別れたんじゃねーのかよーつまんねー」
眼鏡「お前が代表してるサークル?」
男「そう」
ノッポ「なんだっけ、なんか文章書くサークル?」
男「ああ、文芸サークルな」
眼鏡「で、ちゃんと焼き鳥は塩で頼んだ?」
男「タレ」
店員「お待たせしましたーチョレギサラダと塩キャベツでーす」
眼鏡「あ、すんませんさっき頼んだ焼き鳥塩にしてください」
店員「はいかしこま」
男「却下でお願いしますこの人酔ってるので」
店員「えっ…と…?」
ノッポ「あー、こいつら無視していいんで、半分タレ半分塩でおねしゃす」
ノッポ「あのさー、お前ら成人してまでそんな言い争いするとか恥ずかしくないの?」
眼鏡「で、代表お前だし潰したのもお前なの?」
男「まだ潰れてねえよ!原因も俺じゃないし」
ノッポ「聞けよ糞ガキども」
男「だまれ浪人」
ノッポ「なめんな内部進学」
眼鏡「まあまあ落ち着けよ二人とも」
男・ノッポ「うるさい指定校」
三人「…」
店員「お待たせしました、軟骨から揚げとフライドポテトになりますー」
ノッポ「はあーやれやれ、聞きたくもねーけど説明してみ」
眼鏡「やれやれってリアルに使うやつ初めて見た」
男「4月とかさ、新歓時期だったじゃん?勧誘期間あったじゃん?あれってうちのサークルでは2年が主体でやるわけよ」
ノッポ「3年が主体のとこもあるよな」
眼鏡「で?お前の代は3年だからしなくていいわけ?」
男「まあ手伝い程度でいいかなって思ってた」
ノッポ・眼鏡「『思ってた』」
男「勧誘期間初日に2年がほとんど辞めたからね。俺が主体でやらざるを得なくて」
ノッポ「初日!?くそわろwwwwwwwwwwwww」
眼鏡「何があったんだよ」
男「それがな、一個下の学年ってもともとあんま人数多くなくてさ」
眼鏡「だからこそ仲良くなったりするんじゃねえの」
男「そうでもなかったらしいんだよね。そしてほとんどの2年が勧誘の協力をしてくれなくて」
ノッポ「大学の友達なんてそんな感じだべ。大体のやつらは薄情」
眼鏡「そうか、お前は俺らのことそんな目で見てたんだな」
男「そうかそうか、つまりきみはそんなやつなんだな」
ノッポ「エーミールとか懐かしいなおい」
眼鏡「話すすめろ」
男「んで、代表だった奴がつらいから辞めますってなって、副代表も辞めて、元々参加率低かった奴らも辞めて」
ノッポ「で、今どんくらい残ってんの?」
男「2年は3人かな。ちなみに全員兼サーしてる」
眼鏡「その人数じゃ2年だけで運営すんのは無理だな」
ノッポ「つーかさ、つらいから辞めます、って無責任すぎじゃね?そんなんだったら最初から代表やんじゃねーよ」
男「まあ代表だった奴には、適任がいなくて頼みこんでやってもらってたところがあるから、そこは強く言えねえわ」
ノッポ「それでも引き受けた時点で責任あんだから最後までやれよ。歳だけ食ったガキかよ」
男「まあまだ成人はしてないからガキっちゃガキだな」
眼鏡「そもそもなんで人数が少なかったんだ?」
男「それも面倒な話なんだけどね…。一番大きな要因は先輩と後輩であんまり遊ばなかったってことかなと思ってる」
ノッポ「縦のつながりが弱かったと?」
男「そうそう。俺が一年の時さ、一番先輩と遊んでたのって俺なんだよね。俺から暇ですどっか行きましょうって声かけて」
眼鏡「うん」
男「だから俺は後輩から声かかるもんじゃねえのかなとか高くくってたわけ」
ノッポ「彼女と付き合い始めたのも去年からだしなー」
眼鏡「最初の方はめっちゃ付き合い悪くなってたよな」
男「お恥ずかしい…。確かに、彼女にばっか時間割いてて後輩との絡み少なかったのは間違いないわ」
ノッポ「そんで後輩から先輩には声かけなくて、ほとんど遊びに行かなくて、仲良くなれなくて…って感じ?」
男「まさにそれ」
店員「お待たせしましたー焼き鳥こっちがタレでこっちが塩です」
眼鏡「あざす。あと注文いっすか?ビールひとつ」
男「えーじゃあテキーラブラッドオレンジで」
ノッポ「カルピスサワー」
店員「はいわかりました少々お待ちくださいー」
ノッポ「テキーラブラッドオレンジってかっこいいな」
眼鏡「人一人くらい殺してそうな名前だな」
男「でもこれアルコール度数3%だけどね」
眼鏡「名前負けも甚だしい」
ノッポ「雑魚すぎだろ」
男「カルピスサワーには言われたくない」
ノッポ「まー確かにサークルの代表がサークルそっちのけってのはいかんね」
眼鏡「名ばかりのサークル長だな」
男「言い返す言葉もない…。だから辞めた奴らにもあんまり強く言えなくてさ」
眼鏡「でもさ、お前の学年お前だけじゃないっしょ?他の奴らは後輩のこと誘わなかったの?」
ノッポ「そーだよ他の奴らが後輩誘ったら良かったじゃん」
男「あいつらなあ…あてになんないからなあ…」
眼鏡「何?お前のサークルってもともと崩壊してんの?」
男「崩壊はしてないけど…」
ノッポ「勧誘は手伝ってくれなかったのか?」
男「少しは手伝ってくれたさ。でも3年より4年の方が手伝ってくれたね」
眼鏡「お前もしかしてリーダーの素質無いんじゃないか?」
ノッポ「ストレートに言うねー」
男「それはあるかもしれない」
ノッポ「否定しないのね」
男「人にもの頼むの苦手だしなあ」
店員「ビールとカルピスサワーとテキーラ…えっと…テキーラなんちゃらでーす」
男「あ、自分テキーラなんちゃらです」
ノッポ「もの頼めないのとリーダーとどう関係あんの?」
男「サークル合宿の準備したりとか、飲み会の手筈整えたりとか、色々仕事あるじゃん?」
眼鏡「え、お前まさか全部一人でやってんの?」
男「まあ全部じゃないけど…ほとんど?」
ノッポ「馬鹿だな」
眼鏡「というか人望がないんじゃないか」
男「ぐっ…」
ノッポ「逆に考えればそれだけ信頼されてるんだろうけどな」
眼鏡「それだけの仕事を一人でこなせる能力は持ってる訳だし、優秀でもある」
男「そんな褒めてもなんも出ないぞ」
ノッポ「とか言いながらメニュー差し出すとかお前…激安バーゲンセールだな」
男「ほら、好きなの頼めよ。今の俺は機嫌がいい」
眼鏡「ではありがたく…ってこれ飲み物のメニューじゃねえか!!これ飲み放題だろうが!!ふざけんな!!」
男「なんも出ないって言ったじゃん」
ノッポ「あ、すんません、ニンニク醤油チャーハン1つ」
眼鏡「鶏出汁ラーメン」
店員「かしこまりましたー」
男「おごらないからな??おごらないぞ??おい聞いてるか??」
眼鏡「話をもどすが、しかしまあ、なんでお前が代表やってんの?」
男「うちの代には他にやる人いなかったんだもん」
ノッポ「断ることができないファッキンジャップの典型か…」
男「いや断れるけど、断ったらみんなが困るからなあ」
眼鏡「あれか?他の人に迷惑かけるくらいなら自分一人が大変な目に合えばいいとか思っちゃうタイプの人?」
男「あー…うん、そうだね」
眼鏡「典型的な『いい人』だな」
ノッポ「いい人なんて損ばっかするぞー」
男「悪人にゃなれないよ俺は」
ノッポ「この世なんて糞しかいねーんだから、そんな考え方してたら損しかしねーぞ」
眼鏡「悟ってんな」
男「過去になんかあっただろ」
ノッポ「別になんもねーけど…そういうの目にするからね。正直者が馬鹿を見る」
眼鏡「夜神月君かよ」
ノッポ「でもお前、授業毎回寝てるのにカンニングして単位S貰ってるやついるだろ?」
男「いるね。俺は寝てないけどスマホ弄ってS貰ってる」
眼鏡「俺のクラスにはいないけど聞いたことはある」
ノッポ「俺比較的授業聞いててカンニングしないでテスト受けてAだぞ?馬鹿らしいだろ?」
男「ばーか」
眼鏡「ざーこ」
ノッポ「ジョッキで殴るぞ」
ノッポ「似たような感じでさ、出席票のある大教室の授業で、出席票出しといてーみたいな」
男「いるね。俺よく頼むわ」
ノッポ「あれって頼まれた方は出してもなんのメリットも無いじゃん?出してもらう方だけが授業サボれて成績にも響かなくていいこと尽くしじゃん?」
眼鏡「確かに。あれは正直腹が立つ」
男「俺はちゃんと見返りを提示するからWin-Winだろ?昼飯とか飲み物とかそういうの」
ノッポ「真面目に授業出て真面目にテスト受けてるやつが馬鹿を見る。カスだろ」
男「まあ今の大学はそんな感じになってるかもな」
ノッポ「それと似てて、誰かのためにって自分が犠牲になるという素晴らしい考えを持っているやつは馬鹿をみるぞ」
眼鏡「論理の飛躍じゃないか?」
男「あー、でも言いたいことはなんとなくわかる。論理的かどうかは知らんけど」
店員「お待たせしましたー、ニンニク醤油チャーハンと鶏出汁ラーメンでーす」
眼鏡「あざーす。あ、ビール1つ」
男「青りんごハイボールください」
ノッポ「日本酒、冷たいので」
ノッポ「ニンニクのうまさは異常」
男「においがネックだよなぁ」
眼鏡「におい<美味さ、だろ。ああラーメンもうめえ」
男「あれ、そういえば俺のないじゃん。わけてよ」
ノッポ「取り皿ないから無理」
眼鏡「取り皿が来るまでに食べきるから無理」
男「お前らのクズっぷりな」
男「ああ、そういうところも自分が犠牲になると~に繋がるかも」
眼鏡「というと?」
男「優しい優しい俺はよくお前らにガムとかフリスクとか分け与えるだろ?」
ノッポ「あー、ラーメン食った後とかな」
男「でも君たちは今俺に食い物を分けようとはしないわけだ」
眼鏡「分ける気ゼロだね」
男「今後君たちにガムとかを分け与えるのが馬鹿らしくなってくるだろ?」
眼鏡「今回の話はお前も注文すればいいだろ」
ノッポ「まあ俺はその気持ちわかるけどね」
男「進んで分け与える者は搾取されるのみじゃねえか」
男「別に見返り求めて親切してるわけじゃないけどさ」
ノッポ「何も返ってこなかったらするだけ馬鹿らしいよな」
眼鏡「じゃあしなきゃいいじゃん」
男「困ってる人を見殺しにしても何も感じない性格の人間が圧倒的有利だよなあ…」
眼鏡「所詮他人だし関係ないだろ」
ノッポ「こういう人間にはなりたくねーな」
男「今度からお前の席とっとくのやめるわ」
眼鏡「そしたら俺もとっとくのやめるけどな」
ノッポ「お前らほんと喧嘩好きな」
店員「お待たせしましたービールと青りんごハイボールと日本酒ですー」
眼鏡「どう振る舞うかなんて人によるとしか言いようがないだろ。正解なんてないよ」
男「まあそうだけど…」
ノッポ「哲学者にでもなれば?」
男「人間は考える葦である」
眼鏡「ブルータス、お前もか」
ノッポ「それは違う」
男「難しいなあ」
ノッポ「まーでも、そういう『いい人』ってのもさ、続けりゃ光は見えるんじゃね?」
眼鏡「世の中そういう人いなかったら回らないのかもしれないしな」
男「神様は見てるよ的な思想だよね?信じるべきなのか否か…」
ノッポ「したことは良いことも悪いことも絶対返ってくるって言う人もいるよね」
眼鏡「根拠ないだろうけど」
男「返ってこないなら良いことをする意味はない…?」
ノッポ「他人は喜ぶよね」
男「他人のために自分を犠牲にする精神か…」
眼鏡「他人が幸せになっても自分が幸せにならなかったら嫌でしょ」
男「うーん、たしかに…」
眼鏡「まあさ、20そこらの若者がいくら考えても答えなんてでるはずないだろ?」
ノッポ「とりあえず飲めよ、青い若者よ」
男「なんで同年代のやつらにこんなこと言われなきゃなんねえのかな…」
ノッポ「いい人ねー…いい人はちょっと大きすぎるかな」
男「は?」
眼鏡「大きいに越したことはない。じい人くらいでも一向に構わん」
男「は??」
ノッポ「俺は大きさはこだわらないけど、もし指定できるならしい人かなー」
男「は???」
眼鏡「しい人とかパンピーかよ」
ノッポ「結局それぐらいがちょうどいいんだよ」
眼鏡「お前の彼女はどんくらいだっけ?びい人くらい?」
男「…もしかしてすっごく低レベルでうまくもない話してる?」
眼鏡「男のロマンの話だな」
ノッポ「女のシンボルの話だな」
男「あきれたわ…なにがじい人だよてめえらもじい人のくせに」
ノッポ「じい人ってのもさ、続ければ光は」
男「見えてこねえから」
眼鏡「世の中そういう人が」
男「いなくても回るわ」
ノッポ・眼鏡「リア充爆発しろ!!!!」
おわり
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