少女「身体で金を稼ぐということですか」 (424)

幼女「くっ……!殺せ!」幼女「くっ……!殺せ!」 - SSまとめ速報
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シリーズの続編的な何かだよー



前スレは
少女「というわけで旅にでます」
少女「というわけで旅にでます」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405089012

依頼ってHTLM化的なやつ?

東の町の飯屋だよ

少女「ふいーっ、お腹いっぱい!」

狼女「少女、君、かなり食べるな……」

少女「そりゃあね!闘技場から歩いて一時間半。お腹も減りますわいな!」

狼女「んん……たしかに」

狼女「いやしかし、こうも沢山おかわりされると……」

なまくら『こいつの腹は異次元か……?」



少女「うはー!しあわせー!」

やってみる

狼女「ここまで食べるとはな」

少女「ここのお店凄く美味しいからさ!どんどん食べちゃうよね!」

なまくら『いくらなんでも食べすぎだろう……』

狼女「……」

狼女「ううむ……」

少女「あ、デザートととかいいかな?」

狼女「あ、ああ……」

少女「やったー!」

少女「ストロベリーパフェ一つ!」

てす

>>9
これ携帯の俺だからよろしく

ふえぇ……小説は全然売れなかったけど舞鶴楽しかったよぉ……

数分後だよ


少女「来ました!パフェ!」

なまくら『あの量に加えてデザートまで……』

なまくら『なんだか見てるこっちが気持ち悪くなってきたぞ……』

狼女「……」

少女「おいしい!これおいしい!」

狼女「ああ、それはよかったな……」

少女「あれ?狼女さん、なんだか元気ないよ?どうかした?」

狼女「ん?あ、いや。そんなことはないぞ?」

少女「そう?」

狼女「そう」

少女「そっかー」

なまくら『これはダメなパターンだな』

さらに数分後だよ



狼女「お会計を」

店員「かしこまりましたー!」

少女「なんだかごめんね? 私の方が沢山食べてるのに狼女さんが全部払うなんて」

狼女「いやいや、私は君の雇い主なんだ。これくらいしないとな」

少女「うーん」

なまくら『もうなんだか親子みたいだな』

少女「せめて姉妹って言ってよ!」


店員「…合計で○◇△になります!」

狼女「ああ……これで」

店員「ちょうどお預かりします!」

店員「ありがとうございましたー!」

カランカラン

少女「狼女さん!ごちそうさまでした!」

狼女「ああ……」

少女「……やっぱり狼女さん変だよ?」

狼女「そ、そうか?」

少女「うん」

狼女「そうか……」

少女「何があったの?」

狼女「……正直に話すとしよう」

少女「うん」



狼女「さっきので金がちょうどなくなってしまった」

少女「ええっ!!?」

なまくら『ほらみたことか』

少女「な、なんで!?大金持ってたんじゃなかったの!?」

狼女「その大金は君を引き取るときにほとんど使ってしまったんだよ」

少女「そ、それを言われると何も言えない……」

狼女「それで、さっきの店で残りの金を使い切ったということだ」

少女「なんと……」

狼女「少し良い店に入ろうとしたのが間違いだったかな……」

少女「……ごめんなさい」

狼女「ああ、いや、いいんだ。私も君が気持ちよく食事をするものでつい、な……」

なまくら『完全に少女が無計画に食べたのが原因じゃないか?」

少女「ぐっ」

少女「と、ともかく!これからどうするの?」

狼女「今日はここで宿をとろうと思ったが……野宿かな」

少女「野宿……」

狼女「あと、しばらくはこの町で働いて金を稼がなきゃいけないな」

少女「働く?」

狼女「これはどのみち資金が無くなったらやったことだがな」

少女「うーん」

狼女「ん?」

少女「身体で金を稼ぐということですか」

狼女「違うぞ」

少女「えっ」

狼女「あっているがそのニュアンスではないぞ」

なまくら『しかし、宿が無いというのも辛いな』

ラッシャーセー!ラッシャーセー!

少女「安い宿でもせめてとれたらなぁ……」

狼女「そうだな。治安が良いといっても町で野宿するというのはいろいろとリスクが高い」

なまくら『町だと獣や魔物のかわりに窃盗もあるし、警備団に怪しまれたら厄介だろうしな」

ラッシャーセー!ラッシャーセー!

少女「そうだ!私のお金!」

なまくら『そういえば解放されたときに荷物を返してもらっていたな』

狼女「あ」

狼女「……そのことなんだが」

ゴソゴソ

少女「ない!!」

狼女「あの男が君のお金だけ私に渡したんだ。金の管理はお前がするのだろう、と」

狼女「だからまとめて管理していたのだが、さっき使ってしまったんだ」

狼女「忘れていたとはいえ、黙っていて申し訳ない」

少女「あの男余計なことをー!」

少女「ぐぬぬ……」

ラッシャーセー!ラッシャーセー!

なまくら『さっきからなんだか騒がしいな』

少女「あれは……」

狼女「店の呼び込みのようだな」

少女「後ろのお店の人かな?なんだか古い感じだけど」

狼女「よし、仕事がないか聞いてみるとするか」

ラッシャーセー!ラッシャーセー!

狼女「もし、そこの店員」

店員「はい!なんでございましょ!」

店員「ここは質屋!なんでも取り揃えておりますよ!買取もやらせていただいております!」

狼女「いや、その、この店を使うというよりかは雇ってもらいたいのだが」

店員「雇う……ですか」

狼女「だめかな?」

店員「うーん、今はちょっと間に合ってますねぇ」

狼女「そうか……」

店員「お仕事をお探しで?」

狼女「ああ、そうなんだ」

少女「……ねえ、なまくら」

なまくら『どうした』

少女「質屋ってなに?」

なまくら『さっきあの店員が言っていたように雑貨から武器まで様々なものが売っている店だな』

なまくら『手持ちのものを預けて金を貸してもらうこともできる』

少女「お金を返さなかったら?」

なまくら『そのままあの店の商品として扱われることになるな』

なまくら『店員が言っていた買取とはそういうことだろう』

少女「ふーん……」

店員「なら、いいお店、紹介しましょうか?」

狼女「おお!それは助かる!」

店員「最近できたお店でしてね、呼び込みも活発でして」

店員「この町の売りになっちゃうんじゃないかって程のお店ですよ!」

狼女「それは凄い!」

店員「今かなり勢いがあるお店ですからね。賃金も、きっと高いですよー」

店員「さらに、私、実はそのお店の店長と知り合いでしてね」

狼女「と、いうことは……?」

店員「一言口添えしても……思いまして」

狼女「しょ、紹介してくれ!頼む!」

店員「しかしですねぇ……」

狼女「しかし……なんだ?」

店員「いえ、こちらも商売をしている身としてはですね」

店員「タダというものが何より怖いものでして……」

狼女「つまり、情報も売り物だと」

店員「流石お客様!話が早くて助かります!」

店員「そうですねぇ……仲介料込みで」

狼女「込みで?」



店員「何かウチの商品を一点ご購入いただけたらそれでOKです!」

狼女「そ、それでいいのか!?」

店員「ええ」

狼女「ありがたい!」

少女「狼女さん、狼女さん」

狼女「ん、どうした少女?」

少女「私たち、お金あったっけ?」

狼女「あ……」

店員「なんと……」

なまくら『本当に忘れていたのか……』


狼女「ど、どうしよう?」

少女「うーん」

少女「店員さん、ここって質屋なんだよね?」

店員「!」

店員「そうですそうです!」

店員「何でも買い取りますよ!」

狼女「その手があったか!」

狼女「しかし、何を売るんだ?」

狼女「私は金目のものなど持っていないぞ?」

少女「うーん」

少女(女騎士さんに貰ったペンダントがあるけど……それはできれば売りたくないし……)

少女(とはいえ、これって所謂もしもの状況だし……)

店員「おっ、いいものを持っているじゃありませんか!」

少女「えっ」

なまくら『ん?』

店員「それですよ!それ!」

店員「貴女の腰にぶら下がっているやつです!」

少女「それって、この刀?」

店員「そうですそうです!」

なまくら『嫌な予感しかしないのだが……」

店員「少し見せてもらってもいいですか?」

なまくら『や、やめ』

少女「どうぞどうぞ」

なまくら『貴様ぁ!」


店員「ふぅーむ……かなり古い型の刀ですね」

店員「しかし、これはあまり見たこともない」

店員「だいぶ年季も入っているし、何か独特の香りがするような……?」

少女「……」

なまくら『……』

狼女「?」

店員「あの、この香りは……?」

少女「そ、それですか?」

少女「えっと」

なまくら『思い出したくもない……』

少女「野生の玉ネギを倒したときのものです」

なまくら『!?』

店員「ほう」

少女「ショウナイスパモン酸というエキスが染み込んだものですね」

狼女「しょ、しょう……?」

なまくら『野生の玉ネギって何だよ……怖いぞ……」

店員「なるほど!それは凄い!」

店員(ショウナイスパモン酸ってなんだ?)

店員「ということは戦いの歴史も刻まれているということ!」

店員「高く買い取りますよ!」

少女「高く……?」

なまくら『お、おい……』

狼女「どのくらいになるんだ?」

店員「そうですね……いろいろと加味しまして……」

店員「これでどうでしょう?」

狼女「おお!これなら宿がとれるぞ!」

少女「ホント!?」

少女「じゃあ……」

なまくら『待て!待ってくれ!』

少女「大丈夫だって、質屋なんでしょ?」

少女「働いてお金を貰ったら買い取りにくるよ」

なまくら『いやしかしなぁ』

少女「直ぐ戻ってくるから!」

少女「ね?」

なまくら『ぬぬ……』




店員「あの子はいったい何と話しているんです?まさか刀……」

狼女「そっとしておいてくれ。多感な時期なんだ」

店員「は、はぁ、さいですか」


少女「というわけでお願いします」

店員「ありがとうございますー!」

なまくら『あっ』

なまくら『話はまだ終わっていないぞ!』

少女「だってキリがつきそうにないんだもん」

少女「絶対戻ってくるから安心して!」

なまくら『能天気すぎるだろう……』



店員「はい!それではお代です!」

狼女「ああ、ありがとう」

狼女「さあ、少女」

少女「ん?」

狼女「君が買うものを選んでくれ」

少女「え、いいの!」

狼女「もちろん。君のおかげなんだ。遠慮せず選んでくれ」

少女「やったー!」

狼女「一つだけだからな?」

少女「わかってるよーっと!」

ワクワク

少女「何買おっかなー」

少女「どれにしよっかなー」


少女「お」

少女「これだ!」

店員「流石!お目が高い!」

狼女「どれにしたんだ?」

少女「ふふーん」

少女「これです!」

狼女「ネコミミ……?」

少女「そう!ちょっと違うけどおそろいだよ!」

狼女「!」

狼女「……」

少女「がおー!……へへ、なんちゃって」

狼女「……」

少女「あれ?狼女さん?」

女狼「なあ」

少女「ん?」

狼女「抱き締めていいか?」

少女「えっ」

……

店員「お買い上げありがとうございます!」

少女「やったー」

狼女「安いし、可愛いし……文句なしだな」

店員「それでは、案内いたしますよ」

狼女「ああ、よろしく頼む」

少女「よろしくお願いしますー!」

店員「ささ、こちらに……付いてきてください」

少女「どんなお店なのかな?」

狼女「どうだろうか……」

店員「安心してください。いかがわしい店では決してありませんので」

……

お店の前だよ

狼女「ここが……例の店か」

店員「ええ。ささ、こちらです」

少女「正面じゃなくて裏口からなんて……なんかドキドキするね!」

狼女「ふふ、そうだな」

店員「店長さーん!開けてください!店長さーん!」



少女「あれ……?」


ガチャ


店長「はいはい。店長でございますよ」

店長「今日はどのような御用時で?」

店員「いやぁ!聞いてくださいよ!従業員になりたいという方を二人連れてきました!」

店長「ほう!本当ですか!」

店員「ええ!」

店長「……それで、後ろにいる方々がその従業員志望の方々ですかな?」

店員「はい!」

狼女「よろしくおねがいします。狼女です」

少女「しょ、少女です!」

店長「ほうほう……これはこれは」

店員「……いかがでしょうか?」

店長「完璧じゃないですか!ぜひとも歓迎させていただきますよ!」

少女「や、やった……!」

店長「丁度人手が欲しかったんですよ!」

店長「それに、こんな美人と可愛らしい方を連れてきてくださるなんて……」

店長「店員さん!GJです!」

店員「ありがとうございます」

狼女「そ、それでは、ここで働かせてもらえるんですか!?」

店長「ええ、もちろん!」



店長「ようこそ!レストラン『トワイライト』ヘ!!」

毎度遅くて申し訳ない。
ちょっといろいろあって左手を骨折してしまったんだよ
できる限り早く投下できるよう頑張るよ

少女「レストラン?」

店長「そう。レストランですよ」

店員「それでは私はこれで……」

店長「あ、毎度どうも」



狼女「となると、私たちは厨房で料理でも作ればいいのだろうか?」

店長「いえいえ、料理は私を含めたスタッフが作ります」

店長「あなた方には配膳をお願いします」

少女「お料理運ぶのなら得意だよ!」

店長「おお、それは頼もしい」

店長「では早速ですが、制服を支給致しますのでこちらへどうぞ」

狼女「改めてよろしく頼む」

少女「シャッス!オナシャッス!」



店長「ここが更衣室兼休憩室になります。着替えや休憩はここでするように」

店長「何着かの制服がありますので、ここから自分の身体にあったものを着てくださいね」

狼女「わかった」

少女「なんだかふりふりでかわいい制服がいっぱいだね!」

狼女「ああ。これはいいものだ……」

店長「お気に召されたのでしたらなによりです」「

店長「それでは、私は外にいますので」

店長「着替え終わりましたら教えてください」

店長「仕事内容をお教えします」

少女「はい!」


バタン


少女「なんだかワクワクするね!狼女さん!」

狼女「ああ。こんな服を着るなんて初めてだよ」

少女「最初は不安だったけど、なんだか楽しくなりそう!」

狼女「ふふ、そうだな」

数分後だよ



コンコン


店長「どうですか?着替えましたか?」

少女「て、店長!大変です!」

店長「はて?何か不都合でもありましたか?」

少女「不都合というかなんというか……」

店長「?」

店長「入りますよ」

少女「あっちょっ」

狼女「ま、まて!」


ガチャリ

ふえぇ……携帯がぶっ壊れてデータがなくなったよぉ……
当然今まで組んでたプロットもなくなっちゃったよぅ……

店長「……何をしているんですか?」

狼女「こ、これは、その……」

少女「ちょっと!見ちゃだめだよ!」

店長「……狼女さん、服、身体に合うものがありませんでしたか?」

狼女「……」

コクリ

店長「そうですか……」

店長(不器用ながらもちゃんと着こなしている少女さんに対して)

店長(狼女さんは恐らく女性用の最大サイズであろう制服を無理やり着ていて)

店長(その……いろいろな所が窮屈そうにギチギチと主張している……)

店長「眼福だ……」

店長(もう少し大きいのを探してきますね)

少女「ダメだってば!」

店長「ああ、すみません」

店長(小さい身体を使い狼女さんの前で両手を広げて見せまいと必死な少女さん)

店長「他に在庫がないか探してきますね」

バタン


狼女「うう……」

少女「げ、元気出して狼女さん!私が隠してあげてたからね!」

狼女「ありがとう……いや、違うんだ。なんだか情けなくてな……」

狼女「私が大きいばかりに……」

少女「身体が大きいのは悪いことじゃないよ」

狼女「この制服……どうしよう」

少女「手伝うから一旦脱ごっ?」

ちょっと前だよ


少女「えっと、どれかな」

少女「私のにぴったりなのはっと」

狼女「これじゃないか?」

少女「あっ、ありがとう女狼さんって……むぅ」

狼女「どうした?合わなかったか?」

少女「いや、これ、一番小さいサイズじゃん……」

狼女「ぴったりじゃないか」

少女「……」


少女「もう少し大きいのにする」

狼女「?」

少女「うへぇ、ぶかぶかだ」

狼女「だから言ったろう」

少女「くそぅ」

狼女「さっさと諦めて一番小さいのを着ろ。な?」

少女「あともう少し大きければ……!」

狼女「はっはっは!」

少女「笑い事じゃないよ!」

狼女「ふははは!」

少女「もう!ばか!」

狼女「スマンスマン」

少女「狼女さんはどうなのさ!」

狼女「ん?私はまだ探している途中だよ」

少女(狼女さんスタイルいいからなぁ……)

少女(からかう処が見付からないや)

狼女「うーん……」

少女「あれ、どうしたの?」

狼女「いや、これより大きいサイズはないものか……と」

狼女「これだと、少し小さいな」

少女「なんて贅沢な悩みでござんしょ!」

ふえぇ……実は車もぶつけてるんだよぉ……
そろそろ本気でお払いしようか考えてるよぉ……

狼女「……ないな」

少女「大きいのないか店長に訊いてみる?」

狼女「いや、これでいこう」

少女「え、でもそれって狼女さんにはかなり小さいんじゃ……」

狼女「何事も挑戦だよ。少女」

少女「ポジティブの方向が変な方に向いてると思うよ!?」


狼女「ふんっ!!」

少女「ああっ!気にも留めずいった!」

狼女「よっ!ほっ!」

ギチッギチッ

少女「服がパツンパツンに……」

狼女「今だ!」

少女「何が!?」

グイッ



バリッ

狼女「あ……」

少女「あー……」


少女「笑い事じゃねぇ……」

狼女「身動きができん……」

少女「そらそうなりますわいな」

狼女「屈辱だ……」

少女「お、もしかして」

狼女「ん?」

少女「くっ……!殺せ!って」

狼女「いわんよ」

少女「えっ」

狼女「それはいわんよ」

……
今だよ

少女「よいしょ、えいしょ」

狼女「すまない……」

少女「いいってことよ!」

少女「よし!脱げた!」

狼女「ふぅ……息苦しかった」

少女「羨ましいやらそうでないやら」

少女「とりあえず布を羽織っておきなよ」

狼女「ああ」


コンコン

店長「入りますよ?」

少女「どぞー」

店長「失礼しますね、っとこれはこれは」

狼女「手間を掛けさせてしまって申し訳ない……」

店長「いえいえ」

店長「ふーむ……」

ジロジロ

狼女「な、なんだ?」

店長「その恰好で出てみます?」

狼女「なっ!」

少女「店長さん!」

店長「ははは、冗談ですよ冗談」

店長「だから振り上げた拳を降ろしてください二人とも」

店長「後生ですから」

店長「それにほら。これ」

少女「あっ、制服だ」

狼女「だが……更衣室にある制服とは違うな」

店長「ええ。男性用のですから」

狼女「だっ、男性用……」

少女「他に無かったの?」

店長「ええ。流石に在庫はありませんでした」

店長「でも、狼女さんになら似合うと思って」

狼女「そ、そうかな?」

店長「ええ!保障しますよ!」

狼女「じゃ、じゃあ着てみようかな」

店長「どうぞどうぞ」

店長「それでは外に出ていますので」

狼女「ああ」

少女「いいの?」

狼女「他に制服がないんだ。仕方が無い」

少女「そっか」

少女「狼女さんがいいんだったらいいんだけどさ」

狼女「ふふ、ありがとう」

少女「んにゃ」

少女「着替えるの手伝ったげる!」

狼女「おお、助かる」

数分後だよ

少女「おお……!」

狼女「ど、どうだ?」

少女「かっこいいよ!狼女さん!」

狼女「か、かっこいいか……そうか……」

少女「ん?」


コンコン

店長「どうですか?」

少女「あ、どうぞー!」

店長「入りますね」

ガチャリ

店長「おお……!」

店長「いいじゃないですか!とっても凛々しくて!」

店長「綺麗です!」

狼女「……そうか。ありがとう」

少女「んん?」


店長「それでは早速お仕事の説明に入らせてもらいますね」

少女「はい!」

店長「先ほども言いましたが、あなた方のお仕事は配膳です」

狼女「作られた料理を客に運べばいいんだな?」

店長「はい。注文を取るのも忘れずお願いします。ですが」

狼女「ですが?」

店長「このお店ではお客様のことを『客』とはいいません」

少女「どういうこと?」

店長「つまり、男性のお客様を『ご主人様』。女性のお客様を『お嬢様』とお呼びしてください」

店長「これだけは徹底してもらいます」

少女「ご、ご主人様ぁ?」

少女「ご主人様ってあのご主人様?」

店長「そうです。一国の主、ご主人様です」

少女「うわぁ……」

狼女「面白そうじゃないか!」

少女「え!?」

少女「以外に乗り気なんだね狼女さん」

狼女「なかなかにない経験だぞこれは!」

少女「まあ……なかなか無いちゃあないけどさ」

狼女「それで、私はどうしたらいいのだ!?」

店長「狼女さんはお客様に気高く接してください」

狼女「よし!わかった!」

少女「納得しちゃったよ」

店長「そして少女さん」

少女「は、はいっ!?」

店長「少女さんは適当に頑張ってください」

少女「雑じゃない!?私の扱い雑じゃない!?」

店長「少女さんはなんだかんだいってそつなくこなしそうですからね」

少女「う、うーん?」

店長「それでは早速ですが、そろそろお店に出てもらいますよ」

少女「えっ、もう!?」

店長「ええ。開店の時間も近いですから」

店長「その他細かいところは働きながらお教えしますので」

少女「不安だなぁ……」

狼女「楽しみだなっ!少女!」

ワクワク

少女「ど、どうだろう」

店長「それではお願いしますね!」

少女「うおお……話が受け止める前にどんどん流れていく……」

カランカラン

店長「お帰りなさいませご主人様!」

店長「ほら、来ましたよ、ご主人様第一号が」

店長「挨拶、挨拶」

狼女「お帰りなさいませ!」

少女「お、お帰りなさいませ……」

店長「それでは狼女さん、いってみてください」

狼女「わ、わたしか!」

狼女「よおし、まかせろ!」

少女「初手は狼女さんかぁ」

狼女「ご主人様!」

男「!? あ、はい」

狼女「ご注文はお決まりでしょうか!」

男「あ、いや、まだです……」

狼女「わかりました!」

狼女「また後ほどご注文に伺います!」

男「は、はい」

ノッシノッシ

狼女「どうだ!?」

店長「いや……」

少女「なんか違うな……」

狼女「そ、そうなのか……」

店長「狼女さんはもう少し落ち着いて振舞ってください」

少女「ちょっといつもの狼女さんらしくないよ」

狼女「むぅ」

店長「気合が入るのは十分よろしいのですが、行き過ぎると良くありません」

少女「いつもの狼女さんの感じで大丈夫だよ!」

狼女「そうか……案外難しいものだな」

店長「さ、気を取り直してもう一度注文を聞きにいきましょう」

狼女「あ、ああ」

少女「今のままじゃ炎の妖精だよ。落ち着いて落ち着いて」

狼女「う、うむ」


スタスタ


狼女「ご注文はお決まりになりましたか、ご主人様」

男「えっと、この応援オムライスとコーワで」

狼女「かしこまりました。流石ご主人様、お目が高い」

男「そ、そうかな」

狼女「ああ、このようなご主人様を持って私は誇らしいよ」

男「え、えへへ」

狼女「暫く待っていてくれ。ご主人様の注文を最優先で作らせるからな」

男「あ、ありがとう」



少女「なんてこと……」

少女「既にキャラを確立しつつあるだと……!」

店長「狼女……恐ろしい娘……!」

テクテク

狼女「ふぅ、緊張した」

少女「すごいよ狼女さん!」

狼女「そ、そうか?」

店長「ええ。あれだけの立ち振る舞いでしたらもう完璧ですよ」

店長「何か劇団でもやっていたんですか?」

狼女「?いや、普段通りを心がけたつもりだが?」


店長「なん……だと……!」

少女「そういやいつもあんな感じだった……」

店長「天然ものだと……恐ろしいやでぇ……」

少女「店長さん、キャラ、キャラ変わってる」

店長「さて、少女さん」

少女「あい」

店長「あなたの番ですよ」

少女「ふっふっふ」

狼女「お、自信ありげだな」

少女「まっかせなさい!男なんてちょろいもんすよ!」

店長「その心は?」

少女「まあまあ、見てなさいって」

少女(男なんて甲高い声だしてブリブリしてればすぐ落ちる)

少女(って村長が言ってた気がする)

少女(しかしブリブリってなんだろう)

少女(まあなんとかなるしょ)

少女「ぶりぶりー……」


店長「何かブツブツ言っていますけど、大丈夫なんでしょうかあれ」

狼女「正直不安しか覚えないな……」

カランカラン

少女「きたっ!」

店長「きてしまいましたね」

狼女「私は配膳してくるよ」

店長「あ、行ってらっしゃい」



少女「お帰りなさいませご主人様!」

男「おわっ、びっくりした」

少女「ご飯にする?ライスにする?それとも……お・こ・め?」

店長(全部米じゃねぇか)

男「え、えっと……」

少女「もうっ、そんなところに立っていたら風邪ひいてしまいますよ!」

グイッ

男「あっあっ」

店長(手を引っ張って連れて行くとは……なかなか上級テクですよこれは)

少女「さあ、座って座って?」

男「は、はい」

少女「ねぇー何食べるー?」

男「どれにしようかな」

少女「きゃるんきゃるん」

男「ん?」

少女「んー?」

男「あ、いや」

少女「きゅるるーん✩」

男「え?」

店長(いけませんな……キャパオーバーし始めている)

狼女「どうだ?少女の調子は」

店長「どうもこうも……」



男「このくまさんハンバーグください」

少女「くまさんバンクーバーでよろしいですね!」

男「えっ」

少女「キャインキャイン✩」

男(なんだバンクーバーって)


店長「とまあ、あのような惨状です」

狼女「自分を見失っているな」

店長「知恵熱でオーバーヒート寸前ですよ……」


狼女「よし、私が行こう」

店長「すいません。よろしくお願いします」

カツカツカツ

狼女「失礼するよ」

男「え?」

狼女「少女、店長が呼んでいるぞ」

少女「ブーン?」

狼女「いいから行きなさい」

少女「ギューン」

タタタタ

狼女「……ふぅ」

男「あ、あの……」

狼女「ああ、急にすまないご主人様。あの子はまだ新人でね。多めに見てやってくれないかな?」

男「あ、はい」

狼女「ふふ、ありがとう。ご主人様は優しいんだな」

店長(あなたも新人でしょうが……)

少女「きーん」

店長「お、きたきた」

少女「ナンデゴザイマショ」

少女「ウェーイ」

店長「やはり重症ですか……」

少女「?」

店長「ちょっとこっちに来てください」

少女「デモセッキャクガ」

店長「いいから!」

少女「フェェ……」

更衣室だよ

店長「さて……」

少女「ピーガガ」

店長「せっ!」

ガッ

少女「いたっ!?」

少女「なにすんだよ!」

店長「よかった。元に戻りましたね」

少女「?」

店長(しかし、チョップ一発で回復するとは……)

少女「なにさ?」

店長「いいえ。なーんにも」

店長「ところで少女さん」

少女「ん?」

店長「おはようございます」

少女「……っは!?そういえば私は今まで何を……!?」

店長「あなたは悪夢を見ていました。深淵の悪魔すらもドン引きするようなやつをです」

少女「あ、頭が痛い……」

店長「まあ、正常になったようでなによりです」

少女「そうだ!仕事!」

ダッ

店長「お待ちなさい」

ガッ

少女「ぐえっ」

少女「げほっ、ごほっ!いきなり襟掴まないでよ!」

店長「再教育です」

少女「ほえ?」

店長「あなたが一番危惧するべき対象でした。まったく、一体誰があんなことを教えたのですか……」

少女「ハゲです」

店長「ハゲ?」

少女「YES HAGE」

店長「OH...」



─────



村長「いぃーーーきしっっ!!!」

オーク「うわ、きったな」

村長「なんだとこのやろう!てめーの野菜スープに天然ゼラチン入れたろか!!」

チーン!!

オーク「やめてくださいよ!!!!」

─────

店長「ともかく、そのハゲの言っていたことは忘れてください」

少女「はい」

店長「いいですか、不自然にキャラを作ったって意味ありません」

少女「はい」

店長「偽者で固められた虚像なんてすぐに見破られてしまうか自我が崩壊するかのどちらかですからね」

少女「はい」

店長「あれは昔のことです。私も虚像にまみれていました」

店長「ですがそれは甘い安らぎだったのでしょうね」

店長「それに委ねることで現実逃避していた」

店長「自分は選ばれし堕天使だ。悪魔と天使のハーフに生を受けた私は来たる災厄に備えなければならない。そう言って町中を駆け回ったものです」

店長「気づいた頃には遅かった。皆の私を見る目はまるで……」

少女「おっさん。話変わってるぞおっさん」

店長「おっと、話がそれてしまいましたね」

少女「うん」

店長「えーと、つまり言いたいのは」

店長「持ち前の長所を活かせということです」

少女「長所?」

店長「そう。貴女は絹のような白髪を持っているではありませんか」

少女「うーん?」

店長「黙っていれば清楚かつ幻想的な雰囲気を演出できるでしょう」

店長「小柄の身体も相まってまさにこの地に舞い降りた天使」

少女「そうかな?」

店長「黙っていればね」

店長「黙っていれば」

少女「なんだろうトゲをかんじる」

少女は「くっ、殺せ」接客をすればいいよ

くっ殺接客とな?

>>209
客が来たら「くっ、殺せ」で出迎える

カランカラン

店長「お、新しいお客様が来ましたね」

店長「ささ、行ってください」

少女「うっす」

店長「いいですか、自分の長所を活かすんですよ」

店長「決して余計なことは言わないように」

少女「了解であります」

店長「では、どうぞ」

少女(自分の長所か……)

少女(外見以外だとなんだろ)

トタトタ

少女「おかえりなさいませご主人様!」

客1「ども」



狼女「調子はどうだ」

店長「狼女さん」

店長「まだ分かりませんね……彼女がちゃんと理解してくれたかどうか……」

狼女「まあ、様子を見るしかないな」



少女「……」

客1「……」

少女「……」

客1「えーっと……」

少女「んほおおおぉぉぉおぉぉ!!」

客「!?」

少女「こ、こっちなのほおぉぉ!」

客1「え、あ、はい……?」

少女「ここに座るのほおおぉぉおぉぉお!」

客1「は、はい」

少女「ほおおおぉぉ」



店長「なんですかあれ、拳法使いかなんかですか」

狼女「いや……はぁ」

店長「狼女さん」

狼女「承知した」

少女「あひいいぃぃぃ」

客1「えっと……」

狼女「失礼する」

客1「え、あ、はい」

少女「おほ?」

狼女「お前は店長の所へ行け」

少女「あひ(でも)」

狼女「いいから行くんだ」

少女「はひ」

客1(なんだか凄い処にきちゃったなぁ)


店長「……」

少女「……」

少女「あの」

店長「さっきの話ちゃんと聞いてましたか!!?」

少女「は、はいいぃぃ!」

店長「はぁ……わかりましたよもう」

少女「もしかして……クビ……?」

店長「いえ、それはまだ貴女の働き次第です」

少女「ほっ」

店長「しかしです」

少女「はいっ」

店長「次は無いと考えておくべきですよ」

少女「あひぃぃ」

店長「とにかく、少女さんは変に特徴ださなくていいですから」

少女「はい」

店長「いっその事寡黙キャラでいいですから」

少女「寡黙」

店長「そこから軽くドジっ子でも混ぜていけばいいですから」

少女「ドジっ子」

店長「最低限のことだけ言ってください」

少女「最低限」

店長「……」

店長「ちゃんと理解してます!?」

少女「してもすしてもす」

ふえぇ……ごめんよぉ……
今冬コミの原稿が修羅場だからもう少ししたら再開できるよぉ……
原稿終わったら頑張って書くからもうしばらくお待ちくださいだよぉ……

ふえぇ……無事入稿できたよぉ……二日徹夜したときは謎のテンションになってたよぉ…… 
ここで宣伝とかいいのかもよく分からないけど、いずれバレルことかも分からないし伝えておきますよぉ……
二日目のG-12aで機械花という厨二くさいサークルが白露と時雨のお話の本出してるからよろしくだよぉ……

店長「では行ってください!」

少女「あい」


店長「ったくもう……」

狼女「少女の調子はどうだ?」

店長「少し厳しいですね……このままでは辞めてもらうのも視野に入れないと……」

狼女「少女が辞めるのならば私も辞めるからな」

店長「えっ」

狼女「辞めるからな」

店長「……それはそうと、新しいお客様はいらっしゃいましたか?」

狼女「ああ、また男が一人きたぞ」

店長「そうですか…」

狼女「武器を持っていたようだが……いいのか?」

店長「いいんです、いいんです。このお店は戦いに疲れたご主人様も歓迎しておりますので」

狼女「そうか?いや、だが、もし強盗とかだったら」

店長「このご時勢に強盗なんてあまり見かけませんよ!」

狼女「まあ、そういうことなら……」

店長「いざとなったら何とかしますしね!」

狼女「うむ」

店長「ささ、狼女さんはお仕事に専念してください!少女さんは私が見ておきますので」

狼女「了解した」

店長「さてさて、肝心の少女さんですが」



少女「お帰りなさいませー」

客2「ども」

少女「こちらへどうぞ、ご主人様」

客2「うっす」

客2(クールっ娘かなぁ……いいなぁ)

少女「こちら、メニューになります」

客2「あ、あの……」

少女「?」

客2「メニュー、逆さまです……」

少女「きゃっ!も、申し訳ございません!」

客2「いえいえ」

客2(ええなぁ)





店長「完璧やないけ……」

ふえぇ……あけましておめでとうございますだよぉ……
冬コミ、もしうちのサークルに来てくれた稀有な方がいたらありがとうございましただよぉ……


少女「ただいま」

店長「おかえりなさい!」

少女「どう?どう?どうだった?」

店長「やればできるじゃないですか!完璧ですよ!」

少女「まじすか」

店長「まじですまじです」

店長「この調子でそのキャラでやっていきましょう!」

少女「あい」

少女「ただしこのキャラには大きな欠点があるのです」

店長「え、なんです?そんな目だった短所はなさそうですけど……?」

少女「凄い疲れる」

店長「……」

少女「このキャラはできて一日に三回くらいかな」

店長「燃費わっる」

少女「まずキリッと表情を固めるのにかなり体力使います」

店長「あなたの顔は粘土かなんかですか」

少女「そしてドジっこ属性を爆発させるためにSPを大量に消費するのです」

店長「SP?」

少女「S(精神)P(ポイント)」

店長「精神ポイント」

少女「うん」

店長「……じゃあ、さっきの奇声をあげるのはどれくらい消費するんです?」

少女「ドジっこを100とするとんほは3くらいかな」

店長(うそだろ……)



狼女「待たせたな、水だ」

客3「ありがとう」

狼女「ふむ」

客3「えっと……なにか?」

狼女「いや、いい身体をしているなと。綺麗な筋肉をしている。とても理想的な体型だ」

客3「ど、どうも……」

狼女「それはそうと、その剣はなんだ?」

客3「え、これですか? ああ、別にこれで店を襲おうなんて思ってませんよ。本当にただの息抜きでここに来たんです」

狼女「ならばいいんだが……」

客3「これは仕事用なんです。依頼所で討伐の仕事を受けて倒して報酬をもらうんですよ。」

客3「基本はモンスターから悪い盗賊まで。善良な市民にこの剣を振るうなんてありえません」

狼女「仕事なら他のことをしたほうが効率がいいんじゃないか?いまどき盗賊なんてそうそういないぞ」

客3「はは……この仕事が性にあってるんですよ。前から似たようなことしてましたし」

狼女「ほお……凄いな、君は」

客3「おだてたってお金しか払いませんよ?」

狼女「はっはっは。なら存分に散財していけ。メニューだ」

客3「どうも」

カランカラン

狼女「お、新しいご主人様が来たようだな」

客3「その言い方なんだかなぁ」

狼女「お迎えせねば。それじゃ、ごゆっくり」

客3「ありがとう」


客男「へぇ~中はこんなんなってんのか」

客女「綺麗なつくりだね」

狼女「お帰りなさいませ。ご主人様、お嬢様」

客男「んあ?」

客女「わー!かっこいい」

狼女「恐れ入ります。さ、こちらへ」

客女「ね、ね!かっこいいね!」

客男「……」

客男「なんか獣臭くねぇ?」

狼女「」ピクッ

客女「え、そう?」

客男「くせぇよ。店変えようぜ」

客女「えー!ここがいいよ!執事さんかっこいいし!」

客男「……チッ」

狼女「……よろしいでしょうか」

客男「さっさと案内しろよ。トロいな」

狼女「かしこまりました」

狼女「こちらにお座りください」

客男「ふん」

客女「ねぇどうしたの?さっきからおかしいよ?」」

客男「なんでもねぇよ。アクセサリーだかなんだか知らねぇけど毛だらけの尻尾とか耳とかありえなくねぇ?仮にも料理店だろ?」

客女「あー、確かに」

狼女「メニューをどうぞ」

客女「どうもー」

客男「……」

狼女「しばらくしたらまたお伺いします」

客男「他のやつがこいよ」

ふぇぇ……毎度毎度待たせてしまって申し訳ないよぉ……
そしてこんなに更新が遅いのにも関わらず待っててくれる皆に感謝だよぉ……
頑張ってもう少し更新頻度あげるよぉ……

狼女「お待たせしました」

男「……」

女「えっとー、この濃厚クリームパスタください」

狼女「はい」

女「……ねぇってば」

男「わーってるよ」

男「森の恵みサラダとげんこつハンバーグ」

狼女「かしこまりました」

男「早くしろよな」

狼女「善処いたします」




少女「……」

少女「店長さん」

店長「はい、どうしました?」

少女「私厨房もやってみたいんだけど」

店長「えっ」

少女「厨房」

店長「いや、それはちょっと……少女さんにはホールでのお仕事がありますし」

少女「お願い!今なら最高の料理が作れる気がするの!」

店長「またそんな適当なこと言って……」

少女「主にあそこにいるカップルっぽいご主人様方に提供できると思うの!」

店長「限定的すぎません?」

少女「いいから!」

店長「うーん、まあ、一組だけなら……特別ですよ?」

少女「っしゃあ!!!」

店長「綺麗なガッツポーズですねぇ」

少女「それじゃあ私は厨房に行くから!店長さんはお客さんお願い!」

店長「無茶すぎる」

厨房だよ

少女「ふふふ……」

少女「これであいつらに……」


狼女「オーダーだ」

少女「はーい!」

狼女「あれ、少女お前ホールはどうしたんだ?」

少女「店長さんに任せてきた!」

狼女「無茶すぎる……」

少女「ともかく!そのオーダーは私が担当だから!」

狼女「あ、ああ……大丈夫なのか?」

少女「大丈夫大丈夫!お母さんの料理の手伝いとか沢山してたし!」

狼女「そ、そうか、ならいいんだが」


少女「ふふひひへ」



客3「なんだろう寒気が」

数分後だよ

少女「おまたせしましたご主人様~」

客男「お、今度は別の奴が持ってきたな」

客女「この娘もかわいいねぇ」

少女「のんほぉうクリームパスタになります」

客女「えっ」

少女「申し訳ありません。噛みました。んん゛っ」

少女「濃厚クリームパスタになります」

客女「え、あ、ああ。ありがとう」


店長「あの人、いきなりぶっ込みませんでしたか?」

狼女「そうか?普通に噛んだだけだろう」

店長(そうかなぁ……)


少女「それでは失礼致します」

客男「俺のはまだこねーのかよ」

少女「チッ少々お待ちください」

客男「ん?」

少女「はい?」

客男「いや……なんも」

少女「はい。失礼致します」



店長「あれお客様敵視してません?生ごみを見るような目ですもん」

狼女「そうか?私は作業していたからよく分からなかったな。気のせいじゃないのか?」

店長(そうかなぁ……)

狼女「私はまたホールへ戻るぞ」

店長「あ、はい。よろしくお願いします」

店長「私も少し作業しなければ……」



数分後だよ


客男「おーい……まだかよ。いい加減腹減ったぞ」

少女「お待たせ致しました~」

客男「お、きたきた」

少女「森の恵みサラダでございます」

コトッ

客男「よっし、食べr……っておい!!」

少女「はい?」

客男「はい?じゃねぇだろ!」

客男「どこが森の恵みだよ!ブロッコリー一本じゃねぇか!!」

少女「これがメニューでして……」

客男「嘘こけ!メニュー表に『大自然の野菜をふんだんに使った贅沢なサラダ』って書いてあったぞ!」

客男「しかも一瞬パセリかと思うほど貧弱なブロッコリーってどういうことだよ!」

少女「はぁ……お客様。こんな言葉をご存知ですか?」

客男「んだよ」

少女「『ブロッコリーは凝縮された森』だと……」

客男「近くで見ればそれっぽいがそうじゃねぇしそもそもその凝縮された森が萎びかけてるってどういうことだよ!!」

客男「森の大惨事じゃねぇか!」

ふえぇ……ごめんね……明日書くよぉ……

ふえぇ……ごめんよぉ、明日久しぶりの休日だから沢山書くので許して欲しいのですよぉ……

できれば明日この章完結したいよねぇ……

少女「はぁ……我儘な語主人さまですねぇ」

客男「どっちがだよ!いいからちゃんとしたもの持って来い!」

少女「いいから食えって」

客男「なっ」

少女「おら」

客男「もごぉ!」

少女「いかがでしょう?当店のサービス『あーん』でございます」

客男「もがもが!(ねじ込んでおいて何があーんだよ!)」

少女「おいしいですか?」

客男「案外うまいから困る」

少女「そうでしょうそうでしょう」

少女(ほとんどソースの味だしね)

客男「だからってあんなことされたんだ!店長出せ店長!」

少女「おやおや」



狼女「店長、呼ばれているぞ」

店長「はわわ」

少女「しかしご主人様、まだ料理が残っておられますよ?」

少女「それを召し上がってからでもよろしいのではないでしょうか」

客男「ま、まあそれもそうか」

客男(食うもん食ったら文句言ってタダにさせるしな)

客女「客男?」

客男「あーいや。ならさっさともってこいや」

少女「かしこまりましたー」


狼女「行かなくてよかったのか? 店長」

店長「ここはもう少し様子を見てみましょう」

店長(ブロッコリーのせいでもうアウトですが)

少女「ふっふっふ」

少女「もっと嫌がらせしてやる……」

少女「狼女さんをあんな風に言った罰は受けてもらうんだから……」

少女「あ、パセリがねぇ」

少女「さっきので使い切ったか……」

少女「……」



狼女「ふぅ」

客3「大丈夫ですか?」

狼女「ああ、いや、少女がポカとやらかさないか心配でな」

店長(もうポカどころかボコボコですよ)

ふえぇ!毎度毎度申し訳ないよぉ・・・!
こんなに遅くなっても待っててくれる皆には感謝してもしきれないよぉ。
ちょっとずつでもがんばって行きたいよぉ

少女「おまたせしました」

客男「おう」

少女「げんこつハンバーグでございます」

客男「ったく、待ちくたびれたわ」

少女「どうぞ」

客男「……ってこれブロッコリーじゃねえか!あんのかよ!」

客男「しかも鉄板の上にブロッコリーしか乗ってねぇし!!」

少女「いえ、これはブロッコリーではありません」

客男「は?」

少女「ブッコロリです」

客男「なんだよその殺意に溢れた名前の野菜は」

客男「ていうかブロッコリーあんなら最初から出せよ!さっきのパセリより大分健康的だよ!」

少女「満ち溢れていますからね」

客男「栄養に?」

少女「殺意に」

客男「おっかなすぎだろ」

客男「まあいいわ。それよりもハンバーグはどうしたハンバーグは」

少女「はい」

客男「はいじゃねぇよ早く出せよげんこつハンバーグ」

少女「すぐ出ますよ」

客男「は?」



少女「今ここでなぁ!!!」

ブォン

客男「あぶねっ!?」

客男「何すんだコラァ!」

客女「ちょっとちょっと!?」

少女「私のゲンコツになります!!」

客男「正気かよお前!こっちは客だぞ!」


少女「知るか!」

少女「狼女さんを馬鹿にしたことは許さないからな!」

客男「はぁ!?」

狼女「!」



店長「あわわわわわ」


客3「良く見えないけどなんだか不穏な雰囲気だぞ・・・?」

少女「くらえっ」

客男「おっ」

ヒラリ

少女「あっ」

客男「ガキが調子乗ってんじゃねぇぞ!」

客男「クソガキには罰を与えてやらねぇとな!」

客男「オラァ!」

ブンッ

少女「くっ」

ガッ

ふえぇ……毎度毎度ゴメンだよぉ……

少女「……」

少女「……?」

少女「……あれ?」チラッ



狼女「女性には手をあげるものではないよ、ご主人様?」

ギリギリ

客男「なっ……!?」

客男「てめぇ何様のつもりだ!邪魔すんじゃねぇぞ!」

狼女「何様だと?」

狼女「メイド様だ」

店長(うわぁ……)

ふえぇ……酉どっかいっちゃったよぉ……地道に探していくよぉ……

客男「なめんじゃねぇぞ!!」

ブンッ

狼女「ふん」

サッ

客男「なっ!?」

狼女「せいっ」

ビュッ

ピタ

客男「ぐっ……」

客男「……?」

狼女「寸止めだ。これに懲りたらここからさっさと立ち去ることだな」

客男「くっそ……!」

客男「ふざけんな!店長は何処だ!出せオラ!」

店長「……」

ソーッ

店長「私が店長です。いかがなさいました?」

客男「いかがもタコもねぇよ!この店どうなってんだ!客の教育なってなさすぎだろ!」

店長「申し訳ございません。何分今日始めて仕事に入った店員なもので……」

客男「そんなもん店に出すなよ!」

客男「そもそもこの獣くせぇ女俺に暴力振ってきたんだぞ!」

客男「ありえねぇだろ!」

店長「ごもっともでございます……」

客男「金は払わねぇからな!」

店長「もちろんでございます……」

店長「ですが」

客男「ですがなんだよ」

店長「今日のところはお引取り願います」

客男「あぁ!?」

店長「他のお客様もいらっしゃいますし、どうか……」

客男「被害被ってんのはこっちだぞ!」

店長「うちのメイドたちへの扱いが少々いきすぎていたので」

客男「くっそ!」

客男「おい客女!いくぞ!」

客女「えっ?まだ食べてな」

客男「いいから行くぞ!」

客女「う、うん……」

客男「チッ」

ペッ

少女「あ!唾吐いた!」

ふえぇ……ゴメンとしか言い様がないよぉ……

明日頑張ってかきたい

客男「もうこんなとこ来るかバーーーーーーカ!!!!!!」

ダッ

店長「あっ!お代!」

少女「塩もってこい塩!!!」

女狼「岩塩ならあったぞ」

店長「でかっ」

少女「でかした!!!!!」

少女「ッッラァッ!!!!」

女狼「1メートルも飛んでないな」

少女「もう二度とくんなよ!!」

狼女「小麦粉もかけておくか?」

少女「一応」

パラパラ

店長「岩塩にかけてどうするんですか……」

少女「いっちょ料理してやったな」

狼女「うまいな」

店長「うまくないですよ!!」

少女「さあ、仕事に戻りましょうか」

狼女「ああ」

店長「いや、それなんですが……」

少女「はい?」

店長「申し訳ないですが貴方たちは今日限りで辞めてもらいます……」

少女「なんで!?」

狼女(なんでもなにもないとは思うが……)

店長「いえ……確かにあのお客様は非常識でした」

店長「しかし、やりすぎといいますか……他のお客様も見ていらっしゃいますし」

店長「またこのようなことがあったら困るのですよ」

少女「……」

狼女「少女」

少女「……わかってる」

少女「一日とはいえ雇ってくれてありがとうございました!」

店長「こちらこそありがとうございました……そしてありがとうございました。今日の分の給料は少し色をつけますので」


客3(なんだか大変なことになってるなぁ、ここからじゃ良く見えないけど)

夜だよ

少女「というわけで一仕事終えて」

狼女「また職無しになったわけだ」

少女「あ~~!!!もう!これでいよいよ身体で」

狼女「ちがうよ」

少女「えっ」

狼女「ちがうよ」

少女「そっか……」


狼女「とりあえず今日宿泊する金は手に入ったから明日考えよう」

少女「そうだね~。なまくらを取り戻さない限りこの町から離れられないし」

狼女「今日接客していた客の一人が依頼所というところで金を稼いでいると聞いたんだ」

少女「依頼所?」

狼女「ああ、なんでも魔物の討伐依頼が出たりするらしくてな、そいつを倒すと報酬がもらえるらしい」

少女「へー!なんかそういうのって貰えるお金多そうだね!!」

狼女「討伐依頼以外にもちょっとした手伝いなどがあるかもしれないし」

狼女「短期間で大量の資金を得るにはこちらの方が効率がいいかもしれん」

狼女「それに、こっちの方が私には向いている」

少女「私も頑張るよ!!!!」

狼女「いやお前はお留守番だ」

少女「何で!!」

狼女「いや……危険だろう」

少女「大丈夫だよ!!!!」

狼女「なまくらだって今は居ないじゃないか」

少女「彼はいつでも草葉の陰で見守ってくれているよ……」

狼女「死んでない死んでない」

質屋だよ

なまくら『ブエェックショーーーーーイチクチョウホウチョウ』

なまくら『誰かが噂しているのか……?』

カランカラン

店員「ッシャーッセー」

客3「ん?何か今聞こえたような……?」

店員「おっ、よくおいでなさいました!」

客3「ああ、久しぶり」

店員「いやー、いつもここを利用してくれてありがたい!おかげで繁盛していますよ!」

客3「ここはたまに面白いものが置いてあるからね」

客3「そういうの集めるの趣味なんだ」

店員「冒険者のサガというやつですかね?」

客3「あはは、そうかもしれない」

店員「どこかの家に入って壷とか箪笥とかあさらないんですか?」

客3「そんな盗賊まがいのことしないよ!!!」

店員「え~勇者ってそういうことするって聞いたことあるんですがねぇ」

客3「いくら勇者だからってしません! いったい何処からそんなデマを……」




勇者「それに、今はどちらかというと『元勇者』ですよ」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月01日 (日) 00:30:29   ID: CT-bswVd

これ続き無いの?

2 :  SS好きの774さん   2015年09月17日 (木) 15:37:19   ID: IH80BYs_

終わってない!
まだ終わってないよ!

3 :  SS好きの774さん   2021年03月14日 (日) 15:32:53   ID: S:BZuQbl

続きを待ってる

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