ヒイロ「SAO攻略・・・任務了解」 (42)

???「お前にこの女を救ってほしい。」
男は少年にいくつかの写真を見せた。
そこには高校生くらいの少女が写っていた。
少年「これは・・・?」
少年はいつもと変わらぬ冷淡な声で聞いた。
???「結城アスナ。今騒がれているSAO事件の被害者だ。」
少年「・・・そいつを助けることが俺の任務か?」
???「いいや、それだけではない。ヒイロお前にはこのSAO事件の解決もしてもらう。」
これにヒイロと呼ばれた少年は答える。彼が今まで何度も口にしてきた悲しく、重い言葉を。
ヒイロ「任務了解・・・SAOを攻略する。」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406210341

ちなみにヒイロたちはフローズンティアドロップの設定です。


ヒイロ「ところで五飛、なぜ今回の任務にこの結城アスナの救出が含まれているんだ。」

五飛とはヒイロに任務を言い渡した男の名である。

五飛「なんでも今回のSAO事件のサーバー管理会社、レクトの娘らしい。」

ヒイロ「・・・?管理会社ということはそこがこの事件の首謀者ではないのか?」

五飛「いや、首謀者は茅場晶彦という一人の男だ。」

ヒイロ「一人の犯行とは考えにくいな・・・」

五飛「詳しいことは俺にはわからん。とにかくお前には今からSAO内にログインしてもらう。」

五飛「ではまず、SAOというゲームの説明をする。」

説明終了

五飛「わかったか?」

ヒイロ「あぁ、問題ない。百層あるステージをクリアするんだな。」

五飛「そういうことだ。ではそろそろログインしてくれ。・・・また眠らせることになってすまないな。」

ヒイロ「・・・かまわない。」

ヒイロ「リンク、スタート・・・!」

指摘ありがとうございます。

目が覚めるとそこは森の中だった。

ヒイロ「ここが・・SAO内。確かアインクラッドと言っていたな。」

ヒイロ「まずはゲームの進行状況を知らなくては・・・。」

ヒイロは街がある場所へと歩き出した
道中にモンスターはいたが難なく倒せた。

ヒイロ「モンスターが弱いな。まだ序盤の階層ということか・・。」

そうしているうちにヒイロは街についていた。
第一層・始まりの街

ヒイロ「おい、ここの階層。今の攻略状況を教えろ。」

NPC「いらっしゃい!なんかかってくかい?」

ヒイロ「質問に答えろ・・!」

今までゲームなどやったこともないヒイロにはNPCというものはわからない。

ヒイロ「死にたくなければ質問に答えろ。」

再度問うがNPCは同じ言葉を繰り返している。

ヒイロ「・・・貴様を[ピーーー]。」

ヒイロがついに剣を抜こうとしたとき、ヒイロに声が掛けられた。

???「なにしてるの・・?私ならんでるんだけど・・。」

声の主は深くフードをかぶっていて性別ははっきりしないが声からして女性のものだった。
ヒイロは情報を得られるなら誰でもよかったのでその少女に訊いた。

ヒイロ「教えろ。ここは何層で今攻略は何層まで進んでいる。」

???「上から目線やめてくれない?・・・まぁいいけど、ここは始まりの街、攻略なんてまったく進んでないわよ。」

???「なんでそんなことも覚えてないのよ・・・。」

ヒイロ(まだ攻略が進んでいないだと!?事件から二ヶ月の間プレイヤーは何をしていたんだ・・)

ヒイロ「そうか。ではな。」

???「・・・三日後に第一層攻略のための会議があるらしいわよ。」

ヒイロ「!・・・情報、感謝する。」

三日後

第一層攻略会議
ヒイロ「・・・」

キリト「・・・(なんだかあの人、俺と同じにおいがする。)」

フードの女「・・・」

???「みんな!今日は俺の呼びかけにあつまってくれてありがとう!俺はディアベル。職業は・・・気持ち的にナイトやってます!」

ディアベルと名乗った男は自己紹介を終えると真剣な顔で続けた。

ディアベル「昨日俺たちのパーティがボスの部屋を発見した。」

その言葉とともに場に緊張が走る。
その場にいるプレイヤーたちも緊張や不安といった表情をうかべ、ディアベルの次の言葉を待っていた。
そしてディアベルは期待を裏切らない熱い演説をしてみせ、皆がこれに湧いた。

ディアベル「よし、じゃあみんな!パーティをくんでみてくれ!」

ディアベルの言葉に続いてどんどんパーティができあがっていく。
ヒイロがどうするか考えていると横から声をかけられた。
知っている声だ。

フードの女「ねぇ、あなたこの前NPCにつっかっかってた人・・よね」

ヒイロ「・・・」

フードの女「相手がいないなら私と組まない?」

ヒイロ「あぁ、かまわない。」

フードの女「じゃぁ早速・・・どうやるの?」

ヒイロ「しらん。」

二人がそんな会話を繰り広げていると二人組みが声をかけてきた。

真っ黒な服を着た少年とバンダナに野武士面の男だった。

???「なぁ、あんたらちょうど二人なら俺たちと組まないか?俺はキリト、こっちはクラインだ。」

ヒイロ「あぁ、いいだろう」

キリト「よかった。よろしく・・・えっと、ヒイロとアスナ・・かな?」

ヒイロ アスナ「!?」

アスナ「何で私の名前しってるの?(こいつヒイロっていうんだ・・)」

ヒイロ(・・・こいつが今回の任務の対象、結城アスナか)

クライン「何でって嬢ちゃん、視界の左上にかいてるぜ・・?」

アスナ「あ、ホントだ・・」

ヒイロ(しらなかったな)

キリト「ま、まぁ!次のボス戦、よろしく。」

クライン「おう、よろしくな!」

アスナ「えぇ、よろしく。」

ヒイロ「・・・・」

キリト(む、無視された・・・)

あれ?書き込みがひとつきえてる?
すみません、またかきなおします。
今の一つ上に入る形で補完お願いします。

すみません書き込みきえてませんでした。自分の見落としでした!
では再開します

???「ちょぉ、待ってんか!ナイトはん!」

団結し始めた空気を壊すように一人の男が声をあげた。

???「ワイは キバオウ ってもんや。」

キバオウと名乗った男は片手剣にツンツン頭の2,30代の男だった。

キバオウ「このなかに数人、詫びいれなアカンやつがおるはずや。」

ディアベル「詫びって・・・誰が誰にだい?」

キバオウ「決まってるやろ・・・今まで死んでいった二千人にや!こんなに死んでもうたんは奴らが何もかも独占しとったからやろが!」

ディアベル「奴らっていうのはベータテスターのこと・・・かな?」

キバオウ「そうや!他にだれがおんねん!」

ヒイロ(ベータテスター・・・サービスが始まる前にSAOをテストプレイした人間か・・・。)

キバオウ「クソベータテスターどもはこのゲームが始まった途端街から消えてウマイ狩場やらなんやら独占しとった。そのせいで右も左も解らん初心者はどんどん死んでもうてる。それでもベータテスターどもは知らんふりや!」

キバオウ「こん中にもおるやろ。ベータテスターが!ワイはそいつらに土下座さして溜め込んだ金にアイテムをこの攻略のために全部吐き出してもらわな命は預けられんし、預かれん!」

キバオウの怒号に場は沈黙し、声を挙げる者はいなかった。
しかしついにその沈黙は破られた。

???「発言、いいか?」

その声がしたほうに目をやると2メートルはあろうかという巨体が立ち上がっていた。
その姿にキバオウも少し気圧された様子でいた。

???「俺の名はエギル。キバオウさん、アンタが言いたいのはベータテスターが初心者を見捨てたからこんなにたくさんの人間が死んだ。ってことだな?」

キバオウ「そ、そうや!」

エギル「この無料配信されたガイドブック、アンタも持ってるだろ?無料だからみんなもらっていたよ。」

ヒイロ(?・・・なんだあれは、俺は持っていないぞ。)

キバオウ「それがどないしたんや・・・!」

エギル「こいつを作ったのはアンタのいうクソベータテスターたちだ。」

その発言にその場にいたものが皆驚きの表情を浮かべていた。
どうやらかなり役に立つものらしい。

エギル「いいか、情報はあったんだ。なのに沢山の人間が死んだ。これは死んだ人間がこのゲームを甘くみていたからだと俺は思う。だが今はその責任を追及してる場合じゃない。今考えるべきことは俺たち自身のことだと思うがな。」

キバオウ「・・・・」

ディアベル「キバオウさん、あなたに言いたいことも解る。でも今はエギルさんの言うとおり前を見て、これからのことを考えよう!」

最後は自称ナイト、ディアベルの爽やかな弁舌によりキバオウもしぶしぶ納得した様子で席に戻っていった。
そして少しの蟠りを残しつつも会議は終わった。

キリト「ボス攻略は明日だし今日はもう休もうか。」

クライン「そうだな。俺は賛成!」

アスナ「そうね、少し疲れたし今日は解散しましょう。」

ヒイロ「・・・・」

キリト(また無視された・・・。いや、今度こそ話して見せる!)

キリト「な、なぁヒイロ!もしよかったら一緒に宿まで行かないか?」

ヒイロ「いや、俺は無料配布されたというガイドブックをとりに行く。」

キリト「えっ」

アスナ クライン(もらってなかったんだ・・・)

攻略当日

ヒイロ(第一層のボスは2メートルを超える巨大コボルド。<イルファング・ザ・コボルド>武器は曲刀カテゴリ。HPが一定まで削られると武器をカタナに持ち替える。必殺技は旋車、浮舟、緋扇、辻風、幻月。取り巻きの連中の武器はハルバード、取るに足りないだろう・・・。)

攻略の日の朝、ヒイロはボスの情報を整理する。彼は会議の後情報を得ていた。
それも・・・・プレイヤーでは到底知りえない情報までも。

ヒイロ(結城アスナを助け、取り巻きを殲滅しボスを撃破する。)

ヒイロ(気を抜かなければそう難しいことではない・・・。)

そしてヒイロは攻略パーティの集合場所へ向かった。








第一層最上階 ボス部屋前

ついに攻略組はボスの部屋の前まで到達していた。
ヒイロもここまで目立った障害がなかったことに少し安堵する。
そしてボスの扉の前に一人の男が立った。
ディアベルである。ディアベルは拳を突き上げるとただ一言、
「行くぞ!!」と叫んだ。この掛け声で皆が一斉にボスの構える部屋へ雪崩れ込んだ。

ヒイロ「・・・目標を殲滅する。」

ヒイロ・ユイ

プレイヤー名:ヒイロ
レベル   :???
メイン武器 :片手剣
装飾品   :なし
スキル   :体術(スキルレベルMAX)

第一層 ボス部屋内 大広間

ボスの部屋に入ると燃え盛る松明、ひび割れた地面に壁、折れた柱。
そして奥には人が座るには大きすぎる玉座とそこに坐する巨大なシルエット。

ヒイロ(あれが・・・)

最前列のプレイヤー達がボスへと攻めていく。
ボスとの距離が20メートルを切ったころ、玉座から巨大なシルエットが跳躍した。
その影は地面に着地すると同時に咆哮をあげ地響きを轟かせる。

「グルラアァァァァァァァァ!!」

第一層のボス、イルファング・ザ・コボルドロードはヒイロの知っている情報通りの武装、外見だった。

キリト「よし、俺たちもコボルドに集中しよう!」

キリト「今いるコボルドの数は20体、一人5体だ!無理はするな!」

クライン「行くぜぇぇぇぇ!」

アスナ「了解」

ヒイロ「・・・任務了解」

10分後

キリト「五体目!よし、援護向かうぞ!」

アスナ「こっちも終わり!」

ヒイロ「任務完了・・・」

クライン「俺まだ3体なんだけども・・・」

ヒイロ「・・・俺はクラインの援護をする。二人は前線へ向かってくれ。」

キリト アスナ「了解!」

そしてコボルドを狩っては前線の支援というサイクルを続けて30分以上経ち、コボルドの群れの第四波が湧き出てきたころに前線で動きがあった。ボスのHPゲージがあと少しというところまで削られていたようだった。

ヒイロ(!!・・・ボスの残りHP・・・武器が変わる・・・。)

ヒイロが前線にでて対処しようとするとそれより先に一人、ボスへと突っ込んでいく姿が見えた。

ヒイロ(まずい・・・武器がカタナにかわることは俺しか知らない・・。このままではあいつは対処できずに・・死ぬ。)

ヒイロ「 止まれっ!!! 」

ヒイロは大声で叫んだが走っていく男は止まらない。
コボルドロードは武器を持ち替え、重範囲攻撃 旋車 を発動した。
無論、男はそれを防げるはずもなく敵の眼前でスタンをもらってしまった

ヒイロ「追撃が・・・っ!!」

前線の仲間が援護に入ろうとするも間に合わず、コボルドロードはすでに次に技のモーションに入っていた。
ソードスキル 浮舟。ロックオンされていたのは目の前でスタンしている男だった。
男は宙に斬り上げられ浮舟を正面から喰らい、後方にいたヒイロの元まで吹っ飛んだ。
飛んで来た男の顔を見てヒイロは驚愕した。その男がこんな行動を起こすとは思えなかったからである。
ディアベル。
ボスへと特攻を仕掛けた男は今回のパーティリーダーのディアベルだった。

ヒイロ「なぜ・・・貴様が・・。」

ディアベルはヒイロの問いには答えず、ただ一言「ボスを・・・倒してくれ・・」そう言い残し、青い破片のエフェクトとなり消えた。
突然のリーダーの喪失とボスの知らない情報により攻勢だった攻略組が一気に不利となった。
悲鳴と恐怖が充満し、満足に戦える者は居らず、誰もがボス攻略を諦めていた。
ただ、ヒイロたちを除いて。

キリト「ヒイロ、俺とアスナでボスを倒す。援護、頼めるか?」

ヒイロ「・・・・いや、ボスの撃破は俺に任せてもらおう。」

キリト「一人でか!?無茶だ。死ぬに決まって・・・あ、おい!ヒイロ!」

キリトが言い終える前にヒイロはすでにボスに向かって走り出していた。

ヒイロ「コボルドロード・・・貴様を殺す!」

ヒイロはコボルドロードに真正面から突っ込んでいく。
飛んでくる攻撃もすべてかわせる。彼にとっては遅すぎる攻撃だ。あたるはずがない。
そして遂にコボルドロードの眼前まで迫っていたヒイロは迷わず剣を振り下ろす。
一撃だった。敵のHPが残り少なかったというのもあるが、恐らくはHPバーを3割は削るであろうほどの攻撃。
今までの苦労がバカに思えるほどの重い一撃だった。

ヒイロ「・・・・・任務完了。」

【you got the last attack!!】という文字と共に一つのアイテムがヒイロの視界に浮かび上がった。
その文字を見て理解した。なぜディアベルが勝利をあせったのかを。なぜ一人で向かったのかを。
ヒイロ(アイツは・・・このLAというものをとろうとしたのか・・・・)

エギル「・・・・コングラチュレーション、この勝利はあんたのものだ。」

ヒイロ「!」

キリト「すごいな、ヒイロ。おめでとう。」

アスナ「まさか、ホントに一人で行くとは思わなかったわ・・。」

気づけば皆、ヒイロに賛辞を送っていた。

ヒイロ「・・・・」

しかし、それをよしとしないものも居た。

   「なんでだよ!!!」

その声は悲しみと怒りがこめられていた。
   「なんでディアベルさんを・・・・見殺しにしたんだ!!」

ヒイロ「・・・・」

キリト「ま、まてよ!見殺しなんて・・・そんなこと「俺は聞いたぞ!そいつがディアベルさんに叫んでたことを!そいつはボスが持ち替えた武器のこと知ってたんだ!知ってて・・・知ってて俺たちに教えなかったんだ!」

キリト「そんなわけ・・・ないよな・・?ヒイロ・・」

ヒイロ「いや、俺は知っていた。」

一同「!!!!」

   「ほら!やっぱり知ってたんだ!お前は・・・ベータテスターなんだろ!」

ヒイロ「さぁな・・。」
   
   「やっぱりベータテスターは俺たちから何もかも奪っていくようなやつらなんだ!」

キリト(この流れはまずい・・・やるしか・・・・ないか)

ヒイロ「俺は・・・「クククククッ!ハハハハハハハハッ!・・・こんなやつがベータテスターだって?こんな初心者と一緒にしないでほしいな。」

ヒイロが反論しようとするのと同時に笑い声が響いた。
その声はヒイロの近くにいた剣士、キリトのものだった。

キリト「俺に言わせれば、こいつも!他のベータテスター共も!どいつもこいつも右も左も解らない初心者にしか見えないね。」

キリト「いいか?こいつがボスの情報を知っていたのは俺が教えたからだ。てっきりこいつが餌食になると思ってたんだけどなぁ。」

キリト「そして俺が情報を知っていたのは、俺がベータテスト中に誰も到達できなかった階層で似た様なモンスターと散々やりあってきたからだ。」

キリト「ほかにも色々知ってるぜ、情報屋なんて問題にならないくらいにな。」

  「なんだよ・・・それ」    「そんなのもうチーターじゃねぇか!」

「ビーターだ・・・ベータのチーターだからビーターだ!」

キリト「ビーターか・・・いい呼び方だな、それ。」

キリト「いいか、俺はビーターだ。元ベータテスターなんかと一緒にしないでくれ。」

そう言ってキリトは転移門へと歩き出した。

キリト(いいんだ・・・これで・・・)



ヒイロはコボルドロードに真正面から突っ込んでいく。
飛んでくる攻撃もすべてかわせる。彼にとっては遅すぎる攻撃だ。あたるはずがない。
そして遂にコボルドロードの眼前まで迫っていたヒイロは迷わず剣を振り下ろす。
一撃だった。敵のHPが残り少なかったというのもあるが、恐らくはHPバーを3割は削るであろうほどの攻撃。
今までの苦労がバカに思えるほどの重い一撃だった。

ヒイロ「・・・・・任務完了。」

【you got the last attack!!】という文字と共に一つのアイテムがヒイロの視界に浮かび上がった。
その文字を見て理解した。なぜディアベルが勝利をあせったのかを。なぜ一人で向かったのかを。
ヒイロ(アイツは・・・このLAというものをとろうとしたのか・・・・)

エギル「・・・・コングラチュレーション、この勝利はあんたのものだ。」

ヒイロ「!」

キリト「すごいな、ヒイロ。おめでとう。」

アスナ「まさか、ホントに一人で行くとは思わなかったわ・・。」

気づけば皆、ヒイロに賛辞を送っていた。

ヒイロ「・・・・」

しかし、それをよしとしないものも居た。

   「なんでだよ!!!」

その声は悲しみと怒りがこめられていた。
   「なんでディアベルさんを・・・・見殺しにしたんだ!!」

ヒイロ「・・・・」

キリト「ま、まてよ!見殺しなんて・・・そんなこと「俺は聞いたぞ!そいつがディアベルさんに叫んでたことを!そいつはボスが持ち替えた武器のこと知ってたんだ!知ってて・・・知ってて俺たちに教えなかったんだ!」

キリト「そんなわけ・・・ないよな・・?ヒイロ・・」

ヒイロ「いや、俺は知っていた。」

一同「!!!!」

   「ほら!やっぱり知ってたんだ!お前は・・・ベータテスターなんだろ!」

ヒイロ「さぁな・・。」
   
   「やっぱりベータテスターは俺たちから何もかも奪っていくようなやつらなんだ!」

キリト(この流れはまずい・・・やるしか・・・・ないか)

ヒイロ「俺は・・・「クククククッ!ハハハハハハハハッ!・・・こんなやつがベータテスターだって?こんな初心者と一緒にしないでほしいな。」

ヒイロが反論しようとするのと同時に笑い声が響いた。
その声はヒイロの近くにいた剣士、キリトのものだった。

キリト「俺に言わせれば、こいつも!他のベータテスター共も!どいつもこいつも右も左も解らない初心者にしか見えないね。」

キリト「いいか?こいつがボスの情報を知っていたのは俺が教えたからだ。てっきりこいつが餌食になると思ってたんだけどなぁ。」

キリト「そして俺が情報を知っていたのは、俺がベータテスト中に誰も到達できなかった階層で似た様なモンスターと散々やりあってきたからだ。」

キリト「ほかにも色々知ってるぜ、情報屋なんて問題にならないくらいにな。」

  「なんだよ・・・それ」    「そんなのもうチーターじゃねぇか!」

「ビーターだ・・・ベータのチーターだからビーターだ!」

キリト「ビーターか・・・いい呼び方だな、それ。」

キリト「いいか、俺はビーターだ。元ベータテスターなんかと一緒にしないでくれ。」

そう言ってキリトは転移門へと歩き出した。

キリト(いいんだ・・・これで・・・)



あ、二回書きこんでしまってました。すみません!

広間を立ち去り、転移門から転移しようとするキリトを呼び止める声があった。

   「待て。」

ヒイロ「貴様は、本当にそれでいいのか?」

キリト「ヒイロにはすべてお見通し・・か」

ヒイロ「・・・・」

キリト「いいんだ。他のベータテスターが虐げられるほうが俺は耐えられない。」

ヒイロ「そうか・・・。なら、いい。」

キリト「なぁ、ヒイロ。最後に一つ聞いていいか?」

ヒイロ「あぁ・・・。」

キリト「お前“一度もソードスキル使ってない”よな。何か理由があるのか?」

ヒイロ「・・・・さぁな。」

キリト「答えたくないならいい・・・じゃぁまた、どこかで」

ヒイロ「・・・・あぁ」


第一層突破から1年と半年

ヒイロ(俺の任務は問題なく進んでいる・・・。攻略も今は順調に進んでいる、俺がでるべきではないだろう・・。)

今は74層まで攻略が進んでいる。第一層の攻略を火種に一気にダンジョン攻略が進み、一年でここまできた。
このペースで進むならばヒイロの任務は結城アスナの救出、いや生還させることのみと考えていいだろう。
だがヒイロが戦場に出ない理由はこれだけではない。
ヒイロは、48層攻略時、うっかり全力で戦ってしまったのだ。
48層のボスのHPバーを一人で半分も削ってしまうという痛恨のミスだ。
そしてそのことは噂となりどんどん尾ひれがついて回ってしまい家から出るに出られない状況だった。
その噂とは・・・
真っ白な装備のプレイヤー 白雪姫<スノーホワイト>
一撃でボスを撃破!というものであった。

ヒイロ(化け物か・・・?)

だが攻略には参加しないだけで、フィールドや街にでることはある。
森でユイという女の子を発見し、バグのようだったので削除したり、
第一層が軍の独裁で苦しんでいるという情報を聞き、軍を解体したり。
攻略組に攻略に専念してもらうために不安要素はすべて潰してきた。
しかしある日、なつかしい顔がヒイロのもとをたずねてきた。

「よう、白雪姫さん。ちょっと、話があるんだけど、いいか?」

ヒイロ「・・・キリト」

キリト「久しぶり、ヒイロ。48層の攻略以来かな。あの時はチート全快だったな。」

ちなみにヒイロはキリトとアスナ、クラインには自分がイレギュラーな存在であることを話している。
アスナの保護のためにここへやってきたことも。大事な部分はぼかしながらも一応全てを説明した。

ヒイロ「・・・さっさと用件を話せ。」

キリト「・・ヒイロ、もう一度。攻略組に参加してくれないか?75層の迷宮はモンスターがかなり強い。恐らくボスは今までと比較にならない強さだと思う・・・だかr「了解」

キリト「・・・・えっ?いいのか?」

ヒイロ「俺が攻略に参加しなかったのは目立ちすぎるとGMに消される可能性があったからだ。だが、攻略が進まないと意味がない。俺の任務は第一にこのSAOをクリアすることだ。」

キリト「そ、そうか!よかったよ。ヒイロがいれば大丈夫だな。」

ヒイロ「・・・油断はお前を殺すぞ。」

キリト「あぁ、わかってる。」

キリト「じゃぁ、75層攻略の概要を話すぞ。」

ヒイロ・ユイ

プレイヤー名:ヒイロ
レベル   :???
メイン武器 :片手剣
装飾品   :凍り付いた涙の雫<フローズンティアドロップ>

血盟騎士団

ヒイロはキリトとアスナに同行して、血盟騎士団の団長、ヒースクリフのところへ訪れていた。

ヒースクリフ「やぁ、よくきたね。キリトくんにアスナくん、そして・・・白雪姫だったかな?」

ヒイロ「・・・・」

キリト「すみません、あまりからかわないで下さい。ヒイロは協力すると言ってくれています。」

ヒースクリフ「そうか・・・すまないね。謝罪しよう。」

そう言って握手を求めてきたヒースクリフの手をヒイロははたいて言った。

ヒイロ「次の迷宮攻略のマッピングを二日以内に済ませろ。ボスは俺とキリト、アスナ、クラインそしてお前と血盟騎士団から最大レベルの人間を1人出せ。それだけでいい。他はすべて援護に回せ。」

ヒースクリフ「すくなすぎやしないかい?確かにその作戦なら死傷者は出にくいが、火力不足だ。」

ヒイロ「火力は十分だ。それにあまりアタッカーを増やしても邪魔になるだけだ。」

ヒースクリフ「しかし、ヒイr「団長、私からもお願いします。ヒイロの言うとおりにしてみてください。」

割って入ったのはアスナ。ヒイロとこのSAOでもっとも付き合いが長い彼女にはヒイロに何か考えがある。と確信していたのだ。

ヒースクリフ「・・・・そこまで言うなら、見せてもらおうか。白雪姫の腕前を。」

ヒイロ「・・あぁ。」

血盟騎士団から帰ってきたヒイロはすぐにシステムにハッキングし次のボスの情報を探した。

ヒイロ(これか・・・次のボスはThe skullreaper武器は・・)ブツンッ

ヒイロ(!?・・システムに拒否されている!?・・・)

ヒイロ(ハッキングが悟られた?・・・いや、なるほど、yuiとあるな・・この前のバグか・・・)

ヒイロ「アバターだけでなく存在そのものを消すべきだったか・・・」

ヒイロ「まぁいい。任務に支障はない・・。」

ヒイロ「今回の攻略・・・目的はボスではない。俺が殺すべき相手は・・・・・」

75層迷宮

ヒースクリフ「これより、75層の攻略に入る。欠員はないようだな。よく集まってくれた。状況はすでに知っていると思う。厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている。開放の日の為に!」

ヒースクリフはよくできた指導者だった。
ヒイロが知りうる限りでは二番目に優れていた。
そしてその優れた指導者はヒイロを見やると微かな笑みを浮かべ言った。

ヒースクリフ「ヒイロ君、キミの力には期待している。白雪姫の力。存分に揮ってくれたまえ。」

ヒイロ「・・・・・」

ヒースクリフ「では出発しよう。回路結晶を使う。」

回路結晶とは任意の地点を決め、そこへ転移できるというアイテムだ。
なかなかに高価なものらしく「おぉっ・・」といった声が漏れている。





75層ボス部屋前






目を開くとそこはもうすでにボスのトビラの前だった。

ヒースクリフ「みんな、作戦は事前に伝えたとおり。攻撃は私たちに任せてくれ。地味な役回りをさせてすまない。」

ヒースクリフ「だがこの作戦なら死傷者は出にくい。必ず全員生きて帰ろう!」

ヒースクリフ「・・・戦闘、開始!」

その台詞の後、ヒースクリフはトビラを開くとヒイロたち6人が先に中へ入っていき、他のメンバーは後方支援としてその後ろへ続いた。

ヒイロ「・・・待て、一度止まれ。様子がおかしい。」

キリト「あぁ、ボスがいないな・・・」

ボスの居ない部屋を見渡していると一同の前にいきなりソレは降ってきた。

ヒイロ(75層ボスモンスター The skullreaper。)

ヒイロが部隊の進行を止めずそのまま進んでいれば数人は踏み潰されていただろう。

ヒースクリフ「散開!後衛部隊は後ろに下がって前衛を支援!前衛部隊は後衛の下がる時間を稼ぐんだ!」

前衛6人「了解!」

ヒイロ(っ!攻撃の余波でもHPを削るほどの攻撃力・・・それにこいつ・・・・堅いな・・・)

クライン「こいつ・・・足の数が多いから無限に攻撃してきやがる・・・!」

ヒースクリフ「今は守りに徹するんだ!勝機はかならずくる!」

前衛はただ敵の攻撃を防ぎ間髪入れずにカウンターをする。
少しでもタイミングがずれれば敵の攻撃をモロに喰らい、死ぬ。
そんな極限下の状態での戦いが一時間ほど続いた。

だが不意に無限にも思えた戦いが終わった。
ボスがガラスの結晶のようなエフェクトとともに四散した。
だが、喜びの声をあげる者はいなかった。
失った人数が多すぎたのだ。

キリト「・・・・何人やられた?」

アスナ「・・わからない」

クライン「・・・14。14人だ。」

ヒイロ「・・・そうか。」(俺の任務はここからだ・・)

ヒイロはボスを撃破した後だというのに未だ闘志と殺意の籠もった眼をしていた。

ヒイロ(やはり・・・・あいつが・・・)

ヒイロはゆっくり立ち上がり男の元へ歩み寄っていく。
そして剣を抜き、言った。

「ヒースクリフ。いや、茅場晶彦・・・・・貴様を殺す。」

訓練されたヒイロの気配に気づき、咄嗟にガードをしようとしたのは流石はトッププレイヤーである。
だが、少し遅い。ヒイロの剣はヒースクリフの下腹部へと突きたてられていた。
まわりの人間は驚いた様子でヒイロをみていたが、その視線はすぐヒースクリフの前に現れた文字の方へと注がれた。
【Immortal Object】不死存在。

アスナ「ヒイロ・・・君?・・どういうことよ、これ・・・・」

ヒイロ「こいつはプレイヤーではない。俺と同じ、イレギュラーな存在だ。」

ヒイロ「茅場晶彦がこのSAO内にいることはずっと解っていた。そして、俺はヒースクリフやキリトを監視し不審な動きがないか探っていた。」

キリト(俺も疑われてたのか・・・)

ヒイロ「そして今回の戦闘、俺でなくてはわからない些細な動きがこいつから見て取れた。」

ヒースクリフ「些細な動き?どういうことかな?」

ヒイロ「お前は今回の戦闘で咄嗟にシステムのオーバーアシストを使ったな?」

ヒースクリフ「・・・なぜ、わかった」

ヒイロ「この世界では再現できない動きをしようとしたときに生じる僅かなタイムラグだ。」

ヒースクリフ「・・・?それでは説明がつかない。オーバーアシストを使えるのは私だけだからね。」

ヒイロ「システム上はな。俺はこの世界で思考通りに体を動かせなかったことが何度もある。」

ヒースクリフ「・・・それはキミのシステムの許容を超えたオーバースペックのせいだろう・・・。」

ヒースクリフ「まぁ、ばれたのなら仕方ない。ヒイロ君、急で悪いが今からラスボス戦だ。」

ヒイロ「・・・あぁ。」

ゲームはクリアされました。   ゲームは・・・・

アインクラッドに無機質な機械の音声が響く。
結果から言うと、勝負はヒイロの勝利に終わった。
茅場の勝機といえばソードスキルを全て見切れることだったのだが、一度もソードスキルを使ったことのないヒイロには関係なかった。
そもそも研究者の一人である茅場が幼少の頃から訓練されてきたヒイロに勝てるはずなどなかったのである。

ヒースクリフ「まさか・・・こんなところで終わってしまうとは、ね・・」

ヒイロ「・・・・」

茅場晶彦はポリゴンのかけらとなって四散し、この世界にも終わりが訪れる。

アスナ「ねぇ、ヒイロ・・・むこうに戻ったら、すぐに私のところに来て。」

アスナ「アナタには感謝してもしきれない・・・。本当にありがと。言いたいことは沢山あるんだけど、むこうで話すね。」

アスナ「キリトくんやクラインさん。エギルさんたちも呼んでみんなで集まろう?」

ヒイロ「・・・アスナ、俺はもうお前に会うことはない。」

アスナ「!」

ヒイロ「俺の任務はここまでだ。これ以上の干渉はよせ。」

アスナ「いy・・!そんn・・・!

やがて声も届かなくなり、視界も閉ざされていく。
そして1万人を縛り付けていた浮遊城が、崩壊する。

アスナ「・・・んっ・・・ここは?」

目を覚ますとそこはベットの上だった。

アスナ「そっか、終わったんだ・・・。ヒイロ・・・」

アスナは、涙が零れそうになるのをこらえながらゆっくりと起き上がり、ナースコールを押した。







しばらくしてアスナは普通に日常を送れるまでに回復していた。
そして今日からSAO事件の学生被害者のための学校が始まる。

アスナ「ヒイロも・・・いるのかな・・・」

そんなことを考えながら登校し、学校に着くとはりだされているクラス分けを隅々までみたがやはりヒイロの名はなかった。
少し落胆しながらも自分のクラスへ行き、指定された席に座る。
すると、机の中に小さな箱が入っているのに気づいた。
箱をあけるてみると中には星をかたどったペンダントが入っていた。

アスナ「えっと・・・フローズンティアドロップ?っていうのね。誰かの忘れ物?」

その箱にはもう一つ、小さな手紙も添えられていた。

アスナ「!」


『任務完了』


アスナ「ありがと・・・ヒイロ。」

これで終わりです!
ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月05日 (火) 21:08:55   ID: o07EjcPT

ALO版とかも描いてください期待してます

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