【オリジナル】姉と兄と私の日常 (5)
柚子「ねぇ、お兄ちゃん」
薫「なんだよ」
柚子「よくアニメとかで妹が兄に恋をするとかあるじゃないですか」
薫「あー。前は義理の妹とかだったけど最近だと実の兄妹設定なんかも見るな」
柚子「お兄ちゃんも私と恋人になりたいとか思ったことあります?」
薫「いや、俺ら実の兄妹じゃん」
柚子「でも最近はそういう設定もあるんですよね」
薫「……うん。ないわー」
柚子「でしょうね」
薫「なんだよ、お前実は俺に恋してんのか?」
柚子「……無理です」
薫「だよな」
ガラッ
花「ご飯出来たー!」
薫「あーい」
柚子「机片付けましょうか」
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~夕食~
花「なんのアニメ見てたの?」
薫「魔法天使インフィニート」
柚子「とある事件により引き篭もってしまった小学生の女の子がひょんなことから悪魔から街を守る魔法天使となるお話です」
花「へ、へー」
薫「ていうか姉ちゃんの方がこういう情報早いだろ。現ニートだし」
花「いや、名前は知ってるんだけどニートが題材のアニメなんて見たくない。現実が虚構を侵してくる」
柚子「目を覚ましてください」
花「そもそも小学生ニートってなにそれ?ただの不登校じゃん!街を守るって外出れるじゃん!つーか毎回私服可愛いじゃん!私なんかいつもジャージ…」
薫「落ち着け」
花「それに一緒に戦う親友や気にかけてくれるボーイフレンドや格好いい兄やなんかもいるじゃん!むしろリア充!爆発しろ!」
柚子「でもお姉ちゃんにも隣の家に幼馴染の翔太さんがいるじゃないですか」
花「え?翔ちゃんは腐れ縁だよ?あれは別。ときめかない」
薫・柚子(かわいそうに……)
高校編
薫「おはよう」
圭介「よ!」
ハカセ「おはよう」
圭介「なんだ朝から淀んだ顔してんな!もっと元気出せよ!」
薫「お前はなんでそんなに元気なんだよ」
ハカセ「夏休みが近いからわくわくしてテンションが高いらしいよ」
薫「単純なやつ。夏休みはその分宿題だって多いだろ」
圭介「問題ないな!俺勉強嫌いじゃないし、みんなで勉強会ってのも大切なイベントだ」
薫「顔が良くて頭も良くて野球部のエース。おまけに社交性もある。なんだこの主人公みたいなスペックは」
ハカセ「圭介が入部してから女子マネの応募人数が倍になったらしいよ」
薫「……更に淀んだ顔になる情報だ」
圭介「陸上部は男女混合じゃねぇか。それにお前だって今度リレーの第一メンバーに選ばれたんだろ?」
薫「混合って言ったって基本個人競技だからあんまり関係ないだろ。リレーメンバーも第一チームの中では一番遅い」
ハカセ「それでもすごいじゃないか。でも薫が運動してる姿っていうのも想像しにくいけど」
圭介「お前は帰宅部だからな。俺は練習中にたまに見るからもう慣れた」
薫「慣れたってなんだ。俺だって走るくらいはできる」
ハカセ「ふぅん。じゃあ今度暇なら練習見に行くよ」
薫「わざわざ練習を見に来るのか」
圭介「せっかくだからみんなでこいつの大会の応援に行こうぜ!」
ハカセ「いやだ。練習はこの学校だけど大会は遠い」
圭介「軟弱者め」
ハカセ「夏の日差しはつらいんだよ」
圭介「そういうなよ。夏を楽しめねぇぞ?」
ハカセ「楽しみ方は人それぞれだよ」
圭介「でもみんなと一緒の方が楽しいだろ。そうだ!日差しが駄目ならみんなで夏祭りなんてどうだ!?」
ハカセ「人ごみ嫌い」
薫「ウチの姉ちゃんみたいなこというな。将来が心配になるよ」
ハカセ「なんでそんなにみんなで遊びたがるんだよ」
圭介「夏休みだからだろ!浅春の1ページを増やそうぜ!」
ハカセ「やっぱりか」
薫「こいつ昔からみんなで遊ぶの好きだったからな」
ハカセ「そのおかげで何人の女子が告白のチャンスをつぶされた事か」
薫「青春の1ページなら彼女でも作れよ」
圭介「彼女ならいるぞ。隣の学校の女子」
薫「……」
ハカセ「……」
圭介「な、なんだよ」
薫「さ、授業授業」
ハカセ「一時限目から移動教室か。一緒に行こう」
圭介「おい!置いて行くなよ!!」
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