※諸注意
このSSは
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」
提督「残り5名の艦娘を救うため、死にそうになった」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398933477/)
に登場する女提督側を主役とした続編です。
・時々版権ネタが投入される
・セリフ回しが時々おかしい。
・オリジナル設定が含まれる。
それでもよろしければお目汚し、失礼致します。
―おめでとう。自分の手柄のために仲間を見捨てた―
―人殺し―
【夕雲型のお部屋】
長波「っ!」ガバッ
長波「はぁ…はぁ……」
長波「……」
巻雲「夕雲姉さん…はい…砲身に物を詰めたら…爆発…むにゃ…zzz」
[今日も提督と一緒にお休みします 夕雲]
長波「…」ポリポリ
長波「っ…」
長波「…血、出てるし…何かささったか…?」
長波「絆創膏、絆創膏…」スタスタ
バギッ
長波「ん?」
プラーン
長波「……」
巻雲「長波さん…何ですか…? 今の音は…」ゴシゴシ
長波「あ、悪い、起こしたか。ちょっと勢い余ってドアノブ壊しちった」
巻雲「じーっ…」
長波「?」
巻雲「これは夢でしょうか。巻雲の目が正しければぁ…長波のピンク髪率が少し増えてる気がします…」
長波「え?」
【執務室】
明石「支援用海上砲台ですか?」
女提督「駆逐艦が大口径の主砲で援護できたら素敵やん?」
霧島「設計図を見る限り…野砲やトーチカのイメージでよろしいでしょうか?」
女提督「よろしい」
霧島「まずは私たちが使えるような、少し大型の試作品を作りましょうか」
明石「それにしても…配線とか細かい設計図ですねぇ…」
女提督「隣のメロンちゃんから譲り受けました」
霧島「これは…鳥海はもちろん、レーベさんとマックスさんも必要かもしれません」
夕雲「分かりました。暫く編成に入れないようにしますね」
明石「お任せください!」
霧島「司令のために頑張りますね」
女提督「あ、それと霧島姐さん…」ガサゴソ
霧島「…最近、みんなからそう呼ばれるんですけど、なぜでしょう?」
女提督「この前、深海棲艦が持ってたんだけど、中身復元できる?」
夕雲「試験管?」
明石「軍のマークがついてますね」
霧島「欠損が激しいですが、今日中には可能だと思われます」
女提督「さすが姐さん頼りになります!」
霧島「それでは失礼致します」
明石「必要とされるって幸せですねー…」
ガチャ バタン
夕雲「何の試験管ですか?」
女提督「知らないから、調べるのよ? まぁ、興味本位ってやつぅ?」
夕雲「好奇心旺盛なんですね」
グゥゥ
女提督「お腹空いた」
夕雲「食堂に行きましょうか?」
女提督「今日の当番は?」
夕雲「たしか…比叡さんだったと思われます」
女提督「ガスコンロと鍋と小麦粉と卵と醤油と鶏がらスープの素とねぎとメンマを用意しろ!」バッ
夕雲「了解しました」
コンコン
阿賀野「阿賀野でーす」
夕雲「どうぞ」
ガチャ
阿賀野「遠征帰投しました~…ふぅ…」
酒匂「しっれ~い~っ!」ガバッ
女提督「おうふっ!?」
ドスーン
阿賀野「」ウズウズ
能代「やめてください。阿賀野姉がやると提督が骨折します」ガシッ
矢矧「提督、遠征の報告書、机に置いておきますね」
巻雲「くんくん。美味しそうな匂いがします」
長波「………」
女提督「あ”~。酒匂はかわいいな~」スリスリ
酒匂「ぴゃぁっ!? 可愛い? 本当に!?」キラキラ
女提督「あー、本当さ。可愛い酒匂は私が作ったラーメンを食べるかい?」
酒匂「食べる食べる! らーめん大好き! あ、でも一番好きなのは司令だよっ!」
女提督「あ”~も”ぅ~!!」スリスリスリスリ
夕雲「皆さんはどうしますか?」
阿賀野「もちろん、ごちそうに―むぐっ!?」
能代「提督にお手数かけるわけには行きません」
矢矧「食堂には人数分すでに用意されてるしね」
夕雲「今日の食事担当は比叡さ―」
矢矧「そうね、ここでお昼を食べるのもいいかもしれないわね」
能代「大切な食事! 感謝です!」
女提督「お前らも比叡カレーは受け付けないか」
阿賀野「それじゃ阿賀野は良い子だから手を洗ってきまーす」
矢矧「ついでに補給も済ませておくわ」
能代「酒匂、行くよ」ガシッ ズルズル
酒匂「ひゅぅ…指令、まったねー!」ブンブン
女提督「またねー」ブンブン
バタン
女提督「…」ガクッ
夕雲「提督?」
女提督「…負けた…既に、私より大きい…だと…」ペターン
巻雲「司令官様、あの、私達の分は…」
女提督「もちろん作るわよ。手を洗ってきなさい」
長波「……」
夕雲「長波さん? 髪の毛、どうしたの?」
長波「ん? ああ…気分転換だよ。似合うか?」
女提督「きゃわわ♪」
長波「そ、そうか…」
夕雲「あんまり髪の毛にダメージを与えちゃだめよ?」
長波「わかってるって。それじゃお昼、楽しみにしてるぞー」
巻雲「司令官様の料理美味しいですからねー」
ガチャバタン
夕雲「提督? 夕雲も…」
女提督「何言ってるのー。今のままでも十分可愛いわよぉー」ナデナデ
夕雲「ふふっ。ありがとうございます」
【中央ホール・掲示板前】
巻雲「もう、食べられないかもー…」テクテク
長波「提督、料理の腕は確かだからな」テクテク
巻雲「午後は…えーっと…」
長波「あたしらの出撃はなしか。よし、部屋に戻って仮眠だな」
巻雲「今日良い天気ですよ? 散歩でもしましょうよー」
長波「散歩って…あたし、そんな柄でもないし」
巻雲「ダメです! 引きこもってると秋雲みたいになります!」
長波「げ。バカになるのか」
巻雲「はい。秋雲は引きこもりで根暗で馬鹿なんです」
秋雲「やだ…私、夕雲型に嫌われすぎ…?」トボトボ
長波「お、遠征帰りか、ご苦労さん」
秋雲「同じ制服なんだし仲良くしようよ~」
長波「!」ピクッ
秋雲「お近づきの証に似顔絵でも描こうか? こう見えてえごk―」テクテク
長波「止まれ! 秋雲!」
秋雲「ろ?」ピタッ
ヒュン パリン
巻雲「な、な―」
巻雲「なんで空から生ごみが降ってくるんですかぁっ! 秋雲さんのばかぁ!」
秋雲「あれー…? これ私悪いのー…?」
長波「生ごみじゃない。比叡カレーだな」
巻雲「生ごみじゃないですか」
秋雲「ひどい言われよう」
長波「…誰かが、窓から投げ捨てたか?」
長月「ちょうどいい所に居たな」テクテク
三日月「…なんですか。この異臭を放つ産業廃棄物は」スッ
菊月「…化学兵器?」サッ
秋雲「私が比叡さんだったら泣いてるわ」
長波「ちょうどいいってなんだ?」
長月「自主訓練だ」
三日月「お暇であればご一緒にどうかと」
秋雲「あたしパース。部屋でゆっくり原稿描いてるわ」
巻雲「引きこもり」ボソッ
長波「訓練ねぇ…暇つぶしにはなる?」
三日月「今日は特にハードらしいですよ」
長波「ふふん♪ そりゃ、いいね。やろう」
巻雲「あ…巻雲、金剛さんのティーパーティー呼ばれてるんだった…」
菊月「…」
三日月「…あの状態でも紅茶飲めるんですかね…?」
【研究室】
霧島「ここをこうして…」
明石「はい、でもそうすると…」
鳥海「…この部分、余裕が…」
Z3「コーヒーお持ち致しました」コトッ
霧島「ありがとう。ちょっと休憩しましょうか」
明石「ありがとうございます」
鳥海「お疲れ様です」
Z3「レーベ」コトッ
Z1「うん、Danke」
Z3「Bitte sch?n」
霧島「…毎日紅茶漬けだったから、すごく美味しく感じるわね」ゴクッ
明石「小腹空きましたねー」
Z3「お昼まだ、ですね」
Z1「あ、バウムクーヘンあるよ、うん」ガサゴソ
明石「これは…、はかどりますぅ!」キラキラ
鳥海「糖分の補給も出来るので、最適ですね」
Z3「これ…」
Z1「うん、マックスが好きな店のだよ」
Z1「元々マックスと食べようと買ってたんだ、うん」
Z3「…ふーん…私と一緒に……ふーん…♪」パクッ
霧島「美味しい…」モグモグ
明石「幸せですねー」モグモグ
…ダダダダダダダ
女提督「マイクチェックの時間だ、オラァッ!!」バタンッ!
霧島「…司令、毎度のことですけど静かに開けられないんですか?」
女提督「これがデフォっしょ→」
鳥海「提督…その手にあるものは…なんですか?」
Z3「何の匂い…? 生ごみ? 違うの…?」サッ
Z1「確かにすごい匂いだね、うん…」サッ
女提督「比叡カ―」
霧島「私たち、もう昼食済ませていますので結構です」
女提督「仮にも姉の料理が食えねえってのか? ああん?」
霧島「…食堂はどうなっていましたか?」
女提督「えっとね…」
--------------------------------
金剛「No……」バタッ
榛名「は、榛名は…大丈夫…で…」バタッ
古鷹「加古…だい、じょう…ぶ…」バタッ
加古「もぅ…無理…」バタッ
比叡「おっかしーなぁ…。こんなに美味しいのに」
由良「比叡さん、おかわり、お願いできますか?」カランッ
比叡「はいっ! 気合い、入れて、盛りますっ!」ダバーッ
----------------------------------
明石「…」
鳥海「…ご愁傷様です」
霧島「…比叡姉さんにはあとで私から料理の伊呂波を教えておきましょう…」
女提督「まじ頼む。しっかり教えてやってくれ」ポイッ
パリーン
明石「窓が…修理しなきゃ…」
女提督「で、進捗は?」
霧島「設計図をコンピュータに打ち込んだところです」
鳥海「私の計算によると…3日ぐらいで試作第一号機が出来そうです」
Z1「機関部は僕達のタービンを基に作るんだって、うん」
Z3「アツタ型のエンジンと同じことにならなきゃいいけど…」
霧島「それと…薬ですが、復元完了できました」スッ
女提督「透明なのね」
霧島「成分の一部に高速修復剤と間宮さんの菓子と同じ成分が検出されました」
霧島「憶測ですが、間宮さんが間に合わないときを考えて作られた気分高揚剤かと思われます」
女提督「ふーん。使ってみる?」
霧島「嫌ですよ。詳細はまだ不明なんですから」
女提督「艦娘を深海棲艦にする薬だったりして」
明石「じ、冗談でもそれはきついかなー…」
女提督「もし、そうなら楽しいんだけどねー♪」
Z3「レーベ…あーん…」
Z1「あむ…うん、Lecker、うん♪」
【港】
摩耶「よっしお前ら、次でラストだ」
長月「ぜぇ…ぜぇ…」
三日月「な、長波さん体力ありますね…」
長波「お、おぅ…?」
長波(…変だな。普段ならとっくに苦しくなってるんだけどな)
菊月「……」
摩耶「飛龍さん、蒼龍さん、準備はいいですか?」ピッ
飛龍『お任せください』
摩耶「おし、最後は総仕上げとして向こうにいる二航戦を攻撃する。簡単だろ?」
蒼龍『こっちも全力でいくからねー。ペイント弾だけど当たると痛いよー』
摩耶「いくぞー。位置についてよーい…」ガシャン
ドォン!
蒼龍『攻撃隊、発艦始めっ!』
飛龍『第一次攻撃隊、発艦!』
ヴュンヴュン
長月「いくら練習しても艦載機は、怖いな」
三日月「同感です」
菊月「…慣れしかないだろう」
ヒュゥゥゥゥ ドォン ボン ボォン バシャン!
三日月「…本当に手加減なしですね…!」
長波「…え? 手加減してないの…? これ?」
長月「何言ってるんだ、お前は」
長波「え? だっていつもより艦載機の動き遅いし…これなら楽に近づけるよね?」
菊月「…長波?」
三日月「ほ、本当ですか?」
長波「ふふん♪ 見てなよ」スッ
長月「おい! 無理すると…!」
長波「長波、突撃する!」ダッ
ヒュン ボォン! ヒュン バシャン!
摩耶「お?」
蒼龍「第二次攻撃の要を認めます! 急いで!」
長波「」チャキ
飛龍「蒼龍、狙われてるよ!」
蒼龍「だーいじょうぶ。あの距離じゃ当たらないよ~」
長波「ってぇーいっ!」バァン
蒼龍「…!」
バスッ
蒼龍「―がっ…!」
ドサッ
飛龍「蒼龍!」
長波「!?」
長月「…貫通…した…!?」
菊月「…ゴム弾じゃなかったのか?」
長波「…そ……蒼龍さんっ!」
【執務室】
長波「…」
夕雲「長波さん? 実弾ではなかったんですね?」
長波「うん…」
女提督「夕雲~。そんな怖い顔しちゃだめよ~」
飛龍「そうそう。避けないこいつが悪いんだから」
蒼龍「だっていつもは当たらない距離だったしー」
飛龍「慢心、ダメ、絶対!」
蒼龍「なにそれ美味しいの?」
飛龍「めっ!」ピシッ
蒼龍「あうっ」
長波「…ごめん」
夕雲「今回は肩だったからいいですが…もしも―」
女提督「はいそこまで」
女提督「長波ちゃんは一回言えば分かる子よ、ね?」
夕雲「…提督が言うなら…」
長波「ごめん。…本当に…ごめん」
女提督「蒼龍ちゃんはドックに。飛龍、付き添いお願い」
飛龍「お任せください」
女提督「長波は…ちょっと部屋に篭っていよっか」
長波「分かった…」
ガチャ バタン
女提督「ふぃー…ゴム弾で装甲貫通とは…不思議なこともあるもんだ」
夕雲「私たちじゃ、絶対的に弾速が足りないはずですけど、ね」
女提督「まぁまぁ、起きたことはしょうがないよ」
夕雲「…提督、事故として処理いたしますか?」
女提督「お、分かってるねー」
女提督「変に実直に報告したらデータやら書類やらたんまり要求されるしね」
夕雲「それではこの書類を完成させてくださいね」ドサッ
女提督「え…あ、えぇ…」
夕雲「それでは…私は夕飯の買出しに行って参ります」
女提督「うえーん、夕雲~。手伝ってよ~」
夕雲「提督? 甘えることと楽することは違いますよ?」ニコッ
ガチャ バタン
女提督「優秀なんだか…厳しいのか…」
女提督「うわーん。やる気しないよー!」バタバタ
女提督「…」
女提督「…めんどい」
カランカラン
女提督「…」
霧島『気分高揚剤だと思われます』
女提督「…えへへ~。少量だったら人体にも影響ないよねー」
女提督「うん、コップに一滴垂らすだけ、垂らすだけ…」ピチャン
女提督「私、体だけは丈夫だもんねー♪」
女提督「というか、高速修復剤も誤飲する紳士多いしねー…」ゴクッ
女提督「あっ! 透明なのにしっかりみかんあj―」
ドクン
女提督「っ―!?」
パリンッ
女提督「ぐぅ…おぇ…ぅぷ!?」
女提督「おえーっ…」ビチャグチャ
女提督「はぁ…はぁ……!」
女提督(手…が白イ…っ!?)
女提督「…!?」
女提督(…鏡…)
女提督「あはハ…わたシ…―」
女提督「…シンかイのコみたイ…ね…」
夕雲「提督―?」コンコン
女提督「!?」
夕雲「―何か買ってきてほしいものは…」ガチャ
女提督「」ゲロゲロゲロゲロ
夕雲「て、提督!? どうしたんですか!?」
女提督「うえーん。比叡カレー食べたら吐いちゃったー」
夕雲「何をしてるんですか!?」ガサゴソ
女提督「だってぇ、仮にも比叡が気合い入れて作ったから一口ぐらい…うぷっ」
夕雲「はい、吐いてくださいねー」サスサス
女提督「」ゲロゲロゲロゲロ
夕雲「そういうお優しいところが素敵ですが、果敢と無謀は履き違えないでください」サスサス
女提督「面目ない…」
夕雲「落ち着きましたか…?」
女提督「自力でゴミ箱に吐ける」
夕雲「もう…お水と口直しの飴持ってきますね」
女提督「飴はりんご味で…」
夕雲「了解しました」ガチャ バタン
タッタッタッタッタ
女提督「なんとか…夕雲が来る前に体が戻ったけど…」
女提督「この薬…」
女提督「…」
女提督「うわー、指先がオドロキの白さのままだー」
女提督「…うぷっ」
オエー
【夕雲型の部屋】
長波「はぁ…」
長波「調子がいいのか…悪いのか…」
長波「うあー!」パリン
長波「あぁ…ドラム缶型湯飲みが…」
長波「…」ゴシゴシ サッサッ
ゴロン
長波(なーんかおかしい…)
長波(オーバーパワーっていうか。妙に勘も鋭くなってるし、疲れにくいし)
長波(いや、それはいいんだけど…制御が出来てない)
長波(気をつけないと色々壊しちゃうし…)
長波「はぁ…」
ガチャ
巻雲「な、長波さん、帰ってきてたんですか…」
長波「自室にいることが不味いのか?」ムクッ
巻雲「い、いいえ。うんしょ…っと…」ゴトッ
長波「…何でドラム缶持ってきてるんだ?」
巻雲「えぇっ!? えっとですね…て、点検ですよ。穴が開いていたりしたら資源を落とすことになるから…」アタフタ
長波「いつも出撃前にやってるだろ」
巻雲「そ、そうですけど…。ほら、簡単にチェックしただけじゃ分からない箇所もあるじゃないですか」
長波「…何で持ってきた??」
巻雲「え、えーと。ほら、ど、ドラム缶といったら長波さんじゃないですかー…」
長波「…最初のセリフと合わないぞ」
巻雲「そ、それはですね…あははは…」
長波「まぁ…いいや…」
秋雲「おーい。夕飯できたってよー」ガチャ
長波「う、比叡カレー…」
巻雲「…うわ…憂鬱です…」
秋雲「今日は提督特製のチャーハンだってよ。チャーハン」
長波「お、気が利くなぁ。さっすがあたしらの提督だ♪」
巻雲「あ、先行ってください」
長波「あんまり遅くなんなよ」テクテク
秋雲「腹が減っては原稿も描けないからねぇ」テクテク
ガチャ バタン
巻雲「ふぅ…」
巻雲「今回ばかりは秋雲に助けられましたね…」ギィ ギィ
ガコン
巻雲「こんなこと…誰にも教えられません…」
長波「それはあたしにも?」ガチャ
巻雲「え!? あ!? 長波さん、行ったんじゃないんですか!?」アタフタ
長波「で、中には何があるの?」グイグイ
巻雲「やっ! ダメですっ!?」
長波「せいっ!」ガコン
「……ヲ…、…ヲ……」
長波「…へ?」
「…ヲ…」
長波「空母…ヲ級…!」チャキ
巻雲「はわわわっ!? 待ってくださいっ!」
長波「何だよ。敵だ…ろ……あれ?」
長波(…小さい? いや、幼い?)
巻雲「これにはふかーい事情がありまして、と、とにかく、巻雲のお話を聞いてからね? ね!」
長波「……分かった」
幼ヲ級「…ヲ…ヲォ…」
巻雲「あ、そうです! 長波さん。救急箱をお願いします!」
長波「…おう」ガサゴソ
長波「…で事情ってなんだ? ほい」ゴトッ
巻雲「うんしょ、ありがとうございます」
巻雲「…実はですね港に怪我した状態で…。あ、あれ…袖に引っかかって包帯が上手く巻けないです…もうなんなの!?」
長波「貸して。というか先に消毒だろ。水とタオル」
巻雲「は、はい。持ってきますね」テクテク
<キャァ ドンガラガッシャーン
長波「…ったく」
幼ヲ級「ヲ……」
長波(浅い切り傷や擦り傷ばっかり。致命傷は…なさそうだ)
巻雲「持ってきました!」テクテク
長波「よし…ちっちゃいの、我慢しろよ」ゴシッ
幼ヲ級「ヲ…っ!」
長波「よし、良い子だ。我慢我慢」ゴシゴシ
長波(腕細いな。折らないように気をつけないと…)
巻雲「あれ? 巻雲、どこまで話しましたっけ?」
長波「あー…何かもう察せるからいいや…」ゴシゴシ
巻雲「なんですか。その言い方。秋雲みたいです」
長波「波止場か何かにこいつが引っかかってて、拾ってきたんだろ」ゴシゴシ
巻雲「あ…はい。その通りです」
長波「ほい、次は消毒液だぞ。うちの研究班特製だからすっごい染みるぞ」
ピトッ
ヲ級「ヲォッ!?」ビクンッ
巻雲「きゃっ!?」
ヲ級「」クタッ
巻雲「…な、長波さん。なんてことを…」
長波「気を失っただけだろ。っていうか、元々、敵なんだから死んでも問題ないだろ」ピトッピトッ
巻雲「なんてこというんですか! 鬼畜! クズ! 秋雲! グズ! 秋雲!」
長波「はいはい。言い過ぎたよ…」
長波「っとこれぐらいでいいかなー。包帯」
巻雲「どうぞ」スッ
シュルシュルシュル キュッ
長波「おっし。完了」
巻雲「長波さん、助かりましたー」
長波「どう致しまして」
秋雲「おーい。夕飯どうすんのー?」コンコン
巻雲・長波「!?」
巻雲「あ、あけないでください!」
秋雲「具合でも悪いのかー? はっはーん。それともこの秋雲に見せられないようないかがわしいことしてるのかなぁ?」
長波「あー、秋雲。そうなんだ。ちょっと巻雲の調子が悪くてな」
秋雲「ふっふーん。そんなことだろうと、この秋雲、飯持ってきてやったぞー」
ギィッ
長波「巻雲! 蓋しめろ!」コソコソ
巻雲「はい!」コソコソ
ガコン
秋雲「ん?」ガチャ
巻雲「げほげほっ」
秋雲「どうしたの? ドラム缶なんか持ち込んで」
長波「て、点検だよ、点検。飯はテーブルに置いといて」
秋雲「りょーかい。巻雲ー。優しさ半分の薬もらってこようかー?」
巻雲「結構です。けほっけほっ…」
秋雲「そぉ? それじゃお大事にー」
バタン
長波「…」チラッ
巻雲「…」チラッ
長波「だぁー…」
巻雲「こんなタイミングで来るなんて、秋雲のばかぁ!」
長波「なんであたし、こんな思いをしてるんだ…」
グゥゥゥ
長波「食べるか…」
巻雲「…ちょっと冷めちゃいましたね。司令官様すみません」モグモグ
長波「…でこいつはどうするつもりだ?」モグモグ
巻雲「ほうふふぅって、何ですか?」モグモグ
長波「このままここに、ってわけには行かないだろ」モグモグ
巻雲「うっ…」
長波「…考えてなかった?」
巻雲「し、司令官様に頼めばなんとかなると…」
長波「…どうだろうな。あんなのでも軍人だし。即刻処分か、軍の研究の実験材料が関の山」
長波「あ、ニッチなお偉いさんが深海の女の子は愛玩用にほしいって噂もあるな」
巻雲「にっち? あいがん?」モグモグ
長波「あ…うん。知らないならいい。そのまま清く正しく生きてくれ…」モグモグ
巻雲「?」モグモグ
長波「とにかくいつまでもここに置くのは…」
巻雲「だからって殺すのはいけないと巻雲は思いますっ」グスッ
長波「もう殺さねぇよ…治療した意味なくなるだろ…」モグモグ
巻雲「じーっ…」
長波「…やっぱり母親に返すべきなんじゃないか」
巻雲「…向こうには親子の概念があるでしょうか?」
長波「…そ、それもそうだな…」
巻雲「それに私達と会話も出来ないでしょうし…“ヲ”ですよ?」
長波(なんでこういう所は鋭いんだよ)
巻雲「もう…長波さんも考えてます!?」
長波「ああ…兎に角コミュニケーションとれる方法があればなんとかなるかもな…」
巻雲「言葉以外のコミュニケーションですか? でもジェスチャーは誤解されるかも知れないし…」
長波「あ…いけるよ。これなら多分」
巻雲「…なんか嫌な予感がしました」
【翌朝・夕雲型の部屋】
幼ヲ級「ヲー!」キラキラ
秋雲「ふふーん。似顔絵は得意なんだよ?」
幼ヲ級「ヲ! ヲ!」ピョンピョン
秋雲「あー、このちっちゃいの。かわいいねー」ナデナデ
巻雲「じーっ…」
秋雲「なぁに? 巻雲も描いてほしいわけ?」
巻雲「巻雲は変な虫がつかないように見守ってるだけです」
秋雲「過保護ですねー」ナデナデ
幼ヲ級「ヲ?」
巻雲「変な言葉教えないでください! 秋雲のばかぁっ!」
ガチャ
長波「もどったぞー」
幼ヲ級「ヲ!」ビシッ
巻雲「すっかり元気になりました」
幼ヲ級「ヲ!」ピラッ
長波「へぇ~上手いじゃん。さっすが、秋雲」
秋雲「これぐらいアタシにとって朝飯前よー」
巻雲「長波さん。それはなんですか?」
長波「ん? 提督と同じローブ。買っちった」バサッ
秋雲「それどーすんの?」
長波「深海のやつらと接触中に、提督たちと鉢合わせしたら…厄介だろ?」ガサゴソ
巻雲「そうですけど…」
秋雲「長波がやるの?」
長波「当然、この中だと一番戦闘力高いのあたしだ。うわ…ぶかぶかだけど胸きつい…」ブカブカ
巻雲「長波さん…ごめんなさい。巻雲のせいで危険な目に…」
長波「気にすんな。これぐらい朝飯前だよ」
秋雲「動けるの? そんなぶかぶかで」
長波「よっ…」ヒュン ガシッ
秋雲「おうっ…!?」
長波「このまま頭蓋骨握りつぶそうか?」ミシッ
幼ヲ級「ヲ…」
長波「なんてな」パッ
秋雲「じ、冗談じゃない音聞こえたんですけど…まだ感触がこめかみに…」
幼ヲ級「ヲ…」サスサス
秋雲「おー、ありがとさん」ナデナデ
長波「ま、お前がこの事、他言したら、冗談じゃすまないかもな」
秋雲「分かってるって。こう見えて口堅いほうよ?」
巻雲「じーっ…」
幼ヲ級「ヲーっ…」
秋雲「…もうやだ…」
【母港近海・海上】
榛名「砲撃開始!」
ドゴォン!!!!! …ォォオン…
女提督「お~、中々いいね」
霧島「ごらんの通り、威力は申し分ないですが、欠点は弾薬のコストですね」
霧島「従来のように実弾を用いると一発で私が積載できる最大弾薬量を消費します」
夕雲「馬鹿にならない数字ですね…」
女提督「解決策は?」
霧島「用意しました。弾薬の代わりに艦娘の燃料を詰め込む簡単な焼夷弾を開発しました」
榛名「砲塔180度回頭」
鳥海『こちら鳥海、標的の設置完了しました』
霧島「了解」ピッ
霧島「榛名姉さん、お願いします」
榛名「榛名、全力で参ります!」
ドゴォン!!!! …ォォォン…
霧島「弾頭は流用できませんが、これなら一発当たり睦月型の最大積載燃料と弾薬で済みます」
女提督「おー、良く燃えてるー」
霧島「対地砲撃ならこちらの弾頭でも効果が高いと思われます」
霧島「尚、砲撃は時限式にも切り替えられます。自分が突撃して簡易的に援護させることも可能です」
女提督「駆逐艦が使えるぐらい小型化できる? 威力は下げていいから」
霧島「小型化した場合…弾頭の流用を考慮し46cm弾頭を撃てる開発方針ではどうでしょうか?」
女提督「上出来」ビシッ
ウィーン
榛名「提督! 榛名の活躍見ていてくれました?」タッタッタッタ
女提督「はるにゃん最高~」ナデナデ
明石『こちら明石。焼夷弾着弾点、鎮火しました』
霧島「了解。最高のプレゼンが出来たわ。帰りましょう」
金剛「Hey,テートクゥ。艦隊帰投したネー」タッタッタ
女提督「NO金剛! 今、はるにゃんをLoveしてるネー」
金剛「oh! 私も撫でてもらいたいデース!」
比叡「気合い、入れて、撫でます!」ワシャワシャ
<ファイヤー!
<ヒエー!
ppppppppp ピッ
女提督「もしもし~?」
夕雲『提督。帰投した飛龍さんが、例のローブの少女を映像に捕らえたそうです』
女提督「へぇー…」
【司令室】
摩耶「すげぇ…。わざと撃沈寸前で攻撃を止めてるな」
霧島「その後、深海棲艦と会話、しているように見えますね」
秋雲(やばい…)
プツン
飛龍「彩雲カメラからの映像はここまでです」
夕雲「その後は?」
飛龍「こちらに気づいたら、どこかに逃げていきました」
夕雲「…提督、どう思います?」
女提督「…味方だとはおもえな…いだっ!?」
由良「あ、提督さん。私の耳掻き…邪魔、かなぁ?」
女提督「いえ、私ほどになると痛みすらを快感に変換できるから。続けて」キリッ
由良「よーし。由良の良いとこ見せちゃおっかなー♪」カリカリ
夕雲「…嫉ましい」ギリッ
飛龍「私も提督の意見に賛同します」
霧島「…そうですね。何らかの意図があって行動しているようですし。味方とは思えません」
摩耶「ま、邪魔してきたらあたしがぶっ殺してやるよ」パキポキ
由良「それじゃ梵天しますねー」コショコショ
夕雲「彼女に対する方針はどうしましょうか?」
女提督「じゃ、実際に捕まえて自供させる方針で」
秋雲「え」
摩耶「理由、気になんのか?」
女提督「女の子を拷問…女の子を拷問…フレーズだけでたぎるじぇ…ジュル」
飛龍「……」
秋雲「…ほうっておいてもいいんじゃない?」ボソッ
夕雲「…というと?」
秋雲「あ、いや、最近あいつがぶちのめしてくれるから、私たちの被害が少ないじゃん?」
霧島「結果としてですね」
由良「~♪」カリカリ
霧島「目的が分からない以上、私達を助けているのではなく、助かっていると解釈するべきでしょう」
摩耶「それにあんな死に掛けのやつらとやりあったって楽しくねぇし」
飛龍「確かに。仕事を奪うという意味では敵かも知れませんね」
秋雲「…はい…」
夕雲「しかしそれも憶測。秋雲は考えの一つを提示したまでです」
秋雲「…夕雲型の良心―」
夕雲「個人的に秋雲は嫌いなので皆さんと考えは同じですけど」
秋雲「じゃなかった。さすがネームシップだ。象徴だ」
夕雲「それでは各寮の艦に、通達お願いしますね」
夕雲「捕まえ次第提督に報告、引渡しをすること」
女提督「殺さない程度の攻撃も止む無し」
夕雲「…だそうです」
由良「あれ? 提督さん。手袋してました?」
女提督「紫外線対策ー。能代型とおそろいー」
由良「それ、可愛いですね」
女提督「よーし、おっちゃん、由良ちゃんの分も準備しちゃうぞー」
由良「やったぁ♪」
夕雲「提督が甘えていいのは私だけ…提督が甘えていいのは私だけ…」ブツブツ
秋雲「大丈夫、私がいるじゃない!(裏声)」
夕雲「」チャキ バァン
秋雲「ぐふっ」ベチーン
【夕雲型の部屋】
長波「もどったぞー…」
巻雲「ま・き・ぐ・も」
幼ヲ級「ヲ」
巻雲「ま」
幼ヲ級「…ヲ?」
巻雲「ちがいます。ま、です」
長波「まだやってんのか、ふぅー…疲れた」
幼ヲ級「ァ?」
巻雲「!!!!!」
長波「お、近づいた」
巻雲「ま、ですよ。ま」ワクワク
幼ヲ級「…ア…、…マ?」
巻雲「やったー!」
幼ヲ級「マ! マ!」キャッキャッ
巻雲「えーと次は、き、です」
幼ヲ級「ヲ…。…ィ…キ?」
巻雲「ぐ、も」
幼ヲ級「ゥ…? グ…モ…?」
長波「おお?」
巻雲「では、まきぐ…いや焦ってはダメですね。すぅー…はぁー…私の後に繰り返してください」
巻雲「ま・き・ぐ・も」
長波「…」
幼ヲ級「…ヲヲヲヲ?」
巻雲「戻った…」orz
幼ヲ級「ヲ…ヲ…!」オロオロ
長波「そんなもんだろ。ほら、幼ヲ級が困ってるぞ」
巻雲「そうですね…一発成功なんて無理ゲーですよね…じっくり教えないと」ナデナデ
長波「日に日に、母親じみてきてるな……うわ、またピンク髪増えてる…」
幼ヲ級「ヲ、ヲ」クイクイ
長波「あたし? 長波だよ。な・が・な・み」
幼ヲ級「…ヲヲヲヲ?」
長波「うん、文字数は合ってるな」ナデナデ
幼ヲ級「ァ、ァ、ァ、ィ…。…ナ…ガ…ナ…ミ…?」
長波「へっ!?」
巻雲「…なっ!」
幼ヲ級「ナ、ガ…ナ、イ! ナガナミ!」ピョンピョン
長波「あ…あははー。らしくないけど…ほっぺ緩む~♪」ニヘラー
巻雲「もうなんなのぉ!?」
コンコン
秋雲「おーい、はるにゃんカレー(通称)が…」
巻雲「こんなときに来ないでください、秋雲のばかぁっ!」
幼ヲ級「バカ…? バカァ!」
秋雲「…もう…なんなの…」
【傭兵部隊の部屋】
長月「…確かに、最近の長波は異常だな」パチッ
三日月「回避行動もそうですが、射撃の腕、勘も鋭くなっていると思います」
菊月「…で?」パチッ
長月「おっと、そのための飛車か…」
菊月「…仲間の成長がおかしいか…?」
三日月「そうですけど、短期間での成長にしては急激すぎると思います」
長月「まるで、薬でも使ったようだ」パチッ
菊月「王手」パチッ
長月「う…」パチッ
三日月「もう詰んでますね」
長月「参った、また負けた…」
菊月「…素直に喜ぶべき、だと思う」
長月「これでまた勝率50%か」
三日月「そうですね。僻むより先に自身の訓練不足を恥じるべきですね」
菊月「…そういや、司令官が何かやっているみたいだな」
三日月「司令官が駆逐艦用の大型装備を開発させているそうです」
長月「それなら私も聞いている。この前、試作と思われる装備を研究班がテストしていた」
三日月「何でも海上移動砲台だそうで、トーチカのように乗り込んで使うらしいです」
長月「それがあれば、私たちでも戦艦クラスの砲撃が出来るらしい」
菊月「…また、強くなるのか…」
長月「問題は使い用だろ?」
菊月「…そうだな」
長月「ふぅ…喉が渇いた。水を飲んで来る」
三日月「私も、トイレに行ってきます」
菊月「…先に寝ている」
長月「おやすみ」
三日月「おやすみなさい」
ガラガラ ピシャン
菊月「…気味悪いぐらい強くなったがな…」
パチンッ
菊月「…」
【廊下】
古鷹「加古…! 部屋までもう少しだから…!」ズルズル
加古「もうだm…zzz」
古鷹「もう…」ズルズル
「…く…り…みこみは…はい…」
「わか……級……ほど…」
「りょ…い…した…」
古鷹「誰か居るんですか?」ピカー
古鷹「…」
古鷹「ここから、声がしたはずなのにな…」
…ぁ! だめぇっ!…
古鷹「…提督?」
…の、裏側を擦ると、ふふ、ほら、沢山出てきました…♪
ん…あぁ…いやぁ…見せなくて…いい…
…ふっ…擦るたびに…切なそうな声上…て、気持ち良い……か?
…き…ち…いいっ…あ…ふぁっ…
ほら、力抜いてください…。中がきゅって締まってますから。抜けないです…
ふぅーっ…、ふぅーっ…くぅ…んぁっ…んっ…
良い子ですね。…頭なでてあげます
え…へへ…
あ、でもこんなによだれ垂らして…私の洋服を汚したお仕置きはしますよ
じゅるっ。…んはぁ…ぁぅ…お仕置き…? やだぁ…目、こわいよぉ…
ふふ、ここを…重点的に擦りますね?
あ…やめっ…んんっ! ぁ…いみゃ…よわいか、らぁ…やさし、くぅんっ…!
聞き入れません。お仕置きですから♪
んっ…いつもよっ、りぃ…はげし…ひゃっ、みみぃ…みみ、…ゅんっ…ぁ…
古鷹「……////」
古鷹「き…聞かなかったことにするのがいいですよね…」
加古「えへー…ジュル」
古鷹「…」
加古「ふる…たかぁ…」タラー
古鷹「……」
古鷹「」ゴクッ
夕雲「提督? 由良さんの耳掻きとどっちが気持ちいいですか?」ガリガリガリガリ
女提督「夕雲ちゃんの方が気持ちいいですぅっ♪ ぁんっ♪」
【翌朝・阿賀野型の部屋】
能代「あれ? 手袋が足りない…」
阿賀野「あと五分…」ムニャムニャ
能代「あ~が~の~姉~!」ガバッ
阿賀野「きゃっ!? …何、能代~…顔ちか―」
阿賀野「あ…////」
阿賀野「あのねお姉ちゃんとそういうことは…女の子同士だしね…ね?////」
能代「私の手袋盗ったでしょ!」ムギュ
阿賀野「むぇ!? みゃんのはにゃし!?」
能代「今朝、私の手袋が無いんだけど…!」ムニムニ
阿賀野「もめえみゃん、けさみゃとってみゃいみょ」
能代「…そうですか」パッ
阿賀野「もう…お姉ちゃんをもうちょっと信頼してもいいんじゃないのかな」プンプン
能代「け・さ・は?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
阿賀野「うん、けさ…は……」
阿賀野「はっ」
矢矧「酒匂、顔洗いに行きましょう」
酒匂「うんっ」
阿賀野「あ、あのね…洗濯するの忘れたときがあってね…あの、直ぐ洗って返せばバレないかなーってね。てへっ☆」
能代「今、言いたいことは?」ガチャン
阿賀野「お姉ちゃん、すっごく助かった!」
能代「」ブチッ
ガチャ バタン
…ズゴォォォォン…
矢矧「酒匂はああなっちゃだめよ」テクテク
酒匂「う、ん?」テクテク
加古「おぉ、目が冴えてきた。力がみなぎってきたよ!」バシャバシャ
古鷹「そ、そう…はい、タオル」
酒匂「おはようございますっ!」
古鷹「おはようございます。今日は一緒に出撃ですね」ニコッ
矢矧「阿賀野姉さんは多分出撃できないと思いますけど」
加古「…なあ、朝起きたらさ顔中べとべとだったことってあるか?」ゴシゴシ
酒匂「ぴゃぁっ!?」
矢矧「何ですかそれ。怖いですね」
加古「ないかー。古鷹も何も知らないみたいだしなー」
古鷹「うん、こ、怖いね…」ダラダラ
酒匂「ぴゃっ? 古鷹さん、顔ちゃんと拭いた?」
矢矧「…酒匂、やめなさい」
古鷹「か、加古、部屋にもどろ?」
加古「よっしゃー。二度寝だね!」テクテク
酒匂「あ、そういや能代ちゃんの棚から司令が手袋持ち出してたなー」
矢矧「…え?」
【執務室】
女提督「夕雲ちゃんも逃がしたの?」
夕雲「ごめんなさい…折角、阿賀野さんの代わりに旗艦を務めさせて頂いたというのに…」
女提督「そいつ中々の腕だねぇ。夕雲たんはここじゃ最強でしょ?」
コンコン
長波「入るぞー」
女提督「えっ!? ちょ…おま…」
長波「どうせなんもしてないだろ…」ガチャ
長波「順位報酬届いてたぞ」ゴトッ
女提督「…どうしたの? その帽子」
長波「ん? ああ…前髪の生え際が黒くなってな」
夕雲「だから言ったじゃないですか」
長波「見苦しくない程度になったら外すよ」
女提督「いや…ボーイッシュ長波も悪くない…」
長波「そ、そうか…?」
夕雲「長波さん。用はそれだけでしょうか?」ニコッ
長波「そ、そう、それだけだ。じゃあなっ!」
ガチャ バタン
女提督「なに、あの恥じらい。すばらしいですわ」
夕雲「そういえば、最近、提督四六時中、ウィッグ付けてますね」
女提督「まぁ…気分転換だね。可愛くない?」
夕雲「提督は何をしても可愛くて、美しいですよ?」
女提督「ひゃっほーい」
夕雲「提督?」カポッ
夕雲「これ、前の試験管と同じじゃないですか?」
女提督「試験管? あ、そだね」
夕雲「仕様書によると高速修復剤に添加して使用することで気分高揚を促す試薬だそうです」
女提督「試薬…って…」
夕雲「さっそく使用しますか?」
女提督「…後にしよう」
夕雲「珍しいですね?」
女提督「…たまには好奇心が騒がない日もあるのっ」
夕雲「あ…提督、ヅラが…」
女提督「やめて、禿げてるわけじゃないから。ファッションだから」
【夕雲型の部屋前・廊下】
長波「…こんなにピンク髪増えると不審に思われるよなー…」テクテク
長波「黒に染め直してもピンクになるし…」
長波(何かの病気だったりして…)
長波「なんてな…うぐっ!」グキッ
長波「…いてて…夕雲、本気できやがって…」ガチャ
ヴォン
長波「うおっ!? 艦載機!?」
幼ヲ級「ヲ!」
巻雲「もう屋内で飛ばしちゃダメですよっ!」
幼ヲ級「ヲ~…」
長波「もしかしてこいつ、ずっと部屋の中で退屈なんじゃないのか?」
幼ヲ級「ヲ!」キラキラ
巻雲「…なんでわかるんですか」
長波「勘、だけど?」
巻雲「うぅ…巻雲の方が一緒に居る時間多いのにぃ…」
幼ヲ級「ヲ、ヲ」クイクイ
長波「ん、なんだ?」
幼ヲ級「ヲ!」ピシッ
長波「ん? リボン欲しいのか?」
幼ヲ級「ヲ!」
長波「…ほい」スッ
幼ヲ級「ヲ―」キラキラ
幼ヲ級頭部「」バグッ
幼ヲ級「ヲ…」
幼ヲ級頭部「」ムシャムシャ ケフッ
幼ヲ級「ヲ~~~~!!!」ポカスカ
巻雲「それ動くんですね…」
長波「意思は一体じゃないのか」
幼ヲ級「ヲ~…ヲ~…」ウルウル
長波「あ~、泣くなってほら、もう一個あるから」ヒョイ
幼ヲ級「ヲ」
幼ヲ級「ヲ…」シュン
長波「あ、結べないか。ほら膝の上に座って?」ポンポン
幼ヲ級「ヲ」ポスン
長波「んーと…ここをこうやって…あ、あれ? どうだっけか…」クシャクシャ
巻雲「長波さん、髪の量違うんですから」
長波「ごめん。自分の髪しか結べないわ」
幼ヲ級「ヲ…」シュン
巻雲「巻雲、お役に立ちますよ!」シュルシュルシュル
巻雲「はい♪」ジャーン
幼ヲ級「ヲ?」
巻雲「あ、鏡ですね、どうぞ」
幼ヲ級「ヲ~!」キラキラ
長波「似合ってるぜ」
巻雲「ふふん。巻雲、お役に立ちました?」
幼ヲ級「…ァ、リ、ガ…ヲ」ニパー
長波「どうしたしまして」
巻雲「うぅ…ここまで成長するなんて巻雲はお役に立ててうれしいです…」
秋雲「おーい、遠征だぞー」ガチャ
長波「ん? そんな時間か。鼠輸送だっけか」
巻雲「ごめんなさい。巻雲、直ぐに戻ってきますからね」
幼ヲ級「ヲヲヲヲヲ!!!」ブンブン
幼ヲ級頭部「イッテラッシャーイ」
秋雲「え、あれ話せるの?」
長波「そうらしい…」
バタン
幼ヲ級「…ヲ」
幼ヲ級頭部「ヒマダネー」
幼ヲ級「ヲ…」コクコク
コンコン
幼ヲ級「ヲ!」キラキラ
幼ヲ級頭部「マズカクレロッテイワレタロ」
幼ヲ級「ヲ」テクテク
カポッ ガコン
ガチャ
「……」
幼ヲ級(ヲ!?)
幼ヲ級頭部(ダレダ?)
「…ヲ級どこにいるんだ?」
幼ヲ級(ヲヲ!?)
「なるほど…ドラム缶か」テクテク
幼ヲ級(ヲ…。ヲ…!)
ガコンッ!
幼ヲ級「ヲ!」ヴュンヴュン
「…」パシパシ
幼ヲ級「ヲ…」
「怖がるな。この注射針はとても細く痛くは無い」ペリッ
幼ヲ級「ナガ、ヲヲ…マ、キグモ…」
ガシッ
幼ヲ級「ヤダ…ヲ…ヲッ!」バタバタ
プスッ
幼ヲ級「!?」
ドクンッ
【改装室】
Z1「マ、マックス一人で積めるよ…うん」
Z3「ダメ、落ちないようにしっかり縛る」サワサワ
Z1「ひゃっ!?」
Z3(レーベの素肌…レーベの素肌…)hshs
秋雲「こう、皆が部屋に居ないとなると心配になるな」
長波「…お前やっぱりいいやつだな」
巻雲「いえ、秋雲はひどい人です!」
秋雲「ここまでされても心折れない私褒めて」
由良「なんの話? ペット?」
巻雲「え? あ、そのー…」チラッ
長波「あたしたちの部屋って鍵かけられないから、ちょっと不安だなーって」
由良「あ、そう言われれば、そうね」
長波(ある意味ペットみたいなものだけどな)
由良「…?」クルッ
Z1「マ、マックス! んぁっ…そこは、きゃっ、関係ないと思うんだ、うん…!」
由良「…」
秋雲「由良さん?」
由良「皆、伏せて?」
秋雲「なぜ、疑問k―」
ドゴオオオオオオオオオオンッッッッ!!!!!
巻雲「ひゃわぁ!?」
秋雲「いたた…うわー! Gペンがぁ…」
長波「…いったいなー! もう!」
Z3「何…? 機雷…? 違うの…?」
秋雲「ここ陸、OK?」
由良「爆撃…?」
ヴゥゥゥゥゥゥウウウウウン!!!!
Z1「警鐘!」
由良「みんな、作戦中止。司令室に行きましょう」
巻雲「…長波さん…巻雲、嫌な予感がします」
秋雲「縁起でもないことを言わないで…ってこの音」
Z3「…あれ…」
ヴウウンン
長波「…深海棲艦の艦載機…」
【司令室】
バタンッ
女提督「状況は?」
夕雲「数は一隻。艦種は空母ヲ級改。現在、母港近くに居て艦載機による爆撃、液体を噴霧しながら移動」
女提督「がはは。この母港は46cmだって穴は開かな…噴霧?」タッタッタッタ
鳥海「野外カメラの映像です」タッタッタ
ヲ級改『…』
女提督「鳥海、霧島、母港内全部の窓を閉め、全隔壁起動。夕雲、全艦を司令室に緊急招集。絶対に外の空気に触らせないように」タッタッタ
夕雲「了解しました…細菌兵器ですか?」タッタッタ
女提督「ま、そんなところよ」
女提督(まさか…)
ガチャ
鳥海「全監視カメラ起動します」カタカタカタターン
霧島「窓閉鎖開始。隔壁起動します」カタカタカタカターン
夕雲「放送を開始します」
女提督(…やられた、薬が無い…)
夕雲『こちら夕雲。全艦に通達します…』
【廊下】
ギューン ガシャーン
夕雲『緊急召集。全艦、至急司令室に』
ピッ
「隔壁だ。窓も遠隔操作で閉められた」
夕雲『繰り返します。緊急招集。全艦、至急司令室に』
「…。…。暗示? 分かった。遂行する」
ピッ
「…」
【離島】
レ級「トツゲキシチャオウヨー!」
ピッ
離島棲鬼「…マッテ…デキレバ…オニンギョウハ…ムキズガ…イイデス…」
レ級「マワリクドーイ。ブー」
離島棲鬼「ソノタメニ…カワイイ…コレクションヲ…オクリコンダ…」
戦艦棲姫「…レ級、シゴトヨ」
レ級「ヤッター! ドンナドンナ? タノシイ!?」
戦艦棲姫「キニイルトオモウ」
レ級「オッスッ♪ イッテクルネー!」
戦艦棲姫「…ドウスルノ?」
離島棲鬼「…ワタシハ…ナニモセズニ…オニンギョウヲ…テバナサナイ…」
離島棲鬼「チョットシタ…シカケヲ…ノコシテアリマス…」
戦艦棲姫「シカケ?」
離島棲鬼「…キドウコードハ…」
「クロスロード」
【司令室】
能代「軽巡洋艦、能代、入室します!」ガチャ
矢矧「事態はどんな感じ?」
女提督「細菌兵器っぽいからまず篭城」
摩耶「強度は大丈夫なのか?」
女提督「この施設の設計上は46cm徹甲弾でも貫通しねぇぜ!」
菊月「…風で流れるまで待つということか」
長月「このまま終わるとは思えないがな」
由良「あの子リボンつけててかわいいー」
摩耶「動くみたいだぜ」
金剛「uh…多分、海にGOしてるネー」
榛名「? 沖に出て…何をするつもりで―」
霧島「明石さん! 支援砲台の状況は!?」
明石「うぇ? 中身が空の燃料焼夷弾が一発装填されてますが…」
Z3「衝撃に強くても燃焼は、どうなの?」
鳥海「…私の計算によると細菌兵器を詰めた弾が飛んでくる方が怖いです」
女提督「誰の入れ知恵よ! まったく!」プンスカ
夕雲「まずここを噴霧したのは足止めのためでしたか…」
金剛「テーテクゥ、私に行かせて欲しいデース」
比叡「金剛お姉さまが行くなら、私が行きます!」
女提督「勝手にうごくな、アバズレども」
女提督「霧島、鳥海。研究室に行き、あの試験管の解毒薬を作りに行きなさい」
鳥海「試験管? あれは軍が…」
女提督「マイク音量ダイジョウブ?」ゴゴゴゴゴ
霧島「わ、分かりました」ガチャ バタン
夕雲「…提督、あれが原因だと思うんですか?」
女提督「思ってるよ」
菊月「…」
夕雲「しかし、あれは戦意高揚を目的にした軍の―」
『酒匂! 何してるの!?』
女提督「!」
阿賀野『早く司令室に行かないと、それに提督さんは窓閉めてって言ったのに』
酒匂『…』カラカラカラカラ
阿賀野『うえーん。お姉ちゃん、無視はいやだよー』
蒼龍「なんで…窓を開けて…」
飛龍「それに…様子も変ですね…」
女提督「阿賀野! 酒匂! 聞こえる!?」
夕雲「声、届いてないみたいですね。爆撃の衝撃で故障でしょうか…」
女提督「夕雲! マスク!」
夕雲「行くんですか?」
女提督「私の艦娘だからね、行かなきゃ」
夕雲「…帰ってきてくださいね」
女提督「もちろんよ」
【夕雲型の部屋】
秋雲「お二人さーん。カメラ誤魔化すの結構大変なのよー」
秋雲「あー…私の画力がこうして生かされるとは…才能って怖いねー」
巻雲「長波さん。居ました!?」
長波「…」スッ
巻雲「これ、長波さんのリボン……」
長波「…窓から見える艦載機って一般的な空母ヲ級のものだよな…」
巻雲「…巻雲にはそう見えます」
長波「そういう…ことなのかな…」
秋雲「聞いてくればいいんじゃない?」
巻雲「…」
長波「巻雲、ローブ。貸して」
巻雲「…なg―」
長波「大丈夫。絶対連れ戻して―」シュルシュル
巻雲「違います。…長波さんだけでも、帰ってきてください」
長波「…当たり前のこというなよ」クシャクシャ
巻雲「…ごめんなさい」
秋雲「あ~。腕がプルプルする~」プルプル
長波「それじゃ、行ってくる」ダッ
スタッ
女提督「よぉ、ローブの少女」
長波「!」
女提督「私と同じローブなんていい趣味ね。でもそんなに胸が辛いわけがない。ふざけんな」
長波「…」
女提督「今は色々忙しいけど…ここで会ったがなんとやら」チャキ
長波「…」ジリッ
女提督「急所は外してあげる」ニコー
女提督「だから、私に色々まさぐられなさい!」
パァンパァンパァンパァン
長波「…!」ヒュンヒュン
女提督(早い…)パァンパァンパァンパァン
長波「!」
ドシュッ
長波「ぐっ…」バタッ
女提督「ひゅー♪」スタスタ
長波「…ぐっ…っ」
女提督「さてさてどんなカワイコちゃんが私の邪魔をしてくれたのかなー?」グイッ
長波(深海棲艦用の実弾か…)
女提督「オープン!」バサッ
長波「…っ」
女提督「…どういうことだい。長波ちゃん」
長波「……」
女提督「…無視?」
長波「…ごめん。提督…行かなきゃいけないんだ…」スクッ
女提督「…」
長波「…どけ。提督」チャキ
女提督「…それは、絶対…?」チャキッ
長波「…絶対…だ…」
女提督「…帰ったら胸を豊かにする方法教えなさいよ? あと、このマスクお気に入りだからちゃんと返してね」スッ
長波「…!」
女提督「空母ヲ級改は沖合いよ」
長波「…ありがと、やっぱいい提督だ…」ダッ
女提督「…」
女提督「いい提督ねぇ…」
女提督「…」
女提督「覗き見ー?」クルッ
秋雲・巻雲「ギクッ」
女提督「何で緊急召集なのにここにいるのかなー?」ニコ
秋雲「あ、あのさ…そう、スケブと原稿を取りにきたんだよー」
女提督「そっかー」
巻雲「あはははは…」
女提督「司令室に行きなさい」
巻雲「もぉ、秋雲のばかぁっ!」
【母港近海・海上】
ガチャッギィッバタンッ ピッ
長波「それはおもちゃじゃないぞ…ヲ級…」
ヲ級改「…」
長波「覚えてないか…? 長波だよ…な・が・な・み…」
長波「そのリボン、あたしのリボンだよな」
ヲ級改「…ヲ」ヴュン
ヒュゥ ボォン!
長波「っ…ほ、ほら…入ってた、ドラム缶だってここに…」
ヲ級改「ヲ!」ヴュン
ヒュゥ ボォン
長波「…っ…」
長波「…そういうこと…そういうことで…いいんだな…」
ヲ級改「…」
長波「…」
長波「…よっし」ゴシゴシ
長波「さぁ! ドラム缶は捨てて、戦闘態勢!」バシャンッ
長波「長波、突撃する!」ダッ
ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン
長波「ってぇーい!」バァンバァン
長波(遠距離戦は、分が悪いから…!)ダッ
長波「っ!」
ヲ級改「ヲ!」シュルシュル
長波「ぐっ…」
ギュッ
ギュッ
長波(な、んだ…よ…。頭の…手足、のよ…うに…つ、かえ、る…じゃな…い、か!)
ヲ級改「ヲ!」ギューッ
長波「ぐっ…ぁ…ぁあっ!」ギシッ バキッ
ヲ級改頭部「」ガパッ
長波(く、わ…れる!?)ビリッ
ヲ級改頭部「」アーン バグッ
長波「っ…ふぅっ!」ビリビリッ
タンッ
長波「あたしの匂いがついたローブは美味しいか…?」
ヲ級改「…!?」ガバッ
長波「服を食わせて、骨を――」ガチャン
ヲ級改「…」クルッ
幼ヲ級『ヲ?』
長波「…!」
ヲ級改「ヲ!」ブン
長波「しまっ…!」
ドスッ バッシャーン
長波「…ぷはっ」
長波「…迷うな…敵…なんだ…!」スクッ
ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン
ボォンボォン
長波(基本的に速力は勝ってる…ならっ…!)バシュッ
ヲ級改「ッ!」バゴォン
長波(撃ったら一気に離脱…!)ダッ
ヲ級改「ヲ…」
長波(そして急速接近して…!)クルッ ダッ
ヲ級改「ヲ!」ヴュンヴュン
ボォンボォン
長波(よし…! すれ違いの時にもういっp―!)
長波「っ!?」ドガァンッ!
長波(機関部が…! さっきので壊れてたか…!)フラッ
バッシャーン
ヲ級改「…」シュルシュル グイッ
長波「ぐ…ぅ…ぅぁ…っ!」ミシミシ
ヲ級改「…」
長波「ヲきゅ…ぁあああっ…!」バギィッバゴォン
バシャンボシャン
パサッ
ヲ級改「ヲ…」パッ
ボチャン
長波「…っぷあ…ぅ…」
ヲ級改「ヲァ、ヲヲ…?」
長波「…ヲ級?」
ヲ級改「ヲッ…ヲ…!」オロオロ
長波「お前…なのか…!」
ヲ級改「ヲっ―!?」フラッ
長波「ヲ…級…?」
ヲ級改「ヲ…ッ! ヲォ…ヲォヲヲヲヲヲッ!!!!!!?????」フラフラ
ヲ級改「ヲ! ヲヲ! ヲッ!?」ブンブン
長波「何…して…苦しいのか…?」
ヲ級改「ヲ!」ヴュン
長波「!」
長波(こんな状態じゃ、避けれな―)
ヲ級改頭部「」シュルシュル パシンッ
バゴォン
長波(自分の艦載機を…落とした…?)
ヲ級改「ヲ…ヲ…」ゼェゼェ
ヲ級改「ヲォッ!?」
ヲ級改「ヲッッッッ!!!!??」
長波「…何でそんなに苦しんでるんだ…?」スタッ
ヲ級改「ヲ、ァ、ナ…イ…!」ゼェゼェ
ヲ級改「シ、ズ、エテ…!」
長波「…!」
ヲ級改「ハ…アクゥ…!!!」
ヲ級改頭部「」シュルシュル ギュ
長波(自分の体を…締め付けた…!?)
ヲ級改「…ハヤクッ!」
長波「…っ!」ガチャン
長波「…」
(いいのか…?)
ヲ級改「ヲ…ヲヲ!!」
(意識があるなら、助けられるかもしれないんだぞ?)
長波「……」プルプル
(でも、撃たなきゃ母港の皆が危険に晒される)
ヲ級改「ヲ!」
(あの時と同じように、自分の行動で他の艦を犠牲にするのか?)
長波「………っ」プルプル
(助けられるはずの命をまた犠牲にする)
(守れるはずの命を守らないでどうする)
長波「…っ」
長波「ヲ級! 逃げんなよ!」
ヲ級改「ヲ! ヲ!」
バシュッ
ヲ級改「…ヲヲヲミ」
幼ヲ級「ア、リガ、ヲ―…」
ドォオオオオオオオオオオン!!!!
長波「…」
長波「…最初会ったときは、真っ先にこうしようとしてたんだけどな…」ポリポリ
…ピッピッピッピッ
長波「…なんだ、この音…」
長波「タイマー…!? これ時限式にもなるのか…!」
ピッピッピッピッ
長波「…このっ…このぉっ!」ガンッガンッ!
長波「あ~もう、壊れない! うちの研究班は優秀すぎるなぁっ!!!」
長波「このままだと…」
長波「そうだ…!」
長波「よっ」ガシッ
ズキッ
長波「これ…ぐらいの、痛み…!」ギリギリッ
長波「あと…すこ…し…!」ガシッ
ズキンッ!
長波「ぐっ…ふぅ…!!!」
長波「提督…足撃ちや、がってぇ…!」
長波「…動けよ…! ここまで来たんだからっ! ヲ級を殺してまで来た、ん、だからぁ…! 最後まで、う、ごけぇええっ!」グイッ
ガシッ
長波「よ、よし…ここにありったけの魚雷をつめ…」グイッ
バキンッ
長波「っ!?」フッ
長波(落ちる―!)
ピッピッピッピッ
長波(一発だけでも…)グイッ
長波「入れぇえええええええええっ!!!!!」ブンッ
ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
長波(あ…入る前に…)
ピッ―ピーッ
カチッ
バゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
to be continued ?
本日はここまでとなります。
前回とは違い、このスレで続きを書いていこうと思います。
それではお目汚し失礼しました。
【数刻前・入渠ドック】
ヴゥゥゥゥゥゥウウウウウン!!!!
酒匂「ぴゃぁっ!? 何の音!?」
酒匂「えーと、えーと、…この音は…」
矢矧『酒匂、この音は警鐘。緊急事態の合図だから、その後に流れる指示に従ってね』
酒匂「そう! 緊急事態!」
酒匂「……」
酒匂「…きんきゅうじたい?」
夕雲『緊急召集。全艦通達。至急司令室に』
酒匂「ぴゅぅ…まだ体洗ってる途中で…はっ…!」
酒匂「…」キョロキョロ
酒匂「…だ、誰も居ないよね…?」
酒匂「ぴゃぁ!」タタタタッ
ドッポーン
酒匂「泡つけたまま湯船つかると怒られるけど…今回は仕方ないよねー…い、急いでるんだしぃっ…」
酒匂「一度やってみたかんたんだぁ…」
酒匂「ぴゃぁ…」ホカホカ
酒匂「……」
酒匂「ってゆっくりしちゃダメじゃん! “きんきゅうじたい”なんだよ!」ザパーン
酒匂「ぴゃっ…急がないと…」アセアセ
フキフキ ガサゴソ キュッキュッ
「酒匂さん」
酒匂「ぴゃ?」
「クロスロード」
酒匂「なにそれ? 私、そんなことば…」
酒匂「しら…な……」
酒匂「…い…」
酒匂「zzz…」
「…離島棲鬼からの指示だ」
酒匂「…はい…」
「廊下に出たら、手当たり次第に窓を開けろ」
酒匂「…わ、かり…ました…」
【廊下】
夕雲『全艦通達。至急司令室に』
酒匂「…開けなきゃ…」
カチャ カラカラカラカラ ガチン
夕雲『尚、布を口元に当て、外の空気を吸わないようにしてください』
カチャ カラカラカラカラ ガチン
夕雲『窓や通気孔が開いていたら、直ぐ、その場から離れてください』
カチャ カラカラカラカラ ガチン
夕雲『繰り返します…』
酒匂「…五月蝿い…」ガチャン
ドォン バゴォン
酒匂「……」
カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「酒匂?」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「おーい。お姉ちゃんの言葉聞こえてるー?」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「何で窓開けてるの? 早く司令室いこうよー」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「うえーん。お姉ちゃん、無視はいやだよー」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「…ぐすっ…そりゃさ…ダメなおねえちゃんだけど…お姉ちゃんなりに頑張ってたんだよ…」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「小麦粉と砂糖の違いも覚えたし、消費期限と賞味期限の違いもわかるし…洗濯だって脱水は出来るようになったもん…」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「だからね…もっと頑張るからお姉ちゃんのことそんなに邪険に思わないで欲しいの…ぐすっ…」
酒匂「…」カチャ カラカラカラカラ ガチン
阿賀野「うえーん、さ~か~わ~」ダキッ スリスリ
酒匂「邪魔…」ブン
阿賀野「いたっ…」ドスッ
阿賀野「うわーん。酒匂も反抗期だぁーん」
酒匂「窓…ない…」
阿賀野「…うぇ…えぐっ…」
酒匂「この…シャッター…邪魔…」
バギッ ベリベリッ
阿賀野「お姉ちゃんそんなに暴力的に育てた覚えないよー」
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
…ダダダダダダダ
女提督「呼ばれて飛び出てぶるぅうぁああああ!!!」バタンッ!
阿賀野「て…提督さん…」
女提督「阿賀野~。さっさと司令室に来いって言ってたわよねー」ムニー
阿賀野「ひょひぇんにゃひゃいー」ウルウル
女提督「酒匂は…こっち?」
阿賀野「」コクコク
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「酒匂! 大好きな司令の登場だよ! 今すぐ、司令室に行きなさい!」バーン
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「おい、てめぇ、上官を無視すんなよ」ガシッ
酒匂「…邪魔」ブン
女提督「っ!」
ビターン
女提督「いたたた…」
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督(正気は失っているけど…力はそれほど…薬じゃない?)
阿賀野「提督さん、大丈夫?」
女提督「阿賀野、今すぐ司令室に」パシッ
阿賀野「あの…」
女提督「Get away !」
阿賀野「は、はいっ!」
ギギギギィ バタン
女提督「これは使いたくなかったけども…」ガサゴソ
女提督「覚悟しな! 罵倒音声シリーズ最新作―天国と地獄―」
カポッ カチッ
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「……」wktkwktk
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「……」
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「…あれ?」
酒匂「」カチャ カラカラカラカラ ガチン
女提督「…効果が…な―」
バタッ
酒匂「うぅ…しれぇ…ぇぅぁ…」ポロポロ
女提督「よし、きたぁっ! 愛は命を救う!」
カポッ
女提督『大ッ嫌い! その顔も声もしゃべり方も全部全部全部、だい―』
カチッ
酒匂「…ぅぅ…えぅ…」
女提督「酒匂? 聞こえる?」
酒匂「やだぁ…司令…嫌いにならないでぇ…っく…いい子になるからぁ…しれ、ぃ…」ポロポロ
女提督「よしよし、なるわけ無いじゃないか…こんなにかわいい子、見捨てるわけ無いでしょ?」ギュッ
酒匂「しれぃ…」グスッグスッ
女提督(夕雲よりか持ったな)ナデナデ
酒匂「ぇぅ…ぅっ…!?」
女提督「はい、いい子いい子ー」サスサス
酒匂「司令…離れてぇ…うぷっ…!」ドンッ
女提督「え…あ…!?」ドサッ
ビチャグチャ
女提督「…!」
酒匂「はぁ…はぁ…え…なに…これ…知らない!? こんなの知らない! 知らないよぉっ!!??」
女提督「…さ…かわ…!?」
酒匂「知らない! 知らない! やだぁ…やだよ! やだやだやだやだやだやだぁっ!」
女提督「しっかりしなさい! さ、かわっ! 落ち着けっ!」ギュッ
酒匂「司令! 逃げ…ぐっ…ぷ…ぁあアアっっっっ!!!???」ドンッ
女提督「ぐっ…!」ドサッ
酒匂「ァぁああアッッッ! シレイッ! ヤダ! タスケテェ! タスケテヨォ!」
女提督「…最悪だ…」
酒匂「…フゥー…フゥー…ヒュッ…」
女提督「さかわ…」
酒匂「アはアはアハハアハッハアハハッハハハアハ!」ガチャン
女提督「っ!」
酒匂「シンジャエッ! シレイ! ニゲテッ!」ドォンドォンドォンドォン
パキン ドゴォン ベギッゴォン!
女提督「ちっ!」ダッ
酒匂「ニガサナイ!」ダッ
女提督(速っ!?)
酒匂「ツカマエタ!」ガシッ
ダンッ ドゴッ
女提督「ぐっ…ぁ…が…!」ミシミシ
酒匂「コロス! シレイ! コロス!」
女提督「ぐっ…うぷッ…!?」
女提督(このタイミングで…私モ…!?)
酒匂「ヤダァ…ァアハハハハハハ!!! ヤダヨォッ!? シネェッ!」ガチャン
阿賀野「さ、カわっ!」スッ
ドスッ
酒匂「グゥッ…!?」
ドンガラガッシャーン
酒匂「コノォッ! グゥッ!」
阿賀野「オト、ナしく、シテ、ナ、さイッ!」ググググググ
酒匂「ウァアアアアアアアアッッッッ!!!!」
女提督「阿賀野……?」
阿賀野「は、ヤク! 撃っテ! 提督サん!」
女提督「……は……?」
阿賀野「コノまマじゃ、ワタシタチ、敵、ニ、ナルかラァ!!」
女提督「…でも……!」
ギィ
能代「阿賀野姉っ!」
阿賀野「キチャダメ!」ドォン
バゴォン
能代「きゃっ…」
酒匂「グゥァアアゥウウッ!」ガブッ
阿賀野「ぐぅ…サ…カワ…! オネエチャんヲコマラセナイデェ!」ググググ
能代「阿賀野姉…」
阿賀野「ワ、カルの…からダ、のナカカラ、のしロたちノオネエチャンじゃナ、クナッ、テイクノガ…!」
能代「阿賀野姉!」ダッ
矢矧「駄目です! 能代姉さん!」ガシッ
能代「離して! 阿賀野姉がぁっ!」
阿賀野「テ、いトクさん…ハヤクゥっ!」
女提督「…い…や、だ……」
阿賀野「テ、イとクさ、ん! アガの、ハ、テイトク、サンの、かン、ムスデすヨ?」
女提督「…はや…く…きり、しま…」チャキ
阿賀野「グゥッッッ! シズムなラ…カン、む、スのママが…いイナ…」
女提督「…っ」カタカタ
能代「提督! 止めてください!」
阿賀野「…ノ、シロ…ヤハギ…」
阿賀野「サイゴマデ、ダメナオネエチャンデ、ゴメンネ」
矢矧「最後って…阿賀野姉さんっ!」
能代「いやぁ…阿賀野姉…阿賀野ねぇ…!」
酒匂「グゥッ…アァッ!」
女提督「…ぁああああああああああああっ!!!!!!!」カチッ
阿賀野「…提督さん。わたしハ提督さんの艦娘で―」
バァンッ バァンッ
阿賀野「―――――」
能代「――――!!!!!!」
…ポタッ ポタッ
【母港近海・海上】
ザーッ
巻雲「長波さーん! 長波さーん!」
秋雲「おーい! 私のこと嫌いでも返事ぐらいしてくれよー!」
古鷹「どうですか?」ザッ
鳥海「…何も…。そちらは?」
加古「だめ。何にも見つからない」
鳥海「…ここまでですね」カチッ
巻雲「そんな…!」
鳥海「時間です。雨が洗い落としてくれるとはいえ、これ以上は試薬に汚染されてしまいます」
秋雲「もう少しだけ。探照灯で照らして…!」カチッ
摩耶「ふざけんな。帰るぞ」グイッ
巻雲「秋雲はふざけてなんか…」
摩耶「黙れ。これ以上仲間を失ったらどうするつもりだ。ぶっ殺すぞ…!」ゴリッ
鳥海「…次の捜索は明日の朝です。私たちも解毒薬を出来る限り用意します」
巻雲「…うぅ…」
秋雲「…く…」
摩耶「くそがぁっ!」バシャン
三日月「…」
長月「…誰だと思う?」
菊月「…なにがだ」
長月「なぜあのヲ級が砲台の居場所を知っていたんだ?」
三日月「仲間を疑っているんですか…!」
菊月「…誰かが、仕組んだことか」
三日月「菊月…!」
菊月「考えたくはないが、最悪の事態を考えるやつは一人必要だ」
長月「そうなると―」
三日月「もう止めてくださいっ!!!」
秋雲「びっくりしたぁ…」
巻雲「ど、どうかしたんですか…?」
長月「すまない。色々疲れているみたいだ」
三日月「…」
鳥海「今日は皆、早めに休みましょう」
古鷹「…うん、そうだね」
菊月「…」
【司令室】
明石「…母港内の除染、終了しました」
夕雲「分かりました」
霧島「あと夕雲型の部屋を調べた結果、あの試薬が入っていたと思われる注射器と―」
夕雲「それ、全部報告書に書いてあることですか?」
霧島「…はい」
夕雲「後で目を通します。疑問があれば呼び出しますので部屋で待機していてください」
霧島「…分かりました」
明石「…提督は?」
夕雲「入浴中です。夕食は、皆さんで先に召し上がっていただけますか?」
夕雲「何か伝えたいことがあれば私がお伝えしておきますが?」
明石「あ、いえ、なんでもないです」
霧島「失礼します…」
ガチャ
蒼龍「おっと…」
霧島「失礼」
夕雲「…蒼龍さん、何ですか?」
蒼龍「お客様です」
夕雲「…どうぞ」
眼鏡提督「お久しぶりです」
朧「お久しぶり」
夕雲「こんにちは、眼鏡さん。朧さんは…相変わらず重そうな装備ですね」
朧「司令官が作ってくれた大切な装備だから」
眼鏡「いろいろ面白い話をしに来たんだけど…それどころじゃないみたいだね」
夕雲「はい…」
眼鏡「お土産だけ置いておくよ」
夕雲「すみません」
眼鏡「いやいや、通りがかっただけだからね。機会があったらまた寄らせて頂きます」
朧「夜分遅く、失礼しました」
夕雲「蒼龍さん、お見送りをお願いいたします」
蒼龍「分かりました」
ガチャ バタン
夕雲「…」
夕雲「……」
夕雲「………」テクテク
【司令室内・シャワールーム扉前】
シャー…
夕雲「…」
夕雲「…提督、いつまでシャワー浴びてるんですか?」
夕雲「…」
夕雲「提督?」
女提督『鬱だ…死のう…』
夕雲「…っ!」ガッ
女提督『冗談だから開けないで』
夕雲「ほ、本当ですか…?」
女提督『うん、大マジ』
夕雲「…あの…提督…、冗談でも…止めてください」ヘタッ
女提督『…どうしてこうなったのかなー』
女提督『…こんなのクソつまらない』
夕雲「…」
女提督『夕雲ちゃ~ん?』
夕雲「…何ですか?」
女提督『艦娘は何のために戦っているの?』
夕雲「深海棲艦を倒すため、この国を守り抜くため、が主な理由のはずです」
女提督『…だよねー…』
夕雲「でも私個人としては、提督のために戦っています」
女提督『あはは…うれしいなぁ…』
夕雲「…」
女提督『…夕雲ちゃん。解毒剤を一錠飲んでから入ってきて』
女提督『服は…脱がないほうがいいと思うよ』
夕雲「…分かりました」
パクッ ゴクンッ
夕雲「提督…開けますよ」
女提督『どーぞ』
カラカラカラカラ
夕雲「っ!?」
女提督「ア~ア、ミラレチャッタ…」
【夕雲型の部屋】
「…すみません。注射器が回収されていました」
??『分かった…仕方が無い』
「…なぜ深海棲艦の指示に従う必要があるんですか?」
??『無駄に疑問を持つな』
「…はい」
??『直に、軍部直属の人間が新たに薬を渡す』
??『もう、実験云々は要らない。女提督の艦娘を深海棲艦に変えろ』
「はい」
ピッ
コンコン
「開いている」
眼鏡「…お届け物です」
「…どうも」
【大本営・会議室】
ピッ
レ級「アハハハ。ゴクロウサマデス!」ビシッ
幹部「これで…大鳳は返してくれるんだろうな」
レ級「ウンウン! ウソ、イワナイヨォ!」
レ級「ドアヲ~…オープン!」
大鳳「…」
幹部「おお、大鳳…よかった…」
大鳳「…」
幹部「ほら、早く、こっちに来て私を…」
ドスッ
幹部「ぐふっ!?」
大鳳「…痛いですか?」グリッ
幹部「な…貴様…!」
大鳳「…でも、あの人も…前の提督もこの痛みを味わったんですよ?」
幹部「あ…れ、は…強盗が…!」
レ級「チーガウーヨ? ゼーンブ、アナタノブカダッタジャーン」
大鳳「私と…深海棲鬼が欲しいばかりに…!」グリッ
幹部「が…ひゅ…ぁ…」ポタポタッ
大鳳「あんな薬…作らなければ良かった…」
幹部「」
大鳳「…」
ドサッ
レ級「ヤルネー♪」
大鳳「汚い……後処理、お願いします」
レ級「オッケー!」グイッ
大鳳「あと…この建物の見取り図です。離島棲鬼に渡してください」
レ級「ハイサーイ!」
大鳳「………」
【阿賀野型の部屋】
矢矧「…出て行くの?」
能代「…うん」
矢矧「…」
能代「一緒に来ない? 矢矧」
矢矧「…出来ないわ」
能代「…そうだよね…。矢矧は、優等生だから…私たち姉妹の中でも一番…」
能代「でも…私はそんな強くないからさ…」
ポタッ
矢矧「…」
能代「強くなりに行かなきゃ…強くなって…―」
能代「―絶対に仇をとる」
矢矧「…分かった」
能代「…さよなら。矢矧」スタスタ
ガチャ
矢矧「…今度会う機会があったら、敵同士にならないことを祈るわ」
能代「うん…そうだと、いいね…」
バタン
矢矧「…」
矢矧「…この部屋も…随分と広くなっちゃったわね…」
【司令室内・シャワールーム】
女提督「ドウ…? シンカイダヨネ…コレ…」
夕雲「は…早く解毒剤を―」
女提督「ダメ、コウカナイヨ…」
夕雲「大丈夫…なんですか…?」
女提督「ミタメイガイハ、イタッテフツウヨ」
夕雲「いつから…ですか?」
女提督「オウト、シタトキカラ」
夕雲「嘔吐…? …比叡カレーですか?」
女提督「ウン」
夕雲「…ここ最近の…手袋も…ウィッグも…全部これを隠すためですか?」
女提督「ウン。ダンダン、イロガ、モドラナクナッタカラネ」
夕雲「…」
女提督「…」
夕雲「…提督? 一発、殴らせていただけますか?」
女提督「…ドウゾ」
夕雲「っ!」
バキィッ!
女提督「…」
夕雲「…そんなこと、出来るわけ無いじゃないですか…」
…カラン パラパラパラ…
夕雲「もっと…私たちに甘えてください…」
夕雲「私は…提督の秘書艦じゃないんですか…?」ピトッ
女提督「…ネェ、ユウグモ」
女提督「モシモ…、ワタシガ、アガノタチ、ミタイニナッタラ、ドウスル?」
夕雲「そんなの…考えたくありません」
女提督「…コタエテ…」
夕雲「…」
女提督「……」
夕雲「…私が提督を殺していると思いますよ」
夕雲「提督が誰かを殺す前に、誰かが提督を殺す前に」
夕雲「殺すってつらいことですからね」
―ポタッ
女提督「ソレハ…ユウグモ、ガ、シタイコト?」
夕雲「したいわけ無いじゃないですかっ!」
夕雲「……でも他の誰かに殺されたら、多分、その人を殺してしまいます」
女提督「…ムネカシテ」
夕雲「…どうぞ」
女提督「ソノママ、ダキシメテ」ポスッ
夕雲「ふふっ♪ 夕雲は知ってますよ? 強めが好みなんですよね?」ギュー
女提督「…アタマ、ナデテ」
夕雲「……はい」ナデナデ
女提督「…ズット、キエナイノ…」
女提督「ショウエンノニオイモ…」
女提督「テニツイタ、チモ…」
女提督「アガノノ…サイゴノコトバガ…」
女提督「ナンドアラッテモ…キエナイノ…」
夕雲「…辛いときは泣いてください」
女提督「ウゥ…ァ…」
夕雲「私が…そばに居ますから…」
女提督「…アアアアアアアアアアアアッッ……!!!」
-------------------------
女提督「うゥ…ナキがオ、ミラレタ…もウ、オ嫁にイケない…」シクシク
夕雲「構いませんよ。どうせ提督は私が居ないとダメですから♪」
女提督「馬鹿にされてるみたい」ムゥ
夕雲「怒った顔も可愛いですね♪」ムニムニ
女提督「ほっぺを、むにるな」
夕雲「…戻りましたね」ムニムニ
女提督「感情の抑揚に反応するらしい」
夕雲「そのままでも可愛らしかったのに」パッ
女提督「ふん、私が可愛いのは当たり前だ」
夕雲「…そうですね♪」ニコ
女提督「服、着替えとけよ」
夕雲「でも、提督のたいえ―」
女提督「あっと…夕雲」
夕雲「はい、なんですか?」
女提督「それと、着替えたら直ぐに皆に水道を使わないように呼びかけて。夕食は手をつけないように」
夕雲「? 分かりました…」
【貯水タンク】
「…」
ポタッ ポタッ
菊月「…何をしている、長月」スッ
長月「…」
菊月「……」
三日月「司令官、こちらです」タッタッタ
女提督「…おはよう、長月」
長月「もう宵の口は過ぎているが?」
女提督「いいじゃない、べっつにぃ…」
菊月「…もう一度聞こう、何をしていた?」
長月「水に薬を混ぜていた。それだけだ」
三日月「薬?」
女提督「深海棲艦にする薬?」
三日月「知っているんですか?」
女提督「作用と存在だけだけどね」
女提督「目的は…教えてくれないかな?」
長月「…艦娘の深海棲艦化計画だ」
女提督「…初耳ね」
長月「当然だ。上層部で極秘に行われてきた計画だからな」
女提督「…概要は?」
長月「…言うと思うか?」
女提督「思うっ! ってか言いなさい。上官命令だ!」ビシッ
長月「いいだろう。優秀な司令官の懸命な判断を期待しようか」
菊月「…」
長月「艦娘の深海棲艦化計画。文字通り、艦娘を深海棲艦にする計画だ」
長月「第一の発案理由は増えすぎた錬度の高い艦娘を消すため」
長月「もう一つは、深海棲艦の増強のため」
三日月「なぜ…上層部が深海棲艦の戦力を増強させなきゃいけないんですか?」
長月「簡単だ」
長月「深海棲艦は大本営が生産している」
三日月「な…!」
菊月「…」
女提督「…深海棲艦の数が足りなくなったのね?」
長月「その通り。深海棲艦とはいえ、戦艦クラスを生産するコストは軽視できない」
菊月「…」
長月「まずは長波に使用。前線の艦娘に使用することは今回が初めてだから、まずはそのデータの収集をしようとしたが…」
長月「彼女は何故か発症せず、理性を保ったまま。筋力などの増強には成功したが、艦娘対元艦娘のデータがほしかった」
長月「仕方なく、次に空母ヲ級の幼体を母港内に潜入。薬を投与することで成体へと変化させ戦闘データを採取」
長月「ついでに薬を噴霧させたが、隔壁があるとはな。建物の耐久力も誤算だった」
長月「そこで酒匂を暗示により操り、窓を開けさせ、ヲ級には沖にあった支援砲台を使用するように指示を出した」
長月「結果、ヲ級は何者かに倒されたようで、酒匂と阿賀野に感染した」
長月「その二人からさらに感染すると期待したが…一番の誤算は司令官があの二人を殺したことだ」
女提督「…すまんな」
長月「まったくだ…それで…どこで、気づいた?」
菊月「…以前の対局のときだ」
三日月「違和感はありましたけど、ここまでは予想してませんでした」
女提督「私はさっきシャワー浴びてたら、気分が悪くなってね」
三日月「し、司令官、大丈夫なんですか!?」
女提督「大丈夫よ、解毒剤飲んでるから」
長月「…大本営でも作れなかったんだがな」
女提督「私の研究班よ? 利権大好きゴミクズと同じにすんな」
三日月「…長月、私たちの戦いは何だったんですか?」
長月「この国を守るため。艦娘という技術資源で外交をすすめ、国際社会での発言力を高める」
三日月「…長月、私たちの戦いは何だったんですか?」
長月「この国を守るため。艦娘という技術資源で外交をすすめ、国際社会での発言力を高める」
女提督「最近、あの国が領土を渡してくれたことも関係しているの?」
長月「当然だ。艦娘は合法的なクローンであり、立派な軍事兵器だ」
長月「そんな兵器が手に入るなら、歴史認識もどうでもいいみたいだったな」
菊月「…成果はあげているか」
三日月「もう、いいじゃないですか…そこまで効果があるなら…!」
長月「私もそう思うが、上はもっと価値を高めたいみたいだ」
女提督「…より強大な敵を作り上げ、艦娘をアピールするの?」
菊月「…そのためには一から作るより、錬度の高い艦娘を深海棲艦にするほうが早い…」
長月「物分りが良くて助かる」
三日月「…っ」
長月「司令官、協力してくれ」
女提督「いやだ」
長月「国の命運がかかっているんだ」
女提督「関係ない。私の艦娘は深海棲艦にさせない」
長月「この国が生き残るためなら仕方ないだろ」
女提督「それ本気でいってるの?」
長月「本気だ」
菊月「…所詮は兵器か?」
長月「そうだ。私達は兵器だ」
長月「目的のために遂行する道具に擬似的な感情が付随したに過ぎない」
女提督「…私が提督になった理由はね、ただ単に美少女に囲まれて暮らしたかっただけよ」
長月「…」
女提督「技術資源だとか政治要因だとか、自国の繁栄だとか、知ったこっちゃない…!」
女提督「私はね、ただ毎日、かわいい女の子といちゃいちゃしたいだけ」
女提督「まさにここは楽園よ」
女提督「こんな可愛い女の子を愛でることが出来る生活は誰にも奪わせない」
女提督「長月。あなたも兵器じゃない。ただの女の子よ」
長月「…残念だ」バァン
パキンッ
菊月「…」
長月「菊の名前を持つお前が、邪魔をするか」
菊月「…今の私の忠誠はこの司令官のために存在する」
菊月「…敵になるなら…ためらいはない…」スチャ
長月「私とお前の演習の戦績を覚えているか?」
菊月「…262戦262分」
長月「決着、つけようか。菊月」スチャ
長月「決着、つけようか。菊月」スチャ
菊月「三日月、…司令官を頼む」
三日月「はい!」
女提督「菊月、たーんと躾けてあげなさい!」
長月「いくぞっ!」バァン
菊月「…」バァン
ヒュンヒュン
菊月「…司令官、タンクの耐久性は…?」
女提督「35.4cm一発で穴が空く程度」
菊月「…了解」
・・・
菊月(無音か…)
三日月(この状況……私なら…)
菊月(わざと音を鳴らし―)
カラッ コロンッ―
菊月(注意を向けさせて、逆方向から―)
菊月「」クルッ
菊月(背中を狙って攻撃する)スチャ
…タンッ
菊月(…がお前なら―)
スタッ
長月「」ゴリッ
菊月「」ゴリッ
菊月「…それすら囮にして、直上だな…」
長月「さすがだ」
菊月「…」ダッ
長月「…」ダッ
バァン
菊月「…」シュン
長月「ちっ…」シュン
菊月(掠った…か…)
長月「ここまでシンクロすると、気持ち悪さを覚えるな」
菊月「…同感だ」
長月(かと言って奇をてらった方法では無難に対処されて窮地を招く)
菊月(我慢の時間だ。綻びを待つしかない…)
長月「…」ダッ
菊月「…」ダッ
バァン バァン ヒュン チュンッ パキッ バァン ヒュン
菊月「」ゼェゼェ
長月「」ハァハァ
長月(ここまで、互角とはな)ガチャンッ
カチッ
長月(!? 不発だと―!)
菊月「…!」ダッ
長月「ちっ…」バァンバァン
菊月(もう…手遅れだ…!)ヒュンヒュン
長月「っ」ドサッ
菊月「…」スチャ
長月「ふんっ!」ブン
菊月「っ」パシッ
長月「…!」
菊月「………」ゴリッ
バァン ドゴォン バゴォン
長月「く…」
菊月「…運が、悪かったな」ゴリッ
長月「ふ…ここが私の墓場になるか」
菊月「…なぜお前は自分に薬を投与しなかった?」
長月「そんなの、勝っても後悔するだろ」
菊月「…」
長月「撃て。菊月。兵装と艤装を壊せば終わりってワケじゃないだろ」
菊月「…勝負は既に決まってる…」スッ
長月「…そうだな。お前は一度も王将を取ったことはなかったな」
菊月「…投降しろ。敗戦の将は勝者に従うものだ」
長月「あはははははっ…お前は勘違いしている」
長月「私は将ではない。ただの歩兵だ」カチッ
ドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!
菊月「!?」
女提督「な、なに!?」
三日月「爆発っ!?」
長月「爆弾…母港中に仕掛けておいた」
長月「ここも、長くは持たないだろう」
菊月「…長月、いくぞ」グイッ
長月「やめてくれ…私はもうお前とは居られないだろ」
菊月「…それは、お前が決めることじゃない」
長月「…どうして…お前は…そこまで私に固執する…」
長月「お前たちを嵌めようとしたんだぞ…! 今だってお前らを…!」
菊月「…それでもお前は私の友だ」
長月「………」
三日月「!」
ヒュッ
三日月「っ」バァンバァン
バガァン バゴァン
長月「!」
三日月(砕ききれない…!)
三日月「二人とも避けてください!」
菊月「!」
長月「ちっ…!」
ドンッ
菊月「!」
長月「―菊月…すまない…」
ドンッバキッベギッ グシャッッッ!
菊月「っ」ドサッ
長月「…ぐぁあああああああああああああっっっ!!!!」
菊月「長月っ…!」
三日月「危ないです!」ガシッ
菊月「この瓦礫の向こうに…あいつが…まだ…!」
長月(足が……潰れて、…使い、も…のには…ならないな…)
菊月「長月!」
長月(…死に場所を選べぬな…んて…分かって、い…た……こ…と…)
長月(でも少し…さ、び……し…い…か…)
ピキッ バゴォン!
ファサッ
長月(ウィッ、グ…?)
女提督「ナガツキ!」
長月「!」
女提督「テヲ! ノバセ!」バッ
長月「…しれ、い、かん…」
女提督「コンナトコロデ、シヌナ!」
女提督「シッカリセッキョウシテヤルカラッ! テヲダセッ!」
長月「…バカ…だな……」
バギ…ボギッ…
女提督「オマエハァ! ワタシノッ! カンムスダロウガァアアアアアアアッッッ!!」
ヒュッ―
長月「…私も…そう、だったのかな……」
グシャッベキィッ!!!!!!
女提督「…ッ!」
三日月「長月さん…!」
菊月「…長月」
女提督「……」
ヒュンゴォン プシュッ ビシャァァァァッ
三日月「…」
菊月「…脱出しよう…ここも直に崩壊する」
女提督「………」
三日月「…司令官」
菊月「……」
女提督「…キクヅキ、みカヅキ、ゼんカンムすに通達しろ」
女提督「出撃準備。完了した者から海上へ進水しろ」
女提督「現時点を持って、この母港を放棄する」
to be continued ?
【男提督の母港・司令室】
女提督『今、そっちに向かってるから!』
男提督「はぁっ!? 今、何時だと思ってるんだよ!」
女提督『人数はね。ひ、ふ、み、や、と…』
男提督「会話してください! このレズ野郎っ!」
女提督『よろしくぴょん!』
男提督「おい! 人数はd―」
ブツッ
男提督「もう、やだ。あいつ…」
コンコン
吹雪「しれいかーん。夕食、食べましょう?」ガチャ
男提督「絶対面倒ごとだよ…」
吹雪「司令官? どうしました?」
男提督「…吹雪、適当な艦娘を呼び出してくれ」
【海上】
女提督「あ…電源切れた」
夕雲「提督?」
女提督「ばっちりよん♪ 寝るところには困らないわ」
加古「よっしゃー! みなぎってきたよっ!」
古鷹「どこでも寝れるでしょ、加古は…」
摩耶「提督…おまえ…重い…」
女提督「おらおら、シッカリ支えろーい」
摩耶「おまえ…! 足部艤装付けてるなら…じ、りきで…!」
夕雲「提督は重くなんてありませんよ? 鍛え方が悪いのではありませんか?」
摩耶「あとで…ぶっと、ばす…!」
秋雲「綺麗な三日月だ。描きたくなるねぇ」
三日月「そ、そうですか…!?」
菊月「…違う、お星様のほうだ」
由良「うん。雲ひとつないね」
蒼龍「…お星さま?」
菊月「…いいだろ、別に…」フイッ
飛龍「めっ」ピシッ
蒼龍「あうっ」
飛龍「いいじゃん、どんな呼び方したって」
巻雲「夕雲姉さーん…巻雲疲れました~…」ダキッ
夕雲「巻雲さん、もう少しですからね。頑張りましょう」ナデナデ
鳥海「私の計算だと…あと1時間ぐらいですかね」
金剛「uh…テートクゥ…もっとスピード出したいネー…」
比叡「気合い、入れて、押しますっ!」
<ファイヤー
<ヒエー!
霧島「確かに、もう少し速くてもよろしいと思いますが」
女提督「ん」クイッ
榛名「はい、榛名は大丈夫です!」
女提督「違う」クイッ
明石「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」ダラダラ
矢矧「明石さん、頑張ってください」グイッ
明石「…す…すみま、せん…足…遅くて…」
霧島「…なるほど」
金剛「…sorry…」
Z1「…」
Z3「どうしたの?」
Z1「提督は変わらないなって、思ったんだ…うん」
Z3「そう? 私には―」
鳥海「右舷後方っ! 接近する艦影確認!」
一同「!」
女提督「摩耶…降ろして」
摩耶「ふぅ…こき使いやがって…」
パシャン
鳥海「摩耶、読んで」ピラッ
摩耶「んだよ…」
鳥海「早くしなさい、マヤ!」
摩耶「…パターン青! 深海棲k―!」
女提督「鳥海、距離は?」
鳥海「推定で30km 十分後には現在地点にたどり着きます」
摩耶「…ぶっとばす…絶対ぶっとばす…」
三日月「来ましたか…」
菊月「…ああ」
由良「あー、何だかそれっぽいー♪」
夕雲「艦種判明しますか?」
鳥海「少々お待ちください…」ヴォン
巻雲「眼鏡の中に地図が…」
菊月「…この光っている点が私達か…」
秋雲「鳥海さん、麻酔銃内臓腕時計持ってません?」
女提督「何言ってんだ、バーロー」
鳥海「駆逐艦4、軽巡洋艦2、重巡洋艦1…戦艦棲姫1…!?」
比叡「ひぇーっ!」
秋雲「こ、これはこれは…でかいのが来たねぇ」
霧島「鳥海。逃げ切れそう?」
鳥海「…無理ですね…」チラッ
明石「?」
鳥海「九分九厘、あk…とある艦娘が追いつかれてしまいます」
明石「私ですよね!? 構いませんよ、名前出してもっ!?」
菊月「…司令官、どうする?」
Z1「皆で迎え撃ったらどうかな、うん」
三日月「おそらく勝てますけど、こちらの被害も大きいでしょう」
Z3「それに…燃料が足りなくなるあかs…艦娘もいる」
明石「もう言ってるようなものですよね!?」
霧島「この場合、逃げ切れる距離まで誰かが足止めするのはいかがでしょうか」
女提督「……」
霧島「あくまで足止め、無理そうであれば直ぐ撤退すればよろしいので、さほど危険は少ないかと…」
女提督「…どうせ、やるっていうんでしょ」
霧島「はい。彼女に対抗できる艦娘は私たち金剛型ぐらいですから」
金剛「テートクゥ、私たちに任せてほしいネー」
比叡「気合い、入れて、ひきつけます!」
榛名「…え? 夜戦? 腕が鳴るわね!」
摩耶「一名、話聞いてねぇぞ」
女提督「…」
夕雲「全員が生存するには、この方法しかないと、夕雲は具申します」
女提督「…分かった」
女提督「必ず、帰ってきなさいね」
金剛「yeah!」
比叡「I'll ! Be ! Back !」
女提督「OK.Go,go,goooooo!!!!」
榛名「…よ、よく分かりませんが、行って来ますね!」ダッ
霧島「さあ、出撃よ!」ダッ
シャーッ
飛龍「夜じゃなかったら私たちも戦えるんですけどね」
蒼龍「夜間の発着艦はリスクが大きいですからね…」
鳥海「っ!?」
菊月「…どうした?」
鳥海「新たに接近する艦影確認!」
女提督「次から次へと…」
秋雲「雁首そろえていらっしゃいませー」
巻雲「はわわ。秋雲がさらに馬鹿になった…」
矢矧「方角は?」
鳥海「左舷、九時方向ですけど…これは…なに…?」
鳥海「識別コード…艦娘と深海棲艦の両方を発信してます!」
矢矧「…どういう…こと…?」
菊月「…」
女提督「敵ね。それもただの深海棲艦じゃないわ…」
長月―前線の艦娘に服用するのは初めてだから…―
女提督「さぁ…面白くなってきたねぇ…!」
【九時方向の海上】
鳥海『数は3、航空巡洋艦2、戦艦1、です』
古鷹「分かりました」
加古「ぶっ飛ばす!」
矢矧「二手に分かれましょう? 上手くいけば挟撃できるわ」
Z3「異論なし」
古鷹「私と加古が右に、そのほかは左に展開しましょう」
由良「うん」
矢矧「了解したわ」
鳥海『目的は時間稼ぎです。こちらの準備が整ったら、ご連絡します』
Z1「うん。了解」
矢矧「それでは、また後ほど会いましょう」
加古「時間稼ぎっていうけど…倒してもいいんだよね?」
古鷹「加古、無理はだめだよ?」
加古「もう、心配症だなー」
…ゥゥン…
古鷹「この音…」
加古「まさか…」
ヴゥゥゥゥンッッ
古鷹「敵航空機、確認!」
加古「なんで夜なのに飛ばせんのさ!」
古鷹「あれは…瑞雲…?」
加古「ま、蛍のように光ってるから当てやすいけど!」ガチャン
ズガガガガガガガァン!!
加古「いっちょ上がり~♪」
「うぬ、そコカ」
ヒュン…
古鷹「! 加古!」
加古「古鷹、みてくれt―」
ドゴォン!
加古「ぐっ!? 砲台が吹っ飛んだ!?」
古鷹「どこから…!」
…ヒュン
ドゴォン
加古「やべっ!」
古鷹「閃光…あんな長距離から…連続着弾…」
加古「夜に…観測予測砲撃かよ…!」
「理解が御早いようで」
加古「古鷹! 前!」
トネ級「お主らに恨みはないが…わがハいがそのクビ、モライうけルゾ」
チクマ級「ふふふ…」
古鷹「2隻…」
加古「もう一隻いなかったか?」
チクマ級「あの人ハ、向こうにいきマした」
トネ級「スコアがどうとかな。弱いものいじメして何が楽しいのカ分からん…」
チクマ級「こちらのほうガ、楽しめそうデすよね」
加古「楽しむねぇ…」
古鷹「加古! 気をつけて! こいつら…普通じゃない!」
加古「へへ…。加古スペシャルで返り撃ちにしてやんよ!」
トネ級「ウヌ、チクマ、マイロウカ!」
チクマ級「ハイ、ネエサマ♪」
【金剛型の艦隊】
金剛「…バァアアアアアアアアアアニングゥ…ラッァアアアアアアブッ!!!」ドォンドォン
比叡「気合い、入れて、行きます!」ドォンドォン
榛名「勝手はっ! 榛名がっ! 許しませんっ!」ドォンドォン
バゴォン ゴォン ズドォン バゴォン!
戦艦棲姫「…」シュゥゥゥ…
金剛「What's !?」
榛名「そんな…効いてない…!?」
比叡「ひぇ…」
霧島「効かないんですから! 周りの雑魚を先に何とかしてください!」ドォンドォン
バゴォン ドゴォン
重巡リ級「ォォォォ…」プスプス
金剛「そんなこと無いネ!」
比叡「いつかは、きっと、穴が空く!」
榛名「もう一度行きましょう!」
霧島「おい、聴力チェックしてやろうか」ピキッ
金剛「これだからヤクザは嫌いネー」ヤレヤレ
霧島「おい、今ヤk―」
比叡「ま、まさか…奥の手があるんですかっ!」キラキラ
榛名「榛名、準備完了してます!」ガシッ
金剛「榛名! イクデスヨー!」ガシッ
榛名「ば、ばーーーーにんぐ、らーぶっ!」ドォン
金剛「ばぁああにんぐぅぅう…らぁあぶ!!!!」ドォン
ヒュンヒュン
戦艦棲姫「?」ヒョイッ
スカッ
霧島「おいィィィィィィィィっ!」
金剛「もう…ダメネ…」ガクッ
榛名「そんな…」ガクッ
霧島「ちっ」ダッ
戦艦棲姫「…シズメ」ドォン
霧島「」ヒョイ
バゴォン
<ヒェー
霧島「ワン、ツー!」シュシュッ
ドッ ドッ
霧島(くっ…硬い…)ジワッ
戦艦棲姫「…コザカシイ」ブンッ
グシャッ バシャーン
榛名「霧島!」
霧島(強い…! …邪魔さえ入らなければ何とか…!)
霧島「姉さんたちは逃げてください! 時間稼ぎしますっ!」
金剛「そんな姐さんを置いてなんてムリネーッ!」
霧島「はっきり言って、てめえらじゃm―」
ピコンッ
比叡「電探に新たな艦船反応!?」
榛名「至近距離!?」
金剛「そんなのどこにも…」
…ぁぁぁぁぁ…!!!
榛名「何か…聞こえる…?」
「…せんだあぁああああああっっっっ!!!!」
戦艦棲姫「…チョクジョウ…?」
ズガガガガガガガガガッ!!!!!!
戦艦棲姫「…ゥ…」パキンパキンチュンキンキン
バッシャァアアアンッッッ!!
「川内参上!」
川内「さぁ! 私と夜戦しよっ!」
雷「メロンちゃん。川内の着水確認したわ」
夕張「了解。あとメロンって言うな」
響「メロンちゃん、敵潜水艦を発見したよ」
電「ダメ…なので…すぅ…」ウツロウツロ
夕張「対潜ミサイル用意。あとメロン言うな」カチッ
雷「発射!」カチッ
シーン
夕張「…不発?」
響「メロンたん。私が手動で撃って来よう」ウィーン
夕張「頼むわ。あとメロンやめろ」
暁「Zzz」
夕張「ん? 輸送機…ミサイル…潜水…手動…スイッチ…あれ、これって…」
雷「メロンちゃん大変! 響が落ちたわ!」
【矢矧隊】
Z1「Feuer!」バァン
Z3「Feuer」バシュッ
由良「てー」ドォン
「フフッ」
バゴォン ドゴォン
ビスマル級「ソンナノジャ、ワタシノソウコウヲツラヌケナイワヨ!」ガチャン
ビスマル級「ビスマルクノタタカイ。ミセテアゲルワ」ドォン
ヒュン バゴォン
Z1「あうっ!?」
Z3「ちっ…」
矢矧「さすが…戦艦、といったところね…」
ビスマル級「アラ、モットホメタタエテモイイノヨ?」フフン
由良「すごーい」
ビスマル級「フフン」
Z3「…レーベ…」
Z1「ま、まだ航行できる…」
ビスマル級「アキラメナサイ。クルシムダケヨ」ガチャン
矢矧「全艦散開! 回避に専念して!」
Z3「了解」
Z1「了解!」
由良「うん♪」
ビスマル級「フゥ…イッピキズツ、ツブシテアゲルワヨ!」ガシャン
…ヴゥゥゥン…
Z1(航空機!?)
Z3「レーb―!」
…シュゥゥゥゥ…
Z3(魚雷…!? 避けきれない!)
バゴォン ドゴォン ズゴォン
Z1「うわぁぁぁあああああああっっっ!!!!」
Z3「…っ…ぐっ…!!!!」
ビスマル級「…ヨケイナコトヲ…」
「セイラントサンソギョライ、イケテルデショ?」チャプン
ビスマル級「チョット、ヨコ盗りシないでくれるかしら!」
イ四○一「えー、手伝っただけなのにー…」
ビスマル級「これぐらい、私一人で十分よ」
イ四○一「あー、はいはい…」
矢矧「大丈夫!?」
Z1「うぅ…」
Z3「ぅ…ぁ…」
矢矧(潜水艦……流石に鳥海でも電探じゃ分からないわね)
イ四○一「あー…戦果はあげるから許して、ネ?」
ビスマル級「ふん、トウぜんヨッ!」ガチャン
由良「矢矧ちゃん。二人を頼める?」
ビスマル級「…」
由良「一対一で戦おう? 逃げたりしないし―」
由良「ちょっといいとこ、みせてあげるよ?」ガチャン
ビスマル級「フフフフ…アハハハハ…ッ」
ビスマル級「ヒトリデ、ダイジョウブ?」
ビスマル級「ワタシモ…ナメラレ―!」
ズゴォオオオオオオンッッッ!!!
ビスマル級「ナニ?」
イ四○一「ゥ…ヤダヤダァ…シズンジャ…ゥ…」ブクブクブクブク
バッシャァアアアアアンッッッ!!
「…ドイツは軍艦も二級品か…」スッ
ビスマル級「…ナンデスッテ?」
由良「だれ?」
「駆逐艦ひb…Верныйだ」
Вер「我が司令官の命で、貴艦隊を迎えに来た」
由良「あれ? 酒臭い?」
Вер「…ひっく…」
【海上・古鷹艦隊】
トネ級「ワガカンサイキカラ、ニゲラレルトオモッタカ!」ドォン
古鷹「うっ…!」バゴォン
古鷹(探照灯つけなくてもここまで狙われるの…!?)
チクマ級「…ソコデスカ」ドォン
加古「くそっ!」バゴォン
加古「卑怯だぞ、それ!」
トネ級「ヤリタカッタラヤレバヨイゾ」
チクマ級「デキルノデアレバ、デスケド」
古鷹「加古! 無事!?」
加古「…帰ったら、死ぬほど寝てやる…!」ドォン
ヒュン ボォォォン
トネ級「ホレホレ、コッチジャゾ!」ドォン
バゴォン
加古「やっべっ!」
古鷹「一度引く?」
加古「でも、あの航空機から逃げられるか?」
古鷹「それに…速力は向こうが少し高いかも…」
加古「なら、最後まで足掻こうよ…」
バッシャーン
「ウミノナカカラ、コンニチハー!」
加古「!」
古鷹(潜水艦…!?)
イ五八「五八ダヨ!」バシュッ
加古(この…まにあわない…!)
古鷹「加古!」
ズドォオオオオオオオン
加古「はぁ…はぁ…」ボロ
イ五八「ア、シロ、デチ」ピラッ
加古「この…変態やろうがぁっっ!!!」ドォン
イ五八「五八ハおリこうサンでち」チャプン
ボォォォォン
加古「く、そっ…潜水しやがった…」
古鷹「加古! 大丈夫なの!? 今日のパンツは白なの!?」
加古「ふ、るたか…離れろ…」
古鷹「加古…私は黒が―」
加古「次、いつあいつが…く、るか…」
古鷹「…っ!」
チクマ級「ナケルハナシデスネ」
トネ級「シカシ、メイレイハゼッタイナノデナ」
古鷹「させないっ!」バッ
加古「ふる…た、か…!」
古鷹「加古、静かにしてて…」
古鷹「それに私、庇うの慣れてるから」ニコッ
トネ級「ウム、ヨイココロガケジャ―」
トネ級「ワガハイモ、ゼンホウモンデ、シュクフクシヨウ!」ガチャン
古鷹「…」
トネ級「ソノカン、モラッタァッ!」ドォンンドォンンドォンドォン
古鷹「…っ」
ヒュン
バゴォオオオオオオオン
【海中】
イ五八「魚雷装填したら追撃デチ♪」ニヒヒ
「させないのね!」バシュッ
イ五八「デチィ!?」ボォン
「あんたの相手はこの伊19がするのね!」
イ五八「イイデチ…五八モ、ヒトリデ、センカアゲルデチ!」スッ
伊19(水上の爆発や月明かりで何とかみえるのね…)スイー
伊19(それに、あの色の髪の毛…)ガチャン
伊19「狙ってくれって言ってるようなものなの!」バシュッバシュッ
イ五八「デチィ!?」スカッ バゴォン
伊19(にっひひ…これなら楽勝なの―)
イ五八「」ニヤ
伊19(!?)ゾクッ
「…ヒソカニチカヅイテ―」ガチャン
伊19「後ろなの!?」
「カクジツニシズメルノ」バシュッ
伊19「なのーっ!?」バゴォン
ズシャァッ
イ五八「サクセンセイコウデチ!」
イ一六八「ヤッタ! 一六八ニオマカセ♪」
伊19(もう一艦いるなんて…気付かなかったのね…)
伊19「でも…それでこそ…」
イ一六八「…チョクゲキノハズ…」
伊19「伊19は…燃えてくるのね!」ムクッ
イ一六八「マア、イイワ。ツギコソ、シトメテアゲル!」スゥ…
伊19(消えたの!?)
イ五八「カマッテクダチィッ!」バシュッバシュッ
伊19「なのぉ…!」スッ
ボォンボォン
伊19「でちでち、うるさいのね!」バシュッ
イ五八「アタラナイデチ~」ヒョイ
ガチャン
伊19「!」
イ一六八「サァ、センカヲアゲテラッシャイ!」バシュッバシュッバシュッ
伊19(真下なの!?)
ヒョイヒョイヒョイ
伊19「あ、危なかったのね…」
伊19(あの浮き輪の無音潜行…厄介なのね。でもそっちばかり気にすると―)
イ五八「アタッテクダチィ!」バシュッ
伊19「な…のぉっ!」グッ ヒョイ
伊19(でちでち、うるさいのが、狙ってくるのね…)
伊19「ふっふーん。伊19だって回避できるなの」ジジジジジ
伊19(機関部も最初の攻撃受けてからおかしな音してるの…)
ガチャン
イ一六八「シズミナサイッ!」バシュッ
伊19「なのっ!?」バゴォン
伊19(…音?)
イ五八「デ、チィッ!」バシュッ
伊19(浮き輪は遠距離から魚雷を撃てないなの?)ヒョイ
伊19(……)
伊19「こうなったら…一か八か…なのねぇ」スッ
イ五八「…?」
伊19「すぅー…はぁー…」プカー
イ五八「ドウシタデチ? アキラメタデチ?」
伊19「…そう思うなら、攻撃すればいいのね」
イ五八「…ソウサセテモラウデチィ!」バシュッ
伊19(待つのね…)
シュゥゥゥゥ…
伊19(集中するのね…提督の…寝込みを狙う如月みたいに…息を殺すのね…)
シュゥゥゥ
伊19(…今なの!)ヒョイッ
スカッ
伊19(そして体勢が悪いここでいつも…!)
ガチャン…
伊19「そこなのねっ!」ガチャン クルッ
イ一六八「ミツカッタ!?」
伊19「酸素魚雷っ! 六発発射なの!」バシュッ
ドゴォオオオオオオオン
伊19「やったのね!」
ガチャン
イ五八「コノシュンカンヲマッテタデチ!」ゴリッ
伊19(な…の…っ!?)
バシュッ
ドゴォオオオオオオン
イ五八「五八ヒトリデ倒したほうが、ほめらレるでち♪」
…ドシャッ
イ五八「五八はおりこうさんでち♪」
イ五八「しっかり轟沈確認もするでちー」スイー
イ五八「うーん…どこにいるでちぃ…? 目立たない髪色だから―」
ガシッ
イ五八「デチィ!?」
伊19「つ、かまえた…の、ね…にっひひ…」
イ五八「ハナスデチ!」ゲシッゲシッ
伊19「伊19は…た、だ、じゃぁ…沈まない…のねぇ…!」ガチャン
イ五八「マ、マツデチ! コノキョリデウッタラ、トモダオレデチヨ!?」
伊19(…提督…―)
伊19「ねら、った…え…のは…ぜ、ったい…逃が、さない…のね!」
伊19(伊19、本当はね…)
イ五八「オツツクデチ! ヤメルデチィッ! コノッ!」ゲシッ
伊19(…構って欲しかっただけなのかも、知れない、のね…)
伊19「…にっひひ」
バシュッ―
【古鷹艦隊】
加古「古…鷹…」
古鷹「…」
フラッ…バシャン
古鷹「…あ…れ?」
「か…庇うってこんなに大変なんですねー…」プスプス
加古「…だ、誰だこいつ」
「あ、青葉ですぅ…一言、おねがいしますぅ…」バタンキュー
古鷹「あ…青葉…?」
トネ級「ヌゥ、思わぬ邪魔がはいったのぉ…」
チクマ級「トネネエサン。フセテクダサイ」
トネ級「ウヌ?」
ヒュン…ドゴォン
トネ級「なんジャ!? ヒダンカ!?」
「ほらっ、もう一発!」ドォン
ボォン
チクマ級「ゾウエンデスネ」
「まったく青葉は無茶するんだから…」
青葉「あ、あおば…大破は…なれてます…」
「衣笠さん。電探によると周辺の水上艦はそいつらだけみたい」
衣笠「分かったわ。叢雲ちゃん、青葉のこと、よろしくね」
叢雲「…前にもこんなこと無かった…?」
青葉「恐縮ですぅ…」
衣笠「こっちは衣笠さんに任せなさい♪」ドォンドォン
ボォンボォン
トネ級「スウテキニ、フリニナッタノォ…」
チクマ級「…ズイウンカラデス。サクセンシッパイ、ダソウデス」
トネ級「ヌゥ…シカタナイノォ…」ダッ
衣笠「待ちなさいっ!」
チクマ級「ソレデハミナサン、シツレイシマス」ペコッ
衣笠「逃げても無駄よ!」ドォン
チクマ級「…ウルサイ、デスヨ?」ニコッ
ドォン バゴォオオオオオオン
衣笠「きゃっ!?」ドゴォン
加古「ほ、砲弾を貫通して…」
古鷹「艦に命中した…」
叢雲「やめましょう。任務は護衛です」
衣笠「それも、そうね…」
加古「せ、せんすい、か、んが…まだ…」
衣笠「大丈夫よ。うちの潜水艦が相手をしてるはずだから」
加古「そうn…zzz」ガクッ
衣笠「だ、大丈夫!?」
古鷹「あ、はい。いつものことなので。私が運びま…っう…!」
衣笠「待って、貴方も被弾してるんだから…」
古鷹「い、いえ…加古は…私が…」
叢雲「まったく…」カチャン
古鷹「うっ…!? ぁ…」
バタッ
叢雲「厚意に甘えなさいよ…」
衣笠「何したの?」
叢雲「ちょっと、痛覚を敏感にして、気を失わせただけです」
衣笠「毎度思うけど、その電探便利ね」
叢雲「その分、疲れますけどね」ガサゴソ
叢雲「衣笠さん。青葉さんの曳航準備でき―」
叢雲「っ…!」
衣笠「どうしたの?」
叢雲「…」
バッシャーンッ…
叢雲「…伊19…?」
【矢矧艦隊】
バァン
ビスマル級「ナニ? マメデッポウナノ?」パキン
Вер「…さあ? どうだろうね」
ビスマル級「イセイノワリニハヨワイワネッ!」ドォン
Вер「っ!」
バシャーン
ビスマル級「フフン。ワタシヲアナドルカラコウナルノヨ…」
ビスマル級「コウクウキ、サエナケレバ、ワタシハサイキョウナノヨッ!」
Вер「最強か…」スッ
ビスマル級(背後!?)ブンッ
Вер「おっと…」ヒョイ バァン
ビスマル級「グッ」パキン
Вер「Огонь!!!」バシュッ
ビスマル級「グッ…!?」ドゴォン
Вер(魚雷を耐えるか…)
ビスマル級「…ウザッタイワネッ!」ドォンドォンドォンドォン
Вер(砲身を海面に…?)
ボォンボォンボォンボォン
Вер(水柱…視界が…)
ビスマル級(イマノウチニ、キョリヲ―)
Вер「хорошо。前言撤回だ。ドイツの技術力は一流だ」
ビスマル級「!」
Вер「ドイツは兵が二流だったんだな」
ビスマル級「ウエカ!」ドォン
Вер「おっと…帽子が吹き飛ぶところだった…」ヒョイッ
ビスマル級「フフ、クウチュウナラ、ニゲラレナイワネ!!」ガチャン
Вер「…よく狙ってくれ…」バァン
ビスマル級「ナンドヤッテモ…オンナジ…」カチッ
ドゴォン
ビスマル級「グゥッ!?」
ビスマル級(ホウトウニ、コウゲキガハイッタ…!?)
Вер「yaa」
ビスマル級「ソンナマグレ―!」ガチャン
Вер「…それが、命取りだよ」バァンバァンバァンバァン
ドゴォンバゴォン
ビスマル級「…グッァァアッ…!」
Вер「さ、止めだ」
ビスマル級「…フッ…アナタノコウゲキジャ、ワタシノソウコウハ…」
Вер「これでも…そんなこと言える?」ガコンッ
ビスマル級(ギョライ…コレハ…!)
Вер「…やっぱり…航空魚雷がダメなんだね」
ビスマル級「…イヤッ…ワ、ワタシハ…セカイイチノセンカン…」
Вер「ま、自分で弱点言っているようなものだったけど」
ビスマル級「…コンナ…クチクカンニ…マケル…ナンテ…!」
Вер「…肝心な部分が…誰かさん以下、だな…」
Вер「Умри!」
バゴォオオオオオオオオオオン
バシャン
Вер「…ふぅ…ひっく…」
響「…航行できるかい?」
Z3「何者? あなた…」
響「貴艦隊が泊まる母港の艦娘さ。ドイツは嫌いだが道案内はしっかりするよ」
【金剛型艦隊】
川内「ほらほらぁっ!」ドォンドォン
戦艦棲姫「…ッ」
川内「まだまだいくよ!」ドォンズガガガガガン
戦艦棲姫「…ソンショウ…ゾウダイ…キケン…!」ドォンドォン
川内「当たらないよ!」ヒョイヒョイッ
グンッ
川内「せいやっ!」シュッ
ゴッ…メキッ…バゴォン
戦艦棲姫「…シュホウ…ハカイ…!?」
川内「いった~。装甲硬いね~」
川内「…でも、それも、いい!」ダッ
霧島「か、踵落としで…主砲を…」
金剛「なに、ぼさっとしてるネ! 援護するデスヨー!」
榛名「は…はいっ!」
比叡「撃ちます。当たって!」ドォンドォンドォンドォン
ボォンバゴォンズゴォンゴォン
戦艦棲艦「…フリ、カ…」
ピッ
戦艦棲姫「ジカン…テッタイ…? …リョウカイ…」
川内「おらぁっ!」ドォン
ボォン
ボォン
戦艦棲艦「…マタ…アイマショウ…」ガチャン
ドオン ボォォオオオオオオオオオン
川内「うわっと…」
霧島「自分の足元に…斉射…!」
榛名「水しぶきで何も見えません…!」
比叡「ひえー!」バシャン
ザァーッ…
金剛「…escape?」
霧島「恐らくは…」
川内「う~ん。久しぶりに手ごわい相手だった♪」ツヤツヤ
榛名「手が血だらけじゃないですか!」
川内「こんなの舐めとけば直るよ」
霧島「どうして…。まだ十分戦えるはずなのに…」
金剛「hey,霧島。考え事はテートクと合流してからにするネー」
霧島「そう、ですね。十分時間は稼げたはず…」
霧島「時間を…稼ぐ…」
金剛「Sister?」
ピッ
霧島「鳥海! 聞こえる!?」
『………』
霧島「鳥海!」
『き…りし、ま?』
霧島「司令!? 何かあったんですか!?」
女提督『…に……わ……』
霧島「聞こえません! マイクのおんr―!」
『…エガスルナー』
霧島「…」
『コレカナ? モシモーシ?』
霧島「…誰ですか。貴方は」
『アノネェ。ワタシガンバッチャッタ! ゼーンブゼーンブ、タタキツブシタヨ!』
霧島「…質問に答えてください」
『ココニイルミーンナ、モラッテクカラネ♪』
霧島「…!」
『イジョウ―』
『レ級チャンガオオクリシマシタ!』
レ級『アハ…アハッアハハハハッハハハアハッハハハハハッ!!!!』
バギッ
【海上】
イ五八「痛いの痛いの…飛んでかないよー!」プカー
イ五八「運良く生きてたけど…潜行できないでちぃ…」
イ五八「この五八を傷つけるなんて…」
ピカッ
イ五八「でち?」
イ五八「艦娘でち? 良かった…曳航シてモラウデチィ…」ニヤ
イ五八「ア、アブナイデチ…。ヘイジョウシンヘイじょうしん平常心…」
イ五八「すみませーん。曳航してくだちぃ!」
「…」
イ五八「お願いするでち」
「…」ガチャン
イ五八「な、なにスるでち!? 五八はカんむすでチよ!」
イ五八「いまスグ、やめルデチ! ヤメルd―」
ドゴォオオオオオオオン
「…」スッ
眼鏡「何かありましたか? 能代」
能代「…いえ、敵潜水艦が浮上していたため仕留めました」
眼鏡「そうですか」
朧「司令官、カニさんが見つけたみたいです」
朧「おそらく、そこに離島棲鬼もいると思い、ます」
眼鏡「…分かりました」
朧「戦いたく、ないですか?」
眼鏡「そりゃ、同じ提督として尊敬する部分も多かったですから」
眼鏡「でも…今は、任務に私情を挟んだらダメですからね」
眼鏡「第一艦隊。全艦前進」
眼鏡「裏切り者の女提督を始末しに行きましょう」
朧「了解」
能代「…了解」
to be continued ?
【翌朝】
男提督「伊19…」
叢雲「ごめんなさい…私がいながら…」
吹雪「…」
如月「…ちょっと、お部屋で休んでいるわね…」
吹雪「…わかりました」
ガチャ バタン
男提督「…女提督は?」
叢雲「いなかったわ。護衛の艦娘も綺麗さっぱりね」
男提督「ふむ…」
コンコン
男提督「誰だ?」
矢矧「女提督所属。阿賀野型三番艦矢矧です」
霧島「同じく、金剛型四番艦、霧島です」
男提督「どうぞ」
ガチャ
男提督「具合はどうだ?」
矢矧「おかげさまで。ありがとうございます」
男提督「堅いなー。あいつに対応する感じでいいんだよ?」
霧島「いえ、一応世話になっている身ですから」
男提督「そう、ならいいや…」
男提督「まだ部屋でゆっくりしてるといい」
矢矧「いえ、疲れは―」
男提督「嘘つくな。寝れなかったろ」
霧島「…すみません。折角お部屋を貸して頂いたのに」
男提督「わかるよ。心配するな、って言われても心配するもんだ。こういうときは」
男提督「今、空母たちに探させている。直に見つかるだろ」
霧島「…ありがとうございます」
吹雪「あの人なら、ひょっこり帰ってきそうですけどね」
男提督「まったくだ」
矢矧「そう…ですね」
コンコン
漣「叢雲ちゃ~ん。部屋に残った下着捨てちゃうぞ~!」
叢雲「ちょっと、待ちなさい! それは秘蔵のふb…」チラッ
吹雪「?」
叢雲「な、なんでもないわよ!////」
漣「焼却炉にしゅうううううううううううううううっ!」
叢雲「やめなさい! 酸素魚雷食らわせるわよっ!?」バタバタ
バタン
矢矧「…にぎやかな、ところなんですね」
男提督「嫌味なのか? あいつ直伝の技なのか?」
霧島「どこか…司令と似ているのかもしれませんね」
男提督「もしそうなら間違いなく、あいつに毒されたんだよ」
吹雪「仲…良いんですね」ガチャン
男提督「腐れ縁というかなんというか…ですから砲身下げてください。あと目に光をどうぞ」
吹雪「司令官! お腹に力込めて下さい!」バァン
男提督「ごほぁっ!」バタッ
矢矧「提督…」
霧島「…無事、ですよね…」
【離島】
女提督「うふふ…夕雲ちゃん、耳の裏がぁ…ムニャムニャ」
女提督「ん…がぁ…?」
女提督「これは…」スンスン
女提督「女の子が一人で自慰した翌日の朝のにお―」
「…ソンナニオイ…シナイワ…」
女提督「おっと…鬼が島の鬼ちゃんじゃないの」
離島棲鬼「…オヒサシブリデス…」
女提督「何の御用? というか、生きてたんだ」
離島棲鬼「…ソノマエニ…チョウショクヲ…戦艦棲姫…」
戦艦棲姫「…ドウゾ…」スッ
女提督「これは…」
女提督「どろっとした滑りに、ぷるぷるの白スライム状態…まさか…離島棲鬼ちゃんはふたn―」
戦艦棲姫「シズメルゾ…」ガチャン
女提督「はっはっはー。アドミラルジョークだよー」
離島棲鬼「…よーぐると…トイウリョウリ…ダッタハズデス…」
女提督「ちっぱいからの母乳g―」
戦艦棲姫「」ゴリッ
女提督「いただきまーす」パクッ
女提督「うーん。フツー」
離島棲鬼「そうですか。食べられる味付けで良かったです」
女提督「!?」
離島棲鬼「私たちの言語がわかりやすくなるように細工しておきました」
女提督「ほーん」パクッ
女提督「で…朝食のお誘いってことじゃないんでしょ?」
女提督「出入り口は閉められてるし、逃げ場はなしっぽいし…」パクッ
女提督「私の艦娘はどうしたの?」
女提督「それが…交渉条件?」
離島棲鬼「察しがいいです。でも順に説明させていただきますね」
離島棲鬼「まずは手荒な真似でお連れしたことを―」
女提督「あ~そんなの要らない」ブンブン
女提督「要点だけ、すっとお願い」
離島棲鬼「…貴方に私たちの深海棲艦の提督となっていただきたいのです」
女提督「…目的は?」
離島棲鬼「貴方達の大本営の壊滅」
女提督「…面白いね」
離島棲鬼「理由ですが…貴方は大本営が深海棲艦を作り上げているということを知っていますか?」
女提督「知ってるよ」
離島棲鬼「それでは、深海棲艦の原動力はご存知ですか?」
女提督「…恨みやつらみ、憎しみ?」
離島棲艦「はい。大体正解です」
離島棲鬼「その恨みや辛み…負の感情を生み出し続ける物を大本営が隠し持っているということは?」
女提督「…初耳、だけど。なんとなーくそんなものはありそうな気はしていたよ」
離島棲鬼「それが私たちの原動力です。その破壊をお願いできないでしょうか」
女提督「…いいの? 原動力なんでしょ?」
離島棲鬼「仮に私たちが滅んでも、彼ら新たに深海棲艦を生み出し戦いは続く」
離島棲鬼「彼らが…その源さえ失えば二度と深海棲艦は生み出されません」
離島棲鬼「そのために、私たちは逃げて来ましたから」
女提督「逃げたって…マジ?」
離島棲鬼「はい。もっと同志は居ましたが先日の大規模作戦でほとんどが失われました」
女提督「ああ…あの攻略作戦はガチだったのか…」
離島棲鬼「ご理解できますか?」
女提督「…その原動力だったかを壊しても平気なの?」
離島棲鬼「私たちも元艦娘です。もう誰だったか記憶は壊れてしまいましたが、艦娘の部分だけ残ることでしょう」
女提督「…深海棲艦化計画?」
離島棲鬼「今は、そう呼ばれています」
女提督「…」
離島棲鬼「信じられませんか?」
女提督「うんにゃ、信じるよ」
離島棲鬼「…本当ですか?」
女提督「本当よ。自分から頼んどいてその反応はおかしいんじゃない?」
離島棲鬼「で、ですが…もう少し疑心とか…」
女提督「あっははー。信じてほしいのか信じて欲しくないのかどっちよー」
女提督「ただし条件付きね」
女提督「まず、私の艦娘を返してもらう」
女提督「それと戦いが終わったら君ら三人は私と住む」
レ級「私もー?」ヒョコ
戦艦棲鬼「私は離島の鬼についていきます」
離島棲鬼「…いいですよ。戦いが終わったら、貴方の愛奴にでもなりましょう」
女提督「よっしゃぁああ! カワイコちゃんゲットだぜぇ!」グッ
離島棲鬼「艦娘は…あなたの後ろですよ」
女提督「およ?」クルッ
レ級「おーぷん!」バサッ
夕雲「提督…」
蒼龍「…zzz」
飛龍「…やれやれ…敵と手を組むとはね」
鳥海「…」
摩耶「ま、何ともいえないな」
巻雲「えーと…どういうことですか?」
菊月「…司令官の指示に従おう」
三日月「信じてますからね」
明石「…あー…クレーンのメンテしたい…」ウズウズ
離島棲鬼「全員、元気ですよ…傷は直して欲しくないそうでした」
レ級「手ごたえなかったなぁー」
夕雲「…っ」
女提督「あら、全員話聞こえてた系?」
離島棲鬼「それにしても…本当に信じてくれるんですか?」
女提督「信じるよ? 他人に信じてもらうには、まず信じてもらわなきゃ」
離島棲鬼「…嬉しいです」
女提督「だから愛奴の件は―」
戦艦棲姫「すミまセン。…シンにュウシャ…カト…」
女提督「ありゃ、戻った」
離島棲鬼「…コウワンハ…?」
戦艦棲姫「ヤラレマシタ…タンカンデ…ノリコンデ…キテイマス…」
レ級「アタシノデバン!?」
女提督「…ねぇどんなやつ?」
戦艦棲鬼「…ブキハ、フタフリノ…カッターナイフ…」
女提督「…夕雲」
夕雲「彼と彼女ですね」
【離島内屋内】
ゴッ ゴッ コンコン ゴッ ゴッ
朧「この奥、空洞です」
眼鏡「うーん。仕掛けは…」
朧「下がってください」スラッ
ザンッ! スパッ ガラガラガラ…
眼鏡「強引ですね。朧さん」テクテク
朧「切ったほうが早いと、判断しました」スッ カチン
眼鏡「正しいけど、仕掛けを解くわくわくっていうのもいいよね」テクテク
朧「分かりません」テクテク
眼鏡「朧、立体機動装置の調子はどう?」
朧「良好です。これなら司令官を守れます」
眼鏡「洞窟みたいだね」
朧「はい」
眼鏡「…居たね」
朧「…はい」
女提督「やっぱり眼鏡くんか」
夕雲「二本のカッターナイフ。そんな兵装は一人しか知りませんからね」
眼鏡「本当に君たちは敵なんですか?」
女提督「…まぁ、さっき約束しちゃったし…っていうか、今私はどういう扱いなの?」
朧「裏切り者で指名手配です。懸賞金も出ています」
夕雲「…誘拐されただけなんですけどね」
眼鏡「けど、今は違うんですよね?」
女提督「口約束だけどね。大事な秘密を叩くことになった」
眼鏡「…知っているんですね。上が深海棲艦を作っていることを」
夕雲「艦娘を技術資源として外交手段として利用していることも」
女提督「お偉いさんがお互いの戦力をイーブンになるように艦娘を深海棲艦にする計画があることもね」
眼鏡「知りすぎてますね…なら指名手配も納得できます」
女提督「別にどうでもいいのよ? 艦娘を利用しようと、国を豊かにしようとも」
女提督「私の願いはこの女の子と一緒に居たいだけ」
女提督「それを取り上げるなら…ゴネルよ? ってだけ」
眼鏡「貴方らしいですね…少し安心しました」
女提督「眼鏡くんもこっちこない?」
眼鏡「いえ、現状のまま、この国の平和が保たれるのなら、私は道化のままで居ましょう」
女提督「…心は痛むの?」
眼鏡「というか、実は私は艦娘開発局の改造及び改装主任でして、裏切れない立場にあるんですよ」
朧「私の立体機動装置一式は試験運用のため」
眼鏡「…というか、趣味ですけどね」
朧「え…?」
女提督「DDHの改装も可能になったって本当?」
眼鏡「さあ…どうでしょうか」
夕雲「そんな大物が言うには、あの鬼さんの言うことは事実なんですね」
女提督「…裏切りたいの?」
眼鏡「はい」
女提督「そんなに立場が大事?」
眼鏡「私は孤児でして、拾ってくれた人が軍人だったんです」
眼鏡「そこから軍に育てられたと言っても過言ではなく―」
眼鏡「私が裏切れば、育ててくれた何十人という人と私の艦娘に迷惑がかかります」
女提督「なるほどね…」
眼鏡「誤解して欲しくないのは私は育ててくれた善良な軍人のために戦い―」
眼鏡「上層部の腐ったゴミどものためにこの身をささげてはおりません」
女提督「口悪くなった?」
眼鏡「脂ぎったクズと会議が続くとどうしても…」
女提督「…おっけー。やっぱ眼鏡くんはいい子だね」
女提督「お土産は持ってきてくれるし、信念はあるし」
眼鏡「一応、聞いておきますが投降の意思は?」
女提督「あるなら、夕雲に武器を持たせてないよ?」
眼鏡「…そういえば今回、野暮用で内部を調査したら面白いことが判明しました」
眼鏡「各艦娘の建造システムに載せる前の試作艦娘」
女提督「…それが?」
眼鏡「量産する前に作られたコスト度外視のオーバーパワーの艦娘のことですが…」
眼鏡「悪用を恐れて処分されたはずが…何名か記録が改竄されていた模様です」
女提督「…生きているってこと?」
眼鏡「いえ、予想では…とある計画の実験台になったと考えられます」
夕雲「……」
眼鏡「もしも戦うことがあれば、ご注意を、とのことでした」
女提督「必要ないんじゃない? 貴方達がここで私を倒すんだから」
眼鏡「あはは、それもそうですね…朧、構えてください」
朧「はい」スラッ
眼鏡「前回より私の朧は強くなってますよ。知っている限りでは最強の朧です」
夕雲「ふふっ…前以上には楽しめるってことですか?」
朧「大丈夫、私はここにいる誰にも負けない…絶対に」
女提督「負けるよ? 私の秘書艦は最強の夕雲だから」
朧「負けない…私は、強いから」スラッ
眼鏡「…朧。勝ちますよ!」
朧「駆逐艦朧、出る!!!」バシュンッ
カンッ キュルキュル ギュン
朧「はぁあああっっっっ!!!」ギュン
女提督「…夕雲」
夕雲「…これほど、虚しい戦いは初めてです」
ザンッ
朧「くっ…」バシュンッ キュキュキュル
夕雲「……勝てないと…分かっているのに…戦うんですか?」
朧「私は負けない!」
眼鏡「その通り! 負けはしませんっ!」
夕雲「……本当に、強い艦娘ですね」
女提督「手加減はなしよ。完膚なきまで叩きのめしなさい!」
夕雲「…駆逐艦夕雲、本気で行くわ!」ガシャン
朧「沈みなさいっ!!」ブンッ
【離島の外】
能代「…」
能代「…作戦時刻…」
能代「…」
能代「…両名とも帰投せず」
パキン
能代「…自己の保護ロックの破壊を確認」
能代「…」
能代「…よって…自分の所属する提督の死亡を認識…」
能代「…」
能代「……っ」
to be continued ?
【男提督の母港・司令室】
隼鷹「手がかりすら…見つからないなんてね」
飛鷹「ごめんなさい」
吹雪「飛鷹さんが謝ることじゃないですよ」
男提督「…なに。ひょっこりと顔出すさ」
吹雪「はい、あの人なら意外と呆気なく出てきそうですね」
飛鷹「どんな人、それ…」
「あーっはっはっはっはっはっ。はっ↑は↓はーっ↑!」
男提督「ん? このテンプルにかちんとくる笑い声は…」
女提督「どぅも、女提督どぇす。この元ネタ分かる人はボキとお友達ぃー!」
男提督「誰も日曜の黄昏時にラジオなんてき…い……て………」
女提督「くえー」
男提督「…」
吹雪「…」
飛鷹「ちょっと…写真ある?」
隼鷹「ん?」
女提督「くえっ?」
男提督「…」チラッ
吹雪「…」チラッ
飛鷹「あ」
隼鷹「本人だねぇ」
吹雪「いたぁあああああああっっっ!!!!???」
男提督「どこから湧いてきたぁあああああぁぁっっっっっ!!!!!????」ガタッ
女提督「ふぇ? なに? ん? お?」
バタンッ!
金剛「hey! テートクゥッ! 紅茶が飲みたいねえええええっっっ!!!!」
【男提督の母港・食堂前】
秋雲「と…遠かった…」ゼェゼェ
巻雲「も、もう…無理ゲー…だ、し…」
矢矧「方角が…間違ってなくて…よか、ったわね…」
蒼龍「ふぅ…何とかここまで全員無事で…」テクテク
飛龍「…一人…息も絶え絶えだけどね」テクテク
明石「あぁ…川の向こうにクレーン畑が見えます…」シワシワ
三日月「もうすぐですから踏ん張ってください」ズルズル
菊月「…重い…」ズルズル
五月雨「燃料ちょっとだけですけど持ってきましたっ」スッ
明石「もう…ゴールしても、いい…ですよね…」
鳥海「明石さん、こちらを向いて―」
摩耶「貸せっ! 飲め、おらぁっ!!」ガボッ
明石「もがgggggg―!!!!」
三日月「疲労で霧島姐さんみたいになってますね」
五月雨「だ、大丈夫なんですか…?」
秋雲「なに、気にすることはない。川´_ゝ`)」
巻雲「無責任なこと言わないで下さい。秋雲のばかぁ!」
明石「げふ…」
菊月「無事か…?」
明石「はい…何とか…自力で歩けるようには…なりました。ありがとうございます」
五月雨「えーと…コチラが食堂ですっ」
五月雨「うんしょっと…」
ガラガラガラガラ
赤城「ほうひょうひゃん。おひゃわりおねがいひます」スッ
加賀「…」スッ
鳳翔「ちょっと待っててくださいね」
巻雲「あのテーブルだけ天井に皿が届きそうです」
秋雲「どう載せたの、あれ」
「いやー、うちの提督に勝るとも劣らない味付け」
巻雲・秋雲「!!!」
「いける、いけるよー♪」パクパクッ
秋雲「…な……」
巻雲「長波さぁあんっ!!!!」ガバッ
長波「おうっ!?」
ドシーン
長波「いったいなー、もう…」
巻雲「長波さぁんっ。しんぴゃいしばしたよぉっ」ポロポロ
秋雲「…本当に長波?」
長波「あたし以外に何に見えるんだよ」
木曾「なんだ、知り合いだったか」
長波「知り合いっつーか。現所属?」
秋雲「誰…?」
天龍「俺の名は―」
龍田「天龍ちゃんに話かけてるわけじゃないのよー?」
木曾「木曾だ。遠征帰り、運良く、こいつが浮かんでいる所を保護したんだ」
まるゆ「まるゆがみつけましたっ!」シュバ
長波「あたしとしたことが流されたみたいでさ」
秋雲「ほー…よく浮いてたねー」
まるゆ「まるゆが見つけた時は空のドラム缶が繋がってて浮きの代わりになってました」
巻雲「!」
天龍「アレは驚いたな。ドラム缶と服をリボン一本で繋いであったからな」モグモグ
龍田「そうねー。いつ千切れてもおかしくなかったわねー」
長波「…そんなことした覚えないんだけどな。頭のリボンは取れてなかったし」
巻雲「……もしかしたら…」
グゥゥゥゥ…
巻雲「う…////」
秋雲「お、でっかい腹の音だねー」
巻雲「秋雲のばかぁっ!!!」
長波「……」
【男提督の母港・司令室】
女提督「ふざけないでよ! 何でこんなに写りが悪い写真なのよ!!!」
男提督「指名手配のビラにキレてどうする」
夕雲「そうですよね。実物はこんなにお美しいのに…」
女提督「きゃーっ! 夕雲ちゃん~!」ギュー
吹雪「…いいなぁ…」ボソッ
男提督「…で、何したんだ? お前は」
女提督「聞かないほうがいいわよ?」
男提督「補給資材の請求するぞ」
女提督「あ~。それはありがとね」
男提督「…素直に礼を言うな。寒気がする」ブルブル
女提督「まぁでも、直ぐに出て行くよ。補給代はツケでお願い!」
男提督「ダメだ。説明しろ。どうせ面倒ごとだろうが、腹はくくってる」
離島棲鬼「…」
女提督「や・め・た・ほ・う・が・い・い・よ?」
男提督「もしもお前が俺の立場なら?」
女提督「聞く」
男提督「聞くまで?」
女提督「帰らない」
男提督「そういうこと」
女提督「資材チャラにしてくれる?」
男提督「…吹雪」
吹雪「えーと…各資材二万は使用してます」
男提督「いいだろう。帳消しにしてやる」
吹雪「え!?」
夕雲「中々気前がよい方ですね」
女提督「…わかった。耳穴かっぽじって聞きなさい」
―事情説明―
男提督「聞かなきゃ良かった…」ガクッ
女提督「いったっしょ? あたし、いったっしょ!?」
男提督「これが事実ならな、そりゃ追い掛け回されるわ」
女提督「…兎に角そういうことだから」
男提督「そういうことじゃねーよ。これで俺も共犯者じゃねーか」
夕雲「そちらが話せって言ったんですよ?」
女提督「そーだそーだ」
男提督「…本気か?」
女提督「私のハーレムを阻むものは誰であろうとぶち破るだけよ♪」
男提督「あっそ…」
女提督「…もしかして君も私の体目当て?」
夕雲「」ガシャン
吹雪「」ガチャン
男提督「お前の首なんて欲しくねぇよ。だから二人とも砲口を俺に向けるな。というか吹雪は俺の秘書艦じゃないんですか?」
夕雲「…提督に手を出したら、容赦しませんよ?」
吹雪「そうですよ」ゴリッ
男提督「当たってる。秘書艦、当たってるから」
女提督「そんなところだから…行くね」スッ
男提督「ゆっくりしていけよ」
女提督「無理ね。反乱や革命は電撃性が大事なのよ。童貞君が修理してくれた残りの艦娘も説得しなきゃいけないし」
吹雪「でも、顔色悪いですよ。少し休んだほうがいいと思います」
女提督「大丈夫よ…体は丈夫だ―きゃっ!?」フラッ
男提督「おっと…」ガシッ
女提督「ど…ど…」
女提督「どこさわってんのよーっ!!」ドンッ
ガッシャーン
夕雲「」ガシャン
吹雪「」ガチャン
男提督「肩です。無罪です」
夕雲「触ったことが問題なんですよ?」グリグリ
女提督「汚されたァ…」グスッ
吹雪「し、司令官…?」ガリガリ
男提督「痛いです。吹雪さん、痛いです」
女提督「…男提督。ちょっと港出てくる」
男提督「食堂使え。あそこなら全員入れるし、まだ補給が済んでないやつもいるだろ」
女提督「…ありがと」
男提督「ひっ!?」ゾクッ
夕雲「」ガシャン バァン
ベチーン
離島棲鬼「…アナタ…」
吹雪「?」
離島棲鬼「…ワタシタチト…オナジ…?」
吹雪「え? そんなことないですよ?」
離島棲鬼「…ソウ…」
男提督「…」ヒリヒリ
【男提督の母港・食堂】
霧島「反対です」
女提督「え」
飛龍「ま、そうなるね」
女提督「えぇ…」
カチャン
金剛「うーん、この紅茶ネー」
比叡「司令、さっすがですねー。茶葉切らしたときはどうしようかと…」
女提督「軽く10日分は身に着けてたろ」
霧島「…冷静に考えてください」
女提督「でも私らが道化ってことは事実よ?」
霧島「それは信じましょう」
飛龍「けど、深海棲艦と協力するのは抵抗があるね」
離島棲鬼「…ソウデショウネ…」
女提督「私はないよ?」
三日月「司令官が異常なんですよ」
女提督「でもさ、皆あの時何も言わなかったじゃーん」
鳥海「それは提督の身を案じたからです」
摩耶「下手なこと言って何かされたら嫌だろ」
女提督「へぇ~…摩耶ちゃん、へぇ~…」ニヤニヤ
摩耶「…おまえ、ウザイ」
Z1「で、でもさ、このままじゃ戦いは終わらないってことだよね、うん」
Z3「どうするの?」
霧島「…いいんじゃないですか? このままで」
女提督「えーでもー…」
霧島「…大本営を敵にまわすのは無謀すぎます」
菊月「…もう敵視されてるけどな」
加古「それじゃまたあの艦娘もどきが追撃してくるの?」
古鷹「今回は引いてくれましたけど…」
蒼龍「逃げ回る?」
明石「そ、そうなると私邪魔ですよねー…あはは…」
レ級「ダカラ、ツブソウッテバー」
巻雲「えーと…どういうことですか?」
秋雲「居場所がないのよ。図にするとこんな感じ」
巻雲「秋雲には聞いてません!」
秋雲「…」
長波「分かりやすくてあたしは好きだぞ」ポン
秋雲「やだ…涙がでちゃう…」
夕雲「…このまま潰されるのを待つか」
女提督「本格的にお尋ね者として大本営を打倒するか…」
由良「皆、何を悩んでるの?」
女提督「…由良ちゃんはどっち?」
由良「私はこの子たちと一緒に大本営を倒したほうがいいと思いますよ?」
女提督「どうして?」
由良「え? だって痛いもん」
霧島「……はい?」
由良「砲撃とか当たったら痛いじゃないですか。戦いが終わるならそういうことも無くなるでしょ?」
霧島「そりゃ…まあ、そうですけど…」
由良「ね? なら、あと少しだけ我慢して戦うべきだと思う」
霧島「…こいつらが裏切る可能性もある」
レ級「…ケンカウッテルノ?」
戦艦棲姫「ヤメナサイ…」
由良「そのときはそのときだと思うよ?」
由良「ほら…提督さんだって私たちを置いて逃げることだって出来たじゃないですか」
由良「なら、この子たちが、裏切らない可能性もあるでしょ?」
霧島「………」
由良「それに戦いが終われば提督さんとずっと一緒だよ?」
由良「私は提督さんと、皆と一緒にいたいな」
由良「…私、変なこと言っちゃった?」
女提督「夕雲、はんがちぃ」ポロポロ
夕雲「どうぞ」
由良「?」
菊月「…そうだな。私は気が変わった」
三日月「私も由良さんの意見に賛成します」
加古「zzz」
古鷹「あと少しだけ…戦いが終われば加古を危険に晒すこともなくなる…」
飛龍「やれやれ…ま、こうなるだろうとは思ったけど」
蒼龍「うわー、飛龍ずるーい」
矢矧「そういう考え、嫌いじゃないわ」
Z1「そうだね、うん、ボクも提督のために戦うよ」
Z3「レーベが戦うなら、私も」
明石「私、戦いは苦手ですけど、自分で出来ることで応援します!」
巻雲「なにがなんだか分かりませんが、司令官様! 巻雲、お役に立ちますよ!」
秋雲「いいよぉ。提督と一緒なら楽しそうな未来が描けそうだし」
長波「…終わらせてやらないと、沈んだやつらが可哀相だな」
霧島「…」
榛名「霧島…?」
霧島「…分かりましたよ…もう、私悪者みたいじゃないですか…」
霧島「こういうときは…誰か一人ぐらい対抗意見出さないといけないじゃないですか」
女提督「艦隊の脳筋さん。慣れないことはしない方がいいよ」
離島棲鬼「…キマリマシタカ…?」
夕雲「勘違いしないでくださいね。私達は貴方達を信用してません」
夕雲「変な行動を見たら容赦なくしとめますからね」
レ級「ブー」
離島棲鬼「…ソレデカマイマセン…」
夕雲「提督、よろしいですか?」
女提督「お前ら…二言は無いな」
摩耶「今更なんだよ、気持ち悪いな」
鳥海「あなたが私の提督だから…皆の命預けるんですよ」
女提督「やめて…また泣きそ…」
夕雲「…どうぞ」スッ
女提督「…ありがと」チーン
女提督「んあー…よし…」
女提督「……」
女提督「続いて作戦会議、始めるわよ」
【男提督の母港・司令室】
吹雪「…艦娘は国の作った技術資源という外交手段の一つ」
男提督「…ま、将来的に現代兵装が使えれば立派な兵器だからな」
男提督「ドックも港も必要ない。どこからでも襲撃できる海防兵器」
吹雪「私は…」
男提督「…」
吹雪「…何でもありません」
男提督「あっそ…」
コンコン
女提督「入るよ」ガチャ
男提督「入ってから言うな」
女提督「決まった。やっぱ大本営を叩き潰す」
男提督「…本気か?」
女提督「超マジ!」
夕雲「提督は頑固ですから」
女提督「本当は今すぐにでも行きたいんだけど…」
吹雪「だけど?」
夕雲「流石に疲労が抜けきっていませんから」
女提督「一晩、迷惑をかけるから、よろしく」
男提督「何を今更、最初からそのつもりだ」
女提督「ありがとう、貧乏童貞」
男提督「どういたしまして、ブルジョワバージン」
女提督「…そういや、叢雲ちゃん元気?」
吹雪「はい、元気ですよ」
男提督「気になるなら自分で探しに行け」
夕雲「私も会いたいです…提督の初めての艦娘というのを」
女提督「…撃っちゃダメよ?」
夕雲「…善処します」
男提督「あと、これ」ピンッ
夕雲「部屋割りですか?」
男提督「俺も艦娘を抱えてるから一人一部屋の用意は出来ない」
女提督「ま、やさC私は我慢してあげよう」
夕雲「さすがです。提督」
男提督「…あと、できればでいいんだが、時間を見て夕食の準備をしてくれ」
女提督「め・い・れ・い?」
男提督「お願いだ」
女提督「…気が向いたらね」
吹雪「司令官! 私、叢雲ちゃんと同室なんですか!?」
【改装室前廊下】
女提督「叢雲ちゃんはどこかな~」
…に…るんですか?
女提督「お? なにやら面白そうな予感」ピトッ
夕雲「盗み聞きなんて、高尚な趣味ですね」ピトッ
ギィ…
漣「不知火ちゃんは完璧なんですよね」つ肉球手袋
不知火「はい、落ち度はありません」キリッ
漣「なら問題ないですよ」つ猫耳
不知火「…」
漣「ギャップ萌えでイチコロですって♪」つ猫の尻尾
不知火「…分かりました」
漣「よっしゃきたぁっ!!!」グッ
カポッ
不知火「…ん」キュッ
不知火「…いきます」
女提督「」ゴクッ
夕雲「…? 誰か来る?」
スタッ バタンッ
女提督「おわっと…!」
青葉「何々~♪ なんのはな…―」
不知火「許してニャン♪」
女提督「」
夕雲「」
青葉「」パシャ
漣「」
不知火「…」
夕雲「」
女提督「」チラッ
青葉「」●REC
漣「ktkr」
不知火「…」カポッ
青葉「青葉み―」
不知火「○すっ…!!」ダッ
青葉「」ダッ
シュッ シュッ
扶桑「はぁ…砲塔が大きいと手入れも疲れるわね…」テクテク
山城「姉様、CRE5-5-6の残り―」テクテク
ドゴォォンッ!!!
扶桑「きゃーっ!」
山城「ねえさ―」
不知火「邪魔…!」ゲシッ
ガッシャーンッ!!!
<フコウダワ…
夕雲「…いい動きですね」
漣「メシウマ」ツヤツヤ
女提督「禿同」ツヤツヤ
漣「また髪の話してる…(´・ω・`)」
女提督「ねぇねぇ、叢雲ちゃん見なかった?」
漣「ツンクモちゃん? 見てませんね」
女提督「むぅ…ま、いいや。ばいばーい」
漣「あれが叢雲ちゃんの最初のご主人様…」
漣「乱暴する人には見えなかったのですよ?」
【防波堤】
菊月「…」スチャ
バァン
天龍「いだっ!?」ベチーン
バチャンッ
天龍「ふっ…俺をここまで―」
龍田「天龍ちゃーん。もう8連敗よー」
三日月「もっと無駄な動きが無くなれば強くなると思いますよ」
女提督「演習?」ヌッ
菊月「…本当はそちらの御方と手合わせしたいがな」
龍田「あらー。私ー?」
天龍「まてよ! 俺が一度も勝ってねえじゃねえか!」
龍田「そうね…あなたを交えたペア戦ならどうかしら~?」
三日月「私ですか? いいですよ」
女提督「三日月ちゃんと菊月ちゃんのコンビは強いぞー」
龍田「それは楽しみだわー」
天龍「ま、俺一人でも十分だけどな」
女提督「…ところで叢雲ちゃん知らない?」
龍田「さぁ? 見てないわねー」
女提督「サンキュー」
龍田「それじゃ…早速、全力で行くわねー♪」
天龍「龍田っ! 援護しろよ!」
バチバチッ
龍田「天の風琴が奏で流れ落ちるその旋律、凄惨にして蒼古なる雷」
天龍「ちょっ、まて。それ俺も―」
龍田「ブルーティッシュボルト~♪」
【入渠ドック】
ジジジジジジジジジジ
最上「これをこうして使うのか…へぇー!」
明石「ふぅ…こんな感じでどうでしょうか」
三隈「素敵ですわ。割れたタイルが新品のようです」
加古「加古スペシャルをくらいやがれっ!」シャシャシャシャシャッ
古鷹「加古、こっち任せていい? 私、脱衣所の方を掃除してくるから」
加古「いいよー」
三隈「簡単に床を掃くだけでよろしいですよ」
古鷹「はい、分かりました」
明石「ここをこうしてですね…」
最上「なるほどー…」
カラカラカラ ピシャン
古鷹「……」
古鷹「…」キョロキョロ
古鷹「…加古の下着…!」タラー
古鷹「」ゴシゴシ
古鷹(落ち着きなさい古鷹。それがどうしたっていうのよ。着替えなんていつも見ているじゃない。さっきだって裸の加古と会話したのよ。こんな布切れ一枚に惑わされてどうするの?)ブンブン
古鷹(でも…心なしか湿ってる)
古鷹(いやいやいや、ここ脱衣所だよ? 湿度高いから湿ることなんてよくあることだよ。うん。仮に本当に湿っていたとしてどうするの? 迷わず顔をうずめるね。絶対に嗅げない領域のにおいがそこにあるなら、肺一杯に吸い込んで…)
古鷹(何を考えているんだ私は。加古のだよ。もしもこんなことがばれたら絶対に嫌われる。ああ、でも秘宝がすぐ目の前にある。次のチャンスはいつになるだろうか。もしかしたら永劫現れないかもしれない。コレがラストチャンス…。でも何か大事なものが音を立てて崩れそうな気もしなくもない)
古鷹(バレたら…いや…)
古鷹(バレなきゃいい…!)ピコンッ
古鷹「」キョロキョロ
古鷹(…一秒だけ…一瞬だけ…今なら…!)
古鷹「ふぅー…」
古鷹「っ」ガバッ
女提督「…」
夕雲「…」
古鷹「すぅーっ…」
女提督「じーっ…」
夕雲「…」
古鷹「…?」チラッ
古鷹「」
夕雲「…提督? 次はどうするべきですかね?」
女提督「…吸ったら、吐いたらいいんじゃないかな」
古鷹「げぇほっ!!!??? うぇほっげほっ/////!!!???」
女提督「まぁ…そうだね。そういう愛情表現もあるらしいよね」
古鷹「て、て、提督! 違うんです! えっとあのその―!!!」
女提督「大丈夫。理解できるよ! 私もレズだから」ガシッ
古鷹「ちがうんですっ!! 誤解してままますよ!!!???」
女提督「理解してる! パンツ片手に今にも泣きそうな古鷹の気持ちは全部っ!」ビシッ
古鷹「違うんですってばぁああああっっっ!!!!」ガクッ
女提督(すげー面白い)
古鷹「うぅ…違うんですよ…だって裸の加古を見て…生殺しで…」ダンッダンッ
カラカラカラカラ
三隈「あら、女提督さん? 何かございましたか?」
女提督「あれですよ。あ・れ」
三隈「ああ、あれですか。私もよくモガミンのものを使用したりしますわ」
女提督「え…?」
三隈「…冗談ですわ♪」
夕雲「間がありましたよ?」
【工廠】
夕張「あの設計図を完成させたの?」カタカタ
霧島「はい、試作型ですけど…」カタカタ
夕張「データはある?」
鳥海「ないですけど…覚えている分は書き出しましょうか?」
夕張「お願いします」
長波「おーい、霧島姐さん。いつまで横になってればいいんだ?」
霧島「もう動いていいわ」カチャカチャ ターンッ
女提督「何してるのかしら。貴方達は」
鳥海「あ、提督。お疲れ様です」
霧島「技術交換、といったところでしょうか」
夕張「凄いですね。彼女の緻密且つ高速な計算は」
鳥海「いえいえ、設計図の発想力と実現する高い技術力はそちらの方が上ですよ」
秋雲「なんか…いつもより生き生きしてるね。二人とも」
巻雲「類は種を呼ぶってことですかね」
秋雲「…それわざとなの? 渾身のボケなの?」
巻雲「なっ! 巻雲は秋雲と違って常に真面目ですっ!」
秋雲「それはそれで問題な種類だ」
長波「…で、アタシの髪の毛から何がわかるんだ?」
霧島「…どうやら、長波にも薬が投薬されてましたね」
女提督「あ、そうなの?」
長波「薬? なにそれ」
巻雲「えっと…艦娘を深海棲艦にする薬のことです」
夕雲「ざっくりと説明すればそうですね」
長波「…あたし、薬を飲んだ覚えも、あんな奴らになったことも無いぞ」
霧島「そこが不自然なんですよね」
霧島「あれから調べたところ試薬には細胞を改竄する作用があり、強制的に体を深海棲艦にさせるようです」
霧島「しかし、長波の場合、大部分が髪の毛に成分がいきわたってますね」
長波「…髪の毛がピンクになった理由か?」
女提督「でも今は、元の綺麗な二色ね。はむはむ」
巻雲「いいなぁ…、司令官様! 巻雲の髪の毛も美味しいですよ! ほらっ!」
霧島「まったく分かりません。固体特有の症状なのか、それとも規則性があるのか…」
霧島「実験自体が危険なのでこれ以上は無理ですね」
霧島「すみません、司令…何かお役立ちできれば良かったんですが」
巻雲「お役立ち…?」
秋雲「いちいち反応しないのー」ムニー
女提督「いいのいいの。姐さんのその気持ちで十分よ」
霧島「…そろそろその姐さんと呼ぶのはなんとかしてください」
夕張「そうよね、あだ名っていやよね…」
ガラガラガラ
叢雲「メロンさん。倉庫のパソコン持ってきてあげたわ」ゴトッ
夕張「メロンっていうなぁああああああああっっっ!!!!」ガタッ
秋雲「あ…(察し)」
夕張「あれ? 埃かぶってなかった?」
叢雲「吹いておいてあげたわ」
夕張「ありがと、叢雲ちゃん」
叢雲「べ、別に…埃が手につくのが嫌だっただけよ…」
夕張「うんうん、そういうことにしておきましょうねー」
叢雲「くっ…あ?」
女提督「お久しぶり、叢雲」
叢雲「…何よ」
女提督「…ちょっときなさい。鳥海、手伝いなさいっ!」グイッ
叢雲「え? あ、ちょっと何!?」
鳥海「夕張さん。建造機器借ります」
夕張「はい、構いませんよ。霧島さんと積もる話があるし」
<イャアアアアアアア
長波「…かわいそうに」
夕雲「さて、巻雲さん、一緒に久しぶりに夜戦の講義でもしましょうか?」
巻雲「え!? 夕雲姉さんいいんですか!?」ダキッ
長波「いいのか…? 提督のこと」
夕雲「…暫く、お時間が必要みたいでしょうからね」
巻雲「でも…標的が無いと訓練できませんよー?」
夕雲「そこに居るじゃないですか? 活きのいい標的が」
秋雲「イ…イラスト描きたーいっ!」ダッ
巻雲「追撃戦ですね、夕雲姉さんっ!」
長波「…かわいそうに」
【男提督の母港・展望台】
女提督「…また会ったわね、叢雲」
叢雲「また会ったじゃないわよ!!! 会うなり何なのっ!? 何この艤装は!?」
女提督「赤くて、似合ってるわよ。火力も桁違いだし」
叢雲「そんなこと聞いてるんじゃないわよ!」ダンッ
女提督「貴様…塗りたくないのか?」
叢雲「当然よっ!!!!」
女提督「可愛い」
叢雲「は、はぁっ////!?」
叢雲「こここ、このタイミングでなんなのよ!? あんたはいつも…」
叢雲「…まあいいわ。そういう人だもんね。頭痛くするだけ無駄なタイプの…」
女提督「あ、この前間違ってお酒飲んで吹雪ちゃんに[検閲されました]しちゃったって?」
叢雲「な、な、何でアンタそのこ―!!!////////」
女提督「会食終わり、男提督から聞きました。メシウマ」
叢雲「あの司令官…!」
女提督「吹雪ちゃんのこと好きぃ?」
叢雲「そうじゃないわよ! 吹雪は…ただの仲間よ…」
女提督「部屋割り吹雪と同じらしいわよ?」
叢雲「それ本当っ!?」キラキラ
叢雲「あ…////」カァー
女提督「きゃー。恋する乙女の目だったわー!」
叢雲「う、うるさいいわね! 酸素魚雷喰らわせるわよっ!!!」ガチャン
女提督「でも、やだわー。ちょっと身体の関係になったからって相手を好きになるって叢雲ちゃん軽い女なのねぇ」
叢雲「…そうじゃないわよ」
叢雲「私がここに来て、瀕死のところを介抱してくれて、そのときに…」ハッ
女提督「へぇ~…」ニヤニヤ
叢雲「~~~~~~~~っ///////!!!!!」
女提督「いいよいいよ。続けて」
叢雲「ぜったい言わないわ!!!!」
女提督「やべ、楽しい」
叢雲「…もしかして、からかうために私を探してたわけ?」
女提督「うん」
叢雲「この………!!!」
女提督「いやー。面白い面白い、腹がよじれそうだわ」
叢雲「…あんた、どこに行くつもり?」
女提督「…え?」
叢雲「いつもと態度が少し違う。深くは聞かないけど…必ず帰ってくるんでしょうね」
女提督「当たり前でしょ」
ポフッ
女提督「叢雲ちゃんの元提督さんよ? 優秀な艦娘は優秀な提督の元にいるものよ」ナデナデ
叢雲「…べ、別に心配してるわけじゃないわ…」
女提督「うん。心配無用。死んだら叢雲ちゃんをからかうことできなくなるじゃないの」
叢雲「…ふん」
女提督「今うれしいって思った?」
叢雲「思ってないわよ! まったく…」
叢雲「私、もう行くわ…この艤装じゃ落ち着かない」
女提督「似合ってるのにぃ」
叢雲「この艤装じゃ吹雪から貰った酸素魚雷が…」
女提督「へぇ…」ニヤニヤ
叢雲「あああああああもうっ!!! 沈みなさいよっ!!!!」ガシャン
女提督「完全に自沈だと思うけども」
【夕刻・男提督の母港・食堂】
一同「いただきまーす」
赤城「」ガツガツガツガツガツ
加賀「」モグモグ
蒼龍「わ、私たちも食べるほうだと思っていたけど…」
飛龍「上には上がいるんだね…」
カチンッ
赤城「おかわりいただけるだろうか?」サッ
加賀「同じく」サッ
鳳翔「はい、少々お待ちくださいね」
天龍「くそ…一回も勝てなかった…」
木曾「まぁ、気を落とすな」
龍田「落ち込む天龍ちゃんも可愛い~」
まるゆ「もぐもぐ~」
三日月「身体動かした後のご飯はいいですよね」
菊月「…同感だ」
暁「ふ、二人とも…もう少し仲良くしようね、ね?」
電「所詮は昔のことなのです」
響「仲良くする必要はない」モグモグ
Z3「そう、別に仲が悪いわけでもないから」
Z1「ま、マックスもそんな意地張らないほうがいいよ、うん」
Z3「張ってない。はい、レーベ、あーん」
響「あむ…」
Z3「」
響「これは中々…そちらの提督も料理の腕は立つみたいだね」モグモグ
Z3「赤軍風情が…私がレーベのために切り分けた料理を…」ダンッ
響「そうだったのか、目の前に出されたから自分に向けられたものだと思ったよ」モグモグ
Z3「作物が」
響「動物園」
Z3「…砲雷撃戦、用意」ガシャン
響「さて…やりますか」ガチャン
パシンッパシンッ
雷「もう、ご飯の時はしずかにしなさい!」
隼鷹「かんぱーいっ!」
足柄「さぁ! 飲むわよ!」
飛鷹「枝豆追加おねがいしまーす」
由良「美味しいですね、このお酒」
隼鷹「だろー?」
衣笠「…普通に馴染んでる」
加古「あたしゃぁね、真面目にたたきゃってるんでしゅよ!」
古鷹「加古!? 私たちまだお酒は―」
加古「らいじょうぶじらいじょうぶ。ほら、古鷹もぐいっとぉ…」
足柄「いっぷぁいぐらい、らいじょうぶよ―」
ベゴォン
那智「夾叉か…」シュゥ…
足柄「」シャー…
那智「貴様らはちょっと目を離すと…」
古鷹「…ぷはーっ」
飛鷹「お、いい飲みっぷり♪」
隼鷹「ぱーっといこうぜ、ぱーっとな!」
那智「…次は直撃させる」ガチャン
五月雨「あれ? 青葉さんは?」
漣「おそらく不知火ちゃんとランデブーしてると思われます」
明石「染みた大根おいしいですねぇ…」
矢矧「ここの母港では隠しナイフが必需品なの?」
最上「いやぁまぁ、不知火ちゃんだけだよ。はい、三隈。あーん」
三隈「もうモガミンったら…近い…近いですわ…」
三隈「あつっ!?」
漣「おいそこ、おでんで遊んじゃだめですよー」
三隈「あらやだ、飛行甲板が…」
三隈「くまり―♪」クルリン
漣「言わせねぇよ!?」ガシッ
【司令室】
吹雪「…」
男提督「…」
『許してニャン♪』
吹雪「」ブッ
男提督「…流石だな」スッ
青葉「恐縮です!」
男提督「…次も頼むぞ」
コンコン
女提督「夕食の時間だ、おらぁっ!!!」バタンッ!
パリーン
吹雪「あ、女提督さんですか…」
女提督「あれ、窓割れてたっけぇ?」
男提督「気にするな。夕食か? 助かるよ」
女提督「この私が作った…―」
吹雪「し、司令官! これすっごくおいしいですよっ!?」モグモグ
男提督「こいつ、料理は上手だからな…」モグモグ
女提督「ふふん。良家のお嬢さんがメシマズでどうするの?」
吹雪「あ…なるひょど」モグモグ
女提督「もーらい♪」
男提督「おい…ワイン入ってるけど大丈夫か?」
女提督「多分アルコール飛んでるっしょー」
女提督「あ、飲み物持って来てないや」モグモグ
吹雪「あ、私、持ってきますね」
女提督「オレンジジュース!!!」
男提督「酒。隼鷹に言えば、わかるはずだ」
吹雪「はい、それでは行って来ますね」
ガチャ バタン
男提督「叢雲には会えたか?」
女提督「うん、体調は大丈夫そう。試作型叢雲の電探にもかなり慣れてるみたいね」
男提督「…あのキチガイ性能に慣れさせるまで何日かかったか…」
女提督「吹雪ちゃんが頑張ってくれたみたいね、心身ともに」
男提督「…連れて行く気か?」
女提督「うんにゃ、絶賛恋愛中なら全力応援するべきでしょ」
男提督「自分も同類だからか?」
女提督「レズで何が悪い。ああん?」
男提督「…いいや…」
女提督「…」
男提督「…ほんと、料理は上手なのにな」モグモグ
女提督「私がウィッグつけてること気にならない?」
男提督「なるけど、言いたくないなら言わなくていい」
女提督「…こういうことナんダケド」カポッ
男提督「…」
女提督「…」
男提督「…あっそ」
女提督「オドろカナいのね」カポッ
男提督「海域調査したら変な艦娘を拾って母港を襲撃されて」
男提督「とある艦娘に既成事実を作られかけたりして」
男提督「家出した艦娘が帰ってきたと思ったら、艦娘ほとんど奪われかけるし」
男提督「それで戻ってこない艦娘を助けるために、先輩の母港襲撃して、っていう」
男提督「結構、ハードな日々があったからな」
女提督「…そうだったね」
男提督「ご馳走様」
女提督「私、いい嫁になると思う?」
男提督「レズじゃなきゃ、求婚してるよ」
女提督「そんなに…レズが気持ち悪いの?」
男提督「そうじゃない。好きでもないやつと愛し合うフリなんて苦しいだろ」
男提督「お前が好きになれるのが女なら、俺は男だから諦めるってだけ」
女提督「…ていやっ」ドンッ
ドサッ
女提督「…んふふ~」ガバッ
男提督「嘘だろ…あれだけのアルコールで酔うのか…?」
女提督「ちゃんと目を見ていいなさい」グイッ
男提督「お前…待て、顔ちか―」
グラッ
女提督「おわっ!?」
ドンガラガッシャーン
男提督「いたた…大丈夫か?」
女提督「きゅー…」
男提督「…」
ガチャ
吹雪「すみません、司令官、少し隼鷹さんに―」
吹雪「からま…れて…」
男提督「あ…」
吹雪「し……司令官?」
吹雪「…わたし……添い寝だって…まだなのに……?」
男提督「違うんです。吹雪さん、これは事故ですよ?」
吹雪「………」ニコッ
男提督「ふ、吹雪さん?」
吹雪「酸素魚雷一斉発射よっ!!」バシュッ
男提督「おい、待て待て待て、それ実弾d―」
【食堂】
衣笠「…おいしい」
金剛「それは良かったデース」
鳳翔「私、紅茶は初めてですが、いいものですね」
那智「うん、悪くないな」
比叡「お姉さまの紅茶は世界一ですからねー」
那智「さて、そろそろ眠るとするか」
足柄「…てぃとくぅ…先っぽだけでもぉ…zzz」
那智「まったく…川内、隼鷹と飛鷹を頼む」ガシッ
川内「はーい」ガシッ
古鷹「…かぁこぉ~…むにゃ…」
加古「おお…いつもこうしてるのか古鷹は…よっと…」
那智「それでは失礼する」
榛名「おやすみなさい」
ガラガラ
叢雲「やっと…元に戻った…」
夕張「鳳翔さん、何か残って…赤城さんたちが綺麗にしちゃいましたよね」
鳳翔「そうですね。お茶漬けなんてどうでしょう」
秋雲「お、いいねぇ」
巻雲「巻雲、少しお腹空きましたぁ~」
夕雲「…?」ピクッ
長波「…上?」
ガコン スタッ
不知火「ちっ…ここにも居ない」
長波「どっから出てきた」
不知火「衣笠さん。青葉さんは?」
衣笠「さあ? どしたの? 逃げられた?」
不知火「はい、もし会ったら○しておいてください」
霧島「金剛姉さん、一杯いただけますか」
榛名「榛名のでよろしいなら、どうぞ」
霧島「ありがとうございます…」
叢雲「鳳翔さん、空き缶捨てておきますね」
巻雲「巻雲も手伝います!」
秋雲「こういうのどこがおいしいのかね」ガチャガチャ
夕雲「提督もお酒は呑みませんしね」ガチャガチャ
不知火「…本当に美味しいんですかね」ジーッ
叢雲「―!!!!」
不知火「」グビッ
叢雲「あー、ちょっと、急用思い出したから、私いくわね」ダッ
長波「なんだ?」
ガシッ
長波「ん?」
不知火「…」トローン
長波「えーと…」
不知火「不知火です」
長波「そ、そう。どうしたんだ?」
不知火「長波さんって…可愛いですね」
秋雲・巻雲「!?」
長波「えーと…どうしたのかな? あれ、嫌な予感しかしない?」
不知火「キスしましょうか」
長波「はぁっ!?」
不知火「可愛いですから」グイッ
長波「ちょっとまて! あのさ、目が笑ってないんだけど、え? すっごい怖いですよ!!??」ググググッ
不知火「待ちません。ちゅーしましょう」グイッ
長波「ちょっ…力、強い! 巻雲、秋雲、夕雲手伝…―」クルッ
シーン
長波「見捨てたな!!! あいつら!! 覚えてろよっ! ぜってぇ、覚えてるからなぁあああっ」ググググッ
不知火「…大丈夫です」スッ
長波「ま、待って、あ、ああああ、あのさ」
不知火「優しくしますから」グイッ
チュー
鳳翔「あらあら~」
青葉「あ、青葉、見ちゃいました////」●REC
【深夜】
男提督「くかーっ…」
吹雪「zzz…えへへ…酸素魚雷積んでますぅってぇ…zzz」ギュッ
如月「zzz…伊19…いいですねそれ…zzz」ギュッ
ギィ
女提督「…」
夕雲「提督。参りましょう」
女提督「うん、分かった」
バタンッ
男提督「…」
【廊下】
女提督「どうだった? 久しぶりに妹と一緒に居て」
夕雲「巻雲さんがとても嬉しそうでした」
夕雲「今度は提督と一緒に金剛さんのお茶会でもどうかと」
女提督「…直に毎日出来る日が来るさ」
夕雲「お別れの言葉はいいましたか?」
女提督「なんで? また会うのにお別れはひどいでしょ?」
夕雲「…そうですね♪」
【港】
バッ
女提督「みんな、おはよう」
由良「提督さん。おはようございます」
金剛「おはようごじゃいマース!」
長波「…はじめて……私のはじめてが…」
加古「古鷹? 顔、赤いけど大丈夫?」
古鷹「あ、はははははい。だ、大丈夫っだだよ」
摩耶「全員、そろってるぜ」
霧島「提督、進路上に大艦隊が迫っているとの情報がありました」
鳥海「数は500前後。旗艦と思しき先日の航空巡洋艦2隻を確認」
女提督「ふん、叩き潰してやるよ」
夕雲「迂回はしないんですか?」
女提督「避ければ、ここが戦場になるでしょ。これ以上迷惑はかけられない」
レ級「イイネ! コウゲキコウゲキ!!」
摩耶「ま、そうこなくっちゃな」
女提督「それとも、あんたたちあんなのに、負けるの?」
Z3「私たちを誰だと思ってるの?」
Z1「提督の艦娘だよ、うん」
菊月「…さぁ、共に行こう」
三日月「エスコートならお任せください」
女提督「…」
夕雲「…提督、出撃のご指示をお願いします」
女提督「…これから私は国を敵に回す」
女提督「それでも、君らが命を懸けて戦いに赴くことがなくなるなら、戦犯でも売国奴でも構わない」
女提督「命を懸けるのはこれで最後だ」
女提督「全艦第一船速!! 私たちの暁の水平線に勝利を刻みなさい!!!」
【男提督の母港・近海】
トネ級「我輩たちは兵器だ」
トネ級「我々が国のために役に立つならこの身を賭して戦う気持ちである」
トネ級「我輩の行動は間違っていると感じたことは無い」
トネ級「だが…時々、あやつらが羨ましいと思ってしまうのはなぜじゃろうか」
チクマ級「…姉さん、偵察機が砲撃を確認しました」
トネ級「…うぬ、参ろうか」
トネ級「答えは…あやつらが教えてくれるかの…」
to be continued ?
小ネタ
・響とZ3の会話
赤軍
共産主義の軍隊のこと。資本主義は白軍。それ以外は緑軍と呼ばれる。
作物
「ソ連の兵は畑から採れるのか」というソ連が行った人海戦術の比喩から。
動物園
第二次世界大戦のドイツの兵器に動物の名前が多いため。
一部の例として
戦車にはティーガー。パンター。マウス。特殊兵器ミドガルドシュランゲ。
艦船にはシャカル級大型駆逐艦が存在し、同型艦全てが動物の名前である。
また熊も関連性が高く、ベルリンの熊はベルリンベアというシンボルになっている。
【海上】
男提督「はい…女提督は西に200キロの位置にいます…」
男提督「三隻だけですか? ……あいつの艦娘は化け物ですよ…あと二隻は…」
男提督「はい…失礼します…」
ピッ
男提督「現代艦五隻が相手だ、気張れ」
夕張「完成した長距離支援砲台の試し撃ちには持って来いね」
夕張「バストライナー部隊、照準合わせっ!」
五月雨「は、はいっ!」
雷『メロンちゃんがバストっていうと違和感あるわね』
電『どっちかといえばチェストなのです』
夕張「…的になりたいのかしら?」ガチャン
男提督「戦闘機が来たら頼むぞ」
暁『アカツキ(オオワシ装備)の出番ね。見てなさい!』
扶桑「…提督、こんなことをしてよろしいのでしょうか…?」
男提督「ま、これで国に楯突く反逆者となるな」
山城「不幸だわ…」
青葉「提督、青葉、空母みたいな護衛艦見ちゃいました!」
吹雪「叢雲ちゃん」
叢雲「分かってるわよ。あいつらをGPSから消せばいいのね」
隼鷹「しくじんなよ~」
叢雲「私を誰だと思ってるの?」
叢雲「…この範囲だとせいぜい10分が限度よ」
木曾「十分だ。接収してやるよ」
まるゆ「隊長! 作戦ラインに到達しましたー!」
男提督「よし、全艦、作戦開始! あいつらを大本営に戻すなよっ!」
【大本営近海】
由良「皆、そろそろ、試薬のワクチン飲んでね」
霧島「おかしいですね…私のデータでは防衛部隊と接触するはずですが…」
離島棲鬼「…キョウリョクシャガ…イマスカラ…」
「戦闘機のコクピットが全部壊されてる!」
「おい、防衛システムはどうなっているんだ!」
「あいつら、西にいるんじゃないのかっ! 話が違うぞっ!」
大鳳「…」
女提督「てんにふーたつぅのひーはてーらず、しーのぐはなんぞふんふふふふーん」
女提督「たーいしょうくーだる、とーきまーさにぃ、この一戦とつーきすーすむー」
女提督「しーっぷうーばんりーふーんふーんふふーん。めーざすはそーこーく、だーいほんえーい」
夕雲「提督、どこから乗り込みましょうか?」
レ級「ショウメントッパッ!」
女提督「いえすっ!」
明石「ほ、本気なのかなー…?」
矢矧「嫌いじゃないわ」
夕雲「それじゃ、皆さんガラスぶち破りますよ!」
秋雲「雁首そろえて…」
加古「ごめんくださーいっ!」
ガッシャーン
古鷹「加古、怪我無い?」
金剛「Yeah , サイッコウネー」
ザッ
「そこまでだ。抵抗はやめて、投降しろっ!」
戦艦棲姫「…カンゲイサレテルワネ」
飛龍「やれやれ…」
バァン
女提督「道を開けろ。さもなくば一生童貞の呪いかけるわよ」
離島棲鬼「…ソレ、コウカテキ…ナノ…?」
霧島(数が少ない…? 出払ってる?)
三日月「ここで退いてくれるわけも、ないですけどね」
菊月「…艦隊、全力出撃する!」バァン
長波「さぁ、いくぜっ! おーっ!」バァンバァン
明石「…あれ? 由良さん…どこ行きました?」
榛名「はい! 榛名は―」
蒼龍「いや、榛名さんに聞いてないから」
【配電室】
ギィッ
由良「提督さん?」
由良「あれ…さっきまで、皆と一緒だった、よね…?」
由良「提督さーん」テクテク
由良「…もしかして私、迷っちゃったのかな…?」テクテク
ビンッ
由良「きゃっ」
ブチッ ビターンッ
由良「いたたた…何か引っかかったかな…?」
ギュゥゥン…
由良「…あれ?」
【実験室】
ガチンッ
「ほぉーぅ。鍵が開いたじゃん♪」
「私たちの出番ってことでしょうか」
「出撃? …面倒…ま、いいけど」
「連装砲ちゃん、一緒に行くよ♪」
【屋内】
加古「ふんぬぅ…!!!!」ギリギリギリ
古鷹「加古、無理だって」
加古「ん!? きたきたきたきたぁぁああ!!!」グググッ ガコンッ
菊月「…開いた」バァンバァン
加古「へっへーん! 古鷹、見ててくれた!?」
離島棲鬼「…ココニ…アルハズ…」
ヒュゥゥゥゥ…
菊月「…空洞?」
三日月「エレベーター、ですかね?」
古鷹「…加古…」
加古「あはははは…」
飛龍「そりゃ、素手じゃ開きにくいよね」
蒼龍「この先まだあるんだ…」
レ級「ウーン…チズダト、ココナンダケドネー」
鳥海「漏洩を恐れて細部は形に残さない、ということも考えられますね」
摩耶「行くんだろ、提督」
女提督「そうなんだけど…」
矢矧「由良さんね」
女提督「仕方ない…長波、秋雲、巻雲、探して来い」
巻雲「分かりました、司令官さま!」
秋雲「ええー…」
夕雲「早く地図を写さないと、撃ちますよ?」ガチャン
秋雲「はい、出来た。ほら、ほらっ!」
夕雲「ちっ」
秋雲「聞きたくない音聞いちゃったよ…」
女提督「さっさと見つけて、さっさと追いつきなさいよねっ!」
長波「はいはい、それじゃ行ってくるぜ」ダッ
秋雲「巻雲、置いてくぞー」ダッ
巻雲「ま、待ってくださいよー!」テトテト
夕雲「それでは私達は下に行きましょう」
霧島「…」
金剛「どーしたデース?」
霧島「…おかしいと思いませんか、ここまで一度も艦娘と戦闘していません」
霧島「おかげでここまで順調ですけど…」
比叡「もしかすると、既にここに居た艦娘は全部、深海棲艦になってたりして…」
霧島「…」
比叡「なーんて、あるわけ…あれ? どうしました?」
金剛「…」
霧島「杞憂であれば…いいんですけどね…」
【長波部隊】
ヒュン
長波「ちっ…このっ!」バァン
シマカゼ級「アナタッテ、オソイノネェ!」ヒュン ブンッ
バギッ
長波「このやろっ…!!」ミシッ
巻雲「長波さん!」
秋雲「巻雲! 前見ろって!」
シグレ級「ソコダ…!」バァン
巻雲「はうぅ!?」ドゴォン
秋雲「あー…今度はアタシかな…?」
アヤナミ級「ハイ♪」バァン
秋雲「へへんだ! あたしは巻雲とは違うんだよ!」ヒョイ バァン
シマカゼ級「レンソウホウ、チャン! イッケェッ!!」
秋雲「うわっ…それあり…!?」
ドゴォン
秋雲「くぅっ…!」
シマカゼ級「エヘヘー。ヨクヤッタネー」ナデナデ
長波「卑怯だろ…主砲が自立してるなんて一人多いようなもんだろ」
秋雲「そうだよねぇ」ボロッ
巻雲「秋雲! さっきのはどういう―!」グイッ
長波「今そんなことすんな!」
「し、深海棲艦!?」
シマカゼ級「ンンー?」
アヤナミ級「アア…イッパンジンデスカ…」
「なんでこんなところに…!」
シマカゼ級「ウルサーイッ!!!」バァン
バスッ
「ぐぁ…」
バタッ
巻雲「な、何を…」
シグレ級「ボクタチノソンザイハゴクヒ」
アヤナミ級「ヒミツヲマモルナラ、ナニヲシテモ、イインデスヨ」
シマカゼ級「ダカラ~、ハヤクシズンデネ♪」
秋雲「これは…生かしちゃいけないタイプってやつ?」
長波「あの一番早いの、何とかならないか…」
秋雲「うーん。やってみようか?」
巻雲「早くしてください、秋雲のばかぁ!」
秋雲「…巻雲。昨日の夕雲から教えてもらったこと覚えてる?」
巻雲「秋雲よりちゃんと覚えてますし、ちゃんと実戦できます!」
秋雲「それはそれは…頼もしいね」
長波「お前、何するつもりだ…」
秋雲「まぁ…見てなよ!」チャキ バァンバァンバァン
パリィンパリィンパリィン
シグレ級「ショウメイヲウツ…?」
アヤナミ級「メクラマシノツモリデスカ?」
巻雲「もう…これじゃ何にも見えないじゃ―!」
長波「ばかっ! やめろ! 秋雲!!」
秋雲「見えないなら、照らしてしまえ、探照灯。ってね!」ガコンッ ピカーッ
シマカゼ級「キャアッ!?」
長波(足が…止まった…!)
秋雲「さ、さっさとやってくれよ、巻雲さん?」
巻雲「そんな簡単にいうならあきぐ―」
秋雲「あ~あ、ここまでお膳立てしたのに巻雲は役に立たないねー」
巻雲「な…や、役に立ちますっ!」ガシャン
シマカゼ級「ッ…!」ダッ
秋雲「おっと…逃がさないよー!」クイッ
シマカゼ級「モウ…シツコイナァ!」
ゴッ
シマカゼ級「ウワァアっっ!!!???」
ドサッ
シマカゼ級「ウゥー…レンソウホウチャン…ナンデソコニ…」
巻雲「逃がしませんっ!」ガバッ
ドスッ
シマカゼ級「ク…アアアァッッ!!!」バタバタ
巻雲「観念してください! このまま雷撃処分します!」ガチャン
シマカゼ級(アノヒカリサエ…ナケレバ…)
巻雲「ど真ん中命中させます!!!」バシュッ
巻雲「ふぅ…どうですか、秋雲! 巻雲は―」
長波「秋雲っ!」
夕雲『…さて巻雲さん。今日も夜戦についての勉強ですが、探照灯はご存知ですね』
秋雲「…ぁ…」
巻雲『はい! 暗いところを照らすものです! あと秋雲がやたら点けたくなります!』
シグレ級「イイマトダネ…!」バァン
夕雲『その通り。探照灯を使用すると敵艦を目視で確認、捕捉しやすくなります』
バスッ…ポタポタッ
夕雲『探照灯を使用した場合のデメリットは知っていますか?』
巻雲「…!!!」
巻雲『はい! 使用した艦は自分の居場所を知らせることになり―』
アヤナミ級「コレデ…シズンデクダサイ」ゴリッ
巻雲『敵艦から真っ先に狙われます!』
アヤナミ級「サヨナラ」バァン
ボスッ…ビチャッ
巻雲「秋雲っ!!!!!!」
ガッ
秋雲「ま…ぁだ…勝手に…ころ…なってぇ…」クイッ ピカッ
アヤナミ級「キャッ!?」
秋雲「み…つけた…! 長波!」
アヤナミ級「…!」
長波「気を抜いてると…背中、がら空きだっ!」バシュッ
ズゴォオオオオオオオンン
シグレ級「シズンデ…! ハヤク…!」バァンバァン
バゴォン ボゴォン
秋雲「…ぐぅっ! …はっ…!! そこにぃ…いたのね…!!」クイッ ピカッ
シグレ級「!」
巻雲「あき―」
秋雲「来るな巻雲!」
巻雲「っ!」ピタッ
秋雲「まぁだおわって…な…い、でしょうがぁ!」
巻雲「っ…」ダッ
シグレ級「っ!」チャキ
秋雲「さ、せない…!」クイッ ピカッ
シグレ級(ウ…メ、ガ…!)
ガシッ
シグレ級「!」
巻雲「…一瞬で終わりますから、我慢してください!」バシュッ
ドゴォオオオオオンン
巻雲「…はぁ…はぁ…」
…パリーン
長波「秋雲!」
巻雲「秋雲っ!!」
秋雲「や、っぱ…敵のど真ん中で探照灯は…だめ、だったみたい…」
巻雲「あのタイミングで探照灯点けるなんて、秋雲の馬鹿ぁっ!」
秋雲「あ~あ…最後まで…き、らわ、れたまんまなのね…」
巻雲「最後なんかじゃないです! まだ似顔絵描いてもらってません!」
秋雲「…そうだ、った、ね。…ごめん」
巻雲「…な、なんですかごめんって。それじゃほんとに―!」
ピトッ
巻雲「!」
秋雲「…ぶっさいくな、泣き顔……」
巻雲「…あぎぐもぉ…そんな…いや…ぁ…」
秋雲「…スケブが…あった…ら……か、き………ぁ……」
フッ
巻雲「あき―っ!」
ドサッ
巻雲「…」
長波「……」
巻雲「…ばかぁ…」
長波「…本当にばかは…死ぬまで…直らないんだな…」
巻雲「…秋雲のb―」
バァン
長波「!」
巻雲「…」
バスッ
長波「―――!!!」
巻雲「……え…?」
ポタ…ポタッ…
巻雲「……巻雲…撃たれて…しまいま…した……?」フラッ
ドサッ
長波「ま―!」
バァンバァン
長波「っ!」ヒュンヒュン
アヤナミ級「ヤリマシタァ♪」
長波「っ!」
アヤナミ級「…マダ、ヒトリダケ、デスケド」
長波「生きていたのか…!」
アヤナミ級「ハイ♪ ゴウチンカクニン、シッカリシタホウガイイデスヨ?」ムクッ
長波「…化け物か…!」
アヤナミ級「ドウグナンテ、イラナイ」
アヤナミ級「ホンモノノヤセン、シマショウ?」
【部屋】
ガチャッ
飛龍「ここも違う…」
蒼龍「一度、提督に連絡する?」
飛龍「…そうしよっか…彩雲、お願いね」
蒼龍「うーん…それにしても地下も広いね」
飛龍「疲れた?」
蒼龍「ううん。でも、おかしいね…上は蟻の這い出る隙も無いぐらい人がいたのに…」
蒼龍「不気味なぐらい静かだね」
ヴーーン
蒼龍「敵艦載機!?」
飛龍「攻撃隊、発艦始め!」ビュンビュン
ガガガガガガバゴォン ドォン
「なーんだ、正規空母は正規空母でも弱いほうのコンビなんだー」スタッ
「だめよ、ズイカ級。彼女たちだって少ない艦載機をやりくりしてるんだから」スタッ
ズイカ級「でも、ショウカ級姉。そんなの脆弱だって謳っているようなものでしょ?」
ショウカ級「それでも、当時は二航戦(笑)として名前を馳せてたのよ」
飛龍「…」
ズイカ級「あーあ…一航戦とやれるって聞いてきたのになぁ」
ショウカ級「まぁ、仮にハズレでも正規空母には変わりないのよ?」
蒼龍「…」
ズイカ級「正規空母? 片方にいたっては軽空母もどきじゃん(笑)」
ショウカ級「こ、これでも、一航戦とともに緒戦を共にしたのよwww」プルプル
ズイカ級「ただの金魚のふんみたいにほいほいとついていったに過ぎないのよ」
ズイカ級「それに黄色と緑って…何なの、マヨネーズと青海苔?」
飛龍「うるせぇぇえええええっ!!!!」
蒼龍「だまれぇええええええええっ!!」
ズイカ級「あ、まだそこに居たの? いいわよ、向こう行って」シッシッ
ショウカ級「そんな戦果にもならないからってあからさまな嫌な態度は止めたほういいわよ」
蒼龍「…戦果にもならない…っ?」
飛龍「…こっちが黙ってれば、好き勝手言うじゃん…」
ズイカ級「だって…一航戦でも五航戦じゃない正規空母なんて…ねぇ?」クスッ
ショウカ級「wwww」
蒼龍「…飛龍、私、口だけは大物のツインテールを狙う」スチャッ
飛龍「分かった。友永隊、あの陰湿白髪野郎を焦がすわよ」スチャッ
ズイカ級「へぇー…やろうっていうの?」
ショウカ級「油断はだめよ。窮鼠猫を噛むっていうから、ね」
蒼龍「全艦載機! 発艦!」ヴュンヴュン
ズイカ級「私には…幸運の女神と最強の零戦使いがイるんダカラッ!」ヴュンヴュン
飛龍「絶対に…!!!」
蒼龍「ぶっ潰す!!!」
【ホール】
霧島「なるほど…下で深海棲艦の生産、及び、深海棲艦化を行っていたと…」
金剛「上に艦娘が居なかったのは…全部、深海棲艦化させていたからデスネー?」
「そういうこと」
「物分りが早くて助かりますわ」
スズヤ級「本当はもっといっぱい居たんだけどねー」
クマノ級「あんまりにも弱くて、殺してしまいましたわ」
比叡「ひえーっ」
榛名「…え? はい、榛名は大丈夫ですっ!」
クマノ級「一部の劣等種のおかげで、作戦が失敗したらたまりませんもの」
金剛「劣等種ネェ?」
霧島「私のデータでは完全に敗北フラグと認識されました」
スズヤ級「好きに言えばいいじゃん」
クマノ級「へし折るのも私は大好きでしてよ?」クイッ
バガァアアアアン!!!!
榛名「何!?」
金剛「壁が…!」
護衛要塞s「awefgoptmoitisfd!!!!!!!」
スズヤ級「さてさて…ぶっ壊しチャイまショう!」
クマノ級「便利ですのね、この力…」
霧島「数が…多いっ!」ドォンドォン
<ヒエーッ!
霧島「金剛姉さんっ! 榛名姉さんっ! 受け取ってくださいっ!」シュッ
金剛「Catch したネー! Fire!」ドォン
榛名「霧島…これはっ!?」
霧島「司令の、友人からのお土産らしいですっ! 食べると艦娘の錬度を一時的に引き上げる…!」
榛名「はい、榛名は察しましたっ!」
比叡「霧島っ! わ、私には…っ!」
霧島「三個しか渡されませんでした」
比叡「…」
護衛要塞s「szbndfwertrtghnikbvnhrtyh!!!!!!」
金剛「どうでもいいけど早速、使わせてもらうネ!」ガリッ
金剛「っ…!?」ドクン
護衛要塞s「guhjiozxcgvbjnmsdftgyhjklzxcgvbhn!!!!!!」バシュッ
比叡「お姉さまっ! 危ないっ!」
バゴォオオオオオオン
クマノ級「あら、あんな雑魚にやれてしまいますの?」
スズヤ級「ちょっとがっか―」
…ピーッ
スズヤ級「り?」
ドゴゴゴゴゴゴゴォン!!!!
金剛「ふっ…他愛の無い…」チッ
クマノ級「あら、無傷ですの?」
金剛「当然だ。貴様らに艦娘との格の違いを教えてやる」
比叡「お、お姉さま…?」
ドゴゴゴゴゴゴゴォン
榛名「タグ添付…分類…」チッ
スズヤ級「いいね、そうこなクっちャ―!」ドォン
クマノ級「つまりマセんワ」ドォン
パキン パリン
金剛「なにっ!?」
霧島「何!? 私のクラインフィールドが破られたっ!?」
クマノ級「ヒトヒネリデ、ダマラセテアゲマスワ♪」
スズヤ級「ウリャーッ!」ドォン
【屋内プール・大型】
バシュッ バゴォン
摩耶「やだやだー! 摩耶のこといじめちゃヤダー!」
摩耶「おい、これどうにかなんねぇのか!」
鳥海「お疲れ様です(笑)」
摩耶「お前何か仕込んだな、このや―うわっと、今のは危なかったなー」パキン
摩耶「くそがっ!////」
ヤヨイ級「…アノしーるど、ジャマ…」
モチヅキ級「アー…メンドクセェ…」ガチャン
ズガガガガガガガ
摩耶「ややうやううぉややだやだ、摩耶のこと虐めちゃやヤダー!」パキキキキキキキンッ
ムツキ級「オモシローイ」
摩耶「お前ら…」
ムツキ級「キャーッ」
ヤヨイ級「ムキズ…」
モチヅキ級「…フゥン…チョット、ヤルキワイテキタ…!」ガコン ガチャン
鳥海(弾薬、速度ともに艦娘が扱えるものじゃない…幾ら擬似C.フィールドとはいえ破られそうですね)
摩耶「ピアノ弾くよりもかんたーん♪ いっぱい撃っちゃおーっと♪」ドォンドォン
鳥海「摩耶、弾けるんですか?」
モチヅキ級「ヨッ…」バシュッ
摩耶「弾けるわけねぇだろ!」ガチャン バシュッ
ドゴォオオオオオオン
モチヅキ級「ソウサイ…!?」
摩耶「…でぇえええええええいっ!!!」ドォン
モチヅキ級「…!」
モチヅキ級「…!」
ヤヨイ級「モチヅキ…ドイテ…!」
ドンッ
モチヅキ級「ヤヨ―」
バゴォオオオオオオン
モチヅキ級「ヤヨイ…!」
ムツキ級「ニャッ!?」
ヤヨイ級「ッ…アレ…シンデナイ…?」
鳥海「摩耶、殺しては話が聞けなくなります」
ヤヨイ級「…ホウダンヲ…ネラッタ…」
ムツキ級「ヤヨイヲタスケテクテタノ?」
鳥海「これ以上は貴方達の負けです。情報提供してくれれば、殺しはしません」
ムツキ級「ムゥ…ナメラレテルニャリ~」
ヤヨイ級「オコッテナンカナイヨ…オコッテナンカ…」
摩耶「別にあたしらは取って食おうってわけじゃないんだ」
モチヅキ級「ワタシハ、イイケド…ドウスンノ…?」
ヤヨイ級「…イイケド…ベツニ…」
鳥海「ありがとうございます…こちらもそろそろ時間ですから♪」
ズシャァ
摩耶「な…なんだこれ…体重い…」
鳥海「超過駆動のツケですね。計算ではそろそろでしたよ」
摩耶「お前…」
ムツキ級「ナニヲキキタイノ? コノムツキガコタエテヤルニャシ♪」
鳥海「…誰に薬を打たれたか覚えていますか?」
モチヅキ級「…アア…ソレ…」
ムツキ級「モチロン、オボエテイルノデス!」
鳥海「教えてください。その人を問い詰めればみんなを治す方法があるかもしれません」
モチヅキ級「…メンド…」
ヤヨイ級「…離島棲鬼…デス…」
【ダクト】
Z1「な、なんでボクたちはダクトを通ってるのかな、うん」
菊月「…潜入任務の基本だ」
三日月「ダクトは何かしらの部屋に繋がっていています。物音さえ立てなければ偵察にもうってつけです」
菊月「…ダンボールも携帯食品もFA-MASも無限バンダナも用意してる」
Z1「そ、そうなんだね。初めて知ったよ、うん…」
Z3(レーベのお尻…レーベのお尻…)ハァハァ
菊月「…終着点か。降りるぞ」
ガッガッ ガコンッ
スタッ
Z1「うわっ!?////」
三日月「は、裸の女の子…!?///////」
ゴポォッ
Z3「…水槽…培養している?」
菊月「…これは、艦娘か」
Z1「艦娘っ!?」
菊月「…これ、艤装だな」
Z1「あ…うん、本当だ…」
三日月「これは…神風…こちらは、戦艦三笠…ですかね?」
Z1「…リシュリュー…に、グラフツェッペリン…だね、うん…」
Z3「これは…何? …氷…?」
「氷山空母、ハボクック」
菊月「…誰だ」チャキ
大鳳「ここの責任者をしています」
菊月「…いろいろ聞きたいが、答えてくれるか?」
大鳳「答えられる範囲であれば答えます」
菊月「…ここは、何だ?」
大鳳「艦娘の試作型を製造する工場、といえば、分かりますか?」
菊月「…深海棲艦を生み出す素があるのは本当か?」
大鳳「素、というより、存在定義に近いものなら存在します」
三日月「存在定義?」
Z1「それを壊せば、深海棲艦がいなくなる?」
大鳳「…おそらくは。この部屋にはありませんけどね」
菊月「…なぜそこまで話してくれるんだ?」
大鳳「…離島棲鬼の指示です」
Z3「君が…協力者?」
大鳳「はい」
三日月「案内お願いできますか?」
大鳳「…それは、出来ません」ピッ
ガラガラ ガシャン
Z3「閉じ込められた…」
菊月「…どういうことだ」
大鳳「皆さんを巻き込んでしまって申し訳ありません」
三日月「…巻き込む?」
大鳳「もう十分です。大人しく深海棲艦になってください」ガチャン
Z3「まったく事情が読めないけど…」
三日月「戦意を削いでから、事情を聞きましょう」
Z1「装甲空母か…うん、ちょっと嫌だけど…大丈夫」
菊月「…全艦、戦闘準備」
大鳳「……」
【深部】
女提督「うん、分かった…戻っていいよ」
ヴュン
夕雲「他の艦は全て外れたみたいですね…」
女提督「建物の作り方からみると、あとはこの先だけかな?」
離島棲鬼「…タブン…コノサキ…」
夕雲「一本道、何かがこの先に居たら回避は難しそうですね」
離島棲鬼「…テイトク…サキニイッテクダサイ…」
女提督「ん~?」
離島棲鬼「…ココデ…オッテヲクイトメマス…」
夕雲「確かにここを守れば誰も先にはいけませんけど…」
離島棲鬼「…シンパイ…イラナイ…」
女提督「それじゃ頼んだわよ、さっさと壊して戻ってくるから」
離島棲鬼「…オマチシマス…」
夕雲「…」
タッタッタッタッタ
離島棲鬼「…」
離島棲鬼「…フフ…」
タッタッタッタッタ
レ級「レレレノレー! オルスバンデスカー!」ヒョコ
離島棲鬼「…キタ…」
レ級「レレレ? ナンデ? アタシウザイー?」
古鷹「提督は?」
戦艦棲姫「…オク…?」
離島棲鬼「…ソウ…ススンダケド…」
離島棲鬼「…イヤナオミヤゲ…モッテキマシタネ…」ガチャンッ
古鷹「お土産?」
離島棲鬼「」ドォン
バゴォオオオオオオン
駆逐イ級「グォオォォォォ……」プスプス
加古「つけられた!?」
戦艦棲姫「メンドウネ…」ドォンドォン
ズゴォオオオン ドゴォオオオオン
古鷹「も、もう、私達いらないかもね…」
「ぅわぁああああああっっっ!?」
古鷹「人っ!?」
レ級「ココニモイタンダー」
加古「行くよ! 古鷹っ!」ダッ
古鷹「うん!」
離島棲鬼「…ナニヲ…スルツモリ…?」
古鷹「何って、深海棲艦に襲われているなら助けなきゃ…」
離島棲鬼「…ドウシテ…?」
古鷹「どうしてって…」
加古「そういうもんだろうがっ!」ドォン
離島棲鬼「…」
バゴォオオン
加古「よし、一丁あがり♪」
「あ…ありがとうございますっ!」
離島棲鬼「…ニンゲンハ…―」ガチャン
離島棲鬼「…シネバイイノデス…」ドォン
ドゴォン
「ぐわぁあああああっっっ!」
加古「お前…っ!」
離島棲鬼「…オツトメ…ゴクロウサマデシタ…」
加古「何言って…」
ピトッ
加古「…る…」
レ級「ウルサーイ」ガチャン
ドォン
加古「…がっ…はっ…!」
ビチャッ
古鷹「か―!!!!」
戦艦棲姫「…」ガチャンッ
ドォン
古鷹「っ!?」
ドサッ ドサッ
離島棲鬼「…フタリトモ…オクヘ…」
レ級「フッフフーン♪ アタシヒトリデジュウブンダケド?」
戦艦棲姫「ヨウジンニ、コシタコトハナイ」
離島棲鬼「…オンナテイトクヲ…コロシテキナサイ…」
レ級「オッケー!」ダッ
タッタッタッタ…
古鷹「か……こ…」
加古「…ふる……た…か…」
離島棲鬼「…」ガチャン
離島棲鬼「…」ガチャン
ドォン ドォン
グシャッ ビチャッ
離島棲鬼「…」
スタッ
「…見つけた…やっと…!」
離島棲鬼「…ダレ…デスカ…?」
??「…こうして会うのは初めてになるわね」
??「私は阿賀野型軽巡洋艦二番艦、能代―」
離島棲鬼「…アガノ…?」
能代「あなたが殺した姉妹艦よ」
【エレベーター前】
明石「皆さん! 早く海上に逃げてください!」
重巡リ級「グルゥウウアアアアッッッ!!!」
明石「当たって!」ドォン
バゴォオオン
重巡リ級「グゥゥゥゥ…」
明石「ふぅ…良かった、当たった…」
明石「昇ってきて正解でしたね。深海棲艦も昇ってきてました…」
駆逐ロ級「ガァアアアアアッッッ!!!」
明石「くっ…こっちにも…!」ドォンドォン
ドゴォオン バゴォオオオオオン
明石「うぅ…私だけじゃ…」
重巡リ級「…グルァアアアッッッ!!!」
明石「しまった…まだ…!」
ムツキ級「テェーイッ!」バァン
重巡リ級「グゥッ!?」ドゴォン
ヤヨイ級「ホウライゲキセン…イイ?」バシュッ
モチヅキ級「アーメンドクセェ…マ、イイケドッ!」バシュッ
ドゴォオオオオオオオン
ムツキ級「ニャハハー! ムツキヲホメテモヨイゾー!」
モチヅキ級「シトメタノハ、アタシラ…マ、イイケド…」
明石「し、深海棲艦!?」
鳥海「大丈夫ですよ。彼女たちは協力してくれています」
明石「鳥海さんに…摩耶さん…」
摩耶「あたしら、まんまと嵌められたみたいだな」
明石「うぇ…?」
鳥海「離島棲鬼の目的は人間の排除」
鳥海「そのためにこのエレベータの扉を開けさせ、地下にいる深海棲艦を地上に放つことが必要だったみたいです」
明石「でもなんで、その深海棲艦と一緒に?」
ヤヨイ級「…ジカンカセギハ、オワッタカラ、ジユウニコウドウスル…」
摩耶「だとよ。こいつらは時間稼ぎが主な目的だと」
鳥海「さてと…明石さんもう少し時間稼いでいただけますか?」
鳥海「管制室にアクセスしてここを閉鎖させます」
摩耶「あの離島棲鬼を逃がさねぇぞ」
明石「で、出来るんですか?」
鳥海「私の計算力を舐めないで下さい」メガネクイッ
鳥海「プラグイン! トランスミッション!」カチャ ピーッ
ヤヨイ級「…テキ、キマシタ…」
摩耶「怖いなら、あたしの後ろに隠れてなっ!」
モチヅキ級「ウン、ヨロシク」サッ
摩耶「おい」
鳥海「多数の艦娘がここに集合している…」ピッ ピッ
鳥海「まさか…」
【艦娘群】
「大本営に進軍する全ての艦娘に告げる」
「軍部が深海棲艦を所有し、私たちを戦わせている」
「敵は大本営だ。指名手配されている女提督は気づき、反旗を翻した」
「皆、静かな海でs―」
ヒュン ドゴォオオン
伊勢「日向!」
日向「…当ててくるな」ボロ
伊勢「多分、私たちを反逆者と見なしたね」
日向「あの眼鏡…全然、効果が無いじゃないか」
伊勢「多分、お偉い様は関係者全員封殺するつもりなんだね…」
日向「討伐命令を受けた彼らも直に、な」
伊勢「止まってくれないなら制圧するしかないね」
日向「最初からそうすればよかったんだ」カチッ
パキン パァアアアン
伊勢「これが…提督の置き土産…ちょっと、格好いいかも…」
日向「…やっと私が時代に追いついたか」
伊勢「よし…“ひゅうが”行くよ!」
日向「DDHの真の力、思い知れ!」
【眼鏡提督の母港・執務室】
能代―離島棲鬼…―
眼鏡―艦娘の深海棲艦化計画第一被検体であり、脱走した深海棲艦―
能代―……―
眼鏡―彼女の目的は僕ら軍部の壊滅、そのために君らを深海棲艦として取り込もうとした犯人―
能代―自分の体を変えられた恨みでしょうか?―
眼鏡―…それはね―
ガチャッ
朧―司令官、大本営から極秘電文です―
眼鏡―裏切り者、ですか…―
能代―…提督…!―
眼鏡―来ますか? 能代さん―
眼鏡―貴方の提督をこれから討ちに行きますが―
【深部】
能代「…薬作ったの貴方らしいね」
能代「丁寧に軍の命令より自分の命令が上位に来るように仕向けさせて」
離島棲鬼「…ワタシハ…ナニモ…シテナイ…デスヨ…?」
能代「そう? ここにレ級が出入りしていたことも、幹部を脅して私達に薬を送らせたことも貴方だって知っているわよ」
離島棲鬼「…ソウ…ヨクシラベタワネ…」
能代「貴方さえ居なければ…酒匂も…阿賀野姉も…!」
離島棲鬼「…ウッタノハ…オンナテイトクヨ…?」
能代「そうね…。貴方を殺したら一発ぶん殴るわよ!」ガチャン
離島棲鬼「…アナタノソウビジャ…ワタシハ…」
能代「っ!」ドォン
バゴォン
離島棲鬼「…」パラパラ
能代「どうかしら? DDHの火力は」
離島棲鬼「…イイデショウ…」スッ ポタッ
護衛要塞s「」ヌッ
離島棲鬼「…アソビマショウ…」
護衛要塞s「wdergbnkoleyubnmlpplpcswdef!!!!!」
能代「…砲雷撃戦、始めます…!」
離島棲鬼「…カワイイ…カワイイ…オニンギョウサン…」クスッ
【最深部】
バァン ドゴォオオン
夕雲「…びくともしませんね」
女提督「うぅ……」
夕雲「提督、大丈夫ですか?」
女提督「ちっとばかし気分悪い…」
夕雲「お座りになってください。私が何とか扉開けますから」
女提督「面目ない」ストッ
夕雲「…取っ手も無ければ、操作パネルのようなものもない…」ペタッ ペタッ
夕雲「センサーにしてもカメラのようなものはあたりに見当たらないですね」
女提督「隠しカメラなら分からない場所にあるかもよ?」
夕雲「それもそうなんですけど…」
夕雲「…?」クルッ
女提督「夕雲ちゃ~ん?」
夕雲「…提督、伏せてください」チャキッ
女提督「はいぃ?」
夕雲「」バァン
…ゴォオオオオオンンッッッ!!!!
女提督「あばばばばばばばばばば!?」
夕雲「…」
レ級「アレレレノレー? ソウサツシタノー? スゴーイ」
夕雲「…なんのつもりですか? レ級」
レ級「離島棲鬼チャンガ、コワシテイイッテ、イッタカラー」
女提督「…最初から深海棲艦の動力源を壊すつもりはなかったの?」
レ級「モチロン!」
レ級「コンナタノシイカラダ、テバナシタクナイヨネ♪」
女提督「…信じてたのになぁ」
夕雲「いやですよね。信じるものは救われないなんて」
女提督「私は夕雲ちゃんがいるだけで救われてるよー!」
夕雲「ありがとうございます♪」
レ級「ドーデモイイケド…コウゲキシテイイ?」
女提督「…今ならまだ許しちゃうかもよ?」
レ級「ソレダト、タタカエナイジャーン」
女提督「オッケー…夕雲、倒していいよ」
夕雲「分かりました」
レ級「コンドハ、モウチョット、タノシマセテネー!」
夕雲「あんまり余裕見せてると死にますよ?」
【深部】
能代「ぐっ…!」ドォンドォン
護衛要塞A「dcfgvbhujikolphujiko!?」バゴォン
護衛要塞B「edrftgyhuzxdcfgvboijykmhngv!!!!!」ガパッ
能代「この…気持ち悪いっ!」ブンッ
グシャッ ドゴォオオオン
離島棲鬼「…フフッ…」スッ
能代「!」
ガシッ ベギィッ
離島棲鬼「…ブキガツヨクテモ…ベースガオナジデハ…ネ…」
能代「…ぐ…ぁ……!」
離島棲鬼「…クビ…シメラレルト…クルシイ…?」
ミシミシ
能代「か…っ…!」
離島棲鬼「…コレ…ワカル…カシラ…?」チャプッ
能代「…!」
離島棲鬼「…シマイガスキナラ…オナジニシテ…アゲナイトネ…」
キュポン
能代「が…ぁっ……!」
離島棲鬼「…コレデ…アナタモ…ワタシノ…」
ヒュン パリン
離島棲鬼「…エ?」
ドォン
離島棲鬼「…」パッ
能代「が…はぁ…はぁ…」ドサッ
ドォンドォン
離島棲鬼「…」ガシッ グイッ
護衛要塞C「zxbazsrbyhaawaecfgl!!!!!!?????」バスッ バスッ
「ひどいわね。自分の部下を盾にするなんて」
能代「!」
離島棲鬼「…」ポイッ
ドォン ビチャッ
矢矧「私の姉に妙なことしないでくれるかしら」
能代「…」
矢矧「また会ったけど、敵同士にはならなかったみたいね」
離島棲鬼「…ワタシハ…ミカタ…デスヨ…?」
矢矧「あの行動を見たら、そうは思えないわ」
離島棲鬼「…」
菊月「…言い訳はしなくていい」
三日月「あなたの目的は判明してます」
大鳳「…」
離島棲鬼「…ソウ…ハナシタノネ…」
Z3「目的は破壊ではなく保護」
Z1「それがある限り、深海棲艦は無くならないからね、うん…」
離島棲鬼「…ソノサキハ…アナタタチトオナジネガイ…ナノヨ…?」
【深部・通路】
由良「深海棲艦の支配?」
戦艦棲姫「ヒトハゼンブミニクイ…ナラ、スベテヲ、ワタシタチガシハイスル」
由良「多分…あなたたちは悪い大人に出会っただけ…」
由良「人間の中には、私の提督さんみたいなひともいるんだよ?」
戦艦棲姫「…」
由良「ね?」
戦艦棲姫「…モトモト、ワカッテモラエルトハオモッテナイ…」ガチャン
ドォン ドゴォオオオオオオオン
戦艦棲姫「……」
戦艦棲姫「…レ級、ボウソウシテナイト―」
由良「痛っ…」
戦艦棲姫「…ナニ?」
由良「いたたた…」
戦艦棲姫「コノ…!」ドォンドォオン
ズゴォオオン ドゴォオオオン
由良「痛いってば…」
戦艦棲姫「ムキズ…ドウシテ…!」ドォンドォンドォン
戦艦棲姫「ゼンブ、アタッテルハズ…ナノニ!」ドォンドォン
ドゴォン ズゴォオオン ドゴォオオオオン
戦艦棲姫「ハァ…ハァ…」
由良「だから痛いって…」
戦艦棲姫「…!」
由良「…私、痛いのは嫌なんだけど…」
戦艦棲姫「…バケモノ…!」
由良「死ぬのは…もっと嫌だから、ね?」カツカツ
戦艦棲姫「クルナァッ! バケモノッ!」ドォンドォン
ズゴォオン ドゴォン
由良「…砲雷撃戦、開始します」プスプス
【最深部】
レ級「ソォイッ! ソォイッ! ソォオオオオイッ!」 ドォン ドォン ドドドドドォン
ヒュン ヒュン
夕雲「ふふっ…雑ですよ?」バァンバァン
レ級「ニャハハ♪ ムダムダァーッ!」パキンパキンッ
女提督「…以前より硬くなった?」
レ級「おーるらいっ!」
夕雲「厄介ですね…」バァンバァン
レ級「オットォッ?」ヒョイ
女提督(避けた…!)
夕雲「…目や口は当てて欲しくないみたいですね?」バァンバァン
レ級「モォ! ヤメテヨー♪」ヒョイッ ドォン
ズゴォン
夕雲「っ…」ヒョイッ
レ級「ニッヒヒー」ヌッ
女提督「至近距離…!?」
夕雲「いつの間に…!」
レ級「ぱーんちぃ♪」シュッ
バシンッ
夕雲(…拳も、重い…!)ビリビリ
レ級「アハッ♪ モウイッパツゥ♪」シュッ
夕雲「でも…」
スカッ グイッ
レ級「オウッ!?」
夕雲「…そんなに近づくと避けられませんよね♪」ピトッ
バァン ヒュンッ
夕雲「…!」
レ級「エ? ナンダッテ?」ガシッ
ブンッ
バガァァァアアアン
夕雲「く…ぁ…っ!?」
女提督「夕雲っ!」
レ級「エー? ソレダケェ? モノタリナーイ」ゲシッ
夕雲「く…ぅぐ…!」
レ級「ナーンカ、キタイハズレカナァ」スッ
バギッ
夕雲「…っ!」
レ級「ダイジョーブ、チャーントコワシテアゲルヨ?」
レ級「マズハ、アシカラネ♪」グリッ
夕雲「く…ぁあっ…!」
レ級「イタイ? イタイ? ソレハヨカッタァ♪」グリグリ
夕雲「ぅ…あ…ふぅ…!」
レ級「キャハ♪ …オレチャエ」ググググ
夕雲「ぁ…ああああああああああああっっっ!!!!」
ゴッ
夕雲「!」
ヒュン ゴガァアアアン
女提督「ハァ…ハァ……」
夕雲「提督…ありがとうございます…」
女提督「…ァ…グ…!」
夕雲「…提督…?」
女提督「グルァアアアアアアアアアアアッッ!!!!」ブンッ
夕雲「…!」タッ
夕雲「…!」タッ
スカッ バガァアアン
夕雲「…提督…」
女提督「ァアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」
夕雲「提督! 気を確かにっ!」ガシッ
女提督「ガァアアアアッッッ!!!」ブンッ
バァアアアアアン
夕雲「ぐ…ぅっ…」
女提督―もしも私がああなったらどうする?―
夕雲「……」ガシャンッ
―私が殺します―
夕雲「…っ」
バァン
【生産場】
金剛「大きいネー」
比叡「次々と深海棲艦が生産されてますねー」
霧島「今、機械を止めてみます」ピッ ピッ
金剛「ここで食い止めれば提督の役に立つネ!」
榛名「提督の後を追わせるわけには行きません!」
比叡「気合い、入れて、行きます!」
霧島「…ロックをかけていますか…なら…」ピッ ピッ
ギュィィィィィイイン
金剛「Hey, 姐さん! 次々作り出してどうするデース!?」
霧島「見ていてください。私のデータが正しければ…」
ピッ バゴォオオオオオオオン
榛名「機械が壊れた…」
霧島「ふふっ…計算通り」
比叡「でも…」
「グルァアアアアアッッ!!!」
「ガァアアアアアア!!!」
「グゥウウウウウッッッ!!!!」
金剛「お、多いネー…」ドォン
霧島「幾らザコとはいえ…時間がかかりそうですね…」ドォンドォン
榛名「先ほどのお土産ここで使うべきだったでしょうか…」ドォンドォン
比叡「……」
金剛「比叡、How are you ?」
比叡「…どうして…私だけ…」
榛名「きゃっ!?」
戦艦リ級「…」ドォン
霧島「比叡姉さん!」
比叡「…どうして私だけ…」チッ
バギィイイン
金剛「あれは…!」
霧島「…C.フィールド…!」
比叡「…イベントに呼ばれなかったんでしょうか…」ギュィィィン
ピーッ ドゴゴゴゴゴゴォオン
比叡「まあいいでしょう」
榛名「ヒエ―」
比叡「この鬱憤、貴方達で晴らさせてもらいます」
霧島「」
榛名「」
金剛「Who ?」
蒼龍「あ、もしかして必要なかった??」ザッ
榛名「蒼龍さん…飛龍さん…」
霧島「いえ…数が多ければその分早く終わりますから」
蒼龍「なら手伝うね」
飛龍「ほら、さっさと働きなさい」ジャラ
ズイカ級「くっ…なんで私が…」
飛龍「やれやれ…」ブンッ
ズイカ級「あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!!!」ベチィン
ショウカ級「ひっ…」
飛龍「多聞丸のシゴキはこんなものじゃないですよ?」ニコッ
金剛「」
榛名「」
霧島「と、とにかく…早く終わらせて司令に追いつきましょう!」
飛龍「よし! 攻撃隊、発艦!」
蒼龍「そうね、大物を狙っていきましょう!」
ショウカ級「さぁ…いくワヨ…」
ズイカ級「アウトレンジデ、キメタイワネ!」
榛名「榛名、全力で参ります!」
金剛「全砲門ファイァアアアアアアッッ!!!」
【最深部】
バァン
バスッ
女提督「グゥッ―」
夕雲「あ…」
女提督「グゥアアアアアアアアアッッ!?!?」
夕雲「あ…ああ…」
女提督「アァアアアアアアアアッッッ!!!」
夕雲「提督…!」
レ級「イタイナァ! ニンゲンノ、クセニッ!」ガチャンッ
夕雲「!」
ドォン
バゴォン
夕雲「く……ぁ……」
女提督「アアアア……あ…ァ…」
ビチャッ
女提督「……ユウ…ぐ…も…?」
バタッ
レ級「ア~ア…コワレチャッタァ♪」
夕雲「…ぅ…!」
女提督「夕雲っ!」
夕雲「あ…ぁ…かふっ…」
ポタッ…ポタッ…
女提督「ゆうぐもぉっ!!!」
夕雲「よ…かった…もとに…」
女提督(やだ…このままじゃ…やだぁ…!)
霧島―若干、高速修復剤と同じ効果がありますね―
女提督「!」
夕雲「…く…やし…ぃ…」
グイッ
夕雲「―っ!!!!」
女提督「むぐ…んぐっ…」
女提督「…ぷはっ…はぁはぁ…」
夕雲「…て、いとく…」
女提督「駄目だよ…ゆうぐもぉ…私…嫌だよ…!」ギュッ
夕雲「ぅ…」
女提督「勝って…夕雲…私の…艦娘でしょ…? 私の秘書艦でしょ…」ギュッ
夕雲「…」トクンッ
女提督「負けちゃ嫌だよ…! また耳掻きしてほしいし…ご飯作るから…」
女提督「ゆうぐもぉ…まだ、私―」
ピトッ
女提督「…ゆう…ぐも…」
夕雲「提督…」
夕雲「…満たされ、ました♪」
夕雲「そう…で、すね…最強の提督の、秘書艦が…こ、こで負けるわけにはいけませんね」スタッ
レ級「ネェー。マダナニカアルノォー?」
夕雲「…は、い…お待たせしましたね…」
レ級「ヘェー…ヒダリウデ、ウゴカナイヨー?」
夕雲「…いいハンデ、ですよ」
レ級「カチーン」
夕雲「提督…先ほどの接吻…私初めてでしたよ…?」
女提督「…あ…うん、…ご、ごめ―」
夕雲「帰ったら…続き、期待してますからね?」
女提督「…あ…」
レ級「ケッコウ、イウジャン…アハッ♪」
夕雲「主力、オブ、主力…夕雲型ネームシップの底力、見せてあげるわ」ダッ
レ級「ミセテミセテー!」ドォンドォン
ヒュン ヒュン
レ級「!」
夕雲「そんなの当たりませんよ?」バァン
レ級「アハッ♪ キカナイヨォ?」パキンッ
夕雲「…では、これはどうですかっ…!」ブンッ
レ級「ッ!」
バギッ!
女提督(速い…!)
夕雲(兵装の装甲も硬い…!)
レ級「キクワケ、ナイッショー!」ブンッ
夕雲「おっと…」タンッ
スカッ スタッ
夕雲「ぐっ…」ズキッ
レ級「トマッタラ、ダメダヨ♪」ガチャンッ
夕雲「ふふっ…」
レ級「?」
夕雲「それは…お互い様ですよ…?」ガチャンッ
カランッ コロンッ
レ級(バクライ…?)
夕雲「ふふっ…」バァンバァンバァン
レ級「ナニカンガエルカ…シラナイケド!」ドォン
バゴォン
夕雲「ぐ…ぁ…っ!」
パァン バァンッズゴォンッゴォンッドォンッ
レ級「クゥッ…ツチケムリガ…!」
―カタンッ
レ級「ソコッ!」ドォン
パリンッ
レ級(タンショウトウ!?)
夕雲「…面白いように引っかかるわねー」スッ
レ級(ウシロ…!?)
ガッ ガコンッ
夕雲「砲身の中を撃っても無傷ですかね?」
レ級「ヒダリウデ…ナクナルヨ?」
夕雲「試して、みま…しょうか…?」
レ級「…マジ?」
夕雲「…大マジです♪」
バァン ドゴォオオオオオオオオン
レ級「グゥッ!!!」
ボタッ ボタッ
夕雲「はぁ…はぁ…」
レ級「…アハッ! アハハハハハッ!!! イタイイタイイタイイタァァァァイッ!」ヴュンヴュン
夕雲(艦載機…!)ガチャンッ ズガガガガガ
レ級「イタァイヨォ! イタクイタクテェ…キモチイイイネェ!!!」クイッ
女提督「夕雲! そいつらは特攻機よ!」
夕雲「っ!」
バゴォン ズゴォン ゴォオオン
レ級「モウダメ…キモチヨスギテ…ガマンデキナイッ…♪」ダッ
夕雲「……!」
ガシッ
レ級「ブッコワシチャウネ! オモイッキリィ!」ガチャンッ
夕雲「!」
ドォオン ズゴオオオオンン ドゴォオオオン ボォオオン
夕雲「ぁ…ぅ…!」
レ級「ホラッホラッホラホラッ!!!」
夕雲「ぁあああああっっっ!!!!」
女提督「夕雲…」
レ級「イタイヨネェ♪ モット、イイカオ―」
ゴスッ
レ級「~~~~~~~ッ!!!」パッ
夕雲「頭突き…ってするほうも…い、たい…ですね…!」ズキズキ
レ級「コノォッ!」ブンッ
スカッ
レ級「…!」
夕雲「うち、の…高速戦艦、のほうが…いいパンチ…しま、すよ…!」シュッ
ドスッ
レ級「ッ…!」
夕雲「…ゆ、だん…大敵で、すよ…」ピトッ
バァン ドゴォォオオン
レ級「ガハッ…!」
女提督「当たった…」
レ級「ゥゥ…ァアアアアッッッ!!!」ドォン
ドゴォンッ
レ級「ア…ハッ♪」
ザッ
レ級「!」
夕雲「…なに、が…面白いんですか?」ガチャンッ
バァン ドゴォンッ
レ級「ァ…クゥ…!」
夕雲「…まだ…まだっ!」シュッ
ドスッ バガァアアン
夕雲「ふぅ…ふぅ………っ!」
ガコン
レ級「…ガァ…アグ…ッ!?」
夕雲「ふふっ…口の中で、魚雷…管、爆発した、らぁ、ど…うなるんですかね?」
レ級「ア…アハハハハハハッ!!!」
夕雲「…ふぅ…ふぅ…」
レ級「ヒンヒャウノォ…♪ ワハヒ…ヤットヒネルノォ?」ポロポロ
夕雲「…は…い…。眠って、ください…ね…」ガチャンッ
レ級「アハ…ハハハ…♪」
バシュッ
ドゴォオオオオオオオオオン
女提督「っ!」
ビチャッ
夕雲「ふぅ…はぁ…ふぅ…はぁ…ぁ…」
ドサッ
女提督「夕雲っ!」ダッ
ガシッ
女提督「ゆう…ぐもぉ…」
夕雲「だい、じょ…うぶですよ…見た目ほどダメージ受けてませんし…死には…しません…」
女提督「…ちょっと我慢してね」シュル
ギュッ
夕雲「っ―!」
女提督「…よ、よし…血が止まった…」
夕雲「てい、と…く……ありがとう…ございます…」
女提督「…一度、も…戻って…明石さんに…」
夕雲「いえ……先…進みましょう…」
女提督「でも…」
夕雲「見て、く…ださい…」
女提督「あれ…? 開いてる…」
夕雲「次…いつ開くか…分からない、ですよ…?」
女提督「……」
夕雲「……」
女提督「…背負うから我慢してね」
夕雲「私の血が…」
女提督「汚くない。むしろウエルカム」グイッ
夕雲「っ!」
ポタッポタッ
女提督「よし…いくよ…」
夕雲「はい…提督…」
【追憶】
「提督! 新たな艦娘を発見しました!」
「…」
「大丈夫ですか?」
「…はい…大丈夫です…」
「一緒に来ませんか? 私たちの母港に」
「…分かりました…あの…」
「私の名前は大鳳です。あなたは?」
「私は―」
??「…深海棲艦化計画…?」
大鳳「沈んだ艦娘を深海棲艦にして…また戦わせるつもりですか…」
??「…いえ…提督が…謝ることはありません…」
大鳳「私達が戦い、国のためになるなら、それでもいいでしょう…」
??「…私達は…提督についていきます…」
??「…ン…」
大鳳「気分はどうですか?」
??「…ヨクハナイ…ケド…イシキハ…ハッキリシテイル…」
大鳳「良かった…」
??「…ジッケンセイコウ…」
大鳳「でも、どうして自分から薬の実験台になるって言ったの?」
??「…テイトクガ…スキダカラ…」
大鳳「えっ!?」
??「…ライバル…ニナルカモネ…」クスッ
大鳳「提督、お帰りな…」
??「…ドウシタノ…? ソンナニ…アワテテ…」
大鳳「深海棲艦の薬ですか? まだ作っていませんけど…」
??「…イキタカンムスニ…シヨウスル…!?」
大鳳「そんな話が―あの人ですね…」
??「…ニゲル…? ワカリマシタ…ニヅクリシテオキマス…」
ピンポーン
大鳳「お客さん…でしょうか? あ、すみません、お願いします」
バァン
??「…テイトク…?」
大鳳「提督!」
バタンッ
??「…ア…アア…!」
大鳳「提督! しっかりして下さい! 提督!」
??「…ユルサナイ…! ゼッタイニ……ッ!!」ドォン
大鳳「だから彼女は正当防衛です!」
大鳳「彼女は元は艦娘で深海棲艦化の薬を…!」
大鳳「全部…貴方の仕業なんですね…幹部…」
大鳳「薬の作りたくて、私の提督を利用して! 彼女を人質に私に薬を作らせようとして、提督を殺して…!!」
大鳳「…わかりました…薬…作ります…」
大鳳「ただし、彼女を私の助手として…解放させてください…」
??「…離島棲鬼…」
離島棲鬼「…イマノワタシニハ…フサワシイナマエネ…」
戦艦棲姫「…港湾棲姫ガヤラレタソウデス…」
離島棲鬼「…ワカリマシタ…」
レ級「ウニャー…ヒマヒマヒマァッ!」
戦艦棲姫「テカゲンデキナイデショ、シサクガタナンダカラ…」
レ級「ダッテェ…タタカイタイ…」
離島棲鬼「…ワタシニツイテキテクレテ…アリガトウゴザイマス…」
女提督「たのもーっ!」
女提督「酒匂を返しなさい! 離島棲鬼ちゃん!」
離島棲鬼「…ココマデクルトハ…イイデショウ…」
離島棲鬼(コノテイトクノチカラガ…テニハイレバ…)
【深部】
ガチャンッ
能代「…はぁ…はぁ…」
離島棲鬼「…」プスプスッ
能代「これで…!」ガチャンッ
大鳳「待ってっ!」
離島棲鬼「…クヤシカッタ…ダケカモ…シレナイ…」
能代「…」ピタッ
離島棲鬼「…セカイヲナオス…トイウ…セイギガ…ホシカッタダケ、カモ…シレナイ…」
離島棲鬼「…タイセツナヒトヲ……ウシナッタ…」
離島棲鬼「…ソレガ…タダ、クヤシカッタ…」
菊月「…復讐か…」
能代「殺されたからまた殺す…」
離島棲鬼「…ソレハ…アナタガ…ヨクシッテル……?」
能代「…」
離島棲鬼「…カンジョウハ…リセイヲ…オサエラレナイ…」
矢矧「…」
離島棲鬼「……アイシタブン…ニクンデシマウ…デショ?」
能代「…」スッ
矢矧「能代姉さん…」
能代「私は…あなたとは違う…!」
離島棲鬼「…カタキヲ…トラナイノ…?」
能代「っ!」ギリッ
ドォン
離島棲鬼「ゥッ…!」バスッ
矢矧「能代!」
能代「簡単に殺しはしない…」
能代「罵ってっ! 痛めつけてっ! 気が済むまでっ! 何度も何度も気が済むまでっ!」
離島棲鬼「…イイデショウ…ソレナラ…」ガチャンッ
Z3「!」
Z1「待っ―」
離島棲鬼「…先に眠らせて頂きます…」ピトッ
ドォン ビチャッ
【最深部】
ピチャンッ
女提督「地底湖?」
夕雲「色々…浮いてい…ま、すね…」
カツンッ
女提督「…手帳?」
パラパラ
女提督「…」
夕雲「人の…血…」
女提督「日記だ…」
夕雲「…戦いたくない…開戦派がなぜ戦わない…多くは、上層部の批判ですね…」ピラッ
女提督「…っ」
夕雲「…この人…上官の命令で…人を殺してますね…」バリッ
女提督「…しかも赤ん坊…五月蝿いと…いう、理由で……」
夕雲「…」ピクッ
女提督「…他に…人骨にお守り…欠けた勲章…全部…」
夕雲「提督、降ろしてください…誰か、居ます…」
ピチャンッ
女提督「…誰?」
??「…」
夕雲「長月…さん?」
長月「…それガ深海棲艦を動かス源です」
女提督「…長月は…あの時…」
夕雲「様子が…おかしい、ですね…」
長月「でも、艦娘が…どうなるか分かりマセん」
夕雲「…」
長月「艦娘ト…深海棲艦は…おナじ本質を持っている…」
長月「戦イハ…どちらモ…望んでいない」
女提督「…はっきり言ってくれるかしら?」
五月雨「それを失えば…艦娘も消エる…かもしれない」
夕雲「艦娘が…消える…」
女提督「あなたは…いいの?」
長月「…海ノソこ…でも、安心して眠れなイのなら…英霊の元へユきたい…」
女提督「そう…分かった」
長月「どうするか…は…任セます…」
長月「…コノ身体は…既に…」フラッ
女提督「…」パサッ
長月「…」
女提督「長月…」
夕雲「…」
女提督「…夕雲…」
夕雲「…壊しましょう」
女提督「いいの?」
夕雲「そのために…こ、こまで来ましたから」
女提督「うん…分かった…」
夕雲「…」
女提督「うぅ…」グスッ
夕雲「もう…そんな可愛い顔…しないで…く、ださい…」ナデナデ
女提督「ゆうぐもぉ…」
夕雲「あ…そうだ…こ、れ…なくしちゃ…いけませんから…」
女提督「耳掻き…?」
夕雲「持って、て…ください…ね…提督がく、れた物で…すから…消えないはずです…」
女提督「…待ってるからね…」ギュッ
夕雲「…はい」
女提督「…夕雲…お願いね…」
夕雲「…」
女提督「夕雲…」
ポタッポタッ
夕雲「…嫌ですよ…わた、しだって、提督と離れるなんて…嫌ですよ…」
女提督「…夕雲」
夕雲「分かっていました…いつか…こんな…別れる日が来るって…」
夕雲「でも……いざとなると…嫌です…」ポロポロ
女提督「………」
夕雲「ごめん、なさい…甘えるのは提督なのに…」
女提督「いいよ…夕雲…今は…これからも甘えていいんだからね…」
夕雲「…て、いとく……」ゴシゴシ
夕雲「あの…抱きしめてくれますか…?」
女提督「もぉー、可愛いなぁ!」ダキッ
夕雲「…離さないで下さいね」
女提督「…うん」
夕雲「…標的、前方浮遊物…」ガチャン
女提督「…」
夕雲「…誤差修正…装填完了…」カチッ
女提督「…」ギュッ
夕雲「砲撃…開始…!」
バァン
ピチャン…
ゴォオオオオオオオオオン
【白い砂浜】
「…静か、ですね」
「…とりあえず家を作りましょう。日向や伊勢が来るでしょうし」
「分かり、ました」
「どうせなら鎮守府並の大きさを作りましょうか」
「司令官…作れるの?」
「時間は無限にありますからね。この眼鏡にかけて、全力を尽くしましょう」
「私も、手伝います」
「…あなたはどうしますか。猫吊るしさん」
ニャー
「はんっ。世話にナってやンよ」
「そうですか。それではまず材料を…」
グゥゥゥゥゥ…
「…まずは、ご飯を食べに行きましょうか、朧」
「実は…少し、お腹が空きました…」
【母港】
「続いてのニュースです。先日、深海棲艦を消滅させたとして艦娘の抹消をした政府の対応に各国から批判の声が相次いでいます。
以前より問題となっていた深海棲艦ですが、先日、政府がその根源を消滅させました。同時に世界各国に存在する艦娘を政府が抹消した行動が問題となっています。
諸外国は『誤情報だった場合、人民に危険が及んでいた』『そのような対応は聞いていない。税率の緩和は技術提供ありきであり、わが国に賠償すべきだ』などの声が相次ぎ…」
女提督「あははははっ!!! おもしろーいっ!」
男提督「…」カキカキ
女提督「賠償ってwww…お前ら、そんな技術提供も条件つけてなかっただろwww…」
女提督「どうせある程度技術吸ったら、戦争しかける気持ちだったんだろwwww」
女提督「あー、めっちゃおもろいっすわー」
男提督「うるせぇよっ! お前は俺のジャマしに来たのか!」
女提督「さー! いえっさー!」ビシッ
男提督「…」
女提督「荷造りおわったー?」
男提督「…終わった」
女提督「よぉし。表で待ってるからねー」
男提督「おい、待て。それ脱げ」
女提督「えっ!? 脱げってそんな////」
男提督「さっさとしろ、レズが」
ボッ メラメラ…
女「おーよく燃えるねー」
女「おーよく燃えるねー」
男「よっと…これでよし…」バタンッ
女「…」
男「…終わったんだな」
女「残ったのは犯罪者という輝かしい功績ね」
男「国民から見たら、売国奴同然だからな」
女「いいじゃんいいじゃん。売国奴サイコー!」
男「そう考えると…この国は平和なのかもしれないな」
…ゥー…
女「にゃ!? サツの気配が!」
男「さっさと乗れ、置いていくぞ」
女「ほーい」
バタンッ
男「さて…どこに行きましょうか」
女「逃げよう! 逃げれるところまで! 永遠に!」
男「…了解」
ガコン ブゥウウウウン
女「…結局、全部、あの薬のせいで全部失っちゃったな」
男「…そうだな」
女「はぁ…空はあんなに青いのに…運転手は冴えない童貞野郎とは…」
男「黙れ。不幸なのはこっちだ」
女「…本当に空はあんなに青いのに…ね…」
ポタッ
終わり
朧「ダメです。こんな終わり方…許しません」スラッ
ザンッ
朧「…猫吊るしさんお願いします」
猫吊るし「まったく…人使い荒イねぇ…」
ニャーッ
―通信エラーが発生しました。再読み込みをお願いします―
【アパート】
ピンポーン
男「はいはーい…」
ピピピピンポーン
男「…」
男「…寝よ」
女「おい、出ろよ」ゲシッ
男「どっから入ってきた」
女「まったくぅ…かわいい隣人さんが夕食のおすそわけ―」
男「なんだ、この異臭。科学テロか?」
女「カレーだよ♪」
男「インコ心理教にでも入信して来い」
女「さてとそんな冗談は置いといて」ゴトッ
男「置くな。持って帰れ」
女「じゃーん!」
男「物件? 一軒家?」
女「そうそう、ポストに入ってたの。こんな陳腐なアパートに住むよりはいいでしょ」
男「…これゼロが三つほど多くないですか?」
女「え? これだけでかくてその値段は優良物件よ?」
男「いや、俺買えねーよ、ブルジョワレズ」
女「買うのは私、一緒に住まない? ってこと」
男「…マジか?」
女「今なら使用人付きらしいし、それに今日公開してるみたいだし…」
男「なんだこれ、夕食のお試し付き?」
女「そうそう、会食の時こそ、家の本質が見えるらしいよ」
男「…二名で予約済み?」
女「もちのろん。行くわよ、貧乏人」
男「…5分待て」
女「三十秒で準備しな」
【道路】
女「そのうち“ジングウ”さんも呼びたいねー」テクテク
男「買うつもりなら下見の意味無いだろ」テクテク
女「あの人があること無いこと言ってくれて私達は無罪放免、こうして平和な毎日を―」
男「おい。さっきもこの道通ったぞ」
女「…」ピタッ
男「お前に地図を持たせたのが間違いだった」
女「え、えー…」
男「さて…ここはどこだ…?」
女「うーん…あ。あのローブを着た少女に聞こうー」タッタッタ
男「…なんかすごく荷物持ってるな」
ローブ「くそ…こんなざま…覚えてろよ…」
女「すみませーん」
ローブ「ん? な―うわぁっ!!!???」
女「ん?」
ローブ「あ…い、いや、ちょっと知り合いに似てたから…」
女「ほう、それはそれは美少女だろうね」
ローブ「…で、何の用―な、何の御用ですか?」
女「えっとね。ここに行くにはどうすればいいの?」
ローブ「そう、だな…ここを、ま、真っ直ぐ行って四つ目を右折すればだ、大丈夫…」
女「サンキュー。ね、荷物重そうだね、お姉さんが手伝おうか?」
ローブ「だ、大丈夫! 一人で運搬できるからっ!」ダッ
女「あ…。ありがとねー」ブンブン
女「どっかで見た服だなー…」
男「場所、分かったか?」
女「Yes! Let's come on !」
【屋敷】
男「でけぇ…」
女「どこか…鎮守府の建物に似てる?」
男「…気のせいだろ」
女「さ、入るよー」
ギィ…
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
バタンッ
男「…見た?」
女「居たね」
男「俺が知ってる奴が給仕服姿で」
女「その後ろには私の知ってる顔もちらほらと…」
男「何? 白昼夢なのこれ?」
女「夢ならどうする?」
男「醒めて欲しくないかもしれない…」
女「…私も…」
男「…現実なら?」
女「私、即現金でこの家、買う」
ギィッ
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
男「…」
「給仕服に、何か問題でも?」
男「…ノリノリだな、不知火」
漣「この服、全部私が用意したんですよ」
不知火「不知火も手伝いました。落ち度は無いはずです」
「くそ…なんで俺も…」
「あら~天龍ちゃんも似合ってるわよ~」
男「龍田は…違和感無いな」
龍田「ありがと~」
天龍「…このヒラヒラ、落ちつかねぇ…」
不知火「似合ってます。天龍ちゃん」プッ
天龍「てめぇ…表出ろ…!」
女「…あ」
「司令官」
「…また、会えたな」
女「三日月…菊月ぃいいいい~~~~!!!」ガバッ
三日月「あ、もう、どこ触ってるんですか!」
菊月「…久し振り」
女「あ~、もうぷにぷに~」スリスリ
「…レーベ、羨ましそうね」
「え!? そんなことないよ、うん…」
Z3「ふーん…そうなんだ…ふーん…」ツーン
Z1「マ、マックス…怒ってる?」
「なんだ…ちゃんとここに来れたのね」
男「…叢雲…心配だったのか?」
叢雲「べ、別に、心配してないわよ!?」
女「まぁ…でも、さっき迷ったときは危なかった…」
ローブ「ほんと…さっきはばれるかと思ったよ…」
女「あ、さっきの…」
ローブ「あたしだよ、あたし…」ファサッ
長波「長波サマだよ。提督。っていうか…自分のローブぐらい覚えていろよ」
女「あ~…どっかで見たと思ったら…」
「提督、お待ちしておりました」
鳳翔「夕食の準備は出来ていますよ」
如月「わ、私をたべても―////」
男「くわねーよ。あほ」ペシッ
如月「いやん♪」
鳳翔「それでは、ご案内させていただきますね」
【回廊】
男「この建物、どうしたんですか?」
鳳翔「この人から土地と資材を頂きました」スッ
男「なんだ…?」
女「“ヒムカイ”さん?」
男「資材と土地があるからって…お金は?」
鳳翔「彼女たちが入れば必要ありませんでした」チラッ
女「?」
明石「まさか、私の兵装で家を建てる日が来るとは…」
鳥海「お疲れ様です」
霧島「データ以上の屋敷になりましたね」
夕張「高角砲どこに作ればいいと思う?」
摩耶「必要ねぇよ。お前、何と戦うつもりだ」
女「つ、つつつ…つく…」
男「そんな簡単に家って作れるのか」
ザッ
鳳翔「あら…」
能代「…」
女「久しぶり、能代、矢矧」
矢矧「…元気そうで良かったわ」
能代「…」カツカツカツカツ
ベチィイイイイン
能代「…」
女「気が済んだ?」
能代「いいえ…これから毎日、徐々に晴らしていきたいと思います」
女「…分かった。受けてたつわよ?」
能代「食堂はこちらです。どうぞ」
【食堂】
赤城「はふっ…はむ…」ズルズル
加賀「(皿の高さが)頭に来ました」カチャン
蒼龍「あ、お先に頂いています」
飛龍「やれやれ…」
男「…」
女「中々の育ち盛りがいるようで」
男「お前のとこも中々だけどな」
最上「あ、本当に提督だ」
三隈「お久しぶりですわ」
男「久しぶり」
最上「はい、これ料理だよ」ゴトッ
女「カレーだー」
三隈「誰が作ったかは…分かりますわよね?」
男「…カレーなんてお前ら全員―」
女「あ、榛名でしょ」
榛名「はい! 榛名です!」バゴンッ
男「っ!?」ガタッ
榛名「おかしいですね。金剛姉さんから聞いたらこれでイチコロだって」
男「テーブルから飛び出してきたら心臓がコロっといくわ」
女「ベースは榛名が作ったけど…金剛も手伝った?」モグモグ
金剛「Yes ! その通りデスッ!」バコンッ
男「もう…なんだよ…」
女「とっても美味しいネー!」
金剛「Wow ! 作った甲斐があったネー」
男「…ぐふっ……これは…」カタン
女「おい、まずいなんていわせねえぞ」
比叡「あ、司令! 私のカレー食べてくれました?」
女「なん…だと…」
男「…がは…」
バタッ
まるゆ「もぐらじゃないもん! まるゆだもん! …あれ?」バコンッ
木曾「タイミング違うぞ。もぐらー」
【門】
ザーッ
「…いいんですか?」
「…会うにはまだ早いです…」
「意地張っちゃってねー?」
「を!」
「…行きましょう…長居は無用です…」
バシャッパシャッ
響「ん?」
暁「どうしたの?」
雷「何かしらこれ…」
電「鳳翔さーん! “よーぐると”なるものが置いてあったのですー!」トテトテ
【食堂】
男「ん…」
五月雨「ん…/////」グイッ
男「おい、何しようとしてんだ」ガシッ
那智「ん、気がついたか」
五月雨「え? あ、あ、し、しし司令官!!??/////」
隼鷹「惜っしいなぁ~」
青葉「ああ…スクープが…」
男「お前ら…」
飛鷹「こういうときは人工呼吸じゃないの? って言ったら五月雨ちゃんが率先してね~」
五月雨「は、はいっ! 人工呼吸ですからななな、何にも意味はなくて―////」
足柄「やっぱり、そんな小娘じゃなくて私の方がいいんですね! さ、ここに名前と判子をください!」ダンッ
男「…不幸だ」
山城「…ちょっと、そういう使い方やめてください」
扶桑「山城…少し嬉しそうね」
女「ねぇ、由良ちゃん」
由良「なに?」
女「これで…全員なの?」
由良「…うん。今、ここにいるのはこれで全員」
女「分かった…そんな我儘言っちゃダメだよね」
由良「…」
女「…ふう、さ、そろそろ帰るかな…引越しも必要みたいだし」
由良「ここ、来てくれるの?」
女「もちろんよ。また一緒にすごそうね」
由良「やったぁ!」
女「帰る…おい、何羨ましい展開してんだよ、童貞」
【アパート】
男「ありがとう、ここまででいい」
川内「夜は物騒だからね」
男「あと、戻ったら青葉に焼き増しを頼むよ、衣笠」
衣笠「まっかせなさい♪」
スタッ タッ
女「…どうする? 一緒に住む?」
男「めんどくせー…また引越しかよー」
女「満更でも無い癖にー」
男「…お前はいいのか? 異性と住むことになるんだぞ」
女「大丈夫、今度は私が君を匿う番なだけ」
男「あっそ…」ガチャッ カチャッ
ギィ
男「…おやすみ」
女「さっさと寝ろや!」
バタン
男「ふぅ……疲れた…」
男「荷造りは……明日でいいか…」
「…しれい、かん……」
男「!」
ドタドタッ
バタンッ
男「……」
シーン
男「…あほか…もう…寝よう…」
ゴソッ
グニッ
男「…っ!」
バッ
モゾモゾ
男「……」
バサッ
「むにゃ…えへへー…酸素魚雷積んでますってぇ…zzz」
男「………」
男「…人の布団で…」
男「…ま、いっか」
バサッ
ギュッ
【隣室】
バタンッ
女「……全員…か…」
女「…」
女「ゆうぐも…」
ガチャ
「あ…提督、もういらしたんですか」
女「…」
「既に荷造り済ませて置きましたよ」
女「あ…」
「お風呂の準備は出来ています。冷めないうちにどうぞ…」
女「あ……あう、あ…」
「それとですね…私がいないからと言って洗濯物とか―」
女「ゆううぐもぉおおおおおおおおおっっ!!!!」ガバッ
ドスンッ
女「うぅ…ゆうぐもぉ…」
夕雲「なんですかなんですか? 私に会えなくて寂しかったんですか?」
女「ざびしかったよぉ!」
夕雲「…私も寂しかったですよ」
女「うぅ、ホンモノだぁ…」グスッ
夕雲「あ、耳掻き…持っていてくれたんですね」
女「うん」
夕雲「実はこれ発信機になっていて、これを辿ってここまで来たんですよ?」
女「…怖い…ちょっとそれ怖い…」
夕雲「では提督、久しぶりに耳掻きしましょうか?」ピトッ
女「あ…」
夕雲「その後は、一緒にお風呂に入りましょう…ね?」
【ベランダ】
秋雲「探したのはあたしらなんだけどねー」
巻雲「いいじゃないですか、司令官様も夕雲姉さんも嬉しそうですよ!」
秋雲「あたしも風呂入りたーい。標識書き換えて、提督を迷わせて…ああ、疲れたわー…」
巻雲「ぐだぐだ言わないで下さい秋雲のばかっ!」
長月「あんまり騒ぐと気づかれるぞ」
伊19「我慢できないのね…」ウズウズ
伊19「伊19も提督と同じ布団に入るのねー!」ダッ
酒匂「酒匂も混ざってくるー!」ダッ
阿賀野「お姉ちゃんもー!」ダッ
長月「人の話を聞けないのか…まったく…誰に似たんだか」
加古「ふわぁ…眠い…」
古鷹「あ、あの加古っ!」
加古「ん?」
古鷹「…あのさ…提督と夕雲みたいな、お、女の子の恋人って…ど、どう思う////」
古鷹「いや、あのっ! …別にふ、深い意味とかは無くて…!」
コツン
古鷹「か、加古っ?」
加古「くかー…ぐかー…」zzz
古鷹「…はぁ…」
「いい度胸ですね。私と提督の聖域に踏み込むなんて」
「酒匂だって司令のこと大好きだもん!」
「お姉ちゃんだって負けないもん!」
「やめて! 私のために争わないで!」
「うるせぇぞ、女ぁ!」ドンッ
「し、司令官!? いつ帰ってきたんですか!?」
「伊19のこと放っておいた提督にお仕置きするのー!!」
日向「…楽しそうだな」
伊勢「羨ましい? “ヒムカイ”さん」
日向「“ジングウ”ほどではないがな」
猫吊るし「…帰ルよ」
日向「了解…」
伊勢「私たちの分まで…幸せになってほしいね」
女「ん?」
ニャー
男「…猫?」
夕雲「提督、下がってください」
吹雪「司令官、避けてください!」
男「げふっ!?」
女「あうっ!?」
男「…ああもう! 吹雪! 伊19を黙らせろ!」
女「きゃー! 夕雲ちゃんのかっこいいとこみてみたーい!」
吹雪「わかりました!」
夕雲「分かりました」
吹雪「私がやっつけちゃうんだから!」
夕雲「ふふっ…本気でいくわ!」
ドンガラガッシャーン
終わり
これで本当に終わりです。後半のぐだぐだっぷりはどうしようもない。
前作を読んでいないと分からない部分が多いことも反省。
お目汚し失礼致しました。
このSSまとめへのコメント
お前の作品糞つまんね
面白かったわ続き期待してます
女提督と男提督の関係とか、百合要素も兼ねて面白かったです
次回作も期待してます
後日談的なのがあってもいいのよ?(チラッ