【モンハン】男「古龍と学園生活」【安価】 (26)
・擬人化注意
・エロは下手なのでも需要があるならやるかも
・MHFはやった事ないので、Fの古龍は完全に写真とか能力からのイメージで書きます
・オリジナル設定あり
・作者は失踪病にかかっていますので、落ちたら「落ちたな(確信)」と温かい目で見守ってやってください
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クシャルダオラ
↑せやな
では霞龍オオナズチで
ミラバルカン
アマツマガツチ
ナナテスカトリだっけ
炎の古龍の青い方
クシャル
ナズチ
バルカン
アマツ
ナナ
に決定しました。テオェ……
では、遅筆ですが書いていきます
僕がまだ幼かった頃。
僕が住んでいた村を、大災害が襲った。
僕は村の人達に連れられ、別の村へと避難した。
どんな大災害だったのかは覚えていない。ただただ、今でもハッキリと目に焼きついているのは跡形もなくなってしまった思い出の詰まった場所。
もう、村と呼ぶにはあまりにも何もなくなってしまった、場所。
すすり泣く人。絶句して立ち尽くすしかない人。愛する人の亡骸を抱えて吠える人。
僕の両親は、狩人だった。
何かがあった時のためにと、村に残っていた、ハズだった。
僕は両親を探して走り回った。
不意に何かに躓いて転んでしまった。
すりむいた膝の痛みをこらえながら立ち上がり、もし小石だったのなら蹴っ飛ばしてやろうと躓いたそれを確認した。
それは、腕だった。
瓦礫の下から伸びている2本の腕。
誰かと誰かが手を握り合ったまま、瓦礫に潰されて、息絶えてしまったのだろう。
そして気づいてしまった。
二本の手、その片方の薬指。
見覚えのある装飾を施された、紅い、結婚指輪。
「……あ、ああああああああああああ!!」
父さんと、母さんの、腕だった。
その日から後の事は覚えていない。
振り回されるまま、流されるまま、親戚の鍛冶屋の家へと僕は迎えられた。
「おう、坊主。暇ならこれでも読みな」
いつも工房で座ってばかりだった僕に、叔父さんはそう言って一冊の本を渡してくれた。
タイトルは、「古龍の伝承」。
何もしないよりはマシだと思い、僕は適当にページをめくった。
そしてとあるページを開いた時、僕は目を疑った。
ページに書かれていたのは、あまりにも巨大な蛇。
名は、「ダラ・アマデュラ」。
―――村を壊したのは、こいつだ。
直感的に、そう感じた。
ページを凝視し、ただひたすらに情報を頭の中に叩き入れた。
ただ、接触した記憶すら残っていないという事実が情報量に比例し、僕が得られた有力な情報といえば「ダラ・アマデュラの鱗を貫ける刀はこの世に幾つも存在しない」といったものだった。
読み終えた本を放り投げ、工房で作業をしていた叔父さんに向かって叫んだ。
「叔父さん!!」
その日から、僕の胸にはある二文字が張り付いて離れない。
それは汚らしく、だけど一途に僕を歩かせてきた。
「……どうした坊主」
いつか、僕の打った刀で。
「僕に、鍛冶を教えて」
あの蛇を、殺す。
その復讐は何年たった今でも、終わる事はない―――
「叔父さん!行ってきます!」
「おう、行ってこい」
二年前の誕生日に叔父さんから受け継いだ鍛冶工具をリュックにしまい背負うと、僕は工房を飛び出した。
もう9の月だというのに、降り注ぐ太陽光はジリジリと遊歩道を焼いている。
山の上にある学園までの道のりには木陰が少なく、登り道が多い。重い鍛冶工具を背負って登っていくとなると、正に地獄と言えよう。
……いや、こんなのが地獄だなんて生ぬるいな。
「それにしても……熱すぎんだろ……アホか……」
最近の異常気象に悪態をつきながら、延々と続きそうな坂道を登っていく。
実際、7の月と8の月は夏の割には涼しかった。
おかげで前の年のように工房で倒れるような事はなかったのだが……
「今年は大丈夫と思った矢先にこれだもんな……」
ぶつぶつぶつぶつと言っているうちに、学園が見えてきた。
ぐいと汗をぬぐい、リュックを背負い直す、
だがその学園までの道のりの途中、二つの陰が僕の歩む道を遮っていた。
……あのシルエットはあいつか。
「カイ・ザー!やぁ、男君!」
「……やぁ、テオ」
その赤髪灼眼の美青年はマントを翻しながら僕に挨拶をしていた。
ただでさえ暑いのに、こいつと会っただけで更に周囲の温度が上がったような気がする。
というか、正直暑苦しい。
「どうした男君!元気がないようだな!」
「君が暑苦しいからね」
「そうか!ははは!照れるな!」
「褒めてない」
美青年は笑い声をあげながら、僕の肩をバンバン叩いてくる。
この暑苦しい少年の名前はテオ=テスカ。
頭には赤いクラウンを冠り、マントが縫い付けられてある真っ赤な特別製の制服を着ているので傍から見れば明らかに頭のおかしいヤツだ。
だが、何故彼がこんな格好をしているのかには理由がある。
テオは鍛冶屋向けの溶鉱炉メーカーの中でもトップのシェアを誇るテスカ家の長男だ。
つまり、跡取り息子とも言う。
彼の父親はまた特異な人で、「王であるならば王らしくあれ」という教育理念の元、テオを大事に育てていたらしい。
その結果、日常生活の中でも彼は王らしく振舞わなければいけないという思想が強迫観念のように着いて回るようになってしまったらしい。
「ホント君、そんな格好でよく暑くないね」
「ん?心頭滅却すれば火もまた涼し、だよ!」
「……そう」
「テオ。僕早く学園に入りたいんだけど」
「ああ、ごめんね。新学期になって男君と会えると思ったら、ワクワクしてつい外に出てしまっていたんだ」
ちなみにテオは事情を知っている僕等と話す時はこのように気さくに話しかけてくるが、知らない人間と話す時や跡取りという身分として話す時は高圧的な態度で話している。
「君ってそっちの趣味があったの?」
「王はどちらでも行けるんだよ」
「何の話をしてるんですか!?」
冗談交じりに会話をしていると、顔を真っ赤にして僕とテオの間に女の子が割って入ってきた。
ふわりと鼻先を柑橘類のような香りが掠めていった。
「どうしたのナナさん」
「どうもこうもないです!に、兄さんが、その……ごにょごにょ」
「もちろん冗談。王は男でも女でもオカマでもオナベでもホモでもレズでもバイでも行けるからね」
「兄さん!!もー!!」ポコポコ
「ははは、ごめんごめん」
涙目になりながら女の子はテオにぽこぽこパンチを食らわせていた。和む。
彼女はナナ=テスカ。苗字やテオへの呼び方からわかる通り、テオの妹だ。と言っても、双子なのだが。
全てがテオと対のようになっているのが特徴で、髪は青色が濃く出ており、瞳の色も青に近い。そして何より、真っ青なテスカ家特別製の制服を着ている。こちらにはマントは付いていないが。
あと強いて言うなら、体の一部分がでかい。何がとは言わないが。
「兄さん。王は別にそんな趣味をしてなくてもいいんですよ?」
「そうかな?この前読んだ本には割とそういう王様が沢山いたけれど」
「兄さんは何の本を読んでいるんですか!?」
自由奔放な兄に振り回される、気苦労の絶えない妹というのが僕の勝手なイメージ。
だけど、ちゃんとそういうのをわかって僕やテオに突っ込んでくれてたりするから凄く気配りのできる優しい子だ。
「男さんも!あんまり兄さんの冗談に悪乗りしないでください!」
「ごめんなさい。ナナさんが突っ込んでくれるのが心地よくて」
「突っ込むのが心地よいって……うう。私がそっち苦手なのわかって言ってますよね」
「まぁね」
「男さんも意地悪です……」
ぷい、とナナさんは頬をふくらませてそっぽを向いてしまった。
いちいち仕草があざといのに、ナナさんはそう見えないのが不思議だ。
「そういえば男君。今日はあの子と一緒じゃないんだね」
「あの子?」
「ほら、暴風雨(レイン・ストーム)の……」
ドドドドドド……
「……この音は」
学園の方から聞こえてくる地鳴りのようなこの音。
僕はこの一年間で、すっかり聞きなれてしまっていた。
「噂をすれば、だね」
「私、あの人少し苦手です……」
テオやナナさんもどうやらわかっているみたいだ。
あいつが、来る。
そいつは、校庭を走り抜け、学園の門を飛び越して、僕に向かって一直線に飛び込んできた。
僕は体勢を低くし、彼女がぶつかってきたところをキャッチ&リリースしてやろうと―――
「男ー!!久しぶりー♪」ドッ
「ぐふっ……」
無理でした。
腰に思いっきりタックルをかまされ、後ろ向きに倒れる僕。
相変わらず無茶苦茶だなこいつ。
「……クシャル。それやめてって言わなかったっけ」
「言われたのは一学期でしょ?今日から二学期だよ!男!」
「……」
ため息をついて立ち上がると、彼女は僕の腰に抱きついたまま器用に立ち上がった。
そしてクシャルは上機嫌で抱きついた僕の腰辺りに頬ずりまでし始めた。
「く、クシャルさん!ダメですよ!」
「んー?どうして?」
「ど、どうしてって……」
「ナナもやりたいならやればいいのにー。ほら、私は左側でやるから右側空いてるよー?」
「えっ、あっ、そ、その、じゃあ」
「その前に俺の許可を取れ」ゴッ
「あいた!」
頬ずりしていた彼女の頭にげんこつを食らわせると、むぅと不機嫌そうに僕の腰から手を離した。
……それ以上やられると僕がヤバイんだ。僕が。
「暴力はんたーい!男はへんたーい!」
「やかましい!」
「へっへっへー。改めてそのツッコミは男だね。久しぶり!」
「……久しぶり、クシャル。相変わらずちみっこいな」
「何をー!?」
今日はクシャル登場までで終わり。
次は三日以内の更新を考えてます(更新するとは言ってない)
このSSまとめへのコメント
おいおい、これはクシャルさんを貰うしかないじゃないか。