モバP「アイドルサバイバルin無人島!」 (37)

~1日目~

水本ゆかり「無人島で2週間サバイバル生活と聞いたときは心配しましたが……」

緒方智絵里「食材とキャンプ用品一式準備してくれてるし、サバイバルというよりキャンプみたいですね」

五十嵐響子「……そんなに甘くないかも」

智絵里「どうしてですか?」

響子「よく見たら食材ってお米と調味料だけです」

響子「それも、2日分くらいしか無いみたいです」

智絵里「ええっ!?」

響子「まゆちゃんも料理好きですよね? 私はこの量だと2日分と思うんですけど」

佐久間まゆ「うーん、5人分だと……そうですね、2日くらいだと思います」

ゆかり「1食あたりを少なめにしたらどうですか?」

まゆ「……それでも、3日分になるかどうか」

まゆ「全く食べない訳にはいかないですし」

響子「それに撮影してるわけだから……あんまりみっともないところを見せるのも、ね?」

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P「……」サツエイチュウ

智絵里「節約したらダメでしょうか?」

P「多少はいいけど、腹ペコで朦朧とした姿なんて事務所NGだぞ」

P「見るに耐えない状況になったら強制終了。衛星電話で連絡してすぐ迎えに来てもらう」

まゆ「電話つながるんですか?」

P「使うのは定期連絡と迎えを呼ぶときだけだけどな」

ゆかり「せっかくなのでお聞きしたいんですが」

ゆかり「アイドルが太平洋の無人島でサバイバル生活、という特番をするのは良いんですけど、なぜ私達なんです?」

P「不満?」

ゆかり「ではなくて、もっと適任者がいるのでは……と」

響子「サバイバル力の高そうな」

P「それだと面白くない……って番組Pに言われてさ」

智絵里「逆に私達じゃサバイバル経験無さ過ぎて、番組が成り立たない気がします……」

P「番組の都合上、俺があれこれ手伝うのはNGだけど、アドバイスくらいならするから」

まゆ「来てしまった以上、今更文句を言っても仕方ないですね」

ゆかり「寒い地域じゃないのは幸いですが……危険な野生動物はいないのでしょうか?」

P「それは事前に調査してるから大丈夫。あと、食料も割と豊富なはずだから」

P「ちゃんと魚釣ったり木の実を集めれば、事前に用意した食材節約しなくても大丈夫だよ」

まゆ「ああ、やっぱり……番組的にも、それを望んでるんですね」

P「そんな感じで、状況確認はもういいかな? 俺はなるべく撮影に専念するから」

まゆ「はい、分かりました」

響子「2週間かあ……短いようで長そう」

智絵里「2週間……あっ」

ゆかり「智絵里ちゃん、どうしたの?」

智絵里「い、いえ、なんでもないです」

まゆ「なにか気になること?」

智絵里「本当に、大したことじゃないですから」

響子「言いたくないなら無理にとは言わないけど……」

響子「これからしばらく一緒なんだから、なるべく一人で抱え込まないでね?」

智絵里「あ、あぅ……本当にたいしたことじゃないんですよ。ただ……」

智絵里「エナドリチャージプリキュアが見れないな、って…………」

響子「プリキュアって……あはは、智絵里ちゃんってば」

ゆかり「くすくす」

まゆ「ふふっ」

智絵里「だから、たいしたことじゃないって……」///

まゆ「ふふふ、笑ってごめんなさい。でもなんだか和みました」

響子「ホントホント。目先の食べ物の心配してたのに、急にプリキュアとか出てくるから」

P(智絵里のおかげでみんなに笑顔が戻った)

ゆかり「私も見てますよ、プリキュア。面白いですよね」

智絵里「わあ、そうなんですか?」

まゆ「同年代の女の子なら、誰でも一度は見たことあるんじゃないですか?」

智絵里「じゃあ今度、思い切って他のみんなにも聞いてみようかなぁ、ふふ」

ゆかり「……今ふと思い出したんですけど」

響子「ええ」

ゆかり「菜々ちゃんが、小さい頃はセーラームーンを見てたって……」

P(あの人はまた墓穴をほって……)

響子「セーラームーンって、最近20周年でリメイクやってたような」

『…………』

まゆ「……再放送でしょうか?」

智絵里「そうですよねぇ、生まれてないはずですし」

P(あれ? この4人って、もしかして全員天然?)

P(…………いや、ピュアなだけだよな、うん)





P「俺のテント、別に用意してあるんだけど」

響子「初日だけ私達と一緒に寝てくださいよぉ……心細いです」

P「んー……番組スタッフには内緒だぞ」

響子「はい♪」

P「あ、今の部分削除しないと……これでよし」

P「じゃあ初日の成果はどんな感じかな?」

響子「えっと、私とゆかりちゃんはPさんに釣りの仕方を教えてもらって、魚を2匹釣りました」

まゆ「1日かけて2匹だけ?」

響子「釣り竿の使い方覚える時間のほうが長かったので、明日はもっと釣れると思いますよ」

ゆかり「釣った魚は早速今日の夕食としていただきました」

ゆかり「と言っても料理したのは響子ちゃんとまゆちゃんですが……」

智絵里「料理の得意な2人がいて助かりましたね」

ゆかり「任せて大丈夫ですか?」

響子「2週間なら、私達2人でこなせると思います」

智絵里「もしもっと長期間だったら、私達もある程度覚えないといけないですね」

智絵里「2人が料理できないときもあるだろうし」

P「智絵里とまゆは今日何をしてたのかな?」

智絵里「東の森に入って木の実や果物がないか探しました」

まゆ「ただ残念ながら、大したものは見つからなかったです……」

まゆ「明日は南の方に行ってみようと思います」

P「現状でなにか気づいたことある?」

響子「特には……」

P「初日の感想とかでもいいよ」

ゆかり「探検服かわいいーなんてはしゃいでいたのが遠い過去のように思えます」

響子「港で着替えさせられたとき、嫌な予感したんですよねぇ……」

響子「Pも、いかにもアウトドアって感じの格好だったし」

P「……実は、企画段階では撮影も4人でやってもらう予定だったんだけどな」

智絵里「それって、この島に私達4人だけになったかもしれないってことですか?」

P「うん。でもそれはさすがに危険だろうってことで、俺も同行することになったんだ」

智絵里「うう、良かった……」

まゆ「さすがですっ。Pさんが一緒なら、私達頑張れます」

P(この4人は特に、俺が仕事に付き添ったときのモチベーション高いんだよなぁ)

智絵里「ふわ……眠くなってきました」

ゆかり「普段ならきっとまだ起きてる時間でしょうけど……私も眠いです」

響子「明日に備えて早めに寝ましょうか」



P(やっぱり5人だと狭いなぁ……身体が密着してる)

P(くそう……意識してしまって眠れん!)

~2日目~

ゆかり「智絵里ちゃん、何読んでるんですか?」

智絵里「サバイバル読本です。食べられる野草とか載ってるんですよ」

智絵里「キャンプ用品の中に入ってました」

ゆかり「そんなものまで……」

智絵里「実は昨日、キノコは見つけたけど食べられるか分からなかったんです」

智絵里「この本を持っていけば、その場で判断できそうです」

ゆかり「輝子ちゃんがいたら……キノコのことは任せられたでしょうね」

智絵里「ふふ、そうですね。あと、魚詳しそうな七海ちゃんとか……」

ゆかり「趣味が生活の役に立つって素晴らしいですね」

ゆかり「私はフルートがないと何も出来ないし、生活の役に立つことも……」

智絵里「私の四つ葉のクローバー集めだって、大した役には立たないですよ」

智絵里「そもそもこんなサバイバル生活なんて、普通に生活していたらまずありえないですし」

ゆかり「でも私……料理のできる2人が羨ましくて」

智絵里「趣味が役に立っているから?」

ゆかり「それもありますけど、自分の手料理をPさんに食べてもらえるじゃないですか」

智絵里「だったら、ゆかりちゃんも料理覚えれば良いんですよ」クスッ

智絵里「私も一緒にお願いしますから、料理手伝わせてもらいましょう」

ゆかり「あ……そうですよね。そんな簡単な事、どうして気づかなかったのかしら」

智絵里「現状は料理と言ってもお米炊いて魚を焼くくらいですからね……」

智絵里「せめてカレーとか作れれば手料理ですって胸張って言えるんですけど」

ゆかり「なら食材探し、もっと頑張らないといけませんね」

~3日目~

まゆ「はっだっかーになっちゃおっかなー」

ゆかり「なっちゃえー」

響子「はっあっとーみせちゃおっかなー」

智絵里「みせちゃえー」

まゆ「生まれたてーのジュエルはピンクー……あっ、川ですよ」

響子「うわあ、小さな滝になってる。綺麗……」

智絵里「水も透きとおってて……飲み水にできそうです」

ゆかり「テントからも割と近いですし、良い場所を見つけましたね」

響子「それにお風呂は無理だけど、ここで水浴びできるんじゃないですか?」

『!!』

まゆ「ようやく身体の汚れを落とせる……っ!」

智絵里「海水はベタついていまいちでしたからね……」

響子「ついでに服も洗いましょう!」

P(このテンションの上がりっぷりといったら……よっぽど辛かったんだなぁ)

ゆかり「でも、どうやって洗います? まさか着たままというのも……」

智絵里「あぁ……着替えが無いんですよね」

P「はっだっかーになっちゃおっかなー」ボソ

まゆ「や、やっぱりそれしか……?」///

ゆかり「Pさんも身体洗いたいですよね?」

P「うーん、あとでも良いけど」

響子「じゃあ……私達、ここで身体と服を洗うのでしばらく別行動しててください」

P「分かった。服乾いたら戻ってきてくれ、たぶん魚釣ってると思う」



響子「さすがに……身体洗うのは別がいいですよね?」///

智絵里「一緒だなんて無理です……恥ずかしすぎます」///

ゆかり「百歩譲っても、汚れてドロドロの身体なんて見せられません」///

まゆ「でもPさんの裸体にはちょっと興味あるかも……」///

『まゆちゃん!?』

~6日目~

P「そろそろ魚も飽きてきた……肉か野菜が食べたい」

響子「一応魚はたくさん釣れるから食事の心配はないですけど……確かに他のものも食べたいですね」

まゆ「PさんPさん、大発見です!」

P「どうした!?」

まゆ「砂浜にイルカ……シャチ? よく分からないけどそーゆーのが打ち上がってます!」

P「動物性タンパクだ……食べよう!」

まゆ「ええっ、でもまだ生きてましたよ!?」

P「ほっといたら死ぬんだから美味しく食べてあげるほうが良いだろう?」

響子「で、でも……死ぬまでじっと待つんですか?」

P「俺が介錯する」

響子「Pさん……自分はあまり手伝わないって初日に言ってませんでした?」

P「俺の食事がかかってるからな。ルールなんて知ったことか」

P「どうせカメラの裏で何してるかなんて、番組スタッフには分からないんだし」

まゆ(潔い……きゅん)///

~7日目~

智絵里「あっ、これ……ジャガイモです! 向こうのは多分パパイア!」

響子「すごーい! 昨日のシャチ(推定)もあるし、一気に食材が増えましたね」

P「畑っぽいなぁ、昔は人が住んでたのかな」

智絵里「その人達はこの島を出て、どこに行ったんでしょう?」

P「島を出たとは限らないぞ?」

響子「でも私達以外誰もいないはずですよ」

P「死ぬまでこの島で過ごしたとか」

響子「そっか……もしそうなら、少なくとも危険な島じゃないってことですよね」

智絵里「無人島で一生……寂しくなかったんでしょうか」

響子「家族や仲間はいたのかなぁ……」

P「もしそんな状況になったら一生島で過ごす? それとも島を出る?」

響子「自分1人だったら絶対島を出ます! やっぱり寂しいですよ」

P「1人じゃなかったら?」

響子「う~ん……仲の良い人や好きな人とだったら、この島で過ごしてもいいかも」

響子(例えばPさんとか……きゃっ♪)

智絵里「生活は不便かもしれないけど……ちょっとだけ憧れますね」

~9日目~

まゆ「事前に調査したって言ってましたけど、ジャガイモ畑があるって知ってたんですか?」

P「いや、そこまでは。調査したのも番組スタッフだし」

P「俺はただ、危険な野生動物はいない、探せば食料は結構ある、と聞いただけで」

ゆかり「あっ、開けたところに……ここも畑みたいですよ」

P「トウモロコシだ……このまま食べられるかな」モギッ

まゆ「念のため加熱したほうが良いですよ」

まゆ「最終日まで、もう食料の心配はなさそうですね」

ゆかり「Pさん(がもいだ)の、大きいですね……こんなに太くてたくましいの初めて見ました」

P「お、おう」

P(何も変なこと言ってないよな……トウモロコシについて言ってるだけなんだから)

まゆ(えっちな意味に捉えてそうな顔……)

~13日目~

パチャパチャ

響子「あー……♪ 今日は蒸し暑いから、水が気持ちいいですねぇ」

智絵里「水浴びがすっかり日課になってしまいましたね……」

まゆ「こんな状況でも、やっぱり汗臭いのは嫌ですから」

ゆかり「ええ。それにPさんにも、汚れた姿は見せたくないですし」

智絵里「最初はお互い身体隠してたのに……もう全然気にしなくなっちゃいましたね」

響子「どんどん女子力が失くなってる気がします……」

『…………』

智絵里「生きるために必死で力を合わせて、隠し事もないくらい仲良くなったんですよ……きっと!」

まゆ「そうですね……そう思うことにしましょう」

ゆかり「女子力はともかく、髪や肌は傷んでそう」

まゆ「あぁ……考えたくないです」

響子「日本に戻ったら、Pにエステとか連れて行ってもらわないと!」

まゆ「ここで水浴びするのも明日で最後になるから……」

まゆ「最後くらい、Pさんと一緒に水浴びしちゃいましょうか」

智絵里「でも裸で水浴びしてるところなんて放送されたら」///

ゆかり「それはさすがに恥ずかしいですね」///

響子(服着て水浴びするって考えは無いのかな……? 裸で水浴びに慣れちゃったせい?)

まゆ「絶対放送しないと思うけど……そもそも撮影させませんよ」

響子「ふふっ、まゆちゃんつよ~い」

ゆかり「仮に撮影してと言っても拒否する人ですよね」

ゆかり「撮影したものは必ず編集スタッフがチェックするでしょうし」

智絵里「一緒に水浴びしましょうと言っても、やっぱり拒否されそうな気がします……」

ゆかり「あ……たしかに」

まゆ「じゃあ目隠ししたまま連れてくるとか……それから?」

響子「それから……川に突き落としちゃう!」

ゆかり「逃げ道をなくしたら、あとは……勢いで抱きついたり……!」///

『きゃー♪』///

智絵里「み、みんな大胆すぎます」///

智絵里(サバイバル生活のせいで肉食系になってる……?)

智絵里「Pさんじゃなくて……番組スタッフさんでも、そういうことします?」

まゆ「絶対しないです」

ゆかり「相手がPさんだから、ですよね」

響子「うんうん」

智絵里「やっぱりみんなは……Pさんのこと好き、なんですか?」

智絵里「私……私は、Pさんのこと好きです。ずっと一緒にいたいです」

響子「私もPのこと好きですよ」

まゆ「愛してます」

ゆかり「私だって、Pさんを好きな気持ちは誰にも負けないつもりです。でも……」

まゆ「でも?」

ゆかり「この4人で取り合いなんてしたくない、というのも正直な気持ちです」

智絵里「うん……この島に来る前だったら、自分だけ選んで欲しいって思ってましたけど」

響子「せっかく仲良くなったのに、取り合って喧嘩しちゃうのは嫌ですよね」

『…………』

まゆ「みんな同じだったら……許せますか?」

智絵里「同じ?」

まゆ「そう。誰が一番とか選ばないで、平等に……一緒に愛してもらうの」

響子「一緒に……」

まゆ「私は、この4人だったら嫌じゃないです」

ゆかり「……それもいいかもしれませんね」

響子「裸のお付き合い……した仲ですしね」

智絵里「ふふっ、なんだかえっちな響き……私も賛成です。喧嘩は嫌です」

まゆ「響子ちゃんは?」

響子「アイディア自体は素敵と思うけど……その」

ゆかり「何か問題でも?」

響子「それでも結婚できるのは1人だけだな……って」

まゆ「そんなこと全く問題無いですよ」クスッ

響子「どうして?」

まゆ「法律なんて所詮人間が作ったものです。気にしなければ良いんです」

響子「わお」

智絵里「まゆちゃん……すごい」

まゆ「Pさんの受け売りですけどね。ルールなんて知ったことかって」

ゆかり「最初は早く終わって欲しいって思ってましたけど……」

ゆかり「今はもう少し続けてもいいかなって思ってます」

智絵里「あっ、私も」

まゆ「その理由はやっぱり……」

響子「ごにょごにょ…………ですよね?」

ゆかり「ええ」クスッ

~日本・CGプロ~

プルルルル

千川ちひろ「はい、CGプロでございます」

ちひろ「……ああ、お世話になっております~」

ちひろ「えっ、ハリケーン? ……ええ、はい……Pさんたちのいる島に向かってるんですか!?」

ちひろ「じゃあ早く迎えに行くよう現地に連絡してください」

ちひろ「危険で近づけないらしいって、そんな……!」

ちひろ「近くの港がすでに暴風域に……そうですか…………」

ちひろ「では出港できるようになったらすぐに」

ちひろ「ええ、お願いします」ガチャ

ちひろ(みんな……どうか無事で)

~15日目~

P「……そうですか、分かりました。なんとか持ちこたえてみます」ピッ

響子「スタッフさんはなんて?」

P「ハリケーンが過ぎ去るまでこの島に近付けないらしい」

智絵里「そんな……本当なら昨日には迎えが来てるはずなのに」

P「自然が相手だからな、仕方ないよ。開始時点ではハリケーンなんて発生してなかったんだから」

ゆかり「私……」

P「ん?」

ゆかり「私がもっとこの島にいたいと願ったからでしょうか……」

P「ゆかりは日本に帰りたくないのか?」

智絵里「……ゆかりちゃんだけじゃないですよ、私達も」

P「どうして?」

まゆ「だって、朝起きたらそばにPさんがいて、ずっと一緒に生活して……」

まゆ「日本でお仕事してても、そんなに一緒にいること無いじゃないですか」

P「俺と一緒でそんなに楽しい?」

響子「もちろんです。楽しいし、とっても幸せな時間です」

P「……だとしても、みんなの願いが原因なわけないだろ。偶然だよ」

智絵里「もし……もしこのまま迎えが来なかったら」

P「智絵里、悪い方に考えちゃダメだ」

智絵里「でも……」

ゆかり「智絵里ちゃん、こう考えたらどうですか?」

ゆかり「Pさんと一緒の時間が予定より伸びたって」

智絵里「あ……」

響子「ハリケーンは怖いですけど、Pさんと一緒は嬉しいですよね」

まゆ「ええ……ふふっ」

P「君達意外とたくましいね……」

まゆ(もしこのまま日本に戻れなくても、Pさんと一緒なら……)

智絵里(もし迎えが来なかったら、この5人でずっと……)

ゆかり(無人島に私達だけ……それってまるで……)

響子(私達がこの島のアダムとイヴになっちゃったり!? ドキドキ……)

~数年後~

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「ふぅ、今日はそろそろ上がろうかしら」


ふと目に入った写真立ての中で、あの五人が笑っていました。

それは、例の無人島に出発する直前に撮られた写真……。

ハリケーンが過ぎ去ったあとで無人島に迎えに行っても、5人の姿はありませんでした。

もちろん捜索が行われましたが結局見つからず、行方不明者を出してしまったCGプロは解散。

でも、5人はきっと戻ってくる、だから迎えられるように新しいプロダクションを作ろう。

という話になり、CGプロの所属アイドルは新プロダクションに移籍して、

私も引き続き事務を担当しています。


ちひろ(……いつでも戻ってきて良いんですよ)

ちひろ(このニュージェネプロは、ずっとあなた達を待っていますから)

??「こんばんは~」

ちひろ「あっ、ごめんなさい。今日の営業はもう終わって……えっ?」

ちひろ「あなたは、まさか……」

P「ただいま戻りました」

ちひろ「よくご無事で……っ」ウルッ

ちひろ「あっ、でも……お一人、なんですか?」

P「そんなわけないでしょう? みんな一緒ですよ」

ゆかり「お久しぶりです」

智絵里「こんばんは、ちひろさん」

響子「ただいま、です」

まゆ「お元気でしたか?」

ちひろ「みんな大人になって……! でも雰囲気は変わってないですね……うう、ぐすっ」

パパー ママー トテトテ

ちひろ「は……?」

P「ほら、ご挨拶して」

pゆ・p絵里・ゆかp・響p『こんばんわ~』

ちひろ「こ、こんばんは……もしかして、この子達は」

P「みんな母親に似て可愛いでしょう? 俺達の子供です」

ちひろ「げえぇ~っ! やっぱり!!」

以上で終了です
法の及ばない無人島ならちかたない、はず

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