仗助「お、俺たちでDIOを倒すんすかァ~?」 (36)

康一「今日はみんなで仗助くんの家でお泊まり会。仗助くんのお母さんが出張でいないということもあって保護者役として来たのは……」

ジョセフ「ワシじゃよォ~ん」

仗助「ったく……。お袋には秘密ッスよ。教えた途端地の果てからでも帰ってきそうだからな」

億泰「それにしてもすげェメンバーだよな~」

露伴「今日はジョセフさんが昔話をしてくれると聞いて来たんだ。以前からジョースター家については興味があったんだ」

仗助(てめーは勝手についてきただけだろーがっ!)

噴上「……」

億泰「噴上ィー、人数合わせだからって急に呼び出して悪かったなァ~」

噴上「は、ハッキリ言わなくても……」

静「…」スヤスヤ

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ジョセフ「たまに昔話をしたくなるもんでのォ、承太郎に無理言って連れて来てもらったんじゃ」

仗助「承太郎さんも人が悪いッスよ。昨日突然電話が来て『じじいの昔話に付き合ってやれ』って言われちまって……断れるわけないよなァー」

億泰「ギャハハ!! 仗助のモノマネ似てるゥー!」

ジョセフ「もろ承太郎じゃったわい!」

仗助「だろ? だろ? 電話口で承太郎さんの前でやったらさすがに『ぶっ飛ばすぞ』って言われたけどよォー!」

億泰「その『ぶっ飛ばすぞ』も似てたァー! ギャハハハハ!」

噴上(何だか疎外感を感じる……)

ジョセフ「じゃあ少し長くなるが話始めようかの……」

10分後

ジョセフ「そもそもスタンドというものは……」

康一「へ~、知らない内にスタンドなんて使ってたから知らなかったよ!」

仗助「じじいにも若い時があったんスねー」

露伴「興味深い……」

億泰「Zzz……」

2時間後

噴上「そもそもDIOってのは何者なんだ?」

ジョセフ「ふむ、ではワシの祖父『ジョナサン・ジョースター』についてから説明しようかの」

仗助(噴上も乗ってきたッスね~)

康一「承太郎さん、そんな凄い敵と戦っていたから強かったんだね!」

億泰「Zzz……」

夜も更け……

ジョセフ「エジプトが……」

仗助「Zzz……」

康一「Zzz……」

噴上「Zzz……」

露伴「それでその花京院は何を!?」

更に一時間

ジョセフ「それで……むにゃ、どこまで話したのやら……」

露伴「『ザ・ワールド』の能力についてところまでです」

露伴(寝るなよ……寝るなよ……)

更に……

ジョセフ「Zzz……」

露伴「寝るなーッ!! おいおいおいおいおいおいじじいーッ! 起きて話の続きをしろォーッ!」

ジョセフ「Zzz……」

露伴「クソ……。仕方ない、『ヘブンズドアー』を使うか……」

更に……

露伴「Zzz……」

ジョセフ「Zzz……」

噴上「Zzz……」

億泰「Zzz……」

康一「Zzz……」

仗助「Zzz……」

空条邸

仗助「んん……よく寝た。あ、あれ? ここは……」

ホリィ「承太郎~! 承太郎~!」

仗助「あれ? あ、あんた……」

ホリィ「あら、承太郎こんな所にいたのね! 探したのよ! パパもアブドゥルさんも待ってるから朝ごはん食べましょ!」

仗助「え? は? 俺が承太郎さん?」

仗助「で、なんで……」

露伴「……」モグモグ

仗助「露伴と」

億泰「……」モグモグ

仗助「億泰が」

ホリィ「?」

仗助「ここで飯食ってるんすかァーーッ!」

露伴「余計なことを言うな『承太郎』。今は『ワシ』が『ジョセフ』で」

億泰「オレが『アブドゥル』なんだよなァ~ろは、ジョセフさんよォー」

ホリィ「当たり前じゃない!」

露伴「ああ、『ヘブンズドアー』を使ったんだ。彼女を混乱させない為にもな」

仗助「もっと簡単に言ってくれよ!」

露伴「お前のようなノータリンに分かりやすいように言うとだな。我々は『空条承太郎』『ジョセフ・ジョースター』『モハメド・アブドゥル』『花京院典明』『J・P・ポルナレフ』に代わって『DIO』を倒さなきゃあならないのだ」

仗助「な、なんでだよ!?」

露伴「夢だからだ」

仗助「夢ェ? これはオレの夢ってことッスか?」

露伴「違うね、これはぼくの夢でもある」

億泰「オレの夢でもあるんだよなー」

仗助「夢が……リンクしてるってことか?」

露伴「ハッキリ言ってそんなことはどうでもいい」

露伴「どうでもいいんだ。ぼくはこの奇妙な冒険を追体験できている! こんなに興味深いことはない!」

仗助「な、なにィ~!?」

露伴「それで十分」

仗助「ムチャクチャじゃねェかよ~ッ!!」

露伴「……さ! 早く朝飯を食わないと学校に遅刻するぞ承太郎!」

億泰「オレはこの世界じゃあ学生じゃないからもう一眠りしちゃおうかなァ~」

ホリィ「アブドゥルさん違う人になったみたいね!」

仗助「な~んか釈然としねーけど、行ってきまーす」

ホリィ「承太郎いってらっしゃい」チュッ

仗助「なッ! な、何をッ」

ホリィ「いってらっしゃいのキスよ! 忘れちゃったの?」

仗助「う、ウス……。行ってきます……」

仗助(ホリィさん、だっけか? 承太郎さんのお袋さんってことは……じじいの娘にあたるわけで……)

仗助「俺の姉さん!?」

仗助「変な気持ちになってきた……。これは夢、これは夢……」

空条邸

露伴(ぼくはジョセフジョースターが眠ったことを確認した後、『ヘブンズ・ドアー』を使って彼らがどうやってDIOを倒したか見ていたんだ)

露伴(それだけじゃあない。戦った敵の詳細、スタンド能力、etc…)

露伴(全て知り尽くしているんだ。そして、今ぼくなりにそのスタンド達をどう倒してやるか考えているところだ)

露伴(それを仗助たちに教えて効率良くDIOを……なんてごめんだね。何も知らないフリをしてあいつらが右往左往している様子を楽しむとしよう。泣いて足にすがりついて助けを求めたなら考えてやらなくもないが……)

露伴(康一くんにだけ少しヒントを教えてやろう)

露伴(しかし、もし……もし彼が『花京院典明』の代わりだったとしたら……。学校に行った仗助がこれから戦う相手は……)

女子「あら? 今日はジョジョがいないわ」

仗助「この夢、やけにリアルだな……」

女子「あそこにいる彼、ちょっとイケてない?」

仗助「……」

エコーズact2『……』フワフワ

仗助「お、あれは康一の……。近くに康一がいるってことだな」

康一「……」

仗助「いたいた! 康一ィ~!」

康一「仗助くん!」

仗助「お前も夢の中に来てたんスねェ~」

康一「びっくりしちゃったよ! でも僕たちもっと大変な目にあって来たんだからそれに比べれば……」

仗助「あ、ああそういやぁ確かに色々あり過ぎなんだよなァ、俺たち」

康一「うんうん!」

仗助「とにかく知ってる顔を見れて安心したぜ。仲間ってのは大事だな~」

康一「……うんうん」

康一「そこの階段滑りやすいから気をつけてね」

仗助「え?」ツルッ

康一「あ~あ」

仗助「う、うァアアア」

康一「この階段けっこう高いから気をつけてね、と言いたかったんだけど……。この階段の高さなら、打ち所悪かったら大変かもしれないなァ~~~」クスクス

仗助(康一……?)ムクリ

康一「チッ……仗助くん大丈夫?」

エコーズact2『……』ツルッ

仗助(エコーズが持っていた字は……まさか、まさかな)

仗助「大丈夫大丈夫! 俺をアマく見んなよォ~!」

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