貴音「ひとりぐらし そのさん」 (156)
貴音さんがひとりぐらしじゃなくなるようです
タイトル詐欺だなこれ
前 貴音「ひとりぐらし そのに」
貴音「ひとりぐらし そのに」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401121011/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405431827
……
春香「やっぱり貴音さんのところにお世話になることにしました!」
……
千早「引っ越しをしようかと」
……
真「何とか父さんを説得できました!」
……
雪歩「えっと、土日にたまに戻ってくるならいいって……」
……
響「一軒家に引っ越すって言ったら、みんな喜んでたぞ!」
……
P「出だしからプラチナめんどくさいでござる」
小鳥「意外とあっさり許可でましたねー」
律子「事前に話は出ていたとは言え、なんでこう一気に……」
P「あいつら打ち合わせでもしてたんじゃないか?」
律子「まあ愚痴っててもしょうがないですね。で、どうします?」
P「うーむ」
小鳥「まま、順番に考えましょう」
P「じゃあ春香と真と雪歩。こいつらは正式な引っ越しではないのでさほど問題なし」
律子「でもその分また家具の買い出しとか」
P「あいつらなら自分たちで行けるだろ。選んで配達の手続きとればいいんだから」
P「最悪貴音について行かせる。計画の言いだしっぺだし、お買い物は最近体験したばかりだから大丈夫だろう」
小鳥「じゃあ千早ちゃん、響ちゃんのガチ引っ越し勢ですね」
P「ええ」
律子「貴音みたいに今の家具は処分して新しく買うことにすれば楽なのでは?」
P「今大型家電の処分最高にめんどくさいからな。
どちらかといえば業者に任せての引っ越しの方が楽だと思う。予算も近場の引っ越しならまだ安いと思うし」
小鳥「私もそっちに賛成ですね」
律子「ま、どちらにしろ責任者はつかなきゃですね。二人共未成年ですし」
P「じゃ、千早と響は俺と音無さんがそれぞれ担当しますか」
律子「ん? 引っ越しには車使える私がついたほうがいいんじゃないですか?」
P「いや、一応律子は未成年だしな」
P「それに今住んでる物件の解約手続きとかも考えると経験者の俺と音無さんの方がいいだろう」
小鳥「確かに」
小鳥「あれ!? ていうか解約まで面倒見るんですか!?」
律子「未成年ですし」
P「それに響の両親は沖縄だし、千早は、ほら」
小鳥「あ、ああ、そうですね」
P「さて、ではどちらがいいですか?千早と響」
小鳥「え」
P「担当者決めましょうよ。住居の解約と引っ越しの事前準備、それと当日」
小鳥「ぴよぉ……私事務員なのに」
P「仲間じゃないですか」ニッコリ
小鳥「うぐぅ」
P「あ、でもやっぱり俺が響ですかね」
小鳥「あら?」
P「響の家族は俺が車で運ぶしかないでしょ。
それとも音無さん、ワニ子と一緒に電車で移動しますか?」
律子「面白そうですね。電車にワニなう」
小鳥「たぶん駅員さんに止められますよね?」
P「ま、いいや。とりあえずそんな方向で話を進めよう。
一旦俺が各人と話すので、詳しい話はその後またということで」
律子「了解です」
小鳥「はぁーい」
……
――翌日 夕方
春香真雪歩「よろしくお願いしまーす!」m(_ _)m
貴音「面妖な」
……
貴音「粗茶ですが」
春香「ありがとうございまーす」
真「ようやく急須出したんだね」
貴音「ようやくは余計です」
真「あはは、ごめんごめん」
貴音「それで、説明はしていただけるのでしょうね」
真「あ、うん」
雪歩「えっと、前に貴音さんがここに住んでもいいって言ってくれましたよね?」
貴音「はい」
雪歩「だから」
のヮの「来ちゃいました!」
貴音「……」
……
貴音「ご両親の許可などは?」
P『その点は大丈夫らしい』
真「ちぇー、響と千早の面倒は見てあげるのにボクたちはほったらかしですよ。
ひどいと思わない?」
P『ちゃんと説明しただろうが……響と千早は本格的に引っ越しが必要だかr
雪歩「ひどいですぅ」
春香「雪歩、泣かないで」
P『絶対泣いてないだろ』
貴音「ひどいですね」
P『おい四条』
春香「とまあ冗談はこれくらいにして」
雪歩「許可が下りたので早速来ちゃいました」
P『まさか話をした翌日に行くとはな。何その行動力』
真「思い立ったが吉日って言うじゃないですか!」
P『そうかもしれんけど』
春香「あ、でも結構現実的な理由もあったんですよ?」
春香「昨日連絡取ってみたら偶然スケジュールが3人とも空いてましたし。明日は日曜日ですし」
春香「次にスケジュールが合うの2週間以上先っぽいですし!」
P『そりゃ偶然。貴音も空いてたってのが』
P『というか貴音がいるかどうかわからないのに突撃したのか?』
雪歩「あ、事務所のスケジュール表は一応確認しました」
真「まあ私用でいなかったらしょうがないかって感じで。
ファミレスあたりで時間潰そうかなーって。うっうー」
春香「うっうー!」
雪歩「う、うっうー」
P『若さってスゲー』
貴音「しかしお部屋には何もありませんが」
春香「そうですそうです!」
真「だからこれから買いに行こーって話だよ貴音!」
P『あんまり遅くなるなよ』
春香「了解了解です!」
P『……そこはかとなく不安だ』
真「じゃあプロデューサーも仕事終わったら来ればいいじゃないですか。
ボクのきゃっぴぴぴぴ~ん☆なお部屋見せてあげますよ!」
P『買った家具持ち帰るつもりなのか? 車もないのに?』
真「う」
P『まあ真ならできるかもな』
P『タンスを担いで20km先の自宅を目指せ! 真チャレンジ!』
P『いいなあ。次の企画でやってm
真「」ピッ
春香「あっ」
雪歩「以上ですぅ」
貴音「なるほど。事のあらましはわかりました」
春香「最悪この前のお布団だけ貸してもらっていいですか?
お泊まりセットは持ってきているので」
貴音「ええ、構いませんよ」
真「よっし、寝床確保!」
雪歩「寝るところとご飯さえあればひとまずは大丈夫だよね」
春香「よぉ~し! じゃあ張り切ってお買いものに行こう!」
雪歩「お~」
貴音「お待ちなさい」
真「ん?」
貴音「買い物に行く前に自分たちの部屋を確認しておいてください」
貴音「生活空間をしっかり把握しておかなければせっかく買った家具が収まりきらない、ということになりかねませんよ」
春香「あ、そっか!」
……
――電車内
真「そういえば新しい生活はどうなの? もう一週間くらい経ってるよね?」
貴音「まずまず、といったところでしょうか」
雪歩「夜ご飯とか自分で作ってるんですか?」
貴音「夕餉」
……
カランカラン
<ラッシャーセー
貴音『……』
貴音『ふむ』ピッ
貴音『お願いします』
店員『お好みはございますか?』
貴音『固め濃いめ少なめで』
店員『ラーメン大、ギョーザ、焼肉丼入ります!』
<アイヨー!
ズルズル ハフハフ
<アリアトシター
貴音『このようなところがありましたか。要ちぇっくですね』
貴音『さて帰りましょうか』
……
貴音「……」
貴音「時と場合によりますね」
春香「疲れておうちに帰ってお掃除もしなきゃとか大変じゃないですか?」
貴音「掃除」
……
貴音『……』ウツラウツラ
貴音『……はっ……ついうとうとしてしまいました……』
貴音『そして気づけば23時』
貴音『掃除はまた明日ですね……明日こそは』
貴音『歯磨き……といれ……』
貴音『うー……』
貴音『おやすみなさいませ……グゥ』
……
貴音「……」
貴音「真、大変なものです」
春香「やっぱりそうですよねー」
雪歩「朝ごはんとかも大変そうですぅ」
貴音「朝」
……
<アサダゾ!アサダゾ!
貴音『……ん』
貴音『……むぅ』ピッ
貴音『……グゥ』
――5分後
<アサダゾ!アサ
貴音『』ピッ
――さらに5分後
<アサダゾ!アサダゾ!
貴音『……わかっております、朝です……』ピッ
貴音『……! なぜ設定時間よりも10分も遅く……!?』
貴音『い、急がなくては!』バタバタ
ガンッ
貴音『んあー!!』
貴音『……面妖な……! 面妖な……!!』ズキズキ
……
ζ*'ヮ')ζ<シャワー中かなーって
……
貴音『こんびにのぱんと珈琲』
貴音『……』モグモグ
貴音『めろんぱん』モグモグ
……
貴音『急がなくては……!』バタバタ
貴音『行ってまいります!』タタタ
タタタ
貴音『鍵……はちゃんと閉まってますね……!?』ガチャガチャ
……
貴音「……」
貴音「朝というものは優雅に過ごしたいものです」
春香「ですよねー」
……
――某インテリアショップ
真「いいなあ! わくわくするなあ!」
春香「えっへへー、新しいもの買う時ってなんでこうドキドキするんだろうね?」
雪歩「自分のお部屋のものだけでいいんだよね?」
真「ベッド」
春香「ローテーブルにするか机にするか。両方だと狭いかなあ?」
雪歩「お部屋にソファは置こうかな。どうしよう……」
真「テレビは部屋だと映らない?」
貴音「そうですね、おそらく。けーぶるがどうのこうのとプロデューサーが」
真「やっぱり。まあそんなに困らないけど」
雪歩「確か照明もなかったよね?」
春香「ああー! 雪歩GJ!」
……
春香「うぅー、ベッドってこんなに高かったっけ……?」
真「ソファベッドかぁ。そういえばこれからは布団干したりとかも自分でやらなきゃならないんだね」
雪歩「これいいなぁ。高いけど」
……
真「しまった、クローゼットちゃんと見てこなかったなぁ」
雪歩「真ん中で分かれてて、片方は服掛けれるようになってて片方は押入れみたいになってたよ?」
雪歩「あ、でも私の部屋とおんなじとはかぎらないかも……」
春香「カラーボックスかチェストも欲しいな」
……
春香「この2つ、なんでこんなに値段違うのかな?」
真「あ、それもしかしてリモコンついてないんじゃない?」
雪歩「リモコン便利だよね。寝たまま明かり消せると」
……
雪歩「ドレッサーかぁ」
春香「いいよねー」
雪歩「でも自分の部屋に置くかっていうと、なんか、まだちょっと」
春香「ちょっと! ちょっとちょっと! って感じだよね」
雪歩「えっ」
……
真「ねえねえ、テレビ台って結構使えそうじゃない!?」
雪歩「使えそう?」
真「いやテレビは乗せないけどさ、収納もできるしいろいろ上に乗せたり」
春香「上にサボテンとか乗せたりしたらかわいいかも」
貴音「ふむ、さぼてん」
……
春香「これって組み立てとか取り付けもしてもらえるんですか?」
スタッフ「はい。お申し込みいただければ配達時に」
春香「じゃあお願いします」
……
――電車内
真「結局」
雪歩「ベッドとお布団セット、カーテンと照明器具しか買わなかったんです」
貴音「ほう」
春香「す、すいません貴音さん。いっぱい待たせちゃって……!」
貴音「いえ私は構いませんが、春香たちはそれで大丈夫なのですか?」
春香「いやー、実は」
真「途中でインテリアの見本が載ってる雑誌見つけちゃってさ、それがまた良かったんだよね!」
雪歩「そ、そうなんです」
貴音「いんてりあ……内装のことですね?」
春香「はい! かっこいいお部屋とかかわいいお部屋がいっぱい載ってて」
春香「今日は勢いで来ちゃったのでどんなお部屋にしたいとかなにも考えてなくって」
真「だからどんな部屋にしたいかもうちょっとイメージ固めてからいろいろ買おうかなと」
貴音「なるほど」
春香「なので、しばらくは家と貴音さんのところを行ったり来たりすることになりそうです」
春香「あ、もう自分の部屋はこっちで家は実家っていうことになるのかな?」
雪歩「小鳥さんとかよく言ってるよね。実家から電話がー、とか」
真「お見合いがー、とかね!」
貴音「ふむ、何かと大変そうですね」
真「小鳥さん?」
貴音「小鳥嬢もですが、あなたたちが」
貴音「早く落ち着くといいですね。
とは言え私も一人暮らしを始めてまだ数える程しか経っていない身ですが」
春香「はー、なかなか大変ですね。引っ越しっていうのも」
雪歩「ふふ、まだ暮らし始めてすらいないのにね」
真「楽しいけどね!」
貴音「ふふふ」
……
ガチャガチャ
ガラガラ
春香「ただいまでーす」
貴音「おかえりなさい」
真「へへー、もうただいまか!」
春香「そういえば合鍵とかないんですか?」
貴音「そういえばそうですね」
貴音「合鍵はひとつあるのですが、プロデューサーに預けています」
真「あー、確かにそのほうが安心かもね」
貴音「しかしあなたたちも持っておかなければ何かと不便ですね」
雪歩「あ、でも」
貴音「はい?」
雪歩「その、こういう借りてるおうちは勝手に合鍵を作ったりしたらまずい……んでしょうか?」
貴音「ふむ、あとでプロデューサーに」
貴音「……」
貴音「いえ、自分で確認しましょう。賃貸契約書というものがありますので」グゥ
春香「……」
真「……」
雪歩「……」
貴音「その前にご飯にしましょう」
……
真「じゃーん!」
貴音「これは?」
春香「出前ですよ! 出前!」
貴音「出前」
真「出前って言うのかな? これ。デリバリー?」
雪歩「えっと、前ご飯の話をした時に一人暮らしだとこういうのも出来るんだねってなって」
貴音「なるほど。夕食は任せてというのはこういうことでしたか」
真「うん。ボクの家にきてたチラシ持ってきたんだ」
貴音「お蕎麦、丼もの、釜めし、お寿司」
春香「あ、でも宅配してくれる地域決まってるよね?」
貴音「ぴざ」
真「うん。そう思っていちおうチェーン店っぽいのを選んで持ってきたつもりなんだけど」
貴音「ぴざ」
雪歩「……四条さん?」
貴音「ぴざ。はい?」
真「貴音、ピザ食べたいの?」
貴音「食してみたいですね。実に美味しそうです」
春香「これドレミピザ? これならここでも大丈夫だよね?」
真「近くの店舗調べてみようか」
雪歩「食してみたい……」
雪歩「あのぅ」
貴音「はい?」
雪歩「もしかして四条さん、ピザ食べたことないんですか?」
貴音「そうですね。初めて見ました」
雪歩「」
貴音「雪歩は食べたことがあるのですか?」
雪歩「……えっと……いちおう……」
貴音「なるほど」
真「あった! 多分ここだと××店かな」
……
春香「おねがいしまーす」ピッ
真「へへ、頼んじゃったね。三枚」
雪歩「ぜ、絶対食べきれないよう……」
貴音「どうせなら一人一枚にすればちょうどよかったのでは」
雪歩「」
真「でも貴音だからね」
春香「貴音さん対Lサイズか」
春香「ファーストコンタクトらしいし、もしかしたら結構歴史的瞬間に立ち会ってるのかも!」
雪歩「そ、そうかな……?」
貴音「どのくらいで届けていただけるのでしょうか? ごふn
春香「30分くらいって言ってました」
貴音「」
……
――10分後
雪歩「わ、私4枚くらいで結構お腹いっぱいになっちゃうんだけど……」
春香「結構くるよねー。私もクォーターひとまわりして、後食べたいのを1、2枚食べると多分限界」
真「ボクも半分食べたら後どのくらい入るかってくらいかな」
貴音「……」ソワソワ
……
――さらに10分後
春香「オーソドックスなパン生地好きなんだよね」
真「ボクはあの間にチーズ入ったやつがいい」
雪歩「耳にチーズが入ってる生地も美味しいよ? 溶けたチーズが……」
貴音「」(´・ω・`)
……
――そのまたさらに10分後
春香「そろそろかな?」
真「そうだね」
貴音「……玄関で待機しております」
<コンバンハー
貴音「!!」
……
<アリアトシター
貴音「こ、これがぴざ……!」
真「えっーとお皿と」
雪歩「コップかな」
……
春香「じゃあかんぱ~い! アンドいただきま~す!」
真「今回はボクたちの引っ越し祝いだね!」
雪歩「ふふっ、そうだね」
貴音「こ、これは……」
春香「あ、ピザは手で取って食べるんですよ」
貴音「なんと! し、しかしそれではまなー違反では……」
真「ピザはそういうものだから」
雪歩「えい」
貴音「ちーず! ちーずが面妖なことに!」
雪歩「わー、伸びるー。はいどーぞ、四条さん」
貴音「……! ありがとうございます! それではいざ!」
パクッ
貴音「!?」
春香「んー、おいしい!」
雪歩「おいしいねー」
真「そういえばピザって久しぶりだなぁ」
春香「あ、もう太りそう」
真「確実にカロリー表示見たくないね」
雪歩「で、でもコーラは一応ダイエットコーラだよ?」
貴音「……面妖な……面妖な……!」パクパク
……
雪歩「頑張って6枚……」
春香「ふうー、頑張って7枚!」
真「頑張って8枚……食べ過ぎだけど」
貴音「一枚と少し」
春香「……まあ確かに」
真「一枚といえば」
雪歩「一枚……かな?」
貴音「非常に美味でした。初めてらあめんと出会った衝撃を思い出しました」
春香「気に入りました?」
貴音「ええ」
貴音「ただ一つ難点を挙げるとすれば」
真「ん?」
貴音「追加で頼みたくなった時にまた30分ほど待たなければならない、ということですね」
雪歩「」
貴音「味の方は申し分ありませんでした。まさに奇跡のこらぼれーしょん」
貴音「これが、ぴざ」
貴音「……世の中にはまだまだ素晴らしい食べ物がありますね。私も精進しなければ」
……
真「結局貴音の部屋で寝ることになっちゃったね」
雪歩「す、すすすいません……かさねがさね」
貴音「構いませんよ」
春香「さすがに照明すらない部屋で寝るのは寂しすぎるもので……」
雪歩「そういえばあれはなんですか?」
貴音「あれはべっどです。まだ組み立てが終わっていません」
真「それにしても物が少ないね。テーブルとタンスしかない」
貴音「あれはてーぶるではなくこたつです」
真「あれこたつなんだ」
春香「じゃあ貴音さんもお部屋作り、途中なんですね」
貴音「そうですね。実際に生活をしてみると化粧台などまだまだ必要なものがあります」
雪歩「私たちもちゃんと考えないとね」
貴音「そういえば買った荷物は明日届くのですか?」
春香「あ、そうです」
真「明日は雪歩が夕方から空いてるから受け取り頼んだんだ」
雪歩「で、でもでもきっと男の人が届けに来るんだよね……?」
春香「まあたぶんね」
雪歩「うぅ~、できるだけ早く帰ってきてね真ちゃん~」
真「う、うん、収録しだいだけど」
貴音「皆の明日の予定はどうなっていますか?」
春香「私は午後から仕事です。
仕事終わったら一回家に帰らないとならないのでここに戻るのは遅くなるかも」
雪歩「えっと、私は朝から夕方まで仕事で……
荷物は6時以降に届くので、できれば一回お家に戻っていろいろ持ってきたいなぁと」
真「ボクは午後から。ラジオ収録一本だから6時にはギリギリどうかなってところ。
貴音は?」
貴音「私は午前からですね。夕方には終わる予定です」
貴音「ふむ」
貴音「雪歩、明日事務所には行きますね?」
雪歩「え? は、はい……」
貴音「では鍵は真に預けましょう」
真「ボクでいいの?」
貴音「私と雪歩は早くから出ますので、春香か真の最後に出るほうが鍵をお願いします」
貴音「雪歩は事務所でプロデューサーから鍵を受け取ってください。
おそらく最初にここに戻るのは雪歩か私でしょうから」
真「ちょっと待って。でも雪歩が事務所に行った時にプロデューサーが都合良くいるとは限らなくない?」
貴音「そう言われればそうですね」
貴音「……確認を取りたいところですが」
春香「もう11時過ぎちゃってますもんね」
真「……プロデューサーがまだ仕事してると思う人ー」
雪歩 ノ 春香 ノ
真 ノ 貴音 ノ
雪歩「だよね」
貴音「めーるをしてみましょう」ポチポチ
春香「まあ私たちが朝一緒に出ればいいんだけどね」
真「そうだね」
<メールダゾ!メールダゾ!
貴音「……来ました」
雪歩「やっぱりお仕事してるみたいだね」
真「なんだって?」
貴音「午後2時以降は事務所にいるとのことです」
貴音「大丈夫そうですね」
真「じゃあお礼に写メ撮って送ろう!」
春香「なんで!?」
真「なんとなく!」
貴音「私はかめらの使い方がわからないのですが……」
雪歩(意外と乗り気?)
……
*********************************
FROM:貴音
SUB:ありがとうございます
本文:明日、仕事終了後雪歩が合鍵を受け取りに伺う予定です。
よろしくお願い致します。
おやすみなさいませ。
お仕事はほどほどに。
添付ファイル:*********
*******************************
P「……この服……」
……
「「「「おやすみなさーい」」」」
カチッ
春香「……」
雪歩「……」
真「……そういえばさ、一応言っとこうか」
春香「うん?」
真「貴音、スウェットなんだね」
貴音「ええ」
雪歩「……ちょっと意外ですぅ」
貴音「引っ越しをする際に小鳥嬢に教わりました」
春香「……納得」
貴音「おかしいですか?」
雪歩「え、えっと……?」
真「さて、おやすみー」
春香「おやすみなさーい」
雪歩「あ、あれ!?」
貴音「おかしいでしょうか、雪歩?」
雪歩「ぇえ~……」
貴音「おかしいでしょうか、雪歩?」
貴音「……」
雪歩「いえ……その……」
貴音「……」
真「……ぷ」
春香「……んふっ……」
雪歩「……!?」
「「あはははははははははは!!」」
貴音「……ふふふ」
……
――数時間前 765プロダクション
P「戻りましたー」
小鳥「あ、お疲れ様です」
P「疲れたー……まっこまこり~ん……」
……
小鳥「そういえば今日貴音ちゃんと話しました?」
P「貴音と?」
小鳥「防犯会社と賃貸会社一緒に行ってきたんですよ。お昼」
P「へえ。聞いてないですね」
小鳥「あらそうでしたか」
P「どうなりました?」
小鳥「事前に私の方で話は聞いてたんで契約自体はすんなりいきましたよ。
あとはもろもろの器具の取り付けを次の週末にやって完了です」
P「お見事」
小鳥「ええ。あと物件の方もすんなりいきましたね」
P「居住人数変更できましたか」
小鳥「ええ。あとインターネット工事にしろエアコンにしろ防犯器具の取り付けにしろ、
生活に必要なことであればやって構いません、だそうです」
P「おおらかな家主さんですね」
小鳥「あっさりいって良かったですよ」
P「いや、お疲れ様でした」
小鳥「ええ。あとは千早ちゃんと響ちゃんの引っ越しですね」
小鳥「ふふ、そういえば春香ちゃんたちですけど」
P「あぁ……」
小鳥「昨日の今日で早速行ったんですって?」
P「ええ。若さって怖いですよね」
小鳥「……若さかー……」
P「ゴメンナサイ」
ちょっと休憩
万が一追ってる人いたらごめん
……
――翌朝
チュンチュン
貴音「……」
雪歩「すぅ……」
真「……ん……」
のヮの「」
貴音「……」カチャ
……
貴音「前もそうでしたが、皆がいるとひとりでに目が覚めますね」
貴音「なぜでしょう?」
貴音「……なにか軽食程度でも買っておくべきでしたか」
貴音「さすがに伊織にもらったかっぷらーめんというわけにはいかないでしょうし」
貴音「……」
貴音「やはり非常食を準備しておかなければなりませんね」
……
雪歩「ふぁ……」
貴音「おはようございます、雪歩」
雪歩「あ、おはようございまふ……」
貴音「ちゃんと眠れましたか?」
雪歩「ふぁい……んむ」
貴音「ふふ」
雪歩「……シャワー、入らなきゃですね……」
貴音「準備をしてきましょう。雪歩も着替えなどを」
雪歩「はぁい……」
……
貴音「」ヌギヌギ
雪歩「……」チラッ
貴音「」ボイーン
雪歩「……」////
……
雪歩「ふぅ」
貴音「冷たいお茶でいいですか?」
雪歩「あ、私やります」
貴音「ふふ、では二人で用意しましょうか?」
……
貴音「食器は基本的にこちらの食器棚、調理器具は上の収納か下の収納に」
貴音「冷蔵庫には冷茶が。とは言っても今はそれ以外はあまり入っていませんが」
雪歩「はい」
コポコポ
貴音「どうぞ」
雪歩「ありがとうございますぅ」
貴音「申し訳ないのですが、今日は朝食を用意していませんでした」
雪歩「あ、いえ」
貴音「すいません」
雪歩「あ、あの……四条さん?」
貴音「はい?」
雪歩「その……私も今日から、じゃなくって、昨日からここに住んでますので」
雪歩「だから……その」
貴音「……」
貴音「気を使っているように見えたのならそんなことはありません」
雪歩「あ……いえ、その……」
貴音「しかし食事についてなどもいずれ相談して決めたいものですね。
まずは雪歩たちの生活が落ち着いてからですが」
雪歩「あ、は、はい!」
真「……おはよー……」
春香「ヴぁい……」
雪歩「おはよう。お茶飲む?」
春香「……うん……」
真「……ボクも」
……
真「うーん、いつもならすぐ『顔洗ってきなさい!』とか言われるのに」
春香「だれるねー」
貴音「準備完了」
雪歩「完了ですぅ」
春香「わー、身支度した人たちが相手だと余計ダメ人間な気がするー」
真「気がするー」
貴音「伸びているところ申し訳ありませんが、しゃわーの使い方を説明したいのですが」
……
貴音「――そうするとここの小窓から火が点いているのが見えます」
春香「はー」
貴音「これでお湯が出ます。使い終わったら逆の順番で元に戻してください」
真「なんかレトロだね。嫌いじゃないけど」
貴音「しゃんぷーなどはお好きに使ってください」
春香「ありがとうございます」
貴音「そして!」
貴音「もし洗濯物がありましたら一緒に洗濯しますので洗濯機に入れておいてください!」ドヤァ
真「えっ……う、うん」
春香「あ、でも今日の分くらいは持って帰りますよ」
貴音「……そうですか」
春香「ん……」
真「どうかした? 春香」
春香「貴音さん、洗濯してます?」
貴音「もちろんです! プロデューサーに使い方を伝授していただきました故!」
春香「あー……そっか」
貴音「なにか?」
春香「これ、下着とか一緒に洗濯したらあんまり良くないですよ?」
貴音「」
……
貴音「では戸締まりの方はよろしくお願いします」
雪歩「行ってきますぅ」
真「行ってらっしゃい!」
春香「頑張ってね~」
貴音「行ってまいります」
ガラガラ ピシャッ
真「……」
春香「……」
真「お腹空いたね」
春香「ね」
真「なんか買ってくる?」
春香「その前にシャワー入んないとねー」
真「そうだね」
春香「それにしてもなんか変な感じ」
真「うん?」
春香「うん、なんか」
春香「ほら、前泊まらせてもらった時は朝みんな一緒にここ出たじゃない?」
真「うん」
春香「でも今日は違うじゃない? 真だけ」
真「まあね」
春香「……なんか急に『あ、ここに住むんだ』って改めて思った」
真「そっかー」
春香「ない?」
真「確かになんか違和感感じるけどね」
真「でもまだボクたち部屋すらまともにできてないからね。やっぱりまだゲスト扱いって感じかも」
春香「そだねー」
真「ボクたちの家か」
春香「うん……」
真「……でもなんかちょっと寂しさもあるかも」
真「あ、いや、寂しいっていうかさ。もちろん開放感のほうが大きいんだけど!」
春香「いや、わかるよ?」
真「ほら、まだがらんとしてるじゃない? 比較的」
春香「そうだね」
真「なんか、自分のうちのごちゃごちゃしてる感じとかさ」
春香「昔の写真とかね」
真「そうそう! 古い写真とか冷蔵庫に貼ってあるゴミの分類表とか!」
真「そういう慣れちゃったものがないと、新鮮なんだけど、やっぱり住んでるところってカンジが薄い……かな?」
春香「……でも、私たちはまだ全然うちに帰れるけど」
真「貴音とか、寂しくなったりしないのかな?」
春香「どうなんだろう?」
真「小鳥さんもあずささんもプロデューサーも」
真「……千早と響もか」
春香「……」
真「……」
春香「……なんか、いきなり一人暮らしするって大変そうだね」
真「そうだね。今回誘ってもらって良かったかも」
春香「……」
真「……」
春香「……なんで朝からこんなにしんみりしてるんだろ……?」
真「じゃあ明るい話でもする?」
春香「なに?」
真「春香、寝てる時目開いてたよ。半分」
春香「!?」
……
――夕方 765プロ事務所
貴音「春香に怒られました」
P「なんで?」
貴音「どうやら洗濯道というものはこれまた奥が深く」
P「洗濯道?」
貴音「まず一つ。洗濯物は種類によって分けなければいけない」
P「あー、物によってはそうかもな」
貴音「なんと! 貴方様は知ってらしたのですか!?」
P「まあ一応な。詳しくはないけど」
……
――夕方 765プロ事務所
貴音「春香に怒られました」
P「なんで?」
貴音「どうやら洗濯道というものはこれまた奥が深く」
P「洗濯道?」
貴音「まず一つ。洗濯物は種類によって分けなければいけない」
P「あー、物によってはそうかもな」
貴音「なんと! 貴方様は知ってらしたのですか!?」
P「まあ聞いたことあるくらいだな。詳しくはないし、もちろん実践もしてない」
P「色ものと白いものは分けるとかじゃないか?」
貴音「それもそうらしいですが」
貴音「その……下着を洗濯ねっとなるものに入れるべきなど、そういったことも?」
P「あ? あ、いやそこまでは知らない。そうなの?」
貴音「春香にはそう教わりました」
P「そっか……すまん。それは知らなかった」
貴音「いえ、私も知らなかったことなので貴方様に責任があるわけではありません」
貴音「洗濯物を分けるということはじいやにも教わりませんでしたので」
P「確かに自分基準で教えてしまってたかもしれない。俺は洗濯物分けたりしないしな」
貴音「個人によって違うものなのでしょうか?」
P「あー、うーん。個人というか男と女の違いもあるかもなあ」
貴音「真、奥が深い」
P「他にもなんか教えてもらったのか?」
貴音「はい。衣類にはですね、衣服の種類による洗濯する際の注意点が記されている『たぐ』なるものがついている、と」
P「そうだな」
貴音「こ、これもご存知でしたか!?」
P「うん。普段は気にしないから言わなかった」
貴音「そうなのですか……」
貴音「ただこれについては春香もあまり詳しくは知らないとのことで」
P「あれって漂白剤ダメ、とか、手洗いがどうとか難しいよなあ」
貴音「あとはそうですね。乾燥機能が付いているからといって、洗濯後すぐに洗濯物を畳んでしまうのはよくない、と」
P「ほう?」
貴音「これは?」
P「ご存知ないな」
貴音「ではお教え致しましょう!」
P「……」
貴音「春香曰く、洗濯機の付属機能では洗濯物を完全に乾燥させるのは難しいとのことでした」
貴音「よっていくら洗濯機で乾燥させたからといってもすぐに洗濯物を畳むのではなく、一旦は室内でもいいので干しておくべきだと」
P「へー」
貴音「そうすることで衣類が傷んだり、衣類の収納場所に湿気がこもったりするのを防ぐことができるそうです」
貴音「ばい、春香の母君」
P「うん」
貴音「ふふ、良かったですね貴方様。耳より情報ではないですか?」
P「そうだな。ただうちの洗濯機は元々乾燥機能なんてついてないからな。いつも部屋干し」
貴音「……」(・ω・`)
P「……まさかとは思うがコートとか洗濯してないですよね?」
貴音「してませんよ。そういったものはくりーにんぐに出すものでしょう」
P「だよな。よかった」
貴音「ふむ。しかし近場のくりーにんぐ店は探しておかなければなりませんね」
P「まあなんだ。奥が深いな、洗濯道」
貴音「真に」
貴音「ところで貴方様。洗濯で思い出しましたが」
P「ん?」
貴音「貴方様はぴざなるものを食したことは?」
P「ピザ? あるよ」
P「というか食べたことないやつっているのか?」
貴音「……」
……
*********************************
FROM:貴音さん
SUB:夜ご飯
本文: 夜ご飯は食べてくるのでしょうか?
こちらで食べるのであれば簡単なものになりますが用意致しますので予定をお聞かせください。
*******************************
……
*********************************
FROM:天海春香
SUB:お願いします!
本文: じゃあぜひお願いします!
私はそっちにつくのが遅くなると思うので3人で先に食べちゃってて下さい!
*******************************
……
*********************************
FROM:菊地真
SUB:お言葉に甘えます!
本文:多分そんなに遅くならないから!
もしなにか必要なものあったら買ってくから連絡して!
*******************************
……
*********************************
FROM:貴音さん
SUB:承知致しました
本文: 夜ご飯は作っておきます。
ただ明日の朝は各人の予定次第だと思いますので、朝ご飯は買ってきてください。
*******************************
……
――貴音宅
ガラガラ
雪歩「おじゃま」
雪歩「……た、ただいま」
トトト
貴音「おかえりなさい、雪歩」
雪歩「あ……」
雪歩「えへへ、戻りました」
貴音「それは?」
雪歩「あ、制服です。あとは普通の洋服とか小物とか……」
貴音「なるほど。学校の制服」
雪歩「はい」
雪歩「じゃあ、ちょっと荷物置いてきますね」
……
雪歩「し、四条さぁん!」
貴音「はい?」
雪歩「あの、扉のところの……!」
貴音「ああ、ご覧になりましたか」
雪歩「はい。四条さんが買ってきてくれたんですか!?」
貴音「ええ。私からの引っ越し祝いです」
雪歩「あ、ありがとうございます!」
貴音「ふふ、喜んでいただけたようで何よりです」
雪歩「すっごく素敵なアイディアだと思います!」
<コンチワース
貴音「おや」
雪歩「あ、き、昨日の荷物でしょうか……?」
貴音「そうですね」
……
ス「じゃあ組み立て始めますね」
雪歩「あ、はいぃ……」
貴音「お願い致します」
……
真「たっだいまー!」
トトト
貴音「おかえりなさい、真」
真「へへっ、ただいま貴音!」
真「貴音に事務所以外で出迎えられるなんて変な感じ」
貴音「ふふ」
真「あ、荷物きた?」
貴音「ええ」
貴音「今は二階で組み立てをしてもらっております。雪歩が不安そうでしたので行ってあげてください」
真「うん! 荷物も置いてこなきゃなんないしね」
……
トントントン……
貴音「……」
雪歩「いい匂いですね」
貴音「おや、荷物の方は終わりましたか?」
雪歩「あ、はい。私の部屋は一応……」
雪歩「カ、カーテンは自分で後からつけますけど、シーリングライトを付けてもらって、ベッドも組み立ててもらいました」
貴音「今は真のものを?」
雪歩「はい」
雪歩「それで、組み立て作業をしてもらってるので、お礼に何か買ってこようと……」
貴音「ほう」
雪歩「お、お茶とかでいいですかね?」
貴音「そうですね」
貴音「いや、体を動かしているのですぽーつどりんくなどの方がいいのでしょうか?」
貴音「まあ気持ちですのでなんでも構わないとは思いますよ」
雪歩「そ、そうですよね」
……
トントントン……
真「……カレー!」
貴音「正解です」
真「へっへー、まあ誰でもわかると思うけど」
貴音「一人暮らしといえばカレーだそうですので」
真「誰情報?」
貴音「プロデューサー情報です」
貴音「作業の方は終わりましたか?」
真「今最後に春香のところやってもらってるところ」
貴音「なるほど」
真「そうそう! ホワイトボード!」
貴音「ええ、ご覧になりましたか」
真「うん! すっごく便利そう!」
貴音「それはよかった」
真「ありがと! でもかなりいい思いつきだね」
貴音「ええ。今日事務所のぼーどを見ていて思いつきました」
真「確かに部屋ごとにネームプレートとかないし、外から見たら誰の部屋かわからない状態だったもんね」
……
ス「あ、いやわざわざご丁寧に」
雪歩「あ、いえ……」
ス「じゃ、お茶いただきます。ありがとうございます」
真「こちらこそありがとうございました!」
貴音「ご苦労様でした」
ス「では失礼します」ガラガラ
……
ガラガラ
春香「た、ただいまぁ……」
トトトトト
真「おかえり!」
雪歩「お疲れさま、春香ちゃん」
春香「ただいまー……っと。あー重かった」
貴音「お疲れですね」
春香「あ、ただいまです」
貴音「ご飯ができております。荷物を置いたらご飯にしましょう」
春香「あ、待っててくれたんですか!?」
春香「す、すぐ荷物置いてきま……!」
春香「きゃあ!?」
ドンガラガッシャーン!!
真「おぉー」パチパチ
貴音「この家では初めてではないですか?」パチパチ
雪歩「縁起物ですぅ」パチパチ
春香「いたた……」
……
貴音「それではいただきましょうか」
春香「いただきまーす!」
雪歩「いただきます」
真「ごちになりまーす!」
パクッ
真「ん、おいしい」
雪歩「おいしいですぅ」
貴音「それはよかった」
春香「これナスですか?」
貴音「はい」
真「貴音のカレーって気分で具が変わるんだって」
雪歩「え、そうなんですか?」
貴音「はい。入れる野菜もお肉も毎回変わりますね」
貴音「カレーはいいものです。何を入れてもおいしくいただけます」
春香「そうですねー」
雪歩「お肉は豚ですね」
貴音「ええ。バラです」
真「貴音、ソースってある?」
貴音「ありますよ。お待ちを」
真「あ、ボクが行くよ! 冷蔵庫?」
貴音「はい」
雪歩「真ちゃんってソース派なんだ」
春香「え? 派閥があるくらいポピュラーだっけ?」
雪歩「お醤油かける人もいるよね、たしか。あとマヨネーズとか」
貴音「興味深いですね」
真「けっこう美味しいよ?」
春香「あ、おかえり」
雪歩「前どこかで食べたときソースなんてかけてたっけ?」
真「んー、外だとあんまりかけないかな。テーブルにないこともあるし、わざわざお店の人に聞くほどでもないし」
真「家だと結構かけて食べるかな。たまにかけない」
貴音「そういえば迷った末にらっきょうは買わなかったのですが」
春香「私は普段は食べないですね。福神漬け派」
雪歩「私も」
真「ボクも」
貴音「ふむ、では今日のところは福神漬けだけで正解でしたか」
真「らっきょうといえば、響がらっきょうらっきょう言ってたことなかったっけ?」
雪歩「響ちゃん?」
貴音「それは島らっきょうではないですか?」
真「あ、そうかも」
春香「島らっきょう?」
貴音「こちらで言うらっきょうとはまた違うもののようですが」
貴音「甘酢漬けではなく、塩漬けや天ぷらなどでいただくそうです」
真「へぇー」
貴音「そして私はおかわりをします」
貴音「ご飯は一人一合食べても大丈夫ですので遠慮なくおかわりしてください」
真「……うん」
……
「「「「ごちそうさまでした」」」」
「「「「そして」」」」
「「「「じゃーんけーん!」」」」
「「「「ぽん!」」」」
真「~~~~~~~~~!」
雪歩「ざ、残念だったね真ちゃん……」
春香「勝負ですよ、勝負!」
真「とほー……」
貴音「洗剤とすぽんじは出ております。水切りかごは……」
……
雪歩「私はとりあえず普通に」
『
萩原雪歩
御用の方はノックしてください。
』
春香「シンプル」
雪歩「うん、あ、後からまた変えるとおもうけど」
春香「真は?」
雪歩「真ちゃんは……」
『 ☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆
♪まこりんのSWEET ROOM♪
☆ ☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆ 』
春香「……」
雪歩「……うん」
……
真「おわったよー」
春香「あ、真! 見て見て!」
『
♪ HARUKA ♪
在室中 リビング
お風呂など 学校
お仕事 実家 』
真「あ! いいなあそれ!」
雪歩「ねー。いいよね」
春香「ふっふっふっ、我ながらナイスアイデア!」
春香「今はここですよー、ってところにマグネットをつけておくの!」
真「ボクもそれ真似していい!?」
春香「もちろん!」
貴音「ふむ」
雪歩「あ、そういえば四条さんは……」
貴音「ありますよ」
……
貴音「こちらです」
『
』
まこはるゆき「……」
まこはるゆき「でか!?」
貴音「もちろん自分の部屋用のもありますが」
春香「そ、そうですよね! これお部屋の前に置いたら入れなくなっちゃいますもんね!」
雪歩「じゃ、じゃあこれは?」
貴音「これは居間用にと」
春香「ああ、リビング用」
貴音「ええ。私も春香と同じことを考えたのです」
貴音「これを居間に置いてめっせーじぼーどとすれば便利なのではないかと。
例えば炊事洗濯を当番制にした場合、そういったこともこれに書けるでしょう。
春香のあいであのように誰がどこにいるか、またその日の各自の予定なども伝えることができます」
雪歩「そうですねぇ」
貴音「まあ今すぐというわけではありません。おいおい考えていきましょう」
春香「はーい」
真「……ところで貴音さ」
貴音「はい?」
真「これ、今日買ったの?」
貴音「ええ」
真「宅配?」
貴音「いいえ」
真「プロデューサーに連れてってもらったり?」
貴音「私一人ですが?」
真「……ということは」
真「これ、貴音が持ち帰ってきたの?」
はるゆき「……え」
貴音「ええ。少々疲れました」
はるゆき「……電車?」
貴音「はい」
真「……貴音ってすごいね」
貴音「そうですか? そこまで重くはありませんでしたが」
……
雪歩「そういえば春香ちゃんは明日は何時に起きるの?」シャコシャコ
春香「5時くらいかな」シャコシャコ
真「うわー……」シャコシャコ
貴音「大変ですね」シャコシャコ
春香「早起きは慣れてるので大丈夫ですよ!」
真「でも明日からはお母さんいないよ?」
春香「……そうなんだよねー」
貴音「起こして差し上げましょうか?」
春香「う……」
春香「い、いえ! ちゃんと朝起きれなければここで暮らし始めた意味がないので!
一人前とは言えないので結構です!」
貴音「ふふ、そうですか」
雪歩「が、頑張ってね……」
春香「がんばる!」
春香「……」
春香「……ちゃんと出発できた証拠にお部屋の扉開けとくから」
春香「万が一閉まってた時は……ちゃんと開けて中覗いてね?」
真「う、うん……」
「「「「ぷぇ」」」」
「「「「がらがらがらがら」」」」
……
真「じゃあおやすみ!」
雪歩「おやすみなさい」
春香「おやすみなさい!」
貴音「ええ、また明日」
……
貴音「鍵」ガタガタ
貴音「大丈夫ですね」
スタスタ
ガチャ バタン
貴音「ふぅ……」
貴音「……」
チカチカ
貴音「……おや?」
……
<Prrrrrrrrrrrrrrr……
P「ん……」
ピッ
P「はい、こちらたるき亭」
貴音『……らあめんを一つ』
P「らあめんは当店では取り扱っておりません」
貴音『ふふっ、それは残念です』
P「悪いな。寝るところだったよな?」
貴音『今まさに布団に入ったところです。べっどではなく』
P「だからメールで謝っただろ。ちゃんと近々行くって」
貴音『では3ヶ月はど猶予を見ておきましょうか』
P「……今から行ってやろうか?」
貴音『私は構いませんが』
P「ったく」
貴音『ふふふ』
貴音『そうそう、合鍵を無事増やすことができましたのでまた一本預かって頂いてもよろしいですか?』
P「合鍵? 今日あの後作りに行ったのか?」
貴音『ええ』
P「それって」
貴音『ちなみにちゃんと契約書を読み、お部屋貸しの会社には確認を取りましたよ?』
P「おー、そうか。それならいい」
P「自分でやったんだな」
貴音『ええ。貴方様に頼ってばかりもご迷惑でしょうから』
P「迷惑ではないけどいい心がけだな。自分でやってみるってのは」
貴音『ありがとうございます』
P「わかった。じゃあ俺も気が向いたらまた顔出すよ。順調みたいだから心配はなさそうだが」
貴音『私は順調そうですか?』
P「ああ。違うの?」
貴音『どうしてそう思われたのですか?』
P「声が明るいからな」
貴音『……声が』
P「ついこの前少し元気ないかな、って思ってたところだったし」
貴音『貴方様は私のそのようなことまでわかるのですね』
P「いつも聞いてるからな。大体わかるさ」
貴音『いつも……』
貴音『……』
P「……ん? もしも~し?」
貴音『……貴方様は本当にいけずなお方です』
P「なんで!?」
貴音『なんでも……』
貴音『……なんでもありませんよー、だ』
P「なんだそれ? 春香の真似か?」
貴音『ふふっ』
P「まあいいや。じゃ、明日現場でな」
貴音『はい』
P「おやすみ」
貴音『おやすみなさいませ』
貴音『……あなた様』
ピッ
たぶんつづく
投下終わり。読んでくれた方ありがとうございます
質問あれば依頼出すまで答えます
そうだ
終わったからいちおうあげとく
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません