ハンナ「私が必ず貴方を守るから」(107)
-847-
キース「オイ貴様!貴様は何者だ!」
アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」
キース「そうか!馬鹿みてえな名前だな!!親がつけたのか!?」
アルミン「祖父がつけてくれました!」
ハンナ(こ、怖い)
ハンナ(人類のため・・・お父さんとお母さんにも見送られてきたけど、)
キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」
アルミン「人類の勝利に役立つためです!!」
ハンナ(あんな恐ろしい人がいるなんて・・・)
キース「それは素晴らしいな!貴様は巨人の餌になって貰おう!!」
キース「三列目、後ろを向け!!!」
ハンナ(でも開拓地には行きたくない・・・)
ハンナ(私は、立派な兵士になれるのかな・・・?)
~食堂~
ハンナ「・・・何もあそこまで言わなくても、いいのに」
ハンナ『わ、私は!立派な兵士となり!父と母を守れるようになりたいです!』
キース『随分と親思いだな!開拓地で作物の世話をする方が良かったんじゃないか!?』
ハンナ『そ、そんな・・・』
キース『貴様のような安い覚悟は腐るほどある!腐る前に巨人に食われたらどうだ!?』
ハンナ『・・・っ』
ハンナ「安い覚悟か・・・」
フランツ「隣、いいかい?」
ハンナ「・・・! あ、う、うん」
フランツ「元気が無いね君。あ、僕はフランツっていうんだ。教官の言葉、気にしてるの?」
ハンナ「私はハンナ。えっと、そんなところかな。あんなに罵られたの、初めてだから」
フランツ「はは、僕もだ。親にだってあんなに言われたこと無いぜ?」
ハンナ「皆そうなのね。でも何も言われてない子も居たけど・・・ほら、あの大きい子とか」
フランツ「大きい子?ああ、ベルトルトのことか。確かに何も言われなかったね」
ハンナ「何で何だろう・・・他にも、言われてない子が何人か居たわ」
フランツ「・・・でも何となく判る気がするよ。彼らはさ、目が違うんだ」
ハンナ「目?」
フランツ「僕とかはここには親に言われてきたんだけど・・・彼らはそういうのとは違う気がする」
フランツ「これは何となくなんだけどね、はは」
ハンナ「目・・・かぁ・・・」
「本当か!?」
「どれくらい大きいんだ!?」
ハンナ「? 何の騒ぎかな」
フランツ「・・・さっきの言われなかった子の一人がいるね。行ってみる?」
ハンナ「う、うん」
「どんな顔だったの!?」
エレン「皮膚が殆ど無くて、口がでかかったな」
「ウォール・マリアを破った「鎧の巨人」は!?」
エレン「それも見た」
エレン「そう呼ばれているけど、オレの目には普通の巨人に見えたな」
ウオオオオオオオオオッ
フランツ「凄いね・・・彼は超大型巨人を目撃しているんだ」
ハンナ「シガンシナ区を襲った超大型巨人の目撃者・・・じゃあ、あの子は・・・」
フランツ「・・・恐らく、シガンシナ区の出身だ」
ハンナ(・・・シガンシナ区は・・・地獄だって父さんは言っていた・・・)
ハンナ(あの子は死ぬような思いをしてここまで来た。平和に暮らしていた私達とは違う・・・)
「じゃ、じゃあ!普通の巨人は!?」
カランッ
エレン「うっ・・・」
ハンナ「あ・・・」
シィ・・・ン
マルコ「・・・みんな、もう質問はよそう。思い出したくないこともあるだろう」
コニー「す、すまん。色々と思い出させちまって・・・!」
ハンナ(違う、私達と何ら変わりがない・・・!あの子だって平和に暮らしてたんだ!)
ハンナ(巨人を見て、怖くないはずがない!私は何を勘違いしているの・・!?)
エレン「・・・ハッ・・・違うぞ」
ハンナ「!」
バリッ!
エレン「巨人なんてな・・・実際、大したことねぇな」
エレン「俺達が立体機動装置を使いこなせるようになれば、あんなの敵じゃない!」
ハンナ(凄い・・・)
フランツ「・・・あの子は強いね。僕なんか、巨人の話を聞くだけで震えそうなのに」
ハンナ「何となく・・・あの子が何も言われなかった理由、少し判った気がする」
ハンナ「あの子は・・・もう覚悟できているのよ。だから・・・何も言う必要がないんだ・・・」
フランツ「じゃあ僕達も彼に負けない覚悟を持てるよう、頑張らなきゃね」
ハンナ「えっ・・・」
フランツ「幸い、君という友だちができたからさ。これからも同期として頑張ろうよ」
ハンナ「・・・フランツって不思議な人ね。私は悲観的になるのに、前向きだわ」
フランツ「前向きだけが僕の取り柄なんだ。君にも教えてあげようか?」
ハンナ「へえ~?じゃあ、今度教えてね」
フランツ「あ、本気にしていないな?見てろ、ギャフンと言わせるさ」
ハンナ「ふふ、貴方って面白い人だわ。初対面でこんなに話しやすい人、初めてよ」
フランツ「僕もだ。案外気が合うのかもしれないね」
ハンナ「やだなぁ、今度は私をナンパするの?」
フランツ「ほ、本当だよ!ハンナってば結構意地悪なところもあるんだなっ」
ハンナ「あら、そう?」
フランツ「これから長い付き合いになるんだ。僕が誠実であることも教えてやるよ」
ハンナ「お手柔らかにね。私も、こう見えて結構優しいんだからね?」
フランツ「どうだろうな~?あははっ」
ガヤガヤ・・・ワイワイ・・・コレデテウチダ
フランツ「皆、解散していくね」
ハンナ「何だか時間があっという間に過ぎていくな。長いけど、短い一日だったわ」
フランツ「明日はもっと長くなるさ。訓練が始まるんだぞ?」
ハンナ「確か・・・適正訓練だって言っていたよね。何をやるんだろう」
フランツ「明日になれば判るさ。さ、そろそろ宿舎に戻ろうか。明日も早い」
ハンナ「うん」
フランツ「それに同じ部屋の人とも仲良くしないと」
ハンナ「どんな子がいるんだろ。知らない子と同じ屋根の下で暮らすことになるんだね」
フランツ「部屋に行けば判るさ。ハンナも女の子の友達ができるといいね」
ハンナ「うん。でも早速貴方と友達になれたから、友達作りに自信持てたかも」
フランツ「僕もだ。さあ自信を持てた所で同性の友達づくりも頑張ろうかっ」
ハンナ「ふふ、それじゃまた明日ね、フランツ」
フランツ「ああ、また明日会おうね、ハンナ」
ハンナ(フランツ・・・面白い人だったな。何だか気が楽になっちゃった)
ハンナ(同室の子はどんな子がいるんだろう。仲良くできるといいんだけど)
ガチャ
ユミル「わっ」ドン
ハンナ「きゃっ」ヨロッ
ユミル「っと、悪いな。急にドアが空いたもんだから・・・」
ハンナ「ううん。こっちも余所見してごめんなさい」
ユミル「この部屋の奴か?中に入りなよ。丁度自己紹介タイムやってんだ」
ハンナ「貴方はいいの?」
ユミル「・・・別に一匹狼したいわけじゃねえが、ああいうのはごめんだね。ま、お前は好きにやれよ」
ハンナ「ま、待って」
ユミル「あ?」
ハンナ「私はハンナっていうの。宜しくね」
ユミル「・・・・・・ごめんだって言っただろ。変なやつだな」
ハンナ「同室だもの。名前くらい知ってほしいなって・・・貴方は?」
ユミル「私は・・・・・・私は、そう、ユミルだ。私はユミルだ」
ハンナ「ユミルね。綺麗な名前だわ」
ユミル「よせよ。・・・でも礼は言っておく。じゃあな、精々友達作れよ」スタスタスタ
ハンナ「あっ、ユミル・・・行っちゃった」
クリスタ「貴方は同室の子?」
ハンナ「わっ(綺麗な子だ・・・)」
クリスタ「ご、ごめんなさい。急に話しかけられて驚いたよね」
ハンナ「違うの、綺麗だなって・・・私、貴方みたいな綺麗な子、初めて見たから」
クリスタ「え、え、え?そ、そう、かな・・・」
ハンナ「私はハンナっていうの。貴方は?」
クリスタ「私はクリスタ。ハンナ・・・その名前、貴方とても両親に愛されているのね」
ハンナ「そ、そうなの、かな?」
クリスタ「ハンナは昔の言葉で「恩恵」「恵み」という意味があるの。素晴らしい名前よ」
ハンナ「そんな意味があったんだ・・・・クリスタ、貴方って博学だわ」
クリスタ「愛されて生まれたんだね。とても、・・・とても羨ましいわ・・・」
ハンナ「クリスタ・・・?」
サシャ「おや神様なにをして・・・あっ、同室の方ですか?」
ハンナ「何かその言葉、何回も聞いてるなぁ・・・。私はハンナっていうの。宜しくね」
サシャ「私はサシャと言います。ここ、とても賑やかですよね」
ハンナ「うん、何だか楽しいかも」
サシャ「そうですか?私は少し落ち着きませんが・・・暫くすれば慣れんかなぁ・・・」
ハンナ「? 今なんて?」
サシャ「な、なんでもありません!ハンナ、ベッドは下の段がまだ開いてますよ」
クリスタ「私とサシャ貴方の上の段なの。五月蝿くしたらごめんね」
ハンナ「全然気にしないよ。私の実家なんて隣が酒場だから五月蝿いのには慣れっこ」
サシャ「つまり私達がうるさくしそうに見える・・・と・・・」
ハンナ「そ、そういう意味じゃないってば!」
クリスタ「サシャったら!」
サシャ「冗談ですよ、じょーだん!」
ガチャ
ユミル「あ?お前らまだ自己紹介なんかやってたのかよ・・・いい加減寝たらどうだ」
ハンナ「ユミル・・・あ、二人にも紹介するね、彼女は」
サシャ「知っていますよ。先ほど色々ありまして、既に自己紹介を済んでいます」
クリスタ「貴方も何だかんだ言って、ハンナと仲良くなったのね」
ユミル「ちげーよ。こいつが勝手に名乗ったんだ。私からじゃあない」
ハンナ「でも名乗り返してくれたよね、ふふ」
ユミル「・・・っち、面倒くせえな。私は寝るぞもう。あのハゲの儀式が長すぎてずっと眠いんだ」
サシャ「自由ですねぇ・・・まあ夜も更けましたし、そろそろ寝ましょうか」
クリスタ「そうね。適正訓練が何かわからないけど・・・寝不足で不合格なんて嫌だもの」
ハンナ「適正訓練かぁ・・・合格、出来るといいな」
ユミル「出来るじゃねえ、合格しなきゃ兵士になれねーだろ」
ハンナ「そ、そうだね・・・」
クリスタ「大丈夫よ、きっと合格できるわ」
サシャ「頑張りましょう!」
クリスタ「それじゃ、火を消すね」フッ
ハンナ(そうだ・・・合格しないと駄目なんだ。じゃないと、開拓地送りになるかもしれない)
ハンナ(開拓地は嫌だな。憲兵団が大きな顔をして、皆暗い顔で畑を耕している)
ハンナ(兵士になりたい・・・)
ハンナ(兵士になって、お父さんとお母さんを守れるような強い兵士に・・・)
ハンナ(・・・・・・)
・・・
・・
・
キース「まずは貴様らの適性を見る!両側の腰にロープをつないでぶら下がるだけだ!」
キース「全身のベルトで体のバランスをとれ!これが出来ない奴は囮にも使えん!」
キース「開拓地に移ってもらう!」
ハンナ「開拓地に・・・」
ユミル「へー・・・まあぶら下がるだけなら楽勝だろ」
サシャ「まー思ったより難しいことではなさそうですねー。サクッと合格しちゃいましょう!」
ハンナ「合格・・・合格しないと・・・開拓地に・・・」
フランツ「ハンナ?」
ハンナ「ふ、フランツ?貴方、近くに居たのね」
フランツ「酷いなぁ・・・さっきから近くに居たよ。訓練、案外簡単な内容だったね」
ハンナ「・・・でもこれに合格できないと、開拓地に移ることになる」
フランツ「なんだ、そんなことを気にしていたの?大丈夫だよ!上手くいくって!」
フランツ「そうだハンナはこんな遊びをしたことある?影渡りって遊びなんだ」
ハンナ「影渡り?」
フランツ「光を踏んじゃいけないってゲームだよ。あれって案外難しいんだ」
フランツ「この前なんかゴール前になって、こんな細い影しか無いもんだから・・・」
フランツ「こう、丸太橋でもないのに橋渡りをしてるみたいな歩き方したんだよ」
ハンナ「ただの地面なのに?」
フランツ「ただの地面なのにさ!ちなみに影以外を踏んだら巨人に食われるんだよ」
ハンナ「・・・ただの地面なのに?」
フランツ「・・・ただの地面なのにだ!」
ハンナ「・・・・・・・・・っぷ、あはははははっ!ただの影なのに、そんな本気で・・・っ、くくっ!」
フランツ「酷いな・・・僕ら男はこの遊びでちょっとした冒険気分になってだな・・・」
ハンナ「も、もういい!貴方が真剣に話せば話すほど・・・ツボに・・・っ」
フランツ「・・・緊張は解けた?」
ハンナ「あはっ、ふふふ・・・・え?」
フランツ「さっきまでガチガチに緊張してたから心配したよ。でもその様子なら大丈夫だね」
フランツ「まあ世間話のつもりで話してたから、まさか爆笑は予想しなかったけど・・・」
ハンナ「・・・・心配してくれたの?」
フランツ「当たり前だよ。君はここに来て初めての友達なんだから」
ハンナ「あ、ありが、とう・・・」
フランツ「どういたしまして。あ、そろそろ君の番だよ。今なら大丈夫じゃない?」
ハンナ「で、でも・・・」
フランツ「緊張したら僕が大まじめに影渡りしてる姿でも思い浮かべて。笑えるだろ?」
ハンナ「ふっ!ご、ごめん、ちょっと想像して面白かった」
フランツ「そうだ、その意気だ。頑張れよ、ハンナ」
キース「よし、始めろ」
キリキリキリキリ・・・
ハンナ(・・・!か、体が持ち上がっていく・・・だ、駄目・・・バランスが・・・)
フランツ『緊張したら僕が大まじめに影渡りしてる姿でも思い浮かべて』
フランツ『頑張れよ、ハンナ』
ハンナ「・・・!」ギリッ
ハンナ「う、うう・・・・うううう・・・・っ!」ブラブラ
キース「・・・ふむ」
ハンナ(ふむ?ふむって何!?駄目、私は駄目なの・・・!?)
キース「・・・・・・・・・・・・問題ないな。次、準備しろ」
ハンナ「!!」
ハンナ(問題ない・・・ってことは、私、合格・・・した・・・?私、合格したってこと?)
ハンナ(私・・・開拓地に行かなくていいんだ・・・!)
キース「次!クリスタ・レンズ訓練兵!準備しろ!」
クリスタ「は、はい!・・・ハンナ、良かったねっ」
ハンナ「! う、うん!」
ユミル「だから言っただろ。こんな簡単な訓練でビビってんじゃねーよ」
サシャ「と言いながらずっとハンナのこと見てましたよねぇ、ユミルは」
ユミル「・・・芋女、水汲みもっかいやらせるか?」
サシャ「いい加減名前で呼んでくださいって!サシャですよ、サシャ・ブラウス!」
ハンナ「あはは・・・」
フランツ「良かったねハンナ」
ハンナ「フランツ・・・ありがとう、貴方のおかげよ。私、開拓地に行かなくて済む!」
フランツ「君が頑張ったからだよ。おめでとうハンナ」
ユミル「・・・はーん。おい、芋女。他の奴らの醜態でも見に行こうぜ」
サシャ「はい?何故そんなことを・・・」
ユミル「いいから来い」
サシャ「なんなんですかもぉ!」
ユミル「お前気の利かないやつだな。ああいう時は二人にさせてやれよ」
サシャ「へ?って、あの二人そういう関係なんです?」
ユミル「少なくともハンナに気はあるだろ。それにしちゃ随分と早いが、よっぽど相性がいいのかね」
サシャ「・・・ユミルって案外、世話焼きですよねぇ」
ユミル「は?お前殴られたいのかよ?」
サシャ「怒らないでくださいよ!・・・って、あそこやけに騒いでますね」
ユミル「あん?」
エレン「・・・・・・・・・・!?!?!??!」ブラーン
キース「何をやっているエレン・イェーガー!早く上体を起こせ!!」
ユミル「・・・・・なんだあれは
サシャ「出来ない人は出来ないんですねぇ・・・」
ワイワイガヤガヤ
クリスタ「ねえハンナ、貴方ってフランツと恋人同士だったりするの」
ハンナ「んぐ!?」
ユミル「おいおい・・・何の話を始めてんだお前は」
クリスタ「だってとても仲が良さそうだったわ!それともまだお友達?」
サシャ「うーわーこれが恋バナってやつですか」
ハンナ「ふ、フランツとはそんなんじゃないよ。そもそも昨日知り合ったばかりだし」
クリスタ「じゃあ一目惚れ?」
ハンナ「へっ、ええっ?」
サシャ「クリスタってこういう話が好きなんですねー」
ユミル「くっだらねー」
クリスタ「だ、だって憧れるじゃない。・・・愛されるってどんな感じか気になるよ」
ユミル「・・・愛される、ねえ」ジロッ
クリスタ「・・・・っ」フイ(目をそらす)
ハンナ「?(なんだろ、今の)」
ユミル「つーか、カップルといえばそこの今日のエース二人だろ」
ハンナ「エース?そんなすごい子が二人も居たの?」
ユミル「隣だ隣」
エレン「・・・・・・・・・・・・」ポケー
ミカサ「エレン、エレン、エレン!」
ハンナ「あの子・・・一日目に巨人の話をしていた子だけど、どうしちゃったの?」ヒソヒソ
ユミル「あいつ、出来なかったんだよ。お前にも出来たのにな」
ハンナ「え、えええ?」
ミカサ「・・・・・」ジロ
ユミル「おーこわ。ドベじゃない方のエースがこっちを睨んできてやがる。退散するかね」ガタッ
クリスタ「ユミルがそうやって喧嘩を売るからでしょっ、もう!」ガタッ
サシャ「私はまだ食べ終わってませんのでー」ムシャムシャムシャ
ハンナ「・・・私も宿舎に戻ろうかな」ガタッ
スタスタスタ
ハンナ(明日も訓練か・・・頑張らないと)
ハンナ(あ、誰か来る・・・暗くて顔が見えないな・・・フランツ、かな)
ライナー「昨日の奴・・・凄いことになっていたな。あそこまで出来ない奴が居るとは」
ベルトルト「壁の中には色んな人がいるもんだね」
ライナー「そうだな・・・」
ベルトルト「・・・ライナー・・・判ってると思うけど、僕らの成すべきことを忘れないでね」
ベルトルト「今、彼のことをちょっと心配しただろ?君の悪い癖だ」
ライナー「判っている!だが同じ釜の飯を食うんだ。それくらい不自然でもないだろ」
ベルトルト「そういうことを言ってるんじゃないんだけどな・・・まあ、気をつけて」
ライナー「ああ・・・、! おい、誰か来るぞ」
ベルトルト「!」
ハンナ(あ、やっと顔が見えてきた・・・えっと、大きい人は確かベルトルト、だったかな)
ハンナ(もう一人は誰だろ・・・男の子の方はまだ名前の知らない子が多いなぁ)
ベルトルト「・・・・・・」ジッ
ライナー「・・・・・・・」ジロッ
ハンナ(え、なに?今・・・なんか見られた?私何かしたかな?)
ハンナ(男の子ってよく判らないなぁ・・・早く宿舎に戻ろう・・・)タタッ
ベルトルト「・・・・・今の会話、聞かれたかな」
ライナー「いや、わかってない顔だったから大丈夫だろ。睨んでしまって、悪いことをした」
ベルトルト「次、壁を壊す頃にはあの子も多分・・・戦場に行くことになるだろうね」
ライナー「残っていたら、の話だな。お前も感傷的になったか?」
ベルトルト「まさか」
ベルトルト「僕らは目的を果たして故郷に帰る・・・そうだろ?余計な感情なんて、ない」
ライナー「・・・・そうか」
ベルトルト「早く帰りたいね・・・そろそろ故郷の匂いを忘れてしまいそうになる」
ライナー「そうだな。・・・早く故郷に帰って、こんなこととは無縁な生活に戻りたいな」
ベルトルト「・・・うん」
・・・
・・
・
ハンナ「今日もこの訓練なんだね」
ユミル「そしてリベンジマッチ出来るのも今日までだ・・・昨日のエースとかどうなることやら」
サシャ「あれだけ酷いのに昨日今日で直るものなんでしょうか・・・」
クリスタ「あ、あの子だって頑張ってるんだから、そんなこと言っちゃだめだよ」
ユミル「へーへークリスタ様はお優しいですねー」
ハンナ「ユミルったら・・・・あ、昨日の子だよ。始めるみたい・・・」
ハンナ(近くに昨日の二人と・・・あとは恋人?だったかな。一緒にご飯食べてた子もいる)
ハンナ(あの4人、仲がいいのかな)
ユミル「さーて見ものだ。見物にでも行くか?」
クリスタ「ダメだって!一生懸命やってるんだから・・・!」
ハンナ「私もちょっと気になるかな・・・私、あの子には合格して欲しい」
ユミル「へえ?」
ハンナ「あんなに巨人を倒したがってたんだもん・・・開拓地なんて行きたくないはずよ」
ユミル「だがそれを決めるのはあいつでも私らでもないぜ。教官殿だ」
クリスタ「・・・見に行ってみようか」
サシャ「行くんですか?」
クリスタ「少し、見てみたくなったの。見届けたいのかもしれない」
ユミル「・・・好きにしろ。私は面白おかしく見物してやるさ」
キース「エレン・イェーガー。覚悟はいいか?」
エレン「・・・!」
・
・・
・・・
ハンナ「・・・・・・」
クリスタ「・・・・・・凄かったね」
ハンナ「・・・うん、うん!」
サシャ「まさか装備の欠陥だったとは。訓練所もずさんですねー」
ハンナ「でも凄いよあの子!普通、壊れない装備が壊れてるのにバランス取ったんだよ!」
ユミル「テンションたけーな・・・ちょっとうぜーぞ」
クリスタ「いいじゃない。だって、あんなの見せられたらこっちもやる気でちゃうもの」
サシャ「ド根性も大事ってことです!」
ユミル「根性ねえ・・・まあ、今回ばかりは認めてやってもいいか」
ハンナ「ユミルって本当に素直じゃないわよね・・・」
フランツ「あ、ハンナ」
ハンナ「フランツ・・・」
ユミル「さーて退散するか退散っと」
クリスタ「! そ、そうねっ。またあとでね、ハンナ!」
サシャ「またですかーもー。ハンナ、後でまた会いましょうね」
フランツ「? 何で彼女たちは先に行っちゃうの?」
ハンナ「や、あの、なんでかしらね・・・(変な気を使わないでよー・・・)」
フランツ「そういえば君も見たか?エレンのあれ!凄かったよ!」
ハンナ「エレン・・・あの子、そういえばそう呼ばれてたね」
フランツ「エレンと僕は同室なんだけど、昨日まで本当に死にそうな顔しててさ・・・」
フランツ「だから心配してたんだけど、ライナーとベルトルトに良いアドバイス貰ったのかな?」
ハンナ「えっと、ライナーって・・・」
フランツ「あ、ごめんごめん。普段ベルトルトと一緒にいる、体格のいい男のことだよ」
ハンナ「もしかして金髪の?」
フランツ「そうそう。もう会ったことあるの?」
ハンナ「この前、丁度ベルトルトと一緒に居たところをすれ違って・・・だからその人かなって」
フランツ「あの二人は同郷らしくてね。だから仲がいいんだ」
ハンナ「そうなんだ・・・」
ハンナ(あの時、話し声がしたのは故郷の話をしていたのかな)
フランツ「根性だけでどうにもならないこともあるけど、エレンを見てるとそうじゃないって思うんだ」
フランツ「エレンは皆に活力を与える人になるかもね。注目される人になるよ、きっと」
ハンナ「なんか、わかるかもしれない。エレンは何か目が離せないよね」
フランツ「そ、そうなの?」
ハンナ「? 貴方がそう言ったんじゃない。注目される人って・・・」
フランツ「あ、ああ、そうだったね。ごめんごめん・・・変な意味で取って・・・」
ハンナ「変なフランツ」
フランツ「うーん・・・疲れてるのかも。ごめん、宿舎に戻るよ」
ハンナ「まだ一週間も経ってないもの。疲れちゃうのも無理は無いわ」
ハンナ「おやすみなさい、フランツ。またね」
フランツ「ああ。またね、ハンナ」
スタスタスタ
ハンナ(フランツと話すと不思議な気持ち、なんだか心が軽くなる)
ハンナ(・・・会ってまだ間もないんだから、多分そう言うんじゃないわよね・・・)
ハンナ(明日もまた会えるといいな)
ここまでです。続きはまた夜に
-847- **月**日
ガッ ブゥンッ
ハンナ「キャッ!」
ミーナ「ご、ごめんハンナ。大丈夫?思い切り投げちゃった・・・」
ハンナ「平気よ・・・ミーナって結構力持ちね」
ミーナ「そうでもないわよ。今のはアニの真似をしただけっていうか・・・」
ハンナ「アニって、貴方と同室の?」
ミーナ「うん。あの子、対人格闘術が凄く秀でているのにサボリ癖があるのよね」
ミーナ「一回だけ、エレンとやってた時のを見様見真似でやったんだけど・・・」
ハンナ「見ただけで出来るミーナも凄いじゃない」
ミーナ「いやいや!全然!アニのは凄いのよ。あの子は転ばすだけじゃないもん」
ハンナ「例えば?」
ミーナ「ええとね・・・。あ、丁度ライナーがアニと組んでるから、見れるかも」
ハンナ「どれどれ?」
アニ「ライナー、私のことを色々と良く言ってくれたらしいね?」
ライナー「・・・くっ。ベルトルトの奴が告げ口したのか」
アニ「酒飲んで酔った勢いで大口叩いた割りには今は随分萎縮しているじゃないか」
アニ「ほら、酔った時みたいにもっと強気になったらどうなんだい」
ライナー「お前も根に持つ奴だな・・・怒ると身長がますます縮むぞ」
アニ「・・・これでも伸びてるんだよ」
ライナー「へえ、それは初耳だ。俺にはここに来た時より小さく見えるが?」
アニ「それはアンタが・・・伸びたからだろうが!!」
ガシッ! ガッ!
ライナー「ぐううっ!」
ブォンッ!!!!
ライナー「ぐあっ!!!!!!!」ドサッ
アニ「いい格好だねライナー。ほら、愛しいクリスタも見てくれてるよ」
ライナー「んな!?!?」ワタワタ
ハンナ「・・・ライナーが宙を舞った・・・え、アニってそんなに力持ちなの?」
ミーナ「違う違う。アニはライナーの力を利用したんだよ」
ハンナ「ライナーの力を利用?」
ミーナ「私も良くはわからないんだけどさ。んんと・・・全力疾走してる時に石に躓くとするね」
ミーナ「そうすると走っていた勢いがあったから、凄く派手に転ぶよね」
ミーナ「アニのやってることって、そういうことらしいよ」
ハンナ「なんだか・・・私には高度すぎて、ちょっと難しいかも」
ミーナ「あはは、私にも難しくて判らないんだよね」
ハンナ「もし彼女の格闘術が女性兵士に広まれば・・・それは大きな貢献になると思う」
ミーナ「女性兵士はどうやっても男より非力だもんね。でもあれなら、力がなくても・・・」
ハンナ「でもあの子はそういうタイプじゃなさそうだから、無理かな」
ミーナ「だね。私もアニはよく知らないけど、あの子は自由なようで目的があるように見えるよ」
ミーナ「そのせいか一線を引いてるところもあるの。本当はもう少し仲良くしたいんだけどな」
ハンナ「ユミルと同じだね。あの子も私と話してくれるけど、常に線を引いてるんだ」
ミーナ「アニと仲良くなれるかもね」
ハンナ「うーん、どうだろ。どちらかというと衝突しちゃうかもな・・・」
キース「そこまで!本日の訓練はここまでとする!!」
ハンナ「あ、教官だ。整列しないと」
ミーナ「そうだね・・・あ、フランツもあそこにいるよハンナ」
ハンナ「! そ、そう・・・」
ミーナ「少しは進展したの?ここにきて半年は経ってるけど、ずっとお友達じゃない」
ハンナ「し、静かに・・・教官にバレちゃう・・・」
ミーナ「おっと、頭突きはさすがに勘弁かな。あとでゆっくり聞かせてねハンナ」
ハンナ「もう、ミーナったら・・・」
フランツ「・・・・」チラッ
ジャン「フランツ、ハンナが気になるのか?さっさと告白すりゃいいのに」
フランツ「そ、そんなんじゃないよ・・・でもジャンも人のこと言えないだろ」
ジャン「・・・いつかは言うさ、いつかな!」
ハンナ(ご飯の時間か。フランツ・・・いるかな)
コニー「ベルトルト、いい加減白状しろって!お前、誰が好きなんだよ!」
ベルトルト「だから僕には特別気になる人はいないよ・・・」
コニー「じゃあ俺がお前に良さそうなのを考えてやる!そうだな・・・ミーナとかどうだ?」
ベルトルト「ミーナのことはよく知らないから」
ジャン「ベルトルトみたいなのには気が強いのがいいだろ。アニとかどうだ?」
ベルトルト「アニは・・・うーん、そういう対象とは違うかな・・・」
ライナー「やめとけやめとけ。投げられるぞ」
トーマス「ライナーはクリスタだろ?可愛いよなクリスタ」
サムエル「なっ、お前らもクリスタ狙いかよ!?くっそーやっぱライバル多いな」
コニー「クリスタ人気あるなー。なあフランツ、お前はどうだよ。お前もクリスタか?」
ハンナ(! ふ、フランツの好みのタイプ・・・気になる)
フランツ「まあ、僕もクリスタは可愛いと思うよ」
サムエル「っはー!お前もクリスタ狙いかよ!いよいよ競争率が高くなったな」
ハンナ「・・・・・・・」
ハンナ(フランツ・・・クリスタが好きなんだ。そうだよね、クリスタは可愛いもん)
ハンナ(私なんて鼻も低いし・・・髪も艶がないし・・・クリスタみたいじゃない・・・)
ハンナ(そんなもんよね・・・)
ハンナ(なんだか、嫌な気持ちがぐるぐるしてきちゃう。フランツとは離れて食べようかな・・・)
スタスタスタ
フランツ「でも僕が好きなのは、クリスタじゃなく他の子だよ」
トーマス「クリスタよりもか?そりゃ本気ってことか・・・誰だよ、教えてくれよ」
ジャン「そりゃハンナのことだろ」
コニー「ハンナって誰?」
サムエル「あ、知ってる。フランツと仲のいいそばかすの子だろ?」
コニー「そばかすっつーとユミルみたいなのが思い浮かぶんだが・・・」
サムエル「いやーあいつは強気通り越してキツイだろ!もっと柔和な子だよ」
ベルトルト「僕もその子知ってる。純朴そうな子だよね」
ライナー「あー・・・あのそばかすのか。フランツとは似合いじゃないか?良いカップルだ」
フランツ「に、似合いだなんてそんな!ハンナはその・・・僕にはもったいないよ・・・」
ジャン「そうでも無いと思うがなー」
コニー「柔和で純朴なユミル・・・駄目だ全然想像つかねえ」
サムエル「コニーはユミルから離れろよ!ホント、ああいうのとは違うからさ」
フランツ「はは・・・」
ライナー「・・・なあフランツ。俺らは今は訓練兵だが、いつかは兵士になるんだ」
ライナー「ここを卒業したらもう会えなくなるかもしれん。そういうのは言っといたほうがいいんじゃないか?」
ベルトルト「・・・・・・」ジィッ
ライナー「なんだよ」
ベルトルト「別に。・・・君はいい兄貴分だなぁって思っただけだよ」
ジャン「なんだそりゃ?」
フランツ「・・・もう会えなくなる、か。それはちょっと寂しいな・・・」
ライナー「だろ?それに・・・配属次第では、それが最後になる。後悔のないようにするのがいい」
フランツ「そうだね。心に留めておくよ、ライナー」
フランツ「・・・・そういえばハンナ、今日はまだ姿を見ていないな」
フランツ「どこに行ったんだろう・・・」
・・・
・・
・
ハンナ「・・・・・・・・・・・・・・」
ユミル「・・・おい、飯はいいのかよ」
ハンナ「ユミルこそ、食堂に行かなくていいの?お腹空いてるでしょ」
ユミル「私は既にパンを持ってるんでね。ここで食う」
ハンナ「そう・・・」モゾモゾ
ユミル(布団かぶっちまいやがった)
ガチャッ
クリスタ「ハンナ、ここにいるの?貴方の分のパンを持ってきたけど・・・」
ハンナ「・・・!」ビクッ
サシャ「食欲ないんですか~?お腹すいてないなら私が頂きますが!」
クリスタ「駄目だよ!ハンナ、どこか調子悪いの?でも食べないと駄目だよ」
ハンナ「えっと、あの・・・お腹、痛くて。今は食べれないの」
ユミル「へー?お前お腹が痛かったのか、そりゃ初耳だなぁ」
ハンナ「ゆ、ユミル!」
クリスタ「どういうこと?ハンナ、体調が悪いわけじゃないの?」
ハンナ「・・・ごめん、言えないの。クリスタには言えない・・・」
ハンナ「言えない・・・」
クリスタ「ハンナ?ハンナ?泣いてるの・・・?どうして・・・ねえ、誰かに酷いことを・・・」
ユミル「・・・クリスタ、そりゃ何のために聞くんだ?」
クリスタ「え?」
ユミル「それ、ハンナを心配して言ってるのか?」
クリスタ「・・・えと、心配以外で聞くことって、あるの?よくわからない・・・」
サシャ「あ、えーと、まあまあ!ハンナが言いたくないなら聞かないでおきましょうよ!」
ハンナ「・・・サシャ、ありがとう。ごめんね皆」
クリスタ「ううん、無理にきこうとしてごめんねハンナ。元気、出してね・・・」
ユミル「・・・・・・」
ハンナ「ユミルも、ごめんね」
ユミル「何で謝るのか意味わかんねーよ。仮病ならパン食って早く寝ろ」
ハンナ「うん・・・」
ハンナ(言えるわけがないよ・・・だって、フランツはクリスタが好きなんだもん)
ハンナ(嫌だな・・・ぐるぐるする。クリスタはいい子なのに)
ハンナ(ぐるぐるした気持ちでいっぱいになって、クリスタを嫌いになってる自分がいる)
ハンナ(・・・私、嫌なやつになりたくないなぁ)
ハンナ(私もクリスタみたいに綺麗で可愛い子に生まれたら良かったのに)
ハンナ(そしたらフランツも好きになってくれたのかな・・・)
キース「今日は立体機動の訓練を行う!先に張り紙をした班に分かれろ!」
キース「前回は起動装置の扱いを中心に行ったが、今回はブレードを使っての攻撃について訓練する!」
キース「各班は森に設置された巨人の人形のうなじを切れ!」
キース「採点は斬撃の深さ、発見数、討伐数、その他諸々を評価して行う!」
キース「班による訓練であることも忘れず、チームプレイも重視するように!」
一同「はっ!!!!!!」
ハンナ(私の班は・・・あっ)
フランツ「ハンナ!君と一緒の班なんだね。ここにいるってことは、君も14班だろ?」
ハンナ「う、うん・・・」
コニー「フランツ、こいつがハンナなのか?確かにユミルとは違うなー」
マルコ「あまりジロジロ見るもんじゃないよコニー。俺はマルコ、よろしくなハンナ」
ハンナ「宜しくね。えっと、コニーにマルコ」
マルコ「各班、4人らしいからこれで揃ったね。皆、頑張ろう!」
フランツ「ハンナと一緒の班だなんて嬉しいな。立体機動は得意だっけ?」
ハンナ「えっと・・・そこそこ、かな。ユミルやサシャのほうが全然上手だよ」
フランツ「あの二人はズバ抜けてるからなぁ・・・10位以内に入っちゃうんじゃないか?」
ハンナ「かもね。私も負けられないな・・・」
コニー「おいお二人さん。イチャついてないでそろそろ行くぞ」
マルコ「フランツ、可愛い子が来たからって話してたら訓練終わっちゃうぞ」
フランツ「な、そ、そんなんじゃないって!」
ハンナ「・・・?」
フランツ「き、気にしないでねハンナ!あいつら適当なこと言ってるだけだから・・・」
ハンナ「えっと、よくわからないけど判ったわ」
マルコ「ありゃフランツも苦労しそうだね・・・あの子、ちょっと鈍いかも」ヒソヒソ
コニー「告白すりゃいいのにな」ヒソヒソ
フランツ「・・・聞こえてるからな!余計なお世話だよ!」
ハンナ(フランツ、何怒ってるのかしら)
ギュイイイイイイイイイイインッ シュバッ! ギュイイイイイイイッ・・・
ハンナ「う、うう・・・まだこれに慣れない・・・」
フランツ「ハンナ!落ち着いて操作するんだ!今はぶつからないことを考えて!」
コニー「・・・結構移動しながら人形探したり、人形切るのも難しいな」
マルコ「木に当たらないようにするだけで精一杯だ・・・キツいね、これは」
コニー「お、あそこにあるのは人形じゃねーか?まだ切られてないぞ!」
マルコ「でかしたコニー!よし、行くぞ!」
ギュイイイイイイイイイイイッ!!
フランツ「二人が人形を見つけたようだ!ハンナ、いけそうかい?」
ハンナ「だ、大丈夫。付いて行くだけなら何とか出来ると思う」
フランツ「よし、じゃあ行こう。無理せず、ゆっくりでいいからねハンナ」
ハンナ「うん」
ハンナ(フランツはやっぱり優しいな・・・この訓練で少しでもいいところを見せたら・・・)
ハンナ(・・・何考えてるの私。訓練なんだから真面目に受けないと・・・)
コニー「よぉおおし!いっただき・・・」
ズバッ!!!!!!!!!!!!!
ミカサ「・・・・お先に」
コニー「み、ミカサ!お前・・・俺らが見つけたんだぞ!!!く、くそ!」ズバァッ
マルコ「さすがミカサだな。斬撃が深い・・・これは高得点だぞ」
フランツ「ミカサに取られちゃったみたいだな。次の人形で点を稼ごう」
ハンナ「う、うん」
マルコ「奥の方に進もう。そっちにはまだ、手付かずの人形があるかも」
コニー「次こそは俺が仕留めてやる!行くぞ!」シュバッ シュリギュリギュリイイイ
フランツ「ちょ、ちょっとコニー!先走り過ぎだ!」
ハンナ「み、皆早い・・・ま、待って!置いて行かないで!」ギュイイイイイイイッ
ハンナ(私だけが遅れてる・・・フランツの足手まといになりたくない!)
フランツ「! ハンナ!危ない!」
ハンナ「えっ」
ガキンッ
ハンナ「嘘・・・アンカーが片方・・・外れ・・・て・・・」グラッ
マルコ「バランスが崩れる!フランツ、コニー!ハンナをフォローするぞ!」
コニー「駄目だ間に合わねえ!ハンナ!早くワイヤーを打ち出せ!!!!」
ハンナ(なんで・・・地面が近くなっていくの・・・?)
ハンナ(体が動かない・・・コニーの言うとおり・・・近くの木に早くワイヤーを・・・)
フランツ「ハンナアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
ギュイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!!!!!!!!
コニー「フランツ!」
マルコ「あのままじゃ二人共ぶつかる・・・!フランツ!ハンナ!」
ドガッ!!!! ガラガラガラ ・・・ ・・
ハンナ(・・・? 思ったより痛くない・・・私、ワイヤーを打ち出せたのかな?)
ヌルッ
ハンナ「え・・・これ、血?」
フランツ「・・・ハンナ、怪我はないかい・・・?」
ハンナ「フランツ・・・嘘、やだ・・・なんでそんな怪我をしてるの・・・?ねえ・・・なんで・・・」
フランツ「君が無事でよかった。もう少しで地面に激突するところだったんだよ」
フランツ「ギリギリで君の外れたワイヤーを捕まえられたんだ」
フランツ「目の前に外れたワイヤーがあったから咄嗟にやったけど、正解だったね」
ハンナ「私が聞いてるのはそういうことじゃない!貴方・・・手が・・・背中も・・・!」
ハンナ「素手で鉄のワイヤーを掴めばどうなるか、わかるでしょ!?」
ハンナ「なんでそんなことするの・・・!私、貴方に怪我して欲しい訳じゃなかったのに・・・!」
フランツ「・・・ごめんね、ハンナ」
ハンナ「違う・・・違うよ・・・謝って欲しいんじゃないの・・・私は・・・貴方がこんな・・・」グスッ
フランツ「・・・君に怪我をさせたくなかったんだ」
ハンナ「でも、貴方が怪我をしたわ・・・」
フランツ「それでも君に怪我をさせたくなかったんだよ。後悔はしていない」
ハンナ「どうして・・・」
フランツ「僕は君のことが―――だから」
ハンナ「え?今なんて」
ギュイイイイイイイイイイッ シュパッ
マルコ「フランツ!ハンナ!無事か!」タタッ
コニー「二人共生きているか!ってフランツ・・・お前、その手・・・!」
マルコ「背中も大分やられてるな・・・これじゃ訓練は続けられない。一旦教官の所に戻ろう」
ハンナ「・・・ごめんなさい、私のせいだ・・・」
マルコ「ハンナが気にすることじゃないよ。フランツが格好つけたがっただけさ」
コニー「いいとこみせれてよかったな、フランツ」
フランツ「茶化すのはやめてくれよ・・・いててっ。とりあえず、治療を受けに行くね」
ハンナ「わ、私が運ぶ。フランツ、私に捕まって」
フランツ「えっ、君が?ぼ、僕・・・結構重いけど」
ハンナ「せめてこれくらいさせて・・・大丈夫、絶対に貴方を落としたりしない」
マルコ「・・・フランツ、好きにさせてやりな。俺達も付いて行くから」
コニー「だな」
フランツ「判った・・・ハンナ、頼むよ」
ハンナ「うん」
シュガッ バッ ギュイイイイイイイイイギイイイッ・・・
ハンナ「・・・・・・・・・」
フランツ「・・・・・・・・・・」
ハンナ「・・・・ねえフランツ。こんな時に何だけど・・・さっき、なんて言ったの?」
フランツ「えっと・・・言わなくちゃダメかな」
ハンナ「うん、今聞きたいの」
フランツ「・・・・・・・好きって、言ったんだ。君のことが、好きって」
ハンナ「・・・そっか」
ハンナ「そっか、そっかぁ・・・」グスッ
フランツ「! い、嫌だった!?ご、ごめんね、いきなり過ぎたもんね」
ハンナ「・・・私も好き」
フランツ「えっ」
ハンナ「私も貴方が好き、フランツ・・・嬉しい、凄く嬉しいの」
フランツ「・・・そっか」
ハンナ「うん、うん・・・ねえフランツ、医務室まで付いて行っていい?」
ハンナ「傍に居たいの」
フランツ「・・・うん、僕もだ」
ギュッ
ハンナ「貴方の手、大きくて暖かい・・・・この手でワイヤーを掴んでくれたんだね」
ハンナ「ありがとう、フランツ・・・」
コニー「・・・・・・・なんかさ、俺らの存在が無視されてねーか?」
マルコ「まあ・・・いいじゃないか。祝福しようよ」
コニー「あーくそっ、フランツのやつ羨ましいなー!俺も恋人が欲しいよ!」
マルコ「サシャに告白でもしたら?」
コニー「サシャはそういうんじゃねーから!あれは遊び友達!あーもう!羨ましいなー!」
マルコ「はは・・・」
ここまでです。続きはまた今日か明日の夜に書きに来ます
すいません風邪引いてました。再開します
-850-
エレン「頭いてえ」
フランツ「大丈夫かい、エレン?昨日は酒を飲んでなかったようだけど・・・二日酔いなの?」
エレン「いや、なんか変な夢を見てさ・・・そのせいかな」
ハンナ「きっと卒業して気が抜けたから疲れが出たのよ。私もまだ実感わかなくて」
フランツ「僕もだ。それに配属兵科がまだ決められなくて、昨日は眠れなかったよ」
エレン「ふぅん、皆悩むもんなんだな。俺は調査兵団に入るつもりだけど」
ハンナ「エレンはずっとそう言ってたものね。私はどうかな・・・特に秀でたものはないし・・・」
エレン「ハンナは駐屯兵団がいいんじゃないか?」
フランツ「うん、その方がいい。僕らの実力では調査兵団はもっと厳しいだろうね」
フランツ「それにハンナはお年寄りや子供に優しいから、きっと人に好かれる兵士になるよ」
ハンナ「や、やだフランツったら・・・」
エレン「・・・いちゃつくのは俺が居なくなってからにしてくれねーか」
エレン「しっかし、最前線の町だってのに人が増えたよな・・・」
ハンナ「もう5年も何もないんだもん。数年前の雰囲気のままとはいかないでしょ」
フランツ「この5年間で壁も大分強固になったしね!」
ハンナ「もう大型巨人なんて来ないんじゃないかな」
エレン「・・・何腑抜けたこと言ってんだ!!バカ夫婦!そんなことじゃ・・・」
フランツ(僕らが夫婦!)カアッ
ハンナ(フランツと夫婦・・!?)カアアッ
ハンナ「そ、そんな・・・夫婦だなんて・・・」
フランツ「お似合い夫婦だなんて・・・気が早いよエレン!」
エレン「・・・お前らなー」
カンカンカンカン
フランツ「昼の鐘だ。エレン、昼から門側の砲台点検に行くんじゃなかった?」
エレン「もうそんな時間か。お前らはトロスト区の西側だっけ?」
ハンナ「うん。これも大事な仕事だから、しっかりやらないとね」
エレン「それじゃあな。点検中もいちゃつくなよ」
ハンナ「え、エレン!いちゃついたりしないってば!」
フランツ「そういうのは二人きりの時にしてるよ!」
エレン「あ、うん、自覚がないんだなお前ら・・・まあ頑張れ」
フランツ「なんだよそれ・・・ねえハンナ、僕らってそんなにわきまえてないかな・・・?」
ハンナ「そ、そんなことないはずよフランツ。多分、うん、多分」
フランツ「そうだよね!エレンの奴もミカサと少しは進展すればいいのに」
ハンナ「でもエレンがああだとミカサも苦労するんじゃないかしら」
フランツ「家族扱いだもんね」
ハンナ「姉と弟って感じでもあるよね。ミカサはその気があるみたいだけど、エレンはどうだろ」
フランツ「エレンはそもそも色恋沙汰に疎いというか、巨人優先というか・・・」
ハンナ「・・・巨人が居なくなったら、エレンも少しはそういう余裕ができるのかな」
フランツ「どうだろうね、エレンだし。あ、ハンナ見て。もう皆リフトに着いてるよ」
ハンナ「やだ、私達が最後?急がなくっちゃ!」
カンッカンッ
ハンナ「よし、汚れが取れた。この砲台は終わったよー」
トム「これで半分だな。そっちはどうだフランツ?」
フランツ「こっちは残り3つだ。早く終わりそうだから、終わったら手伝うよ」
トム「ああ、助かる。・・・ところでよ、お前ら配属兵科決めたか?」
フランツ「ええと・・・実はまだなんだ。でも調査兵団には入らないかな・・・」
トム「昨日のエレンの演説で調査兵団希望者が増えたけど、やっぱそうだよな」
ハンナ「コニーが確かそうよね。私も調査兵団には・・・勇気がないな・・・」
トム「それが普通だ。俺は憲兵団に行きたかったが、駐屯兵団が妥当か」
フランツ「でも駐屯兵団もなかなか競争率が高いよ?」
ハンナ「憲兵団に入れず、調査兵団を嫌がる人は駐屯兵団に行くもんね」
トム「そうなんだよなぁー。あーくそ、上位10位の奴らはいいよな」
フランツ「はは、でもその上位のエレンとコニーは調査兵団に行くみたいだけど」
トム「勿体ないよなぁ。くそ、俺にその権利を譲って欲しいぜ」
ハンナ「ならもっと頑張ればよかったのに。そんなこと今更・・・・」
フランツ「どうしたのハン・・・なんだ・・・あの煙は・・・・」
トム「おいおい何だアレ!まさか門が火事になったっていうのか!?」
ハンナ「違う・・・あれは・・・火事じゃない・・・火事の煙はあんなじゃない・・・」
ハンナ「あれは火事なんかじゃない・・・!!!」
カンカンカンカンカンカンカンカン!
ハンナ「!?」
フランツ「緊急警鐘だ!」
トム「おい・・・冗談じゃねえよ・・・俺、この警鐘を聞いたことあるんだよ・・・」
トム「超大型巨人が現れた時と同じだ・・・あの時も警鐘がずっと鳴っていた!」
ハンナ「! う、嘘だ・・・だって今まで現れなかったのに・・・っ」カタカタ
フランツ「ハンナ!しっかり!きょ、巨人が出たなら・・・僕らは行かないと」
トム「どこに行くっていうんだよ!」
フランツ「僕たちは兵士だ。やるべきことは決まっている」
トム「・・・!心臓を捧げろ・・・そういうことかよ・・・」
ハンナ「まさかこんなに早く、捧げることになるなんてね。あは、あは・・は・・・」
ハンナ「ああ・・・ああ・・・怖い、なぁ・・・」
トム「どちらにせよ・・・俺達は逃げられねえよ・・・民衆より生き延びるわけにはいかねえだろ」
フランツ「大丈夫だ、僕たちはあの厳しい訓練を乗り越えたんだ」
フランツ「巨人に負けやしない!」
トム「そうだな・・・くそ、やってやる・・・やればいいんだろ・・・!」
カンカンカンカンカンカンカン!
「訓練兵!早く本部に集まれ!」
「いつ巨人が入ってくるかわからないんだぞ!」
ハンナ「・・・行こう。どんなに怖くても・・・私たちは・・・兵士なんだから・・・」
フランツ「ハンナ・・・」
-本部-
キッツ「皆、集まったようだな!時間がないためまずは何が起きたかを話す!
キッツ「5年前にシガンシナ区を襲った超大型巨人がここトロスト区に現れた!」
キッツ「悔やまられることに最も実戦経験豊富な調査兵団は壁外調査のため出払っている」
キッツ「現在、我々「駐屯兵団」のみによって・・・壁の修復と迎撃の準備が進行している」
キッツ「お前たち訓練兵も卒業演習を合格した立派な兵士だ!」
キッツ「今回の作戦でも活躍を期待する!」
キッツ「以上!各自戦闘準備のため解散!準備が整い次第、広場に集まるように!」
キッツ「そこで詳細な作戦についての説明を行う!」
バタバタバタバタ
ハンナ「本当に・・・本当に巨人と戦うんだ・・・」
フランツ「・・・ハンナ」
ハンナ「駄目だ・・・怖い・・・怖いのフランツ・・・。私、兵士になんてなれない・・・!」
フランツ「ハンナ!」
ハンナ「!」ビクッ
フランツ「大丈夫だよ。ハンナ・・・僕が必ず君を守るから」
ハンナ「フランツ・・・」
フランツ「だから絶対に君は死なない。巨人を撃退して、生きて帰るんだ」
フランツ「それにこの戦いで成果を上げれば憲兵団にも入れるかもしれないだろ?」
フランツ「そうすれば、君は怖い思いをしなくていいんだ」カタカタ
ハンナ「・・・ごめんなさい、フランツ。私、自分のことばかり考えてた」
ハンナ「貴方の手、震えてるわ。なのに私を勇気づけてくれるのね・・・」
フランツ「あ、ふ、震えてた?なんだ・・・はは、情けないな」
ハンナ「情けなくなんか無い!貴方は恐怖と戦って、立ち向かおうとしてる」
ハンナ「だから私も、戦う。私も貴方を・・・守る!」
フランツ「参ったな・・・いつの間にか君は強くなっちゃったんだ?これじゃ立つ瀬がないよ」
ハンナ「強くもなるわ。だって私達、「夫婦」だもん。夫を助けないと」
フランツ「夫婦、か。なあハンナ。もし生きて帰れたら・・・・・・」
フランツ「・・・いや、今はよそう。戦闘準備をしないと班長にどやされてしまう、急ごう」
ハンナ「ええ、急ぎましょう」
・・・
・・
・
駐屯兵士「それでは訓練通りに各班ごとに通路に分かれ――――」
ギュイイイイイイイイイイッ タッ
ハンナ「見てフランツ。昼にエレン達と通った商店街よ」
フランツ「・・・誰も居なくなってしまったね」
ハンナ「避難が完了したってことで、喜ぶべきなのよね・・・でも・・・」
フランツ「僕達がここを防衛して修復すれば、また賑やかな街に戻るさ」
訓練兵「そんなこと・・・出来るのか・・・」
ハンナ「やるしかないよ。・・・大きな足音も聞こえる。巨人がもう、来てるんだ」
フランツ「皆、生きて帰るぞ。これが終わったら祝杯だ!」
訓練兵「ああ・・・やってやる。俺は生きて帰ってみせるぞ!」
フランツ「目標を見つけ次第、戦闘態勢に入るぞ。油断するなよ!」
ハンナ「ええ!」
タッ ギュイイイイイイイイイイッ
ハンナ(生きて帰るんだ・・・生きて・・・生きて帰るんだ・・・!)
巨人「・・・」ノソッ
フランツ「・・・!!右側に15m級巨人!全員距離をとれ!」
訓練兵「もうこんなところまで来やがったか・・・!!!グイッ うわぁ!?」
ハンナ「伸びたワイヤーに巨人が・・・!」
グイインッ ガンッ
訓練兵「う・・・ああ・・・・くそ、いてえ・・・。・・・あ?」
巨人「・・・」カパァッ
訓練兵「そんな・・・やめてくれ・・・やめてくれ・・・やめてくれ!!!!!!!!」
グジュ
ハンナ「・・・・うっ!」
フランツ「7m級が建物の影に潜んでいた・・・皆!巨人は2体だ!気をつけろ!」
訓練兵「い、嫌よ!死にたくない!」シュパッ グインッ
ハンナ「! だ、駄目!単独行動をしたら―――」
巨人「・・・アー」
訓練兵「ひいいっ」
訓練兵「あ、あっちに行・・・いや、あああっ」ガシッ
巨人「・・・」アーン
訓練兵「殺さないで!殺さないで下さい!助けて下さい!お母さんお母さんお母さんお母さ」ブチッ
フランツ「・・・!ハンナ、ここは一旦退こう!僕らの実力じゃ3体相手は無理だ!」
ハンナ「人が・・・人が死ん・・・」
フランツ「退却!退却だ!ハンナ、早く!!」
ハンナ「フランツ・・・人が・・・人が・・・」
フランツ「くそ・・・!ハンナ、僕に掴まって!安全なところまで君を・・・」
ハンナ「! フランツ!後ろ!」
奇行種「・・・アアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」ダンダンダンダンッ
フランツ「突然走りだした・・・あいつ、奇行種か!くそ・・・追いつかれる・・・!」
ハンナ「私を抱えてじゃ無理よ!一回下ろしてから・・・」
フランツ「下ろしている間にあいつが来る!このまま逃げるよ!!」
ハンナ「嫌・・・お願いフランツ!下ろして!このままじゃ二人共食べられる!」
ハンナ「私のせいで貴方が死ぬなら、私を置いていってよ!」
フランツ「そんなこと出来るわけがないだろ!!!頼むから大人しく掴まってくれ!!!」
ダンッ
奇行種「・・・ウー」
フランツ「駄目だ捕まる・・・!ハンナ、立体機動に移る準備をしろ!!!」
ハンナ「え?」
フランツ「君だけでも・・・逃げるんだ・・・!さあ投げるぞ!」
ブンッ
ハンナ「フラン・・・ツ・・・っ」
奇行種「・・・」ガシッ
フランツ「くっ」
ハンナ「・・・!!! フランツ!フランツ!フランツウウウウウ!!!!!」
フランツ「くそ・・・化け物め・・・!ハンナには手を出させない・・・!」ジャキッ
ハンナ「ああああ!フランツを離せ!離せえええ!!!」
フランツ「! やめろハンナ!逃げるんだ!」
奇行種「・・・」グアッ
ハンナ「ああああああああああああ!!!!!」
フランツ(駄目だあのままじゃ奇行種に食われる!どうする・・・どうするんだ・・・!)
フランツ(ああ、くそ)
フランツ(マルコやアルミン、ジャンなら・・・もっとマシなこと考えただろうな・・・)
フランツ(座学、もっとまじめにやるんだったなぁ・・・)
フランツ「・・・それでもハンナ、君だけは必ず・・・っ」ザクッッ!!
奇行種「・・・!アアアアア!」
ハンナ「巨人の目を潰した!?い、今ならあいつの腕を切り落とすことが・・・!!」ジャキッ
フランツ「・・・・ハンナ、」
タッ
ハンナ「今、今助けるからね!この腕を切り落とせば・・・!!」
フランツ「・・・」ドンッ
ハンナ「え?」フラッ ズルッ
ハンナ(私・・・落ちてる?なんで・・・なんで・・・?)
フランツ「ハンナ・・・君の腕じゃこいつの腕を切り落とすのは無理だよ・・・」
フランツ「だから僕がやるしかないんだ」
奇行種「ウウウウウウアアアアアアアアッ」
バグッ ブチッ
ハンナ(あ、ああ、あああ)
ハンナ「・・・・あああああああああああああああああ!!!!」
ハンナ「嫌だ!嫌だ!嫌だ!!!!!フランツ!フランツ!嫌だああああ!!」
ハンナ「殺してやる!!!よくもフランツを!!!!殺してやるうう!!!!!」
奇行種「・・・」ジィッ
ハンナ「この化け物!化け物!無価値な化け物・・・!!!!」
奇行種「・・・!!!」ブルブルッ
ハンナ「どうした化け物!!かかってこい!!!殺してやる!!!」
奇行種「ア・・・アアア・・・アアッ」ミチミチミチミチ
ハンナ「・・・? 何・・・何なのよ・・・!」
ブシュアッ
奇行種「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!」
ズゥンッ
ハンナ「突然うなじが・・・裂けた・・・?・・・!まさか、フランツ!!??」
奇行種「ウウウウオオオオオオッオオオエッ」
フランツ「・・・・」ズルンッ
ハンナ「フランツ!!!!!!!!!!」
ハンナ「フランツ!良かった!ああ、でも血が止まらない・・・でも必ず助けるから・・・!」
フランツ「・・・一か八か、だった、けど、体の中から、うなじの辺りを切り裂いたら、って、思って、」
ハンナ「今は喋っちゃ駄目!大丈夫・・・こんな怪我直ぐ治るからね・・・!」
フランツ「僕に、して、は、機転が、効いていた、だろ?突き落として、ごめん、ね、ハン、ナ」
ハンナ「そんなの気にしてなんかない!私のためにやったんでしょう!?」
フランツ「そ、そう、か、かか、よか、た、た」
ハンナ「体がどんどん冷たくなっている・・・本部に戻りましょう!救護班の手当を受けるの!」
フランツ「も、む、無理、むむり、だよ。ね、ねえ、ハンナ、言いたかった、こと、が」
ハンナ「お願いフランツ、喋らないで!手当を受けないと死んじゃう!」
フランツ「は、初めて会った、と、時から、気になって、いて」
フランツ「知れば、し、知るほど、好きになって、だから、君、き、君を守れて、嬉しい、んだ」
フランツ「でも、かな、う、ここ、こと、なら」
フランツ「君、と、ほ、ほん、本当の、ふう、ふふ、夫婦、に、・・・・・・・・・・」
フランツ「・・・・・・・・・・・」
ハンナ「フランツ?」
バッ
ハンナ「息をしてない」
ハンナ「心臓も止まってる」
ハンナ「こういう時どうするんだっけ?そうだ、人工呼吸しなきゃ。心臓を動かさなきゃ」
ハンナ「誰かが来るまでフランツの心臓を動かさなきゃ・・・」
フーフーッ グッグッグッ
ハンナ「フランツ・・・フランツ・・・大丈夫、貴方を死なせたりなんかしないわ」
ハンナ「だって私、貴方に言ったもの。守るって言ったもの!」
ハンナ「大丈夫きっと誰かが来る!だから死んじゃ駄目フランツ!!!」
ハンナ「死なないで!フランツ!」
・・・
・・
・
アルミン「ハンナ?一体何を・・・?」
・・・
ハンナ「はあっ!はあっ!フランツ!お願い!息を吹き返して!!」
ハンナ「アルミンは!アルミンはまだなの!?早く助けが来ないとフランツが・・・!!」
フランツ「・・・・・」
ハンナ「はぁっはぁっ!大丈夫よフランツ!さっきからね!巨人の姿も見えないの!」
ハンナ「きっと撃退しているんだわ!だからもうすぐ助けだって来る!」
ハンナ「アルミンも来てくれたもの!もう少しの辛抱だからねフランツ!だから、だから・・!」
ズン ズン
巨人「・・・・」
ハンナ「・・・!!きょ、巨人・・・!ま、まだフランツの蘇生が終わっていないのに・・・!」
巨人「・・・ウー」ジロッ
ハンナ「こっちに来る・・・!このままじゃ、フランツが食べられちゃう・・・!」
ハンナ「に、逃げるしか無い・・・フランツ!暫くの辛抱だからね!」ギュッ
フランツ「・・・」ダランッ
ハンナ「このまま本部まで逃げよう!大丈夫!必ず助けるからねフランツ!」ダッ
巨人「アアアアアッ」ズンズンズンズンッ
ハンナ「あいつも奇行種なの!?それでも!フランツだけは・・・!!!」
ガシッ
ハンナ「足を捕まれ・・・ああっ」ズルッ
フランツ「・・・・」
巨人「ウー?」パシッ
ハンナ「・・・!!!こいつ・・・!フランツ!!フランツを返せ!!!」
巨人「アー」
ハンナ「くそ!足が・・・!離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せえ!!」ザクッザクッザクッザクッ
フランツ「・・・・」
巨人「・・・アー」カパッ
ハンナ「やめろ!!!!!!フランツを食うな!!!食うな!!!!!」
ハンナ「フランツを食・・・っ」
フランツ「・・・」ダラン
ハンナ「・・・フランツ?」
ハンナ「ねえ、どうして目を開けてるのに、そんな顔をしているの・・・?」
ハンナ「それじゃまるで、まるで」
ハンナ「死んでるみたいじゃない」
フランツ「・・・・」
ハンナ「・・・・・・・・・・・・・・・」
ハンナ「フランツ、死んじゃってたの?嘘でしょ?私、貴女を守るって・・・言って・・・」
ハンナ「これじゃ貴方を守れない、じゃない、ねえ」
ハンナ「ねえ・・・」
ハンナ「フランツ、」
巨人「・・・」バグッ
ハンナ「、」
ハンナ「あああああああああ、あああ、あああああああああああああ!!!!」
ハンナ「フランツを!!!!!返せええええええ!!!!!!」
その時、すべてがスローモーションのように感じた
激高する中、それとは対照的に私の中には冷静な考えもあった
『フランツはもう死んでいる。死体を守る意味はあるか?』
『私の為を生かしたフランツのために、ここは私だけでも逃げるべきでは?』
奇行種は15m級
私の実力では到底討伐なんて出来ない
ここで立ち向かうのが果たして、本当にフランツのためなんだろうか?
フランツ『大丈夫だよ。ハンナ・・・僕が必ず君を守るから』
最終的に私の行動を決定づけたのは、やはりフランツだった
彼を守る、例えそれがもう魂のない抜け殻であったとしても
それだけのために、私は行動することとした
ハンナ「・・・・私が必ず貴方を守るから、だから、待っててねフランツ」
ハンナ「すぐに行く」
ハンナ「この化け物・・・私を離してくれないつもりね。ならこの足はくれてやる!」ザシュッ!!
ズルッ
ハンナ「あぐ・・・っ(抜けた・・!)」
巨人「アー」ブゥンッ!
ハンナ「! そうはさせないわ!」バシュッ グリンッ
巨人「アアー?」スカッ
ハンナ「よし!このままうなじをめがけて・・・!!!!」
ハンナ(いや、勢いが足りない!それに私の浅い斬撃じゃ確実に倒せるか・・・)
ミーナ『アニはライナーの力を利用したんだよ』
ミーナ『私も良くはわからないんだけどさ。んんと・・・全力疾走してる時に石に躓くとするね』
ミーナ『そうすると走っていた勢いがあったから、凄く派手に転ぶよね』
ハンナ「そうか・・・力を利用する・・・!」
ハンナ「化け物!こっちに来い!食べたければ私を捕まえてみろ!!!」
巨人「アアアアアアアアアッ」ズンズンズンズンッ
ハンナ「そうだ来い!そうやって走るのよ!」
ハンナ(チャンスは一回!間違えれば私も死んで・・・フランツも助けられない!!)
ハンナ「今だ!」グリンッ
巨人「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ハンナ(走ってくる巨人の口に入って、中から切り裂く!)
ハンナ(フランツ、貴方がやった方法・・・私にもどうか、成功させて!!)
ハンナ「さあ!!口を開けろお!!!」ジャキッ
ザクッ ザクッ
巨人「アガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ」
ハンナ(両頬の筋肉は切った!これで口が開いた!中にアンカーを打ち込む!!)バシュゥッ
ドスッ ドスッ
ハンナ「・・・・・・・・・・フランツ、今行くよ」
ザシュッ
・・・
・・
・
女性兵士「訓練兵、彼らの名前がわかるか?」
サシャ「・・・・・・・・・・・・・・ハンナと、フランツ、です」
女性兵士「ハンナとフランツ・・・ああ、この二人だな。よし、死体を片付けよう」
クリスタ「そんな・・・二人まで・・・こんなのって・・・」
ユミル「・・・見ろよ。ハンナのやつ、抜刀したまま死んでやがる」
ユミル「近くにもまだ巨人の残骸もある・・・こいつは戦ったんだ」
サシャ「ハンナ・・・あんなに怖がってたのに、巨人と戦ったんですね・・・兵士として」
クリスタ「違う」
クリスタ「ハンナは兵士として、民衆や王のために戦ったんじゃない」
ユミル「・・・・・・・・・じゃあ誰のためだ?」
クリスタ「ハンナは、守ろうとしたんだよ。きっとフランツのためだけに戦った・・・」
ユミル「綺麗事言うんじゃねーよ・・・フランツの方は死んでから大分経ってる」
ユミル「こいつは死体を守るために死んだっていうのか?ふざけるなよ」
サシャ「・・・ハンナはそれでも、フランツを守りたかったんでしょうか」
ユミル「死体を守ることに何の意味があるっていうんだ・・・くそ、くそ・・・っ」
クリスタ「そんなの、ハンナにしかわからないよ」
クリスタ「でも、ハンナはきっと、後悔なんてしていないと思う」
ユミル「だろうな。だらしねえ顔してる」
サシャ「フランツのためだけに、ハンナはその心臓を捧げたんですね・・・」
ユミル「・・・胸糞悪い。さっさと片付けるぞ」
クリスタ「あ、ユミル・・・ねえ、一緒に運んでやろうよ」
ユミル「ああ?」
クリスタ「だってハンナ、こんなに大事そうにフランツを抱いているんだもの」
クリスタ「まるで本当の夫婦みたい」
トロスト区襲撃についての報告書 850年 ○○月☓☓日
トロスト区に超大型巨人が出現
ウォールローズを破壊し、トロスト区内には多数の巨人が侵入した
門は修復不可能となり、民家及びトロスト区の駐屯兵団本部も壊滅状態
人的被害は後衛部、中衛部、前衛部に別れた兵士の内、前衛部の駐屯兵士は全滅
中衛部にも大きな被害を受けた
また、本部に巨人が集中したことにより途中兵士の補給もままならぬ状態となり、
避難が遅れた多数の兵士及び訓練兵が死亡
その後本部を奪還し、補給を終えた訓練兵は脱出に成功
証言では謎の奇行種が現れ、巨人を殺戮したという
今回は鎧の巨人の出現及び超大型巨人はウォールローズ破壊後に消えたため、
被害はトロスト区内で収めることに成功した
その後のトロスト区防衛戦についての報告はリコ・****より別途報告とする
概要報告は以上とする。別項にて詳細及び今回死亡した兵士について記述
【別項・トロスト区襲撃 死亡者一覧】
ミーナ・カロライナ
トーマス・ワングナー
ハンナ・*******
フランツ・*******
・・・
フランツ『いたっいててっ!は、ハンナ・・・もう少し優しくやってくれよ・・・』
ハンナ『ご、ごめんねフランツ。これでどう?』
フランツ『うん、大丈夫。あいたたた・・・何か時間を置いてから痛くなってきた』
コニー『自業自得だろフランツ』
マルコ『そう言うなって。いいところ見せれてよかったじゃないか』
ジャン『よう、フランツ怪我をしたんだって?大丈夫かよ』
エレン『ワイヤー掴んだんだって?無茶するよなお前も・・・』
フランツ『いや、エレンには言われたくない』
ジャン『ぶっ!確かに死に急ぎ野郎に言われたらおしまいだよな』
エレン『んだとてめ・・・』
ハンナ『ちょっと!怪我人の前で喧嘩なんてやめてよ!』
コニー『すっかり女房だなハンナ』
ハンナ『そ、そんなんじゃないってば!もう・・・!』
ライナー『いや、そのあたりははっきりさせたほうがいいんじゃないか?なあフランツ』
ベルトルト『ライナー・・・』
ライナー『言いたいことはわかっている。だからこそ言うんだ』
ベルトルト『本当に?・・・ならいいんだけどさ』
コニー『おいおい、お前らまで喧嘩し始めるのかよ』
フランツ『・・・いや、ライナーの言うとおりだ。ここははっきりしよう』
フランツ『ハンナ、僕と付き合って・・・いや、恋人になってほしい』
ジャン『おお!言った!』
マルコ『ジャン!真面目なところなんだよ!』
ハンナ『え、えと、私・・・私・・・あの』
ベルトルト『・・・後悔のないようにするのがいいんじゃないかな』
ハンナ『後悔のないように・・・そうね、私決めたわ!』
ハンナ『ええと、あの、フランツ。私も・・・貴方が好き。だから・・・お受けします』
フランツ『!!! ほ、本当!本当に!?』
コニー『よおおおっし!やったなフランツ!今夜は祝杯だ!』
ジャン『仕方ねーな、隠してた酒をお前にやるよ』
ライナー『よかったなフランツ』
ベルトルト『・・・ええと、おめでとうフランツ』
エレン『え、え、なんだ?二人ってそういう・・・?マジかー』
マルコ『今気づいたのエレン・・・あー、これはミカサが苦労しそうだなぁ・・・』
ジャン『ミカサはお前には勿体ねえよ!さっさと振られちまえ!』
エレン『なんなんだよさっきから!表に出ろ!』
ジャン『上等だ!』
フランツ『ちょ、ちょっとちょっと二人共・・・』
ハンナ『二人とも!!!それ以上喧嘩するなら教官呼ぶからね!!!』
二人『! ・・・・は、はい』
コニー『なんかかかあ天下の未来が見えたんだが』
ライナー『奇遇だな。俺もだ』
マルコ『皆、フランツは怪我人なんだ。あまり騒がないで・・・それに二人にさせてやろうよ』
ベルトルト『そうだね。フランツ、養生しろよ』
ライナー『あとでじっくりと聞かせてくれよな』
コニー『俺にも俺にも!フランツ、逃げるなよー?』
ジャン『酒もあとでやるからな』
エレン『あとでな、フランツ。ハンナ、騒いで悪かったな』
バタン
ハンナ『・・・・・・・・・』
フランツ『・・・・・・・・・・』
ハンナ『・・・・フランツ、また手を握ってもいいかしら』
フランツ『あ、う、うん』
ハンナ『やっぱり大きい。それに暖かい。あの・・・時々でいいからこうしてもいい?』
フランツ『恋人同士なんだから、もういつでもそうしてもいいよ』
ハンナ『そ、そうよね。恋人同士・・・恋人同士なのよね、私達』
フランツ『うん。なんかまだ実感ないけど・・・僕たちは恋人同士なんだ』
ハンナ『いつか結婚とかもするのかしら』
フランツ『けけけけ結婚!?は、ハンナは僕でいいの?僕はその、嬉しいけど』
ハンナ『・・・ずっとね、夫婦ってなんだろうって考えると、貴方の顔が浮かぶの』
ハンナ『だから私、フランツともし恋人になれたらその時は・・・って』
フランツ『・・・・』
ハンナ『ねえ、私と添い遂げろなんて言わない。でも、いつ死ぬか判らないじゃない?』
ハンナ『だから言葉だけでいい。中身はなくてもいいから、誓って』
フランツ『・・・僕はまだ未熟だ。だから中身は・・・あとから用意する。それでもいい?』
フランツ『病めるときも健やかなる時も、君とともに居る』
フランツ『君が好きだ、ハンナ。どんなことがあっても、君のことを必ず守る』
ハンナ『私もどんなことがあっても、貴方が好き。・・・愛してるわ、フランツ』
・・・
・・
・
-???-
エレン「慰霊碑が立ったんだな。あいつらの名前も並んでる」
ミカサ「ピクシス司令が二人が恋人同士と知って、並べてくれたらしい。それに・・・」
アルミン「うん、名前も他の名前より間隔が狭い。一緒にいるみたいだ」
エレン「これで苗字もフランツの苗字になったら、本当の夫婦みたいなのにな」
ミカサ「遺族の感情もある。それは出来なかったのかもしれない」
エレン「そうか・・・」
アルミン「でもこんな形だけど、同じ墓には入れた。最後まで二人は一緒だったんだ」
アルミン「クリスタ達も言っていた・・・後悔なんて無い筈だって」
エレン「・・・アルミン、ミカサ。この慰霊碑の周りにさ、外の世界の花とか植えないか?」
エレン「少しでもいい、外の世界にあるものをこいつらにも見せてやりたい」
ミカサ「そうしよう。二人も・・・皆も、きっと喜ぶ」
アルミン「今度また遠征に行くんだろ?その時、種を持って帰ろうよ」
エレン「ああ」
エレン「そろそろ行くか。兵長にどやされちまう」
アルミン「そうだね。戻ろうか」
ミカサ「・・・・・・ええ」
ザッザッザッザッ
『がんばって』
ミカサ「・・・?」
エレン「どうしたミカサ?」
ミカサ「・・・いや、多分風の音か何かを聞き間違えたんだと思う」
エレン「そうか・・・じゃあ行こう」
ミカサ「うん」
『がんばれ』
エレン「・・・? 風の音、かな」
おわり
以上です。長々と失礼しました。読んでくれた人はありがとう
ふざけたのしか書いてなかったから凄く真面目にやりたかった
すいません念のための追記です
需要無さ過ぎる内容だからまとめる人は居ないだろうけど、まとめ無しでお願いします
読み返すとスゲー恥ずかしい
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