騎士「姫様に忠誠を誓わねばならぬのに…わ、私はッ!」 (14)

*城の中庭


騎士「姫様、どうぞ足元に注意を」

姫「ええ。いつもありがとう、騎士」

騎士「いえ、これが、務めですから」

姫「仕事、ねえ…相変わらず堅いのね」


騎士「褒めてますか」

姫「呆れてるのよ。ねえ」

騎士「はい」

姫「裏口から、湖畔へ出るわ。あなたは、ここで誰かが来ないよう見張っていてね」

騎士「…そのために、私を」

姫「ええ、そうよ。お願いね」

騎士「畏まりました」

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姫「ふんふーん♪」ザッザッ


騎士「……城の湖畔、といえば」

騎士「数多くの貴族が、逢い引きの場に使う所。姫もまた、そうなのだろうか」

騎士「まったく、姫もいつのまにか、ませてきましたな」

騎士「……これは、私が現役のうちに、姫の晴れ舞台を拝めるかもしれない。ふっ、楽しみではあるな」

騎士「まあ、王は間違いなく取り乱すだろう」

騎士「……」


騎士「しかし、退屈だ。こう、暇を潰せるものは」キョロキョロ

犬「わんっ!」

騎士「……暇を、潰せるもの」

犬「わわおーんっ!」

騎士「……」

犬「ハッハッハッ」


騎士「見つけた」

騎士「これ、犬公。どこから入った」

犬「ハッハッハッ?」

騎士「城壁に穴が開くはずない。よもや、飛び越えたのではあるまいな」

犬「クゥーン」

騎士「ハッハッハ! それはないか!」

騎士「どれ、もちっとこっちへこい」


騎士 (しかし、柔らかそうな、真っ白い雪を彷彿とさせる毛よ。血統書つきと言われても納得するくらいだ)

犬「ハッハッハッ」

騎士「ん? どうした、こっちへこい」

犬「ぶふぃん!」プイ

騎士「……ほう。可愛くない奴だな」

騎士「面倒だが、そう動く訳でもない。私がそちらへ行こう」

騎士「……」ザッザッ

犬「っ!」サッ


犬「ワンワン!!」

騎士「距離を取られたか……」

騎士「こりゃあ参ったな」

騎士「しかし凄い反応だ。俊敏で、うちの兵も見習わせたいな」

犬「クゥーン?」

騎士「そして、その図体よ。丸々と豚のようではあるが、その実は獲物を狩る隼……」

騎士「どこにそんな能力がある、おぬし」

犬「わ、わふっ」

騎士「人語を解せぬか、それもそうか。……ちくしゃう」


騎士「……」ジーッ

犬「ハッハッハッ」

騎士「やはり、その時折覗かせる、白い刃」

犬「?」

騎士「牙というより、おぬしのそれは刃よ。よく磨がれた、名刀」

騎士「それは一所懸命に鍛えたものか」

犬「わん」

騎士「アホ面晒すな。私は不思議に思って聞いている」

騎士「……不思議だな、おぬし」

騎士「……」

チチッ…チ

騎士「しかし、姫はまだか。もしや、何か一大事が…!?」

犬「ばうばうっ!」ダダッ

騎士「あ、おい犬公! そっちは湖畔だゾッ!」


騎士「っく、犬は何かに気付いたというのか…!」

騎士「こうなったら、私も向かうほかならないだろう!」


*城付近の湖畔


<ばうばう!

騎士「犬公の声が聴こえるのは、こちらか」

騎士「……急ごう!」

姫「あの人は、まだかしら」

姫「まだなら、少しみずあそびd

姫「あの人は、まだかしら」

姫「まだなら、少し水遊びでも……」スルッ


盗賊「おーっと、姫様? 俺っちに貴族の肌は刺激的だから、その手をそのまま上に上げてもらえますかい」

姫「な、何奴!」

盗賊「俺はここらは仕切る盗賊。巷じゃあ、無情の盗賊なんてセンスの無い渾名をつけられてやす」

姫「そ、その盗賊が何をしにきた! 私は姫だぞ!」

盗賊「ええ、存じてますとも。俺が盗むのは、城に安置された伝説の宝具でも、最強の呪文でもない!」

盗賊「貴女ですぜ……姫様ァ?」


姫「そんな…!」

盗賊「さあ、神妙になさってつかあさい」

姫 (だ、だれか! 騎士、助けて!)パクパク

盗賊「声も出ないかい。情けないねえ」

盗賊「さあ、その手を少し頂戴して────

 犬<────ばうわうーーーーッ!>ガブッ


盗賊「ガッギャア!! いてえ!」

犬「ワンワン!」

盗賊「こ、この糞犬がァ!」サッ

ナイフ「」キラン

犬「く、くぅ」

姫 (このままだと、罪のない命が!!)


盗賊「いいか、犬。俺のナイフは投げナイフ……」

盗賊「つまりお前が逃げてもお陀仏ということだあよ。糞が…!」

犬「グッガルル!」

盗賊「反抗的で素晴らしいなあ、オイィ!?」

いn

ちょっと調子が悪いので夜に延期
このssにケモナー要素は一切ありませぬ。
騎士が何かに感化されて大自然へ旅たつssであります。

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