ベルトルト(グリーンピース入ってる)(120)

食堂 昼食

ガヤガヤ

ベルトルト(昼食はパン、シチュー、卵とエンドウのソテー、付け合わせにピクルスか)

ベルトルト(……)モグモグ

ベルトルト(やっぱりパン硬いな……。シチューに浸して……)

ベルトルト(……)モグモグ

ベルトルト(シチュー……、具は……)カチャ……

ベルトルト(あ……)

ベルトルト(グリーンピース入ってる)

ベルトルト(となると……、ライナーが……)

ライナー「ベルトルト……」ヒソ…

ベルトルト「ん?」

ライナー「すまんが……」ヒソ…

ベルトルト「ああ、いいよ」

ライナー「悪いな……」ポチャポチャ

ベルトルト「いいって、グリーンピース嫌いじゃないし」

ライナー「ボソボソ感がな……」ポチャポチャ

ベルトルト「ああー、うん」

ベルトルト(……ああー、グリーンピースの割合が凄いことになった。凄い緑色)

ベルトルト(嫌いじゃないけど、喉が乾くんだよなぁ。グリーンピース)

ベルトルト(まあいいや、他の具は……)カチャ……

ベルトルト(……じゃがいも、……玉ねぎ、……人参)カチャカチャ

ベルトルト(あっ)

ベルトルト(これは……、鶏肉か……!)

ベルトルト(となると、出汁が効いている筈だ)

ベルトルト(……)ズズ…

ベルトルト(……うん! 効いてる!)

ベルトルト(となると……)

ベルトルト(……まずはグリーンピースを片付けるか)モグモグ

ベルトルト(……)モグモグ

ベルトルト(口乾くな……)モグモグ

ベルトルト(……大体無くなってきたかな)モグモグ

ベルトルト(水……)ゴクリ

ベルトルト(こっちはどうだろう)シャキ

ベルトルト(……なるほど、エンドウのシャキシャキがいいな)シャキシャキ

ベルトルト(……とはいえ、やっぱり全体的に塩が足らない感じ)

ベルトルト(となると……)カリッ

ベルトルト(うん。ピクルスは塩が効いてるな)

ベルトルト(よし、満遍なく攻めていこう)ズズッ

ベルトルト(うん……。うん……)モグモグ ズズッ

アーッ!?

ベルトルト(……ん?)


コニー「おいっ! なんで俺の玉ねぎ食ったんだよっ!」

サシャ「……?」モグモグ ゴクン

サシャ「え? 嫌いだったんじゃないですか?」

コニー「好物だからとっといたんだよぉ……!」

サシャ「そ、それはごめんなさい」

コニー「ふざけんなよ……。自分は全部食い終わってやがるし……」

コニー「夕食ん時なんかよこせよ」

サシャ「それとこれとは話が別です」


ベルトルト(……)

ベルトルト(……)

ベルトルト(なんか……、うん)ズズッ

ベルトルト(人のものを取るのは、アレだなぁ……)モグモグ

ベルトルト(自分のことじゃないけど、なんか無性に腹立つな。うん)シャキシャキ

ベルトルト(可能ならサシャにチョップとかしたいなぁ)ズズッ

ベルトルト(まあいいや)モグモグ

ベルトルト(味薄いな…)モグモグ

食堂 自由時間 

ベルトルト(……)ボーッ

ベルトルト(やること無いな……)ボーッ

ベルトルト(ライナー達は外で遊びに行っちゃたしな……)ボーッ

ベルトルト(なんかあの……、空気?)ボーッ

ベルトルト(なんか疲れるんだよなぁ……)ハァー

ベルトルト(……)ボーッ

ベルトルト(んー、読書……。勉強……? 勉強……)ダラー

ベルトルト(勉強するか……。試験近かったし……)

ベルトルト(……)ダラダラ

図書室

ベルトルト(…)テクテク ダラダラ

ベルトルト(…あ)


エレン「……」ムーン

アルミン「……」カリカリ


ベルトルト(エレンとアルミン)

ベルトルト(試験勉強かな? アルミンが教えてるっぽいな)

ベルトルト(エレンの顔が凄いな)

アルミン「あ、ベルトルト」

エレン「お、よう!」

ベルトルト「うん」

アルミン「ベルトルトも勉強?」

ベルトルト「うん」ノートチラリ

エレン「一緒に勉強しようぜ!」

ベルトルト「いいよ。暇だし」

ベルトルト(声でけぇな……)

ベルトルト「……」カリカリ

アルミン「……」カリカリ

エレン「……」

ベルトルト「……」カリカリ

アルミン「……」カリカリ

エレン「……なぁ」

アルミン「ん?」

エレン「ここってさ……」

アルミン「ああ、ここはね……」

ベルトルト「……」カリカリ

ベルトルト「……」カリカリ

アルミン「……」カリカリ

エレン「……なぁ」

ベルトルト「……」カリカリ

エレン「ベルトルト」

ベルトルト「…ん? ああ、なに?」

エレン「すまねえ。ここって……」

ベルトルト「ああ、数学的帰納法ね」

エレン「帰納法……。帰納法か」

ベルトルト「うん。えーとね、ざっくり説明すると……」カリカリ

ベルトルト「……こんな感じで、二段階で証明するんだけど…」カリカリ

エレン「おお……」

ベルトルト「……」

エレン「……」

ベルトルト「……大丈夫?」

エレン「多分……?」

ベルトルト「取り敢えず書き写してみたら?」

エレン「わかった……。ありがとな」

ベルトルト「わかんないとこあったら聞いてね」

エレン「おう……」カリカリ


エレン「なぁ……、ベルトルト」

ベルトルト(質問多いな……)

ベルトルト(眠い……)

ベルトルト「……僕ちょっと休むね」カタッ

エレン「おお……」

アルミン「……」カリカリ

ベルトルト「……」ダラダラ

エレン「……」ムーン

アルミン「……」カリカリ

ベルトルト(……)ダラダラ

ベルトルト(顔凄いな……)ダラダラ

ベルトルト(眠い……)

ベルトルト「……僕ちょっと休むね」カタッ

エレン「おお……」

アルミン「……」カリカリ

ベルトルト「……」ダラダラ

エレン「……」ムーン

アルミン「……」カリカリ

ベルトルト(……)ダラダラ

ベルトルト(顔凄いな……)ダラダラ

間違えた

ベルトルト(あ……)ダラダラ

ベルトルト(エレンって意外とアレだな……)ダラダラ

ベルトルト(目がでかいな……)ダラダラ

ベルトルト(あとまつ毛長い)ダラダラ

ベルトルト(……)ダラダラ

ベルトルト(あ……、あれ……)ダラダラ

ベルトルト「エレン」ダラダラ

エレン「おう」ムーン

ベルトルト「ほっぺにケシカス付いてる」

エレン「え、嘘。……どっち?」

ベルトルト「僕から見て右」

エレン「……とれた?」

ベルトルト「うん」

ベルトルト「……」ダラダラ

エレン「……」

アルミン「……僕達も休もうか」

エレン「おお……」

ベルトルト「……」ダラダラ

エレン「……」ダラダラ

ベルトルト「……エレンって座学苦手なほうだっけ?」

エレン「ああー……。理数系がなぁ……」

アルミン「全体的には悪くないんだけどね」

ベルトルト「そうなんだ」

エレン「おお。歴史とか地理とかは好きだな」

エレン「こう……、ワクワク感がな……」

ベルトルト「そっかぁ……」

エレン「アレだよ。昔アルミンが色々話してくれてな」

エレン「壁の外の世界の話とかなー。多分それのおかげかな」

ベルトルト「へぇー……、例えばどんな話?」

アルミン「あー、一応禁忌だから人に言わないでね?」

ベルトルト「あ、そうだよね。うん、わかった」

アルミン「うん、そうだねー……。例えば……」

アルミン「なんでも、外の世界では、『海』っていう広大な湖が広がっているらしい」

アルミン「海の前に立つとね、地平線……、この場合は水平線か。自分の足の先から水平線までずっと海が続いていて」

アルミン「その水平線のそのまた向こうもまだ海が続いている。そのくらい、海は広いらしい」

ベルトルト「へぇ、なんか想像もつかない話だね」

エレン「見てみたいよなぁ」

アルミン「しかもね、海は凄くしょっぱいんだ」

ベルトルト「しょっぱい。……塩?」

アルミン「うん。海には塩が沢山入ってるんだ」

ベルトルト「それ凄いね」

エレン「凄いだろ!」

ベルトルト「」ビクッ

アルミン「ふふ。エレンはこの話が大好きなんだよね」

エレン「おう!」

ベルトルト「はは……、そうみたいだね」

ベルトルト「でも、塩かぁ。塩はいいなぁ」

ベルトルト「いやさ、食事がね」

エレン「ああー……」

アルミン「うん……」

ベルトルト「どう考えてもさ、塩っ気が足んないよね」

エレン「なあ……」

アルミン「わかる」

アルミン「訓練兵なんて只でさえ激務なのに、運動量に見合ってないんだよねぇ」

エレン「それでも生産者に比べればまだマシってのがな」

ベルトルト「塩が採れる塩湖も、マリア崩壊で減っちゃったしね……」

エレン「……」

アルミン「……」

ベルトルト(美味いもん食べたい……)ボーッ

あの世界って塩とかどうやって採ってんのか
塩湖か岩塩? まあいいや寝る

午後 対人格闘

教官「それでは各自、組を作れ! 始めぃっ!!」クワッ

ワーワー

ベルトルト(……)キョロキョロ

ベルトルト(ペア……)キョロキョロ

エレン「よう。ベルトルト」

ベルトルト「あ、エレン」

エレン「組もうぜ」

ベルトルト「いいよ。……なんか珍しいね」

エレン「ああ。いつも一緒の奴ばっかじゃな……」

エレン「アレだ。パターンがな……」

ベルトルト「ああー、あるね。なんかね」

ベルトルト「どっちやる?」

エレン「じゃあ俺暴漢やるわ」

ベルトルト「わかった」

エレン「じゃ、始めんぞ」スタスタ

ベルトルト「うん」スタスタ

エレン「……」

ベルトルト「……いい?」

エレン「おう。じゃあせーの……」

エレン「せっ!」ダッ

エレン「」ダダダッ

ベルトルト(勢いがあるな……)

ベルトルト(ナイフは両手持ち、持ち手が深い。体重を掛けて致命傷を与えてくる構えだ)

エレン「」グッ

ベルトルト(! 姿勢を下げた! 下から潜り込んで下半身を突いてくる!)

エレン「ッラァッ!!」グァッ

ベルトルト(ナイフごと手を打ち落とす!)グッ

ベルトルト「だあっ!!」

エレン「せっ」ヒュン

ベルトルト「あっ」フトモモニペチン

エレン「しゃっ! 俺の勝ちだなっ!」

ベルトルト(両手持ちの体重の乗った突きから、片手持ちでの横薙ぎの斬り付けに切り替えてきた……)

ベルトルト(間合いが急に伸びて対応出来なかった……)

ベルトルト(っていうか、これは……)

ベルトルト「これは、こういう戦法なの?」

エレン「あ? いや、戦法っつーか……」

エレン「まあ、戦法……? うん、こういう戦法? だな」

ベルトルト「そっか」

ベルトルト(……いや、戦法云々じゃなくて)

ベルトルト(なんかこう、完全にしてやられた感が……)

ベルトルト「エレン。ちょっと感想戦をしよう」

エレン「お? おお……」

エレン「……で、お前が潜り込みに反応して振りかぶったところで」

エレン「こう……、横薙ぎにせっ! とな」

ベルトルト「なるほど」

ベルトルト(……えっとつまり)

ベルトルト(完全に手玉にとられていたと……)

ベルトルト(なるほど……)

ベルトルト(……)

ベルトルト(……あ)

ベルトルト(なんか凄い腹立つな……)

ベルトルト(なんか……、うん……)

ベルトルト(まあ強いのは知ってたけどさ。普段アニとかとやってるわけだし)

ベルトルト(……)

ベルトルト(ああ、エレンってちょっと頭弱いイメージあったんだよ。実際は知らないけど)

ベルトルト(いや、でもさっき僕、勉強教えてたもんな……)

ベルトルト(……)

ベルトルト(なんかこう……、僕がアホみたいな……)

ベルトルト(よくよく思い返せばバレバレの誘いだったし……)

ベルトルト(エレンがぶら下げた餌に、アホ面下げて飛びつきましたよ、みたいな……)

ベルトルト(……)

エレン「……」

ベルトルト「……」

エレン「お、おい。どうした……?」

ベルトルト「え?」

エレン「痛かったか? ずっと黙ったまんまだからよ……」

ベルトルト「あ、ごめんね。全然大丈夫だよ」

ベルトルト「ちょっと考えててね」

エレン「おお……」

ベルトルト「役を変えずにもう一回やっていい?」

エレン「おお……! よっし! 行くぞ!」

対人格闘終了後 休憩時間

教官「よしっ! 担当の者は用具を片付けろ! 各自解散っ!!」クワッ

ゾロゾロ グダグダ

エレン「……」テクテク

ベルトルト「……」テクテク

ベルトルト(なんか……)テクテク

ベルトルト(無意味にハッスルしてしまった……)テクテク

ベルトルト(いや、うん。凄い勉強にはなったんだけど)テクテク

ベルトルト(なんか恥ずかしくなってきた……)テクテク

エレン「やっぱアレだな……」テクテク

ベルトルト「ん……?」テクテク

エレン「ほら、ベルトルトって背高いから、懐まで遠くてな」テクテク

エレン「普段と勝手が違って、やってて面白かった」テクテク

ベルトルト「ああ。エレンはいつも誰とやってるの?」テクテク

エレン「アニとかジャンとかが多いかな。あとライナーとか」テクテク

ベルトルト「ライナーも背高いんじゃない?」テクテク

エレン「なんかな。イメージが違うな……」テクテク

エレン「あいつは遠いっていうか、硬いっていうか……」テクテク

ベルトルト「へえ……」テクテク

ベルトルト(よくわからん……)テクテク

エレン「あとベルトルトはアレだな」テクテク

エレン「平手打ちとかパンチが凄い嫌だったな」テクテク

エレン「懐の深さを活かして、こう、平手とかいっぱいされると」シュッシュッ

エレン「なんか近づけなくなるような気がする。俺が」シュッシュッ

ベルトルト「なるほど……」テクテク

食堂 夕食

ガヤガヤ

ベルトルト(さて、メニューは……)

ベルトルト(半分のパン、ベイクドポテト、赤いスープ、チーズ、ピクルス)

ベルトルト(……プラス、オレンジか)

ベルトルト(甘いものは久しぶりだ)

ベルトルト(これは最後の楽しみにするとして、順ぐりに見ていこう)

ベルトルト(まずスープは……、トマトベースか)ズズッ

ベルトルト(……! 若干胡椒も効いてるみたいだ)

ベルトルト(これは有り難いな……)

ベルトルト(具はトマトくずにカイワレ。それと大根か)スクッ

ベルトルト(大根は……)シャクッ

ベルトルト(うん、よく煮込まれてて味が滲みてる)シャクシャク

ベルトルト(逆にカイワレはさっと湯通ししただけで、食感が嬉しい)サクサク

ベルトルト(このスープは花丸だ)ズズッ

ベルトルト(さて、ベイクドポテト。これは熱々だ。まだ湯気が出てる……)

ベルトルト(香りは……)クン

ベルトルト(こっちは胡椒はなしか。バターも使ってない……、か)クンクン

ベルトルト(……まあ贅沢いうのもな。とりあえず一口)パク

ベルトルト(……オリーブ? サラダ? よくわからないな。味も薄い)モグモグ

ベルトルト(……まあボリューミーではあるし、まずいってわけじゃないけど)モグモク

ベルトルト(これはスープと併せていくか)モグモク

ベルトルト(次は……)

ライナー「ベルトルト……」ヒソ……

ベルトルト「ん?」

ライナー「大根食べるか?」ヒソ……

ベルトルト「え? いいけど……」

ライナー「すまんな……」ポチャポチャ

ベルトルト「大根嫌いだっけ?」

ライナー「いやな、なんかこれはな……」ポチャポチャ

ライナー「食感がな……、なんかグジュッてしてて」ポチャポチャ

ベルトルト「そう……」

ベルトルト(表現がキモいな……)

ベルトルト(人に寄越すもんなのに……)

誰? 知らない

ギャーギャー


ライナー「ん?」

ベルトルト「……?」


コニー「だーっ! 大根よこせよっ!」

サシャ「断固拒否しますっ! なんであげなきゃならないんですかっ!」

コニー「お前昼に俺の玉ねぎ取ったじゃねーか!」

コニー「なんかよこせ! 大根!」

サシャ「落ち着いてください……。いいですか?」

サシャ「私がコニーの玉ねぎを取ってしまったのは、コニーがこれ見よがしに皿に残しておいたからです」

サシャ「アレは私に言わせれば、食べてくれ、と言っているようなものです」

サシャ「勘違いした私も勿論悪いですが、勘違いの原因を作ったのはコニーです」

サシャ「つまり、責任の所在は両者にあります。……ここは互いに矛を収めませんか?」

コニー「何言ってんだお前……」

ライナ「うるせえなあいつら……」

ベルトルト「……」

ベルトルト(サシャって意外と口がよく回るんだな……。無意味に)

ベルトルト(ポニーテール引っ張ってやりたい)

ベルトルト(まあどうでもいいや。気を取り直して……)

ベルトルト(残りはパン、チーズ、ピクルス。それにオレンジ)

ベルトルト(パンはやっぱり硬いかな……)モソ

ベルトルト(これはスープと併せるとして、チーズはどう使おう)

ベルトルト(口直しはピクルスの役割として……)

ベルトルト(……!)

ベルトルト(そうだ……! これハンバーガーに出来ないか……?)

ベルトルト(パンとチーズとピクルスがあるんだから……)

ベルトルト(こう……、パンをふたつに割って……)ナイフグリグリ

ベルトルト(……そうだ! それと、トマトくずも挟めば……!)

ベルトルト(下品にならないように、汁気が垂れてこないくらいで……)ノセノセ

ベルトルト(こうすれば、若干の汁気をパンが吸って、硬いパンが柔らかくなるし……)ノセノセ

ベルトルト(スープの旨みがパンに移ってくれるんじゃないか……?)ノセノセ

ベルトルト(よし……! いい感じに出来たんじゃないか……?)

ベルトルト(後は、えーと……)

ベルトルト(チーズを適当に切り分けて……)ナイフサクサク

ベルトルト(ピクルスとチーズを載せて……)ノセノセ

ベルトルト(挟む!)ペタシ

ベルトルト(完成だ……!)

ベルトルト(……)アム

ベルトルト(うん……。うん……)モグモグ シャキシャキ 

ベルトルト(うん。トマトの酸味と旨みが十分に出てる)モグモグ シャキシャキ 

ベルトルト(心配だった汁気も垂れないくらい位に収まった)モグモグ シャキシャキ 

ベルトルト(ピクルスの癖も一役買ってる。歯ごたえもアクセントだ)モグモグ シャキシャキ 

ベルトルト(チーズは、うん。クリーミーさが口いっぱいだ)モグモグ シャキシャキ 

ベルトルト(満点には及ばないけど、90点位の出来になったな……。課題はやっぱり塩気か)ゴクン

ベルトルト(これはアイデアだったな……)

ベルトルト(……ん?)

ライナー「……」ナイフグリグリ


ベルトルト(ライナーがパン切ってる……)


ライナー「……ん? おお」

ベルトルト「……」

ライナー「いやな、お前のソレが旨そうだったからな」

ライナー「やってみようとな」

ベルトルト「はあ」

ライナー「ていうか、皆真似してるみたいだな」

ベルトルト「え」


エレン「……」モソモソ

ミカサ「……」モソモソ

アルミン「……」モソモソ

アニ「……」モソモソ

ジャン「……」モソモソ

マルコ「……」モソモソ

コニー「……」モソモソ

サシャ「……」モソモソ

クリスタ「……」モソモソ

ユミル「……」モソモソ


ベルトルト「……」



ベルトルト(……なんだこれ)

終わり 多分
書いてて思ったけどベルトルさん他人に意思あんま委ねてなかった

終わり 多分
書いてて思ったけどベルトルさん他人に意思あんま委ねてなかった

何故か二重投稿に
これじゃ僕がまるで自己顕示欲の強い人間みたいじゃないか

続きかく  


夕食後 自由時間 男子寮


ベルトルト(……)ダラダラ

ベルトルト(……やること無いな)ダラダラ


ワイワイ


ベルトルト(……?)

ライナー「ベルトルト」

ベルトルト「なに?」

ライナー「お前もポーカーするか?」

ベルトルト「あー……」

ベルトルト「僕はいいや。図書室行って勉強してくる」

ベルトルト「試験近いし……。ごめんね」ゴソゴソ

ライナー「そうか……」

廊下

ベルトルト(……)テクテク ダラダラ

ベルトルト(……付き合い悪いとか思われたかなぁ)テクテク ダラダラ

ベルトルト(でもどうせ賭けする流れになるしなぁ)テクテク ダラダラ

ベルトルト(なんかめんどくさいもんな……)テクテク ダラダラ

ベルトルト(まあ次付き合えばいいか……)テクテク ダラダラ

ベルトルト(眠い……。お茶飲みたい)テクテク ダラダラ

図書室

ベルトルト(……そうだ)

ベルトルト(ついでになんか小説かなんか探すか)

ベルトルト(……)テクテク

ベルトルト(あ……)


クリスタ「……」カリカリ


ベルトルト(クリスタだ)テクテク

ベルトルト(一人……? みたいだな。勉強してるのか)テクテク

ベルトルト(単騎行動してるの珍しいな。何気に初めて見たかもしれない)テクテク

ベルトルト(まあどうでもいいか……)テクテク

ベルトルト(えーっと……)ジーッ

ベルトルト(小説……、とか、読み物……)ジーッ

ベルトルト(なんか社会派っぽいのないかな……)ジーッ

ベルトルト(知識人気取って悦に浸りたい)ジーッ

ベルトルト(……あ、これは)テニトル

ベルトルト(『王室の腐敗とその構造』……、こんなんあるのか)

ベルトルト(……どうせ商会絡みじゃないか? 対立構造だし)チョサクシャカクニン

ベルトルト(……あ、やっぱり)

ベルトルト(あいつらどっちもクソなのにな。足引っ張りあってて笑える)

ベルトルト(どっちも死ねばいいのに)

ベルトルト(まあこれにするか……)テクテク

ベルトルト(さて、勉強に……)テクテク

ベルトルト(……あ)テクテク

ベルトルト(どこに座ろう……)テクテク

ベルトルト(……クリスタとあんま面識ないしな。困った)

ベルトルト(見えない位置に机無いかな……)

ベルトルト(気づきませんでしたよ的な……)

ベルトルト(……あ)


クリスタ「……あ」


ベルトルト(しまった。目が合ったぞ)

ベルトルト(どうすればいいんだ)

クリスタ「……」ニコッ フリフリ


ベルトルト(なんか笑顔で手を振られたぞ)ニコッ

ベルトルト(えーと……)テクテク


ベルトルト「クリスタも勉強?」

クリスタ「うん。ベルトルトも?」

ベルトルト「うん。試験近いしね」

クリスタ「一緒に勉強しない?」

ベルトルト「うん。いいよ」

ベルトルト(どこに座れば……)

ベルトルト(まあ、隣だよな……)ストッ

クリスタ「なんか珍しいね。ベルトルトもよくここに来るの?」

ベルトルト「あ、うん。昼も来たし」

ベルトルト(うわ。背丈の差が凄いな)

ベルトルト(クリスタが首凄い上に向けてる)

ベルトルト(凄い。なんか小動物っぽい)

ベルトルト「ていうか試験前なのに人少ないね。ここ」

クリスタ「あー……」

ベルトルト(あ……、僕今凄い猫背だ)

ベルトルト「逆にそっちのが珍しい気がする。女子はクリスタ一人なの?」

クリスタ「どうだろ……? しばらくしたら来るかも。男子は?」

ベルトルト「なんかポーカーしてる。多分明日の朝食とか賭けてるんじゃないかな」

クリスタ「あはは……」

ベルトルト「まあ今回そんな範囲広くないしね」

クリスタ「どうだろ……?」

ベルトルト「ユミルは誘わなかったの?」

クリスタ「えっと、ダルいって言われた。……なんで?」

ベルトルト「いや、なんかセットのイメージだったから」

クリスタ「セットって……。私ってそんなイメージなの?」

ベルトルト「えー……? むしろ違うとでも……?」

クリスタ「えー……」

ベルトルト「……」カリカリ

クリスタ「……」カリカリ


ベルトルト(……)

ベルトルト(……ビビッた)

ベルトルト(まさか話しかけてくるとは……)

ベルトルト(なんか距離感近いなこの子。腹立ってきた……)

ベルトルト(前髪捲り上げておでこ晒してやりたい)

ベルトルト(まあいいや。集中しよう……)

ベルトルト「……」カリカリ

ベルトルト(なんだベクトルって。意味わからん……)

ベルトルト(とっつきにくいな。なんだこれ……)

ベルトルト(僕の名前と似てるし……)

ベルトルト(腹立ってきた)


クリスタ「あれ?」

ベルトルト「……ん?」

クリスタ「これまだやってないやつ?」

ベルトルト「ああ、うん」

クリスタ「ええーっ? 凄いねっ! なんで?」

ベルトルト(なんでって)

ベルトルト「ああ。範囲までは大体終わったから」

ベルトルト「まだ時間あるし。復習は試験の直前でもいいかなって」

クリスタ「ええーっ!? 凄いなぁ……。偉いね」

ベルトルト「偉いの?」

クリスタ「うん!」

ベルトルト(いや。人見知りをこじらせた結果が今の僕なんだけど)

ベルトルト(なんて反応すればいいのか)

ベルトルト「だよね」

クリスタ「なにそれぇ」クスクス

ベルトルト(なに笑ってんだこの子)

ベルトルト(おでこ晒してデコピンしたい)

クリスタ「……」カリカリ

ベルトルト「……」パクパク

クリスタ「……」

ベルトルト「……」パクパク

クリスタ「……」ジーッ

ベルトルト(見られてる……)

クリスタ「それなに?」

ベルトルト「ああ、単語とか……、文とかを口に何度か出してる。口パクで」

ベルトルト「こうすると頭に入る……。ような、気がする」

クリスタ「なるほど」

ベルトルト「クリスタは例えばどうやってるの?」

クリスタ「私はね、教科書に絵を……」

就寝時間前 廊下

ベルトルト(なんだかんだで有意義な時間だった)テクテク

ベルトルト(クリスタ可愛いかったな。雰囲気とか顔とか)テクテク

ベルトルト(人懐っこいし、男子からの人気も頷ける)テクテク

ベルトルト(……そういや、女子と話したこと自体あんま無かったな。僕)テクテク

ベルトルト(まあどうでもいいか)テクテク


男子寮

ベルトルト「ただいま」ガチャ

ベルトルト「……?」

……シン

ベルトルト(なんか雰囲気が……)テクテク

ベルトルト(なんだろ……?)テクテク

ライナー「よおベルトルト」

ベルトルト「あ、ただいま」

ベルトルト(……?)

ベルトルト(なんか表情おかしいな……?)

ベルトルト(なんで薄く笑ってんだろ……)

ベルトルト「どうしたの?」

ライナー「クリスタと二人で図書室で何やってたんだ?」

ベルトルト「……!?」

ベルトルト(見られてたのか……? ……ていうか)


ニヤニヤ


ベルトルト(この視線は、なるほど。そういうことか……)

ベルトルト(……)

ベルトルト「一緒に勉強してた」

ライナー「ほう」ニヤニヤ

ベルトルト「誰か図書室に来てたの?」

ライナー「エレンとアルミンがな」ニヤニヤ

ベルトルト「そうなの? エレン」

エレン「おお。俺らも勉強しようと思ってな」

ベルトルト「そうなんだ。僕ら誰も見なかったけど」

エレン「なんかアルミンな。やっぱ帰ろうって」

ベルトルト「へえ。そうなんだ」

アルミン「……」

ベルトルト「……」

ライナー「……」ニヤニヤ

ベルトルト「クリスタ、凄く可愛かったよ。優しいし」

ライナー「!?」

ベルトルト「髪の毛サラッサラだった。超ちんまりしてて可愛い。あといい匂いだった。多分風呂上がり」

ベルトルト「こんなクリスタと一緒に話せた僕は、きっと特別な存在なんだと感じました」

ベルトルト「」ニコッ

ライナー「お、おお……」


クソガ…… フザケンナヨ……


ベルトルト(結局嫉妬かよ……)

ベルトルト(だから君らは童貞なんだよ)

ベルトルト(僕もだけど……)

翌日 朝食

ベルトルト(さて……)

ベルトルト(今朝の朝食はパン、付け合わせのマヨネーズ、野菜スープ、目玉焼き、インゲンとエリンギのソテー)

ベルトルト(ここまではいい……。問題はこのサラダだ)

ベルトルト(なんだこれ……? 茶色い豆? と藻? みたいなのと……)イジイジ

ベルトルト(あと、大根と、玉ねぎの薄切り……?)イジイジ

ベルトルト(凄く不味そう。嫌な予感しかしないな……)

ベルトルト(香りを……)クン

ベルトルト(軽く酢っぽい? あと凄く生臭い)クンクン

ベルトルト(ちょっとだけ……)パク

ベルトルト(……)モグ……

ベルトルト(うわっ……。不味い)ゴクン

ベルトルト(藻がブヨブヨしてて、噛むとグジュグジュして気持ち悪くて……)

ベルトルト(酢と玉ねぎと藻の臭いが混ざって最悪だ。それが口いっぱいに広がって……)オエッ

ベルトルト(誰が得するんだこれは……。なんでわざわざ藻を入れたんだ……)

ベルトルト(いや、なるべく生のものでビタミンを補いたいって意図はわかるけど……)

ベルトルト(それにしたってこれは無いだろ……)

ライナー「おい……。ベルトルト……」ヒソ……

ベルトルト(うわ……、きたよ……)

ライナー「これ食べるか……」ヒソ……

ベルトルト「いや、僕はいいや……」

ライナー「頼む……。俺には無理だ……」ヒソ……

ベルトルト「僕も嫌だよ。サシャにでもあげなよ、ほら」


サシャ「♪~」ニッコニッコ

コニー「うわ、すげえ量だな」

サシャ「皆さんくれました! こんなに沢山! 今日はいい日ですね!」ニッコニッコ

コニー「おお……。しかしお前、よくこんなもん食えるな……」

サシャ「信じられませんね……。こんなにふぉ美味しいものを……」モッシャモッシャ

サシャ「味覚がおかしいんれすふぁ……?」モッシャモッシャ

コニー「おかしいのはお前だよ。あと食いながら喋んな……。飛ぶだろ」

コニー「俺のも食うか?」

サシャ「コニー愛してますっ!!」ブバッ

コニー「きったねえっ!!」

ギャーギャー


ベルトルト「喜んで貰ってくれるよ」

ライナー「いや……! それは駄目だ……!」

ベルトルト「なんで……」

ライナー「……俺にも戦士としてのプライドがある!!」

ベルトルト「あ、ああ……」

ベルトルト(よくわかんない……)

ベルトルト「まあ……。じゃあ頑張ってね」

ライナー「ああ……」

ベルトルト(なんて生気の無い顔なんだ……)

ベルトルト(さて……、こっちはこっちでどうしようか)

ベルトルト(このサラダ……)

ベルトルト(……!)

ベルトルト(スープ。この野菜スープは……)クンクン ゴクリ

ベルトルト(! よしっ! ごま油だ!)

ベルトルト(で、パンにマヨネーズ。サラダ……)

ベルトルト(いけるか……!?)

ベルトルト(まずサラダの藻だけを取り出して……)ヨセヨセ

ベルトルト(それをスープに投入する)ポチャポチャ

ベルトルト(野菜スープは鶏ガラ、ごま油ベースで……)

ベルトルト(具材は小口切りの青ねぎ、人参、それにブロッコリーだ)

ベルトルト(このスープなら藻との相性もいいはず……)

ベルトルト(熱が馴染むまで少し待つ。この時間で残ったサラダを……)

ベルトルト(さて、これはまだ藻の生臭さが残っている筈だ)

ベルトルト(ならば、パンの付け合わせのマヨネーズと混ぜて……)スクイ

ベルトルト(マヨネーズのまろやかさで生臭さを打ち消す……! 酢同士で親和性も高い筈だ……)マゼマゼ

ベルトルト(……)パク モグモグ

ベルトルト(……よし! 玉ねぎと大根と豆のマリネ風!)

ベルトルト(パンとの相性もいい……)モグモグ

ベルトルト(さて、スープは……)ズズズッ

ベルトルト(うん! 悪くない……!)

ベルトルト(なんとかなったな……)

ライナー「……」モソモソ


ベルトルト(また真似してる……。いいけど)

ベルトルト(うん……。うん……)モグモグ ズズッ


ベルトルト(御馳走様でした)

食べることは、生きることだ。

僕はそれに対して真摯でありたい。

真摯であるというのは、真剣になるということだ。

だから僕は、どんな食事でも、なるべく美味しくなるように工夫して食べる。

それは、食事と真剣に向き合ってるってことだ。

僕は命を頂いて生きている。だからいつだって、そんな風に在りたいのだ。

食事するとうんこが出る。うんこはライナーだ。

命は巡り会う。この世は残酷だ。

ライナーやアニだけじゃない。

エレンもアルミンも、ジャンもマルコもコニーも、

ミカサもサシャもクリスタもユミルも、みんなみんな僕の大好きな友達だ。

でもいつか殺し合う。僕らはそういう運命になった。

でも多分、世界は、命はそうやって巡っていく。

いつかライナー(うんこ)が死んで、そこに花が咲いたら、

きっとそれは、とても美しい。


僕らは、生きていく。



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