穂乃果「海未ちゃんがカッコいい…?」 (51)

ただのほのうみです

恐らく短いです

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ミカ「うん、下級生の間じゃ、すごい人気らしいよ?」

穂乃果「へー…」

穂乃果(……海未ちゃんって、あの海未ちゃんだよね? 他に私の周りに、海未って人いないし)

穂乃果(………海未ちゃんが、カッコいい……?)



スパンッ!

スパンッ!


穂乃果(…って、穂乃果なんで弓道場に来てるんだろ…)

穂乃果(海未ちゃんいるかな…)ヒョコッ

「きゃー!」

穂乃果「!?」ビクッ

「見て見て、園田先輩また全部真ん中にあててるよ!」

「そうね……ってか、そんなに騒いだら他の人に迷惑でしょ」

「あ、それもそうだね……あー、でも園田先輩カッコいいなぁ…」

穂乃果(…リボンの色的に下級生の子だよね。ミカちゃんが言ってたこと、本当だったんだ…)

穂乃果「…」チラ


海未「……」ギリギリ

ヒュッ……スパンッ!


穂乃果(まぁ確かに、弓道でスパーンってやってるときは、ちょっとカッコいいけど)

穂乃果(でもなぁ…)ウーン


―――――

海未「無理ですダメです絶対出来ません!」

にこ「いつまで駄々こねてんのよ! これもμ’sと音ノ木坂の知名度を上げるためだって言ってんでしょ!」

花陽「あはは……でも人が多いところでのチラシ配りは、私もまだ慣れないかな…」

凛「大丈夫! かよちん可愛いから!」

真姫「どういう理屈よ…」

穂乃果「ほら、海未ちゃん。いつまでも縮こまってちゃダメだよ」

海未「で、ですが……穂乃果ぁ……」グスッ

絵里「何も泣かなくても……ほら海未、飴あげるから、頑張りましょう?」

海未「子供あつかいしないでくださいっ」

希「涙目の子が言うても説得力ないて。はい、これ海未ちゃんの分のチラシ」

海未「…こんなに配れる自信がないのですが…」

ことり「大丈夫だよ。ほら、頑張ろう」

穂乃果「海未ちゃん、ファイトだよ!」

海未「………はい」


穂乃果(恥ずかしがりだし、昔からの泣き癖も微妙に治ってないし、)


―――――

ことり「じゃーん! 新しい衣装、こんな感じでどうかな?」

穂乃果「わぁっ、可愛い! さすがことりちゃん!」

ことり「えへへー」

海未「あ、あの…ことり」

ことり「海未ちゃん、どうかした?」

海未「この衣装、大変可愛らしいのですが……少々露出度が高くないですか…?」

ことり「海未ちゃん、似合うと思うよ」

海未「そ、そういうことではなく! 破廉恥ですよ!」

ことり「大丈夫だよー。似合うから」

海未「いえ、ですから、そういうことではなくて…」

ことり「明日、みんなに見せて意見聞いてみようね。海未ちゃんもそれでいい?」

海未「………はい…」

穂乃果(ことりちゃんにはいつも言い負かされてるし、)


―――――

海未「……」モグモグ

穂乃果「おいしい?」

海未「はい、とても! この程よい甘み……相変わらず穂乃果のお父様の作るおまんじゅうは素晴らしいですね!」

穂乃果「お父さんが聞いたら喜ぶよ。あ、お茶も飲んでね」

海未「いただきます」ゴクリ

海未「美味しいです! ちょうど良い渋みで!」

穂乃果「あ、うん。お茶の感想までわざわざありがとう」

穂乃果(好きな物は子供みたいに頬張って、目をキラキラさせて食べてるし、)


―――――

穂乃果(久しぶりに三人でトランプをしてみたけど…)

海未「………とりゃっ!」ヒョイッ

海未「!」

穂乃果(あ、ババ引いたんだ…)

ことり「えっと…」ス

海未「……」シュン…

ことり「こっちかな?」ス

海未「…!」パアアァッ

ことり「やっぱりこっち!」ヒョイ

海未「ああぁぁっ!」

ことり「はい、これで海未ちゃんの五連敗」

海未「な、何故……、ことりと穂乃果はエスパーか何かなのですか…?」

ことり「顔かなぁ…」

海未「顔!? 二人のほうが可愛いからですか!」

ことり「いや、表情って意味」

海未「表情…?」

穂乃果「本当に無意識なんだね…」

海未「何のことだか分かりませんが……もう一回やりましょう!」

ことり「そろそろ他のにしようよー…」


穂乃果(恐ろしいくらい感情と表情がリンクしてて分かりやすいし、何気にすごい負けず嫌いだし、)


―――――

穂乃果「結論から言って、海未ちゃんはカッコよくないと思うの」

ことり「カッコよくない…とまでは言わないけど、可愛い要素のほうが強いかな」

穂乃果「だよね!」パッ

穂乃果(そうだよね、海未ちゃんはどっちかというと可愛いタイプだよね! さすがことりちゃんは分かってるなぁ)

穂乃果「なのになんでみんな勘違いしちゃうんだろ……弓道やってるから?」

ことり「それもあるけど……普段の振る舞いとかじゃないかな?」

穂乃果「振る舞い? そんなにカッコいいとこあったっけ?」

ことり「観察してみれば分かるんじゃないかな?」

穂乃果「うーん…?」




穂乃果「えっと、海未ちゃんは……」キョロキョロ

ことり(まさかわざわざ海未ちゃんを観察しに行くことになるとは思わなかったなぁ…)

穂乃果「あ、いた」

ことり「絵里ちゃんと一緒にいるみたいだね」


海未「絵里、すごい荷物ですね…」

絵里「生徒会の顧問の先生に頼まれちゃってね。希も一緒のはずだったのに、のらりくらりと逃げられて……後でお説教ね」

海未「大変ですね」

絵里「まぁ生徒会長だから、これくらいはね」

海未「お疲れ様です」ヒョイ

絵里「え? あ、別に持ってくれなくても平気よ」

海未「いえ、絵里にばかり負担をかけるのは申し訳ないですから。最近はμ’sの練習のことでも、色々とお世話になってますし」

絵里「けど、重いでしょ?」

海未「これでも鍛えてますので。どこまで運ぶんですか?」

絵里「生徒会室だけど……本当にいいの?」

海未「はい。困った時はお互い様ですよ」

絵里「…ふふ、ありがとう」


穂乃果「……」

ことり「ちょうどいい場面かも。ああいうところだと思うよ、カッコいいって言われるの」

穂乃果「うーん…?」

ことり「あれ、今のじゃダメだった?」

穂乃果「いや、だってあれは優しいってことだよね? カッコいいとは違うんじゃないかなって思って…」

ことり「えっと、ほら、海未ちゃんって凛々しい顔立ちしてるでしょ。それに細くてスラーっとしてるし」

ことり「そういう容姿も含めてカッコいいってことじゃないかなぁ」

穂乃果「あー……なるほど」

ことり「うん」

穂乃果「……」

ことり「……?」

穂乃果「…ねぇ、ことりちゃん」

ことり「ん?」

穂乃果「海未ちゃんって……モテてるの?」

ことり「え? どうだろう……前にお手紙もらってるのは見たことあるけど、ファンレターだったらしいし…」

穂乃果「そっかぁ…」

ことり「………」

ことり(………あ、なるほど)

穂乃果(なんかモヤモヤするなぁ……)

穂乃果(海未ちゃんが女の子に人気あるなんて、昔からは考えられないし……違和感があるからかな)

ことり「穂乃果ちゃん」

穂乃果「ん?」

ことり「海未ちゃんは人気があるから、気を付けたほうがいいよ」

穂乃果「えっ……でもさっき聞いた時は、どうだろうって…」

ことり「とにかく、早めに手を打たないと後悔することになっちゃうかもしれないよ」

穂乃果「へ、え、後悔って……どういうこと…?」

ことり「……え? もしかして、まだ気が付いてないの?」

穂乃果「なにを?」

ことり「あー……うん、ごめんね、間違えちゃったみたい。今のは全部なかったことで」

穂乃果「?」

穂乃果(変なことりちゃん…)


―――――

穂乃果(…海未ちゃんがカッコいいかはさておき、カッコいい女の子って、やっぱり女の子には人気があるんだよね)

海未「……」

穂乃果(けど海未ちゃん、人から注目されるのとか苦手だからなぁ……まぁ苦手なだけで、嫌いではないんだけど)

海未「……」

穂乃果(ことりちゃん曰く、ファンレターも貰ったらしいけど……多分すごく喜んだんだろうなぁ…)

海未「……」

海未「あの……穂乃果?」

穂乃果「ん?」

海未「さっきからずっとこちらを見てますが、何か用なんですか?」

穂乃果「ううん。海未ちゃん、髪長いなぁって思っただけ」

海未「何を今更…」

海未「それより、ことりは遅いですね」

穂乃果「あ、ことりちゃんなら、新しい衣装の他の案が思いついたらしくて、今日は来れないんだって」

海未「え、そうなんですか…それならそうと言ってくださいよ」

穂乃果「えへ、忘れてた」

海未「まったく…」

海未「……ことりがいないと遊ぶことも出来ませんし、暇ですね」

穂乃果「二人でババ抜きでもする?」

海未「私の負けが確定してるじゃないですか…」

穂乃果(負けるのはもう確定事項なんだ…)

穂乃果「……。ねー、海未ちゃんってさ」

海未「はい?」

穂乃果「女の子って、どう思う?」

海未「………え?」

穂乃果「ご、ごめん、今のはいくらなんでも意味が分からなかったね…」

海未「は、はい」

穂乃果「えっと……あのね、女の子が憧れる女の子って、どんなのかなぁって思って」

海未「それは……人によるんじゃないでしょうか。好みは人それぞれですし」

穂乃果「えー……じゃぁ海未ちゃんはどう思う? どんな子が好き?」

海未「好きって……なんだかそう言われると答えづらいですね…」

海未「えっと……私は、まぁ、自分がこういう性格ですし、周囲を笑顔にしてくれるような、明るい感じの子に惹かれます」

穂乃果「明るい……」

海未「はい」

穂乃果「そっか」

穂乃果(なんかちょっと意外かも。海未ちゃんは、穂乃果たちが騒いでるとよく怒るし、静かなのが好きだと思ってた)

海未「……」

穂乃果「……」

海未「……あ、あの」

穂乃果「ん?」

海未「穂乃果にはあるんですか? ……その、好きな、タイプとか」

穂乃果「んー…可愛い子、かな」

海未「可愛い……ざっくりしてますね」

穂乃果「だね」

海未「…μ’sのみんなも、可愛いですよね」

穂乃果「そうだね。みんな個性があって可愛いよ」

穂乃果(海未ちゃんも含めて)

海未「ですよね…」

穂乃果「?」


―――――

穂乃果「……」ヒョコ

穂乃果(なんでまた弓道部に来てるんだろ……海未ちゃんには先に帰っててって言われたのに)

穂乃果(ことりちゃんも一緒に来てほしかったけど、何故か先に帰っちゃった……用でもあったのかな)


「一旦休憩!」


穂乃果(あ、ちょうど休憩に……海未ちゃんに声かけてみよっかな)

「園田先輩!」

穂乃果(…あれ、この間も来てた一年生の子だ)

穂乃果(何か話してるみたいだけど……なんとなく、聞いちゃダメな気がする)

穂乃果(……やっぱり帰ろっかな)




穂乃果「……」

海未「…え? 穂乃果?」

穂乃果「海未ちゃん…」

穂乃果(…で、なんで穂乃果は校門で海未ちゃんのことを待ってたんだろ…)

海未「ど、どうしたんですか、こんな時間まで……ことりと先に帰ったのでは?」

穂乃果「んー……なんとなく、海未ちゃんを待ってたの」

海未「え、どうして…?」

穂乃果「それが穂乃果にもよく分かんなくて」

海未「分からないって…自分のことでしょう」

穂乃果「いやー、気が付いたら体が動いてた感じ?」

海未「感じ? と、聞かれましても…」

穂乃果「もー、細かいことはいいから! 一緒に帰ろ!」グイッ

海未「わっ……ひ、引っ張らなくてもついていきますよ!」

穂乃果「あ、そうだ、海未ちゃん、今日……」

海未「何ですか?」

穂乃果「……ううん、なんでもない」

穂乃果(あの一年生の子となに話してたの……なんて聞くのは、あの子に悪いよね)

海未「……あ、あの」

穂乃果「んー?」

海未「その、手……」

穂乃果「て?」

海未「手を、離してもらえませんか?」

穂乃果「え? ……あ、そっか。引っ張った時に握ったままだっけ」

海未「は、はい」

穂乃果「でもたまにはいいんじゃん。昔はこうしてよく手繋いで帰ったし」

海未「それは低学年くらいの頃の話でしょう…」

穂乃果「高校生だってまだ子供だもん、同じようなものだよ」

海未「違うと思うのですが……まぁ、もういいです。何を言っても、効果がないような気がしますし」

穂乃果「うん。穂乃果諦め悪いからね」

海未「自覚してたんですか…」

穂乃果「そりゃね」

穂乃果「…」チラ

海未「……」ソワソワ

穂乃果(なんかソワソワしてる……トイレにでも行きたいのかな?)

穂乃果「海未ちゃん、ちょっと急いで帰ろっか」

海未「へ? な、なんでですか?」

穂乃果「いや、ソワソワしてるから。お手洗いかなって」

海未「ち、違いますよ! どんな勘違いですか!」

穂乃果「じゃぁなんでそんな落ち着かない感じなの?」

海未「そ、それは………べ、別に…深い意味はないです…けど…///」

穂乃果「…顔赤いよ?」

海未「……夕日のせいです」

穂乃果「あ、そっか。夕方ってなんでも赤く見えるもんね」

海未「そ、そうですね」

穂乃果(…そういえば、本当に海未ちゃんと二人で手を繋いで帰るのなんて、久しぶりだなぁ)

穂乃果(手を繋ぐことも最近はしてなかったし、穂乃果たちはいつも三人一緒だったから)

穂乃果(んー……)チラ

海未「……? 穂乃果? どうかしましたか?」

穂乃果「!」ドキッ

穂乃果「あ…いや、なんでもないよ」

海未「なら、いいですけど…」

穂乃果「えっと……あ、そうだ! パンの話でもする!?」

海未「へ? あ、はい…」

穂乃果(……なんだろ、今の感じ……なんか変なの)


―――――

穂乃果「……」ジー

穂乃果「………」ジーー

ことり「……穴が開きそうな視線って、こういうことを言うんだね」

穂乃果「あ、ごめん、つい…」

穂乃果(ことりちゃんを見ても、昨日みたいな感じにはならない……本当になんだったんだろ、あの感じ)

ことり「穂乃果ちゃん、なにか悩み事?」

穂乃果「悩みというか……なにに悩んでるのかが分かんないの」

ことり「哲学的だね」

穂乃果「でしょ」

ことり「…それってもしかして……あ、そういえば、海未ちゃん今日は珍しく遅れてるね」

穂乃果「へ? あ、う、うん、そうだね…。あはは……いきなり海未ちゃんの名前出すから、ちょっとびっくりしたよ」

ことり「うん、穂乃果ちゃんは分かりやすくて可愛いね」

穂乃果「え?」

海未「すみません! 遅れました!」タッタッタッ

穂乃果「う、海未ちゃん! おひゃよう!」

海未「あ、はい……おはようございます、穂乃果」

穂乃果(うぅ……なんで変なとこで噛んだんだろ……恥ずかしい…)

ことり「おはよう、海未ちゃん。珍しく今日は一番最後だね」

海未「ことりもおはようございます。すみません、昨日、少し寝るのが遅くなってましって…」

ことり「海未ちゃんが夜更かしってなんかイメージわかないね……お稽古かなにか?」

海未「えっと……あの……実は、これを」ス

ことり「あ、可愛いヘアピン。これ、どうしたの?」

海未「先日、ある方からいただいて……学校につけて行こうかどうか迷った結果、気が付けば朝日が昇っていて……」

ことり「え、じゃぁ寝てないの?」

海未「いえ、三十分ほど寝ました」

ことり「それは寝てないのと同じだよ…」

穂乃果(先日、ある方からって……もしかして、あの一年生の子からのプレゼント?)

穂乃果(……それをつけるかどうかで、何時間も悩んだんだ…)

ことり「…んー?」

海未「…どうかしましたか? ことり」

ことり「あ、いや、なんでも。……ちょっとこれ借りるね」ヒョイ

海未「え」

ことり「海未ちゃん、目閉じて」

海未「あ、はい」ギュ

ことり「よいしょっと…」ス

穂乃果(あ…)

ことり「はい、もう目開けていいよ」

海未「……ことり、私は別にピンをつけてほしくて見せたわけではないのですが…」

ことり「可愛いよ、海未ちゃん!」

海未「ですから…」

ことり「ね、穂乃果ちゃんも可愛いと思うよね?」

穂乃果「えっ?」

穂乃果「……う、うん、可愛いよ!」

海未「ほ、ホントですか?」

穂乃果「うん! 海未ちゃん普段あんまりそういうのつけないから、新鮮ですごく可愛い!」

ことり「だって、海未ちゃん。…ピン、外す?」

海未「う……あ、と、とりあえず、学校に行きましょう!」ダッ

穂乃果「えっ、なんで走るの!? まだ時間的には大丈夫だよ!」

海未「日々のトレーニングが大切なんです!」

穂乃果「ええぇっ!」

ことり「ふふ、海未ちゃんも可愛いなぁ」

穂乃果「え?」

ことり「二人は見ていて飽きないね」

穂乃果(ことりちゃんの言っていることが時々分からない…)


―――――

花陽「あ、海未ちゃん、そのヘアピン可愛いね。似合ってる」

海未「へぁ!? そ、そうですか?」

にこ「へぁって……すごい声出たわね」

凛「にしても、海未ちゃんがそういうのつけてるなんて珍しいにゃ」

海未「ま、まぁ、たまには気分転換ということで…」

ことり「気分転換だったんだ。ことりはてっきり、可愛くなりたいからかと思ってた」

海未「ここここことり! そんなわけないじゃないですか!」

希「動揺し過ぎやで、海未ちゃん。ちなみにそれ、どこで買ったん?」

海未「あ、これは駅前の……って、違います! これは他人に貰ったもので、決して私が買ったわけでは…!」

絵里「あら、そうなの? 海未の好みにぴったりだから、てっきり自分で選んで買ったのかと思った」

海未「私がこんな可愛いもの買うわけないじゃないですか、はは…」

真姫「ふーん…」



穂乃果(…海未ちゃん、あのピン似合ってるなぁ……それに、すごく嬉しそう)

穂乃果(けど、あれって、あの子のプレゼントなんだよね…)

穂乃果(……嫌だなぁ)

穂乃果(……ん? なにが嫌なんだろ……、海未ちゃんがピンをつけてることが? いや、でもあれは本当に似合ってるし……じゃぁ一体、なにが…)


―――――

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ごめんね! ことりはちょっと今日も用事があるから先に帰るね!」ダッ

海未「ちょ、ことり……、すごいスピードで出て行ってしまいましたね…」

穂乃果「うん。また衣装のことかな?」

海未「ですかね。最近特に熱が入ってるみたいですし、後で応援メールを送っておきましょう」

穂乃果「だね。…じゃぁ帰ろっか」

海未「はい」



穂乃果「今日も楽しかったね」

海未「そうですね」

穂乃果「……」

穂乃果(……って、そんなことが言いたかったわけじゃなくて…)

穂乃果「あー……あの、海未ちゃん。そのピン、明日もつけてくるの?」

海未「…一応、そうしようかなと思ってます。…みんなにも褒めてもらえましたから」

穂乃果「ふーん」

海未「……やっぱり、変ですか?」

穂乃果「…ううん、似合ってるよ。可愛い」

海未「あ、ありがとうございます…///」

穂乃果(……照れてる海未ちゃんは、やっぱり可愛い)

穂乃果(…でも、なんでだろ。素直に可愛いって思えない。心がモヤモヤするような…)

海未「……穂乃果?」

穂乃果「ん?」

海未「さっきからボーッとしてますが、大丈夫ですか?」

穂乃果「あ、うん、平気! 元気だよー」

海未「そうですか…」

穂乃果(海未ちゃんに心配かけちゃった。モヤモヤはそこらへんに置いといて、ちゃんとしないと)

穂乃果「あ……そうだ、海未ちゃん」

海未「はい?」

穂乃果「今朝は聞き忘れたけど、海未ちゃんがそういうピンつけるのって珍しいよね」

海未「そうですね…あまり自分を着飾ることには興味がないので」

穂乃果「じゃぁどうしていきなり?」

海未「えっと……き、気分転換ですよ。それに、せっかく頂いたのに、使わないと失礼でしょう」

穂乃果「そっか…」

穂乃果(つまり、あの子のためなんだね)

穂乃果(…なんでだろ。なんで、穂乃果のためじゃなくて……)

穂乃果(…………)

穂乃果(あれ?)

海未「…穂乃果?」

穂乃果「へ? あっ、な、なに?」

海未「いえ……またボーッとしてましたよ。やっぱりどこか具合でも悪いんじゃないですか」スッ

海未「…熱はないですね」

穂乃果「っ……あ、う、うん、平気…///」

海未「けど顔は赤いですし、風邪のひきはじめかもしれません。今日は早めに寝るんですよ」

穂乃果「うん…」

海未「じゃぁ早く帰りましょうか」

穂乃果「そうだね…」

穂乃果「………、海未ちゃん」

海未「はい?」

穂乃果(海未ちゃんがカッコいいとか、人気があるとか、そういうことを聞いたときに出た違和感とか)

穂乃果(前にあった変な感じとか、さっきのモヤモヤとか、全部全部、そう考えると納得がいくよね)

海未「穂乃果? どうしましたか?」

穂乃果「あ、えっとね、私……」


穂乃果「あの……海未ちゃんが好き、です」

海未「……………、…えっ?」




―終わり―

本当にただほのうみが書きたかっただけです。ほのうみになってるかも分かりませんが
短いですが、お付き合いいただきありがとうございました

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