江ノ島「……苗木には、分かってるんだ」

苗木「ふふふふ、だって僕は希望だからね。絶望の事なんかお見通しさ」

江ノ島「ふーん」

苗木「ところでさ、本題だよ」

江ノ島「どーせ絶望に飽きてるとか連呼するだけでしょ？そんなことあり得ないから」

苗木「へぇ、それはどうかな？だってさ、君はいつもキャラを持ってたけど、それに本物の江ノ島さんはあったのかな？全て仮面を被ってるだけでしょ？」

江ノ島「…は？いやいや、無いよ。全部アタシ。それに、今こうやって素が出てるじゃない」

苗木「ふーん…そうなの…でもね、その自分の信じてる「自分」が正しいものとは限らないんだよ」

江ノ島「そんなわけないでしょ？」

苗木「考えてもみなよ。あれだけのキャラで飽きる飽きる言ってる人が、今更1つのキャラにまとまれると思う？」

江ノ島「……」

苗木「つまりね、この江ノ島さんも「ギャル」という一キャラに過ぎないんだよ！しかも、それはあのキャラ達と全く変わらない！」

江ノ島「……やめてよ」

苗木「つまり、本当は『飽きないように』キャラを変えることにすら飽きて、ずーっと自分を騙してたわけだ！」

江ノ島「仕方ないからそれは認めてあげる。でも、それか絶望に何の関係があるの？」

苗木「あれ？ここまで言っても分からないのかな？あ、違うね。分かりたくないんだ！自分の信じてたものが崩れ去るさまは恐ろしいからね！」

江ノ島「ねえ、もう分かったから。早く言って」

苗木「江ノ島さんはいっつも絶望に対して『絶望は飽きないから好き』とか『絶望は変わらないから好き』なーんて言ってるけど、それって、つまりさ」

江ノ島「……それが、何なの」

苗木「ふーん、往生際が悪いなあ…まあ、何度も何度も呟いて叫んで主張してる時点で、ね」

江ノ島「……」

苗木「それも結局自己暗示。君が演じ続ける性格の特徴にすぎない」

江ノ島「何言ってるの、私は絶望に快感を…」

苗木「あーあー、そんなに否定しなくていいのに。それに、『江ノ島さんの演じてるキャラの性格』なんてどうでもいいんだよ」

江ノ島「うぁ…」ｽﾞｷﾞｯ

苗木「ねえ、江ノ島さん。今ので分かってくれたかな？これが、これが、本当の『絶望』だよ？……あれ？でも、まさか、超高校級の絶望ともあらんお方が、『心の底から絶望』してるわけなんかないよね？」

江ノ島「うぅぅ………」（何これ…これが、絶望？なんで、こんなに痛いの？）

苗木「どうかな？信じ続けてた者が完全に壊れていくのは？苦しい？苦しいよね？」

江ノ島「ふー…ふー…」

苗木「なんでこんなに苦しいかって思ってるのかな？なんでこんなに辛いのかなって思ってるのかな？あははっ！だって、当たり前でしょ？」

江ノ島「なんで…ｲｯ？！」ｽﾞｷﾞｨｯ

苗木「当たり前でしょ？当たり前でしょ？だって、僕が攻撃してるのは作られた江ノ島さんじゃなくて、本当の江ノ島さんだよ？しかも、かと信じられるものも、自分というものも分からないような」

江ノ島「もう、やだあ…！」ｽﾞｷﾞｷﾞｨｯｯ

苗木「ずーっと硬くて強い殻に篭ってたんだもんね？地面に立つだけでも辛いんじゃない？」

江ノ島「ぁあああぁあぁああああ！！！！」ｽﾞｷﾞｷﾞｷﾞ

苗木「あー…この顔…こんなに良いもんだとは思ってなかったよ…いや、まあ超高校級の絶望って言うから期待したけど、こんなに脆いんだ？」

江ノ島「ﾋｯ?!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ｽﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ

苗木「ああ、今までした事のせいで幻覚にでもやられてるのかな？本当に中身は脆いんだねえ、君」

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　　　　　　　|　　　　　　〃´r==､｀ヽ:::::::::::::/Y::::::|　　と思うモノクマ…じゃなくて江ノ島であった　
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苗木「そんな事僕に話されても困るんだけど」

江ノ島「ねぇねぇ、どう？どう？」

苗木「どうって言われても困るんだけど…」

江ノ島「！！！」ｷﾗｷﾗｷﾗｷﾗ

苗木「少なくとも僕はそんなキャラじゃないでしょ？」

江ノ島「………」ｽﾞｰﾝ

苗木「……江ノ島さん」

江ノ島「んー？」

苗木「それ、白状したって事でいいのかな？」

江ノ島「うーーー…ん、多分」

苗木「つまり、それは僕に助けを求めてるってこと？」

江ノ島「うん、まあ、それもある、かな？」

苗木「えっ」

江ノ島「いや、確かに最近何もかも飽きてきたんだけど、こんな事想像しちゃうくらいにはマゾみたいでさ」

苗木「ちょ…まさか…」

江ノ島「うん、一人芝居だっただけで実話かな」

苗木「江ノ島さん、色々壊れてるね」

江ノ島「最初からそんなもんじゃない？」

苗木「そっか」

江ノ島「まあ、良かったよ。まだそんなに大規模な事してなくて」

苗木「仕掛けてたけどね」

江ノ島「あ、そういえばそうだった」

苗木「うーん…しかし、飽きるって言われてもどうすればいいんだろう？」

江ノ島「しばらく放置すれば…ってのが無意味なのは散々痛感してたからなあ」

苗木「いつか、完全に消えそうだね」

江ノ島「うん、既にアイデンティティ一つ消えたしね」

苗木「絶望的、だね」

江ノ島「……もう、やだよ。こんなに苦しいの」

苗木「あはは、ごめんごめん。今の江ノ島さん…あれ？江ノ島さんなのかな？」

江ノ島「……そうだよね」

苗木「別に無理なんかしなくていいけど。でもさ、折角こうなったんたから」

江ノ島「…？」

苗木「希望、初めて見ない？」

江ノ島「えっ…？」

苗木「ほら、江ノ島さんって食わず嫌いでしょ？だから、たまには、さ」

江ノ島「…嫌」

苗木「飽きちゃうから？…なら、飽きなければいいのに」

江ノ島「どうすれば…どうすればいいの？私はもう私じゃない。何もかも飽きちゃうから。なのに、どうすればいいの？」

苗木「幸せなら、それでいいんじゃない？」ぎゅっ

江ノ島「あ」

苗木「温かいでしょ？絶望とは全然違う。これが本当の希望だよ」

江ノ島「私、絶望だけじゃなくて希望も知らなかったのかな」

苗木「……さあ、ね」


狛枝（毎日毎日江ノ島にサブリミナル洗脳した効果がやっと出たよ…）

狛枝（憎くて憎くて仕方なかった江ノ島だけど、これなら素敵な希望を見せてくれそうだ…）

狛枝（可愛いなあ…江ノ島…あんなんなっちゃって…ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ）

左右田（……）

狛枝「……」ﾆｯﾀｧ…

左右田（…見なかったことに！見なかったことに！見なかったことにィィィィィ！！！！）


田中「…む？」

左右田（ヒイイイイイイイイイイイ！！！！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

田中「……む？」


ソニア「おー………」

左右田（嫌ああああアアアア！！！！！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ソニア「おー…」（いつもの二倍くらい早い…？）


十神「ふむ…」ﾊﾟｻｯ…

左右田（うわああああああ！！！！！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾊﾞｯｻｧﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

十神「………」ｲﾗｧｯ


苗木「……」ぎゅーっ

江ノ島「…？」ぎゅーっ

左右田（ああああおあああ！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

苗木「ん？」ﾋﾞｭﾝｯ

江ノ島「…はやっ」ﾋﾞｭﾝｯ

左右田（ん？今地味に凄いもん見たような…？）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…ｷｷｷｷｯ

狛枝「……」

左右田（……）

左右田(；・∀・)

左右田（やべええええええええええええ！！！！！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

狛枝（全く、何を逃げてるんだか…？）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

江ノ島「いやあ、なんだったんだろう」

苗木「あれ、当たってたら死んでたかも」

江ノ島「流石、超高校級の幸運ってとこかなあ」

苗木「うーん」

江ノ島「ひとまず私はアイデンティティが必要な訳だけど」

苗木「あらゆるものに希望を見出すようにしてみたら？」

江ノ島「例えば？」

苗木「今の江ノ島さんとか」

江ノ島「あー…確かに前の私だったら最高なんだけどね」

苗木「でも、悲しんではいないね」

江ノ島「三日は泣いたからねー。それからはさっぱり無気力になっちゃったけど」

苗木「ほんと、今の江ノ島さんからは全くなんの気も感じないね」

江ノ島「ある意味、ゼロだね」

苗木「でもさ、今の江ノ島さんは確かに江ノ島さんでしょ？例え薄いって言っても江ノ島さんならいいんじゃない？」

江ノ島「いや、多分違うんだよ。多分前と同じように仮面は付けたまま」

苗木「壊れたのに？」

江ノ島「うん。例え壊れてても仮面を付けなきゃ何も出来ない」

苗木「さらっと言ってるけど、凄い自虐だね」

江ノ島「まーねー」

苗木「でも、別に感情が無いわけでも無いのにね」

江ノ島「確かにあるにはあるけど、どーせ飽きちゃうからほとんどどうでもいい」

苗木「……ほんとに、壊れちゃったんだね」

江ノ島「そーだーねー」

苗木「ちょっと、寂しいかな」

江ノ島「あーあ、仮面にすら飽きちゃうのかな」

苗木「飽きたらいいんじゃないの？」

江ノ島「私、壊れちゃいそう」

苗木「え？」

江ノ島「本当に。根本から」

苗木「ふーん」

江ノ島「この薄情者めー」

苗木「そんなこと大して思ってないくせに」

江ノ島「ふんだ」

苗木「本当の江ノ島さんはどこにいるんだろうね」

江ノ島「さあ？」


江ノ島B「あ、苗木じゃん！」

苗木「……は？」

江ノ島B「久しぶりー…でもないかな？」

江ノ島「……え？」

狛枝（は？）

江ノ島B「いやー、なんか起きたら十人になっててさー」

江ノ島「……めんどくさい」

苗木（本音だ）

狛枝（僕もめんどくさい）

苗木「十人…」

江ノ島「あ、もしかして本当の江ノ島って私？」

江ノ島B「おーい、無視しないでー」

苗木「あー、この江ノ島さんが所謂『プレーン』なのかな」

江ノ島「本当に色々と壊れてるなあ」

苗木「まあ、江ノ島さんだからね」

江ノ島「地味にひどい」

苗木「どうでもいいくせに」

江ノ島B「……」ぐすっぐすっ

江ノ島　盾子←たぶん江ノ島
江ノ島　剣子←たぶん江ノ島B
江ノ島　銃子
江ノ島　槍子
江ノ島　鉈子
江ノ島　砲子
江ノ島　刃子
江ノ島　弾子
江ノ島　弓子
江ノ島　槌子

江ノ島（盾）「どーでもよくなんかないもーん。受け身なだけー」

苗木「本当かなぁ…」

江ノ島（剣）「もーいい加減に相手してよぉ苗木ィー…」

苗木「あ、ごめん」

江ノ島（盾）「えっ」

江ノ島（剣）「えっ？！」

苗木「なんだよ、まるで僕が意図的に無視してたみたいに」

江ノ島（盾）「違うんだ」

江ノ島（剣）「違ったんだ！？」

苗木「ちょっと！」

江ノ島（盾）「何かー？」

江ノ島（剣）「なに？！」

苗木「同じ反応で返すのやめてよ。うっとおしい」

江ノ島（盾）「あははは、ごめんね」

江ノ島（剣）「アハハハ、悪いね」

苗木「……」

江ノ島（盾）「ごめん、わざとじゃないから」

江ノ島（剣）「わざとじゃない！わざとじゃない！」

苗木「……ごめん」（こんなのが…あと…八人…？）くらっ

江ノ島（盾）「あっ、倒れた」

江ノ島（剣）「倒れたねー」

江ノ島（盾）「どうする？」

江ノ島（剣）「うーん…？」


？？？「私様が運んであげましゅ…ますわ！」ｿﾛｯ…

江ノ島（盾）「あ、噛んだ」

江ノ島（剣）「噛んだ…つーか初登場の割りに弱いね！」

江ノ島（銃）「し、仕方ないのですわ！私様は慎重派なのです！」ｿﾛｰ…ﾘｿﾛｰ…ﾘ

江ノ島（盾）「小動物…？」

江ノ島（剣）「……」ｼﾞｰｯ…

江ノ島（銃）「……な、なにか？！」ｿﾛｰ…ｿﾛｰ…

江ノ島（剣）「……」ﾊﾞﾝｯ！

江ノ島（銃）「ﾋｯ？！」ﾋﾟｮﾝｯ

江ノ島（盾）「あっ跳ねた」

江ノ島（剣）「あははは！面白ッ！」ﾊﾞﾝｯﾊﾞﾝｯ！ﾊﾞﾝｯ！

江ノ島（銃）「ちょ、ちょっと！やめなさい！机が汚れますわ！」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

江ノ島（盾）「小動物…大きいけど」ﾎﾞｿｯ

江ノ島（剣）「ちょっとあんた、ビビりすぎでしょっ！」ﾊﾞﾝｯ！ﾊﾞﾝｯ！ﾊﾞﾝｯ！

江ノ島（銃）「ひいいいいっ！また会いましょう！一般市民の皆様！」ぴゅーん

江ノ島（盾）「あ、行っちゃった」

江ノ島（剣）「あいつ、何しに来たんだろ」ﾊﾞﾝｯ！ﾊﾞﾝｯ！

ロリもいるんかな？

>>27
外見はみんな江ノ島さんなので苗木くんが過労死します

苗木「うーん…？」

江ノ島（盾）「あ、おはよう」
江ノ島（剣）「おー、起きた」
江ノ島（銃）「お、おはようこざいますわ！」
江ノ島（槍）「おはようッ！苗木ィッ！」
江ノ島（鉈）「そうですよね…私なんかの為に…え？起きた？！起きた！！！」
江ノ島（砲）「なぁーえぇーぎぃぃぃいー！！おっはよぉぉぉぉお！！！！！！」
江ノ島（刃）「えー、苗木起きたの？起きんなよ！遊べないだろ～？」
江ノ島（弾）「はい、おはよ」
江ノ島（弓）「あー苗木ー？おーはーよー」
江ノ島（槌）「苗木くん、苗木くん、おはよう！」

苗木「……」

苗木「ごめん、もうちょっと…」

江ノ島（槌）「だ、だめだよ！そのまま帰らぬ人になっちゃうかも！」

苗木「ごめんそれはない」

江ノ島（槌）「じゃ、じゃあ、植物状態に…！」
江ノ島（弾）「貴女は重く考えすぎ」
江ノ島（槌）「ごめん」

苗木「……」

江ノ島（鉈）「苗木…？寝ちゃった…私のせいだ！私のせいだ！」
江ノ島（盾）「それもないよ」
江ノ島（鉈）「そんなわけ…そんなわけないもん！全部私が悪いの！」
江ノ島（剣）「うっぜ」

苗木「……」（寝れるか…寝れるかッ！）

江ノ島（弓）「えー？！なーえーぎーくーんーもーうーねーるーのー？」
江ノ島（槍）「遅いっ！もっとシャキシャキしなさい！」
江ノ島（砲）「むーりーだあああぁぁぁぁおおー！出来る訳がぁぁぁぁ！ないぃぃぃぃぃ！！！！」

苗木「何これ…何これ…何これ…？！」

江ノ島（盾）「ごめんね、みんな集めちゃった」

苗木「やめてくれよ！本気でうるさい？」

江ノ島（盾）「ごめんね」
江ノ島（剣）「ごめっ！」
江ノ島（銃）「す、すみませんわ！」
江ノ島（槍）「すまないな！はっはっは！」
江ノ島（鉈）「ごめんね、ごめんね、私なんか居るから…消えちゃえばいいんだ…」
江ノ島（砲）「ごぉぉぉおおおめぇぇぇぇんんんんねぇえええええ！！！なぁぁあああえぇぇぇええぇぎぃいぃぃいぃぃぃ！！！」
江ノ島（刃）「なんで私が謝るの？こんなとこで寝たあんたが悪いのよ」
江ノ島（弾）「ごめん」
江ノ島（弓）「えー？ごーめーんーねー」
江ノ島（槌）「ご、ごめんね！死んじゃったかもしれないんだもんね！」

苗木（何にも分かってない！！！）

江ノ島「……」じーっ

江ノ島（………）

江ノ島（えっ誰こいつら）

江ノ島（えっ…？）

江ノ島（……そういえば、最近おねえちゃん見ないなあ…）

江ノ島（えー…）

江ノ島（どうしようこれ…）

苗木「えっ？！」

江ノ島「あっ！」

江ノ島（全）「えっ！？」

江ノ島「…は？」

苗木「あれ？」

江ノ島（全）「うん？」

江ノ島「なにこれ」

苗木「疲れる」

江ノ島（盾）「いち」
江ノ島（剣）「にー！」
江ノ島（銃）「さん！…ですわ」
江ノ島（槍）「四だ！」
江ノ島（鉈）「ご…」
江ノ島（砲）「ろくううううぅ！！！」
江ノ島（刃）「はいはい、七ですよー」
江ノ島（弾）「八」
江ノ島（弓）「えー？あ！きゅー！」
江ノ島（槌）「じゅうー」

江ノ島「えっ？」

江ノ島「あっ…」

江ノ島「じゅ、じゅういち？」

苗木「え？」

江ノ島「待ってよ、本気で何これ」