海未「う、産まれます…!」 (76)
穂乃果「頑張って!海未ちゃん!穂乃果がついてるよ!」
海未「はいっ…ハア…ハア…っ」
「お母さん、ここから先は…」
穂乃果「あ…海未ちゃん!絶対大丈夫だから!穂乃果が応援してるよ!」
ことり「ホノカチャン!…海未ちゃんは?」
穂乃果「ことりちゃん…今、中で…」
オギャー オギャー
「「!!」」
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ことり「ホノカチャン!」
穂乃果「うん!」
穂乃果「海未ちゃん!よく頑張ったね!ありがとう!ありがとう…!」
海未「あ・・・穂乃、果……ふふ……」
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
穂乃果「…え?」
海未「男、の子…?」
海未「そ、そんな…!」
「先生!」
「酸素吸入!」
ことり「穂乃果ちゃん…その…」
穂乃果「…」
穂乃果ママ「穂乃果!産まれたのね!」
雪穂「お姉ちゃん!やったね!」
海未ママ「海未さん。よくやりましたね。これで園田の家も安泰です。」
穂乃果「…」スッ
穂乃果ママ「え…?」
雪穂「これって…」
海未ママ「そんな…!」クラクラ
雪穂「…どうして?」
雪穂「出生前診断では女の子って言ってたのに…」
海未ママ「は、ははは…おしまいです!もう、園田の家も…なにもかも!」
海未「う、うう…」
ことり「海未ちゃん!」
海未「ごめんなさい…穂乃果…私が…私のせいですよね…」
海未「お母様…申し訳ありません…」
穂乃果ママ「そんな、自分を責めないで…」
海未「…私が…ふがいないせいで…こんな…」
海未「ごめんなさい…ごめんなさい…」
穂乃果「…」
穂乃果「穂太郎!」
雪穂「え?」
穂乃果「この子の名前だよ!穂太郎!」
海未「穂乃果…」
穂乃果「どうしたの?みんな?もっと嬉しそうな顔してよ!」
穂乃果「こんなにかわいいんだよ?」
ことり「ホノカチャン…」
穂乃果「男だとか女だとか関係ない…」
穂乃果「この子は私と海未ちゃんの大事な愛の結晶…穂太郎だよ!」
穂乃果「ほら!おばさん。抱いてみて!」
海未ママ「え…」
穂太郎「オギャーオギャー」
海未ママ「…」
穂乃果「ね?」
海未ママ「…はい!」
海未「穂乃果…」
穂乃果「海未ちゃん…ありがとう!こんなにかわいい子を産んでくれて!」
海未「…」
穂乃果「どんな子に育つかな?海未ちゃんみたいに凛々しい男の子かな?」
海未「…うっ」
穂乃果「どうしたの?海未ちゃん。泣いたりして。」
海未「いえ…なんでも…ありません…なんでも…」
オギャーオギャー
この日、西木野総合病院の一室で
私と海未ちゃんの大切な宝物が産まれた。
海未「ほらほら、穂太郎、こっちですよ。」
穂太郎「あー、あー。」
穂乃果「わあ!上手上手!」
海未「将来は凛のように運動神経抜群の子になるかもしれませんね。」
穂乃果「そうだね~。あっ!あぶない!」
コテン
穂太郎「…」ジワ
穂太郎「ふええええええええええええええええええん!!」
海未「ああっ!穂太郎…!いたかったですね…!」ナデナデ
―――真姫「…本当にごめんなさい。私がいたら誤診なんて絶対にしなかったのに…」
穂乃果「もういいってば。それに、私達は穂太郎が来てくれて本当によかったって思ってるんだよ。」
海未「ええ、今は毎日が新鮮な喜びに満ちています。」
にこ「わかるわ~それ。うちのマコも本当に可愛くて…」
マコ「ほたくん!ほたくん!」
穂太郎「まこたん~」
海未「ふふ。早速仲良くなったようですね。」
――「ほーたーくん!学校にいこー!」
海未「穂太郎!いつまで食べているんですか?マコちゃんが迎えに来ましたよ?」
穂太郎「うわっ!い、いってきま~す!」
海未「まったく…誰に似たんだか…」
穂乃果「……zzz」
海未「…」ハア
海未「穂乃果!いい加減に起きなさい!仕事に遅れますよ!」
「ことり先生さよーならー!」
ことり「さようなら。また明日ね~♪」
マコ「ほたくん!一緒に帰ろ!」
穂太郎「うん!」
「あ、穂太郎のやつ、女と帰ってるぞ!」
「うわー、だっせえ!ラブラブだー!」
「ラーブラブ!」 「ラーブラブ!」
穂太郎「…」
マコ「気にしないでいいわよ。あんなの。」
穂太郎「…」ダッ
マコ「あっ!」
マコ「…ほたくんのバカ。」
――ことり「今日はみんなの夢を書いた作文を発表してもらいますね。誰からいこうかな~?」
マコ「はい!」
ことり「はい、じゃあマコちゃん!」
マコ「…私の夢は真姫お母さんみたいなとっても頭のいいお医者さんになることです。」
マコ「そのためにはたくさんたくさん勉強しなければいけません。」
マコ「それに、私にはもうひとつの夢があります。」
マコ「それは、にこお母さんみたいなアイドルになることです。」
マコ「2つの夢をかなえるのは大変だと思いますが、私はやり遂げてみせます…」
ワー スゴーイ マコチャンナラデキルヨネー
パチパチパチ
にこ「ううう…マゴぢゃあああああんん…立派になってぇぇぇ」 グスグス
真姫「ちょ、ちょっと!恥ずかしいから!」
ことり「すご~い!素敵な夢だね~!次は誰かな~?」
穂太郎「はい!」
ことり「はい、穂太郎君!」
穂太郎「…僕の夢はアイドルになることです!」
ザワッ
ことり「…!」
穂太郎「…今、日本には男のアイドルがいません。僕は、どうしてかな、と思います。」
穂太郎「でも、お母さんたちの昔のビデオを見てすごくかっこよかったので、男のアイドルがいてもいいと思います。」
穂太郎「…だから、僕はアイドルをめざします!」
エエ? オトコノコッテ… ナレルワケナイジャン…
ザワザワ
ことり「は、はいみんな!頑張った穂太郎君に拍手~!」
パチ パチ
海未「…」
――海未「血は争えませんね…」
穂乃果「そっか…穂乃果がその場にいたら目一杯拍手してあげたのに…」
海未「…やはり。ダメなのでしょうか。」
穂乃果「…絵里ちゃんに話は通してあるけど…」
海未「…どうして!」
穂乃果「海未ちゃん…」
海未「穂太郎はこんなにかわいいのに…!誰にも迷惑なんてかけないのに…!」
穂乃果「…」
――マコ「……うん。私も好きよ。ほたくんのこと。」
穂太郎「ほ、本当に?」
マコ「うん…うれしいな…」
穂太郎「…」
マコ「…」スッ
穂太郎「…?」
マコ「…」
穂太郎「…」
マコ「…もう。早くしてよ。」
穂太郎「早くして、って…何が?」
マコ「キスよ。キス。」
穂太郎「え?えええええっ!?」
マコ「何驚いてんのよ…もう…」
穂太郎「え・・・で、でもあれは映画の中の…」
マコ「じれったいわね……んっ……」
穂太郎「ん!?…」
海未「…あなた達…何をしているんですか。」
――海未「この!ケダモノ!色情狂!」 パン!パン!
真姫「ちょ、ちょっと!そのくらいで…!」
海未「あなたは!何を!したか!わかってるんですか!」パン!
穂太郎「…」
海未「申し訳ありませんでした…もう二度とこんなことは…」
真姫「…別にいいわよ。うちの子から誘ったんだし…」
――穂乃果「…穂太郎。入るよ。」
穂太郎「…」
穂乃果「…海未ちゃんのこと。怒ってるの?」
穂太郎「…」
穂乃果「…穂太郎もわかってるよね。あんなことしたら、マコちゃんにもお母さんたちにも会えなくなるって。」
穂太郎「…」コクッ
穂乃果「…穂太郎も痛かったと思うけど、海未ちゃんの心はもっと痛かったと思うよ。」
穂乃果「…今ね、海未ちゃん。絵里ちゃんのところに行ってる。」
穂太郎「!」
穂乃果「どうか大事にしないでください。何かの間違いだったんですって。難度も頭を下げてるよ。」
海未「…帰りました…」
穂乃果「…海未ちゃん!」
海未「……絵里が。今回だけは大目に見てくれるそうです。」
穂乃果「…よかった…」
穂太郎「あ…母…さん…」
海未「……痛みますか?」
穂太郎「…ごめん、なさい…」
穂太郎「ごめんなさい!ごめんなさい!」
海未「…穂太郎!」
――「 」
穂太郎「はい!親方!」
「 」
穂乃果「穂太郎、頑張ってるみたいだね。」
穂乃果ママ「ええ、覚えが早いって言ってたわ。」
穂乃果「うちが歴史のあるお店でよかったよ。…なんとか『特例』も認められそうだしね。」
雪穂「来月だっけ?審査。」
穂乃果「うん。この調子なら大丈夫だろうってさ。」
――「 」
穂太郎「はい!あとは自分がやっときます!お疲れ様でした!」
「 」
穂太郎(…アイドルになる夢はかなわなかったけど。これでよかったんだ。)
マコ「…ほたくん」
穂太郎「えっ。」
マコ「来ちゃった。」
穂太郎「来ちゃった…って…まずいよ…どこで見られてるか…」
マコ「平気だよ。ねえ、ちょっと歩かない?」
穂太郎「…」
マコ「ねえ…来月…『審査』なんでしょ…?」
マコ「その前に…思い出に…」
穂太郎「……」
―――マコ「ふふっ。すごいね。街の灯が宝石箱みたい。」
穂太郎「…うん。」
マコ「ここね。ママ達が練習した場所なんだって。」
穂太郎「…うん。」
マコ「…私ね、進学したらスクールアイドルやろうかと思ってるんだ。」
穂太郎「…うん。知ってる。」
マコ「…」
穂太郎「…もう、帰ろう。こんなところ見つかったら…」
マコ「いやよ。」
穂太郎「!?」
マコ「『審査』が終わったら…もう、ほたくんの顔は見られなくなるんでしょ?」
マコ「ほたくんは喋っちゃいけなくなるんでしょ?」
穂太郎「で、でもそれがマコちゃんと一緒にいられる唯一の方法で…」
マコ「顔も見えない!言葉も出せない!そんなのいないのと変わらないわよ!!」
マコ「逃げよう?どこか遠くの…誰も知らないところへ…」
穂太郎「マコちゃん……」
――マコ「あっ、これ…」
穂太郎「証明写真?」
マコ「昔ね、ママ達もこれで記念写真を撮ったんだって。」
穂太郎「そっか…」
マコ「撮ろうか?」
穂太郎「うん」
マコ「じゃ…そろそろ…」
穂太郎「うん…」
穂太郎(ごめん…母さんたち…でも……僕は…)
――「動かないで」
「「!」」
亜里沙「かしこいかわいい警察の一等捜査官、アリーチカです。」
亜里沙「あなた達を…拘束します。」
絵里「…写真を持っていたことがアダとなったわ。」
絵里「情状酌量の余地なし。……危険因子として……」
絵里「ごめんなさい……私の力でも……さすがに……」
海未「そんな……穂太郎…穂太郎…っ!!」
穂乃果「海未ちゃん…」
――マコ「……ママ」
にこ「…もういいの?」
マコ「うん…あのね…話があるの……」
にこ「?」
マコ「私…やっぱりスクールアイドルやりたい…」
にこ「…」
マコ「…慰問に行けたとしても…画面越しにしか届けられないのよ。」
マコ「…わかってる。それでもいい。」
にこ「…そう。」
にこ「それなら…にこがあんたを鍛えてあげるわ。」
マコ「ママ!」
にこ「あの子が世界のどこにいてもわかるような超銀河アイドルにしてあげる。」
にこ「それで…届けなさいよ。あんたの歌を。穂太郎君に。」
マコ「…うん!」
~おしまい~
正直眠いので…レスしてくれた方、読んでくれた方、ありがとうございました。
このSSまとめへのコメント
フィクションに理屈を持ち込んじゃいけないと思うが、同性で子供ができる展開には
ついて行けない
IPS細胞だろ(適当)
どゆこと?レズしか存在が容認されない世界?
いやいやいや、続けろよ!!