ペトラ「お肌の曲がり角」(17)
ペトラ「………またにきび出来てる」
ペトラ「はああ、嫌だなあ。結構目立つし、こんなんで兵長の前に出たくないよ」
ペトラ「あ、もうこんな時間。今日の朝食当番私だったっけ」
食堂
エレン「ペトラさんおはようございます」
ペトラ「エレンおはよう。もうすぐ朝食できるよ」
エルド「おはようペトラ。…エレン、しきりに鼻なんか触ってどうしたんだ?」
エレン「いや、なんかできちゃったみたいで気になるというか」
ペトラ「あ、エレンもにきび?」
エルド「思春期だな」
オルオ「ペトラ、お前のは二十歳過ぎてんだからにきびじゃなくて吹き出物だろうよ」
ペトラ「オルオうるさい今すぐ舌噛んで絶命しろ」
グンタ「相変わらずペトラはオルオに毒舌だな」
ペトラ「いちいちうるさいんだもん」
オルオ「なんだとっ」
ペトラ「そういえば兵長は?」
グンタ「ついさっきハンジ分隊長が来
てな。ちょっとはずしてる。朝食はお二人とも一緒に食べるようだからもうすぐ来るんじゃないか?」
ペトラ「ハンジさんが?じゃあスープもう一杯用意しないとね」
エレン「あ、俺運びます!」
ガチャ
リヴァイ「揃ってるか?」
ハンジ「みんな、おはよーう!」
ペトラ「リヴァイ兵長、ハンジ分隊長おはようございます。朝食の準備できてますよ」
ハンジ「ありがとうペトラー!!!本当は来るのは午後でも良かったんだけどさ、今日の朝食当番はペトラだって聞いたからさ!」
ペトラ「ふふ、ありがとうございます」
リヴァイ「早く席につけ、クソメガネ。飯ぐらい静かに食え」
ハンジ「はいはーい」
エレン「でも本当にペトラさんの料理は美味しいですからね。見習いたいです」
エルド「ははは、こないだのエレンが食事当番のときは野菜生煮えだったからな」
ペトラ「エレンも数こなしたら上手になるよ。私、兵士になる前はお父さんと二人暮らしだったから私が料理してたんだ。」
オルオ「確かに料理の腕はなかなかだ。俺が嫁にもらってやってもいいくらいだな」
ハンジ「じゃあ私もペトラお嫁にもらう~」
ペトラ「ふふふ、やだ、ハンジさんったらなにも出ませんよ」
オルオ「おい、ペトラ聞こえなかったのか?どうせお前は行き遅れるだろうから俺が嫁に ペトラ「あ、エレンおかわりあるよ?育ち盛りだもんね!」
エレン「え?あ、ありがとうございます」チラッ
オルオ「おい、こらエレン。なにこっち見てやがる」
グンタ「オルオ、悪いこと言わないから黙って食っとけ」
*
ハンジ「あー、美味しかった!ご馳走さま!」
リヴァイ「午前中は掃除だ。各自持ち場につけ。ハンジ、お前も早く来たからには手伝ってくんだろうな?」
ハンジ「ええっ!私もかい?」
リヴァイ「当然だ。ペトラ、こいつに掃除道具のありかを教えてやれ」
ペトラ「はい!兵長」
エレン「俺、水汲んでくるんでペトラさん先に行っててください」
*
パタパタ
ハンジ「案外掃除も楽しいねえ」
ペトラ「」じー
ハンジ「ん?私の顔になにかついてるかな?」
ペトラ「ハンジ分隊長。肌綺麗ですよね。なにか秘訣とかあるんですか?」
ハンジ「ん?ペトラだって汚くはないでしょ?」
ペトラ「最近吹き出…にきびが増えちゃいまして。そこで分隊長に美肌の秘訣をご教授いただけないかと」
ハンジ「ありゃ、そりゃ大変だ。秘訣ねえ…私も特別肌に気をつかってるわけではないんだけど。そうそう、でも思い当たることはあるよ!」
ペトラ「!!ほんとですか?ぜひ教えてください!」
ハンジ「それはね」
ハンジ「恋だよ!!!」
ペトラ「」
ペトラ「恋、ですか」
ハンジ「そうだよ。恋する乙女は美しいってよく言うでしょ?それと同じ」
ハンジ「毎日来る日も来る日も私は巨人のことを考えているからね。考えたらいても立ってもいられなくなって心が暴走しちゃうんだ。ドキがムネムネ。さながらそれは恋する乙女」
ハンジ「そりゃあもう、ホルモンもどばどば出ちゃうってもんだよ!」
ペトラ「ありがとうございました有意義なお話とても参考になりましたそれでは失礼します」
ハンジ「ちょっとちょっとそんな早口でいなくなろうとしないでよ。まだ私の話は終わってないよ」
ペトラ「だって、恋なんてそんな」
ペトラ「そんなことしている暇ありませんから」
ハンジ「?」
ハンジ「私はてっきりペトラも恋する乙女仲間だと思っていたんだけど」
ペトラ「え?」
ハンジ「リヴァイのこと気になるんじゃないの?」
ペトラ「ええええええ!ち、ちがいますよ!そんな恐れ多い!私は兵長のことは尊敬していますがそんな、恋仲になりたいとかそんなんじゃないんです」
ハンジ「でもリヴァイの前では兵士であると同時にきゃっわいい女の子でもありたい。だからお肌が気になっちゃうんでしょ?」
ペトラ「う、そんなこと」
ハンジ「まあ、私はリヴァイと付き合い長いし協力してほしくなったら言ってね!」
ペトラ「ありがとうございます。でも、大丈夫です。本当に」
ハンジ「そう?」
エレン「水汲んできましたー」
ペトラ「ありがとう、エレン。…ハンジ分隊長、この話はこれで」
ハンジ「はいはーい」
自室
ペトラ「結局分隊長から有意義なこと聞き出せなかった」
ペトラ「それに私が兵長のこと…ううん、今はそんなこと考えてる余裕なんかないんだから!そんなこと考えてる余裕があったら少しでも兵長の役に立たないと」グッ
ペトラ「…でもお肌も気になるのが乙女心」
ペトラ「まだ早いって思ってたけど本当はそろそろシーナホルンリンクルとか使ったほうがいいのかな。でもそんな高価なの憲兵団でもなきゃそんなに買えないし、第一ここらへんじゃ手に入らないしなあ」
ペトラ「私は私なりに努力してみよう」
ペトラ「そういえば内地に行ったときに聞いたことがある」
ペトラ「蛇毒のパックがいいって話」
次の日
エレン「うわああああっ!!!」
オルオ「ひいぃ!こっち来んな!」
リヴァイ「おい、お前ら靴のまま食卓に乗るんじゃねえ」
グンタ「しかし!」
エルド「なんで室内に毒蛇が!」
ペトラ「ごめん!逃げた!」
リヴァイ「ペトラ、部屋で蛇を買うのはやめろ。捨ててこい」
ペトラ「」
*
ペトラ「兵長に怒られちゃった」ずーん
ペトラ「しかも蛇毒って本当に蛇の毒を使ってるわけじゃないんだ。失敗、失敗。良かった実際に試す前で」本パラパラ
ペトラ「よし!次はカタツムリ、保湿成分。うん、これはいける気がする!」
ペトラ「城の裏の茂みのところにたくさんいた気がする…あ、いたいた。うえ、ぬめぬめ気持ちわるい」
ペトラ「でもお肌のため!がんばれペトラ」
次の日
オルオ「うおっ!!」ズデンッ
エレン「先輩!」
リヴァイ「おい、お前らなんだこの床のぬめりは…」
グンタ「兵長!」
エルド「なんで室内にカタツムリの大群が!?」
ペトラ「ごめん!逃げた!」
グンタ「潔癖性の兵長はご立腹だし、エレンはペトラが黒魔術でもやるんじゃないかって怖がってたぞ」
ペトラ「」
ペトラ「上手くいかないなあ、にきびは治ってきたけど、肌ボロボロなままだし。兵長には怒られるし…」トボトボ
ペトラ「ふう、床拭いてたら汚れちゃった。お風呂はいろ」
浴室
ペトラ「あ、誰かいる。………兵長?そんなところにしゃがんでどうかしましたか?」
リヴァイ「…ペトラか。またカタツムリが逃げている。気をつけろ」
ペトラ「へっ!?わああ、すみません!すみません!今拾いま…
ドンッ
ドサッ
ペトラ「」
リヴァイ「」
ペトラ「~~~~~!!!!??」
ペトラ(ええええっ?!いま?!!わたし!!!??キス?!?!!!??え!?!?!!!!私がカタツムリ拾おうと屈んだら立ち上がろうとした兵長とぶつかってバランス崩してそのまま……!?!?ていうか私兵長のこと押し倒してる!!!!)ドキドキ
リヴァイ「…おい」
ペトラ(ああ、お風呂上がりの兵長………ちょっと濡れた髪が色っぽい…………)じーーーっ
リヴァイ「………」ギロッ
ペトラ(…じゃなくてじゃなくて!!!!!!)
ペトラ「へへへへへいちょ、もうひわけありやへ」カバッ
リヴァイ「…いや、大丈夫だ」
ペトラ(………兵長は普段通りだ。もしかして私の勘違い?ぶつかっただけ?)
リヴァイ「ペトラ」
ペトラ(私だけ意識して、慌てふためいて、恥ずかしい……)
ペトラ「兵長申し訳ありませんでした。以後気をつけます。カタツムリも森へ返します。雑巾とってきますね」
タタッ
リヴァイ「………」
翌朝
ペトラ「あ、そういえば今日にきび出来てない。肌質もなんとなくいい気がする」ツヤツヤ
ペトラ「もしかして兵長とキキキキキ、キスしたから?…なんて、勘違いだったかもしれないんだけど。ドキドキして……なんていうか、多分どばどばでた。ホルモン的ななにかが…」ツヤツヤ
ペトラ「…ハンジ分隊長の言うとおりだったかも」
ペトラ「なんて、思い込みかな。」
ペトラ「カタツムリ逃がしてこよう」
*
ハンジ「リヴァイー!今日も来たよ~」
リヴァイ「帰れ、毎日毎日来るんじゃねえ」
ハンジ「酷いなあ。私はリヴァイなんかに会いに来てるんじゃないよ。研究のためエレンに会いにきてるの」
リヴァイ「はっ、それはありがてぇな。さっさと行け」
ハンジ「はいはーい、言われなくても行きますよ~」
ハンジ「あ、そうだ。ねえ、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ。さっさと行け」
ハンジ「今日機嫌いいね」
ハンジ「なにかいいことあった?」ニヤニヤ
リヴァイ「」ツヤツヤ
終わり
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